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JP4428559B2 - 光回折構造による隠しパターンを内包する表示体 - Google Patents
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JP4428559B2 - 光回折構造による隠しパターンを内包する表示体 - Google Patents

光回折構造による隠しパターンを内包する表示体 Download PDF

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Description

本発明は、光回折構造による隠しパターン及びそのための判別具に関し、特に、通常の視認状態では判別が困難な光回折構造による隠しパターン及びそのための判別具に関するものである。
近年、カラーコピー機による高額紙幣や商品券の偽造事件が頻発している。そのために、高額紙幣や商品券は、デザインの一部にカラーコピー機のセンサーでは読み取ることができない小さな網点や細線を、同じ反射濃度でデザインされた絵柄の中に組み込んでいる。その結果、これらの高額紙幣や商品券をカラーコピー機によって複写しようとすると、コピー機のスキャナーが小さな網点や細線を読み落とし、その部分が白く抜けることでコピー品であると判別している。
また、印刷物のデザインの一部に光り輝く金属部分を設けることによりコピー品を判別する方法も実施されている。
このような金属部分は、入射光を100%反射するためにコピー機はこの部分を黒に再現する。実施例として、例えば、紙の表層に金糸を縫い付け、コピー牽制を行っている。
その他、透明な樹脂で複製した光回折構造体の凹凸面に金属蒸着処理をして、印刷エリアの一部に熱転写し、複写機によるコピーを牽制している。この光回折構造体は、金属表面の反射効果でコピーによる不正を牽制しようとする一方で、熱転写された印刷物あるいは製品そのものの偽造を防止する手段として利用されている。光回折構造体は、高度な製造技術を必要とするために、金券類等の偽造防止手段としてしばしば使用される。
しかし、製造技術の向上によって、一見して本物に近い光回折構造体を製造することができるようになってきた。
このような偽造品をチェックするために、光回折構造体の中に判別困難な隠しパターンを組み込んで真偽判別の手段として使用する技術が提案されているが、見る角度によって隠しパターンが微かに判別されてしまうという問題があり、また、隠しパターンを形成した部分に他の絵柄が形成されていないために、隠しパターンがあり得ると推測される結果になり、偽造防止効果を低減させる問題があった。
このような背景の中、本出願人は、特願2003−161644号において、目視状態では直線回折格子の領域毎の構成の違いによって通常の表示パターンが観察でき、隠しパターンは判別困難であるが、判別具を重ね合わせることで、今度は通常の表示パターンではなく隠しパターンが判別可能となる光回折構造による隠しパターンを内包する表示体を提案している。
この提案の発明は、
○光回折構造中に複数のパターンを持たせ、
○各パターンを相互に隣接する平行な縞で形成し、
○隣接する第1の縞と第2の縞の回折格子ピッチ若しくは傾き角を異なるものとし、
○各パターンを構成する各縞対の傾き角を異なるものとすることで、光回折構造(回折格子)に隠しパターンを共存させ、
○各縞対のピッチと同ピッチの透明部と不透明部からなる判別器具で判別することにより隠しパターンを判別するものである。
本発明は従来技術のこのような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、目視による判別が極めて困難で偽造防止効果が大な光回折構造による隠しパターンを内包する表示体及びそのための判別具を提供することである。
上記目的を達成する本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体は、光回折構造を含む表示体であって、その表示面は、回折特性が異なり、表示パターンに応じた任意の外形及び内形を持つ複数のパターン領域が並列配置されてなり、各パターン領域は、相互に隣接していて平行で、回折特性の異なる第1直線縞と第2直線縞の縞対の繰り返しにより埋めつくされてなり、前記第1直線縞は第1直線回折格子によって、また、前記第2直線縞は第2直線回折格子によってそれぞれ構成されており、前記表示面に対して設定された基準線に対して、前記第1直線縞と第2直線縞の傾き角を縞対の傾き角α、前記第1直線回折格子の傾き角を第1直線回折格子の傾き角β1 、前記第2直線回折格子の傾き角を第2直線回折格子の傾き角β2 とするとき、
前記複数のパターン領域の中の少なくとも1つの隠しパターンを構成するパターン領域の前記縞対の傾き角αは、そのパターン領域に隣接する隠しパターンを構成するパターン領域以外のパターン領域の前記縞対の傾き角αと等しく設定されており、かつ、前記縞対の繰り返しピッチが相互に異なるように設定されており、隠しパターンを構成するパターン領域の第1直線回折格子の傾き角β1 と第2直線回折格子の傾き角β2 とは、そのパターン領域に隣接する隠しパターンを構成するパターン領域以外のパターン領域の第1直線回折格子の傾き角β1 と第2直線回折格子の傾き角β2 とにそれぞれ等しく設定されていることを特徴とするものである。
この場合に、隠しパターンを構成するパターン領域が孤立した1つ以上のパターン領域からなり、その隠しパターンを構成する孤立した1つ以上のパターン領域の前記縞対の傾き角αは、その孤立した1つ以上のパターン領域に隣接するパターン領域の前記縞対の傾き角αと等しく設定されており、かつ、前記縞対の繰り返しピッチが相互に異なるように設定されており、その隠しパターンを構成するパターン領域の第1直線回折格子の傾き角β1 と第2直線回折格子の傾き角β2 とは、その孤立した1つ以上のパターン領域に隣接するパターン領域の第1直線回折格子の傾き角β1 と第2直線回折格子の傾き角β2 とにそれぞれ等しく設定されているようにすることができる。
また、隠しパターンを構成するパターン領域が相互に隣接する複数のパターン領域を含み、前記隠しパターンを構成する相互に隣接する複数のパターン領域の前記縞対の傾き角α、ピッチが何れも、その相互に隣接する複数のパターン領域に隣接するパターン領域の前記縞対の傾き角α、ピッチと等しく設定されており、かつ、前記隠しパターンを構成する相互に隣接する複数のパターン領域間において、第1直線回折格子の傾き角β1 と第2直線回折格子の傾き角β2 とが相互に異なるように設定されているようにすることができる。
