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JP4424938B2 - 電気泳動用のマイクロゲルカセット - Google Patents
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本発明は電気泳動用のマイクロゲルカセット、詳しくは電気泳動による測定に適したごく小型のマイクロゲルを容易に作製することのできるマイクロゲルカセットに関するものである。
従来の電気泳動用のゲルは特開2001−165903の図9およびその説明に記載されているように、小さくとも7〜8cm角の大きさがあり、その作製には多くの工程と時間を要し、また大量のゲル材料と多量の試料を必要にして、しかも泳動時間も長く要するなどの欠点があった。
本願出願人は前記の特開2001−165903にてそれらの欠点を解消する提案として電気泳動用の超小型支持体プレート、すなわちマイクロゲルを作製してゲル材料,試験試料の使用量を軽減し、さらに泳動時間を著しく短縮することのできる発明を開示したが、マイクロゲルは手作業による熟練を要して能率的に作製することが難しいため、マイクロゲルによる電気泳動の普及を妨げているという点に問題があった。
特開2001−165903公報
本発明が解決しようとする課題は、熟練を要せずして誰もが容易,迅速,正確且つ無駄なく電気泳動用のマイクロゲルを作製し得るようにする点にある。
本発明は接合する2枚の矩形形状をした無色透明のマイクロプレートの一方の内面に両側の土手面に挟まれた薄平なゲル溶液の収容部を設け、該収容部の上端部に収容するゲル溶液の固化過程でウェルを形成するためのコーム歯付のコーム部を設け、前記収容部内に収容したゲル溶液の固化後にコーム歯付のコーム部を折り取り除きすることにより試験試料を注入するウェルを上端部に有すマイクロゲルを形成するようにして、かかる課題を解決し、以ってマイクロゲルによる電気泳動の普及を図るようにしたのである。
本発明のマイクロゲルカセットによれば、容易な機械的な組立てとゲル溶液の充填、ゲルの固化を待ってのコーム部の折り取り除きという簡単な作業によって所望のマイクロゲルを無駄なく迅速且つ正確に作製することができて、利点の多いマイクロゲルによる電気泳動を広く普及することに貢献することができるという効果を生ずる。
請求項2に記載の発明によれば、短ピンと穴の嵌着という全く熟練を要しない機械的作業にて正確にマイクロゲルカセットを組立てることができるという効果を生ずる。
請求項3に記載の発明によれば、ゲル作製材料を少なくし、少量の試料にて泳動時間を短くする電気泳動を行うことができるマイクロゲルを提供する効果を生ずる。
請求項4に記載の発明によれば、土手面へゲル溶液が滲出することを確実に防止することができる効果を生ずる。
請求項5に記載の発明によれば、試料を注入するウェルの底部を増厚して作製したマイクロゲルのウェル底部の補強を図り、型くずれ等の損傷を防止することができるという効果を生ずる。
請求項6に記載の発明によれば、作製したマイクロゲルのマイクロプレートへの付着力を強化してコーム部の折り取り除きの際にマイクロゲルがコーム部に張り付いてプレートから剥離してしまうことを防止する効果を生ずる。
請求項7に記載の発明によれば、単一で長いウェルを有するマイクロゲルと複数個に区分されたウェルを有するマイクロゲルを選択して作製することができ、用途により使い分けて能率よく電気泳動を行うことができるという効果を生ずる。
請求項8に記載の発明によれば、コーム部を折り取り除きする際の回動によりウェルの上角がコーム歯に当って損傷することを防止することができる効果を生ずる。
請求項9に記載の発明によれば、嵌着したプレート間を容易に引き剥がすことができて、必要によって泳動後のマイクロゲルを外部に取出したり、また試験試料に蛍光剤やその他の試薬を添加することができる効果を生ずる。
請求項10に記載の発明によれば、事前または事後に蛍光剤を添加して蛍光させるようにした試験試料を蛍光させるための励起光を当てた際にプレートの蛍光影響が出ないので観察や写真撮影において泳動結果を鮮明に確認することができるという効果を生ずる。
請求項11に記載の発明によれば、マイクロゲルカセットの収容部内へのゲル溶液の充填作業を容易に無駄なく迅速に行うことができるという効果を生ずる。
