JP4432149B2 - 有機リン酸化合物、その製造方法、それを含む難燃剤及び難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン原子を含まない新規な有機リン酸化合物、その製造方法、それを含む難燃剤及び難燃性樹脂組成物に関するものであり、本発明の化合物は各種電気機器等に多用される難燃樹脂用配合型難燃剤として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、樹脂の難燃化に対して、ハロゲン系の難燃剤が難燃性、樹脂物性、価格の面で優れているために広く用いられてきたが、発煙性、加工及び燃焼時に毒性ガスが発生する等の問題により、近年、ハロゲン系化合物を使用しない難燃処方の開発が盛んに行われている。
【0003】
樹脂の難燃化を目的としたハロゲン原子を含まない難燃剤としては、例えば、には、トリフェニルホスフェートやトリクレジルホスフェート等のリン酸エステル系化合物(特公昭53−418号公報参照)、ポリリン酸アンモニウム(特開昭7−3309688号公報参照)、エチレンジアミンリン酸塩等のリン酸アミン(特開平5−156116号公報参照)、赤リン等のリン系難燃剤や、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛等の無機系難燃剤等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれら従来の難燃剤のうち、例えば、リン酸エステル系化合物は、揮発性が高く耐熱性が十分でないものが多く、また難燃性能及び配合樹脂の機械物性の低下等の問題があり、さらなる改善が求められていた。また水酸化マグネシウムに代表される無機系難燃剤や、ポリリン酸アンモニウム、赤リン、リン酸アミン等のリン系難燃剤も難燃性の面で必ずしも満足されていないのが現状である。その他、種々の非ハロゲン系難燃剤の提案がなされ、様々な用途で使い分けがなされているものの、近年の難燃規制の強化、配合した難燃樹脂の性能のさらなる向上要求が高く、従来品の課題を克服できる剤の創製が望まれていた。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハロゲン原子を含まない新規なリン酸エステル系化合物、その製造方法、それを含む難燃剤及びそれを配合した難燃性及び耐熱性に優れた難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明の有機リン酸化合物が耐熱性、難燃性付与性能に優れ、樹脂等に混ぜることで十分な難燃性を発揮させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、R1、R2は各々独立して炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環式のアルキル基を表し、a、bは各々独立して0〜3の整数を表し、mは1〜9の整数を表す。)
で示される有機リン酸化合物、下記一般式(2)
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、R3は各々独立して炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環式のアルキル基を表し、cは各々独立して0〜3の整数を表し、nは1〜9の整数を表す。)
で示される有機リン酸亜鉛化合物、それらの製造方法、それらを含む難燃剤及びそれらを樹脂に配合してなる難燃性樹脂組成物に関する。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明の有機リン化合物は上記一般式(1)又は一般式(2)で示される化合物である。
【0014】
本発明において、上記一般式(1)又は一般式(2)中のR1、R2、R3は各々独立して炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環式のアルキル基であり、a、b、cは0〜3の整数であり、置換基R1、R2、R3の位置は特に限定されない。また、一般式(1)又は一般式(2)中のm、nは1〜9の整数である。本発明においては、上記一般式(1)又は一般式(2)中のa,b,cは、製造の容易さから、0であることが好ましい。
【0015】
上記一般式(1)で表される有機リン酸化合物の具体例としては、フェニルリン酸の縮合物でmが1〜9の化合物、フェニルリン酸とトリルリン酸の縮合物でmが1〜9の化合物、フェニルリン酸とキシリルリン酸の縮合物でmが1〜9の化合物、フェニルリン酸と2−エチルフェニルリン酸の縮合物でmが1〜9の化合物、フェニルリン酸と3−n−プロピルフェニルリン酸の縮合物でmが1〜9の化合物、フェニルリン酸と4−t−ブチルフェニルリン酸の縮合物でmが1〜9の化合物、トリルリン酸とキシリルリン酸の縮合物でmが1〜9の化合物、トリルリン酸と2−エチルフェニルリン酸の縮合物でmが1〜9の化合物、トリルリン酸と3−n−プロピルフェニルリン酸の縮合物でmが1〜9の化合物、キシリルリン酸と2−エチルフェニルリン酸の縮合物でmが1〜9の化合物等が挙げられる。
【0016】
