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JP4419740B2 - インタンクキャニスタシステムの故障診断装置及び故障診断方法 - Google Patents
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JP4419740B2 - インタンクキャニスタシステムの故障診断装置及び故障診断方法 - Google Patents

インタンクキャニスタシステムの故障診断装置及び故障診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、燃料タンク(例えば自動車用燃料タンク)内で発生する蒸発燃料を処理するためのキャニスタシステムに備えられた故障診断装置及びその故障診断装置によって実行される故障診断方法に係る。特に、本発明は、燃料タンク内にチャコールキャニスタ(以下、単にキャニスタと呼ぶ)が収容されて成るインタンクキャニスタシステムにおいて、燃料タンクの孔明きや亀裂やシール不良等(以下、これらを故障と呼ぶ)とキャニスタの故障とを正確に判別可能とするための改良に関する。
従来より、自動車用エンジンの燃料供給系には、燃料タンク内で発生する蒸発燃料が大気中に放出されることを防止するためのキャニスタシステムが備えられている(例えば、下記の特許文献1参照)。この種のシステムでは、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を一時的にキャニスタに吸着保持しておき、エンジン吸気系の吸入負圧によってこの蒸発燃料を吸気通路に導入(パージ)するようになっている。
ところで、この種のシステムにおいて、燃料タンクやキャニスタに孔明きや亀裂やシール不良といった故障が生じた場合には、その故障発生箇所から蒸発燃料が漏れ出てしまう。このため、この種のシステムにおいては、これらの故障を速やかに発見することが重要である。
この故障発見のための一般的な手法として以下の故障診断動作が行われている。先ず、上記燃料タンク及びキャニスタを含む系内を外気から遮断した状態でこの系内に負圧(エンジン吸気系の吸入負圧)を導入する。そして、系内が所定負圧に達した時点で負圧の導入を停止(系内を密閉)し、その後の系内圧力の変化を圧力センサによって監視する。このとき、上記故障が生じている場合には系内圧力が大気圧付近まで上昇する一方、故障が生じていない場合には系内圧力の負圧状態が維持されるかまたは系内圧力の上昇は僅かとなる。このため、この系内圧力の変化を監視することで故障診断が可能になる。
一方、近年、例えば下記の特許文献2に開示されているようにキャニスタを燃料タンク内に収容したインタンク式のキャニスタシステム(以下、単に、インタンクキャニスタシステムと呼ぶ)が使用されつつある。このインタンクキャニスタシステムは、配管の大部分を燃料タンク内に位置させることができるため、配管やその継ぎ手部分等から蒸発燃料が漏れ出てもそれが大気中に放出されることがないといった利点がある。
しかしながら、このインタンクキャニスタシステムにあっては、上述した従来の故障診断動作ではキャニスタに故障(孔明き等)があってもそれを検出することはできない。何故なら、本インタンクキャニスタシステムに対して上記の故障診断動作を行った場合、キャニスタは燃料タンク内の負圧雰囲気下に存在することになり、キャニスタに故障があっても、燃料タンクに故障がなければ系内圧力が大気圧まで上昇する状況にはならないからである。
このような不具合を解消するべく、燃料タンクの故障とキャニスタの故障とを判別可能とするものとして下記の特許文献3が提案されている。
この特許文献3に開示されている故障診断手法は、キャニスタ内の蒸発燃料を吸気管に導入するためのパージ通路と燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタ内に導入するためのエバポ通路(蒸発燃料導入通路)とを分岐配管によって接続すると共に、この分岐配管のパ
ージ通路への接続箇所に三方弁を設けておく。そして、先ず、この三方弁の切り換えによって分岐配管を介して燃料タンク内とパージ通路とを連通させると共に、キャニスタ内を新気導入路により大気開放させる。これにより、キャニスタ内を大気圧に保ったまま燃料タンク内に負圧を導入する。その後、所定時間を経過しても燃料タンク内が目標負圧に達しない場合や、目標負圧に達した後にパージ通路を遮断しタンク内圧力が徐々に上昇(キャニスタ故障時に燃料タンク内の負圧がキャニスタ内にリークすることによるタンク内圧力の上昇)したときには故障が生じている(燃料タンクまたはキャニスタに孔が明いている:リーク有り)と判定する(リーク診断動作)。
更に、その後、分岐配管及びエバポ通路を介して燃料タンク内及びキャニスタ内を共にパージ通路とを連通させ、これらに負圧を導入する。このとき所定時間を経過しても燃料タンク内が目標負圧に達しない場合や、目標負圧に達した後にパージ通路を遮断しタンク内圧力が大気圧付近まで上昇したときには燃料タンクに故障が生じていると判定する。一方、このときのタンク内圧力変化が少ないときにはキャニスタに故障が生じていると判定するようにしている(リーク部位診断動作)。
特開2003−28009号公報 特開平9−195861号公報 特開2001−115915号公報
しかしながら、上述した特許文献3に開示されている故障診断手法では、上記パージ通路とエバポ通路とを接続するための分岐配管や、この分岐配管のパージ通路への接続箇所に三方弁を設ける必要があり、新たな構成部材を多く必要とし、構成の複雑化や製造コストの高騰を招いてしまうことになる。
また、上記「リーク部位診断動作」において、燃料タンクが故障している場合には、キャニスタに故障が生じているか否かに拘わりなく、所定時間を経過しても燃料タンク内が目標負圧に達しないか、または、目標負圧に達した後にパージ通路を遮断した際にタンク内圧力が大気圧付近まで上昇することになる。つまり、燃料タンクが故障している場合にはキャニスタに故障が生じているか否かを判別することができない。言い換えると、「燃料タンク及びキャニスタに共に故障が生じている」か、或いは「燃料タンクには故障が生じているがキャニスタには故障が生じていない」かを判別することが不可能である。
このように、これまでインタンクキャニスタシステムにあっては、燃料タンクの故障とキャニスタの故障とを正確に判別するといった技術については未だ確立されていなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インタンクキャニスタシステムに対し、構成の複雑化や製造コストの高騰を招くことなしに、燃料タンクの故障とキャニスタの故障とを正確に判別することが可能なインタンクキャニスタシステムの故障診断装置及び故障診断方法を提供することにある。
−発明の概要−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決手段は、キャニスタ内を通じて燃料タンク内に負圧を導入可能な構成とすると共に、この負圧をキャニスタ内のみに導入する状態と、キャニスタ内及び燃料タンク内の両方に導入する状態とを切り換え可能な構成とし、この切り換え動作によって燃料タンクの故障診断とキャニスタの故障診断とを独立して行えるようにしている。
−解決手段−
