JP4419040B2 - バッキングプレート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ターゲット、特に靭性の低いターゲットをバッキングプレートに厚さ:0.1〜1.0mmの軟ろう材層を介して簡単にろう付けすることのできるバッキングプレートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体装置を作製する際に形成するSi薄膜はSiターゲットを用いてスパッタリングすることにより得られ、DRAMの記憶保持用キャパシタ用薄膜は、BaおよびTiの複合酸化物、SrおよびTiの複合酸化物またはBa、SrおよびTiの複合酸化物などの高誘電体複合酸化物(以下、これら高誘電体複合酸化物をBaSrTi複合酸化物と総称する)からなるターゲットを用いてスパッタリングすることにより得られ、さらに相変化型光ディスクの光記録保護膜はZnS−SiO2系ターゲットを用いてスパッタリングすることにより得られることは知られている。
【0003】
これらターゲットは、いずれも通常のバッキングプレートの上に溶融軟ろう材(例えば、溶融したInろう材またはIn−Snろう材)を塗布し、この溶融軟ろう材を塗布したバッキングプレートの上からターゲットを押し当ててターゲットとバッキングプレートをろう付けされる。このようにして形成された軟ろう材層2´を介してろう付けされたバッキングプレート付きターゲットは、図6の断面図に示されるように、バッキングプレート1の端部をスパッタリング装置5の固定具6により水冷銅板7に接触固定し、空洞8に冷却水を供給することにより冷却された水冷銅板7によりバッキングプレート1を冷却し、さらにターゲット3を冷却するとともに、ターゲット側容器9の内部雰囲気を真空雰囲気にしてスパッタリングすることにより各種の非金属またはセラミックス膜を形成する。
【0004】
近年、電子部品、記録媒体部品などの大量生産とコストダウンのために、各種膜の成形には大型化したターゲットを使用して高真空雰囲気下で高出力スパッタすることにより高速成膜し、それにより短時間で各種膜を形成するようとしている。そこで、高出力スパッタすることにより高速成膜するためにターゲットの冷却効率を高めるべく水冷銅板の空洞に供給する冷却水の水圧を一層高めている。冷却水の水圧を高めると冷却能率は向上するものの水冷銅板7の中央が膨らんでバッキングプレート1を押し上げ、バッキングプレート1は図6の一点鎖線で示されるように上方向に向かって変形し、バッキングプレート1にろう付けされているターゲット3も同様に押し上げられて図6の点線で示されるように上方向に向かって弯曲変形し、そのためにターゲット3にA方向の引張り残留応力が発生する。このターゲット3にA方向の引張り残留応力が発生した状態で高真空雰囲気中の高出力スパッタを行なうと、ターゲットが非金属またはセラミックスからなる靭性の低いターゲットである場合にスパッタ中に割れが発生することがあり、ターゲットに割れが発生すると、得られた薄膜にパーティクルが発生するところから、歩留まりに深刻な影響を与えることがあった。
また、前記ターゲット3の上方向に向かう弯曲変形は、スパッタリング装置内部を高真空雰囲気に保持し、一方、水冷銅板側は大気雰囲気となっているところから、大気圧によってバッキングプレート1は図6の上方向に向かって押し上げられることによっても発生し、このターゲット3の弯曲変形はスパッタリング装置内部を高真空雰囲気にするほど顕著になり、スパッタ中のターゲット3に割れが発生する原因となる。
【0005】
かかる課題を解決するために、ターゲットをバッキングプレートに通常よりも厚さの厚い0.1〜1.0mmの範囲内の軟ろう材層を介してろう付けし、前記バッキングプレートの弯曲変形を厚さの厚い軟ろう材層で吸収することが行なわれている。
前記ターゲットをバッキングプレートに厚さ:0.1〜1.0mmの範囲内の軟ろう材層を介してろう付けするには、図7(a)の断面図に示されるように、バッキングプレート1の上に溶融軟ろう材2を厚く塗布し、この厚く塗布した溶融軟ろう材2の上に図7(b)の断面図に示されるように0.1〜1.0mmの範囲内の太さを有するワイヤー10をスペーサーとして載置し、ターゲット3を押し当てろう付けすることにより図7(c)の断面図に示されるようにターゲット3とバッキングプレート1の間に厚さ:0.1〜1.0mmの範囲内の軟ろう材層2´形成することにより製造している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バッキングプレート1に厚く塗布した溶融軟ろう材の上に純銅製のワイヤーをスペーサーとして置いた場合、純銅製のワイヤー10は比重が溶融軟ろう材の比重に比べて小さいところから、図7(b)の断面図に示されるように、溶融軟ろう材の上に浮いた状態で置かれ、このワイヤー10が浮いた状態の溶融軟ろう材2の上から平面積の大きいターゲット3を押し付けると、ワイヤー10がバッキングプレート1の平面に沿って移動し、ワイヤーが所定の位置からずれて最悪の場合はワイヤーが軟ろう材からはみ出すことがあった。これは平面積の大きいターゲットを完全な水平状態を保ちながら押し付けることは困難であり、ターゲットが微妙に傾いて押し付けられることによるものと考えられ、ターゲットを水平に押し付ける作業にはかなりの熟練が求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、かかる課題を解決すべく、創意工夫を行なった結果、 バッキングプレートのターゲットをろう付けする面に高さ:0.1〜1.0mmの範囲内の突起部を一体的に形成したバッキングプレートを作製し、このバッキングプレートの突起部を一体的に形成した面に溶融軟ろうを塗布してターゲットの平坦面をろう付けすると、突起部はバッキングプレートに固定して一体的に取り付けられているところから溶融軟ろう材により浮き上がることがなくまた突起部の位置がずれることがなく、したがって、熟練者でなくても簡単にかつ正確にターゲットの平坦面をバッキングプレートに厚さ:0.1〜1.0mmの範囲内のろう付け層を介して取り付けることができる、という知見を得たのである。
【0008】
この発明は、かかる知見に基づいてなされたものであって、