また上記一般式(2)で表される有機リン酸化合物の具体例としては、フェニルリン酸とリン酸の縮合物の亜鉛塩でnが1〜9の化合物、トリルリン酸とリン酸の縮合物の亜鉛塩でnが1〜9の化合物、キシリルリン酸とリン酸の縮合物の亜鉛塩でnが1〜9の化合物、2−エチルフェニルリン酸とリン酸の縮合物の亜鉛塩でnが1〜9の化合物、3−n−プロピルフェニルリン酸とリン酸の縮合物の亜鉛塩でnが1〜9の化合物、4−t−ブチルフェニルリン酸とリン酸の縮合物の亜鉛塩でnが1〜9の化合物等が挙げられる。
【0017】
本発明の有機リン酸化合物の製造方法については特に限定するものではないが、例えば、上記一般式(1)で示される有機リン酸化合物は、アリールリン酸ジクロライドとアリールリン酸との反応により容易に得ることができる。また上記一般式(2)で示される有機リン酸化合物は、アリールリン酸ジクロライドとリン酸との反応により得られる下記一般式(3)
【0018】
【化5】
【0019】
(式中、R3は炭素数1〜10の直鎖、分岐又は環式のアルキル基を表し、cは0〜3の整数を表し、nは1〜9の整数を表す。)
で示される化合物と亜鉛化合物との反応等により容易に得ることができる。
【0020】
本発明の上記一般式(1)又は一般式(2)で示される有機リン酸化合物の製造方法に用いられるアリールリン酸ジクロライドとしては、特に限定するものではないが、具体的には、フェニルリン酸ジクロライド、トリルリン酸ジクロライド、キシリルリン酸ジクロライド、2−エチルフェニルリン酸ジクロライド、3−n−プロピルフェニルリン酸ジクロライド、4−t−ブチルフェニルリン酸ジクロライド等が挙げられる。
【0021】
本発明の上記一般式(1)で示される有機リン酸化合物の製造方法に用いられるアリールリン酸としては、特に限定するものではないが、具体的には、フェニルリン酸、トリルリン酸、キシリルリン酸、2−エチルフェニルリン酸、3−n−プロピルフェニルジリン酸、4−t−ブチルフェニルリン酸等が挙げられる。
【0022】
本発明の上記一般式(2)で示される有機リン酸化合物の製造方法に用いられる亜鉛化合物としては、具体的には、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、過塩素酸亜鉛等の無機酸塩、安息香酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ギ酸亜鉛、乳酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛等の有機酸塩、亜鉛金属、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等が例示されるが、特に限定されることなく使用可能である。
【0023】
本発明の上記一般式(1)又は一般式(2)で示される有機リン酸化合物の製造方法において、アリールリン酸ジクロライドの使用量としては特に限定するものではないが、リン酸又はアリールリン酸に対して通常0.5〜3当量用いられる。
【0024】
本発明の上記一般式(2)で示される有機リン酸化合物の方法において亜鉛化合物の使用量としては、特に限定されるものではないが、アリールリン酸ジクロライドに対して通常1〜1.3当量用いられる。
【0025】
本発明の上記一般式(1)又は一般式(2)で示される有機リン酸化合物の製造方法において、反応温度としては、アリールリン酸ジクロライド及び亜鉛化合物の種類により左右されるため一概にいえないが、通常−10℃〜300℃の範囲で実施され、より好ましくは100℃〜250℃の範囲である。
【0026】
本発明の上記一般式(1)又は一般式(2)で示される有機リン酸化合物の製造方法において、反応時間としては、アリールリン酸ジクロライド及び亜鉛化合物の種類及び反応温度により左右されるため一概にいえないが、通常1〜24時間の範囲で実施され、より好ましくは3〜10時間の範囲である。
【0027】
本発明の有機リン酸化合物を樹脂に配合することにより、難燃性樹脂組成物とすることができる。その場合には、上記一般式(1)又は一般式(2)で表される有機リン酸化合物のうちの、単一の構造の化合物を用いるのみならず、本発明の範囲内で任意の位置に置換基を有したものや、置換数の数の異なるものを混合物として樹脂に混ぜても良い。
【0028】
本発明の有機リン酸化合物が配合可能な樹脂としては、特に限定するものではなく、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、発泡ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(以下ABSと略す)、ポリプロピレン、石油樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂が挙げられ、さらに熱可塑性樹脂を2種以上混合したポリカーボネート−ABS、ポリフェニレンエーテル−ポリスチレン等に代表されるポリマーアロイ等も例示できる。これらのうち、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、発泡ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、ポリプロピレン、石油樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂や、熱可塑性樹脂を2種以上混合したポリカーボネート−ABS、ポリフェニレンエーテル−ポリスチレン等に代表されるポリマーアロイが好適な樹脂として例示される。
