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JP4422282B2 - 散薬包装装置の散薬接触部材およびその製造方法 - Google Patents
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JP4422282B2 - 散薬包装装置の散薬接触部材およびその製造方法 - Google Patents

散薬包装装置の散薬接触部材およびその製造方法 Download PDF

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  • Supply Of Fluid Materials To The Packaging Location (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、散薬包装装置の散薬接触部材およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、散薬包装装置における分配円盤、掻出装置、ホッパー、シュート等の散薬が接触する散薬接触部材に散薬が付着したりコビリ付かないようにして、散薬の汚染を防止するとともに、清掃性を向上するようにした散薬接触部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
散薬を1服用分づつ分割して包装する散薬包装装置は、分配円盤、掻出装置、ホッパー、シュート等の散薬が接触する部材(以下、散薬接触部材という。)を有している。これらの散薬接触部材には包装処理後も散薬が付着したまま残留するので、処方が変わる毎に調剤師が各散薬接触部材を清掃する必要があった。
【0003】
このような散薬接触部材の清掃を自動的に行うために掃除機等からなるクリーナ装置を設けたものが種々提案されている。しかし、乳酸カルシウムからなる散薬は、一旦散薬接触部材に付着すると、掃除機では完全に吸引することはできない。また、散薬のなかには、静電気を帯びやすい散薬や、粒子の細かい散薬があり、これらは掃除機では吸引しても除去できない。このような散薬は、濡れたタオル等で拭き取らなければならなかった。包装動作中にこのような清掃作業を行うことは、非常に煩わしいうえ、包装作業を中断させるので包装効率の低下を招来する。
【0004】
一方、散薬包装装置の散薬接触部材は、多種に及ぶ薬剤の付着の影響を考慮して、長年304ステンレス鋼を鏡面加工したものが使用されてきた。近年、コスト削減の観点から、ホッパー等の一部の部材は樹脂成形品が使用されるようになったが、分配皿等の精度を要する部材は依然として304ステンレス鋼が使用されている。樹脂成形部品は、静電気を帯びやすいため、304ステンレス鋼に比べて散薬付着特性が悪化する傾向にある。導電性樹脂を採用して薬剤との接触電位差を下げることで、薬剤付着特性を多少改善することができる。しかし、多数種類にわたる薬剤と薬剤接触部材との接触電位差を下げるような措置をとることは現実的でない。
【0005】
また、物体の吸着エネルギーは、Hamaker定数の小さいほど低減するが、ステンレス鋼はその定数が大きいうえ、鏡面加工によって散薬粒子の接触面積が増加して付着力が増大する。したがって、散薬接触部材としてHamaker定数の小さい物質を選定し、その接触面にミクロン単位の適度な粗さ与えて接触面積を小さくすることが必要となる。
【0006】