具体的に、先ず、本発明に係るインタンクキャニスタシステムの故障診断装置の構成としては以下のものが掲げられる。
料タンク内に配置されたキャニスタと、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をキャニスタ内に導入するためのエバポ通路と、キャニスタ内を大気に連通させる大気通路と、キャニスタ内の蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入するためのパージ通路とを備えたインタンクキャニスタシステムの故障診断装置を前提とする。この故障診断装置に対し、上記キャニスタの内外を連通する通路を遮断可能な遮断手段と、上記キャニスタ内に負圧を作用させる負圧発生手段と、上記燃料タンク内の圧力を検知するタンク圧力検知手段と、上記キャニスタ内の圧力を検知するキャニスタ圧力検知手段とを備えさせている。そして、「タンク故障診断動作」を実行するためのタンク故障診断手段と、「キャニスタ故障診断動作」を実行するためのキャニスタ故障診断手段とを備えさせている。上記タンク故障診断手段は、遮断手段を開放状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを連通させると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときの燃料タンク内の圧力変化をタンク圧力検知手段によって検知することにより、燃料タンクに故障が生じているか否かを診断する「タンク故障診断動作」を実行する。一方、キャニスタ故障診断手段は、上記遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ内の圧力変化をキャニスタ圧力検知手段によって検知することにより、キャニスタに故障が生じているか否かを診断する「キャニスタ故障診断動作」を実行する。
これら診断動作における診断原理について説明する。先ず、「タンク故障診断動作」では、遮断手段を開放状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを連通させた状態でキャニスタ内に負圧を作用させているため、この負圧は燃料タンク内にも作用することになる。つまり、キャニスタ内及び燃料タンク内が共に負圧化されることになる。そして、燃料タンクに故障が生じていない場合には、この燃料タンク内に大気圧が導入されることがなく、その結果、負圧発生手段の作動に伴って燃料タンク内の圧力の降下量が大きくなっていく。例えば図3に線図(b)で示す降下傾向となる。このため、この圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量(例えば図3における降下量X)よりも大きくなれば「燃料タンクに故障無し」と判断することができる。一方、燃料タンクに故障が生じている場合には、この燃料タンク内に大気圧が導入されることになるため、負圧発生手段が作動していても燃料タンク内の圧力の降下量は上記タンク故障判定降下量よりも大きくなることがない。例えば図3に線図(c)で示す降下傾向となる。このため、この圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも小さければ「燃料タンクに故障有り」と判断することができる。上述した如くキャニスタ内と燃料タンク内とは連通されて一体化した空間となっているため、上記燃料タンク内の圧力変化傾向(図3に線図(b)で示す降下傾向となるか、図3に線図(c)で示す降下傾向となるか)は、キャニスタの故障の有無に拘わりなく、燃料タンクの故障の有無のみが反映された状態となる。このため、燃料タンク内の圧力の降下量を検知することで燃料タンクの故障の有無を正確に判断できる。
一方、「キャニスタ故障診断動作」では、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすることでキャニスタ内のみに負圧を作用させている。そして、キャニスタに故障が生じていない場合には、比較的小さな空間であるキャニスタ内空間に対して負圧発生手段からの負圧が作用することになるため、このキャニスタ内の圧力の降下量は大きくまた降下速度は高くなる。例えば図3に線図(a)で示す降下傾向とな
る。このため、この圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも大きいか、または、この圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも高い場合には「キャニスタに故障無し」と判断することができる。一方、キャニスタに故障が生じている場合には、燃料タンク内の圧力がキャニスタ内に導入されることになるため、上記キャニスタに故障が生じていない場合に比べてキャニスタ内の圧力の降下量は小さくまた効果速度は低くなる。例えば図3に線図(b)または線図(c)で示す降下傾向となる。このため、この圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも小さいか、または、この圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも低い場合には「キャニスタに故障有り」と判断することができる。上記キャニスタ内の圧力変化傾向は、燃料タンクの故障の有無に応じて若干異なる状況となる(燃料タンクに故障が無ければ図3に線図(b)で示す降下傾向になり、燃料タンクに故障が有れば図3に線図(c)で示す降下傾向となる)が、上記「キャニスタに故障無し」の場合の圧力変化状態(図3に線図(a)で示す降下傾向)とは明確に識別することが可能である。このため、この圧力の降下量や降下速度を検知することでキャニスタの故障の有無を正確に判断できる。
また、特に、密閉式のインタンクキャニスタシステムでは、上記遮断手段が通常は遮断状態であるため、上述した「タンク故障診断動作」に先立って、燃料タンクに故障が生じていないことを確認可能な動作を実行させることができる。その具体的な構成としては、上記タンク故障診断手段による「タンク故障診断動作」の実行に先立って、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を非作動にし、このときの燃料タンク内の圧力をタンク圧力検知手段によって検知することにより、燃料タンクに故障が生じていないことを確認する「タンク非故障確認動作」を実行するタンク非故障確認手段を備えさせるものである。
つまり、燃料タンク内をキャニスタ内から遮断した状態でこの燃料タンク内の圧力を検知する。そして、燃料タンクに故障が生じていない場合には、この燃料タンク内に大気圧が導入することがないので、燃料タンクの内圧が大気圧付近にはない状況の場合には「燃料タンクに故障無し」と判断することができる。このようにして「タンク非故障確認動作」において「燃料タンクに故障無し」と判断できた場合には、上記「タンク故障診断動作」を実行する必要が無くなり、上記「タンク非故障確認動作」の終了後、直ちに「キャニスタ故障診断動作」の実行に移ることができて、故障診断に要する時間の短縮化を図ることができる。但し、この「タンク非故障確認動作」において燃料タンクの内圧が大気圧付近にある場合には、燃料タンクの故障診断が行えないので(故障無しで大気圧付近となっている可能性もあるため)、上記「タンク故障診断動作」を実行する必要がある。
