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JP4433928B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特に動力源に摩擦係合要素を解して接続された動力伝達装置を搭載した自動変速機の制御装置に関する。
従来より、プライマリプーリとセカンダリプーリを金属ベルトで連結し、これらのプーリの幅を変化させることにより、無段階に変速を行なうベルト式無段変速機が知られている。このベルト式無段変速機を搭載した車両においては、エンジンとの間に設けられたフォワードクラッチを係合した場合にのみ、前進走行するものがある。シフトレバーが非走行ポジションにある場合(たとえば「N」ポジション)、油圧がドレーンされてフォワードクラッチが解放される。シフトレバーが走行ポジション(たとえば「D」ポジション)にある場合、フォワードクラッチに油圧が供給される。これによりフォワードクラッチが係合する。走行中に、フォワードクラッチが解放状態から係合状態に急に変化した場合は、急係合によるショックが発生するおそれがある。そのため、走行中にシフトレバーが非走行ポジションから走行ポジションに切換えられるガレージシフトが行なわれた場合は、フォワードクラッチの急係合を抑制する必要がある。
特開2004−84831号公報(特許文献1)は、ガレージシフト時に、セカンダリプーリのベルト挟圧力を制御するリニアソレノイド弁(バルブ)を用いて、前進用クラッチ(フォワードクラッチ)の係合圧を制御する油圧制御回路を開示する。特許文献1に記載の油圧制御回路は、リニアソレノイド弁と、リニアソレノイド弁の出力油圧に応じてベルト挟圧力を制御する挟圧力コントロールバルブと、リニアソレノイド弁の出力油圧をパイロット圧として、ガレージシフト油圧を出力するガレージシフトバルブコントロールバルブと、ガレージシフト時には、ソレノイド弁の信号圧の出力が停止させられることにより、ガレージシフトコントロールバルブから出力されるガレージシフト油圧PGをマニュアルバルブへ出力するガレージシフトバルブとを含む。シフトレバーが「N」ポジションにある場合、リニアソレノイド弁に対する励磁電流のデューティ比(クラッチ指令圧)は、予め定められた値に保たれる。ガレージシフトが行なわれた場合、デューティ比は、シフトレバーが「N」ポジションにある場合よりも高い値にされる。予め定められた期間だけデューティ比が高くされた後、デューティ比は一旦低くされる。その後、デューティ比は徐々に増大される。
この公報に記載の油圧制御回路によれば、ガレージシフト時に、ソレノイド弁を励磁して信号圧の出力を停止することによりガレージシフトバルブがON状態にされる。これにより、ガレージシフト油圧PGが、ガレージシフトコントロールバルブからガレージシフトバルブおよびマニュアルバルブを経て前進用クラッチへ供給される。ガレージシフト時には、リニアソレノイド弁のデューティ比が高くされる。これにより、ガレージシフト油圧PGが高くされ、前進用クラッチが係合トルクを発生する直前位置まで、ピストンが速やかに移動される。その後、デューティ比が一旦低くされてから、徐々に増大される。これにより、ガレージシフト油圧PGを徐々に高くして、前進用クラッチを滑らかに係合させ、係合時のショックを抑制することができる。
特開2004−84831号公報
ところで、作動油の油温が低い場合には、作動油の粘性が高いため、応答性が悪くなる。そのため、低温時には、応答性を向上するため、図8において一点鎖線で示すように、シフトレバーが「N」ポジションにある場合のクラッチ指令圧(リニアソレノイド弁のデューティ比)を常温時よりも高くすることが考えられる。
ここで、シフトレバーが「N」ポジションから「D」ポジションにゆっくりと操作された場合を想定する。シフトレバーが「N」ポジションから「D」ポジションへ操作され始めた時点T(A)で、ガレージシフト油圧PGが、ガレージシフトコントロールバルブからガレージシフトバルブおよびマニュアルバルブを経て前進用クラッチへ供給され始める。
したがって、ポジションセンサによりシフトレバーが「D」ポジションにあると検出される前、すなわち、シフトレバーが「D」ポジションに位置する前に、高いクラッチ指令圧P(B)で前進用クラッチが係合するおそれがある。そのため、前進用クラッチの係合に伴なうショックが発生するおそれがあるという問題点がある。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ショックの発生を抑制することができる自動変速機の制御装置を提供することである。また、本発明は、シフトレバーの位置が正常に検出されない場合でも、摩擦係合要素(前進用クラッチ)を係合状態にすることができる自動変速機の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る自動変速機の制御装置は、動力源に摩擦係合要素を介して接続された動力伝達装置を搭載した自動変速機の制御装置である。