従来、図11に示すように、分配円盤101は、環状でアール溝102を有し、304ステンレス鋼からなり、研磨剤で鏡面に近いレベルまで研磨されている。そして、この分配円盤101に均一に堆積させた散薬を掻出装置103のシリコンゴム104との接触により掻き出して包装装置に供給するようにしている。しかし、このような分配円盤101で乳酸カルシウムからなる散薬を分割すると、掻出装置103のシリコンゴム104と分配円盤101のアール溝102の表面との間に乳酸カルシウムの粒子が挟まり、掻出装置103のシリコンゴム104により圧縮される。この結果、図12に示すように、乳酸カルシウム105に含まれる乳酸成分が液状に粒子の表面に浮き上がり、その液状乳酸成分106がカルシウムを巻き込みながら分配円盤101のアール溝102表面に付着して、図11に示すように、こびり付くという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、散薬を1服用分づつ包装する散薬包装装置において、散薬が付着したりコビリ付いたりすることがなく、たとえ付着したとしても打撃や振動、吸引によって容易に除去することができる散薬包装装置の散薬接触部材およびその製造方法を適用することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段を説明する前に、薬剤付着の原理について説明する。薬剤包装装置で使用される薬剤を粉体とすると、物体の壁面への粉体の付着は、物体の吸着エネルギー、静電気、および液架橋力が要因となることが知られている。大部分の薬剤は、物体の吸着エネルギーと静電気が主な付着の要因となる。一部の薬剤、例えば乳酸カルシウムは、前述したように、圧力や振動を付与すると粒子中の水分が表面に浮き出し、その水分を介して物体に付着するため、液架橋力も付着の要因となる。
【0009】
第1の要因である吸着エネルギーは、物体間の引力である。物体の吸着エネルギーは、Hamaker定数によって表される。Hamaker定数が大きいほど、物体の吸着エネルギーが高く、付着しやすい。異なる物質からなる複合系には、次式で示すHamaker定数の結合則が成立する。
【数1】
12=√(A1122
12:物質1と物質2の間のHamaker定数
11:物質1と物質1の間のHamaker定数
22:物質2と物質2の間のHamaker定数
【0010】
また、物体の吸着エネルギーは、球対球の場合と、球対平面の場合とで異なる。球対球の場合は、球対平面より接触面積が小さいので、吸着エネルギーは小さい。散薬包装装置では、散薬と散薬接触部材とは球対平面になるので、吸着エネルギーが大きく、散薬が散薬接触部材に付着しやすい環境になっている。通常、物体は0.4ナノミクロンで接触しているとされているが、物体に表面粗さがあると、物体の吸着エネルギーは小さくなる特性がある。例えば、10ミクロンの球体同士の接触の場合、両者に0.1ミクロンの粗さがあると、粗さが無い場合に比べて、物体の吸着エネルギーは6万分の1に減少する。したがって、物体の吸着エネルギーを小さくするには、表面にHamaker定数の小さい材料を採用するとともに、適度な粗さを与えて接触面積を小さくする必要がある。
【0011】
第2の要因である静電気による吸着は、粒子あるいは接触面が帯電するしないに拘わらず作用する接触帯電による付着と、粒子あるいは接触面が帯電して起こる静電気による付着がある。
【0012】
接触帯電による付着は、接触する物体間の接触電位の差により電荷が移動して安定しようとする作用により生じる。同一材料では、接触電位差がないので、接触帯電により付着は生じにくい。しかし、同一材料でも、生産場所や加工方法の相違により多少接触電位差が生じることがある。接触帯電による付着応力(Maxwellの応力)Pceは、次式で表される。
【数2】
Pce=−(1/2)εE2
ε:物体の誘電率
E:物体のもつ電界強度
【0013】
前式において、電界EをVc/zとすると、次式が得られる。
【数3】
Pce=−εVc2/2z2
Vc:静電容量
z:物体間の接触する距離(通常、0.4nm以下)
【0014】
散薬包装装置におけるような球対平面の接触の場合、前式を面積要素dsで積分すると、接触帯電による付着力は、次式で表される。
【数4】
Fce=∫Pceds≒Pce・S
S:接触面積(=πa2
【0015】
ここで、散薬粒子のような柔らかい物質は、接触の際、接触面がゴムボールのように大きくなることを考慮すると、Hertz理論より、接触円の半径は、次式で表される。