【0029】
本発明の有機リン酸化合物の樹脂への配合量としては、配合する樹脂の種類や目的とする難燃性能により異なり、特に限定されるものではないが、樹脂100重量部に対して1〜100重量部配合することが好ましく、さらに難燃性樹脂組成物としての効果をより発揮させるために10〜100重量部、特に15〜100重量部配合することが好ましい。
【0030】
本発明の有機リン酸化合物を樹脂に配合するにあたり、上記一般式(1)で示される有機リン酸化合物及び上記一般式(2)で示される有機リン酸化合物からなる群より選ばれる1種を単独で配合しても、2種以上を混合しても配合してもよく、さらにその他のリン酸化合物、臭素含有化合物等の難燃剤を併用して配合してもよい。
【0031】
本発明の有機リン酸化合物を樹脂に配合するにあたり、三酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、テフロン、ポリエーテルイミド、ほう酸亜鉛、メラミンシアヌレート等の難燃助剤を添加してもよく、この場合、本発明の有機リン酸化合物100重量部に対して通常5〜80重量部添加される。
【0032】
さらに必要に応じて、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体の光安定剤、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤等を添加してもよく、この場合本発明の難燃性樹脂組成物100重量部に対して通常0.05〜5重量部添加される。これらの他、必要に応じて帯電防止剤やタルク、グラスファイバー等の無機充填剤を添加してもよい。
【0033】
本発明の有機リン酸化合物の樹脂への配合方法としては、説くに限定するものではないが、熱硬化性樹脂に配合する場合には、例えば、予め本発明の有機リン酸化合物を樹脂原料に分散させた後硬化させればよい。また、熱可塑性樹脂に配合する場合には、例えば、コニカルブレンダーやタンブラーミキサーを用いて必要な配合試剤を混合し、二軸押出機等を用いてペレット化してもよい。これらの方法で得られた難燃性樹脂組成物の加工方法は、特に限定されるものではなく、例えば、押出成型、射出成型等を行い、目的とする成型品を得ることができる。
【0034】
本発明の有機リン酸化合物は耐熱性が高いため、樹脂に配合する際に高温での処理が必要であっても難燃性能が低下することなく配合でき、多くの樹脂に適用できるという利点がある。
【0035】
本発明の難燃剤は主成分として本発明の有機リン酸化合物を含むものであり、樹脂等へ配合することで難燃性能を付与できるものである。本発明においていう主成分とは、難燃剤の効果を示す成分であり、難燃剤の効果が認められる量を有していればよい。本発明の難燃剤に含まれる他の成分としては、本発明の難燃剤以外の既存の難燃剤、上記した難燃助剤、増量剤、劣化防止剤等を含んでいてもよい。剤型としては使用する態様により選択すればよく、溶液状、懸濁状、固形状等種々の剤型を採用できる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0037】
参考例1
撹拌機、温度計及び冷却管を備えた1リットルのガラス反応器にフェニルリン酸ジクロライド84.4g(0.40モル)及びフェニルリン酸69.6g(0.40モル)を仕込み、撹拌下、210℃まで昇温し、同温度で3時間反応を行った。反応終了後、粘稠な有機リン酸化合物(A)118.9g(収率95.2%)を得た。
【0038】
この得られた粘稠物について、元素分析、赤外吸収スペクトル及び熱天秤を測定した結果を以下に示す。
【0039】
尚、元素分析は炭素及び水素については元素分析計により、リンはICPにより行った。また、熱天秤測定は、空気中、室温より600℃まで10℃/分の速度で昇温させる条件にて行った。
【0040】
A.元素分析
【0041】
【表1】
【0042】
表1より明らかなようにこの化合物は、下式(4)で示される化合物の理論値とほぼ一致した。
【0043】
【化6】
【0044】
B.赤外吸収スペクトル(KBr、ν cm-1):3375、1702、1592、1490、1207、1164、1102、1024、985、928、771、763、688。
【0045】
C.熱天秤(℃):5%重量減少(305)、10%重量減少(319)、50%重量減少(391)。
【0046】
実施例2
撹拌機、温度計及び冷却管を備えた1リットルのガラス反応器にフェニルリン酸ジクロライド105.5g(0.50モル)及びオルトリン酸49.0g(0.50モル)を仕込み、撹拌下、210℃まで昇温し、同温度で3時間反応を行った。反応終了後、粘稠物104.6g(収率88.6%)を得た。
【0047】