摩擦係合要素は、油圧が供給されることにより係合する。制御装置は、油圧源で発生された油圧を電磁弁からの制御圧により調圧する調圧弁と、調圧弁から摩擦係合要素に油圧を供給する油路の連通および遮断を、シフトレバーの位置に連動して切替える切替弁と、シフトレバーの位置を検出するための検出手段と、運転者のシフト操作に応じて、調圧弁により油圧を調圧するように、電磁弁を制御するための制御手段とを含む。制御手段は、シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にあると検出された場合は、調圧弁により、油圧を第1の油圧に調圧するように電磁弁を制御するための手段と、シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にないと検出されてから、走行ポジションに対応した位置にあると検出されるまでの間に、調圧弁により、油圧源からの油圧を第1の油圧よりも低い第2の油圧に調圧するように電磁弁を制御するための手段とを含む。
第1の発明によると、シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にあると検出された場合は、電磁弁からの制御圧により、調圧弁が、油圧源で発生された油圧を第1の油圧に調圧する。シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にないと検出されてから、走行ポジションに対応した位置にあると検出されるまでの間に、調圧弁が、油圧源で発生された油圧を第1の油圧よりも低い第2の油圧に調圧する。これにより、シフトレバーが走行ポジションに完全に位置するまでに切替弁を介して摩擦係合要素に供給される油圧を低くすることができる。そのため、摩擦係合要素の係合によるショックを抑制することができる。その結果、ショックの発生を抑制することができる自動変速機の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1の発明の構成に加え、切替弁は、シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にあるときは油路を遮断し、シフトレバーが走行ポジションに対応する位置にあるときは油路を連通する。
第2の発明によると、シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にあるときは、摩擦係合要素への油圧の供給を遮断し、ショックが発生することを抑制することができる。
第3の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加え、油圧制御装置は、シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にないと検出され、かつ走行ポジションに対応した位置にないと検出された経過時間を計測するための手段をさらに含む。制御手段は、経過時間が、予め定められた時間を超えた場合、摩擦係合要素が係合状態となるように、電磁弁を制御するための手段を含む。
第3の発明によると、シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にないと検出され、かつ走行ポジションに対応した位置にないと検出された経過時間が、予め定められた時間を超えた場合、摩擦係合要素が係合状態にされる。これにより、シフトレバーが走行ポジションに対応した位置にあることが検出されなくても、摩擦係合要素を係合状態にすることができる。そのため、検出手段の異常により、実際には、シフトレバーが走行ポジションに対応した位置にあっても、そのことが検出できない場合に、摩擦係合要素を係合させることができる。その結果、シフトレバーの位置が正常に検出されない場合でも、摩擦係合要素を係合状態にすることができる自動変速機の制御装置を提供することができる。
第4の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加え、油圧制御装置は、摩擦係合要素が係合状態であるか否かを判別するための手段をさらに含む。制御手段は、シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にないと検出された場合において、摩擦係合要素が係合していると判別された場合は、調圧弁により油圧を第1の油圧に調圧するように電磁弁を制御するための手段を含む。
