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JP4422012B2 - 開缶用タブ付き缶蓋及びその製造方法 - Google Patents
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JP4422012B2 - 開缶用タブ付き缶蓋及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料缶、缶詰缶等のイージーオープン缶の開缶用タブ付き缶蓋及びその製造方法、更に詳しくは、アルミニウム缶、スチール缶等の主として金属缶の缶蓋における開缶用タブの回り止め技術の改良に関するものである。
金属製のイージーオープン型飲料缶等においては、その缶蓋の天板部の一部または全域を囲んでスコア線と呼ばれる切込み線が無端環状または切欠環状に設けられ、この切込み線の内側を開缶領域の蓋片として、これに対応する配置に開缶用タブが取付けられている。そして、このタブの操作側の一端を引き上げることで他端側の押圧部で上記蓋片を押し下げて前記切込み線に破断を生じさせ、ステイオンタブ式のものにあっては、蓋片を缶の内方に折込んで開缶し、フルオープン式のものにあっては、蓋片の全部をタブと共に除去して開缶しうるものとされている。
かかるイージーオープン缶用の缶蓋における開缶用タブは、多くの場合、缶蓋本体の天板面上に一体に打ち出し形成されたリベットを、タブに設けられたリベット孔に貫挿し、上方から加締めることによって天板面上の所定位置に取付けられている。上記リベット及びリベット孔は、一般に円形のものである。このため、タブがリベットの軸線を中心として、回転変位を起こす可能性がある。一方、開缶用のタブは、前記のように梃子の原理を利用して切込み線に破断を生じさせるものであるから、該タブの向きと開缶領域の蓋片を区画している切込み線との相対的位置関係が、設計的に定められた狭い範囲内に正しく保持される必要がある。 それにも拘らず、上記タブは、缶蓋自体の取扱工程中、飲料缶の搬送工程中、あるいは自動販売機での払い出し工程中等に加わる振動や何らかの外力を受けて回転変位を起こすことがある。そして、この回転変位量が許容範囲を超えると、開缶操作に困難を来たし、甚だしくは無理なタブ操作によってタブが外れ、開缶不能となる事態を生じるおそれさえある。
このようなタブの不本意な回転変位に起因する不都合は、古くから認識されていたところであり、従来、かかる不都合を回避するためのタブの回り止め技術として、下記特許文献1及び2に示されるような提案がなされてきた。
特公昭51−3260号公報 特開平8−26275号公報 上記特許文献1の提案は、タブの円形リベット孔の周りの上面に刻印用ポンチによって複数の凹みを放射状配置に設け、リベットの加締め時に、該リベットの拡径頭頂部の下面の一部を上記凹みに喰い込ませるものとして、タブの回り止めをはかるようにしたものである。
しかしながら、この特許文献1の先行提案技術では、タブを構成している材料の肉厚が一般的には0.3〜0.5mm程度と極めて薄いものであることとの関係で、リベット孔周りに刻印用ポンチで上記凹みを形成しても、該凹みの深さは、極く浅いものでしかない。
しかも、凹みの両側縁部は曲面に形成されたものとなる。このため、リベットの頭頂部下面の一部を喰い込ませるものとしても、十分な回り止め効果を実現することは困難である。 あえて凹みを深く形成しようとすると、タブに有害な変形を生じさせるおそれがある。加えて、リベットの頭頂部下面の一部を上記凹みに押し込み状態に係合させるためには、リベットの加締め時にかなり大きな加圧力をかける必要があり、タブに有害な変形を生じさせることなくこれを実現することは実際上困難である。