この得られた粘稠物について、元素分析、赤外吸収スペクトル及び熱天秤を測定した結果を以下に示す。
【0048】
D.元素分析
【0049】
【表2】
【0050】
表2より明らかなようにこの化合物は、下式(5)で示される化合物の理論値とほぼ一致した。
【0051】
【化7】
【0052】
E.赤外吸収スペクトル(KBr、ν cm-1):2755、2272、1693、1591、1490、1203、1024、933、770、688、507。
【0053】
F.熱天秤(℃):5%重量減少(252)、10%重量減少(279)。
【0054】
次に撹拌機、温度計及び冷却管を備えた1リットルのガラス反応器に先に得られた粘稠物70.8g及び塩化亜鉛20.4g(0.15モル)を仕込み、撹拌下、150℃まで昇温し、同温度で3時間反応を行った。反応終了後、水洗、濾過することにより含亜鉛有機リン酸化合物(B)50.7g(収率63.1%)を得た。
【0055】
この得られた白色粉末について、元素分析、赤外吸収スペクトル及び熱天秤を測定した結果を以下に示す。
【0056】
G.元素分析
【0057】
【表3】
【0058】
表3より明らかなようにこの化合物は、下式(6)で示される化合物の理論値とほぼ一致した。
【0059】
【化8】
【0060】
H.融点:196〜215℃。
【0061】
I.赤外吸収スペクトル(KBr、ν cm-1):3413、2361、1636、1590、1491、1217、1149、1027、1000、971、933、786、760、688、619、585、520。
【0062】
J.熱天秤(℃):5%重量減少(251)、10%重量減少(284)。
【0063】
参考例3、実施例4〜実施例5
表4に示すように、PPE(旭化成製、商品名:ザイロン500H)100重量部に対して、参考例1で得られた有機リン酸化合物(A)[表4中では化合物Aと記載]及び/又は実施例2で得られた含亜鉛有機リン酸化合物(B)[表4中では化合物Bと記載]15重量部を配合し、異方二軸押出機にてシリンダー温度285℃でペレット化を行い、射出成形機にて295℃で試料片を作製した。得られた試料片を、JIS K7201に規格されている酸素指数測定法に準拠して燃焼性の評価を行った。その結果を表4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】
実施例4〜実施例5と比較例1を比較すると、本発明の化合物Bを配合して得られた難燃性樹脂組成物は、市販剤を配合して得た樹脂組成物よりも優れた難燃性及び耐熱性を示すことが分かる。
【0066】
実施例3〜実施例5と比較例1を比較すると、本発明の化合物A及び/又は化合物Bを配合して得られた難燃性樹脂組成物は、市販剤を配合して得た樹脂組成物よりも優れた難燃性及び耐熱性を示すことが分かる。
【0067】
比較例2
ポリリン酸アンモニウムに変えて水酸化マグネシウム(協和化学製、商品名:キスマ5B)を15重量部配合する以外は、比較例1と同様に試料片を作製した。得られた試料片を、JIS K7201に規格されている酸素指数測定法に準拠して燃焼性の評価を行った。その結果を表4にあわせて示す。
【0068】
なお、比較例2で得られた試験片は機械強度が低く、実用に耐えるものではなかった。
【0069】
比較例3
ポリリン酸アンモニウムに変えてリン酸メラミン(三和ケミカル製、商品名:MPP−A)を15重量部配合する以外は、比較例1と同様に試料片を作製した。得られた試料片を、JIS K7201に規格されている酸素指数測定法に準拠して燃焼性の評価を行った。その結果を表4にあわせて示す。
【0070】
【発明の効果】
本発明の有機リン酸化合物は新規な化合物であり、耐熱性が高いため、樹脂に配合する際に高温での処理が必要であっても難燃性能が低下することなく配合でき、多くの樹脂に適用できるという利点があるため、難燃剤として優れた性能を示す。
【0071】
また本発明の製造方法は、本発明の有機リン酸化合物を容易に製造できるものであり、工業的に極めて有用である。
【0072】
さらに、本発明の有機リン酸化合物を熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に配合して得られる難燃性樹脂組成物は、高い難燃性能と高い耐熱性能を有する。
Claims (6)
- アリールリン酸ジクロライドとリン酸を反応させ、次いで亜鉛化合物と反応させることを特徴とする請求項1に記載の有機リン酸化合物の製造方法。
- アリールリン酸ジクロライドが、フェニルリン酸ジクロライド、トリルリン酸ジクロライド、キシリルリン酸ジクロライド、2−エチルフェニルリン酸ジクロライド、3−n−プロピルフェニルリン酸ジクロライド及び4−t−ブチルフェニルリン酸ジクロライドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の有機リン酸化合物の製造方法。
- 請求項1に記載の有機リン酸化合物を主成分として含む難燃剤。
- 樹脂100重量部に対して請求項1に記載の有機リン酸化合物を1〜100重量部含む難燃性樹脂組成物。
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