また、相互に隣接して並列配置された複数のパターン領域各々における前記第1直線回折格子と前記第2直線回折格子とは、傾き角が異なるか格子ピッチが異なるかの少なくとも一方を満たすように設定されていることが望ましい。
また、相互に並列配置された複数のパターン領域各々における前記縞対の繰り返しピッチが1/5mm以下に設定されていることが望ましい。
また、前記縞対の繰り返しピッチが異なるパターン領域間の前記縞対の繰り返しピッチの差は1/50mm以上に設定されていることが望ましい。
また、前記少なくとも1つの隠しパターンを構成するパターン領域は、そのパターン領域を構成する前記縞対の周期に対して半周期ずれた周期の縞対で縁取りされていることが望ましい。
また、前記第1直線回折格子と前記第2直線回折格子とは、反射型回折格子からなることが望ましい。
また、本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体は、転写箔形態、ラベル形態、あるいは、フィルム形態に構成することができる。
本発明は、以上の何れかの光回折構造による隠しパターンを内包する表示体のための判別具であって、平行な直線透明部と直線不透明部との繰り返しパターンであって、前記表示体の前記複数のパターン領域の中の少なくとも1つの隠しパターンを構成するパターン領域の縞対と同じ傾き角と同じ繰り返しピッチを有するパターンを有する判別具を含むものである。
この場合に、前記直線透明部の幅が前記直線不透明部の幅より小さく設定されていることが望ましい。
本発明によると、
○表示体の光回折構造中に複数のパターンを持たせ、
○各パターンを相互に隣接する平行な縞で形成し、
○隣接する第1の縞と第2の縞の回折格子ピッチ若しくは傾き角を異なるものとし、
○各パターンを構成する各縞対の傾き角を同じにすると共にそのピッチを異なるものとすることで、光回折構造(回折格子)に隠しパターンを共存させ、
○各縞対のピッチと同ピッチで同じ傾き角の透明部と不透明部からなる判別具で判別することにより隠しパターンを判別する、
ようにしたので、
(1)パターンを形成する縞対はピッチが異なるが傾き角は同じであるため、一見した場合は光回折構造中に隠しパターンが潜んでいることが分かり難いので、光回折構造自体の見え方を損なわず、また、隠し情報を光回折構造に同調させることができる。
(2)また、各パターンを構成する各縞対のピッチの何れかと同ピッチの透明部と不透明部からなる判別具で本発明の表示体を観察すれば、判別具と光回折構造との相互作用により、隠しパターンが特定の文字・パターンとして認識できるようになる。
(3)また、各パターンを構成する各縞対のピッチを最大でも1/5mm以内とすれば、各縞対が目視で観察する限りは縞として認識できないため、光回折構造に隠しパターンが潜んでいることが非常に分かり難くなり、高い偽造防止効果が期待できる。
(4)各パターンを構成する各縞対のピッチの差を1/50mm以上とすれば、一方のピッチの判別具で光回折構造を観察した際に隠しパターンの認識が容易となる。
以上より、目視による判別が極めて困難な隠しパターンを含み、偽造防止効果が大きく、デザイン性の高い表示体を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の光回折構造による隠しパターン及びそのための判別具について説明する。
図1は、本発明の1実施例として、本発明による隠しパターンを有する光回折構造を転写した印刷物の一例について説明するための図である。偽造、又は、コピーを牽制するために隠しパターンを内包する表示体1が印刷物10の所定の位置に形成されている。この場合の表示体1は、凹凸が形成された極めて薄い樹脂が熱によって所定の大きさに溶断されて熱再活性型の接着剤によってラベルとして紙等の印刷物10上に形成されている。
あるいは、ベースフィルムの上に光回折構造を形成した状態で所定の大きさに打ち抜かれ、ベースフィルムと一緒に粘着材又は接着剤によって印刷物10上に形成される。
このような表示体1が形成された印刷物は、偽造又は複写されては困るものが多く、例えば、紙幣、商品券、入場券、ギフト券、手形、小切手等がその対象になる。また、印刷自体にも特殊な技術を持ち合わせていないと複製できない手法が盛り込まれており、偽造、複写による悪用に対して二重にプロテクトされている。
表示面1は、隠しパターンを含む部分表示面2とその他の部分表示面3とからなっており、部分表示面2と部分表示面3は共に光回折構造による表示面であっても、隠しパターンを含む部分表示面2のみが光回折構造による表示面であって、その他の部分表示面3は印刷等光回折構造によらない表示面であってもよい。もちろん、表示面3が光回折構造による隠しパターンを含む部分表示面2のみからなっていてもよい。
ここで、本発明において、部分表示面2に用いる光回折構造の基本構成について、図2を参照にして説明する。図2において、部分表示面2は、表示パターンに応じた任意の外形及び内形を持ったパターン領域XとY(この場合は2つ)からなっており、各パターン領域X、Yは、相互に隣接していて平行で、回折特性の異なる第1直線縞61 と第2直線縞62 の縞対6の繰り返しにより埋めつくされてなり、第1直線縞61 は第1直線回折格子71 によって構成され、第2直線縞62 は第2直線回折格子72 によって構成されている。そして、第1直線縞61 、第2直線縞62 の基準線Sに対する傾き角をα、第1直線回折格子71 の基準線Sに対する傾き角をβ1 、第2直線回折格子72 の基準線Sに対する傾き角をβ2 とする。ここで、基準線Sとしては、例えば表示面2の表示パターンに対し水平と認識される方向、例えば表示面2の長辺方向に平行な直線が用いられる。なお、回折格子71 、72 の傾き角は、格子線の基準線Sに対する角度である。
この図2においては、パターン領域Xとパターン領域Yにおいて、縞対6(第1直線縞61 と第2直線縞62 )の傾き角α、第1直線回折格子71 の傾き角β1 、第2直線回折格子72 の傾き角β2 は同じに設定されている。