特許文献2の先行提案技術は、このような問題点を解決することを意図して提案されているものである。この提案技術は、タブのリベット孔の周縁部を上面から部分的に押し潰すことによって、リベット孔の上端部周縁に、押し潰された材料が半径方向内方に移動することによって生じるバリ状の、鋭利な先端形状を有する複数個の内方突起を形成し、リベットの加締め時に生じる該リベットの拡径方向の塑性変形を利用して、リベットの軸部に上記突起を突き刺し状態に係合せしめるものとして、タブの回り止めをはかるというものである。
しかしながら、この提案技術においては、タブ材料の肉厚の薄さとの関係で、その押し潰しにより回り止め効果の実現に十分な強度の内方突起を形成せしめること自体、元来いささか困難である。 逆に、リベットの外周面によって内方突起が押し潰されてしまい、接触面積の低下によって摩擦力が低減し、結果的にタブの回転防止効果をむしろ低下させてしまうおそれがある。 更にまた、上記内方突起を十分な強度を有するものに形成した場合、その先端部が中空状のリベットの周壁に突き刺さり状態に喰い込むことに起因して、リベットの一般的には中空状である軸部周壁を傷付け、その強度を低下させ、甚だしくは貫通孔を生じさせて缶の密閉性、耐圧力を損なうおそれがある。
上記のような種々の問題点のため、特許文献1および2に示されるような先行提案技術はいずれも現実にはほとんど採用されていないのが実情である。
上記のような従来技術の種々の問題点に鑑み、本発明は、それらの問題点を解決しつつ、タブ付き缶蓋の製造において従来工程に何ら格別の付加工程を要することなく、良好な生産性を維持しうると共に、タブの回り止め効果をより一層確実に実現しうるタブ付き缶蓋の構成及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題に対し、下記の解決手段を提供する。
本発明の第1は、タブ付き缶蓋の構成に関するものである。
而して、本発明に係る開缶用タブ付き缶蓋は、缶蓋本体の天板面上に、切込み線によって区画された蓋片に対応して開缶用タブがリベット止めにより取付けられた缶蓋において、
前記タブの円形リベット孔に、その内周面上部から上面側孔周縁部にかけて実質上斜め外方に延びた1ないし複数個の係止用凹陥部が形成され、
前記凹陥部に、缶蓋本体に一体形成されたリベットの軸部の上部外周面から外方に張り出した係止用凸部が食い込み状態に係合されてなることを特徴とする。
前記係止用凹陥部は、その奥底面が、リベット孔の内方に向って湾曲した面ダレ状の曲面に形成されているものであることが望ましい。
また前記係止用凹陥部は、リベット孔の周り方向に3〜10個の範囲で、更に好ましくは4〜8個の範囲で等間隔に配置されていることが望ましい。
本発明の第2は、上記のようなタブ付き缶蓋の製造方法に係るものである。
即ち、本発明のタブ付き缶蓋の製造方法は、缶蓋本体の天板面上に、切込み線によって区画された蓋片に対応して開缶用タブがリベット止めにより取付けられた缶蓋の製造方法において、
タブのリベット孔の穿設を、下面周縁部に1ないし複数個の切欠部を有する打抜き用パンチを用いて打抜き加工することによって行い、この打抜き加工によって、円形リベット孔にその内周面上部から上面側孔周縁部にかけて実質上斜め外方に傾斜した1ないし複数個の係止用凹陥部を形成し、
上記リベット孔に、缶蓋本体の天板面から突出したリベットを挿通して上方から加締めることにより、前記係止用凹陥部内にリベットの軸部外周面から張り出した係止用凸部を食い込み状態に係合せしめるものとしたことを特徴とする。
前記パンチの切欠部は、該パンチの下面の半径線の中間部から下端部外周面にかけて奥底面を斜め上方に傾斜させた凹溝形態の切欠部であり、かつその奥底面の傾斜角度は、パンチ下面の存する平面に対して10〜30°の範囲、更に好ましくは15〜25°の範囲に設定されているものであることが望ましい。