上記遮断手段及び負圧発生手段の具体構成としては以下のものが掲げられる。先ず、遮断手段を、エバポ通路に備えられた開閉自在な切り換え弁とする。また、負圧発生手段を、大気通路に備えられた負圧ポンプとする。これにより、既存の通路を有効利用して上記遮断手段及び負圧発生手段を設置することが可能になり、特別に新たな通路を設ける必要がなくなって構成の複雑化を回避することができる。
次に、上述した各解決手段のうち何れか一つに記載のインタンクキャニスタシステムの故障診断装置によって実行される故障診断方法について説明する。
先ず、上記「タンク非故障確認動作」及び「キャニスタ故障診断動作」を実行する故障診断方法として以下のものが掲げられる。尚、この故障診断方法は、後述するフローチャート(図2)におけるステップST1、2、4〜7の診断手順に相当するものである。先ず、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を非作動にし、このときの燃料タンク内の圧力をタンク圧力検知手段によって検知する「タンク非故障確認動作」を実行して、燃料タンク内の圧力が大気圧付近でな
い場合に「燃料タンクに故障無し」と判断する。そして、上記「タンク非故障確認動作」の実行によって「燃料タンクに故障無し」と判断された場合に、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ内の圧力変化をキャニスタ圧力検知手段によって検知する「キャニスタ故障診断動作」を実行して、キャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも高い場合には「キャニスタに故障無し」と判断する一方、このキャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも低い場合には「キャニスタに故障有り」と判断するものである。
この特定事項により、燃料タンクに故障が無い場合のキャニスタ故障診断(キャニスタに故障が生じているか否か)を正確に行うことができる。つまり、上述した如く、燃料タンクに故障が無い場合であって、キャニスタにも故障が生じていない場合には、キャニスタ内の圧力の降下速度は高くなり、例えば図3に線図(a)で示す降下傾向となる。一方、燃料タンクに故障が無い場合であって、キャニスタに故障が生じている場合には、キャニスタ内の圧力の降下速度は低くなり、例えば図3に線図(b)で示す降下傾向となる。これを識別することによりキャニスタ故障診断を正確に行うことができる。
次に、上記「タンク故障診断動作」を実行し、この「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障無し」と判断された場合に「キャニスタ故障診断動作」を実行する故障診断方法について説明する。尚、この故障診断方法は、後述するフローチャートにおけるステップST1、3、8〜10、4〜7の診断手順に相当するものである。先ず、遮断手段を開放状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを連通させると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときの燃料タンク内の圧力変化をタンク圧力検知手段によって検知する「タンク故障診断動作」を実行して、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも大きい場合には「燃料タンクに故障無し」と判断する一方、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも小さい場合には「燃料タンクに故障有り」と判断する。そして、その後、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ内の圧力変化をキャニスタ圧力検知手段によって検知する「キャニスタ故障診断動作」を実行して、上記「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障無し」と判断された場合であって、本「キャニスタ故障診断動作」においてキャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも高い場合には「キャニスタに故障無し」と判断する一方、このキャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも低い場合には「キャニスタに故障有り」と判断するものである。
この特定事項においても、燃料タンクに故障が無い場合のキャニスタ故障診断(キャニスタに故障が生じているか否か)を正確に行うことができる。つまり、上記解決手段の場合と同様に、燃料タンクに故障が無い場合であって、キャニスタにも故障が生じていない場合には、キャニスタ内の圧力の降下速度は高くなり、例えば図3に線図(a)で示す降下傾向となる。一方、燃料タンクに故障が無い場合であって、キャニスタに故障が生じている場合には、キャニスタ内の圧力の降下速度は低くなり、例えば図3に線図(b)で示す降下傾向となる。これを識別することによりキャニスタ故障診断を正確に行うことができる。
次に、上記「タンク故障診断動作」を実行し、この「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障有り」と判断された場合に「キャニスタ故障診断動作」を実行する故障診断方法について説明する。尚、この故障診断方法は、後述するフローチャートにおけるステップST1、3、8、9、11〜15の診断手順に相当するものである。先ず、遮断手段を開放状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを連通させると共に負圧発生手段を
作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときの燃料タンク内の圧力変化をタンク圧力検知手段によって検知する「タンク故障診断動作」を実行して、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも大きい場合には「燃料タンクに故障無し」と判断する一方、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも小さい場合には「燃料タンクに故障有り」と判断する。そして、その後、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ内の圧力変化をキャニスタ圧力検知手段によって検知する「キャニスタ故障診断動作」を実行して、上記「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障有り」と判断された場合であって、本「キャニスタ故障診断動作」においてキャニスタ内の圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも大きい場合には「キャニスタに故障無し」と判断する一方、このキャニスタ内の圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも小さい場合には「キャニスタに故障有り」と判断するものである。