請求項12に記載の発明によれば、少ない枚数のマイクロゲルカセットにも無駄なくゲル溶液の充填を行うことができる効果を生ずる。
本発明は接合する2枚の矩形形状をした低蛍光または無蛍光の材料にて形成する無色透明のマイクロプレートの一方の内面に両側の土手面に挟まれた縦横20〜30mmで深さ0.8乃至1mmの大きさの薄平なゲル溶液の収容部を設け、該収容部の上端部に収容するゲル溶液の固化過程で単一で長いウェルまたは複数個に区分されたウェルを形成するためのコーム歯付のコーム部を設け、前記収容部内に収容したゲル溶液の固化後にコーム歯付のコーム部を折り取り除きすることにより試験試料を注入するウェルを上端部に有すマイクロゲルを作製するようにし、2枚のマイクロプレートは土手面の部分に接合用の数個づつの短ピンと穴を設けて密に接合し得るとものとし、一方のマイクロプレートの内面の収容部と土手面との間に突条を設け、他方のマイクロプレートの内面に該突条と密に嵌合する凹溝を設けて土手面側へゲル溶液が滲出することを防止するようにし、コーム部に相対する他方のマイクロプレートの内面に作製されるマイクロゲルのウェルの底部を増厚するための段落部を設け、コーム部の両側の土手面の角部に収容部と同じゲル溶液の小収容部を設けてコーム部の折り取り除き時にマイクロゲルの剥離を防止するようにし、コーム歯はコーム部の折り取り除きの際にウェルのコーム部側の上角を損傷しないように該ウェルの上角側に相対する上面を先狭の傾斜面にて形成し、さらに一方のマイクロプレートの土手面の外側の一個所または数個所に接合したプレート間の引き剥がし用の隙間傾斜面を設けた電気泳動用のマイクロゲルカセットにある。
図1は射出成形等により矩形形状をした一方のマイクロプレート1と他方のマイクロプレート2の2枚のプレートを一体成形にて形成した例を示す斜視図であり、図2は同、平面図である。図2に示すようにマイクロプレート1,2間は両者間を仮つなぎしている両側の連結部分3a,3bを折ることより図3(a)に示すように容易に切り離せるようになっている。
マイクロプレート1,2を成形する材料には低蛍光または無蛍光の特性を備えたアクリル等の無色透明な合成樹脂材料(商品名:三菱レーヨン VH−000等)を使用するのである。
一方のマイクロプレート1は両側の土手面4a,4bに挟まれた中間に縦横約25mm、深さ約0.8mmの大きさのゲル溶液の収容部5を設け、該収容部5の上端部に収容するゲル溶液の固化時に試験試料注入用のウェルを形成するためのロングスロット形状のコーム歯6a付のコーム部6を設ける。該コーム部6は裏面に形成した折り取り用の凹み線7から容易に折り取り除きすることが可能となっている。6bは収容部5の上端を区画する上壁、6cは折り取り除き用のつまみである。コーム部6の両側の土手面4a,4bの角部には収容部5と同じゲル溶液の小収容部7a,7bを設ける。また収容部5と両側土手面4a,4bとの間には突条8a,8bを設け、両側土手面4a,4bの中間2個所には他方のプレート2との接合用の穴9a,9bを設けている。10a,10bは両側土手面4a,4bの外側角に設けた隙間傾斜面で、他方のマイクロプレート2と接合したときに爪や治具の入る隙間を形成するものである。
他方のマイクロプレート2は一方のマイクロプレートと同形で、内面の両側に一方のマイクロプレート1の穴9a,9bにそれぞれ嵌着する短ピン11a,11bと、突条8a,8bに密に嵌合する凹溝12a,12bを設け、コーム部6に相対する部分には段落部13を形成しており、一方のマイクロプレート1の穴9a,9bと短ピン11a,11bを位置合わせして押し嵌着するだけで、図3(b)に示すように中間内部にゲルの収容部5を備えたマイクロゲルカセット14を正確に組立てることができる。
組立てたマイクロゲルカセット14の収容部5の上方または下方の開放部からアクリルアミドゲルやアガロースゲルなどの調整したゲル溶液gを注入する。ゲル溶液gは水のように粘性がないので図4に示すように収容部5内、コーム歯6aの周囲、小収容部7a,7b内に隙間なく充填されることとなるが、突条8a,8bと凹溝12a,12bが密に嵌合しているので土手面4a,4bへのゲル溶液gの滲出は確実に防止される。