【数5】
a=(3Fkd/8)1/3
k:弾性特性定数
(=(1−ν1 2)/E1+(1−ν2 2)/E2
【0016】
接触帯電による付着力は、粒径が大きいほど増加する。しかし、実際には、重力や遠心力、振動等によって分離する分離力が、粒径の3乗に比例するので、相対的には、粒径の小さい粒子ほど付着しやすくなり、分離もしにくい。
【0017】
静電気による付着は、物体が帯電することで発生する。この付着力は、帯電量の増加に伴って増加する反面、帯電した電子を失った途端に消失する。接近した帯電粒子間の静電気付着力は、次式で表される。
【数6】
Fe=−πσ1σ22/ε0
σi:表面電荷密度(=−qi/πDpi 2
i:電荷
pi:粒径
d:換算粒子径
ε0:真空の誘電率
【0018】
静電気による吸着は、+帯電対−帯電で発生し、帯電電位が同じ極性の場合は反発する。このような静電気による吸着を最小限に抑えるには、接触電位差をできるだけ小さくし、帯電電位が移動しやすい導電材料を選択する必要がある。
【0019】
第3の要因である液架橋力による吸着は、粉体粒子の外面に水分の膜が形成され、この膜と膜が水分の表面張力で吸着する現象である。散薬包装装置に使用される散薬は、水分が微量であるため、通常は液架橋力による吸着まで発展しない。しかし、薬剤分割や移送時の圧縮、摺動、振動等の機械的要因により、液架橋力による吸着が生じる。すなわち、散薬に圧力が作用したり、振動が長時間作用すると、散薬粒子中の水分が外面に出て膜を形成し、液架橋力による吸着が生じる。この液架橋力による吸着を抑えるには、散薬接触部材の接触面を撥水処理することも考えられる。
【0020】
以上、粉体付着に対する対策をまとめると、物体の吸着エネルギーによる吸着に対しては、次の措置が考えられる。
(1)粉体接触面をHamaker定数の小さい物質で被覆する。
(2)Hamaker定数の結合則により粉体接触面を選定する。
(3)散薬接触面に適度な粗さを設ける。
また、静電気による吸着に対しては、次の措置が考えられる。
(1)散薬接触面を表面処理しあるいは材料を選択して接触電位差を下げる。
(2)表面を硬くあるいは粉体粒子径に対して粗くして接触面積を下げる。
(3)帯電を抑制し、電荷の移動を促進する。
液架橋力による吸着に対しては、次の措置が考えられる。
(1)散薬接触面の表面処理により撥水効果を高める。
【0021】
本発明は、以上の知見に基づいてなされたもので、第1の発明は、分配円盤上に散薬を均一に堆積させ、該分配円盤上の散薬を1服用分づつ掻き出して包装する散薬包装装置における散薬が接触する散薬接触部材において、前記散薬接触部材の散薬接触面に散薬を付着させない非付着性メッキ層を設けたものである。前記非付着性メッキ層は、メッキ処理によりメッキとともに4フッ化樹脂を共析させてなることが好ましい。あるいは、前記非付着性メッキ層は、メッキ表面に溝または穴、クラックを形成して4フッ化樹脂を含浸させてなることが好ましい。ここで、前記非付着性メッキ層の4フッ化樹脂の表面占有比率は10%以上であることが好ましい。
【0022】
本発明により、散薬包装装置における散薬接触部材に非付着性メッキ層を設けたので、散薬の付着やコビリ付きが抑えられ、またたとえ付着したとしても打撃や振動、吸引によって容易に除去することができる。
【0023】
前記散薬接触部材は分配円盤であり、該分配円盤はその上に残留した散薬を除去するブラシ突部を有し、該ブラシ突部を発泡樹脂により形成することが好ましい。これにより、非付着性メッキ層はブラシ突部の接触による損傷劣化から保護される。
【0024】
