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JP4431512B2 - 原子力発電プラント - Google Patents
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JP4431512B2 - 原子力発電プラント - Google Patents

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Description

本発明は原子力発電プラントに係り、特に増出力時に給水温度を制御するのに好適な給水温度制御装置を備えた原子力発電プラントに関する。
原子力発電プラントの増出力方法として、給水温度を下げることで大幅な機器交換無しに増出力幅を拡大する方法があり、本増出力手法を用いるには給水温度制御手段が必要となる。
特開平9−264983号公報 特開平8−233989号公報
従来の原子力プラントの増出力手法は、電気出力増加にほぼ比例して主蒸気流量と給水流量が増加していた。これに対し、原子炉への給水温度を下げれば原子炉内で発生する蒸気量を低減できるため、増出力時の主蒸気流量と給水流量の増加を抑制でき、大幅な機器交換無しに増出力幅を拡大することができる。さらに、本増出力手法を拡張すると、給水温度をリアルタイムに制御することで、原子力発電プラントを用いた負荷追従運転も可能となる。ただし、本増出力手法は増出力前のプラント設計時に想定していた給水温度よりもさらに給水温度を下げるために、給水温度制御範囲を広げるための制御手段を追加する必要がある。
本発明の目的は、増出力時における発電量のばらつきを抑制できる原子力発電プラントを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の特徴は、原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、原子炉の第2運転サイクルにおける第2給水温度を原子炉の第1運転サイクルにおける第1給水温度よりも低下させた運転を行う原子力発電プラントにおいて、蒸気系から蒸気を抽気して給水加熱器に接続する抽気管の少なくとも1本以上に抽気流量制御弁を設置し、給水系上の複数段ある給水加熱器の間または給水加熱器の出口より下流側には少なくとも1つ以上の温度計測器を設置し、温度計測器の計測値信号と設定値信号とを用いて抽気流量制御弁の開度を制御する抽気流量制御器を設置することにある。
抽気流量制御弁の開度を制御することによって給水温度を設定温度に調整することができるため、原子力発電プラントの増出力時における発電量のばらつきを抑制することができる。
また、上記目的を達成する他の発明の特徴は、原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、原子炉の第2運転サイクルにおける第2給水温度を原子炉の第1運転サイクルにおける第1給水温度よりも低下させた運転を行う原子力発電プラントにおいて、蒸気系から蒸気を抽気して給水加熱器に接続する抽気管の少なくとも1本以上の同じ抽気管上に抽気流量制御弁と抽気流量計測器を設置し、抽気流量計測器の計測値信号と設定値信号を用いて抽気流量制御弁の開度を制御する抽気流量制御器を設置することにある。
また、上記目的を達成する他の発明の特徴は、原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、第2運転サイクルより少なくとも一運転サイクル以上前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、原子炉の第2運転サイクルにおける第2給水温度を原子炉の第1運転サイクルにおける第1給水温度よりも低下させた運転を行う原子力発電プラントにおいて、蒸気系から蒸気を抽気して給水加熱器に接続する抽気管の少なくとも1本以上に抽気流量制御弁を設置し、蒸気系上には少なくとも1つ以上の蒸気流量計測器を設置し、蒸気流量計測器の計測値信号と設定値信号を用いて抽気流量制御弁の開度を制御する抽気流量制御器を設置することにある。
本発明によれば、原子力発電プラントの増出力時における発電量のばらつきを抑制することができる。
本発明を直接サイクル型原子力プラントの一つである沸騰水型軽水炉発電プラントに適用した好適な一実施例を図1及び図2に基づいて以下に説明する。
図1に本発明の好適な実施例である第一実施例の沸騰水型軽水炉発電プラントの系統図、図2に図1に示す抽気流量制御器の給水温度制御ロジック例を示す。
