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JP4420519B2 - ペーストを充填したプリント基板の製造方法 - Google Patents
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JP4420519B2 - ペーストを充填したプリント基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明はプリント基板の製造方法に関し、特にプリント基板に形成された有底ビアやスルーホール内にペーストを充填する場合に、ペースト中の気泡を充分に除去することが可能な充填方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板に形成された有底ビアやスルーホール等の孔埋めを行う場合に、プリント基板の表面に、例えば液状樹脂や熱硬化性のインク、あるいは導電ペースト等のペースト状の充填材をスクリーン印刷法等によって塗布し、プリント基板の孔内に充填させた後、硬化させるという方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようにペーストをスクリーン印刷法等によって基板に付着させると、その印刷の際にペーストに空気が巻き込まれるため、これが微小な気泡となってペースト中に混入することがある。このようなペースト中の気泡はペーストが硬化してもそのまま残留するため、硬化したペースト中にボイドを生成させ、後工程の加熱の段階でボイド破裂を招く場合がある。
【0004】
このため、従来ペースト中の気泡を取り除くための手段として、例えばプリント基板へのペーストの印刷を減圧環境下で行い、その後大気圧に戻すことで、差圧を利用してペーストの充填密度を高くする方法が採用されている。しかしながら、この方法では、ペースト中の揮発性成分の飛散が起こり、ペーストが変質するという懸念がある。また、ペーストの粘度が比較的高く、かつフィラーの付着面に対する濡れ性が悪い場合には、折角付着したペーストが差圧により付着面から剥離し易くなるという問題がある。
【0005】
また、ペーストの基板への付着後、硬化させる前にプリント基板をできるだけ長い時間静置して、気泡が十分に浮き上がって消失するのを待つようにする方法もあるが、この方法においても、ペーストの粘度が比較的高い場合には、気泡の除去が十分に行われないという問題があった。
【0006】
本願発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、プリント基板の有底ビアやスルーホール内にペーストを充填した場合に、ペースト中の気泡を充分に除去することができるペーストの充填方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、有底ビア内に硬化したペーストを充填させたプリント基板を製造する方法であって、前記ペーストを前記有底ビア内に進入するように前記プリント基板に付着させ、その後、前記有底ビアの開口方向を回転の中心方向に向けて前記プリント基板を回転させ、前記ペーストを硬化させた後に前記基板の表面にはみ出したペーストを研磨除去するところに特徴を有する。
【0008】
本発明によれば、ペーストを付着させたプリント基板が、有底ビアの開口方向を回転の中心方向に向けて回転されることにより、有底ビア内のペーストに遠心力が付加される。すなわち、有底ビア内のペースト中に気泡が含まれている場合には、気泡よりも質量の重いペーストは、遠心力によって回転の中心とは反対方向に位置する有底ビアの底部に押し付けられ、逆にペーストよりも軽い気泡は回転の中心方向に位置する有底ビアの開口側に集まって、ペーストの表面付近に浮き上がる。そして、表面に浮き上がった気泡はペースト表面から押し出されて、外部に放出される。
【0009】
このとき、仮に気泡がペースト内に残留するとしても、その密度は表面近くほど高くなり、有底ビア内の中心近くにはほとんど存在しなくなる。そして、内部の気泡が完全に放出されると、ペースト表面は平坦な状態になり、逆にペースト中に気泡が残存している場合には、気泡密度の高いペーストの表面層が凹凸状態を呈することになる。従って、回転後のペーストの表面状態を観察するだけで、ペースト中から気泡が除去されているかどうかの判断を容易に行うことができる。
なお、ペーストの表面付近に気泡が残存する場合には、ペーストの硬化後に表面研磨を行うことによって完全に除去することができる。
【0010】