また、第2の発明は、分配円盤上に散薬を均一に堆積させ、該分配円盤上の散薬を1服用分づつ掻き出して包装する散薬包装装置における散薬が接触する散薬接触部材の製造方法において、散薬接触部材の散薬接触面に、メッキ処理によりメッキとともに4フッ化樹脂を共析させて非付着性メッキ層を形成するメッキ工程を有するものである。代案として、散薬接触部材の散薬接触面に、メッキ処理によりメッキ層を形成するメッキ工程と、前記メッキ層の表面を荒らして溝または穴、クラックを形成する荒し工程と、前記メッキ層の表面の溝または穴、クラックに4フッ化樹脂を含浸させる含浸工程とにより、非付着性メッキ層を形成するようにしてもよい。ここで、非付着性メッキ層の4フッ化樹脂の表面占有比率は10%以上であることが好ましい。また、前記メッキ工程で得られたメッキ層を4フッ化樹脂の溶融温度で焼成する焼成工程をさらに有することが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0026】
図1は、本発明にかかる薬剤包装装置の散薬接触部材の一例である分配円盤1の断面を示す。この分配円盤1は、304ステンレス鋼からなる母材2に非付着性メッキ層3が形成されている。非付着性メッキ層3は、1ミクロンの下地メッキ層4と、10ミクロンの複合メッキ層5からなっている。複合メッキ層5は、以下に詳述する電界ニッケルメッキ処理または無電界ニッケルメッキ処理によりニッケルとともに4フッ化樹脂を共析させてなるものである。ここで、4フッ化樹脂の表面共析(占有)比率は10%以上である。図1(B)に示すように、4フッ化樹脂の表面共析比率が10%以上であると、掻出装置のシリコンゴムの荷重の程度にもよるが、散薬の乳酸カルシウムを巻き込みながら分配円盤1に貼り付いて付着することがなくなり始める。図1(A)に示すように、4フッ化樹脂の表面共析比率が30%であると、乳酸カルシウムからなる散薬の分割を何回繰り返しても乳酸カルシウムが分配円盤1に付着することが無くなった。
【0027】
前記分配円盤1を製造する方法について説明すると、その方法は、図2に示すように、プレス工程、下地メッキ工程、複合メッキ工程、焼成工程からなる。
【0028】
プレス工程では、304ステンレス鋼からなる環状の素材を所定の形状にプレスして、アール溝を有する従来と同様の分配円盤1の母材2を成形する。
【0029】
下地メッキ工程では、一般に素材の304ステンレス鋼にはメッキが乗りにくいことから、下地処理として1μm以下の膜厚のニッケルまたはPtの下地メッキ層を形成する。
【0030】
複合メッキ工程は、前記下地メッキ層4の上に約10μmの複合メッキ層5を形成する。複合メッキ工程では、メッキ液に粒子径が0.3μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子を混合し、ニッケルメッキ層にPTFEを共析させる。共析量は、PTFE微粉末の分散率や、液の攪拌に左右される。PTFE微粉末の分散率が向上するほど、散薬の非付着性は向上するが、表面硬度は低下する。このため、分散率は25%から35%の範囲に留めるほうが品質上安定する。複合メッキ工程では、PTFE粒子を効率よくメッキ表面に共析させるためにメッキ液を攪拌する。メッキ基材としては、ニッケルやクロムがあげられる。共析材としては、フッ化黒鉛、ポリテトラフルオロエチレンPTFE微粉末があげられ、その粒子径は約0.3μmである。
【0031】
このような複合メッキには、電解メッキと、無電解メッキがある。
【0032】
電解メッキは、図3に示すようなメッキ槽6で行う。メッキ液は、スルファミン酸ニッケル溶液であり、これに塩化ニッケル、燐酸、亜燐酸、カチオン系界面活性剤を加え、PTFEを分散させる。PTFEを分散させるために、底にエアーノズル7等を設けてメッキ液を攪拌することが好ましい。陽極電極8にはニッケル板、陰極電極9には被メッキ物として分配円盤1をセットする。陽極電極8と陰極電極9には電流制御装置10を介して直流電源11に接続する。電流制御装置10により、陰極電流9を2A/dm3に維持する。メッキ液は、温度40〜50℃、pH4.0に維持する。メッキ時間は60分とする。このような条件で電解メッキを行うと、イオン化したニッケルが陰極電極9に集合し、カチオン系界面活性剤によってメッキ液に分散されたPTFEとともに陰極電極9の被メッキ物である分配円盤1に電着し、成膜される。これにより、メッキ表面のPTFEは30%前後に保持される。
