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JP4433482B2 - アルミニウム基複合材の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、アルミニウム基複合材の製造方法に関するものである。
アルミニウム基複合材は、例えば、アルミニウム合金とセラミックス製の粉末を混合したもので、セラミックス製粉末の含有率を調節したものがある。セラミックス製粉末の含有率を複合材の部位別に増減させる製造方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−226925公報(第7頁、図1)
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図8は、従来の技術(特許文献1)の基本構成を説明する図であり、従来の複合材料の製造方法は、金型101内に粉末102を入れる。次に、溶融状態のアルミニウム合金に粉末102を混合した溶湯103を加圧状態で注入する。加圧によって溶湯103が金型101内に入れた粉末102と粉末102との間に浸透する。浸透させた後、金型101を冷却して、溶融状態のアルミニウム合金を凝固させ、複合材料104が完成する。複合材料104は、先に入れた粉末102にアルミニウム合金を浸透させることで形成した高密度部105と、混合済みの溶湯103で形成した低密度部106とからなる。
しかし、特許文献1の複合材料の製造方法では、粉末102間の隙間に溶融状態のアルミニウム合金を浸透させる際に、温度低下や残留する空気によって、高密度部105や低密度部106に空洞を生じることがある。空洞の大きさや位置によっては、複合材料104の歩留りが悪くなる。
本発明は、粉末間の隙間並びに溶解アルミニウム合金から抜けずに残存した気体とによって生じる空洞の発生を防止するアルミニウム基複合材の製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、坩堝に酸化物系セラミックスからなる多孔質成形体又は粉末を置き、この多孔質成形体又は粉末の上にアルミニウム合金を載せる第1工程と、坩堝とともにマグネシウム又はマグネシウム発生源を炉内に収める第2工程と、炉を窒素雰囲気下にするとともに加熱することで、窒化マグネシウムを生成し、窒化マグネシウムの作用によって多孔質成形体又は粉末を還元するとともに炉内を減圧下し、還元した多孔質成形体又は粉末に溶解アルミニウム合金を浸透させてアルミニウム基複合材を得る第3工程と、からなるアルミニウム基複合材の製造方法において、第3工程では、坩堝の上方に位置する上部熱源と、中央に位置する中央部熱源と、下方に位置する下部熱源とからなるとともにこれらの上・中央・下部熱源を別々に制御可能な加熱手段を用い、浸透させた後の降温速度を、炉内上部の降温速度に対して、炉内下部の降温速度を速くすることで、坩堝の上部に位置する溶解アルミニウム合金を溶融した状態に維持し、その後、溶解アルミニウム合金を凝固させることを特徴とする。
請求項1に係る発明は、第3工程では、坩堝の上方に位置する上部熱源と、中央に位置する中央部熱源と、下方に位置する下部熱源とからなるとともにこれらの上・中央・下部熱源を別々に制御可能な加熱手段を用い、浸透させた後の降温速度を、炉内上部の降温速度に対して、炉内下部の降温速度を速くして、坩堝の上部に位置する溶解アルミニウム合金を溶融した状態に維持し、その後、溶解アルミニウム合金を凝固させるので、坩堝に入れた粉末の上部は溶解した状態が続き、粉末間の隙間に残存した気体並びに溶解アルミニウム合金が巻き込んだ気体は上部に流動して集まる。つまり、空洞を含む上部を切り離すことで、空洞のないアルミニウム基複合材を得ることができる。従って、粉末間の隙間並びに溶解アルミニウム合金から抜けずに残存した気体とによって生じる空洞の発生を防止することができるという利点がある。
また、浸透させた後の降温速度を、炉内上部の降温速度に対して、炉内下部の降温速度を速くして、坩堝の上部に位置する溶解アルミニウム合金を溶融した状態に維持し、その後、溶解アルミニウム合金を凝固させるので、下部に浸透した溶解アルミニウム合金の凝固を、溶解アルミニウム合金に気体を残存させることなく行うことができる。その結果、炉内上部の降温速度と同じように炉内下部の降温速度を設定して、上部に空洞を集め、空洞の発生を防止する場合に比べ、溶解アルミニウム合金を凝固させる時間を短縮することができ、サイクルタイムを短縮することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法のフローチャートであり、ST××はステップ番号を示す。