このように、本発明によれば、有底ビア内のペーストに遠心力を付加することにより、粘度が高いペーストであっても、ペースト中の気泡を確実にかつ迅速に表面に浮き上がらせて除去することにより、均質で優れた電気的特性のプリント基板を得ることができるという優れた作用効果を奏する。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、 スルーホール内に硬化したペーストを充填させたプリント基板を製造する方法であって、前記ペーストを前記スルーホール内に進入するように前記プリント基板に付着させ、その後、そのプリント基板の一面側に前記スルーホールの開口を塞ぐ閉塞体を宛がった状態で、他面側を回転の中心方向に向けて前記プリント基板を回転させ、前記ペーストを硬化させた後に前記基板の表面にはみ出したペーストを研磨除去するところに特徴を有する。
【0012】
本発明によれば、基板の一面側にスルーホールの開口を塞ぐ閉塞体を宛がうことにより、上記請求項1の発明のように、スルーホールを有底ビアと同様の状態とすることができる。すなわち、プリント基板の閉塞体を宛がった一面側とは反対の面を回転の中心に向けてプリント基板を回転させることにより、上記請求項1の発明と同様に、スルーホール内に充填されたペーストに遠心力が付加され、ペーストが閉塞体側に押し付けられると共に、ペースト中の気泡はペースト表面に集まって放出される。なお、閉塞体はペーストの硬化後に除去すればよい。
【0013】
このように、本発明は上記請求項1の発明と同様に、スルーホール内に充填したペースト中に気泡が残存することを防止できるという優れた作用効果を奏する。
【0017】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明を具体化した第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1はプリント基板用のペースト充填装置10の概略斜視図、図2は同じく側断面図である。この充填装置10は、回転軸11を中心として回転可能な回転体12と、回転体12の内部に設けられた基板保持部13と、回転体12を高速回転させる駆動機構と、回転体12を被覆するように設けられている固定ドラム14とを備えている。
【0018】
回転体12は上端面が開口した円筒容器状をなしており、図2に示すように、底壁の中心にはハブ16が設けられると共に、上端面にはスポーク部17を介して中心にハブ15が設けられ、両ハブ15,16を貫通して回転軸11が上下に突出する形態で固定されている。
【0019】
回転体12の内部には、4つの基板保持部13が設けられている。これら基板保持部13は、断面凹型の一対の角状の棒体を、凹部13aが互いに向き合うように、回転体12の底壁に回転軸11と平行となるように取付固定することによって形成されている。後述するように、プリント基板は基板端部をこの基板保持部13の凹部13aに上方から挿入することによって回転体12内に固定するが、基板保持部13への挿入時に基板が回転体12のスポーク部17に突き当たって挿入が妨げられることのないように、基板保持部13は回転体12の各スポーク部17間に位置して設けられている(図3参照)。また、4つの基板保持部13は、縦方向に挿入固定される各基板の一面側がそれぞれ回転軸11側に向くように、回転軸11の周囲を取り囲むように設けられている。
【0020】
また、上記回転体12の全体を覆うように、下側が開口した円筒容器形状の固定ドラム14が設けられている。この固定ドラム14の開口端部にはフランジ部14aが形成され、このフランジ部14aを図示しないボルトにて筐体22の上面に固定している。また、固定ドラム14の天井面の中心には軸受20が設けられており、この軸受20に上記回転軸11の上端部が回転可能に挿入支持されている。一方、筐体22の上面のうち前記固定ドラム14の中心に対応する位置には、透孔22aが形成されると共に下面側に軸受21が固定され、上下の両軸受20,21によって前記回転軸11が回転可能に支持されている。
なお、上記固定ドラム14の天井面には、長方形状に開口するひとつの基板出し入れ部14bが、上記回転体12の基板保持部13に対応する位置に形成されている。
【0021】
上記固定ドラム14は、その下方に設けられている筐体22の上面にブラケット23を介してボルト23aにて固定されている。このブラケット23は、縦長板の両端部をそれぞれ反対方向に直角に屈曲させた概ねZ型形状であり、その両端部がそれぞれ、固定ドラム14の天井面と、筐体22の上面とに固定されている。
【0022】