【0033】
無電解メッキは、図4に示すようなメッキ槽12で行う。メッキ液は、次亜燐酸ナトリウムを還元剤とするメッキ液中に、硫酸ニッケルまたは塩化ニッケルを混合し、コハク酸ナトリウムやリンゴ酸を添加する。必要に応じてジエチルアミンまたは硫酸アンモニウムを添加する。ジエチルアミンまたは硫酸アンモニウムを添加すると、メッキ表面に色斑が発生するのを防止し、品質を向上させることができる。メッキ液には、カチオン系界面活性剤によってPTFEを分散させる。PTFEの分散を活性化させるために、メッキ槽12にポンプ13を接続してメッキ液を循環させて攪拌する。無電解メッキでは、被メッキ物である分配円盤1がステンレス鋼であるとその表面にメッキが乗りにくいので、スタート時は電極を挿入して前述した電解メッキを行って下地メッキを行い、その後無電解メッキを行う。メッキ液は、温度90℃、pH5.0に維持する。メッキ時間は60分とする。このような条件で無電解メッキを行うと、イオン化したニッケルが分配円盤1に集合し、カチオン系界面活性剤によってメッキ液に分散されたPTFEとともに被メッキ物である分配円盤1に付着し、成膜される。これにより、メッキ表面のPTFEは30%前後に保持される。
【0034】
焼成工程は、前記複合メッキ工程でメッキされた分配円盤1を、真空若しくはフッカガス中、または大気中において、200〜300℃で焼成する。この焼成により、表面硬度が上昇する。図5は、その一例であり、ヒータ14を備え、真空ポンプ15に接続された真空焼成炉16に複合メッキされた分配円盤1を入れ、約220〜320℃の範囲で加熱する。
【0035】
このような焼成工程を行わない場合、メッキ面の表面強度が得られないため、磨耗速度が加速する。このため、クリーナー装置や掻出装置の分配円盤との接触面は、スポンジや滑性ゴム等の柔軟な材料を使用することが好ましい。
【0036】
以上のように製造された前記分配円盤1は、非付着性メッキ層3を有するので、散薬が付着しにくいことに加え、接触摩擦抵抗が減少するため、掻取装置のシリコンゴムの耐磨耗性が向上する。
【0037】
前記分配円盤1には、後述するようなスポンジブラシと吸引機構からなるクリーナ装置を設けることで、清掃性が高められ、他の処方薬との混入が防止される。
【0038】
複合メッキの場合、散薬包装装置が長期間使用されると、分配円盤1の非付着性メッキ層3の複合メッキ層5の表面に付着したPTFE粒子が飛散し、表面のPTFE分散率が低下する。個の結果、乳酸カルシウムが分配円盤に付着するようになり、清掃性が悪くなる。そこで、複合メッキ層5の表面を0.6μm程度バフ研磨することで、新たなPTFEが表面に露出するので、表面のPTFE分散率を向上し、散薬の非付着性および清掃性を回復させることができる。
【0039】
非付着性メッキ層3を形成する方法としては、前記実施形態の複合メッキのほか、メッキ表面を粗くしてその溝やクラックにフッ素樹脂を含浸させる含浸法がある。この含浸法は、メッキ工程、荒し工程、含浸工程とからなる。図6,7に示すように、まずメッキ工程で、分配円盤の母材2にニッケルまたはクロムをメッキし、ニッケルメッキ層17aまたはクロムメッキ層17bを形成する。次に、荒し工程では、ニッケルメッキ層17aまたはクロムメッキ層17bの表面に、エッチングや電解研磨により溝や穴18aを形成したり、熱衝撃によりクラック18bを形成する。溝や穴18a、あるいはクラック18bは、幅や深さよりも、ピッチを細かくし、その配列を編目模様等のように規則的にすることが、散薬の非付着性効果が高まる。最後に、含浸工程では、荒し工程で得られた溝や穴18a、あるいはクラック18bにフッ素樹脂19を含浸する。
【0040】
