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JP4433533B2 - 被覆粒状肥料及びその製造方法 - Google Patents
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JP4433533B2 - 被覆粒状肥料及びその製造方法 - Google Patents

被覆粒状肥料及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、肥料の溶出が精度良く調節された被覆粒状肥料とその製造方法に関する。詳しくは、特定の熱硬化性樹脂と特定のワックス類からなる被覆材で被覆された肥効調節型被覆粒状肥料に関する。さらに詳しくは、油変性アルキド樹脂とジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと言う)及び/又はトリレンジイソシアネート(以下TDIと言う)との反応により造られたポリウレタン樹脂とカルナバワックスを主構成成分とする被覆材で被覆された肥効調節型被覆粒状肥料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、閉鎖性水域の富栄養化や硝酸性窒素による地下水汚染などの環境問題から、肥料の低減など環境負荷軽減が課題となっている。また、農業人口の減少により省力型肥料が要請され、また、作物の中には、生育初期には養分補給が僅少でよく、生育期には適量の養分を必要とする作物があり、この様な作物に関し、初期に肥料溶出が抑制され適期に適量の養分補給が可能な肥料が求めれている。この様な課題に対して、従来の化成肥料と比較して養分供給パターンをコントロールしやすい肥効調節型の被覆肥料が提案され、実用化されている。
【0003】
しかし、被覆肥料を使用していく上で新たに問題も発生している。即ち、被覆肥料が生分解性樹脂でない場合、被膜が圃場に残留し環境汚染を招来することがある。また、溶剤型樹脂を使用した場合、大気汚染を招来し、被覆肥料製造時に於ける作業者への影響(毒性)、火災(引火性)等の問題、溶剤の除去・回収等の複雑さ等多大の費用を要する問題がある。そのため、製造時に有機溶剤を使用する必要がなく、且つ生分解性を考慮しやすい熱硬化性樹脂が提案されている。
【0004】
熱硬化性樹脂を被覆材として使用したものとして、例えば、特公昭40-28927号公報がある。当該公報には脂肪油変性アルキド樹脂、脂肪油変性ジシクロペンタジエン重合体、ジイソシアネート変性脂肪油重合体などが開示されている。しかし、これらの樹脂はオレフィン樹脂と比べて透水性が高いため、溶出の調節が困難である。油変性アルキド樹脂とワックスを使用した被覆材も提案されている。例えば、特公昭59-30679号公報には乾性油変性フタル酸樹脂ワニス単独またはこのものと相溶性のある有機資材(ロジン、パラフィン、ワックス、塩素化パラフィン等)との混合物で被覆された粒状肥料が開示されている。また、特開平6-56567号公報、特開平6-191980号公報、特開平6-191981号公報、特開平7-69770号公報、特開平7-215789号公報には、油変性アルキド樹脂と分子中に共役二重結合を有する不飽和油とを必須成分とし、これにワックス、石油樹脂、ロジン、エステルガム、ボイル油等を加えた被覆材が開示されている。
【0005】
また、特開平8-151286号公報にはワックス類で一次被覆され、さらにその表面をアルキド樹脂と水に可溶あるいは膨潤する物質から選ばれた少なくとも、1種類を含む材で二次被覆された後、一次被覆を溶融もしくは軟化処理した多層被覆粒状肥料が開示されている。しかしながら、アルキド系被覆材は被覆膜強度が弱いため欠陥を生じやすく、ワックスの持つ撥水効果が十分に作用せず、精度の良い溶出の調節が困難である。
【0006】
