JP4430766B2 - 水解性不織布 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、大過剰の水と接触することにより良好に水解する不織布に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、介護用品、尿取りパット、生理用ナプキン、おむつ、清拭布など(以下これらを総称して、「衛生用品」と記載することもある。)には布等が使用されていたが、近時、布等に代わって紙、不織布が使用されることが多くなってきている。こうした紙、不織布からなる上記衛生用品は一回使い切りで衛生的であり、非常に便利であることから、今後益々その需要の増大が予想される。
【0003】
こうした衛生用品は、例えば尿等の水分を良好に吸収する必要がある。このため、こうした衛生用品として使用される紙、不織布類は、吸水性が高く、水分を含有しても形態を維持することが必要である。
このため実際にこうした衛生用品を形成する紙、不織布類は、耐水性を有し、水中でも解繊せず水に分散しないため、これらを使用したのちに水洗トイレなどに流して処理することはできず、一般ゴミとして処理されていた。
【0004】
しかしながら、一度使用された衛生用品は体液等の汚物を含んでおり、使用後はできるだけ速やかに処理することが望まれる。こうした使用後の衛生用品を処理する方法として、水洗トイレに流して処理することができれば非常に好適である。このように衛生用品を使用後に水洗トイレに流して処理するためには、衛生用品が水中で解繊する水解性を有することが肝要である。
【0005】
ところが、上述のように衛生用品は使用する段階では耐水性が必要であることから、使用された後の衛生用品にも当然優れた耐水性があり、こうした優れた耐水性を有する衛生用品を水洗トイレに流して処理することはできなかった。
このように、衛生用品において、使用時に必要となる耐水性と使用後に必要となる水解性とは、相反する特性であり、両特性を有する衛生用品の製造は非常に困難であるとされていた。
【0006】
これに対して、特開平4−216889号公報には、上水及び体液などに対して溶解しにくく、下水に対して溶解しやすい、水崩壊性の不織布及びバインダーが開示されている。
この公報には、具体的に以下のような組成のバインダーが開示されている。
「エチレン性不飽和カルボン酸あるいはその無水物と、架橋性単量体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを必須成分とする平均分子量5000〜10000の共重合体であって、カルボキシル基を一価のアルカリで中和したバインダー。」ここで架橋性不飽和単量体は、N−メチロール(メタ)アクリルアミドまたはそのエーテル化合物であることが示されている。
【0007】
しかしながら、このバインダーは、カルボキシル基が一価のアルカリで中和されているために、含水するとこの一価のアルカリ成分が解離し、この解離した一価のアルカリ成分は皮膚に対する刺激性を有している。また、下水に対して崩壊可能にするためには、上記の重合体の塩を用いる場合には、形成される架橋構造の量および構造が極めて重要な要素となり、こうした樹脂の溶解性を制御するための架橋構造の形成は著しく難しい。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、良好な水解性を有する不織布を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明は、極性基としてカチオン基およびアニオン基を有する繊維を含有し、該繊維の平均繊維長が35〜45mmの繊維から形成された、乾燥時におけるMD方向の引張り強度が0.3〜10kgfの範囲内にあり、200重量%の水を含有したときのMD方向の引張り強度が0.1〜6kgfである、目付が2〜80g/m2である不織布であり、上記不織布が、該不織布から切り出した100×100mmの試験片を300mlの水を含有する容量1000mlの分液ロートに取り、該分液ロートを、ストローク40mm、260rpmで30秒間振盪させた後、該分液ロートの内容物全量を分液ロートの上部試料投入口から一気に、上部の内径が145mm、傾斜部の高さが130mm、脚部の内径が10mm、脚部の長さが130mmであるガラス製ブンゼンロートに移して、該分液ロート内容物が該ブンゼンロートの脚部から流出させたときに、該分液ロートの内容物が10秒以内に全量脚部から流出する水解性を有することを特徴とする水解性不織布である。
【0010】
本発明の水解性不織布は、極性基を有する繊維を10重量%以上の量で含有すると共に、該繊維の平均長さが20mm以上であることが好ましい。