以上の実施形態は、分配円盤の母材2の表面にメッキ処理したものであるが、図8に示すように、焼結金属粒子17c間にフッ素樹脂19を含浸することもできる。この場合、液体系のフッ素樹脂19を含浸した後、焼成工程を経て非付着性メッキ層を成膜できる。しかし、焼結金属粒子17cが粗いと、分配円盤の表面にクレーターが現れるため、品質上好ましくない。そこで、焼結金属粒子17cの径を細かくし、含浸したフッ素樹脂19が図10のように平坦になるようにすることが好ましい。
【0041】
図9,10は、クリーナ装置20の具体的な例を示す。このクリーナ装置20は、回転ブラシ21と、ケース22と、カバー23と、駆動モータ25とからなっている。回転ブラシ21は、円形の支持板25の外周縁に支持され、環状部26aと、該環状部26aの片面に周方向に等間隔で配置された複数のブラシ突部26bとを一体に発泡樹脂(スポンジ)で形成したものである。
【0042】
ケース22は、前記回転ブラシ21を収容するほぼ円形のブラシ収容部27と、矩形のダクト部28とからなっている。ブラシ収容部27の周壁には回転ブラシ21の一部が露出する開口部29と、ダクト部28に連通する第1孔30と第2孔31が形成されている。開口部29の縁には分配円盤1の上面に圧接してシールするスポンジからなるシール材32が装着されている。第1孔30は開口部29の近傍に設けられ、その開口部29寄りの縁にはブラシ突部26bに接触するシール材33が装着されている。第2孔31の内縁には、ブラシ突部26bに接触する突部34が形成されている。ダクト部28には、図示しない掃除機に適宜配管を介して接続される排出口35が形成されている。また、ダクト部28はアーム36を介して図示しない装置本体に回動可能に形成されている。これにより、クリーナ装置20は、図9(A)に示すように、回転ブラシ21が分配円盤1のアール溝に当接する動作位置と、図9(B)に示すように、回転ブラシ21が分配円盤1のアール溝から上方に離れる退避位置とに回動可能になっている。
【0043】
カバー22は、前記ケース22を蓋するもので、内面に回転ブラシ21のブラシ突部列の内側に沿うように突出する環状のリブ37が形成されている。このリブ37には、前記ケース22の開口部29と対向する通気口38が形成されている。また、カバー22には、ブラシ収容部27と対向する第1連通口39と、前記ダクト部28と対向する第2連通口40が形成されている。カバー22の外面には、第1連通口39と第2連通口40とを接続する接続ダクト部41が形成されている。駆動モータ24は、前記ケース22に固定されるとともに、その駆動軸が前記回転ブラシ21の支持板25に連結され、回転ブラシ21を回転駆動させるようになっている。
【0044】
前記クリーナ装置20による清掃動作について説明すると、分配円盤1のアール溝の清掃を行うには、まず、駆動モータ24を駆動するとともに、図示しない掃除機を駆動して、装置を図9(A)に示す動作位置に回動させる。同時に分配円盤1も回転させる。これにより、分配円盤1のアール溝に付着した散薬が回転ブラシ21のブラシ突部26bに掻き取られて清掃される。掻き取られた散薬は、ケース22の開口部29より吸引され、カバー22の通気口38から第1連通口39を経て接続ダクト部41に入り、第2連通口40からダクト部28を通って排出口35から排出される。また、ブラシ突部26bに付着したままの散薬は、回転ブラシ21の回転に伴って、第1孔30のシール材33に接触してダクト部28に向かって跳ね飛ばされ、さらに、第2孔31の突部34に接触して同様にダクト部28に向かって跳ね飛ばされて、ダクト部28を経て排出口35から排出される。清掃動作が終了すると、装置を図9(B)に示す退避位置に回動させる。
【0045】
なお、前記実施形態では、散薬接触部材として分配円盤にについて説明したが、本発明は分配円盤に限らず、ホッパー等の他の散薬接触部材にも適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、散薬包装装置の散薬移送部材に非付着性メッキ層を形成したので、散薬が付着しにくくなり、薬剤を確実に除去することができ、振動装置や清掃装置との相乗作用により、散薬の付着を効果的に除去することができ、コンタミ防止と、回収率の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非付着性メッキ層を有する散薬接触部材の断面図。