筐体22の内部には、回転体12の駆動部であるモータ24が設けられ、そのそのモータ24の回転軸24aに設けたプーリ25と、前記回転軸11の下端に固定したプーリ26との間にベルト27を設けてモータ24によって回転体12を高速回転可能にしている。
【0023】
以下、上述したペースト充填装置10を用いて、本発明のプリント基板へのペースト充填方法を基板内蔵抵抗器に適用した場合について、図4を参照して説明する。
本実施形態では、基材として例えば厚さ100〜3000μmのガラスエポキシ基板の片面に銅箔を貼り付けてなる銅張り積層板30が使用されており、その銅箔は所要のパターンでエッチングされて、基板の表面に電気回路パターン31が形成されている。この回路パターン31上には絶縁層32が設けられており、この絶縁層32の所定位置には、例えばフォトエッチング法によって形成されたビアホール33が開口している。このビアホール33の開口部には、図4(a)に示すように、回路パターン31の電極部34が一部露出されている。
【0024】
このビアホール33の開口部に、以下の手順で、抵抗体材料であるカーボンペースト35が充填される。
まず、例えば大気圧環境下で、ビアホール33の開口部に、スクリーン印刷法等によりカーボンペースト35を充填印刷する。この時、印刷されたペースト35内には、微小な気泡36が含まれている場合がある(図4(b)参照)。
【0025】
次に、ペースト35を印刷したプリント基板30を、上述したペースト充填装置10の回転体12内の基板保持部13に固定する。それにはまず、ペースト35の付着面が回転軸11側に向くようにプリント基板30を縦の状態として、基板30の下端部を基板出し入れ部14bから基板保持部13の一対の凹部13a間に挿入する。プリント基板30の下端部が凹部13aに嵌まれば、そのまま基板30を回転体12の底壁に当接するまで静かに下ろし、プリント基板30を回転体12内部に保持された状態とする。なお、この時上述したようにプリント基板30は縦向きになっているが、印刷されたペースト35は比較的粘度が高いため、すぐに流れ落ちてしまうことはない。そしてこの状態でモータ24を駆動させて、回転体12を高速度で回転させる。回転速度としては、例えば3000rpm程度とし、回転の立ち上がり後、例えば3分間継続して回転させる。
【0026】
このようにプリント基板30がペースト充填装置10により回転されると、ビアホール33内のペースト35に遠心力が作用する。すると、この遠心力によってペースト35はビアホール33の底面側に押し付けられるとともに、ペースト35よりも質量の軽い気泡36は、回転軸11側のペースト表面に押し上げられるようにして集まる。そしてペースト表面に集まった気泡36の大部分は、ついにはペースト35の外部に放出される(図4(c)参照)。
【0027】
回転終了後、ペースト充填装置10の基板出し入れ部14bからプリント基板30を取り出し、ペースト35の熱硬化を行う。その後、基板30の表面にはみ出したペースト35を研磨除去して、平坦化する。このとき、たとえペースト35の表面付近に気泡36が残留していても、研磨によって硬化したペースト35と共に除去されるため、ビアホール33内に充填されたペースト35には気泡36は残留しない(図4(d)参照)。
【0028】
このように、本実施形態のプリント基板の製造方法、および装置によれば、有底ビア内を充填したペースト中に気泡を残留させることが無く、均質で優れた電気的特性のプリント基板を得ることができるという優れた作用効果を奏する。
【0029】
<第2実施形態>
次に、本願発明をスルーホールを有するプリント基板に適用した第2実施形態について、図5を参照して説明する。
本実施形態では、ガラスエポキシ基板の両面に銅箔を貼り付けてなる銅張り積層板40を使用している。この銅張り積層板40の所要箇所に、例えば周知のドリル等を用いてスルーホール41を孔あけ加工し、化学メッキおよび電解メッキを行ってスルーホール41の内周面も含めた全域に銅のメッキ層を形成する。そしてプリント基板40の片側面から、孔埋め用の絶縁ペースト42をスクリーン印刷法によって塗布し、スルーホール41内を絶縁ペースト42によって埋め込んだ状態とする。この時、絶縁ペースト42中には微小な気泡43が含まれる場合がある(図5(a)参照)。
【0030】
次に、プリント基板40の絶縁ペースト43の印刷面とは反対側の面に、閉塞体として耐熱離型フィルム44を重ね合わせ、プリント基板40にぴったり宛がった状態とする(図5(b)参照)。そして、このように耐熱離型フィルム44を宛がったプリント基板40を、上述したペースト充填装置10の基板保持部13に基板40が縦方向の状態となるように挿入保持する。この時、プリント基板40の耐熱離型フィルム44を宛がった面は、回転軸11とは反対側に位置するようにしておく。そして、前記第1実施形態と同様に例えば3000rpmの速度で、回転の立ち上がり後3分間継続して回転させる。