さらに、本発明の水解性不織布は、この不織布の乾燥時におけるMD方向の平均引張り強度が0.2〜10kgfの範囲内にあり、かつ200重量%の水分を含有したときの該不織布のMD方向の平均引っ張り強度が0.1〜6kgfの範囲内にあることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明の水解性不織布の平均厚さが0.1〜1.0mmの範囲内にあることが好ましく、また、この水解性不織布は、極性基を有する繊維を含有する不織布と、平均長さが20mm未満の短繊維からなる第二不織布との積層体であってもよい。
【0012】
【発明の具体的説明】
次に本発明の不織布について具体的に説明する。
本発明において不織布とは、規則的な糸の交差を形成せず、多数の繊維が相互に不規則に係合することにより形成された布状物であり、この不織布を形成する繊維は、一種類であっても、多種の繊維から構成されていてもよい。
【0013】
本発明の不織布は、極性基を含有する繊維から形成された不織布であり、このように極性基を有することにより、この不織布は所定量(不織布に対して大過剰)の水と共に一定条件で振盪させると水解するとの特性を有する。従来は、不織布に水解するという構成を付与するためには、繊維長さを短くする必要があるとされており、従来から知られている水解性不織布では、平均繊維長さが10mm程度以下の繊維が使用されている。このような短繊維からなる不織布では、こうした不織布を構成する繊維は、自らが水に対して分散するというという構成は有しておらず、専ら繊維長を調整することにより繊維どうしの絡み合いを少なくして不織布に解繊性を付与している。これは繊維長を短くすれば繊維どうしの絡み合いが少なくなり、大量の水中に短繊維からなる不織布を投入すると短繊維間に水が浸入して繊維の絡み合いに起因する繊維相互の拘束力が低下しその結果、不織布としての形態保持力が低下して解繊する。従って、繊維長が短いほど解繊性がよくなるが、反面、繊維長が短くなるに従って乾燥時あるいは少量の水を含んだ場合にも短繊維間の絡み合いによる繊維の拘束力が低くなり、不織布の形態保持性は低下する。
【0014】
本発明の不織布は繊維自体が自ら水解しやすい極性基を有すると共に所定の水解性を有する不織布である。
即ち、本発明の不織布は、極性基を有する繊維を含有する目付け2〜80g/m2、好ましくは目付け2〜40g/m2の不織布である。そして、本発明の不織布の構成である水解性を調べるためには図1に示す分液ロートおよび振盪装置と、図2に示すガラス製ブンゼンロートを使用する。
【0015】
図1において、付け番1は容量1000mlの分液ロートであり、付け番2は振盪装置であり、上記分液ロート1を保持できるように分液ロート保持手段21が設けられており、さらにこの分液ロート1をストローク40mm,260rpmの条件で振盪させるために、振盪装置2は振盪手段22を有している。また、この分液ロート1には予め正確に計量した300mlの水が充当されている。
【0016】
これとは別に不織布から100×100mmの試験片3を切り出し、切り出した100×100mmの試験片を、上記300mlの水の入った分液ロート1の上部試料投入口13からこの分液ロート1内に入れ、密封する。
次いで、この試験片3および300mlの水を含有する容量1000mlの分液ロート1を、ストローク40mm,260rpmで30秒間振盪させる。
【0017】
30秒間振盪させた後、分液ロート1を振盪装置から取り外して、この分液ロート1の内容物5全量を一気に分液ロート1の上部試料投入口13からガラス製ブンゼンロート40に移す。このガラス製ブンゼンロート40は、図2に示すような、上端部41の内径が145mm、傾斜部42の高さが130mm、脚部44の内径が10mm、脚部44の長さが130mmである。そして、この内容物5がブンゼンロート40の脚部44から流出する状態および速度を測定すると、本発明の不織布は分液ロート内容物5がガラス製のブンゼンロート40の脚部44から流出する。このときの分液ロート内容物5の流出時間を測定すると、本発明の水解性不織布は、10秒以内、好ましくは5〜8秒間に全量が脚部44の下単部から流出するという水解性を有している。このような構成を有することにより、本発明の水解性不織布を水洗トイレなどに流して処理した場合であっても下水管詰まりが発生しないという効果を奏するようになる。さらに、本発明の不織布は、繊維がブンゼンロートの傾斜部42、脚部44と傾斜部42との境界部あるいは脚部44に残留しない。因みに300mlの水(不織布、繊維などを含まない水)が上記ガラス製ブンゼンロートから排出されるに要する時間は、5秒である。
【0018】
上記のような構成を有する本発明の不織布は、極性基を有する繊維から形成されており、このような不織布を形成する繊維の原料としては、例えば、再生セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メタ)アクリル酸などを挙げることができる。そして、このような繊維原料となる樹脂に例えばカチオン基およびアニオン基などの極性基を導入し、必要により他の樹脂を添加して紡糸することにより製造することができる。