この特定事項により、燃料タンクに故障が有る場合のキャニスタ故障診断(キャニスタに故障が生じているか否か)を正確に行うことができる。つまり、上述した如く、燃料タンクに故障が有る場合であって、キャニスタに故障が生じていない場合には、キャニスタ内の圧力の降下量は大きくなり、例えば図3に線図(a)で示す降下傾向となる。一方、燃料タンクに故障が有る場合であって、キャニスタにも故障が生じている場合には、キャニスタ内の圧力の降下量は小さくなり、例えば図3に線図(c)で示す降下傾向となる。これを識別することによりキャニスタ故障診断を正確に行うことができる。
図4は、上述した「タンク故障診断動作」及び「キャニスタ故障診断動作」のそれぞれについて、燃料タンクの故障の有無及びキャニスタの故障の有無と、それに応じた図3上の線図との関係を示した表である。図4(A)は「タンク故障診断動作」の場合を、図4(B)は「キャニスタ故障診断動作」の場合をそれぞれ示し、「OK」は「故障無し」を示し、「NG」は「故障有り」を示している。
上記各解決手段に係る故障診断方法を共に実行するものとして以下の方法が掲げられる。先ず、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を非作動にし、このときの燃料タンク内の圧力をタンク圧力検知手段によって検知する「タンク非故障確認動作」を実行して、燃料タンク内の圧力が大気圧付近でない場合に「燃料タンクに故障無し」と判断する。そして、上記「タンク非故障確認動作」において燃料タンク内の圧力が大気圧付近であった場合には、遮断手段を開放状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを連通させると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときの燃料タンク内の圧力変化をタンク圧力検知手段によって検知する「タンク故障診断動作」を実行して、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも大きい場合には「燃料タンクに故障無し」と判断する一方、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも小さい場合には「燃料タンクに故障有り」と判断する。また、上記「タンク非故障確認動作」において「燃料タンクに故障無し」と判断された場合または上記「タンク故障診断動作」の実行の後、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ内の圧力変化をキャニスタ圧力検知手段によって検知する「キャニスタ故障診断動作」を実行して、上記「タンク非故障確認動作」または「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障無し」と判断された場合であって、本「キャニスタ故障診断動作」においてキャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも高い場合には「キャニスタに故障無し」と判断する一方、このキャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも低い場合には「キャニスタに故障有り」と判断する。一方、上記「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障有り」と判断された場合であって、本「
キャニスタ故障診断動作」においてキャニスタ内の圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも大きい場合には「キャニスタに故障無し」と判断する一方、このキャニスタ内の圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも小さい場合には「キャニスタに故障有り」と判断するものである。
本故障診断方法によれば、燃料タンクの故障診断及びキャニスタの故障診断を一連の動作によって実行することができ、それぞれの故障の有無を正確に判別することができる。
以上説明したように本発明では、キャニスタ内を通じて燃料タンク内に負圧を導入可能な構成とすると共に、キャニスタの内外を連通する通路を遮断可能な遮断手段の切り換え動作によって、上記負圧をキャニスタ内のみに導入する状態とキャニスタ内及び燃料タンク内の両方に導入する状態とを切り換え可能な構成とし、この切り換え動作によって燃料タンクの故障診断とキャニスタの故障診断とを独立して行えるようにしている。このため、構成の複雑化や製造コストの高騰を招くことなしに、インタンクキャニスタシステムにおける燃料タンクの故障とキャニスタの故障とを正確に判別することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明は、密閉式のインタンクキャニスタシステムに本発明を適用した場合について説明する。
図1は、本実施形態に係るインタンクキャニスタシステム1及びこのインタンクキャニスタシステム1が接続するエンジンの吸気系2の概略構成を示す図である。
−吸気系2及び燃料タンク3の構成−
この図1に示すように、内燃機関としての図示しないエンジンに接続される吸気系2は、吸気の流れ方向の上流側から順に、エアクリーナ21、吸気管22、サージタンク23、インテークマニホールド24を備えている。また、上記吸気管22内にはスロットルバルブ25が配設されていると共に、上記インテークマニホールド24には燃料噴射弁(インジェクタ)26が取り付けられている。
上記インジェクタ26へ供給する燃料を貯留している燃料タンク3は、例えば合成樹脂製であって、給油のための給油管31が取り付けられている。この給油管31の給油口31aにはキャップ32が装着されている一方、燃料タンク内部側の開口31bには逆止弁33が設けられている。また、給油管31における給油口31a近傍位置と燃料タンク3の上部空間Sとの間には循環配管34が接続されている。また、この燃料タンク3の内部にはフューエルポンプ35が配設されており、このフューエルポンプ35と上記インジェクタ26との間が燃料供給管36によって接続されている。これにより、フューエルポンプ35によって圧送された燃料がインジェクタ26から各燃焼室に向けて噴射供給されるようになっている。
−インタンクキャニスタシステム1の構成−
インタンクキャニスタシステム1は、燃料タンク3内に収容配置されたキャニスタ11を備えている。このキャニスタ11は、金属製または合成樹脂製の筒型の容器であり、燃料タンク3内で発生する燃料蒸気を吸着することによって蒸発燃料の大気放出を防止するものである。このため、このキャニスタ11の内部には活性炭等の吸着剤が充填されている。また、このキャニスタ11には、本発明でいうエバポ通路を構成するエバポ配管12、本発明でいう大気通路を構成する大気導入配管13、本発明でいうパージ通路を構成するパージ配管14が接続されている。
エバポ配管12は、燃料タンク3内で発生する燃料蒸気をキャニスタ11内に導入するためのものである。このエバポ配管12の上流端は、燃料タンク3内の燃料液面よりも上方で開放されており、この開放端部にはROV(Roll Over Valve)15が設けられて液相燃料の浸入を防止している。
