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JP4429209B2 - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents
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この発明は、ガス絶縁開閉装置、特に、電力系統の変電分野で使用されるガス絶縁遮断装置に関して摺動接触部に形成された銀めっきに関する。
図2は、この発明が適用される2方向吹付方式の消弧室を備えたパッファ式ガス絶縁遮断装置の構成を示す側面図であり、その基本構成は従来技術として広く知られている。
図2において、絶縁媒体であるSFガス11を封入した接地タンク12と操作装置13を収納する操作ハウジング14から構成され、軸シール15を介して、操作力を伝える構造となっている。操作装置13の駆動力は、接地タンク12内の絶縁支持筒16内に収納された絶縁操作ロッド17を介して伝達され、可動アークコンタクト18および可動コンタクト19をそれぞれ固定アークコンタクト20および固定コンタクト21から機械的に切り離すことにより、電流遮断を行う。
パッファシリンダ1とフィンガーコンタクト2は電気的に接続する必要があるため、パッファシリンダ1の表面をフィンガーコンタクト2が摺動する構造となっており、良好な電気的接触状態を実現するため、摺動部には銀めっき処理が施されている。摺動により銀めっきの磨耗が進行した結果、銀めっき膜が消失すると、摺動部の接触抵抗の増加が起こり、通電によるジュール熱に起因する発熱に至る恐れがある。
摺動部の潤滑性を向上して、銀めっきの磨耗および接触抵抗の増加を抑制するため、潤滑材の適用が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1における図4において、摺動部の母材としての可動接触子9の表面には銀めっき21が施されている。更に、摺動部の潤滑性を良好にするため、パーフロロポリエーテルによるバインダー22およびグラファイト23が潤滑材として使用されている。これらの潤滑材は400℃以上の耐熱性を備えており、バインダー22はグラファイト23を強固に保持することが可能であり、良好な潤滑性が維持される。
このような潤滑材を適用した遮断器部を備えたガス絶縁遮断器摺動部では、パッファシリンダとフィンガーコンタクトの表面には同じ銀めっき膜が配置されることになり、更に、摺動部の潤滑性を良好にするため、パーフロロポリエーテルによるバインダーおよびグラファイトが潤滑材として使用されることになる。
特開平9−306326号公報(第3頁、図4) 「表面技術総覧−めっき・陽極酸化編−」、初版、株式会社広信社、昭和58年6月15日、p.352−355
上記のように、摺動部に塗布された潤滑材の効果により、銀めっきの磨耗が軽減され、接触抵抗が増加しない構造とすることが可能であるが、磨耗を完全に抑制することは不可能であり、機器に要求される摺動条件に応じた厚みの銀めっき処理を行う必要がある。異なる硬度の部材が摺動する場合、硬度が低い軟質部材の磨耗が進み、硬度が高い硬質部材はほとんど磨耗しない。
従来のガス絶縁遮断器摺動部には同一プロセスで製造された銀めっきが、パッファシリンダとフィンガーコンタクトの各表面に施されているが、一般に、両部品のめっき処理は異なるロットで処理されるため、両者のめっき硬度には僅かではあるが、違いが生じる。パッファシリンダとフィンガーコンタクトのいずれのめっき膜が硬くなるかは、製造ロットに依存するため、一概には決まらない。
摺動試験後の観察では、パッファシリンダ側の銀めっきが著しく磨耗しており、フィンガーコンタクト側めっきがほとんど磨耗していない場合と、逆に、フィンガーコンタクト側の銀めっきが著しく磨耗しており、パッファシリンダ側めっきがほとんど磨耗していない場合が混在している。何れの部品側の銀めっきが磨耗するかは、両者のめっき膜硬度に依存するが、硬度は製造ロットに依存するため、任意のガス絶縁遮断器摺動部を取り上げた場合、パッファシリンダとフィンガーコンタクトの何れのめっき膜が硬くなるかは不明である。