ここで、パターン領域Xの縞対6の繰り返しピッチをd1 、パターン領域Yの縞対6の繰り返しピッチをd2 とし、パターン領域Xの縞対6の繰り返しピッチd1 とパターン領域Yの縞対6の繰り返しピッチd2 が異なる(d1 ≠d2 )ように設定されている場合を考える。このような部分表示面2に、図3に平面図を示すように、平行な直線透明部91 と直線不透明部92 との繰り返しパターンであって、その繰り返しピッチが部分表示面2のパターン領域Xの縞対6の繰り返しピッチと同じd1 を有し、直線透明部91 、直線不透明部92 の基準線Sに対する傾き角が、パターン領域X、Yの第1直線縞61 と第2直線縞62 の縞対6の基準線Sに対する傾き角αと同じである判別具8を、部分表示面2に近接あるいは密着して重ね合わせると、パターン領域Xでは縞対6の繰り返しピッチd1 と判別具8の直線透明部91 の繰り返しピッチd1 と一致するので、両者の位相差に基づいて、パターン領域X全体で第1直線縞61 と第2直線縞62 が同じ割合で判別具8の直線透明部91 を透過することになる。図3の場合は、パターン領域Xでは、判別具8の直線透明部91 を介して見えるのは、大部分が第1直線縞61 を構成する回折格子71 であって、第2直線縞62 を構成する回折格子72 はほとんど見えない。したがって、回折格子71 による回折光が対応する回折方向では、パターン領域X全面が同じ明るさの明るいパターンとして見え、それ以外の方向では暗く見える。判別具8の直線透明部91 が回折格子71 と回折格子72 を丁度半分ずつを透過するように判別具8が重なる確率は非常に小さいので、判別具8を通して見えるパターン領域Xは、回折格子71 による回折光が対応する回折方向、あるいは、回折格子72 による回折光が対応する回折方向の何れかで同じ明るさの明るいパターンとして見え、それ以外の方向では暗く見えることになる。
これに対して、パターン領域Yでは縞対6の繰り返しピッチd2 と判別具8の直線透明部91 の繰り返しピッチd1 と異なるので、図3に示されるように、判別具8の直線透明部91 を介して見えるのは、全体として回折格子71 と回折格子72 とは同じ割合となる。そのため、回折格子71 による回折光が対応する回折方向と回折格子72 による回折光が対応する回折方向とでは、回折格子71 、72 の何れか一方のみが見える場合(パターン領域X)の略半分の明るさで見えることになる。
すなわち、パターン領域Xの縞対6の繰り返しピッチd1 とパターン領域Yの縞対6の繰り返しピッチd2 が異なる(d1 ≠d2 )場合には、直線透明部91 の繰り返しピッチが何れかのパターン領域X又はYの縞対6の繰り返しピッチと同じ判別具を重ねると、その同じ方のパターン領域X又はYと異なる方との間には、観察方向に依存して一方がより明るく、他方がより暗く見えて相互にコントラストがつくため、ぞれらパターン領域Xとパターン領域Yとが区別可能に見えることになる。
以上は、図2のパターン領域Xの縞対6を構成する回折格子71 、72 とパターン領域Yの縞対6を構成する回折格子71 、72 とが異なる傾き角を持っていても同様である。ただし、この場合は、判別具を重ねなくとも、パターン領域Xの回折方向とパターン領域Yの回折方向が異なるため、パターン領域Xとパターン領域Yは相互に区別可能に見えることになる。
以上のように、本発明の光回折構造による隠しパターンを含む部分表示面2は、直線回折格子71 、72 と、それらの直線回折格子によって構成される第1直線縞61 、第2直線縞62 の縞対6との二重構造を持ち、それらの直線回折格子71 、72 の傾き角β1 、β2 、縞対6の傾き角αが相互に同じで、縞対6のピッチd1 、d2 が相互に異なるパターン領域X、Yを含むものであり、その二重構造とピッチの違いに特徴があるものである。
ここで、縞対6の繰り返しピッチd1 、d2 は、1/5mm以下に設定され、区別するパターン領域X、Y間でピッチの差|d1 −d2 |は1/50mm以上に設定される。また、第1直線回折格子71 と第2直線回折格子72 とは、傾き角が異なる(β1 ≠β2 )か、その回折格子の格子ピッチが異なるかの少なくとも何れか一方を満たすように選ばれている。なお、第1直線回折格子71 、第2直線回折格子72 の格子ピッチは、当然ながら縞対6の繰り返しピッチdに比較して十分に小さく設定される。通常、回折格子71 、72 の格子ピッチとしては、0.5μm〜2μmの範囲のものが用いられる。また、第1直線回折格子71 と第2直線回折格子72 との傾き角の差|β1 −β2 |は、限定的ではないが、30°〜90°の範囲に設定するのが望ましい。
なお、以後の説明において、第1直線縞61 、第2直線縞62 、第1直線回折格子71 、第2直線回折格子72 は、特に必要のないとき、何れも直線の用語を省いて、第1縞61 、第2縞62 、第1回折格子71 、第2回折格子72 と呼ぶ。
図4は、本発明による第1実施例の光回折構造による隠しパターンを含む部分表示面2の拡大図であり、部分表示面2は、“A”の文字の内側領域Aと、領域Aを取り囲む領域Cとからなるものであり、
領域A
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.1mm
第1回折格子71 の傾き角: 0°
第2回折格子72 の傾き角:45°
領域C
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.2mm
第1回折格子71 の傾き角: 0°
第2回折格子72 の傾き角:45°
に設定されている。
このような配置のため、部分表示面2においては、大きい方の縞対6の幅程度以上の微小部分においては、表示面2の何れの領域においても、傾き角0°の第1回折格子71 と、傾き角45°の第2回折格子72 とが同じ割合で含むものであり、領域Aと領域Cでは、縞対6の繰り返しピッチが異なるものの、縞対6の繰り返しピッチは1/5mm以下を満たすように設定されるので、通常の目視状態では相互に判別できない。したがって、判別具を用いない通常の目視状態では、表示面2全体は均一な明るさの何ら表示パターンのない状態に観察され、隠し文字“A”は判別不可能である。
ここで、図5に平面図を示すような、平行な直線透明部91 と直線不透明部92 との繰り返しパターンであって、直線透明部91 、直線不透明部92 の傾き角が領域Aの縞対6の傾き角45°に等しく、その繰り返しピッチがその縞対6の繰り返しピッチ0.1mmに等しい判別具8を、図4の部分表示面2に近接あるいは密着して重ね合わせると、図3を参照にして説明したように、領域Aと領域Cと相互にコントラストがついて観察され、この例では隠し文字“A”が判別可能となる。
図6は、本発明による第2実施例の光回折構造による隠しパターンを含む部分表示面2の拡大図であり、部分表示面2は、正方形内に円領域があり、その正方形内に円領域と一部重なるように“A”の文字を描いたものであり、“A”の文字の円領域内に位置する文字の内側領域A1 と、円領域外に位置する文字の内側領域A2 と、円領域の“A”の文字以外の領域Oと、円領域の外で“A”の文字の外側領域Dとからなるものであり、
領域A1