また、前記パンチの切欠部は、パンチの外周面における高さが、タブ材料の肉厚の0.3〜1.0倍に設定されているものであることが望ましい。
更にまた、前記パンチの切欠部は、3〜10個、より好ましくは4〜8個の範囲で周方向に等間隔配置に設けられているものであることが望ましい。
本発明に係る開缶用タブ付き缶蓋は、タブに形成されたリベット孔に缶蓋本体側から突設されたリベットを挿通し、該リベットを上方から加圧して加締めるタブの取付作業時において、リベットの軸部の特に上端部に拡径方向の塑性変形力が加わる。 しかもこの塑性変形力は、リベットの軸部の上端に至るに従って大きく作用する。このことに対応して、タブのリベット孔には、その内周面の上部に、上面側の孔周縁部にかけて斜め外方に延びた凹陥部が形成されていることにより、上記リベットの軸部の材料の一部が上記凹陥部内に確実に入り込み、軸部から外方に張り出した係止凸部を形成して凹陥部と強固に係合する。 従って、リベットの加締め時に格別大きな加圧力を加えることを必要としないで、通常の加締め工程の実施により、タブの確実な回り止め効果を実現しうる。 凹陥部が、リベット孔の上部内周面から上面側の孔周縁部にかけて斜め外方に延びたものとなされていることは、リベットの加締め時に軸部に加わる塑性変形力に対応して、上記係止突部と凹陥部の確実な係合関係の実現を可能とする。
特に、凹陥部の奥底面がリベット孔の内方に向って湾曲した面ダレ状の曲面に形成されている場合には、該凹陥部内に係止突部が隙間なく完全な充填状態に食い込んだものとなり易い。 このため、更に一層確実なタブの回り止め効果を実現しうる。
そして又、上記係止用凹陥部が、リベット孔の周方向に3〜10個の範囲で等間隔に形成されることにより、リベットの軸部と凹陥部との噛み合いによる係合関係を好適範囲に設定することができ、一層タブの回り止め効果を確実に達成しうる。
一方、本発明の開缶用タブ付き缶蓋の製造方法においては、上記のようなタブの回り止め効果を実現するリベット孔の形成を、パンチによるリベット孔の打ち抜き工程時に同時に行うことができる。 従って、前記した先行提案技術による場合のように、リベット孔の形成後、更にその孔周縁部に対して刻印用ポンチで放射状凹部を形成したり、あるいは押し潰し工程を付加して内方突起を形成するというような別工程の付加を必要としない。
しかもリベットの加締め作業も、リベットの頂端部を押し潰して係止用頭部を形成するに足る通常の加圧力をもって実行することができる。 従って、従来の製造工程の工数や条件を何ら格別変更することなく、高能率に、タブの確実な回り止め機能を有するタブ付き缶蓋を製造することができる。
パンチの切欠部は、該パンチの下面の半径線の中間部から下端部外周面にかけて、奥底面が斜め上方に傾斜したものとし、かつまたその傾斜角度を10〜30°の範囲に設定したものとするときは、リベット孔の孔内周面に良好な深さと奥底面形状を持つ係止用凹陥部を形成することができ、タブの回り止め効果をより一層確実に実現可能なもとのなしうる。
また、上記切欠部のパンチ外周面上における高さをタブ材料の厚さの0.3〜1.0倍の範囲に設定することにより、タブのリベット孔に、回り止め作用に優れた良好な形態の係止用凹陥部を形成せしめることができる。
パンチの切欠部の個数を3〜10個に設定することの技術的意義は、これによって形成される係止用凹陥部の個数に基づく前述の効果と同様である。
次に、この発明の好ましい実施形態について説明する。
図1は、ステイオンタブ方式のタブ付き缶蓋についての本発明の適用例を示すものである。
この缶蓋(1)は、主としてビール缶等の飲料缶用のアルミニウム製のものである。