第1工程では、ST01,ST02を実施する。
第2工程では、ST03を実施する。
第3工程では、ST04〜ST07を実施する。
ST01:粉末11、多孔性仕切り体12及びアルミニウム合金13を準備する。
ST02:坩堝14内に順に粉末11、多孔性仕切り体12及びアルミニウム合金13を載せる。
ST03:、坩堝14を炉15内に置く。
ST04:炉15内を加熱しながら、窒化マグネシウム雰囲気下で粉末11を還元し、その後、炉15内を減圧する。加熱、減圧状態でアルミニウム合金13を溶かし、多孔性仕切り体12上に溜める。
ST05:溶解アルミニウム合金17の上面を加圧し、多孔性仕切り体12を強制的に通過させて、粉末11に浸透させる。
ST06:浸透させた後、炉15内の降温速度を、炉内上部18の降温速度Vuに対して、炉内下部21の降温速度Vsを速くして、溶解アルミニウム合金17を降温する。
ST07:溶解アルミニウム合金17が凝固し、アルミニウム基複合材22が完成する。
次に、ST01〜ST07を具体的に説明する。
図2(a),(b)は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第1工程を説明する図である。
(a):粉末11は、アルミナ(Al)とマグネシウム(Mg)を混合した混合粉である。
多孔性仕切り体12は、アルミナ(Al)の粉末23を0.5mm〜2.0mmの厚さにしたシートであり、粉末23の平均粒径は、50μm〜100μmが望ましい。
アルミニウム合金13は、例えば、Al−Mg−Si系合金の一種であるJIS−A6061である。
なお、酸化物系セラミックスからなる粉末11を用いたが、酸化物系セラミックスからなる多孔質成形体を用いてもよい。
また、多孔性仕切り体12は、シートを採用したが、粉末を堆積させたものでもよい。
(b):その次に、坩堝14に酸化物系セラミックスからなる粉末11を置き、この粉末11の上に多孔性仕切り体12を載せ、多孔性仕切り体12の上にアルミニウム合金13を載せる。
図3は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第2工程を説明する図である。
粉末11、多孔性仕切り体12、アルミニウム合金13を入れた坩堝14を複合材製造装置31の炉15に入れる。
ここに示す一例では、既にマグネシウムを粉末11内に含めたから、マグネシウムを炉15内に収める作業は省かれる。
なお、既に粉末11内にマグネシウム(Mg)を分散させた状態なので、マグネシウムを入れた容器を用意しないが、粉末11と混合しない場合や坩堝14内にマグネシウムを入れない場合には、坩堝14とは別に、マグネシウムを入れた容器を用意する。
複合材製造装置31は、炉15と、この炉15に接続し、ガスを供給するガス供給装置32と、炉15内を減圧する真空ポンプ33と、これらの炉15、ガス供給装置32及び真空ポンプ33を制御する制御装置34と、を備える。減圧とは、大気圧より低い圧力を意味する。
炉15は、加熱手段35と、加熱手段35の内側に配置したタイトボックス36と、このタイトボックス36内に配置し坩堝14を載せる載置台37と、を備える。
加熱手段35は、電気ヒータ(カーボンヒータを含む。)であり、坩堝14の上方に位置した上部熱源41,41と、中央に位置した中央部熱源42,42と、下方に位置した下部熱源43,43と、坩堝14の上方に配置した熱電対45と、下方に配置した熱電対46と、を備える。
ガス供給装置32は、不活性ガス供給手段47と、窒素ガス供給手段48と、切換え弁49と、炉15のノズル51に接続した管52と、炉15内に配置した供給ノズル53と、を備え、管52、供給ノズル53を介して不活性ガス又は窒素ガス(N)を供給する。
図4は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第1図であり、作用を模式的に示す。タイトボックス36(図3参照)を省いた図である。図3を併用して説明する。
まず、炉15を窒素雰囲気下にするとともに加熱することで、窒化マグネシウム(Mg)を生成する。
具体的には、炉15内の酸素を除去するために炉15内を真空ポンプ33で真空引きし、一定の真空度に達したら、真空ポンプ33を止め、切換え弁49の作動で不活性ガス供給手段47から炉15内に不活性ガス(例えば、アルゴンガス(Ar))を供給し、加熱手段35の上部熱源41,41、中央部熱源42,42及び下部熱源43,43で矢印a1・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)のように粉末11(マグネシウム(Mg)を含む。)及びアルミニウム合金13の加熱を開始する。