第4の発明によると、摩擦係合要素が係合している場合は、シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にないと検出されても、油圧が第1の油圧に調圧される。これにより、摩擦係合要素が係合している状態において、油圧が第2の油圧に低下されることを抑制することができる。そのため、油圧の低下により摩擦係合要素が滑り、ショックが発生することを抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。この車両に搭載された駆動装置100のエンジン200の出力は、トルクコンバータ300および前後進切換装置400を介して、ベルト式無段変速機500に入力される。ベルト式無段変速機500の出力は、減速歯車600および差動歯車装置700に伝達され、左右の駆動輪800へ分配される。駆動装置100は、後述するECU(Electronic Control Unit)900により制御される。本実施の形態に係る制御装置は、たとえばECU900により実行されるプログラムにより実現される。なお、本実施の形態において、自動変速機にはベルト式無段変速機500が用いられているが、遊星歯車装置からなるギヤトレーンを有する自動変速機であってもよい。また、トロイダル式無段変速機であってもよい。
トルクコンバータ300は、エンジン200のクランク軸に連結されたポンプ翼車302と、タービン軸304を介して前後進切換装置400に連結されたタービン翼車306とから構成されている。ポンプ翼車302およびタービン翼車306の間にはロックアップクラッチ308が設けられている。ロックアップクラッチ308は、係合側油室および解放側油室に対する油圧供給が切り換えられることにより、係合または解放されるようになっている。
ロックアップクラッチ308が完全係合させられることにより、ポンプ翼車302およびタービン翼車306は一体的に回転させられる。ポンプ翼車302には、ベルト式無段変速機500を変速制御したり、ベルト挟圧力を発生させたり、各部に潤滑油を供給したりするための油圧を発生する機械式のオイルポンプ310が設けられている。
前後進切換装置400は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。トルクコンバータ300のタービン軸304はサンギヤ402に連結されている。ベルト式無段変速機500の入力軸502はキャリア404に連結されている。キャリア404とサンギヤ402とはフォワードクラッチ406を介して連結されている。リングギヤ408は、リバースブレーキ410を介してハウジングに固定される。フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は油圧シリンダによって摩擦係合させられる。フォワードクラッチ406の入力回転数は、タービン軸304の回転数、すなわちタービン回転数NTと同じである。
フォワードクラッチ406が係合させられるとともに、リバースブレーキ410が解放されることにより、前後進切換装置400は前進用係合状態となる。この状態で、前進方向の駆動力がベルト式無段変速機500に伝達される。リバースブレーキ410が係合させられるとともにフォワードクラッチ406が解放されることにより、前後進切換装置400は後進用係合状態となる。この状態で、入力軸502はタービン軸304に対して逆方向へ回転させられる。これにより、後進方向の駆動力がベルト式無段変速機500に伝達される。フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410が共に解放されると、前後進切換装置400は動力伝達を遮断するニュートラル状態になる。
ベルト式無段変速機500は、入力軸502に設けられたプライマリプーリ504と、出力軸506に設けられたセカンダリプーリ508と、これらのプーリに巻き掛けられた伝動ベルト510とから構成される。各プーリと伝動ベルト510との間の摩擦力を利用して、動力伝達が行われる。
各プーリは溝幅が可変であるように、油圧シリンダから構成されている。プライマリプーリ504の油圧シリンダの油圧が制御されることにより、各プーリの溝幅が変化する。これにより、伝動ベルト510の掛かり径が変更され、変速比GR(=プライマリプーリ回転数NIN/セカンダリプーリ回転数NOUT)が連続的に変化させられる。
図2に示すように、ECU900には、エンジン回転数センサ902、タービン回転数センサ904、車速センサ906、スロットルセンサ908、冷却水温センサ910、油温センサ912、アクセル開度センサ914、フットブレーキスイッチ916、ポジションセンサ918、プライマリプーリ回転数センサ922およびセカンダリプーリ回転数センサ924が接続されている。