図1は原子炉圧力容器1,主蒸気管2,主蒸気管に繋がる高圧タービン3と低圧タービン5、および高圧タービンと低圧タービンとの間に湿分分離器4または湿分分離過熱器を有し、低圧タービン出口には復水器6を設置し、復水器の下流側には低圧給水加熱器7,給水ポンプ8および高圧給水加熱器9を有する沸騰水型軽水炉において、本発明を用いた場合のプラント系統例を模式的に示したものである。なお、一運転サイクルは原子炉の起動から燃料交換のために原子炉の運転を停止するまでの期間と定義している。
原子炉熱出力を増加させた場合は、その増えた分の熱を取るために給水流量を増加するか、または原子炉圧力容器の入口・出口の冷却材のエンタルピ差を拡大する必要がある。従来の増出力手法では前者の手法を取っており、原子炉熱出力と比例させて給水流量を増やしている。一方で新たな増出力手法として、後者の手法を取り原子炉圧力容器入口の冷却材エンタルピ(温度)を意図的に下げることで、原子炉圧力容器入口・出口のエンタルピ差を拡大して、増出力時の主蒸気流量および給水流量の増加を抑制する手法も提案されている。本発明はこの新たな増出力手法に対応するためのものであり、給水温度をプラント建設時の想定範囲よりもさらに低い温度まで下げるため、給水温度制御範囲を拡大するための機器を追設する必要がある。
給水温度範囲は低温側に拡大する必要があるため、増出力実施前に比較して給水加熱用の抽気蒸気量を減少させる必要がある。給水加熱用の抽気蒸気は高圧タービンおよび低圧タービンを含む主蒸気系から抽気して、抽気管10を通り、高圧給水加熱器または低圧給水加熱器へと送られる。現行の沸騰水型軽水炉では、主要な抽気点は高圧タービン入口より下流側で低圧タービン出口より上流側に複数設置されている。抽気蒸気量を減少させるためには、抽気管上に抽気流量制御弁11を設置すれば良い。
本発明が対象とする増出力手法を採用する場合には、給水温度が設定した値まできちんと下がっていることが重要である。そのため、給水系統上にある給水加熱器出口に給水温度計測器12を設置し、抽気流量制御器13で抽気流量を制御する。給水温度計測器は抽気量を制御している給水加熱器より下流側で原子炉入口よりも上流側に設置すれば良い。すなわち給水温度計測器は、抽気量を制御している給水加熱器よりも下流側の任意の給水加熱器の間に設置しても良いし、最終段の給水加熱器出口と原子炉入口の間に設置しても良い。
図2は、第一実施例における抽気流量制御器の制御ロジック例を示したものである。抽気流量制御器の入力としては、給水温度計測器で測定した給水温度計測値信号14と、給水温度の設定値信号15を用いる。抽気流量制御器の出力は、抽気流量制御弁の開度要求信号16である。給水温度の計測値が給水温度の設定値よりも低い場合には、抽気量が不足しているということであるので、抽気流量制御弁を開く方向の開度要求信号を出力する。逆に、給水温度の計測値が設定値よりも高い場合には、抽気量が多すぎるということであるので、抽気流量制御弁を閉める方向の開度要求信号を出力する。
本実施例によれば、給水温度を常に設定した温度に保つことができるため、原子炉の増出力時に給水温度を低下させることで主蒸気流量や給水流量の増加を抑制できる。さらに、給水温度をリアルタイムに調整することが可能であるので、原子力発電プラントの熱出力を変更した場合でもそれに合わせて給水温度の設定値を変更すれば、主蒸気流量や給水流量を一定に保ったままで、原子力発電プラントの負荷追従運転にも適用できる。
図3に、本発明の他の実施例である第二実施例の沸騰水型軽水炉発電プラントを示す。
本実施例と第一実施例の違いは、抽気流量制御器の入力として用いる計測器である。本実施例では、抽気流量制御弁を設置した抽気管上に抽気流量計測器17を設置している。抽気流量制御弁と抽気流量計測器はどちらが上流側にきても良い。抽気管が途中で他の抽気管と合流する場合は、下流側に位置する抽気流量制御弁または抽気流量計測器は、合流後の配管上にあっても良い。また抽気管が途中で分岐する場合は、下流側に位置する抽気流量制御弁または抽気流量計測器は、分岐後の配管上にあっても良い。原子炉の熱出力,給水流量、および抽気流量が既知であれば、給水温度はプラントの熱バランスから一意的に決まる。よって、本実施例のように抽気管上に抽気流量計測器を設置して抽気量を計測することは、給水温度を計測することと同等である。