大気導入配管13は、キャニスタ11内を大気に連通させるためのものであり、その一端は上記給油管31の給油口31a付近に設けられたフューエルリッド37近傍で開放されている。また、この大気導入配管13の途中には電磁弁で成る大気遮断弁13aが設けられている。この大気遮断弁13aは通常は閉弁されており、開弁することにより新気が大気導入配管13を介してキャニスタ11に導入されるようになっている。また、この大気導入配管13の途中には大気防塵フィルタ13bが設けられている。
パージ配管14は、キャニスタ11内の蒸発燃料を吸気管22に導入するためのものであって、その一端はサージタンク23上流側に接続されている。このパージ配管14の通路途中には電磁弁で成るパージ制御弁14aが設けられている。このパージ制御弁14aは、通常は閉弁されており、エンジン運転中に開弁することにより、吸気通路22の負圧をキャニスタ11内に作用させるようになっている。
このため、キャニスタ11内に蒸発燃料が吸着保持されている状態で、上記大気遮断弁13a及びパージ制御弁14aを共に開放すると、キャニスタ11内に吸気通路22の負圧が作用し、キャニスタ11内には大気導入配管13から大気が導入され、キャニスタ11内の蒸発燃料は、この大気と共にパージ配管14を経て吸気通路22に導入されるようになっている。これにより蒸発燃料が処理される。
尚、上記パージ制御弁14aは、吸気通路22への蒸発燃料(パージガス)の流量を制御するための所謂VSV(Vacuum Switching Valve)であって、デューティ制御されることにより開度調整されて吸気通路22への蒸発燃料の供給量を調整するようになっている。
そして、本形態の特徴とする構成として、インタンクキャニスタシステム1は、上記エバポ配管12に備えられた遮断手段としての切り換え弁16、大気導入配管13に備えられた負圧発生手段としての負圧ポンプ17及びキャニスタ圧力検知手段としてのキャニスタ圧力センサ18、燃料タンク3に取り付けられたタンク圧力検知手段としてのタンク圧力センサ19を備えている。以下、それぞれについて説明する。
上記切り換え弁16は電磁弁によって構成されており、例えば非励磁状態では閉鎖し、燃料タンク3内の空間とキャニスタ11内の空間とを遮断(非連通状態と)している。一方、励磁状態では開放し、エバポ配管12により燃料タンク3内の空間とキャニスタ11内の空間とを連通するようになっている。この状態で、燃料タンク3内の蒸発燃料がキャニスタ11内に導入可能な状態となる。
負圧ポンプ17は、キャニスタ11内の空気を吸引することによってこのキャニスタ11内に負圧を作用させるものである。そして、このキャニスタ11と負圧ポンプ17との間に上記キャニスタ圧力センサ18が配設されており、負圧ポンプ17が駆動してキャニスタ11内が負圧状態となった場合に、キャニスタ圧力センサ18がこのキャニスタ11内の圧力(負圧)を検知する構成となっている。
タンク圧力センサ19は、燃料タンク3の上面に取り付けられ、燃料タンク3内部における上部空間の圧力を検知可能となっている。
本インタンクキャニスタシステム1は、本システム1の故障診断動作を実行するための故障診断コントローラ4を備えている。このコントローラ4は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータであって、上記各圧力センサ18,19の検知信号を受信可能であると共に、上記切り換え弁16及び負圧ポンプ17の動作を制御するようになっている。
そして、このコントローラ4は、後述する「タンク非故障確認動作」を実行するタンク非故障確認手段41、「タンク故障診断動作」を実行するタンク故障診断手段42、「キャニスタ故障診断動作」を実行するキャニスタ故障診断手段43を備えている。以下、これら各手段によって実行される動作について説明する。
タンク非故障確認手段41は、上記切り換え弁16を遮断(閉鎖)状態にし、つまりキャニスタ11内と燃料タンク3内とを非連通状態にし、負圧ポンプ17を非作動にして、このときの燃料タンク3内の圧力をタンク圧力センサ19によって検知することにより、燃料タンク3に孔明きや亀裂やシール不良等といった故障が生じていないことを確認する「タンク非故障確認動作」を実行するものである。具体的には、大気圧に対して−2kPa〜+2kPaの範囲内に燃料タンク3内の圧力がある場合には、燃料タンク3内は大気圧付近にあると認識し、この範囲を外れた場合には燃料タンク3内は大気圧付近にはないと認識する。そして、燃料タンク3内が大気圧付近にないと認識した場合に、燃料タンク3に故障が生じていないと判断するようにしている。
また、タンク故障診断手段42は、上記切り換え弁16を開放状態にしてキャニスタ11内と燃料タンク3内とを連通させると共に負圧ポンプ17を作動させてキャニスタ11内に負圧を作用させ、このときの燃料タンク3内の圧力変化をタンク圧力センサ19によって検知することにより、燃料タンク3に故障が生じているか否かを診断する「タンク故障診断動作」を実行するものである。具体的には、切り換え弁16を開放状態にし、負圧ポンプ17を通じてキャニスタ11内及び燃料タンク3内を大気に連通させ、そのときの到達圧力を基準圧力とし、その後に、負圧ポンプ17を作動させてキャニスタ11内に負圧を作用させ、このときにタンク圧力センサ19によって検知される燃料タンク3内の圧力と上記基準圧力との差を圧力降下量として認識していき、燃料タンク3内が到達圧力(圧力変化が安定したときの燃料タンク内圧力)に達したときの圧力降下量に基づいて燃料タンク3に故障が生じているか否かを診断する。
更に、キャニスタ故障診断手段43は、上記切り換え弁16を遮断状態にしてキャニスタ11内と燃料タンク3内とを非連通状態とすると共に負圧ポンプ17を作動させてキャニスタ11内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ11内の圧力変化をキャニスタ圧力センサ18によって検知することにより、キャニスタ11に故障が生じているか否かを診断する「キャニスタ故障診断動作」を実行するものである。具体的には、切り換え弁16を閉鎖状態にし、負圧ポンプ17を通じてキャニスタ11内を大気に連通させ、そのときの到達圧力を基準圧力とし、その後に、負圧ポンプ17を作動させてキャニスタ11内に負圧を作用させ、このときにキャニスタ圧力センサ18によって検知されるキャニスタ11内の圧力と上記基準圧力との差を圧力降下量として認識していき、キャニスタ11内が到達圧力(圧力変化が安定したときのキャニスタ内圧力)に達したときの圧力降下量やこの到達圧力に達するまでの降下速度に基づいてキャニスタ11に故障が生じているか否かを診断する。
上記「タンク非故障確認動作」において燃料タンク3に故障が生じていないことを確認する原理は次のとおりである。燃料タンク3に故障が生じていない場合には、この燃料タンク3内に大気圧が導入することがない。このため、燃料タンク3の内圧が大気圧付近にはない状況の場合には「燃料タンクに故障無し」と判断することができる。このようにし
て「タンク非故障確認動作」では、燃料タンク3内の圧力をタンク圧力センサ19によって検知することにより、燃料タンクに故障が生じていない場合にはそれを判断することができる。