【0019】
本発明の水解性不織布を形成する繊維は、35〜45mmの平均繊維長を有している。このような繊維長であっても良好な水解性を示すと共に、乾燥時あるいは少量の水を含んだ状態では解繊することがない。そして、このような繊維長を有することにより不織布の製造が容易になると共に、大過剰の水が存在した場合に、各単繊維が多数の交絡を有する不織布の形態から単繊維の形態になって水に分散しやすくなる。
【0020】
さらにまた、本発明の不織布を形成する繊維の平均繊維径は、通常1.0〜5デニール、好ましくは1.5〜5デニール、特に好ましくは1.6〜5デニール、さらに好ましくは2〜5デニールである。
本発明の水解性不織布は、上記のような極性基を有する繊維から形成することもできるし、この極性基を有する繊維を通常は10重量%以上、好ましくは30重量%以上の量で含有することにより本発明の不織布を形成することもできる。この場合に、極性基を有する繊維以外の繊維(他の繊維)は、平均繊維長さが80mm以下、好ましくは40mm以下、さらに好ましくは20mm以下であり、特にこのような繊維は通常は0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上の平均繊維長を有していることが望ましい。他の繊維の平均繊維長さが上記範囲を超えて長いと本発明の不織布が水解性を示さなくなる。このような他の繊維の例としては、再生セルロース繊維(例:ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、キュブラ、鹸化アセテート)、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリル繊維。ポリウレタン繊維、ポリオレフィン繊維などの合成繊維、天然繊維および再生繊維を挙げることができる。このような繊維の中でも再生セルロース繊維を使用することが好ましい。再生セルロース繊維を使用することにより、不織布の風合いおよび肌触りが著しく改善される。
【0021】
本発明の水解性不織布は、ウォータージェットパンチ法(water jet punch)、特に好適にはスパンレーン法(spun lace)などを採用して製造することができる。
本発明の不織布は、上記のような繊維からなる不織布単層で形成されていてもよいが、さらに、他の水解性不織布と積層されていてもよい。
【0022】
ここで他の水解性不織布は、例えばパルプ繊維、再生セルロース繊維(例:ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、キュブラ、鹸化アセテート)、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリル繊維。ポリウレタン繊維、ポリオレフィン繊維などの合成繊維、天然繊維および再生繊維などから形成することができる。このような繊維から形成された不織布に水解性を付与するには、平均繊維長さを通常は10〜50mm、好ましくは20〜30mmの範囲内にするとよい。このような短繊維からなる不織布は、上記短繊維を用いてウォータージェットパンチ法(water jet punch)、特に好適にはスパンレーン法(spun lace)などの公知の方法を採用して製造することができる。このようにして製造された不織布を、上記極性基を有する繊維からなる不織布と例えば水溶性接着剤等を用いて積層することにより、水解性積層不織布を製造することができる。この水解性積層不織布は、極性基を有する繊維からなる不織布/短繊維からなる不織布の二層構造であっても良いし、極性基を有する繊維からなる不織布/短繊維からなる不織布/極性基を有する繊維からなる不織布、あるいは、短繊維からなる不織布/極性基を有する繊維からなる不織布/短繊維からなる不織布の三層構造、さらに、同様にして4層以上の多層構造であってもよい。
【0023】
本発明の水解性不織布は、乾燥時には非常に強度が高く、乾燥時におけるMD方向の平均引張り強度は、通常は0.3〜10kgf、好ましくは1〜5kgfの範囲内にあり、CD方向の引張り強度は、MD方向の引張り強度よりも小さく、通常は、MD方向の引張り強度の1/10〜9/10程度、好ましくは1/10〜1/2程度になる。
【0024】
また、本発明の水解性不織布の平均厚さは、通常0.1〜1.0mm、好ましくは0.1〜0.6mm、特に好ましくは0.3〜0.6mmである。厚さが上記範囲にある本発明の不織布は、良好な吸水性を示すと共に、大過剰の水と接触した場合に解繊しやすい。