充填したゲル溶液gが固化するのを待って、図5(a)に示すようにコーム部6のつまみ6cを持って外側に回動折りするとコーム部6は凹み線7の位置で容易に折り取り除きすることができる。コーム歯6aの上面は先狭の傾斜面6dにて形成したので、図5(b)に示すようにコーム歯6aが凹み線7をもとに弧を描くように回動してもコーム歯6aの先端が固化したマイクロゲル16に形成されたウェル15のコーム部側の上角を損傷することなく取り去ることができるものとなる。また両側の土手面4a,4bに設けた小収容部7a,7bまでマイクロゲル16が延長して両プレート1,2間に挟まれるようにしているので、マイクロゲル16の面積拡大によるマイクロプレート2への添着力の強化とも合わせて、作製したマイクロゲル16が取り除くコーム部6に追従して剥離してしまうことは確実に防止されることとなる。
以上のようにして作製したマイクロゲル16入りのマイクロゲルカセット14は図6,図7に示すように電場や温度勾配を付与する電気泳動装置(図示してない)に開口したウェル15が上になるようにセットし、ウェル15内に試験試料Sを注入して電気泳動試験に供するのである。マイクロプレートを低蛍光または無蛍光の材料にて形成したので、泳動後あらかじめ試験試料Sに添加した蛍光剤を蛍光させるために励起光を当てて肉眼による観察や写真撮影を試みるに際して、マイクロプレート1自体の蛍光影響が作用しないので、泳動像(バンドパターン)Bの観察や撮影が正確且つ精密に行えることとなる。
また電気泳動試験後の試験試料Sを他の実験に供するために取出したいときや電気泳動後に蛍光剤を添加するときなどは、マイクロゲルカセット14の外側角部に設けた隙間傾斜面10aや10bに爪や器具の先を入れて2枚のマイクロプレート1,2間を簡単に引き離すことができる。
図8は他の実施例を示すもので、コーム部6のコーム歯を8個に区分されたウェルを形成するためのマルチスロット形状としたコーム歯6eとしたほかは前例に同じである。
図9乃至図10は本発明のマイクロゲルカセット14内にマイクロゲル16を作製する際にゲル溶液gを迅速に無駄なく充填するためのゲルキャスター17を示すものである。ゲルキャスター17は3枚重ねたマイクロゲルカセット14を収容する大きさで一面と上部を開放した収納部18と該収納部18の一面側の三方周囲に間隔を置いて弾性ガスケット20の嵌込み溝21を設けた厚板矩形形状のコアプレート19と、該コアプレート19と同形薄形で弾性ガスケット20を挟んでコアプレート19の一面に当てて螺子22a,22bにて締め止めするカバープレート23とからなり、図10に示すように収納部18内にマイクロゲルカセット14をコーム部6側を上にして3枚重ねて収納し、弾性ガスケット20を挟んでカバープレート23を一面から当て、他面側から螺挿する螺子22a,22bの締め固定により収納した3枚のマイクロゲルカセット14を隙間なく挟み止め、上部の開放部から充填用の器具(図示してない)にてゲル溶液をマイクロゲルカセット14のコーム部6の上壁6bに達するまで充填するのである。かくすることによって取り扱いに不便な小さなマイクロゲルカセット14に簡単に且つ周囲に漏れこぼしたりすることなくゲル溶液を充填することができることとなる。なおゲルキャスター17は収納部18を深くしてマイクロゲルカセット14の5枚重ね用などにすることもできる。また図9にて示す24はマイクロゲルカセット14の本体外形と同じ形状容積にて作成したスペーサーで、3枚収容のゲルキャスター17で2枚や1枚のマイクロゲルカセット14にゲル溶液を充填しようとする際にマイクロゲルカセット14にかわる埋物として使用するのである。2枚のマイクロゲルを作製するときはスペーサー24を1枚、マイクロゲルを1枚作製したいときはスペーサー24を2枚用いることにより、ゲル溶液の無駄を生ずることなく必要数のマイクロゲル16を作製することができることとなる。
本発明の電気泳動用のマイクロゲルカセットによれば、全く熟練を要せずして誰にでも容易且つ正確にマイクロゲルを作製することができることとなるので、ゲル材料や試験試料をごく少量にし、さらに泳動時間を短くして能率的に行うことのできるマイクロゲルによる電気泳動試験を広く普及させることができるものとなる。