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.1mm
第1回折格子71 の傾き角:30°
第2回折格子72 の傾き角:75°
領域A2
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.1mm
第1回折格子71 の傾き角: 0°
第2回折格子72 の傾き角:45°
領域O
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.2mm
第1回折格子71 の傾き角:30°
第2回折格子72 の傾き角:75°
領域D
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.2mm
第1回折格子71 の傾き角: 0°
第2回折格子72 の傾き角:45°
に設定されている。
このような配置のため、部分表示面2においては、大きい方の縞対6の幅程度以上の微小部分においては、表示面2の円内の領域である領域A1 と領域Oでは、共に何れの領域においても、傾き角35°の第1回折格子71 と、傾き角75°の第2回折格子72 とが同じ割合で含むものであり、また、表示面2の円外の領域である領域A2 と領域Dでは、共に何れの領域においても、傾き角0°の第1回折格子71 と、傾き角45°の第2回折格子72 とが同じ割合で含むものであ、何れも縞対6の繰り返しピッチは異なるものの、縞対6の繰り返しピッチは1/5mm以下を満たすように設定されるので、通常の目視状態では、表示面2の円内の領域は一様に、円外の領域も一様にに見え、かつ、円内と円外では回折方向が異なるので、相互に異なった状態に見え判別できる。したがって、判別具を用いない通常の目視状態では、表示面2は正方形内に円を含む表示パターンとして観察され、隠し文字“A”は判別不可能である。
ここで、図5に平面図を示すような、平行な直線透明部91 と直線不透明部92 との繰り返しパターンであって、直線透明部91 、直線不透明部92 の傾き角が領域A1 と領域A2 の縞対6の傾き角45°に等しく、その繰り返しピッチがそれら領域A1 、A2 の縞対6の繰り返しピッチ0.1mmに等しい判別具8を、図6の部分表示面2に近接あるいは密着して重ね合わせると、図3を参照にして説明したように、領域A1 、A2 では観察方向に応じてより明るいか暗く見え、領域O、領域Dでは反対に相対的に暗いかより明るく観察され、領域A1 、A2 と領域O、Dとの間で相互にコントラストがついて観察され、この例では隠し文字“A”が判別可能となる。
なお、この場合、“A”の文字の円の内側領域A1 と外側領域A2 の間では、照明光源の位置により、若干明るさや色が相互に異なって見えるが、通常の目視環境では多くの光源や面光源が存在するので、この“A”の文字の内側での明るさや色の違いは、隠し文字“A”を判別するのに邪魔となるものではない。
図7は、本発明による第3実施例の光回折構造による隠しパターンを含む部分表示面2の拡大図であり、部分表示面2は、正方形内に円領域があり、その正方形内に円領域と一部重なるように“A”の文字と“B”の文字を重ならずに並列して描いたものであり、“A”の文字の円領域内に位置する文字の内側領域A11と、円領域外に位置する文字の内側領域A22と、“B”の文字の円領域内に位置する文字の内側領域B11と、円領域外に位置する文字の内側領域B22と、円領域の“A”の文字及び“B”の文字以外の領域O1 と、円領域の外で“A”の文字及び“B”の文字の外側領域D1 とからなるものであり、
領域A11
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.08mm
第1回折格子71 の傾き角: 0°
第2回折格子72 の傾き角:45°
領域A22
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.08mm
第1回折格子71 の傾き角:30°
第2回折格子72 の傾き角:75°
領域B11
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.12mm
第1回折格子71 の傾き角: 0°
第2回折格子72 の傾き角:45°
領域B22
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.12mm
第1回折格子71 の傾き角:30°
第2回折格子72 の傾き角:75°
領域O1
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.16mm
第1回折格子71 の傾き角: 0°
第2回折格子72 の傾き角:45°
領域D1
縞対6の傾き角 :45°
縞対6の繰り返しピッチ : 0.16mm
第1回折格子71 の傾き角:30°
第2回折格子72 の傾き角:75°
に設定されている。
このような配置のため、部分表示面2においては、最も大きい縞対6の幅程度以上の微小部分においては、表示面2の円内の領域である領域A11と領域B11と領域O1 では、共に何れの領域においても、傾き角0°の第1回折格子71 と、傾き角45°の第2回折格子72 とが同じ割合で含むものであり、また、表示面2の円外の領域である領域A22と領域B22と領域D1 では、共に何れの領域においても、傾き角30°の第1回折格子71 と、傾き角75°の第2回折格子72 とが同じ割合で含むものであ、何れも縞対6の繰り返しピッチは異なるものの、縞対6の繰り返しピッチは1/5mm以下を満たすように設定されるので、通常の目視状態では、表示面2の円内の領域は一様に、円外の領域も一様にに見え、かつ、円内と円外では回折方向が異なるので、相互に異なった状態に見え判別できる。したがって、判別具を用いない通常の目視状態では、表示面2は正方形内に円を含む表示パターンとして観察され、隠し文字“A”と“B”は判別不可能である。
図8は、図7の部分表示面2(図8(a))から、隠し文字“A”と“B”を判別する過程を示す図であり、図8(b)に示すように、平行な直線透明部91 と直線不透明部92 との繰り返しパターンであって、直線透明部91 、直線不透明部92 の傾き角が領域A11と領域A22の縞対6の傾き角45°に等しく、その繰り返しピッチが領域A11と領域A22の縞対6の繰り返しピッチ0.08mmに等しい判別具81 を、図7の部分表示面2に近接あるいは密着して重ね合わせると、図3を参照にして説明したように、領域A11、A22では観察方向に応じてより明るいか暗く見え、それ以外の領域B11、B22、O1 、D1 では反対に相対的に暗いかより明るく観察され、領域A11、A22と領域B11、B22、O1 、D1 との間で相互にコントラストがついて観察され、この図8(b)の矢印の右の図に示すように、隠し文字“A”が判別可能となる。なお、“A”の文字の円の内側領域A11と外側領域A22の間では、照明光源の位置により、若干明るさや色が相互に異なって見えるが、通常の目視環境では多くの光源や面光源が存在するので、この“A”の文字の内側での明るさや色の違いは、隠し文字“A”を判別するのに邪魔となるものではない。