また、本発明の不織布は、大過剰の水を含有した時、例えば不織布重量に対して200重量%程度の水を含有した時のMD方向の平均引張り強度は通常は0.1〜6kgf、好ましくは0.5〜2.5kgfの範囲内になり、乾燥時の平均引張り強度と比較すると低下する。このように繊維に対して200重量%程度の水を含んだ状態は、例えばウエットティッシュのような湿潤状態であり、このような状態で上記のような平均引張り強度を有するので、本発明の水解性不織布に水を含有させて使用する場合には、不織布が解繊することなく良好に使用することができるが、上記詳述したように大量の水と接触することにより本発明の不織布は水解するとの構成を有しているので、本発明の水解性不織布は含水状態で良好に使用することができると共に、こうして含水状態で使用した不織布を例えば水洗処理のように水解して処理することができる。
【0025】
即ち、上述のように本発明の不織布を大過剰の水の水に投入して振盪させることロートの脚部のような非常に細い管をも通りぬける程度の水解性を有しており、本発明の水解性不織布は、例えば水洗トイレに投入して処理することが可能であり、その際水洗トイレに詰まりは生じない。しかも、本発明の水解性不織布は、上述したように優れた水解性を有しているにも拘わらず、少量(例えば不織布重量の200重量%程度まで)の水が含浸された状態では、不織布の形態が崩壊しない程度の強度を維持することができるので、本発明の水解性不織布に水を含浸させて使用することができ、しかも、こうして使用した後、本発明の水解性不織布を大過剰の水中に投じて解繊処理することができる。
【0026】
本発明の水解性不織布は、例えば、ティッシュペーパー、特にウエットティッシュとして使用することができる。また、本発明の水解性不織布は、生理用ナプキンの表層材(皮膚と接触する面に配置する表面材(以下同様))、紙おむつの表層材、母乳パットの表層材などとして好適に使用することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の不織布は、極性基を有する繊維を含有する目付け2〜60g/m2の不織布であって、上記不織布が、該不織布から切り出した100×100mmの試験片を300mlの水を含有する容量1000mlの分液ロートに取り、該分液ロートを、ストローク40mm,260rpmで30秒間振盪させた後、該分液ロートの内容物全量を一気に上端部の内径が145mm、傾斜部の高さが130mm、脚部の内径が10mm、脚部の長さが130mmであるガラス製ブンゼンロートに移して、該分液ロート内容物が該ブンゼンロートの脚部から流出させたときに、該分液ロート内容物が10秒以内に全量脚部から流出する水解性を有するという構成を有するので、この不織布を使用した後、例えば水洗トイレなどに流すことにより汚れが付着した不織布を速やかに水解処理することができる。また、本発明の水解性不織布は、少量の水を含有することによっては引張り強度などの不織布の物理的特性が使用に耐えないほど低下することはなく、従って、本発明の水解性不織布は、水を含浸させて使用することができる。また、ウエットティッシュのように少量の水を含浸した状態で長期間保存しても、本発明の不織布は、引張り強度などの物理的特性が著しく低下することがない。
【0028】
本発明の水解性不織布は、非常に肌触りがよく、また、刺激性もないので、そのままで使用することもできるし、また、良好な吸水性を有する短繊維からなる不織布と積層して使用することができる。このような積層不織布は、良好な吸水性を有すると共に、大過剰の水に投入したときには良好に解繊する。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に示す実施例等で作成された不織布の各物性は、以下の方法によって測定あるいは評価を行った。
【0030】
なお、本発明において、不織布の特性の測定値は、特に限定しない限り、サンプル数5の平均値である。
〔繊維径〕
レンチング社製、商品名:バイブロスコプを用いて、振動法により単繊維の径(デニール)を求めた。
〔厚さ〕
アスカー中型測厚器を用いて、不織布10枚重ねの厚さを測定し、1枚分の厚さを算出した。
〔繊維の平均長さ〕
不織布を構成する繊維10本の長さを測定し、平均値を求めた。
〔水解性〕
本発明の不織布についての水解性の測定は、図1および図2に示す装置を用いて上述のようにして行った。
【0031】
即ち、容量1リットルの分液ロートに水道水300mlを入れ、さらに、この分液ロートに100×100mmの不織布を入れ、すばやく振盪機(イワキ社製KMシェイカーV-S)にセットし、ストローク40mm260rpmにて30秒間振盪して、不織布を解繊させた。
これとは別に、上部の直径が145mm、斜面の長さが130mm、脚部の内径が10mm、長さが130mmのガラス製のブンゼンロートを用意し、上記のようにして振盪させることにより解繊した不織布を水道水と共に、上記ブンゼンロートに移し、10秒以内に水道水が解繊した不織布と共にブンゼンロートの脚部を通過してものを「水解性良好」とし、水道水のみが脚部から排出され、繊維が三角ロート内に残ったものを「水解性不十分」とした。また、10秒以内には脚部から排出されないが、10秒を超えた後に三角ロートの脚部から水道水と共に排出された不織布も「水解性不充分」とした。
【0032】