一方、ポリウレタン樹脂を被覆材として使用したものに米国特許第3264089号がある。この発明はポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の反応物からなるウレタン樹脂を被覆材とした被覆肥料を開示している。特公昭54-39298号公報はポリオキシプロピレン化合物とイソシアネート化合物とを反応させることによりポリウレタン被覆層を形成した被覆粒状肥料を提案している。また、特公平7-16648号公報にはポリイソシアネート、フェノールホルマリン縮合物、ヒドロキシ基含有軟化剤、触媒アミンからなる無溶剤型被覆剤が、特開平4-305085号公報にはポリイソシアネートとウールグリスまたはラノリン等から誘導されるポリオールとを有機溶剤に溶解してなる被覆剤が、米国特許第5374292号にはMDI、ポリエチレンテレフタレート、トリエタノールアミン、マイクロクリスタリンワックスからなる被覆緩効性肥料が開示されている。
【0007】
さらにまた、特開平9-208355号公報には親水性(架橋密度)の異なる2種類乃至それ以上の熱硬化性樹脂(無溶剤型液状ウレタン樹脂)を使用した被覆肥料が、特開平10-29886号公報にはオキシエチレン基とエステル基を含有するポリウレタン樹脂からなる被覆剤が、特開平10-324587号公報にはポリオール成分とポリイソシアネート成分から誘導され、オキシアルキレン基とエステル基を含有するポリウレタン樹脂からなる被覆剤が、特開平10-265288号公報には芳香族ポリイソシアネートから得られるイソシアネート基末端プレポリマー、ヒマシ油又はヒマシ油誘導体ポリオール、アミン系ポリオールからなるポリウレタン樹脂で被覆された被覆粒状肥料が開示されている。しかしながら、これらポリウレタン樹脂の中には構成成分により樹脂が分解せずに残存する問題がある。また、この様な方法で得られたポリウレタン樹脂には限界があり、オレフィン樹脂等より透水性が高いためポリウレタン樹脂単独では溶出の調節精度が悪くならざるを得ない。特開平8-2988号公報には被覆製造槽内への樹脂付着を防止する目的で、熱硬化性樹脂を被覆後、乾燥硬化する前にワックス類で処理する方法が示されているが、通常の量では溶出を精度良く調節することはできない。
【0008】
被覆製造法に関し、例えば得られた被覆粒状樹脂を加熱処理する方法が有用であることが示されている。特開平7-315975号公報においては粒状物質の被覆方法として、熱可塑性物質を一次被覆後、熱硬化性樹脂を二次被覆し、一次被覆された熱可塑性物質を溶融もしくは軟化処理する方法が開示されているが、ここに開示されている方法のみでは、十分に肥料溶出を制御することができない。また、被覆方法も煩雑である。特開平8-225387号公報は熱可塑性樹脂を被覆後、熱処理をすることを特徴とする被覆肥料の製造方法を開示している。この方法は肥料溶出制御方法としては有効な方法であるが、熱可塑性樹脂は溶融しても粘度が高いため溶剤なしでは均一な被膜を形成することが困難である。さらに、特開平9-202683号公報は噴霧と乾燥を繰り返し粒状肥料表面上に熱硬化性樹脂被覆膜を形成する方法を開示しているが、熱硬化性樹脂単独では塗膜間隙が多くなり溶出の調節は困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは、分解性を考慮した原料を用い、簡便な方法で、有機溶剤を使用することなく溶出が精度良く調節された被覆粒状肥料を製造する方法について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、油変性アルキド樹脂とMDI及び/又はTDIからなるポリウレタン樹脂とカルナバワックスを主構成成分とする被覆材で被覆された被覆粒状肥料に関する。既に述べた様に、ポリオール成分に油変性アルキド樹脂を用いる利点として、これを用いたポリウレタン樹脂単独で溶出が調節可能な点であり、さらにワックスを用いると作業性の改善又は溶出の調節が可能なことは特開平10-265288号公報に開示されている。しかしながら本発明に於いては、ワックスにカルナバワックスを使用し、ポリウレタン樹脂としてポリオール成分である油変性アルキド樹脂とMDI及び/又はTDIの反応物を利用することにより、工業的に容易に硬度が高く且つ欠陥の少ない撥水性被膜を形成することが可能となったものである。