次に、図8(c)に示すように、平行な直線透明部91 と直線不透明部92 との繰り返しパターンであって、直線透明部91 、直線不透明部92 の傾き角が領域B11と領域B22の縞対6の傾き角45°に等しく、その繰り返しピッチが領域B11と領域B22の縞対6の繰り返しピッチ0.12mmに等しい判別具82 を、図7の部分表示面2に近接あるいは密着して重ね合わせると、図3を参照にして説明したように、領域B11、B22では観察方向に応じてより明るいか暗く見え、それ以外の領域A11、A22、O1 、D1 では反対に相対的に暗いかより明るく観察され、領域B11、B22と領域A11、A22、O1 、D1 との間で相互にコントラストがついて観察され、この図8(c)の矢印の右の図に示すように、隠し文字“B”が判別可能となる。なお、“B”の文字の円の内側領域B11と外側領域B22の間では、照明光源の位置により、若干明るさや色が相互に異なって見えるが、通常の目視環境では多くの光源や面光源が存在するので、この“B”の文字の内側での明るさや色の違いは、隠し文字“B”を判別するのに邪魔となるものではない。
次に、図8(d)に示すように、平行な直線透明部91 と直線不透明部92 との繰り返しパターンであって、直線透明部91 、直線不透明部92 の傾き角が領域O1 と領域D1 の縞対6の傾き角45°に等しく、その繰り返しピッチが領域O1 と領域D1 の縞対6の繰り返しピッチ0.16mmに等しい判別具83 を、図7の部分表示面2に近接あるいは密着して重ね合わせると、図3を参照にして説明したように、領域O1 、D1 では観察方向に応じてより明るいか暗く見え、それ以外の領域A11、A22、B11、B22は相対的に暗いかより明るく観察され、この図8(d)の矢印の右の図に示すように、隠し文字“AB”が判別可能となる。なお、隠し文字“AB”外の領域O1 と領域D1 の間では、照明光源の位置により、若干明るさや色が相互に異なって見えるが、通常の目視環境では多くの光源や面光源が存在するので、この“隠し文字“AB”外での明るさや色の違いは、隠し文字“AB”を判別するのに邪魔となるものではない。
ところで、判別具を用いない通常の目視状態で判別可能なパターン(図6、図7の円パターン)、隠しパターン(図4、図6、図7の“A”の文字パターン、図7の“B”の文字パターン)共に、それぞれのパターンPの周辺に、図9に示すように、そのパターンPを構成する縞対6の周期に対して半周期ずれた周期の縞対で縁取りP’を形成することもできる。このような縁取りP’を施すことによって、判別困難な隠しパターンを判別具8、81 、82 、83 を用いて判別する際に、判別しやすくし、判別可能なパターンに対してもその境界をより鮮明化する効果がある。
以上の説明では、縞対6を構成する第1回折格子71 と第2回折格子72 は、傾き角が異なる(β1 ≠β2 )か、その回折格子の格子ピッチが異なるかの少なくとも一方を満たすように選ぶものとしたが、その傾き角と格子ピッチの2つの要素を共に異ならせて構成することにより、隠しパターンの効果をより高めることができる。
また、以上において、判別具8、81 、82 、83 は、平行な直線透明部91 と直線不透明部92 との繰り返しパターンであって、その繰り返しピッチが表示面2の何れかの隠しパターンの領域の縞対6の繰り返しピッチと同じピッチを有し、直線透明部91 、直線不透明部92 の基準線Sに対する傾き角が、隠しパターンの領域の縞対6の傾き角と同じであればよいと説明したが、このような判別具8、81 、82 、83 は、印刷物10に対して決められた角度で近づけると、図3で説明した現象により、判別具8、81 、82 、83 を介して隠しパターンが表示される。判別具8、81 、82 、83 を介して表示された隠しパターンが所定のパターンであった場合に、その印刷物は正しい供給者から供給された正当な製品(真正品)であると判定される。
判別具8、81 、82 、83 は、その判別具を透過して印刷物の隠しパターンに照射された光を観察者が目視できなければならないために、透明なベース基材に判別パターンが形成されているものを用いる。ベース基材は透明度が高い方が好ましい。また、判別具8、81 、82 、83 は、頻繁に使用されるために、ベース基材を強固な枠材で固定したものが多く使用される。この枠材には取っ手等を付けることも可能で、そのことによって判別具8、81 、82 、83 の透明なベース基材が指紋や油で汚れることを防止する。
隠しパターンの判別に際し、判別具8、81 、82 、83 を、表示体1が形成された印刷物10に密着させる程度に近づけて判別する。その密着の状態から一定の距離までは隠しパターンの判別が可能であるが、モアレ現象を利用しているために、表示体1と判別具8、81 、82 、83 の距離が空きすぎると、判別が困難になる。
ところで、判別具8、81 、82 、83 は、基準線Sに対して、直線透明部91 と直線不透明部92 (図5)の傾き角が所定角度αの万線パターンで構成することができる。万線は、直線透明部91 と着色された直線不透明部92 が対となった繰り返しパターンであり、透明な直線透明部91 の幅と、着色された直線不透明部92 の幅は、同一でも、異なっていてもよい。
なお、このような万線パターンの代わりに網点パターンによっても、判別具8、81 、82 、83 を構成することができる。方向性のある網点は、透明な部分と着色された部分が独立した点、又は、2箇所が鎖状に繋がった点で構成されており、透明な部分を繋ぐ(鎖状の)線と、着色された部分を繋ぐ(鎖状の)線が対になって、直線透明部91 と直線不透明部92 に相当する判別パターンが構成される。