本実施例では、抽気流量制御器の入力として、抽気流量計測器で測定した抽気流量計測値信号18と、抽気流量の設定値信号19を用いる。抽気流量制御器の出力は、抽気流量制御弁の開度要求信号である。抽気流量の計測値が抽気流量の設定値よりも小さい場合には、抽気量が不足しているということであるので、抽気流量制御弁を開く方向の開度要求信号を出力する。逆に、抽気流量の計測値が設定値よりも大きい場合には、抽気量が多すぎるということであるので、抽気流量制御弁を閉める方向の開度要求信号を出力する。
ここでは、抽気流量計測器を単独で用いる場合の例を示したが、第一実施例と同様に給水温度計測器を設置して、抽気流量による制御と給水温度による制御を組み合わせても良い。図4に、第一実施例及び第二実施例の各技術的思想を組み合わせた、本発明の他の実施例である第三実施例の沸騰水型軽水炉発電プラントの系統例を示す。また、図5に、第三実施例で用いられる制御ロジック例を示す。抽気流量制御弁を調整してから実際に給水温度が変化するまでにはある程度の時間遅れがあるため、短い周期で抽気流量が変動するときには抽気流量を用いた制御を優先させ、比較的長い時間にわたって給水温度が下がっているまたは上がっている場合には給水温度による制御を優先させるなどして、役割を分ける。具体的には図5に示したように、給水温度による制御で抽気流量の設定値を定め、その設定値と抽気流量の測定値との差から抽気流量制御弁の開度要求信号を出力すれば良い。
図6に、本発明の他の実施例である第四実施例の沸騰水型軽水炉発電プラントの系統を示す。
本実施例と第一実施例の違いは、抽気流量制御器の入力として用いる計測器である。本実施例では、原子炉より下流側で高圧タービン入口よりも上流側に、主蒸気流量計測器
20を設置している。原子炉の熱出力と主蒸気流量が既知であれば、給水温度はプラントの熱バランスから一意的に決まる。よって、本実施例のように主蒸気流量計測器を設置して主蒸気流量を計測することは、給水温度を計測することと同等である。
本実施例では、抽気流量制御器の入力として、主蒸気流量計測器で測定した主蒸気流量計測値信号21と、主蒸気流量の設定値信号22を用いる。抽気流量制御器の出力は、抽気流量制御弁の開度要求信号である。主蒸気流量の計測値が主蒸気流量の設定値よりも小さい場合には、給水温度が低すぎる、すなわち抽気量が不足しているということであるので、抽気流量制御弁を開く方向の開度要求信号を出力する。逆に、主蒸気流量の計測値が設定値よりも大きい場合には、給水温度が高すぎる、すわなち、抽気量が多すぎるということであるので、抽気流量制御弁を閉める方向の開度要求信号を出力する。
ここでは、主蒸気流量計測器を単独で用いる場合の例を示したが、第一実施例と同様に給水温度計測器を設置して、主蒸気流量による制御と給水温度による制御を組み合わせる、または第二実施例と同様に抽気流量計測器を設置して、主蒸気流量による制御と抽気流量による制御を組み合わせる、またはこれら全てを組み合わせても良い。図7に、第一実施例,第二実施例および第四実施例の各技術的思想を組み合わせた、本発明の他の実施例である第五実施例の沸騰水型軽水炉発電プラントの系統例を示す。また、図8に、第五実施例で用いる制御ロジック例を示す。抽気流量制御弁を調整してから実際に主蒸気流量が変化するまでには時間遅れがあり、抽気流量制御弁を調整してから実際に給水温度が変化するまでには主蒸気流量よりは短いがある程度の時間遅れがある。逆に、抽気流量制御弁を調整してから抽気流量が変化するまでの時間遅れは短い。よって、短い周期で抽気流量が変動するときには抽気流量を用いた制御を優先させ、比較的長い時間にわたって給水温度が下がっているまたは上がっている場合には給水温度による制御を優先させ、さらに長い時間にわたって主蒸気流量が増加または減少している場合には主蒸気流量による制御を優先させるなどして、役割を分ける。具体的には図8に示したように、主蒸気流量による制御で給水温度の設定値を定め、給水温度の設定値と給水温度の測定値の差から抽気流量の設定値を定め、抽気流量の設定値と抽気流量の測定値との差から抽気流量制御弁の開度要求信号を出力すれば良い。
以上述べた第一実施例〜第五実施例は沸騰水型軽水炉発電プラントを例にとって記載したが、本発明は沸騰水型軽水炉発電プラント以外の直接サイクル型のプラントにも適用可能である。
なお、一般的に、抽気量を減少させて給水温度を低下させるとプラント熱効率は減少するが、その熱効率の減少を抑制するにはなるべく上流側の抽気点からの抽気蒸気量を減らした方が良い。よって抽気流量制御弁は、高圧タービン入口より下流側で低圧タービン入口より上流側から抽気する抽気管上に設置すると効果が高い。また、本発明の実施例では抽気管1本のみに抽気流量制御弁を設置したが、抽気管1本の抽気蒸気量を減少させただけでは十分に給水温度が下がらない場合もあるため、その場合は複数の抽気管上に抽気流量制御弁を設置する。