また、炉内上部18の温度を熱電対45で検出し、炉内下部21の温度を熱電対46で検出し、所定の昇温速度VTu(図7参照)で昇温(自動)する。昇温速度VTuは、炉内上・下部18,21の設定温度である。
炉内上・下部18,21がともに、所定温度(例えば、約750℃〜約900℃)に達する過程では、炉15内は不活性ガスの雰囲気下にあるので、アルミニウム合金13及びマグネシウム(Mg)が酸化することはない。
切換え弁49の作動で窒素ガス供給手段48から炉15に窒素ガスを供給し、同時に真空ポンプ33で不活性ガスを抜き、炉15内の雰囲気を窒素ガスに置換する。炉15内が窒素ガスの雰囲気になると、窒素ガスは、マグネシウムと反応して窒化マグネシウム(Mg)を生成する。
引き続き、窒化マグネシウム(Mg)の作用で粉末11を還元するとともに炉15内を減圧下にする。
窒化マグネシウムは、粉末11のアルミナ、及び多孔性仕切り体12のアルミナを還元するので、アルミナは濡れ性がよくなる。
アルミナを還元後、窒素ガスの供給を停止し、炉15内の気体を真空ポンプ33で真空引きし、所定の真空度にする。その際、粉末11間の隙間内(成形体の場合は気孔内)の気体、及び多孔性仕切り体12の隙間内の気体は吸引され、真空度は炉15内と同様となる。図面では、白抜き矢印が図面上方に向いて炉15内、粉末11間の隙間内及び多孔性仕切り体12の隙間内の圧力が大気圧より低いことを示す。
図5は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第2図である。図4を併用して説明する。
続けて、還元した粉末11に溶解アルミニウム合金17を浸透させてアルミニウム基複合材22を得る。
具体的には、還元後に、アルミニウム合金13の温度は溶解が始まる温度に至り(図7の保持温度Tcを参照)、溶解アルミニウム合金17が多孔性仕切り体12の上面に溜まり始め、溶解アルミニウム合金17は上面を封じる。
引き続き、炉15に不活性ガスを不活性ガス供給手段47で供給する。そして、炉15内の圧力を所望の圧力まで上げ、加圧すると、溶解アルミニウム合金17は押され、多孔性仕切り体12の隙間に入り、通過し、減圧状態の粉末11間に浸透し始める。図面では、白抜き矢印が図面下方に向いて大気圧より高いことを示す。
図6は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第3図である。
粉末11間に溶解アルミニウム合金17を浸透させた直後に、降温を開始する。
第3工程で実施する降温は、坩堝14の下部を先に降温し、坩堝14の上部の温度を下部の温度より高くすることで、坩堝14の上部に位置する溶解アルミニウム合金17を溶融した状態に維持する。
まず、下方に位置した下部熱源43,43と中央に位置した中央部熱源42,42の温度(出力)を下げ、しばらくして、上方に位置した上部熱源41,41の温度(出力)を下げる。なお、上部熱源41,41を太線で示し、下部熱源43,43並びに中央部熱源42,42の温度より上部熱源41,41の温度が高いことを示す。
この降温過程では、坩堝14に入れた下部56の粉末11間の隙間内に溶解アルミニウム合金17が浸透し、その後、上部57に気孔が上昇して空洞58(×印で示す。)となり、溶解アルミニウム合金17が凝固し、アルミニウム基複合材22が完成する。
空洞58は平均直径が数mmの気孔であり、粉末11間の隙間に残存した気体並びに溶解アルミニウム合金17から抜けずに残存した気体で生じる。
なお、第3工程より下流の工程で、アルミニウム基複合材22に含まれる多孔性仕切り体12を切り離す。すなわち、多孔性仕切り体12並びに上部57を取り除くと、空洞58のないアルミニウム基複合材22が完成する。
図7は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する降温温度チャートである。横軸を時間t(分)とし、縦軸を温度T(℃)とした。
破線は、炉内下部21の設定降温温度である。
実線は、炉内上部18の設定降温温度である。
一点鎖線は、上部57に浸透した溶解アルミニウム合金17の温度である。
二点鎖線は、下部56に浸透した溶解アルミニウム合金17の温度である。
炉内下部21の降温温度(破線)は、保持温度Tcで保持時間Cだけ保持し、保持完了時間teから降温速度VT1(破線と実線が重なる)で降温し、温度Te1から降温速度VT2で降温し、温度Te2から降温速度VT3で降温する。
温度Te1は、設定温度において、溶融状態を維持する温度であり、素材の特性によって決定する。