ところで、判別具8(81 、82 、83 )として、図5や図8のように、平行な直線透明部91 と直線不透明部92 との繰り返しパターンからなる判別パターンを用いる場合に、図10にその繰り返しパターンの一部を拡大して示すように、直線透明部91 の幅をa、直線不透明部92 の幅をbとするとき、a/b≒1、すなわち、直線透明部91 と直線不透明部92 を略同じ幅としてもよいが、a/bは2/3〜1/4の範囲、すなわち、直線透明部91 の幅を直線不透明部92 の幅より小さく設定することが望ましい。その理由は、2/3≧a/b≧1/4の範囲においては、判別具8を表示面2に近接あるいは密着して重ね合わせると、隠しパターン“A”、“B”、“AB”がコントラスト良く観察される。これに対して、a/bが2/3を越えると、判別具8を通して見える光量が多すぎて明るくなりすぎてコントラストが低下し、隠しパターンが見え難くなり、逆に、a/bが1/4を下回ると、その光量が少なすぎて暗くなって隠しパターンが見え難くなるためにである。
ところで、以上の説明において、表示体1の表示面2の光回折構造を構成する回折格子71 、72 については、詳しく説明しなかった。通常、印刷物等に貼着して用いる表示面2に用いる回折格子としては、凹凸のレリーフ構造の回折格子のレリーフ面あるいは平面に蒸着等で金属反射膜を設けて反射型とした回折格子が用いられるが、それ以外に、振幅が周期的に変化する振幅型回折格子を構成するもの又は屈折率が周期的に変化して位相型回折格子を構成するものの裏面に金属反射膜を設けて反射型とした回折格子、体積型感光材料中に干渉縞で回折格子を構成した体積型回折格子等を用いてもよい。
もちろん、表示面2を反射型でなく透過型のもので構成し、回折格子も透過型の回折格子で構成してもよい。
さて、本発明による以上のような隠しパターンを含む部分表示面2を有する表示体1(又は、表示面2のみ)は、転写箔、ラベル、フィルム等種々の形態に構成することができる。転写箔形態の場合には、例えば商品券、クレジットカード、パッケージ等に適用でき、ラベル形態の場合には、例えばソフトウエア、カートリッジ、医薬品等のパッケージ等に適用でき、フィルム形態の場合には、例えばそのフィルムを1〜2mm程度の幅にマイクロスリットし、用紙の抄造時に紙中に共に抄き込んで偽造防止を図ることができる。また、ラベル形態の場合には、脆質層を層構成中に介在させて、偽造のためにラベルを剥離しようとしたときにその脆質層から剥がれるようにして偽造のために表示体を剥がすことを困難にすることができる(脆質ラベル)。以下、本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体を、転写箔、ラベル、脆質ラベル、フィルムの各形態に構成する場合の、層構成とその作製工程の例を説明する。
図11は、本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体を転写箔31として構成する場合の層構成を示す断面図であり、その作製方法に従ってその構成を説明すると、PET等の透明樹脂フィルムからなる基材44上に剥離層45を塗布し、その剥離層45上に回折格子形成層41を塗布し、回折格子形成層41に凹凸レリーフ構造の回折格子原版をエンボスしてその凹凸レリーフ構造の回折格子を複製し、その複製されたレリーフ回折格子面上に反射層42を蒸着することにより反射型の回折格子43を形成し、その回折格子43の反射層42側にヒートシール層46を塗布して、図11のような層構成の転写箔31を完成する。
ここで、基材44を構成する樹脂フィルムとしては、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、若しくは、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム等が好ましく、中でも、これらに加え、機械的強度の優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが適している。
また、剥離層45を構成する樹脂は、基材44の素材や、剥離層45と接着する回折格子形成層41の材質にもよるが、ポリエステル樹脂、アクリル骨格樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸セルロースと熱硬化型アクリル樹脂との2成分のブレンド樹脂、メラミン樹脂、若しくは、ニトロセルロース樹脂を使用することができる。例えば、基材44がポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)フィルムであるときは、剥離層45と基材44との密着力の点で、ポリエステル樹脂が好ましい。これらの樹脂には、さらにポリエチレンワックス等のワックス、若しくは、シリコーン樹脂を添加して剥離性を向上させてもよい。剥離層45は、上記の樹脂を適宜な溶剤若しくは分散剤を用いて溶解若しくは分散させて、塗布若しくは印刷に適した組成物を調製したものを、公知の塗布方法若しくは印刷方法により、基材44に積層形成することができる。
また、回折格子形成層41を構成する合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、PMMA)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、あるいは、上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することができ、さらには、ラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、あるいは、これらにラジカル重合性不飽和単量体を加え電離放射線硬化性としたもの等を使用することができる。この他、銀塩、重クロム酸ゼラチン、サーモプラスチック、ジアゾ系感光材料、フォトレジスト、強誘電体、フォトクロミックス材料、サーモクロミックス材料、カルコゲンガラスなどの感光材料なども使用できる。
上記の合成樹脂からなる層への凹凸レリーフ構造の回折格子の形成は、上記の材料を用いて、従来既知の方法によって形成することができる。例えば、回折格子が凹凸の形で記録された原版をプレス型として用い、上記樹脂層上にその原版を重ねて加熱ロール等の適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。あるいは、紫外線硬化性とした樹脂層上にその原版を重ねて、紫外線を照射してその樹脂層を硬化させて原版の凹凸模様を複製することができる。
反射層42を構成する材質としては、Mg、Al、Ti、Cr、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Rb、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Au、Pb、若しくは、Bi等の金属、又は、それらの酸化物、若しくは、それらの窒化物を単独で、若しくは、組み合わせ、薄膜として形成する。金属薄膜層を反射層42として用いるときには、これらの中でも、Al、Cr、Ni、Ag、若しくは、Au等が特に好ましい。