また、一般的に沸騰水型軽水炉発電プラントにおいては、原子炉熱出力102%程度までは給水流量計測器などの計測精度を向上するだけで実施可能であり、本発明のように給水温度を減少する必要が無いので、本発明は原子炉熱出力102%より高く105%未満の範囲での増出力に対して効果が大きい。さらに、原子炉熱出力105%〜120%の範囲での増出力では、一般的に高圧タービンの交換などの大幅なシステム機器の変更は不要である。本発明のように給水温度を下げる増出力手法を用いれば、原子炉熱出力105%を超える増出力時でも高圧タービンの交換が不要となるため、本発明は原子炉熱出力を
105%以上まで増加させる場合に特に大きな効果が得られる。
本発明を間接サイクル型原子力プラントの一つである加圧水型軽水炉発電プラントに適用した場合の例を示す。
図9に本発明の他の実施例である第六実施例の加圧水型軽水炉発電プラントの系統を示す。第六実施例で用いる給水温度制御ロジックは図2に示すとおりである。
図9は原子炉圧力容器1,原子炉圧力容器内の炉心で発生した熱を2次系に伝える蒸気発生器23,蒸気発生器から出た2次系の蒸気をタービンへと導く主蒸気管2、および主蒸気管に繋がる高圧タービン3と低圧タービン5、および高圧タービンと低圧タービンとの間に湿分分離過熱器24を有し、低圧タービン出口には復水器6を設置し、復水器の下流側には低圧給水加熱器7,給水ポンプ8および高圧給水加熱器9を有する加圧水型軽水炉において、本発明を実施する場合のプラント系統例を模式的に示したものである。なお、一運転サイクルは原子炉の起動から燃料交換のために原子炉の運転を停止するまでの期間と定義している。
原子炉熱出力を増加させた場合は、蒸気発生器での熱交換量が原子炉熱出力の増加量にほぼ比例して増加する。増加した蒸気発生器での熱交換量を取るためには蒸気発生器への給水流量を増加するか、または蒸気発生器の入口・出口の冷却材のエンタルピ差を拡大する必要がある。従来の増出力手法では前者の手法を取っており、蒸気発生器の熱交換量と比例させて給水流量を増やしている。一方で新たな増出力手法として、後者の手法を取り蒸気発生器入口の冷却材エンタルピ(温度)を意図的に下げることで、蒸気発生器入口・出口のエンタルピ差を拡大して、増出力時の主蒸気流量および給水流量の増加を抑制する手法も提案されている。本発明はこの新たな増出力手法に対応するためのものであり、給水温度をプラント建設時の想定範囲よりもさらに低い温度まで下げるため、給水温度制御範囲を拡大するための機器を追設する必要がある。
給水温度範囲は低温側に拡大する必要があるため、増出力実施前に比較して給水加熱用の抽気蒸気量を減少させる必要がある。給水加熱用の抽気蒸気は高圧タービンおよび低圧タービンを含む主蒸気系から抽気して、抽気管10を通り、高圧給水加熱器または低圧給水加熱器へと送られる。現行の加圧水型軽水炉では、主要な抽気点は高圧タービン入口より下流側で低圧タービン出口より上流側に複数設置されている。抽気蒸気量を減少させるためには、抽気管上に抽気流量制御弁11を設置すれば良い。
本発明が対象とする増出力手法を採用する場合には、給水温度が設定した値まできちんと下がっていることが重要である。そのため、給水系統上にある給水加熱器出口に給水温度計測器12を設置し、抽気流量制御器13で抽気流量を制御する。給水温度計測器は抽気量を制御している給水加熱器より下流側で蒸気発生器入口よりも上流側に設置すれば良い。すなわち給水温度計測器は、抽気量を制御している給水加熱器よりも下流側の任意の給水加熱器の間に設置しても良いし、最終段の給水加熱器出口と蒸気発生器入口の間に設置しても良い。
本実施例である第六実施例で用いる抽気流量制御器の制御ロジック例を、図2を用いて説明する。抽気流量制御器の入力としては、給水温度計測器で測定した給水温度計測値信号14と、給水温度の設定値信号15を用いる。抽気流量制御器の出力は、抽気流量制御弁の開度要求信号16である。給水温度の計測値が給水温度の設定値よりも低い場合には、抽気量が不足しているということであるので、抽気流量制御弁を開く方向の開度要求信号を出力する。逆に、給水温度の計測値が設定値よりも高い場合には、抽気量が多すぎるということであるので、抽気流量制御弁を閉める方向の開度要求信号を出力する。
本実施例によれば、給水温度を常に設定した温度に保つことができるため、原子炉の増出力時に給水温度を低下させることで主蒸気流量や給水流量の増加を抑制できる。さらに、給水温度をリアルタイムに調整することが可能であるので、原子力発電プラントの熱出力を変更した場合でもそれに合わせて給水温度の設定値を変更すれば、主蒸気流量や給水流量を一定に保ったままで、原子力発電プラントの負荷追従運転にも適用できる。