従って、従来のガス絶縁遮断器摺動部には、パッファシリンダとフィンガーコンタクトの何れのめっき膜が磨耗しても接触抵抗が増加することがないよう、両者に同じ厚みの銀めっき処理が施されている。
しかしながら、実際の機器で磨耗するのは、パッファシリンダ、あるいはフィンガーコンタクトのめっき膜の何れか一方であり、他方のめっき膜は不必要に厚く施されているとの問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、パッファシリンダの摺動接触部に形成された銀めっき膜とパッファシリンダへの通電を行う通電手段の摺動接触部に形成された銀めっき膜とを、それぞれ硬度の異なるめっき膜で構成して、摩耗対策を最適化しようとするものである。
この発明に係るガス絶縁開閉装置では、絶縁ガスを封入した容器内に絶縁ガスを圧縮し消弧するためのパッファシリンダと前記パッファシリンダの摺動接触部と摺動接触する摺動接触部を有する通電手段とを備えた開閉要素を収納したガス絶縁開閉装置において、前記パッファシリンダの摺動接触部と前記通電手段の摺動接触部に形成された銀めっき膜が、それぞれ硬度の異なるめっき膜で構成され、前記銀めっき膜の一方が無光沢銀めっきで製作されるとともに、前記銀めっき膜の他方が光沢銀めっきで製作される
この発明によれば、パッファシリンダの摺動接触部に形成された銀めっき膜とパッファシリンダへの通電を行う通電手段の摺動接触部に形成された銀めっき膜とを、それぞれ硬度の異なるめっき膜で構成し、前記銀めっき膜の一方を無光沢銀めっきで製作するとともに、前記銀めっき膜の他方を光沢銀めっきで製作して、銀めっき膜同士で良好な電気的接触状態を確保し、かつ、パッファシリンダまたは通電手段に形成された銀めっき膜の片方だけが摩耗するようにして摩耗対策を最適化し得るガス絶縁開閉装置を提供できる。
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1および図2について説明する。図1は、この発明による実施の形態における構成を示す断面図である。図2は、この発明を適用する2方向吹付方式の消弧室を備えたパッファ式ガス絶縁遮断器を示す側面図である。
この発明を適用する2方向吹付方式の消弧室を備えたパッファ式ガス絶縁遮断器を示す図2において、絶縁媒体であるSFガス11を封入した接地タンク12と操作装置13を収納する操作ハウジング14から構成され、軸シール15を介して、操作力を伝える構造となっている。操作装置13の駆動力は、接地タンク12内の絶縁支持筒16内に収納された絶縁操作ロッド17を介して伝達され、可動アークコンタクト18および可動コンタクト19をそれぞれ固定アークコンタクト20および固定コンタクト21から機械的に切り離すことにより、電流遮断を行う。パッファシリンダ1は可動アークコンタクト18とともに固定アークコンタクト20からの開離方向へ移動しパッファシリンダ1内部の消弧媒体としてのSFガス11を圧縮してアークに吹き付け消弧作用を行う。
可動アークコンタクト18とともに移動するパッファシリンダ1と固定部分に設けられたフィンガーコンタクト2とは電気的に接続する必要があるため、パッファシリンダ1の表面をフィンガーコンタクト2が摺動する構造となっており、良好な電気的接触状態を実現するため、摺動部には銀めっき処理が施されている。
この発明による実施の形態におけるガス絶縁遮断器摺動部の構成を示す図1には、パッファシリンダ1の摺動接触部1aとフィンガーコンタクト2の摺動接触部2aが示されている。
図1において、パッファシリンダ1の表面には軟質銀めっき膜3が配置されており、フィンガーコンタクト2の表面には硬質銀めっき膜4が配置されている。
パッファシリンダ1は一般にアルミニウムで構成され、1μm以下の薄い銅めっき膜を介して、無光沢銀めっきである軟質銀めっき膜3を製作する。一方、フィンガーコンタクト2は一般に銅で構成され、前記非特許文献1のp.354における表2.70に記載された次の(1)〜(7)に示すような光沢剤を入れた銀めっき浴により、光沢銀めっきである硬質銀めっき膜4を製作する。
(1)二酸化炭素とケトン類の縮合生成物
(2)キサントゲン塩