反射層42を形成するには、真空蒸着法、スパッタリング法、若しくは、イオンプレーティング法等の公知の薄膜形成法によって行う。
ヒートシール層46を構成する材質としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル及びその共重合体樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、又は、フェノール樹脂が使用できる。あるいは、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー)等の熱可塑性エラストマー、又は、反応ホットメルト性樹脂等を使用してもよい。
図12は、本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体をラベル32として構成する場合の層構成を示す断面図であり、その作製方法に従ってその構成を説明すると、PET等の透明樹脂フィルムからなる基材44上に回折格子形成層41を塗布し、回折格子形成層41に凹凸レリーフ構造の回折格子原版をエンボスしてその凹凸レリーフ構造の回折格子を複製し、その複製されたレリーフ回折格子面上に反射層42を蒸着することにより反射型の回折格子43を形成し、その回折格子43の反射層42側に粘着層47を塗布し、その粘着層47上にその保護用としてセパレータ(剥離紙)48をラミネートして、図11のような層構成のラベル32を完成する。
ここで、基材44、回折格子形成層41、反射層42を構成する材質としては、図11の場合と同様である。
粘着層47を構成する接着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー等、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等、あるいは、ゴム系の天然ゴム、再生ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS,SIS,SEBS等)が使用できる。
また、セパレータ(剥離紙)48としては、従来公知の紙やフィルム基材に剥離処理を施したものが使用できる。
図13は、本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体を脆質ラベル33として構成する場合の層構成を示す断面図であり、その作製方法に従ってその構成を説明すると、PET等の透明樹脂フィルムからなる基材44上に脆質層49を塗布し、その脆質層49上に回折格子形成層41を塗布し、回折格子形成層41に凹凸レリーフ構造の回折格子原版をエンボスしてその凹凸レリーフ構造の回折格子を複製し、その複製されたレリーフ回折格子面上に反射層42を蒸着することにより反射型の回折格子43を形成し、その回折格子43の反射層42側に粘着層47を塗布し、その粘着層47上にセパレータ(剥離紙)48をラミネートして、図11のような層構成の脆質ラベル33を完成する。
ここで、基材44、回折格子形成層41、反射層42、粘着層47、セパレータ(剥離紙)48を構成する材質としては、図12の場合と同様である。
脆質層49を構成する材料としては、図11の場合の剥離層45を構成する樹脂と同じ系列のものが用いられる。
図14は、本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体をフィルム34として構成する場合の層構成を示す断面図であり、その作製方法に従ってその構成を説明すると、PET等の透明樹脂フィルムからなる基材44上に回折格子形成層41を塗布し、回折格子形成層41に凹凸レリーフ構造の回折格子原版をエンボスしてその凹凸レリーフ構造の回折格子を複製し、その複製されたレリーフ回折格子面上に反射層42を蒸着することにより反射型の回折格子43を形成して、図13のような層構成のフィルム34が完成する。
ここで、基材44、回折格子形成層41、反射層42を構成する材質としては、図11〜図13の場合と同様である。
ここで、図11〜図14において、回折格子形成層41に凹凸レリーフ構造の回折格子をエンボスするための回折格子原版の作製方法の例を簡単に説明しておく。そのためには、Crメッキされたガラス板を用意し、その上に電子線レジストを塗布し、電子線描画により、回折格子パターンを描画し、その後に電子線レジストを現像することにより、断面矩形波状の凹凸レリーフ構造が得られる。
そのような電子線レジストの凹凸レリーフ構造の回折格子パターン上に紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を塗布して紫外線照射あるいは加熱により、その凹凸レリーフ構造を紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂に複製することにより、電子線描画の回折格子パターンのネガ版が得られる。そのネガ版から同様に複製してポジ版を得るか、あるいは、このような複製を偶数回繰り返すことにより得られたポジ版を、上記の回折格子形成層41に凹凸レリーフ構造の回折格子をエンボスするための回折格子原版として用いることができる。
以上、本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体及びそのための判別具をいくつかの実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
本発明による隠しパターンを有する光回折構造を転写した印刷物の一例について説明するための図である。 本発明において部分表示面に用いる光回折構造の基本構成を説明するための図である。 図2の部分表示面に判別具を重ね合わせた場合の様子を示す図である。 本発明による第1実施例の光回折構造による隠しパターンを含む部分表示面の拡大図である。 図4の部分表示面における隠しパターンを判別するための判別具の平面図である。 本発明による第2実施例の光回折構造による隠しパターンを含む部分表示面の拡大図である。 本発明による第3実施例の光回折構造による隠しパターンを含む部分表示面の拡大図である。 図7の部分表示面から隠し文字を判別する過程を示す図である。 本発明に基づいて各パターンの周辺に設ける縁取りを説明するための図である。 平行な直線透明部と直線不透明部との繰り返しパターンからなる判別パターンの幅関係を説明するための図である。 本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体を転写箔として構成する場合の層構成を示す断面図である。 本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体をラベルとして構成する場合の層構成を示す断面図である。 本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体を脆質ラベルとして構成する場合の層構成を示す断面図である。 本発明の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体をフィルムとして構成する場合の層構成を示す断面図である。