図10に、本発明の他の実施例である第七実施例の加圧水型軽水炉発電プラントの系統を示す。
本実施例と第六実施例の違いは、抽気流量制御器の入力として用いる計測器である。本実施例では、抽気流量制御弁を設置した抽気管上に抽気流量計測器17を設置している。抽気流量制御弁と抽気流量計測器はどちらが上流側にきても良い。抽気管が途中で他の抽気管と合流する場合は、下流側に位置する抽気流量制御弁または抽気流量計測器は、合流後の配管上にあっても良い。また抽気管が途中で分岐する場合は、下流側に位置する抽気流量制御弁または抽気流量計測器は、分岐後の配管上にあっても良い。原子炉の熱出力,給水流量、および抽気流量が既知であれば、給水温度はプラントの熱バランスから一意的に決まる。よって、本実施例のように抽気管上に抽気流量計測器を設置して抽気量を計測することは、給水温度を計測することと同等である。
本実施例では、抽気流量制御器の入力として、抽気流量計測器で測定した抽気流量計測値信号18と、抽気流量の設定値信号19を用いる。抽気流量制御器の出力は、抽気流量制御弁の開度要求信号である。抽気流量の計測値が抽気流量の設定値よりも小さい場合には、抽気量が不足しているということであるので、抽気流量制御弁を開く方向の開度要求信号を出力する。逆に、抽気流量の計測値が設定値よりも大きい場合には、抽気量が多すぎるということであるので、抽気流量制御弁を閉める方向の開度要求信号を出力する。
ここでは、抽気流量計測器を単独で用いる場合の例を示したが、第一実施例と同様に給水温度計測器を設置して、抽気流量による制御と給水温度による制御を組み合わせても良い。図11に、第六実施例及び第七実施例の各技術的思想を組み合わせた、本発明の他の実施例である第八実施例の加圧水型軽水炉発電プラントの系統例を示す。また、本実施例で用いる制御ロジックは、図5に示す制御ロジックである。抽気流量制御弁を調整してから実際に給水温度が変化するまでにはある程度の時間遅れがあるため、短い周期で抽気流量が変動するときには抽気流量を用いた制御を優先させ、比較的長い時間にわたって給水温度が下がっているまたは上がっている場合には給水温度による制御を優先させるなどして、役割を分ける。具体的には図5に示したように、給水温度による制御で抽気流量の設定値を定め、その設定値と抽気流量の測定値との差から抽気流量制御弁の開度要求信号を出力すれば良い。
図12に、本発明の他の実施例である第九実施例の加圧水型軽水炉発電プラントの系統を示す。本実施例と第六実施例の違いは、抽気流量制御器の入力として用いる計測器である。本実施例では、原子炉より下流側で高圧タービン入口よりも上流側に、主蒸気流量計測器20を設置している。原子炉の熱出力と主蒸気流量が既知であれば、給水温度はプラントの熱バランスから一意的に決まる。よって、本実施例のように主蒸気流量計測器を設置して主蒸気流量を計測することは、給水温度を計測することと同等である。
本実施例では、抽気流量制御器の入力としては、主蒸気流量計測器で測定した主蒸気流量計測値信号21と、主蒸気流量の設定値信号22を用いる。抽気流量制御器の出力は、抽気流量制御弁の開度要求信号である。主蒸気流量の計測値が主蒸気流量の設定値よりも小さい場合には、給水温度が低すぎる、すなわち抽気量が不足しているということであるので、抽気流量制御弁を開く方向の開度要求信号を出力する。逆に、主蒸気流量の計測値が設定値よりも大きい場合には、給水温度が高すぎる、すわなち抽気量が多すぎるということであるので、抽気流量制御弁を閉める方向の開度要求信号を出力する。
ここでは、主蒸気流量計測器を単独で用いる場合の例を示したが、第一実施例と同様に給水温度計測器を設置して、主蒸気流量による制御と給水温度による制御を組み合わせる、または第二実施例と同様に抽気流量計測器を設置して、主蒸気流量による制御と抽気流量による制御を組み合わせる、またはこれら全てを組み合わせても良い。図13に、第六実施例,第七実施例および第九実施例の各技術的思想を組み合わせた、本発明の他の実施例である第十実施例の加圧水型軽水炉発電プラントの系統例を示す。また、本実施例で用いる制御ロジックは、図8に示す制御ロジックである。抽気流量制御弁を調整してから実際に主蒸気流量が変化するまでには時間遅れがあり、抽気流量制御弁を調整してから実際に給水温度が変化するまでには主蒸気流量よりは短いがある程度の時間遅れがある。逆に、抽気流量制御弁を調整してから抽気流量が変化するまでの時間遅れは短い。よって、短い周期で抽気流量が変動するときには抽気流量を用いた制御を優先させ、比較的長い時間にわたって給水温度が下がっているまたは上がっている場合には給水温度による制御を優先させ、さらに長い時間にわたって主蒸気流量が増加または減少している場合には主蒸気流量による制御を優先させるなどして、役割を分ける。具体的には図8に示したように、主蒸気流量による制御で給水温度の設定値を定め、給水温度の設定値と給水温度の測定値の差から抽気流量の設定値を定め、抽気流量の設定値と抽気流量の測定値との差から抽気流量制御弁の開度要求信号を出力すれば良い。