【実施例1】
カチオン化セルロースと、ポリアクリル酸ナトリウムとを1:1の重量比で混合したイオン性樹脂40重量部とレーヨン60重量部とをビスコース溶液中で均一に混合した。
次いで、この混合物を凝固浴中に加圧下に押し出して紡糸することにより、極性基を有する高分子が40重量%練り込まれたレーヨン繊維を製造した。この繊維の平均繊維径は3.0デニールであり、平均繊維長は38mmであった。
【0033】
上記の繊維を用いてウエブを形成し、スパンレース方式により不織布を製造した。このときの水圧を25kg/cm2に設定して、平均厚さ0.4mm、目付40g/m2の不織布を製造した。
この不織布の乾燥時のMD方向の引張り強度は、3.19kgfであり、CD方向の引張り強度は1.07kgfであった。また、この不織布の200重量%水分含有時のMD方向の引張り強度は、2.78kgfであり、CD方向の引張り強度は0.84kgfであった。
【0034】
上記の不織布から100×100mmの試験片を切り出し、上記の方法で水解性を測定したところ、分液ロート内容物は10秒でブンゼンロートの脚部から流出し、この不織布の水解性は、「水解性良好」であった。
【0035】
【実施例2】
カチオン化セルロースと、ポリアクリル酸ナトリウムの1:1の複合系樹脂55部とレーヨン45部とを実施例1と同様の方法で練り込みし、水分解性高分子55重量%練り込みレーヨンを得た。これを用いて、実施例1と同様の方法で繊維を得た。この繊維の平均繊維径は3.0デニール、平均繊維長は38mmであった。
【0036】
この繊維を用いて実施例1と同様にして不織布を製造した。この不織布の平均厚さ0.5mm、目付40g/m2であった。
この不織布の乾燥時のMD方向の引張り強度は、5.07kgfであり、CD方向の引張り強度は0.83kgfであった。また、この不織布の200重量%水分含有時のMD方向の引張り強度は、2.07kgfであり、CD方向の引張り強度は0.18kgfであった。
【0037】
上記の不織布から100×100mmの試験片を切り出し、上記の方法で水解性を測定したところ、分液ロート内容物は10秒でブンゼンロートの脚部から流出し、この不織布の水解性は、「水解性良好」であった。
【0039】
【参考例1】
市販の水解性清拭布(花王(株)製、商品名:トイレクイックル)から100×100mmの試験片を切り出した。この市販の水解性不織布は、平均繊維長さが4mmの短繊維からなる不織布であり、使用後に水洗トイレに流して処理でき、水洗トイレの管詰まりがないことが知られている。上記のようにして切り出した試験片について実施例1に記載の方法で水解性を測定したところ、分液ロート内容物は6秒でブンゼンロートの脚部から流出し、この不織布の水解性は、「水解性良好」であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水解性不織布の特性である水解性を調べるための分液ロートおよび振盪装置の概要を示す図である。
【図2】図2は、本発明の水解性不織布の特性である水解性を調べるためのブンゼンロートの概要を示す図である。
【符号の説明】
1・・・容量1000mlの分液ロート
13・・・上部試料投入口
2・・・振盪装置
21・・・分液ロート保持手段
22・・・振盪手段
3・・・試験片
40・・・ガラス製ブンゼンロート
41・・・上端部
42・・・傾斜部
44・・・脚部
5・・・分液ロート内容物
Claims (3)
- 極性基としてカチオン基およびアニオン基を有する繊維を含有し、該繊維の平均繊維長が35〜45mmの繊維から形成された、乾燥時におけるMD方向の引張り強度が0.3〜10kgfの範囲内にあり、200重量%の水を含有したときのMD方向の引張り強度が0.1〜6kgfである、目付が2〜80g/m2である不織布であり、上記不織布が、該不織布から切り出した100×100mmの試験片を300mlの水を含有する容量1000mlの分液ロートに取り、該分液ロートを、ストローク40mm、260rpmで30秒間振盪させた後、該分液ロートの内容物全量を分液ロートの上部試料投入口から一気に、上部の内径が145mm、傾斜部の高さが130mm、脚部の内径が10mm、脚部の長さが130mmであるガラス製ブンゼンロートに移して、該分液ロート内容物が該ブンゼンロートの脚部から流出させたときに、該分液ロートの内容物が10秒以内に全量脚部から流出する水解性を有することを特徴とする水解性不織布。
- 上記不織布が、極性基を有する繊維を10重量%以上の量で含有すると共に、該極性基を有する繊維の平均長さが35〜45mmであることを特徴とする請求項第1項記載の水解性不織布。
- 上記不織布の平均厚さが、0.1〜1.0mmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の水解性不織布。
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