【0011】
さらに詳しく言えば、本第1の発明は、油変性アルキド樹脂とMDI及び/又はTDIとの反応により造られたポリウレタン樹脂とカルナバワックスとを主構成成分とする被覆材であって、ポリウレタン樹脂とカルナバワックスの重量比が1:0.25〜1:1の範囲にある被覆材で被覆された被覆粒状肥料に関し、本第2の発明は、油変性アルキド樹脂(A)とカルナバワックス(B)とMDI及び/又はTDI(C)とを別々に又は(A)と(B)との混合物と(C)とを別々に肥料粒に噴霧し乾燥することを特徴とする被覆粒状肥料の製造方法に関する。また、本第3の発明は油変性アルキド樹脂(A)とカルナバワックス(B)とMDI及び/又はTDI(C)とを別々に又は(A)と(B)との混合物と(C)とを別々に肥料粒に噴霧し乾燥した後、カルナバワックスの軟化又は溶融温度以上の温度で熱処理することを特徴とする被覆粒状肥料の製造方法に関し、本第4の発明は、噴霧し乾燥することを少なくとも5回以上繰り返し行うことを特徴とする被覆粒状肥料の製造方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する油変性アルキド樹脂は公知の方法により得られるもの、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸等の多塩基酸とグリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、及び変性剤として天然植物油あるいは動物油等を加熱縮合して得られる一般的なものであり特に制限はない。本発明においては、これをウレタン化して被覆材として使用するため、被覆膜の強度の点から水酸基価は20〜400のものが好ましい。また、酸価に関して言えば、酸価が高いとウレタン化反応が阻害され被膜の乾燥性が悪くなるとともに目的の被膜強度が得られないため、酸価は15以下、さらに好ましくは10以下である。使用される油変性アルキド樹脂の粘度は低いものが望ましく、ウレタン化して樹脂とした場合の膜強度の観点から、変性剤としてはアマニ油、ヒマシ油が、多塩基酸としては無水フタル酸が、また、多価アルコールとしてはグリセリンが特に推奨される。しかし、これらに限定されるものではない。
【0013】
ウレタン化に際し使用されるイソシアネート化合物は、MDI、TDIである。詳しくは、MDIは精製されて得られるモノメリックMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)、オリゴマーの存在するポリメリックMDIである。また、TDIは2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートである。また、それらの混合物も使用することができる。しかし、これらのうち被膜形成性の点からポリメリックMDIがもっとも好ましい。
【0014】
油変性アルキド樹脂とMDI及び/又はTDIの比率は、イソシアネート基とポリオール成分の水酸基のモル比(NCO/OH)として1.1〜3.0が好ましい。これらの比率の範囲外となると被膜の架橋が減少し十分な耐水性が得られなかったり、被覆強度が減少し被膜に欠陥が発生しやすくなり、肥料溶出の調節がきわめて困難となる。
【0015】
油変性アルキド樹脂の架橋、また、ウレタン化に際しての反応促進のため触媒を添加することは有用な技術である。公知慣用のものを用いることができ、前者の架橋触媒として、例えば、ナフテン酸マンガン、オクタン酸コバルト等の有機塩類が、また、後者の触媒として、例えば、オクタン酸カリウム等の有機塩類、トリエチレンジアミン等のアミン化合物が使用できる。
【0016】
カルナバワックスの品質については特に制限はなく、市販のいずれのものでも使用することができる。精製されたもの、あるいはエマルジョンとして加工されたものも使用可能である。
【0017】