該缶蓋(1)は、別に製作される缶胴(図示略)の開口部に取付けられる缶蓋本体(2)に略平面状の天板部(3)を有する。 天板部(3)には、適所に略U字状の切り込み線(4)が設けられ、この切り込み線(4)によって区画される内側の領域が開缶領域としての蓋片(5)となされている。
蓋片(5)に対応する配置関係のもとに、缶蓋本体(2)の天板部(3)の表面上には、缶蓋用タブ(6)が設けられている。 このタブ(6)は、一端を操作用端部(6a)とし、他端を蓋片(5)に対する押圧作用端部(6b)とするもので、長さ方向の中間部のやや押圧作用端部寄りの位置をリベット止めすることによって、缶蓋本体(2)に取付けられている。
この取付けは、図2に示すように、缶蓋本体(2)の天板部(3)から上方に一体に打ち出し形成された中空円柱状のリベット(7)を、タブ(6)に予め穿設形成された円形のリベット孔(8)に挿通し、リベット(7)を上方から加圧力を加えて加締めることによって行われているものである。 その他図1,2中、(7a)はリベット(7)の拡径頭頂部、(9)はタブ(6)の指掛孔、(10)はタブ(6)の引き起こし操作を容当化するために該タブのリベット孔(8)まわりの位置に形成された半円弧状の透孔である。
以上の構成は、従来のタブ付き缶蓋と同等であり、タブ(6)の操作側端部(6a)を指先で引き起こすことによって、他端の押圧作用端部(6b)で蓋片(5)を缶内方に押圧し、これによって切り込み線(4)に破断を生じさせ、次いで蓋片(5)を更に内方に折り込んで開缶状態とするものである。
本発明は、タブ(6)のリベット止め部分の構成とその製造工程に特徴を有する。 即ち、リベット孔(8)の穿設形成、具体的にはその打抜きに用いるパンチの特殊構成と、それによって形成されるリベット孔(8)の特殊形状に主たる特徴点を有するものである。
本発明に用いるリベット孔(8)の打ち抜き形成用の特殊パンチ(11)の一例を図3に示す。 該パンチ(11)は、下端周縁(11a)をリベット孔(8)の孔径に対応する円形の剪断刃とする一方、下面周縁部に、複数個の切欠部(12)を有する。
この切欠部(12)は、パンチ(11)の下面(13)の半径線の中間部から外周面の下端部にかけて、奥底面(12a)を斜め上方に傾斜させた断面コ字形の凹溝形態に形成されたものである。
かかるパンチ(11)を用いて、タブ(6)のリベット孔(8)の打ち抜き成形加工を行うと、先ず、図4(イ)に示す加工前の状態から、同図(ロ)に示すようにパンチ(11)の下端がタブ(6)の材料の上面から入り込んだ時点で、同図の左側に示すようにパンチ(11)の下端周縁(11a)によってタブ材料に対して剪断が開始される一方、切欠部(12)の存する部位では、同図の右側に示すように、タブ材料の一部が、切欠部(12)の奥底面に沿う形で下方に押し込まれ、ここに、上面が湾曲した変形部(16)を生じる。 そして更にパンチ(11)が押し込まれると、同図(ハ)に示すように、パンチ(11)の下端がダイス(15)面に到達した時点で、パンチ(11)の下端周縁(11a)に対応する部分においてはタブ材料が切断される一方、切欠部(12)の存する部位では、その奥底面(12a)によって更にタブ材料が下方に引き込まれつつ、切欠部(12)の上縁によってここでも剪断が開始される。 そしてやがてパンチ(11)が打ち抜き完了後位置まで到達すると、同図(ニ)に示すようにタブ材料はパンチ(11)の全周域において切断され、ここにリベット孔(8)が形成される。