上記「タンク故障診断動作」において燃料タンク3に故障が生じているか否かを診断する原理は次のとおりである。この「タンク故障診断動作」では、切り換え弁16を開放状態にしてキャニスタ11内と燃料タンク3内とを連通させた状態でキャニスタ11内に負圧を作用させている。このため、燃料タンク3内とキャニスタ11は略同一内圧、つまり、負圧が燃料タンク3内にも作用していることになる。これにより、キャニスタ11内及び燃料タンク3内が共に負圧化される。そして、燃料タンク3に故障が生じていない場合には、この燃料タンク3内に大気圧が導入されることがなく、その結果、負圧ポンプ17の作動に伴って燃料タンク3内の圧力の降下量が大きくなっていく。例えば図3に線図(b)で示す降下傾向となる。このため、この圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量Xよりも大きくなれば「燃料タンクに故障無し」と判断することができる。一方、燃料タンク3に故障が生じている場合には、この燃料タンク3内に大気圧が導入されることになるため、負圧ポンプ17が作動していても燃料タンク3内の圧力の降下量は上記タンク故障判定降下量Xよりも大きくなることがない。例えば図3に線図(c)で示す降下傾向となる。このため、この圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量Xよりも小さければ「燃料タンクに故障有り」と判断することができる。
上記「キャニスタ故障診断動作」においてキャニスタ11に故障が生じているか否かを診断する原理は次のとおりである。この「キャニスタ故障診断動作」では、切り換え弁16を遮断状態にしてキャニスタ11内と燃料タンク3内とを非連通状態とすることでキャニスタ11内のみに負圧を作用させている。そして、キャニスタ11に故障が生じていない場合には、比較的小さな空間であるキャニスタ11内空間及びこのキャニスタ11と負圧ポンプ17とを接続している配管に対して負圧ポンプ17からの負圧が作用することになるため、このキャニスタ11内の圧力の降下量は大きくまた降下速度は高くなる。例えば図3に線図(a)で示す降下傾向となる。このため、この圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも大きいか、または、この圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも高い場合には「キャニスタに故障無し」と判断することができる。一方、キャニスタ11に故障が生じている場合には、燃料タンク3内の圧力がキャニスタ11内に導入されることになるため、上記キャニスタ11に故障が生じていない場合に比べてキャニスタ11内の圧力の降下量は小さくまた効果速度は低くなる。例えば図3に線図(b)または線図(c)で示す降下傾向となる。このため、この圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも小さいか、または、この圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも低い場合には「キャニスタに故障有り」と判断することができる。
−故障診断動作−
次に、上述の如く構成されたインタンクキャニスタシステム1の故障診断動作について図2のフローチャートに沿って説明する。
所定の故障診断条件(例えば、蒸発燃料のパージ動作中でなく且つ前回の故障診断から所定時間を経過したこと)が成立して故障診断動作が開始されると、先ず、ステップST1において上記タンク非故障確認手段41による「タンク非故障確認動作」が実行され、燃料タンク3内の圧力をタンク圧力センサ19によって検知する。この「タンク非故障確認動作」において、燃料タンク3内の圧力が大気圧付近でない場合にはステップST2に移って「燃料タンクに故障無し」と判断した後、ステップST4に移る。一方、この「タンク非故障確認動作」において、燃料タンク3内の圧力が大気圧付近であった場合にはステップST3に移って「燃料タンクに故障の可能性有り」と判断する。
上記ステップST4では、上記キャニスタ故障診断手段43による「キャニスタ故障診断動作(切り換え弁(封鎖弁)16を閉弁し、負圧ポンプ17でシステムに負圧を導入)」が実行され、キャニスタ11内の圧力変化をキャニスタ圧力センサ18によって検知する。この「キャニスタ故障診断動作」において、キャニスタ11内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも高い(低下速度が速い)場合(ステップST5でYes判定された場合)には「キャニスタに故障無し」と判断(ステップST6)する一方、このキャニスタ11内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも低い(低下速度が遅い)場合(ステップST5でNo判定された場合)には「キャニスタに故障有り」と判断(ステップST7)して故障診断動作を終了する。尚、この「キャニスタ故障診断動作」では、キャニスタ11内の圧力降下速度が図3における(a)の傾向であるのか(b)の傾向であるのかを判別することによって診断することになるが、これは負圧導入の開始から所定時間経過後の負圧レベルを比較するようにしてもよいし、所定の負圧レベルに達するまでの経過時間を比較するようにしてもよい。
一方、上記ステップST1において燃料タンク3内の圧力が大気圧付近にあったために「燃料タンクに故障の可能性有り」と判断してステップST3に移った場合には、ステップST8において上記タンク故障診断手段42による「タンク故障診断動作(切り換え弁(封鎖弁)16を開弁し、負圧ポンプ17でシステムに負圧を導入)」が実行され、燃料タンク3内の圧力変化をタンク圧力センサ19によって検知する。この「タンク故障診断動作」の実行開始時には、切り換え弁16が閉鎖状態から開放状態となるが、上記ステップST1において燃料タンク3内の圧力が大気圧付近にあることを確認しているため、燃料タンク3内に大量の蒸発燃料が存在しているといった状況にはなく、切り換え弁16を開放状態にしてもキャニスタ11内に蒸発燃料が大量導入されるといったことはない。そして、この「タンク故障診断動作」において、燃料タンク3内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも大きい(低下限界が低い)場合(ステップST9でYes判定された場合)には「燃料タンクに故障無し」と判断(ステップST10)する一方、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも小さい(低下限界が高い)場合(ステップST9でNo判定された場合)には「燃料タンクに故障有り」と判断する(ステップST11)。
そして、この「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障無し」と判断された場合には、ステップST4に移って上記「キャニスタ故障診断動作」を実行し、キャニスタ11内の圧力変化(キャニスタ11内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも高いか否か)を検知することによるキャニスタの故障診断動作を行う。
一方、上記「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障有り」と判断された場合には、ステップST12に移って「キャニスタ故障診断動作(切り換え弁(封鎖弁)16を閉弁し、負圧ポンプ17でシステムに負圧を導入)」を実行する。そして、キャニスタ内の圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも大きい(低下限界が低い)場合(ステップST13でYes判定された場合)には「キャニスタに故障無し」と判断(ステップST14)する一方、このキャニスタ内の圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも小さい(低下限界が高い)場合(ステップST13でNo判定された場合)には「キャニスタに故障有り」と判断(ステップST15)して故障診断動作を終了する。