本発明の第六実施例,第七実施例,第九実施例は加圧水型軽水炉を例にとって記載したが、本発明は加圧水型軽水炉以外の間接サイクル型のプラントにも適用可能である。
なお、一般的に、抽気量を減少させて給水温度を低下させるとプラント熱効率は減少するが、その熱効率の減少を抑制するにはなるべく上流側の抽気点からの抽気蒸気量を減らした方が良い。よって抽気流量制御弁は、高圧タービン入口より下流側で低圧タービン入口より上流側から抽気する抽気管上に設置すると効果が高い。また、本発明の実施例では抽気管1本のみに抽気流量制御弁を設置したが、抽気管1本の抽気蒸気量を減少させただけでは十分に給水温度が下がらない場合もあるため、その場合は複数の抽気管上に抽気流量制御弁を設置する。
また、一般的に加圧水型軽水炉においては、原子炉熱出力102%程度までは給水流量計測器などの計測精度を向上するだけで実施可能であり、本発明のように給水温度を減少する必要が無いので、本発明は原子炉熱出力102%より高く5%未満の範囲での増出力に対して効果が大きい。さらに、原子炉熱出力105%〜120%の範囲での増出力では、一般的に高圧タービンの交換などの大幅なシステム機器の変更は不要である。本発明のように給水温度を下げる増出力手法を用いれば、原子炉熱出力105%を超える増出力時でも高圧タービンの交換が不要となるため、本発明は原子炉熱出力を105%以上まで増加させる場合に特に大きな効果が得られる。
本発明の好適な実施例である第一実施例の沸騰水型軽水炉発電プラント系統図。 抽気流量制御器の制御ロジックを示す説明図。 本発明の他の実施例である第二実施例の沸騰水型軽水炉発電プラントの系統図。 上記第一実施例及び第二実施例の各技術的思想を組み合わせた、本発明の他の実施例である第三実施例の沸騰水型軽水炉発電プラントの系統図。 図4に示す実施例における抽気流量制御器の制御ロジックを示す説明図。 本発明の他の実施例である第四実施例の沸騰水型軽水炉発電プラントの系統図。 上記の第一実施例,第二実施例および第四実施例の各技術的思想を組み合わせた、本発明の他の実施例である第五実施例の沸騰水型軽水炉発電プラントの系統図。 図7に示す実施例における抽気流量制御器の制御ロジックを示す説明図。 本発明の他の実施例である第六実施例の加圧水型軽水炉発電プラントの系統図。 本発明の他の実施例である第七実施例の加圧水型軽水炉発電プラントの系統図。 上記の第六実施例及び第七実施例の各技術的思想を組み合わせた、本発明の他の実施例である第八実施例の加圧水型軽水炉発電プラントの系統図。 本発明の他の実施例である第九実施例の加圧水型軽水炉発電プラントの系統図。 上記の第六実施例,第七実施例および第九実施例の各技術的思想を組み合わせた、本発明の他の実施例である第十実施例の加圧水型軽水炉発電プラントの系統図。
符号の説明
1…原子炉圧力容器、2…主蒸気管、3…高圧タービン、4…湿分分離器、5…低圧タービン、6…復水器、7…低圧給水加熱器、8…給水ポンプ、9…高圧給水加熱器、10…抽気管、11…抽気流量調整弁、12…給水温度計測器、13…抽気流量制御器、14…給水温度計測値信号、15…給水温度設定値信号、16…抽気流量制御弁開度要求信号、17…抽気流量計測器、18…抽気流量計測値信号、19…抽気流量設定値信号、20…主蒸気流量計測器、21…主蒸気流量計測値信号、22…主蒸気流量設定値信号、23…蒸気発生器、24…湿分分離過熱器。

Claims (9)

  1. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
    該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
    該復水器から供給された給水を加熱する複数段の給水加熱器と、
    前記蒸気系の途中から蒸気を抽気して前記給水加熱器に接続する抽気管を少なくとも1本以上含み、