符号の説明
S…基準線
X、Y、A、C、A1 、A2 、O、D、A11、A22、B11、B22、O1 、D1 …(パターン)領域
P…パターン
P’…縁取り
1…隠しパターンを内包する表示体
2…隠しパターンを含む部分表示面
3…その他の部分表示面
6…縞対
1 …第1直線縞
2 …第2直線縞
1 …第1直線回折格子
2 …第2直線回折格子
8、、81 、82 、83 …判別具
1 …直線透明部
2 …直線不透明部
10…印刷物
31…転写箔
32…ラベル
33…脆質ラベル
34…フィルム
41…回折格子形成層
42…反射層
43…反射型の回折格子
44…基材
45…剥離層
46…ヒートシール層
47…粘着層
48…セパレータ(剥離紙)
49…脆質層

Claims (11)

  1. 光回折構造を含む表示体であって、その表示面は、回折特性が異なり、表示パターンに応じた任意の外形及び内形を持つ複数のパターン領域が並列配置されてなり、各パターン領域は、相互に隣接していて平行で、回折特性の異なる第1直線縞と第2直線縞の縞対の繰り返しにより埋めつくされてなり、前記第1直線縞は第1直線回折格子によって、また、前記第2直線縞は第2直線回折格子によってそれぞれ構成されており、前記表示面に対して設定された基準線に対して、前記第1直線縞と第2直線縞の傾き角を縞対の傾き角α、前記第1直線回折格子の傾き角を第1直線回折格子の傾き角β1 、前記第2直線回折格子の傾き角を第2直線回折格子の傾き角β2 とするとき、
    前記複数のパターン領域の中の少なくとも1つの隠しパターンを構成するパターン領域の前記縞対の傾き角αは、そのパターン領域に隣接する隠しパターンを構成するパターン領域以外のパターン領域の前記縞対の傾き角αと等しく設定されており、かつ、前記縞対の繰り返しピッチが相互に異なるように設定されており、隠しパターンを構成するパターン領域の第1直線回折格子の傾き角β1 と第2直線回折格子の傾き角β2 とは、そのパターン領域に隣接する隠しパターンを構成するパターン領域以外のパターン領域の第1直線回折格子の傾き角β1 と第2直線回折格子の傾き角β2 とにそれぞれ等しく設定されていることを特徴とする光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
  2. 隠しパターンを構成するパターン領域が孤立した1つ以上のパターン領域からなり、その隠しパターンを構成する孤立した1つ以上のパターン領域の前記縞対の傾き角αは、その孤立した1つ以上のパターン領域に隣接するパターン領域の前記縞対の傾き角αと等しく設定されており、かつ、前記縞対の繰り返しピッチが相互に異なるように設定されており、その隠しパターンを構成するパターン領域の第1直線回折格子の傾き角β1 と第2直線回折格子の傾き角β2 とは、その孤立した1つ以上のパターン領域に隣接するパターン領域の第1直線回折格子の傾き角β1 と第2直線回折格子の傾き角β2 とにそれぞれ等しく設定されていることを特徴とする請求項1記載の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
  3. 隠しパターンを構成するパターン領域が相互に隣接する複数のパターン領域を含み、前記隠しパターンを構成する相互に隣接する複数のパターン領域の前記縞対の傾き角α、ピッチが何れも、その相互に隣接する複数のパターン領域に隣接するパターン領域の前記縞対の傾き角α、ピッチと等しく設定されており、かつ、前記隠しパターンを構成する相互に隣接する複数のパターン領域間において、第1直線回折格子の傾き角β1 と第2直線回折格子の傾き角β2 とが相互に異なるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
  4. 相互に隣接して並列配置された複数のパターン領域各々における前記第1直線回折格子と前記第2直線回折格子とは、傾き角が異なるか格子ピッチが異なるかの少なくとも一方を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
  5. 相互に並列配置された複数のパターン領域各々における前記縞対の繰り返しピッチが1/5mm以下に設定されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
  6. 前記縞対の繰り返しピッチが異なるパターン領域間の前記縞対の繰り返しピッチの差は1/50mm以上に設定されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
  7. 前記少なくとも1つの隠しパターンを構成するパターン領域は、そのパターン領域を構成する前記縞対の周期に対して半周期ずれた周期の縞対で縁取りされていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
  8. 前記第1直線回折格子と前記第2直線回折格子とは、反射型回折格子からなることを特徴とする請求項1から7の何れか1項記載の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
  9. 転写箔形態に構成されていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項記載の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
  10. ラベル形態に構成されていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項記載の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
  11. フィルム形態に構成されていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項記載の光回折構造による隠しパターンを内包する表示体。
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