カルナバワックス量としては、ポリウレタン樹脂とカルナバワックスの質量比が1:0.25〜1:1の範囲で使用される。カルナバワックス量が少ない場合には撥水性の効果が得られず肥料溶出の調節が困難となる。多い場合には被膜強度が低下し被膜に欠陥が生じやすくなり十分な肥効調節が不可能となる。
【0018】
被覆できる肥料は粒状であれば特に限定はなく、例えば、尿素、硫安、硝安、塩安、塩化カリの様な単肥、燐安、硫化燐安、燐硝安カリの様な複合肥料が代表として挙げられる。肥料粒子の粒径に特に限定はないが、1mm〜5mmのものが好ましく使用される。
【0019】
次いで、本発明の被覆粒状肥料の製造方法についてさらに詳しく言えば、被覆粒状肥料の製造方法は肥料粒子表面に被膜を形成する工程と、得られた被覆粒子を加熱処理する工程に分けられる。
【0020】
粒状肥料への被覆方法は、流動または転動状態にある粒状肥料に対し各被覆材を付着させ、これを熱風等で加温することによって粒状肥料上で硬化させ被膜を形成する方法が使用できる。粒状肥料を流動、転動するには公知の方法が使用できる。例えば、流動化には流動装置や噴流動装置が、転動化には回転パンや回転ドラムの装置が使用できる。
【0021】
各被覆材は液状化し、粘度が300cp以下となる様に調整したものを使用する。例えば、油変性アルキド樹脂は80〜120℃に加熱する。MDI及び/又はTDIは常温で300cp以下のものはそのまま、また、固体のものは融点以上に加熱し液状化する。カルナバワックスは、単独で、あるいは、油変性アルキド樹脂に分散させて使用する。いずれの場合も90〜120℃に加熱し液状化したものを使用する。被覆材の粘度が300cpを越えると作業性が悪くなり、さらに均一な被膜が形成されず、肥料溶出の制御が困難となるため好ましくない。
【0022】
本発明に於ける被覆材の使用態様としては、油変性アルキド樹脂とMDI及び/又はTDIとカルナバワックスとを混合使用することもできるが、保存時間が長いと一部ポリウレタン樹脂が生成し望ましくない。最良の方法は油変性アルキッド樹脂とカルナバワックスを混合物とし、MDI及び/又はTDIと別にして使用する方法である。勿論3者を別々に使用することもできる。
【0023】
肥料粒子への被覆材の付着方法は、肥料粒子に均一に塗布できれば特に限定はなく、スプレーによる噴霧、あるいは滴下に限らず実施できる。また、各被覆材を同一の箇所から噴霧、あるいは別々の箇所から噴霧してもかまわない。被膜を硬化させるには加熱を行うが、温度が低すぎると噴霧された溶液の粘性が高くなり粒子表面上で均一な膜が形成されない。また、温度が高すぎるとカルナバワックスが硬化せず、被膜が形成されないため、加熱温度は50℃〜75℃が好ましい。また、噴霧溶液の粘度を下げ、肥料粒表面上に均一な被膜を形成させるため、また反応性を高めるために有機溶剤を使用することも可能である。
【0024】
加熱処理工程における加熱温度は、一般的に80℃〜110℃である。80℃より低くなるとカルナバワックスが軟化溶融しないため、ポリウレタン樹脂の微細な間隙が埋められなかったり、粒子表面にカルナバワックス層が形成されない。また樹脂の反応も促進されず、撥水性被膜が形成されないものとなる。一方110℃より高くなると加熱装置への付着、あるいはカルナバワクスが溶融して肥料塊を形成し、均一な被膜が得られず、被覆溶出の調節がきわめて困難となる。加熱時間は加熱温度に依存するが、5分〜2時間、好ましくは15分〜1時間である。短すぎるとカルナバワックスがポリウレタン樹脂内を十分に移動せず、また、長すぎると粒子表面より流れ、十分な溶出調節効果が得られない。加熱装置としては一般的な乾燥機が使用できる。また、被覆装置内で加熱処理することもできるが、熱効率を上げる目的で攪拌すると被覆に欠陥を生じる場合があり、静置で加熱処理するか、攪拌する場合は攪拌速度を遅くすることが好ましい。
【0025】
また、本発明の被膜の性質を損なわない限り、被膜形成性の向上及び肥効調節の補助的手段として被覆材組成物に有機系または無機系の添加材を加えることも可能である。例えば、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、脂肪族エステル、ロジンおよびその誘導体、界面活性剤、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0026】