(3)ASK化合物(アクロレイン−二硫化硫黄縮合生成物)
(4)チオカクバジッド縮合生成物
(5)チオ硫酸塩
(6)セレニウムとテルリウム化合物
(7)アンチモン−ビスマス化合物
異なる硬度の部材が摺動する場合、硬度が低い軟質部材の磨耗が進み、硬度が高い硬質部材はほとんど磨耗しない。従って、この発明による実施の形態の摺動接触部1a,2aでは、パッファシリンダ1の表面に配置された軟質銀めっき膜3が主に磨耗して、フィンガーコンタクト2の表面に配置された硬質銀めっき膜4はほとんど磨耗しない。従って、各々のめっき膜の厚みに関しては、軟質銀めっき膜3は従来例と同等の厚みが必要であるが、ほとんど磨耗しない硬質銀めっき膜4の厚みは、薄くすることが可能となる。
この発明の効果の確認として、図1に示す構成で摺動試験を行った。なお、めっき膜の硬度は、軟質膜のビッカース硬度がHv70〜80、硬質膜の硬度がHv140〜160である。また、軟質めっき膜の厚みは従来例と同じとして、硬質めっき膜の厚みは軟質めっき膜の半分とした。実機と同じ雰囲気、面圧、摺動速度で、10,000回の摺動試験を行った。
試験後に磨耗状態を観察した結果、軟質膜では磨耗が顕著で大部分のめっき膜が磨耗により消失していたが、硬質膜の磨耗は少なく、初期のめっき厚の半分が残存していた。更に、通電電流が100Aの場合における接触抵抗を電圧降下法にて測定した結果、抵抗変化は許容範囲内であり、磨耗による接触抵抗の増加は見られなかった。
なお、この実施の形態では、パッファシリンダ1の表面に軟質銀めっき膜3、フィンガーコンタクト2の表面に硬質銀めっき膜4を配置したが、逆に、パッファシリンダ1の表面に硬質銀めっき膜4、フィンガーコンタクト2の表面に軟質銀めっき膜3を配置しても同様の効果が得られる。
この発明の活用例として、SFガスを絶縁媒体として用いるガス絶縁遮断器の摺動部であるパッファシリンダ1とフィンガーコンタクト2を挙げることができる。
この発明による実施の形態によれば、SFなどの絶縁ガスを封入した接地タンク12からなる導電性容器内にSFなどの絶縁ガスを圧縮し消弧するためのパッファシリンダ1と前記パッファシリンダ1の摺動接触部1aと摺動接触する摺動接触部を有するフィンガーコンタクト2からなる通電手段とを備えた開閉要素を収納したガス絶縁開閉装置において、前記パッファシリンダ1の摺動接触部1aと前記フィンガーコンタクト2からなる通電手段の摺動接触部2aに形成された銀めっき膜が、それぞれ硬度の異なる銀めっき膜3,4で構成されているので、パッファシリンダ1の摺動接触部1aに形成された銀めっき膜とパッファシリンダへの通電を行うフィンガーコンタクト2からなる通電手段の摺動接触部2aに形成された銀めっき膜とを、それぞれ硬度の異なる銀めっき膜3,4で構成して、摩耗対策を最適化し得るガス絶縁開閉装置を提供することができる。
また、この発明による実施の形態によれば、前項の構成において、前記パッファシリンダ1の摺動接触部1aに比較的軟質の銀めっき膜3が形成され、前記フィンガーコンタクト2からなる通電手段の摺動接触部2aに比較的硬質の銀めっき膜4が形成されているので、パッファシリンダ1の摺動接触部1aに形成された銀めっき膜を比較的軟質の銀めっき膜3で構成し、パッファシリンダ1への通電を行うフィンガーコンタクト2からなる通電手段の摺動接触部2aに形成された銀めっき膜を比較的硬質の銀めっき膜4で構成して、摩耗対策を最適化し得るガス絶縁開閉装置を提供することができる。
さらに、この発明による実施の形態によれば、前項の構成において、前記銀めっき膜は、比較的硬質のめっき膜4の厚みが比較的軟質のめっき膜3の厚みの20%〜60%であるようにしたので、パッファシリンダ1の摺動接触部1aに形成された銀めっき膜3とパッファシリンダ1への通電を行うフィンガーコンタクト2からなる通電手段の摺動接触部2aに形成された銀めっき膜4とを、それぞれ硬度の異なる所定厚さのめっき膜で構成して、摩耗対策を最適化し得るガス絶縁開閉装置を提供できる。