エンジン回転数センサ902は、エンジン200の回転数(エンジン回転数)NEを検出する。タービン回転数センサ904は、タービン軸304の回転数(タービン回転数)NTを検出する。車速センサ906は、車速Vを検出する。スロットル開度センサ908は、電子スロットルバルブの開度θ(TH)を検出する。冷却水温センサ910は、エンジン200の冷却水温T(W)を検出する。油温センサ912は、ベルト式無段変速機500などの油温T(C)を検出する。アクセル開度センサ914は、アクセルペダルの開度A(CC)を検出する。フットブレーキスイッチ916は、フットブレーキの操作の有無を検出する。ポジションセンサ918は、シフトポジションと対応する位置に設けられた接点がONであるかOFFであるかを判別することにより、シフトレバー920のポジションP(SH)を検出する。プライマリプーリ回転数センサ922は、プライマリプーリ504の回転数NINを検出する。セカンダリプーリ回転数センサ924は、セカンダリプーリ508の回転数NOUTを検出する。各センサの検出結果を表す信号が、ECU900に送信される。タービン回転数NTは、フォワードクラッチ406が係合された前進走行時にはプライマリプーリ回転数NINと一致する。車速Vは、セカンダリプーリ回転数NOUTと対応した値になる。したがって、車両が停車状態にあり、かつフォワードクラッチ406が係合された状態では、タービン回転数NTは0となる。
ECU900は、CPU(Central Processing Unit)、メモリおよび入出力インターフェースなどを含む。CPUはメモリに記憶されたプログラムに従って信号処理を行なう。これにより、エンジン200の出力制御、ベルト式無段変速機500の変速制御、ベルト挟圧力制御、フォワードクラッチ406の係合/解放制御およびリバースブレーキ410の係合/解放制御などを実行する。
エンジン200の出力制御は電子スロットルバルブ1000、燃料噴射装置1100、点火装置1200などによって行なわれる。ベルト式無段変速機500の変速制御、ベルト挟圧力制御、フォワードクラッチ406の係合/解放制御およびリバースブレーキ410の係合/解放制御は、油圧制御回路1300によって行なわれる。
図3を参照して、油圧制御回路1300の一部について説明する。油圧制御回路1300は、マニュアルバルブ1310、挟圧力コントロールバルブ1320、ガレージシフトコントロールバルブ1330、ガレージシフトバルブ1340、モジュレータバルブ1350、リニアソレノイドバルブ(SLS)1360、ソレノイドバルブ(SL)1370から構成されている。
マニュアルバルブ1310は、シフトレバー920の操作に従って機械的に切換えられる。これにより、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は係合させられたり、解放させられたりする。
シフトレバー920は、駐車用の「P」ポジション、後進走行用の「R」ポジション、動力伝達を遮断する「N」ポジション、前進走行用の「D」ポジションおよび「B」ポジションへ操作される。
「P」ポジションおよび「N」ポジションでは、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410内の油圧は、マニュアルバルブ1310からドレーンされる。これにより、フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は解放される。
「R」ポジションでは、油圧がマニュアルバルブ1310からリバースブレーキ410に供給される。これによりリバースブレーキ410が係合させられる。一方、フォワードクラッチ406内の油圧がマニュアルバルブ1310からドレーンされる。これによりフォワードクラッチ406が解放される。
「D」ポジションおよび「B」ポジションでは、油圧がマニュアルバルブ1310からフォワードクラッチ406に供給される。これによりフォワードクラッチ406が係合させられる。一方、リバースブレーキ410内の油圧がマニュアルバルブ1310からドレーンされる。これによりリバースブレーキ410が解放される。
セカンダリプーリ508の油圧シリンダの油圧は、伝動ベルト510が滑りを生じないように挟圧力コントロールバルブ1320によって制御される。挟圧力コントロールバルブ1320には、軸方向へ移動可能なスプール1322およびそのスプール1322を一方へ付勢するスプリング1324が設けられている。挟圧力コントロールバルブ1320は、ECU900によりデューティ制御されるリニアソレノイドバルブ(SLS)1360の出力油圧をパイロット圧として、挟圧力コントロールバルブ1320に導入されるライン圧PLを調圧し、セカンダリプーリ508の油圧シリンダに供給する。挟圧力コントロールバルブ1320からの出力油圧に応じてベルト挟圧力が増減させられる。
ガレージシフトコントロールバルブ1330には、軸方向へ移動可能なスプール1332およびスプール1332を一方へ付勢するスプリング1334が設けられている。ガレージシフトコントロールバルブ1330は、ECU900によってデューティ制御されるリニアソレノイドバルブ(SLS)1360の出力油圧をパイロット圧として、モジュレータ圧PMを制御する。これにより、ガレージシフトコントロールバルブ1330は、ガレージシフト圧PGを出力する。