さて、次に肥料成分の溶出調節について云えば溶出調整は噴霧−乾燥回数によって行う。被覆材の噴霧−乾燥を少なくとも5回以上繰り返し行うことが好ましい。5回以下の場合、肥料成分の溶出が早く、被覆粒状肥料の効果を期待することができない。一般的には7〜50回程度である。被覆材組成、粒状肥料と被覆材との割合、被膜の均一性にもよるが50回を上廻ると溶出が遅きに失し、肥効時期を失することとなる。肥料の種類、適用作物などによっても異なるが被覆率、即ち、被覆粒状肥料に対する被覆材の割合は7〜20質量%である。噴霧−乾燥回数が増加する程肥料成分の溶出量、溶出時間は遅くなる。
【0027】
この様にして得られた被覆粒状肥料は溶出が精度良く調節されたものとなる。油変性アルキド樹脂とMDI及び/又はTDIとカルナバワックスの3者で、本発明の様な優れた相乗効果が得られる要因として、カルナバワックスの分子構造が大きく関与しているものと推定される。即ち、カルナバワックスはカルナバ椰子より採取されるものであり、高級脂肪酸エステルを主成分とする。構成成分には不飽和結合やヒドロオキシ基を有する分子が存在し、被膜形成時には高級脂肪酸エステル同志またはアルキド樹脂との架橋や、MDI及び/又はTDIと反応して複雑な構造をとるとともに、より硬度の高い膜を形成するものと推定される。さらに加熱処理の効果としては、被膜内でのワックス成分の均一移動により優れた耐水構造が形成される。また、カルナバワックスが有する樹脂との適度の反応性と、上述の樹脂中への適度の浸透が、初期の溶出は低く、その後精度良く肥料成分を放出するものと考えられる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により詳細に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。尚、特に断らない限り%は全て質量%を示す。
【0029】
(実施例1)
粒状尿素(平均粒径3mm)500gを、熱風発生機を付設した遠心転動造粒コーティング装置(回転円板径230mm)に仕込み、360rpmで回転させ、粒状肥料を転動状態にし、下部より熱風を送り70℃に保持した。
油長47%のアマニ油ヒマシ油変性アルキド樹脂(水酸基価190)40gに触媒として脂肪族モノカルボン酸コバルト溶液(Co濃度8%)0.2g、脂肪族モノカルボン酸カリウム溶液(濃度70%)0.4gを添加し、100℃に加熱しポリオール溶液(A液)を調製した。また、カルナバワックス(PVP S/A,(BRAZIL)製)30gを100℃に加熱溶融し、溶融液(B液)を調製した。加温され且つ転動状態にある粒状尿素に、A液とポリメリックMDI(住友バイエルウレタン製、商品名スミジュール44V10)を、2ヶ所から2流体ノズルにより、A液は0.11g/秒、ポリメリックMDIは0.08g/秒の速度で10秒間噴霧し、さらに引き続いてB液を2流体ノズルにより0.08g/秒の速度で10秒間噴霧し、5分間転動させ乾燥し、被膜を形成させた。この噴霧−乾燥工程を20回繰り返し被覆粒状肥料を製造した(実施例1−1)。次にこの被覆粒状肥料をステンレス製バットに採り、90℃に維持した通風乾燥機に入れ1時間放置し、加熱処理を行った(実施例1−2)。
被覆粒状肥料及び加熱処理を行った被覆粒状肥料の被覆率及び溶出率を併せ表1に示す。
【0030】
(実施例2)
油長47%のアマニ油ヒマシ油変性アルキド樹脂(水酸基価190)40g、カルナバワックス(PVP S/A(BRAZIL)製)30g、触媒として脂肪族モノカルボン酸コバルト溶液(Co濃度8%)0.2g、脂肪族モノカルボン酸カリウム溶液(濃度70%)0.4gを100℃に加熱し、溶融液(C液)を調製した。実施例1と同じ装置を用い、実施例1と同様に加温され且つ転動状態にある粒状尿素に、C液とポリメリックMDI(住友バイエルウレタン製、商品名スミジュール44V10)を2ヶ所から別々に2流体ノズルにより、C液は0.19g/秒、ポリメリックMDIは0.08g/秒の速度で10秒間噴霧し、5分間転動させ乾燥し、被膜を形成させた。この噴霧−乾燥工程を20回繰り返し、被覆粒状肥料を製造した。(実施例2−1)