バッキングプレートのターゲットろう付け面に突起部が一体的に形成されているバッキングプレート、に特徴を有するものである。
なお、この突起部は通常の円盤状バッキングプレートのターゲットろう付け面に溶接によって一体的に取り付けても良く、鋳造時に一体成形しても良く、また切削加工によっても良く、取り付け方法はいかなる方法でも良い。
【0009】
この発明のバッキングプレートを図1〜図5に基づいて具体的に説明する。
図1はバッキングプレートのターゲットをろう付けする面に平行線状の突起部11を一体的に設けたこの発明のバッキングプレートの斜視図であり、この突起部は2本の純銅線を通常の純銅製バッキングプレート1に溶接して高さ:0.1〜1mmの寸法を有する突起部11を形成したものである。
図2はバッキングプレートのターゲットをろう付けする面に桝目状の突起部12を一体的に設けたこの発明のバッキングプレートの斜視図であり、この突起部は桝目状に成形した純銅線を通常の純銅製バッキングプレートに溶接して高さ:0.1〜1mmの寸法を有する突起部12を形成したものである。
図3はバッキングプレートのターゲットをろう付けする面に同心円状の突起部13を一体的に設けたこの発明のバッキングプレートの斜視図であり、この突起部は直径の異なったリング状純銅線を同心円状に通常の純銅製バッキングプレートに溶接して高さ:0.1〜1mmの寸法を有する突起部13を形成したものである。
図4はバッキングプレートのターゲットをろう付けする面に螺旋状の突起部14を一体的に設けたこの発明のバッキングプレートの斜視図であり、螺旋状に成形した純銅線を通常の純銅製バッキングプレートに溶接して高さ:0.1〜1mmの寸法を有する突起部14を形成したものである。
図5はバッキングプレートのターゲットをろう付けする面に少なくとも3個の塊状の突起部15を一体的に設けたこの発明のバッキングプレートの斜視図であり、図5は純銅製の半球を純銅製バッキングプレートに溶接して高さ:0.1〜1mmの寸法を有する突起部15を形成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施例1
(Ba0.5,Sr0.5)TiO3複合酸化物粉末をホットプレスすることにより直径:305mm、厚さ:6mmを有するホットプレス焼結体を作製し、このホットプレス焼結体を研削することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有するターゲットを作製した。
【0011】
一方、純銅製の直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有するバッキングプレートを用意し、さらにスペーサーとして太さ:1mmの寸法を有する直線状の純銅ワイヤーを2本用意し、この2本の純銅ワイヤーを前記バッキングプレートに溶接することにより図1に示されるような本発明バッキングプレートを作製した。
【0012】
この本発明バッキングプレートの上に溶融したInろう材を塗布した後、ただちに特別な注意を払うことなく前記作製したターゲットを被せ、凝固させることにより厚さ:1mmのInろう材層を有するバッキングプレート付きスパッタリングターゲットを作製することができた。
【0013】
従来例1
実施例1で用意した純銅製の直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有するバッキングプレートの上に溶融したInろう材を塗布した後、この溶融Inろう材の上に太さ:1mmの寸法を有する純銅製ワイヤーを2本平行に載せ、その上から、ただちに特別な注意を払うことなく実施例1で作製したターゲットを被せ、凝固させることにより厚さ:1mmのInろう材層を有するバッキングプレート付きスパッタリングターゲットを作製した。得られたバッキングプレート付きスパッタリングターゲットについて検査したところ、バッキングプレートとターゲットの間のInろう材層からスペーサーとして挿入した純銅製ワイヤーの一部が露出いていた。
【0014】
【発明の効果】
上述のように、この発明のバッキングプレートを用いると、特別な注意を払うことなく厚さ:0.1〜1mmの軟ろう材層を有するバッキングプレート付きスパッタリングターゲットを作製することができるので熟練者を必要とすることなく誰にでも簡単に生産できるので、コストダウンに大いに貢献しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のバッキングプレートの斜視図である。
【図2】この発明のバッキングプレートの斜視図である。
【図3】この発明のバッキングプレートの斜視図である。
【図4】この発明のバッキングプレートの斜視図である。
【図5】この発明のバッキングプレートの斜視図である。
【図6】従来のスパッタリングターゲットの課題を説明するための断面説明図である。
【図7】従来のバッキングプレート付きスパッタリングターゲットを製造するための断面説明図である。
【符号の説明】
1 バッキングプレート
2 溶融軟ろう材
2´ 軟ろう材層
3 ターゲット
4 バッキングプレート付きスパッタリングターゲット
5 スパッタリング装置
6 固定具
7 冷却銅板
8 空洞
9 容器
10 ワイヤー
11 突起部
12 突起部
13 突起部
14 突起部
15 突起部
Claims (2)
- ターゲットの平坦面を軟ろう材層を介してろう付けするバッキングプレートにおいて、バッキングプレートのターゲットろう付け面に高さ:0.1〜1.0mmの範囲内のスペーサーとしての突起部が一体的に形成されていることを特徴とするバッキングプレート。
- 前記突起部は、バッキングプレートのターゲットろう付け面に、少なくとも2本の純銅ワイヤーが平行線状に一体的に成形されたもの、少なくとも1本のリング状に形成された純銅ワイヤーがバッキングプレートと同心円状に一体的に成形されたもの、桝目状に形成された純銅ワイヤーが一体的に成形されたもの、螺旋状に形成された純銅ワイヤーが一体的に成形されたもの、または少なくとも3個の同じ高さの突起が一体的に形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のバッキングプレート。
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