    前記複水器より出て前記給水加熱器を通った後に給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備える原子力発電プラントにおいて、
    前記抽気管の少なくとも1本以上の途中には抽気流量制御弁を備え、前記給水系上の複数段ある給水加熱器の間または最終段の給水加熱器の出口より下流側で前記原子炉より上流側には少なくとも1つ以上の温度計測手段を備え、
    前記温度計測手段の計測値と給水温度の設定値を入力として用い、前記抽気流量制御弁の開度要求を出力する抽気流量制御器を備えることで、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2給水温度を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1給水温度よりも減少させた運転を行うことを特徴とする原子力発電プラント。
  2. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
    該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
    該復水器から供給された給水を加熱する複数段の給水加熱器と、
    前記蒸気系の途中から蒸気を抽気して前記給水加熱器に接続する抽気管を少なくとも1本以上含み、
    前記複水器より出て前記給水加熱器を通った後に給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備える原子力発電プラントにおいて、
    前記抽気管の少なくとも1本以上の途中には同じ抽気管上に抽気流量制御弁と抽気流量計測手段を備え、
    前記抽気流量計測手段の計測値と抽気流量の設定値を入力として用い、前記抽気流量制御弁の開度要求を出力する抽気流量制御器を備えることで、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2給水温度を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1給水温度よりも減少させた運転を行うことを特徴とする原子力発電プラント。
  3. 原子炉と、
    該原子炉で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
    該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
    該復水器から供給された給水を加熱する複数段の給水加熱器と、
    前記蒸気系の途中から蒸気を抽気して前記給水加熱器に接続する抽気管を少なくとも1本以上含み、
    前記複水器より出て前記給水加熱器を通った後に給水を前記原子炉に向けて導く給水系とを備える原子力発電プラントにおいて、
    前記抽気管の少なくとも1本以上の途中には抽気流量制御弁を備え、前記原子炉より下流側で前記高圧タービンよりも上流側には少なくとも1つ以上の主蒸気流量計測手段を備え、
    前記主蒸気流量計測手段の計測値と主蒸気流量の設定値を入力として用い、前記抽気流量制御弁の開度要求を出力する抽気流量制御器を備えることで、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2給水温度を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1給水温度よりも減少させた運転を行うことを特徴とする原子力発電プラント。
  4. 原子炉と、
    該原子炉で加熱された冷却材を熱源にして蒸気を発生する蒸気発生器と、
    該蒸気発生器で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
    該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
    該復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器と、
    前記蒸気系の途中から蒸気を抽気して前記給水加熱器に接続する抽気管を少なくとも1本以上含み、
    前記複水器より出て前記給水加熱器を通った後に給水を前記蒸気発生器に向けて導く給水系とを備える原子力発電プラントにおいて、
    前記抽気管の少なくとも1本以上の途中には抽気流量制御弁を備え、前記給水系上の複数段ある給水加熱器の間または最終段の給水加熱器の出口より下流側で前記蒸気発生器より上流側には少なくとも1つ以上の温度計測手段を備え、