【図2】 図1の散薬接触部材を製造する工程を示す図。
【図3】 電界メッキ槽の概略図。
【図4】 無電界メッキ槽の概略図。
【図5】 真空焼成炉の概略図。
【図6】 含浸法により形成した非付着性層の一例を示す断面図。
【図7】 含浸法により形成した非付着性層の他の例を示す断面図。
【図8】 含浸法により形成した非付着性層の他の例を示す断面図。
【図9】 クリーナ装置の断面図で、(A)は動作時、(B)は退避時を示す。
【図10】 図9のクリーナ装置のI−I線断面図。
【図11】 従来の散薬接触部材としての分配円盤と掻取装置の斜視図。
【図12】 散薬粒子の拡大図。
【符号の説明】
1 分配円盤(散薬接触部材)
3 非接着性メッキ層
26 ブラシ突部
53 溝や穴
54 クラック
55,62 フッ素樹脂

Claims (8)

  1. 分配円盤上に散薬を均一に堆積させ、該分配円盤上の散薬を1服用分づつ掻き出して包装する散薬包装装置における散薬が接触する散薬接触部材において、前記散薬接触部材の散薬接触面に散薬を付着させない非付着性メッキ層を有し、前記非付着性メッキ層は、メッキ処理によりメッキとともに4フッ化樹脂を共析させてなることを特徴とする散薬包装装置の散薬接触部材。
  2. 分配円盤上に散薬を均一に堆積させ、該分配円盤上の散薬を1服用分づつ掻き出して包装する散薬包装装置における散薬が接触する散薬接触部材において、前記散薬接触部材の散薬接触面に散薬を付着させない非付着性メッキ層を有し、前記非付着性メッキ層は、メッキ表面に溝または穴、クラックを形成して4フッ化樹脂を含浸させてなることを特徴とする散薬接触部材。
  3. 前記非付着性メッキ層の4フッ化樹脂の表面占有比率は10%以上であることを特徴とすする請求項1または2に記載の散薬接触部材。
  4. 前記散薬接触部材は分配円盤であり、該分配円盤はその上に残留した散薬を除去するブラシ突部を有し、該ブラシ突部を発泡樹脂により形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の散薬接触部材。
  5. 分配円盤上に散薬を均一に堆積させ、該分配円盤上の散薬を1服用分づつ掻き出して包装する散薬包装装置における散薬が接触する散薬接触部材の製造方法において、
    散薬接触部材の散薬接触面に、メッキ処理によりメッキとともに4フッ化樹脂を共析させて非付着性メッキ層を形成するメッキ工程を有することを特徴とする散薬包装装置の散薬接触部材の製造方法。
  6. 分配円盤上に散薬を均一に堆積させ、該分配円盤上の散薬を1服用分づつ掻き出して包装する散薬包装装置における散薬が接触する散薬接触部材の製造方法において、
    散薬接触部材の散薬接触面に、メッキ処理によりメッキ層を形成するメッキ工程と、
    前記メッキ層の表面を荒らして溝または穴、クラックを形成する荒し工程と、
    前記メッキ層の表面の溝または穴、クラックに4フッ化樹脂を含浸させる含浸工程とにより、
    非付着性メッキ層を形成することを特徴とする散薬包装装置の散薬接触部材の製造方法。
  7. 前記非付着性メッキ層の4フッ化樹脂の表面占有比率は10%以上であることを特徴とする請求項5または6に記載の散薬接触部材の製造方法。
  8. 前記メッキ工程で得られたメッキ層を4フッ化樹脂の溶融温度で焼成する焼成工程をさらに有することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の散薬接触部材の製造方法。
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