ガレージシフト圧PGがガレージシフトバルブ1340およびマニュアルバルブ1310を介してフォワードクラッチ406へ供給される。これにより、シフトレバー920が「N」ポジションから「D」ポジションまたは「Rポジション」へ操作されるガレージシフト時に、フォワードクラッチ406が滑らかに係合させられ、係合時のショックが抑制される。
ガレージシフトバルブ1340には、軸方向へ移動可能なスプール1342およびスプール1342を一方へ付勢するスプリング1344が設けられている。ガレージシフトバルブ1340は、ECU900によって開閉制御されるソレノイドバルブ(SL)1370の信号圧により、通常時には図3において右半分に示すOFF状態に保持される。この状態で、ガレージシフトバルブ1340は、モジュレータ圧PMをそのままマニュアルバルブ1310に出力する。このモジュレータ圧PMによりリバースブレーキ410およびフォワードクラッチ406が係合状態に保持される。
ガレージシフト時には、ソレノイドバルブ(SL)1370のソレノイドが励磁されて信号圧の出力が停止させられることにより、図3において左半分に示すON状態となる。この状態で、ガレージシフトバルブ1340は、ガレージシフトコントロールバルブ1330から出力されるガレージシフト圧PGをマニュアルバルブ1310に出力する。
リニアソレノイドバルブ(SLS)1360は、通常は挟圧力コントロールバルブ1320を介してベルト挟圧力を制御する(ベルト挟圧モード)。一方、ガレージシフト時、リニアソレノイドバルブ(SLS)1360は、フォワードクラッチ406のガレージシフト圧PGを制御する(クラッチ直接圧モード、ガレージシフト制御)。
図4に示すように、ECU900は、挟圧力制御部930および係合過渡油圧制御部932を用いてリニアソレノイドバルブ(SLS)1360およびソレノイドバルブ(SL)1370を制御する。これにより、ECU900は、油圧制御回路1300をベルト挟圧モードおよびクラッチ直接圧モードのうちのいずれか一方のモードで制御する。
ベルト挟圧モードでは、挟圧力制御部930が、アクセル開度A(CC)および変速比GRをパラメータとしたマップに従い、ベルト滑りが生じないベルト挟圧力になるように、リニアソレノイドバルブ(SLS)1360を制御する。具体的には、リニアソレノイドバルブ(SLS)1360に対する励磁電流をベルト挟圧力に対応するデューティ比で制御する。なお、加減速時などに伝達トルクが急に変化する場合には、ベルト挟圧力を増大補正してベルト滑りを抑制してもよい。
ベルト挟圧力は、伝動ベルト510の保護のため、ガード値(上限値)が定められている。挟圧力制御部930は、ベルト挟圧力が、ガード値以下となるように、リニアソレノイドバルブ(SLS)1360を制御する。変速比が小さいほど、セカンダリプーリ508における伝動ベルト510の掛かり径が小さくなり、伝動ベルト510の負荷が大きくなる。そのため、ベルト挟圧力のガード値は、変速比が小さいほど小さくなっている。
クラッチ直接圧モードでは、係合過渡油圧制御部932が、シフトレバー920が「N」ポジションから「D」ポジションまたは「R」ポジションへ操作されたガレージシフト時に、ソレノイドバルブ(SL)1370を励磁して信号圧の出力を停止する。これによりガレージシフトバルブ1340がON状態にされる。また、係合過渡油圧制御部932は、ガレージシフト時に、所望のガレージシフト圧PGが得られるように、リニアソレノイドバルブ(SLS)1360のデューティ比を制御する。
常温時のクラッチ直接圧モードでは、ガレージシフト圧PG(フォワードクラッチ406に供給される油圧)に関するECU900の指令圧は、図5において実線で示すように、ガレージシフトが行なわれると、油圧P(1)から初期制御圧まで一気に高められる。これにより、解放状態にあるフォワードクラッチ406の油圧シリンダ内に、作動油が速やかに充満される。その後、初期制御圧よりも低い定圧待機圧が維持され、定圧待機圧と対応した係合力でフォワードクラッチ406が係合し始める。定圧待機圧が予め定められた時間維持された後、予め定められた勾配で、指令圧が徐々に増大される。
車両が停車している場合、タービン回転数が0になれば、フォワードクラッチ406が完全に係合した状態であるといえる。この場合、クラッチ直接圧モードが終了され、モジュレータ圧PMがフォワードクラッチ406に供給される。
一方、低温時には、作動油の粘性が高くなるため、フォワードクラッチ406の応答性が悪化する。低温時における応答性を向上させるため、シフトレバー920が「N」ポジションである場合の指令圧は、常温時の油圧P(1)よりも高い油圧P(2)に設定される。なお、低温時においてガレージシフトが行なわれた場合の指令圧の推移については、後で詳述する。