【0031】
すると、上記第1実施形態と同様に、スルーホール41内の絶縁ペースト42に遠心力が作用し、この遠心力によって絶縁ペースト42はスルーホール41の一端側の開口部に宛がわれている耐熱離型フィルム44に押し付けられるともに、ペースト42よりも質量の軽い気泡43は回転軸11側のペースト表面に次第に集まり、ついにはペースト42の外部に放出される(図5(c)参照)。
【0032】
その後、ペースト充填装置10からプリント基板40を取り出してペースト42の熱硬化を行い、耐熱離型フィルム44を剥離した後、基板40の表面にはみ出したペースト部分の平滑研磨を行う。このとき、ペースト42の表面に気泡43が残留していても、研磨によってペースト42と共に除去されるため、スルーホール41内に充填されたペースト42中に気泡43が残存することはない(図5(d)参照)。
【0033】
このように、本実施形態のプリント基板へのペースト充填方法によっても、上記第1実施形態と同様に、スルーホール内を充填したペースト中に気泡を残存させることが無く、信頼性の高い基板を得ることができるという優れた作用効果を奏する。
【0034】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0035】
(1)上記第1実施形態では、本発明のプリント基板へのペースト充填方法を基板内蔵抵抗器に適用した場合について述べたが、多層プリント基板の層間接続用のビアホールにペーストを充填する場合にも適用することができる。
【0036】
(2)上記実施形態では、ペーストとしてカーボンペーストや絶縁ペーストを使用したが、この他にも、導電性や非導電性の金属ペースト、ポッティングレジンやトランスファーモールド等の封止材等、通常プリント基板の孔埋め材として使用されるその他のペーストを使用してもよい。
【0037】
(3)上記実施形態では、ペースト充填装置を3000rpmの回転数で、回転の立ち上がり後3分間回転を行うようにしたが、回転数や回転時間は、基板重量と固体重量差、ペーストの質量、孔形状等によって適宜変更することが可能である。
【0038】
(4)上記実施形態では、基板の孔埋めを一度の印刷・回転で行うようにしたが、ビアやスルーホールが深く、ペーストの量的不足がある場合には、上記工程を数回繰り返すことによりペーストの充填を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペースト充填装置の概略斜視図
【図2】同じくペースト充填装置の側断面図
【図3】同じく回転体の上面図
【図4】本発明の第1実施形態に係るペースト充填方法の工程を示すプリント基板の部分拡大断面図
【図5】本発明の第2実施形態に係るペースト充填方法の工程を示すプリント基板の部分拡大断面図
【符号の説明】
10…ペースト充填装置
11…回転軸
12…回転体
13…基板保持部
14…固定ドラム(固定ハウジング)
24…モータ(駆動機構)
25、26…プーリ(駆動機構)
27…ベルト(駆動機構)
30,40…プリント基板
33…ビアホール(有底ビア)
35,42…ペースト
36,43…気泡
41…スルーホール
44…耐熱剥離フィルム(閉塞体)

Claims (2)

  1. 有底ビア内に硬化したペーストを充填させたプリント基板を製造する方法であって、前記ペーストを前記有底ビア内に進入するように前記プリント基板に付着させ、その後、前記有底ビアの開口方向を回転の中心方向に向けて前記プリント基板を回転させ、前記ペーストを硬化させた後に前記基板の表面にはみ出したペーストを研磨除去することを特徴とするペーストを充填したプリント基板の製造方法。
  2. スルーホール内に硬化したペーストを充填させたプリント基板を製造する方法であって、前記ペーストを前記スルーホール内に進入するように前記プリント基板に付着させ、その後、そのプリント基板の一面側に前記スルーホールの開口を塞ぐ閉塞体を宛がった状態で、他面側を回転の中心方向に向けて前記プリント基板を回転させ、前記ペーストを硬化させた後に前記基板の表面にはみ出したペーストを研磨除去することを特徴とするペーストを充填したプリント基板の製造方法。
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