(実施例1)2枚のマイクロプレートを切り離し容易において一体成形した例を示す斜視図 同、平面図 (a)は切り離した2枚のマイクロプレートを接合前の状態にて示す斜視図、(b)は同、接合した状態の斜視図 ゲル収容部内にゲル溶液を充填した状態で、(a)は図3のA−A線端面図、(b)は同、B−B線端面図、(c)は同、C−C線端面図 (a)はコーム部を折り取り除きする状態を示す部分断面図、(b)はその過程の部分拡大図 作製したマイクロゲルのウェルに試験試料を注入した状態にて示す平面図 同、左右に温度勾配を付して行った電気泳動後の試験試料の泳動像(バンドパターン)の1例を示す平面図 (実施例2)コーム歯を複数個に区分されたウェル作製用のマルチスロット形状とした例を示す斜視図 (実施例3)マイクロゲルカセットにゲル溶液を充填するためのゲルキャスターの各部材を分離して示す斜視図 同、収納部内にマイクロゲルカセットを収納して螺子締め固定した状態を示す斜視図
符号の説明
1は一方のマイクロプレート
2は他方のマイクロプレート
3a,3bは仮つなぎする連結部分
4a,4bは土手面
5はゲル溶液の収容部
6はコーム部
6aはコーム歯(ロングスロット)
6bは上壁
6cは折り取り除き用のつまみ
6dは先狭傾斜面
6eはコーム歯(マルチスロット)
7a,7bは小収容部
8a,8bは突条
9a,9bは接合用の穴
10a,10bは隙間傾斜面
11a,11bは接合用の短ピン
12a,12bは凹溝
13は段落部
14はマイクロゲルカセット
15はウェル
16はマイクロゲル
17はゲルキャスター
18は収納部
19はコアプレート
20は弾性ガスケット
21は嵌込み溝
22a,22bは螺子
23はカバープレート
24はスペーサー
gはゲル溶液
Sは試験試料
Bは泳動像(バンドパターン)

Claims (10)

  1. 接合する2枚の矩形形状をした無色透明のマイクロプレートの一方の内面に両側の土手面に挟まれた薄平なゲル溶液の収容部を設け、該収容部の上端部に収容するゲル溶液の固化過程でウェルを形成するためのコーム歯付のコーム部を設け、前記収容部内に収容したゲル溶液の固化後にコーム歯付のコーム部を折り取り除きすることにより試験試料を注入するウェルを上端部に有すマイクロゲルを形成するようにしたことを特徴とする電気泳動用のマイクロゲルカセット。
  2. 2枚のマイクロプレートは土手面の部分に設ける数個づつの短ピンと穴の嵌着により密に接合する請求項1記載の電気泳動用のマイクロゲルカセット。
  3. ゲル溶液を収容する収容部は縦横20〜30mm、深さ0.8乃至1mmである請求項1または2に記載の電気泳動用のマイクロゲルカセット。
  4. 一方のマイクロプレートの内面の収容部と土手面との間に突条を設け、他方のマイクロプレートの内面に該突条と密に嵌合する凹溝を設けて土手面側へゲルが滲出することを防止するようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の電気泳動用のマイクロゲルカセット。
  5. コーム部に相対する他方のマイクロプレートの内面に段落部を設けて、ゲルのウェルの底部を増厚補強するようにした請求項1乃至4のいずれかに記載の電気泳動用のマイクロゲルカセット。
  6. コーム部の両側の土手面の角部に収容部と同じゲル溶液の小収容部を設けてコーム部の折り取り除き時にゲルの剥離を防止するようにした請求項1乃至5のいずれかに記載の電気泳動用のマイクロゲルカセット。
  7. コーム歯は単一で長いウェルを形成するロングスロット形状または複数個に区分されたウェルを形成するマルチスロット形状である請求項1乃至6のいずれかに記載の電気泳動用のマイクロゲルカセット。
  8. コーム歯はコーム部の折り取り除きの際にウェルのコーム部側の上角を損傷しないように該ウェルの上角側に相対する上面を先狭の傾斜面にて形成する請求項1乃至7のいずれかに記載の電気泳動用のマイクロゲルカセット。
  9. 一方のマイクロプレートの土手面の外側の一個所または数個所に接合したプレート間の引き剥がし用の隙間傾斜面を設けた請求項1乃至8のいずれかに記載の電気泳動用のマイクロゲルカセット。
  10. マイクロプレートは低蛍光または無蛍光の材料にて形成する請求項1乃至9のいずれかに記載の電気泳動用のマイクロゲルカセット。
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