尚、この「キャニスタ故障診断動作」において、切り換え弁16のキャニスタ11側の配管に孔明き等が生じている場合は、その孔を通じて燃料タンク3内に負圧導入されることになるため、図3の線図(b)に示すように、キャニスタ11内は徐々に圧力降下していくことになる。この負圧が飽和するポイントは図3の線図(a)の飽和ポイントに略一
致するため、このような状況でも、キャニスタ11内の圧力の降下量を検知しておけばキャニスタ11の故障診断が行える。
以上のように、本形態によれば、燃料タンク3の故障診断とキャニスタ11の故障診断とを同一構成によってそれぞれ独立して行うことができ、燃料タンク3の故障とキャニスタ11の故障とを正確に判別することが可能である。
また、本実施形態の如く密閉式のインタンクキャニスタシステム1に適用した場合には、特別な配管やバルブ等の構成部品を追加することなしに燃料タンク3の故障とキャニスタ11の故障とを判別することができるので、構成の複雑化を回避でき且つ製造コストの高騰を招くこともない。また、開放式のインタンクキャニスタシステムに適用する場合でも、切り換え弁16を追加するのみで済む。
また、本形態では、キャニスタ11内に負圧を作用させる手段として、吸気系2の吸入負圧を使用せず負圧ポンプ17を適用している。これまでの吸気系2の吸入負圧を使用したものでは、蒸発燃料のパージに伴って空燃比(A/F)が最適値からずれる可能性がありドライバビリティの確保が困難になる可能性があった。本実施形態では、故障診断のために発生させる負圧によって空燃比が変動することはないため、従来の不具合を解消することができる。
また、このように、負圧ポンプ17を適用した場合には、吸気系2に吸入負圧が生じていない状態、つまりエンジンの停止中であっても故障診断動作を実行することが可能である。従来のようにエンジンの運転中でなければ故障診断動作が行えないものでは、自動車の挙動などの影響によって、故障診断動作を途中で中止せねばならない状況が生じ、故障診断の頻度が十分に確保できない可能性があった。本形態ではエンジン停止といった安定状態での故障診断が可能になるため、故障診断の信頼性を向上でき、また、故障診断の頻度も十分に確保できる。
−その他の実施形態−
以上説明した実施形態では、切り換え弁16を通常では遮断状態にする密閉式のインタンクキャニスタシステム1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、切り換え弁16を通常では開放状態にする開放式のインタンクキャニスタシステムに適用することも可能である。但し、この場合、燃料タンク3内がキャニスタ11内に常時連通しており、燃料タンク3内の圧力は大気圧付近にあるため、上記「タンク非故障確認動作」による診断は難しい。このため、この開放式のインタンクキャニスタシステムの場合には、上記「タンク故障診断動作」と「キャニスタ故障診断動作」とが実行されることになる。
また、上記実施形態では、負圧ポンプ17を大気導入配管13に設けていたが、パージ配管14に設けるようにしてもよい。
実施形態に係るインタンクキャニスタシステム及びこのインタンクキャニスタシステムが接続するエンジンの吸気系の概略構成を示す図である。 故障診断動作の手順を示すフローチャート図である。 故障診断時における故障発生箇所と圧力の経時変化との関係を示す図である。 「タンク故障診断動作」及び「キャニスタ故障診断動作」のそれぞれについて、燃料タンクの故障の有無及びキャニスタの故障の有無と、それに応じた図3上の線図との関係を示す図である。
符号の説明
1 インタンクキャニスタシステム
11 キャニスタ
12 エバポ配管
13 大気導入配管
14 パージ配管
16 切り換え弁(遮断手段)
17 負圧ポンプ(負圧発生手段)
18 キャニスタ圧力センサ(キャニスタ圧力検知手段)
19 タンク圧力センサ(タンク圧力検知手段)
2 吸気系
3 燃料タンク
41 タンク非故障確認手段
42 タンク故障診断手段
43 キャニスタ故障診断手段

Claims (7)

  1. 燃料タンク内に配置されたキャニスタと、燃料タンク内で発生した蒸発燃料をキャニスタ内に導入するためのエバポ通路と、キャニスタ内を大気に連通させる大気通路と、キャニスタ内の蒸発燃料を内燃機関の吸気系に導入するためのパージ通路とを備えたインタンクキャニスタシステムの故障診断装置において、
    上記キャニスタの内外を連通する通路を遮断可能な遮断手段と、
    上記キャニスタ内に負圧を作用させる負圧発生手段と、
    上記燃料タンク内の圧力を検知するタンク圧力検知手段と、
    上記キャニスタ内の圧力を検知するキャニスタ圧力検知手段とを備え、
    上記遮断手段を開放状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを連通させると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときの燃料タンク内の圧力変化をタンク圧力検知手段によって検知することにより、燃料タンクに故障が生じているか否かを診断する「タンク故障診断動作」を実行するタンク故障診断手段と、
    上記遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ内の圧力変化をキャニスタ圧力検知手段によって検知することにより、キャニスタに故障が生じているか否かを診断する「キャニスタ故障診断動作」を実行するキャニスタ故障診断手段とを備えていることを特徴とするインタンクキャニスタシステムの故障診断装置。
  2. 上記請求項1記載のインタンクキャニスタシステムの故障診断装置において、
    タンク故障診断手段による「タンク故障診断動作」の実行に先立って、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を非作動にし、このときの燃料タンク内の圧力をタンク圧力検知手段によって検知することにより、燃料タンクに故障が生じていないことを確認する「タンク非故障確認動作」を実行するタンク非故障確認手段を備えていることを特徴とするインタンクキャニスタシステムの故障診断装置。
  3. 上記請求項1または2記載のインタンクキャニスタシステムの故障診断装置において、
    遮断手段は、エバポ通路に備えられた開閉自在な切り換え弁であり、
    負圧発生手段は、大気通路に備えられた負圧ポンプであることを特徴とするインタンクキャニスタシステムの故障診断装置。
  4. 上記請求項1〜3のうち何れか一つに記載のインタンクキャニスタシステムの故障診断装置によって実行される故障診断方法であって、
    遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を非作動にし、このときの燃料タンク内の圧力をタンク圧力検知手段によって検知する「タンク非故障確認動作」を実行して、燃料タンク内の圧力が大気圧付近でない場合に「燃料タンクに故障無し」と判断し、