図6を参照して、本実施の形態に係る制御装置のECU900が、作動油の低温時に実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に説明するプログラムは、予め定められた周期で繰返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU900は、ポジションセンサ918から送信される信号に基づいて、ポジションセンサ918のD接点、R接点およびB接点の全てがOFFであるか否かを判別する。すなわち、ECU900は、シフトレバー920が、「D」ポジション、「R」ポジションおよび「B」ポジションのいずれにも位置していないかを判別する。ポジションセンサ918のD接点、R接点およびB接点の全てがOFFである場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。そうでない場合(S100にてNO)、処理はS114に移される。
S102にて、ECU900は、ポジションセンサ918から送信される信号に基づいて、ポジションセンサ918のN接点がONであるか否かを判別する。すなわち、ECU900は、シフトレバー920が、「N」ポジションに位置しているか否かを判別する。ポジションセンサ918のN接点がONである場合(S102にてYES)、処理はS116に移される。そうでない場合(S102にてNO)、処理はS104に移される。
S104にて、ECU900は、ポジションセンサ918から送信される信号に基づいて、前回ONだったポジションセンサ918のN接点が、OFFに変わったか否かを判別する。すなわち、ECU900は、シフトレバー920が、「N」ポジションから操作されたか否かを判別する。ポジションセンサ918のN接点がONからOFFに変わった場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。そうでない場合(S104にてNO)、処理はS108に移される。
S106にて、ECU900は、ポジションセンサ918のN接点がONからOFFに変わってからの経過時間の計測を開始する。S108にて、ECU900は、フォワードクラッチ406が解放状態にあるか否かを判別する。フォワードクラッチ406が解放状態にあるか否かは、タービン回転数NTとプライマリプーリ回転数NINとに基づいて判別される。|NT−NIN|≧Kである場合、フォワードクラッチ406が解放状態であると判別される。ここで、Kは、予め定められた回転数である。フォワードクラッチ406が解放状態である場合(S108にてYES)、処理はS110に移される。そうでない場合(S108にてNO)、処理はS116に移される。
S110にて、ECU900は、N接点がONからOFFに変わってからの経過時間が、予め定められた時間T(0)以内であるか否かを判別する。経過時間が、予め定められた時間T(0)以内である場合(S110にてYES)、処理はS112に移される。そうでない場合(S110にてNO)、処理はS114に移される。
S112にて、ECU900は、指令圧を、低温時の油圧P(2)よりも低い無接点時油圧P(3)に設定する。S114にて、ECU900は、通常のガレージ制御を行なう。すなわち、クラッチ直接圧モードで、指令圧を制御する。
S116にて、ECU900は、通常の「N」ポジション制御を行なう。すなわち、指令圧を、低温時の油圧P(2)に設定する。S118にて、ECU900は、指令圧を、低温時の油圧P(2)に設定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置により制御される指令圧の推移について説明する。なお、現在、シフトレバー920は「N」ポジションに位置していると想定する。
シフトレバー920は「N」ポジションに位置しているため、ポジションセンサ918のD接点、R接点およびB接点の全てがOFFであり(S100にてYES)、N接点がONである(S102にてYES)。
そのため、指令圧は、図7において一点鎖線で示すように、低温時の油圧P(2)に設定される(S116)。この状態から、時間T(1)において、シフトレバー920が「N」ポジションから「D」ポジションへ、ゆっくりと操作され始めると、シフトレバー920は、「D」ポジションおよび「N」ポジションのいずれにも位置しない状態となる。
すなわち、ポジションセンサ918のD接点、R接点およびB接点の全てがOFFであり(S100にてYES)、かつN接点がONからOFFに変わった無接点状態となる(S100にてNO、S104にてYES)。無接点状態になると、無接点状態になってからの経過時間が計測される(S106)。
無接点状態、すなわち、シフトレバー920が「D」ポジションに完全に位置していなくても、シフトレバー920が操作されることにより、マニュアルバルブ1310のスプールが移動する。そのため、ガレージシフトバルブ1340とフォワードクラッチ406の油圧サーボとを結ぶ油路が連通し始める。そのため、ガレージシフト圧PGが、ガレージシフトコントロールバルブ1330からフォワードクラッチ406の油圧サーボに供給され始め、フォワードクラッチ406が係合するおそれがある。