次に、この被覆粒状肥料をステンレス製バットに採り、90℃に維持した通風乾燥機に入れ1時間放置し、加熱処理を行った。(実施例2−2)
被覆粒状肥料及び加熱処理を行った被覆粒状肥料の被覆率及び溶出率を併せ表1に示す。
【0031】
(実施例3)
噴霧−乾燥工程を25回とした以外は、実施例2−2と同一の被覆条件及び加熱処理条件で被覆粒状肥料を製造した。この被覆粒状肥料の被覆率及び溶出率を表1に示す。
【0032】
(比較例1)
カルナバワックスを使用せず、噴霧速度をC液は0.15g/秒、ポリメリックMDIは0.11g/秒の速度に変えた以外は、実施例2−1と同一の方法及び条件で被覆粒状肥料を製造した。この被覆粒状肥料の被覆率及び溶出率を表1に示す。
【0033】
(比較例2)
カルナバワックスに代えてパラフィンワックス(日本精蝋製 品名155)を使用し、転動状態にある粒状尿素の温度を60℃に変えた以外は、実施例2−2と同一の方法及び条件で被覆粒状肥料を製造した。本組成で被覆を行った場合には、均一な被膜が形成されず斑となった。この被覆粒状肥料の被覆率及び溶出率を表1に示す。
【0034】
(比較例3)
カルナバワックスに代えてアルコール型ワックス(日本精蝋製 品名OX−1949)を使用した以外は、実施例2−2と同一の方法及び条件で被覆粒状肥料を製造した。この被覆粒状肥料の被覆率及び溶出率を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004433533
【0036】
被覆率:被覆率(%)=(被覆膜重量/被覆粒状肥料の重量)×100
溶出率:被覆粒状肥料2.5gを50mlの水に加え容器を密閉して25℃の恒温槽に入れた。これを一定期間後に取り出し肥料と溶液を分別し(*)、溶液中に溶出した窒素成分を定量し、次式により溶出率を計算した。
溶出率(%)=(溶液中の窒素量/被覆粒状肥料中の窒素量)×100(**)
* 窒素成分測定毎に、毎回分別した肥料に新たに50mlの水を加えた。
** 表中の溶出率は累積値を示す。
【0037】
表1からカルナバワックスの併用により初期の溶出は低く、加熱処理することにより初期溶出は更に抑制されることがわかる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の被覆粒状肥料は、長期にわたり精度良く肥料成分溶出の調節が可能である。被覆材は分解されるため土中に残存することがなく、また、有機溶剤を使用する必要がないため、火災等の危険性がなく、溶剤回収も不要であり簡単な設備で容易に製造することができる。

Claims (4)

  1. 油変性アルキド樹脂とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び/又はトリレンジイソシアネート(TDI)との反応により造られたポリウレタン樹脂とカルナバワックスとを主構成成分とする被覆材であって、ポリウレタン樹脂とカルナバワックスの重量比が1:0.25〜1:1の範囲にある被覆材で被覆された被覆粒状肥料。
  2. 油変性アルキド樹脂(A)とカルナバワックス(B)とMDI及び/又はTDI(C)とを別々にまたは(A)と(B)との混合物と(C)とを別々に肥料粒に噴霧し乾燥する被覆粒状肥料の製造方法。
  3. 油変性アルキド樹脂(A)とカルナバワックス(B)とMDI及び/又はTDI(C)とを別々に又は(A)と(B)との混合物と(C)とを別々に肥料粒に噴霧し乾燥した後、カルナバワックスの軟化又は溶融温度以上の温度で熱処理することを特徴とする被覆粒状肥料の製造方法。
  4. 噴霧し乾燥することを少なくとも5回以上繰り返し行うことを特徴とする請求項2又は3記載の被覆粒状肥料の製造方法。
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