    上記「タンク非故障確認動作」の実行によって「燃料タンクに故障無し」と判断された場合に、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ内の圧力変化をキャニスタ圧力検知手段によって検知する「キャニスタ故障診断動作」を実行して、キャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも高い場合には「キャニスタに故障無し」と判断する一方、このキャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも低い場合には「キャニスタに故障有り」と判断することを特徴とするインタンクキャニスタシステムの故障診断方法。
  5. 上記請求項1〜3のうち何れか一つに記載のインタンクキャニスタシステムの故障診断装置によって実行される故障診断方法であって、
    遮断手段を開放状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを連通させると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときの燃料タンク内の圧力変化をタンク圧力検知手段によって検知する「タンク故障診断動作」を実行して、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも大きい場合には「燃料タンクに故障無し」と判断する一方、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも小さい場合には「燃料タンクに故障有り」と判断し、
    その後、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ内の圧力変化をキャニスタ圧力検知手段によって検知する「キャニスタ故障診断動作」を実行して、上記「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障無し」と判断された場合であって、本「キャニスタ故障診断動作」においてキャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも高い場合には「キャニスタに故障無し」と判断する一方、このキャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも低い場合には「キャニスタに故障有り」と判断することを特徴とするインタンクキャニスタシステムの故障診断方法。
  6. 上記請求項1〜3のうち何れか一つに記載のインタンクキャニスタシステムの故障診断装置によって実行される故障診断方法であって、
    遮断手段を開放状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを連通させると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときの燃料タンク内の圧力変化をタンク圧力検知手段によって検知する「タンク故障診断動作」を実行して、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも大きい場合には「燃料タンクに故障無し」と判断する一方、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも小さい場合には「燃料タンクに故障有り」と判断し、
    その後、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ内の圧力変化をキャニスタ圧力検知手段によって検知する「キャニスタ故障診断動作」を実行して、上記「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障有り」と判断された場合であって、本「キャニスタ故障診断動作」においてキャニスタ内の圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも大きい場合には「キャニスタに故障無し」と判断する一方、このキャニスタ内の圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも小さい場合には「キャニスタに故障有り」と判断することを特徴とするインタンクキャニスタシステムの故障診断方法。
  7. 上記請求項1〜3のうち何れか一つに記載のインタンクキャニスタシステムの故障診断装置によって実行される故障診断方法であって、
    先ず、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を非作動にし、このときの燃料タンク内の圧力をタンク圧力検知手段によって検知する「タンク非故障確認動作」を実行して、燃料タンク内の圧力が大気圧付近でない場合に「燃料タンクに故障無し」と判断し、
    上記「タンク非故障確認動作」において燃料タンク内の圧力が大気圧付近であった場合には、遮断手段を開放状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを連通させると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときの燃料タンク内の圧力変化をタンク圧力検知手段によって検知する「タンク故障診断動作」を実行して、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも大きい場合には「燃料タンクに故障無し」と判断する一方、燃料タンク内の圧力の降下量が所定のタンク故障判定降下量よりも小さい場合には「燃料タンクに故障有り」と判断し、
    上記「タンク非故障確認動作」において「燃料タンクに故障無し」と判断された場合または上記「タンク故障診断動作」の実行の後、遮断手段を遮断状態にしてキャニスタ内と燃料タンク内とを非連通状態とすると共に負圧発生手段を作動させてキャニスタ内に負圧を作用させ、このときのキャニスタ内の圧力変化をキャニスタ圧力検知手段によって検知する「キャニスタ故障診断動作」を実行して、上記「タンク非故障確認動作」または「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障無し」と判断された場合であって、本「キャニスタ故障診断動作」においてキャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも高い場合には「キャニスタに故障無し」と判断する一方、このキャニスタ内の圧力の降下速度が所定のキャニスタ故障判定降下速度よりも低い場合には「キャニスタに故障有り」と判断し、
    上記「タンク故障診断動作」において「燃料タンクに故障有り」と判断された場合であって、本「キャニスタ故障診断動作」においてキャニスタ内の圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも大きい場合には「キャニスタに故障無し」と判断する一方、このキャニスタ内の圧力の降下量が所定のキャニスタ故障判定降下量よりも小さい場合には「キャニスタに故障有り」と判断することを特徴とするインタンクキャニスタシステムの故障診断方法。
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