そして、この発明による実施の形態によれば、前項の構成において、前記銀めっき膜のビッカース硬度について、いずれか一方がHv80以下で、他方がHv100以上であるようにしたので、パッファシリンダ1の摺動接触部1aに形成された銀めっき膜3とパッファシリンダ1への通電を行うフィンガーコンタクト2からなる通電手段の摺動接触部2aに形成された銀めっき膜4とを、それぞれ硬度の異なる所定硬度のめっき膜で構成して、摩耗対策を最適化し得るガス絶縁開閉装置を提供できる。
この発明による実施の形態では、次の(1)〜(3)項にそれぞれ示される構成が提案されている。
(1)絶縁ガスを封入した接地タンク内に遮断器部を収納したガス絶縁遮断器において、摺動接触部を有するパッファシリンダとフィンガーコンタクトの摺動接触部に形成された銀めっき膜が、それぞれ硬度の異なるめっき膜で構成されていることを特徴とするガス絶縁遮断器。
(2)前記銀めっき膜は、硬質めっき膜の厚みが軟質めっき膜の厚みの20%〜60%であることを特徴とする前記(1)項記載のガス絶縁遮断器。
(3)前記銀めっき膜のビッカース硬度が何れか一方がHv80以下で、他方がHv100以上であることを特徴とする前記(1)項記載のガス絶縁遮断器。
この発明による実施の形態では、パッファシリンダ1あるいはフィンガーコンタクト2のめっき膜の何れか一方が選択的に磨耗することにより、磨耗側のめっき膜を厚く、磨耗がほとんど起らないめっき膜を薄くすることにより、各部品のめっき膜厚みを最適化するものである。
この発明による実施の形態に係る銀めっき膜を備えたガス絶縁遮断器の摺動部は、摺動接触部を有するパッファシリンダ1とフィンガーコンタクト2の摺動接触部1a,2aに形成された銀めっき膜が、硬度の異なるめっき膜で構成されており、硬度が低い軟質銀めっき膜3を厚く、逆に、硬度が高い硬質銀めっき膜3を薄くしたものである。
この発明による実施の形態によれば、ガス絶縁遮断器の摺動接触部を有するパッファシリンダ1とフィンガーコンタクト2の摺動接触部1a,2aを硬度の異なる銀めっき膜で構成しており、摺動により主に磨耗する軟質銀めっき膜3を厚く、逆に、ほとんど磨耗しない硬質銀めっき膜3を薄く構成したので、軟質銀めっき膜3は摺動による磨耗を考慮した厚みとして、硬質銀めっき膜4は磨耗がほとんど起こらないため、薄くすることができる。
この発明による実施の形態におけるガス絶縁遮断器摺動部の構成を示す断面図である。 この発明を適用する2方向吹付方式の消弧室を備えたパッファ式ガス絶縁遮断器を示す側面図である。
符号の説明
1 パッファシリンダ、2 フィンガーコンタクト、3 軟質銀めっき膜、4 硬質銀めっき膜、11 SFガス、12 接地タンク、13 操作装置、14 操作ハウジング、15 軸シール、16 極間絶縁支持筒、17 絶縁操作ロッド、18 可動アークコンタクト、19 可動コンタクト、20 固定アークコンタクト、21 固定コンタクト。

Claims (4)

  1. 絶縁ガスを封入した容器内に絶縁ガスを圧縮し消弧するためのパッファシリンダと前記パッファシリンダの摺動接触部と摺動接触する摺動接触部を有する通電手段とを備えた開閉要素を収納したガス絶縁開閉装置において、前記パッファシリンダの摺動接触部と前記通電手段の摺動接触部に形成された銀めっき膜が、それぞれ硬度の異なるめっき膜で構成され、前記銀めっき膜の一方が無光沢銀めっきで製作されるとともに、前記銀めっき膜の他方が光沢銀めっきで製作されることを特徴とするガス絶縁開閉装置。
  2. 前記パッファシリンダの摺動接触部に比較的軟質のめっき膜が形成され、前記通電手段の摺動接触部に比較的硬質のめっき膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁開閉装置。
  3. 前記銀めっき膜は、比較的硬質のめっき膜の厚みが比較的軟質のめっき膜の厚みの20%〜60%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス絶縁開閉装置。
  4. 前記銀めっき膜のビッカース硬度について、いずれか一方がHv80以下で、他方がHv100以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のガス絶縁開閉装置。
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