    前記温度計測手段の計測値と給水温度の設定値を入力として用い、前記抽気流量制御弁の開度要求を出力する抽気流量制御器を備えることで、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2給水温度を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1給水温度よりも減少させた運転を行うことを特徴とする原子力発電プラント。
  5. 原子炉と、
    該原子炉で加熱された冷却材を熱源にして蒸気を発生する蒸気発生器と、
    該蒸気発生器で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
    該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
    該復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器と、
    前記蒸気系の途中から蒸気を抽気して前記給水加熱器に接続する抽気管を少なくとも1本以上含み、
    前記複水器より出て前記給水加熱器を通った後に給水を前記蒸気発生器に向けて導く給水系とを備える原子力発電プラントにおいて、
    前記抽気管の少なくとも1本以上の途中には同じ抽気管上に抽気流量制御弁と抽気流量計測手段を備え、
    前記抽気流量計測手段の計測値と抽気流量の設定値を入力として用い、前記抽気流量制御弁の開度要求を出力する抽気流量制御器を備えることで、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2給水温度を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1給水温度よりも減少させた運転を行うことを特徴とする原子力発電プラント。
  6. 原子炉と、
    該原子炉で加熱された冷却材を熱源にして蒸気を発生する蒸気発生器と、
    該蒸気発生器で発生する蒸気が供給される高圧タービン及び低圧タービンを含む蒸気系と、
    該低圧タービンから排出された蒸気を凝縮する復水器と、
    該復水器から供給された給水を加熱する給水加熱器と、
    前記蒸気系の途中から蒸気を抽気して前記給水加熱器に接続する抽気管を少なくとも1本以上含み、
    前記複水器より出て前記給水加熱器を通った後に給水を前記蒸気発生器に向けて導く給水系とを備える原子力発電プラントにおいて、
    前記抽気管の少なくとも1本以上の途中には抽気流量制御弁を備え、前記蒸気発生器より下流側で前記高圧タービンよりも上流側には少なくとも1つ以上の主蒸気流量計測手段を備え、
    前記主蒸気流量計測手段の計測値と主蒸気流量の設定値を入力として用い、前記抽気流量制御弁の開度要求を出力する抽気流量制御器を備えることで、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも増大させ、
    前記原子炉の第2運転サイクルにおける第2給水温度を、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1給水温度よりも減少させた運転を行うことを特徴とする原子力発電プラント。
  7. 抽気流量制御弁を備える抽気管は、高圧タービン入口よりも下流側で低圧タービン入口よりも上流側から蒸気を抽気する抽気管である請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の原子力発電プラント。
  8. 原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力は、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも2%以上5%未満の範囲で大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の原子力発電プラント。
  9. 原子炉の第2運転サイクルにおける第2原子炉熱出力は、該第2運転サイクルより前の第1運転サイクルにおける第1原子炉熱出力よりも5%〜20%の範囲で大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の原子力発電プラント。

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