温度Te2は、少なくとも坩堝14内の上部に位置する溶解アルミニウム合金17を加熱しても、坩堝14内の下部に位置する溶解アルミニウム合金17の温度が固相線温度以下になる温度である。温度Te2は、素材の特性によって決定する。
炉内上部18の降温温度は(実線)、保持温度Tcで保持時間Cだけ保持し、保持完了時間teから降温速度VT1で降温し、温度Te1から降温速度VT4で降温し、所定温度に達した時点か、若しくは時間t2に達した時点から降温速度VT5で降温する。
ここでは、降温速度VT4は、保持温度Te1、保持時間C1としたので、降温速度ではないが、降温速度とする場合には、VT4<VT2とし、かつ、炉内上部18の温度をTe1程度に所定時間保持する勾配に設定する。
つまり、浸透させた後の降温速度を、炉内上部18の降温速度VT4に対して、炉内下部21の降温速度VT2を速くした。
このように、第3工程では、坩堝14の上方に位置する上部熱源41,41と、中央に位置する中央部熱源42,42と、下方に位置する下部熱源43,43とからなるとともにこれらの上・中央・下部熱源41〜43を別々に制御可能な加熱手段35を用い、浸透させた後の降温速度を、炉内上部18の降温速度VT4に対して、炉内下部21の降温速度VT2を速くした。その結果、上部57は溶解した状態が続き、粉末11間の隙間並びに溶解アルミニウム合金17が巻き込んだ気体は上部57に流動して集まる。従って、粉末11間の隙間に残存した気体並びに溶解アルミニウム合金17から抜けずに残存した気体とによって生じる空洞58の発生を防止することができる。
また、浸透させた後の降温速度を、炉内上部18の降温速度VT4に対して、炉内下部21の降温速度VT2を速くしたので、下部56に浸透した溶解アルミニウム合金17の凝固を、溶解アルミニウム合金17に気体を残存させることなく行うことができる。その結果、炉内上部18の降温速度VT4と同じように炉内下部21の降温速度VT2を設定して、上部57に空洞58を集め、空洞58の発生を防止する場合に比べ、溶解アルミニウム合金17を凝固させる時間を短縮することができ、サイクルタイムを短縮することができる。
本発明のアルミニウム基複合材の製造方法は、アルミニウム基複合材の製造に好適である。
本発明のアルミニウム基複合材の製造方法のフローチャート 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第1工程を説明する図 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第2工程を説明する図 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第1図 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第2図 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第3図 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する降温温度チャート 従来の技術(特許文献1)の基本構成を説明する図
符号の説明
11…粉末、13…アルミニウム合金、14…坩堝、15…炉、17…溶解アルミニウム合金、18…炉内上部、21…炉内下部、22…アルミニウム基複合材、34…制御装置、35…加熱手段、41…上部熱源、42…中央部熱源、43…下部熱源、Vu…炉内上部の降温速度、Vs…炉内下部の降温速度。

Claims (1)

  1. 坩堝に酸化物系セラミックスからなる多孔質成形体又は粉末を置き、この多孔質成形体又は粉末の上にアルミニウム合金を載せる第1工程と、
    前記坩堝とともにマグネシウム又はマグネシウム発生源を炉内に収める第2工程と、
    炉を窒素雰囲気下にするとともに加熱することで、窒化マグネシウムを生成し、窒化マグネシウムの作用によって多孔質成形体又は粉末を還元するとともに炉内を減圧下し、還元した多孔質成形体又は粉末に溶解アルミニウム合金を浸透させてアルミニウム基複合材を得る第3工程と、からなるアルミニウム基複合材の製造方法において、
    前記第3工程では、坩堝の上方に位置する上部熱源と、中央に位置する中央部熱源と、下方に位置する下部熱源とからなるとともにこれらの上・中央・下部熱源を別々に制御可能な加熱手段を用い、前記浸透させた後の降温速度を、炉内上部の降温速度に対して、炉内下部の降温速度を速くすることで、前記坩堝の上部に位置する前記溶解アルミニウム合金を溶融した状態に維持し、その後、前記溶解アルミニウム合金を凝固させることを特徴とするアルミニウム基複合材の製造方法。
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