このようにして形成されたリベット孔(8)は、図5(イ)に示すように、基本的に円形のものでありながら、パンチ(11)の切欠部(12)の対応部位において、周方向に複数個の係止用凹陥部(14)を有するものとなる。 この凹陥部(14)は、打ち抜き工程時に切欠部(12)によって生じる前記変形部(16)に由来するものであり、リベット孔(8)の内周面に位置し、該内周面上部から上面側の孔周縁部にかけて、奥底面(14a)が実質上斜め外方に傾斜したものである。 更に具体的には、奥底面(14a)がリベット孔(8)の内方に向って湾曲した面ダレ状の曲面に形成されるものである。従ってこのリベット孔(8)を、タブ(6)の上面側から観察すると、その上面側周縁は、図5(ロ)に示すように円形孔縁の周りに、上記凹陥部(14)が放射状配置に外方にはみ出した状態に観察される一方、下面側では、同図(ハ)に示すように周縁が全くの完全な円形に観察されるものである。
タブ付き缶蓋(1)の製造においては、上記のリベット孔(8)を形成したタブ(6)を準備し、缶蓋本体(2)の天板面上に予め打ち出し加工によって形成した中空円柱状のリベット(7)を上記リベット孔(8)に挿通してタブ(6)をセッテイングする。 次いで、上記リベット(7)を上方から加締めることにより、リベット頂部を圧潰偏平化して径大頭部(7a)を形成し、タブの取付けを完了する。
ここに、上記リベットの加締め工程において、リベット(7)にその頭頂部から加圧力が加えられると、該頭頂部が圧潰扁平化するのと同時に、リベット(7)の軸部(7b)に拡径方向の座屈変形応力が作用する。 この変形応力は、軸部(7b)の上端に至るに従って大きく作用し、軸部(7b)を拡径する方向に塑性変形力を及ぼす。 このため、図6に示すように、軸部(7b)は、リベット孔(8)の内周面に密着する一方、特にその上端部領域の係止用凹陥部(14)の存する部位において軸部材料の一部が外方に張り出し状に変形して係止用凸部(17)を形成し、これが係止用凹陥部(14)内に食い込み状態に係合される。 しかも、係止用凹陥部(14)は、その奥底面がリベット孔(8)の上部内周面から上面側孔周縁部にかけて実質上斜め外方に傾斜したものであり、かつリベット孔(8)の内方に向かって湾曲状の曲面に形成されているものであることにより、軸部(7b)の材料から張り出した係止用凸部(17)が該凹陥部(14)内に完全に隙間なく充満され、凹陥部(14)と係止用凸部(17)との強固な係合状態が実現される。
従って、タブ(6)はその取付後の状態において、上記の係合により、リベット周りでの回転を確実に阻止され、良好な回り止め作用、ひいてはタブの回転防止機能が達成されるものとなる。
次に、この発明の好適な実施のための種々の具体的な設計的要素事項について説明する。
先ず、パンチ(11)の切欠部(12)の個数は、この発明において特に限定されるものではないが、3〜10個の範囲で周方向に等間隔配置に設けることが望ましい。 3個未満では、前述のタブの回り止め効果が不十分なものとなり易い。 一方、個数の上限は、パンチ(11)の直径、ひいてはリベット孔(8)の直径との関係で任意に設定可能であり、例えば10個を超える個数とすることも許容されるが、一般に、飲料缶用の缶蓋(1)のタブ取付用リベット(7)の場合、直径が、3.0〜4.0mm程度であるから、この場合、10個以下に設定することにより、必要かつ十分なタブの回り止め効果を得ることができる。 上記リベット径の場合において、特に好ましい切欠部(12)の個数は、図示の実施形態に示す6個を基準として、4〜8個程度である。 これの個数が多すぎると、隣接する切欠部(12)(12)間の距離が短かいものとなり、ひいては隣合う係止用凹陥部(14)(14)が近接しすぎたものとなり、良好な回り止め効果の実現を阻害する。
パンチ(11)の切欠部(12)の幅(W)、即ち図3(イ)に示すパンチ(11)の外周面における切欠部(12)の開口幅は、切欠部(12)の個数との関係で任意に設定されるものであり、特に限定されるものではないが、概ね0.5〜1.5mmの範囲に設定するのが好適である。 これが小さすぎても、逆に大きすぎても、良好なタブの回り止め効果の確保が困難なものとなる。 即ち0.5mm未満では、該切欠部(12)によって形成される係止用凹陥部(14)の幅が小さいものとなり、その結果リベット(7)の軸部(7b)の材料が入り込み難いものとなり、良好な係止用凸部(17)の形成が困難になる。 逆に、幅(W)の上限は格別制限されるものではないが、1.5mmを超えて大きすぎると、周方向の係止用凹陥部(14)の個数に制限を受け、やはりタブ(6)の回り止めのための良好な前記の係合関係を維持し難いものとなる。
パンチ(11)の切欠部(12)の断面形状は、図3に示したようなコ字状のほか、図7に示すような断面三角形状の切欠部(112)としても良いし、図8に示すような断面円弧状の切欠部(212)によるものとしても良い。 そのほかの形状とすることも許容される。
また、切欠部(12)の奥底面(12a)は、これをパンチ(11)の下面(13)と平行な水平状のものとしても良いが、図3に示すように外方に向かって斜め上方に傾斜したものとすることにより、リベット孔(8)に形状的に安定した良好な係止用凹陥部(14)の形成を可能とする点で有利である。 この場合、上記奥底面(12a)の傾斜角度(θ)は、パンチ(11)の下面の存する平面に対して10〜30°の範囲に設定することが好ましく、特に15〜25°の範囲に設定するのが好適である。
そしてまた、奥底面(12a)の傾斜角度(θ)を如何なる角度に設定する場合であっても、切欠部(12)の外方端部における高さ(H)、即ち、パンチ(11)の外周面における下端周縁からの最大高さ位置までの距離は、タブ(6)の肉厚の0.3〜1.0倍の範囲であって、具体的には例えば0.12mm〜0.35mmの範囲に設定すべきである。
この高さ(H)がタブ肉厚の0.3倍未満では、タブ(6)のリベット孔(8)側に、十分な深さをもった係止用凹陥部(14)の形成が困難なものとなる。逆に、1.0倍を超えて大きすぎるときは、リベット孔(8)の穿設のために要するパンチ(11)のストローク距離が長いものとなり、生産能率上好ましくない。 そしてこのような不利益に対してこれに見合う回り止め効果の増大を望めない。
次に、この発明の効果を確認するために行った実施例を示す。
缶蓋本体(2)の材料シートとして厚さ0.25mmのアルミニウムシート(A5182)を、また開缶用タブ(6)の材料シートとして厚さ0.35mmのアルミニウムシート(A5182)を用い、図1に示すような形状の缶蓋本体(2)及びタブ(6)をそれぞれ成形した。
缶蓋本体(2)側のリベット(7)は、打ち出し成形時において外径3.0mm、高さ1.5mmに成形した。
一方、タブ(6)のリベット孔(8)は、直径3.20mmで下面周縁部に下記仕様の切欠部(12)を有するパンチ(11)を用いて打ち抜き成形した。
[切欠部の仕様]
個数:6個
奥底面の傾斜角度(θ) :20度
外周面における高さ(H):0.25mm
外周面における幅(W) :0.8mm
そして、上記リベット孔(8)にリベット(7)を挿通してタブ(6)を缶蓋本体(2)の上面にセッティングしたのち、常法に従ってリベット(7)の加締め工程を実施し、タブ付き缶蓋(1)を製造した。
これによって製造した缶蓋(1)は、タブ(6)の操作用端部を指先で相当強く横向き(水平方向)に押しても、容易には回転変位を生じない良好な回転防止機能を有するものであることを確認し得た。
本発明は、イージーオープン機能を有する飲料缶、缶詰缶等に用いられるアルミニウム缶、スチール缶等の金属缶の全般に適用可能なものである。
この発明に係るタブ付き缶蓋の平面図である。 図1のA−A線の拡大断面図である。 タブにリベット孔を穿設形成するのに用いるパンチを示すものであって、図(イ)はパンチの下面図、図(ロ)は下端部の正面図、図(ハ)は図(イ)のB−B線の断面図である。 パンチによるリベット孔の形成過程を模式的に示すものであって、図(イ)は打ち抜き前の状態の断面図、図(ロ)は打ち抜き初期の状態の断面図、図(ハ)は打抜き中期の状態の断面図、図(ニ)は打抜き完了後の状態を示す断面図である。 タブに形成されるリベット孔の形状を示すものであって、図(イ)は断面図、図(ロ)は平面図、図(ハ)は下面図である。 リベットを加締めてタブを取付た取付部の構造を示すものであって、図(イ)は図5(ロ)のC−C線対応部位における断面図、図(ロ)は図(イ)のD−D線の断面図である。 リベット孔形成用パンチの変形例を示すものであって、図(イ)は一部を切欠いて示したパンチ下端部の正面図、図(ロ)は下面図である。 リベット形成用パンチの他の変形例を示すものであって、図(イ)は一部を切欠いて示したパンチ下端部の正面図、図(ロ)は下面図である。
符号の説明
1・・・・・缶蓋
2・・・・・缶蓋本体
3・・・・・天板部
4・・・・・切込み線
5・・・・・蓋片
6・・・・・開缶用タブ
7・・・・・リベット
7a・・・・リベットの拡径頭頂部
7b・・・・リベットの軸部
8・・・・・リベット孔
11・・・・パンチ
11a・・・パンチの下端周縁
12・・・・切欠部
12a・・・切欠部の奥底面
13・・・・パンチの下面
14・・・・係止用凹陥部
14a・・・凹陥部の奥底面
17・・・・係止用凸部

Claims (8)

  1. 缶蓋本体の天板面上に、切込み線によって区画された蓋片に対応して開缶用タブがリベット止めにより取付けられた缶蓋において、
    前記タブの円形リベット孔に、その内周面上部から上面側孔周縁部にかけて実質上斜め外方に延びた1ないし複数個の係止用凹陥部が形成され、
    前記凹陥部に、缶蓋本体に一体形成されたリベットの軸部の上部外周面から外方に張り出した係止用凸部が食い込み状態に係合されてなることを特徴とする開缶用タブ付き缶蓋。
  2. 前記係止用凹陥部は、その奥底面が、リベット孔の内方に向って湾曲した面ダレ状の曲面に形成されている請求項1に記載の開缶用タブ付き缶蓋。
  3. 前記係止用凹陥部は、リベット孔の周り方向に3〜10個の範囲で等間隔に配置されている請求項1または2に記載の開缶用タブ付き缶蓋。
  4. 缶蓋本体の天板面上に、切込み線によって区画された蓋片に対応して開缶用タブがリベット止めにより取付けられた缶蓋の製造方法において、
    タブのリベット孔の穿設を、下面周縁部に1ないし複数個の切欠部を有する打抜き用パンチを用いて打抜き加工することによって行い、この打抜き加工によって、円形リベット孔にその内周面上部から上面側孔周縁部にかけて実質上斜め外方に傾斜した1ないし複数個の係止用凹陥部を形成し、
    上記リベット孔に、缶蓋本体の天板面から突出したリベットを挿通して上方から加締めることにより、前記係止め用凹陥部内にリベットの軸部外周面から張り出した係止用凸部を食い込み状態に係合せしめるものとしたことを特徴とする開缶用タブ付き缶蓋の製造方法。
  5. パンチの切欠部は、該パンチの下面の半径線の中間部から下端部外周面にかけて奥底面を斜め上方に傾斜させた凹溝形態の切欠部である請求項4に記載の開缶用タブ付缶蓋の製造方法。
  6. 前記切欠部の奥底面の傾斜角度は、パンチ下面の存する平面に対して10〜30°の範囲に設定されている請求項5に記載の開缶用タブ付き缶蓋の製造方法。
  7. パンチの切欠部は、該パンチの外周面における高さがタブ材料の肉厚の0.3〜1.0倍に設定されてなる請求項4〜6のいずれか1項に記載の開缶用タブ付き缶蓋の製造方法。
  8. パンチの切欠部は、3〜10個の範囲で周方向に等間隔配置に設けられている請求項4〜7のいずれか1項に記載の開缶用タブ付き缶蓋の製造方法。
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