指令圧が高い状態でフォワードクラッチ406が係合すれば、係合に伴なうショックが発生するおそれがある。ショックを抑制するため、フォワードクラッチ406が解放状態であり(S108にてYES)、無接点状態になってからの経過時間が予め定められた時間T(0)以内であれば(S110にてYES)、指令圧が、低温時の油圧P(2)よりも低い無接点油圧P(3)に低下される(S112)。これにより、シフトレバー920をゆっくりと操作した場合のショックの発生を抑制することができる。
指令圧が無接点油圧P(3)に設定された状態(S112)で、時間T(2)において、シフトレバー920が完全に「D」ポジションに位置し、D接点がONになった場合(S100にてYES)、通常のガレージ制御が行なわれる(S114)。すなわち、指令圧が無接点油圧P(3)から、初期制御圧まで高められ、その後、初期制御圧よりも低い定圧待機圧が維持される。定圧待機圧が予め定められた時間維持された後、予め定められた勾配で、指令圧が徐々に増大される。
一方、フォワードクラッチ406が係合状態である場合に、指令圧が無接点時油圧P(3)に低下すれば、フォワードクラッチ406の油圧サーボに供給される油圧が低下する。これにより、フォワードクラッチ406に滑りが生じ、ショックが発生するおそれがある。
そのため、フォワードクラッチ406が係合状態である場合(S108にてNO)は、通常時の「N」ポジション制御を行ない(S116)、指令圧を無接点時油圧P(3)に低下させずに、低温時の油圧P(2)に設定する。これにより、ショックの発生を抑制することができる。
また、ポジションセンサ918の異常のため、シフトレバー920が「D」ポジションに位置しているにも関わらず、D接点がONであると検出できない場合には、無接点状態が継続し、指令圧が無接点時油圧P(3)に設定された状態が維持される。
この場合、通常のガレージ制御(S114)が行なわれないため、フォワードクラッチ406を係合できない可能性がある。したがって、無接点状態となってからの経過時間が、予め定められた時間T(0)を超えれば(S110にてNO)、通常のガレージ制御が行なわれ(S114)、フォワードクラッチ406が係合される。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置のECUは、シフトレバーが「N」ポジションから操作され、ポジションスイッチの接点が全てOFFである無接点状態である場合、指令圧を、低温時の油圧P(2)から無接点時油圧P(3)に低下させる。これにより、シフトレバーが「N」ポジションから「D」ポジションにゆっくり操作された場合に、図8において一点鎖線で示すように、無接点状態である場合の指令圧を低温時の油圧に維持する場合に比べて、フォワードクラッチの係合に伴なうショックの発生を抑制することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両のスケルトン図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置を示す制御ブロック図である。 本実施の実施の形態に係る制御装置により制御される油圧制御回路を示す図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置のECUを示す制御ブロック図である。 常温時において、本発明の実施の形態に係る制御装置のECUにより設定される指令圧の推移を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態に係る制御装置のECUが実行するプログラムを示すフローチャートである。 低温時において、本発明の実施の形態に係る制御装置のECUにより設定される指令圧の推移を示すタイミングチャートである。 低温時における従来の指令圧の推移を示すタイミングチャートである。
符号の説明
200 エンジン、400 前後進切換装置、402 サンギヤ、404 キャリア、406 フォワードクラッチ、408 リングギヤ、410 リバースブレーキ、500 ベルト式無段変速機、504 プライマリプーリ、508 セカンダリプーリ、510 伝動ベルト、900 ECU、902 エンジン回転数センサ、904 タービン回転数センサ、912 油温センサ、918 ポジションセンサ、920 シフトレバー、922 プライマリプーリ回転数センサ、924 セカンダリプーリ回転数センサ、930 挟圧力制御部、932 係合過渡油圧制御部、1000 電子スロットルバルブ、1100 燃料噴射装置、1200 点火装置、1300 油圧制御回路、1320 挟圧力コントロールバルブ、1330 ガレージシフトコントロールバルブ、1340 ガレージシフトバルブ、1350 モジュレータバルブ、1360 リニアソレノイドバルブ(SLS)、1370 ソレノイドバルブ(SL)。

Claims (4)

  1. 動力源に摩擦係合要素を介して接続された動力伝達装置を搭載した自動変速機の制御装置であって、前記摩擦係合要素は、油圧が供給されることにより係合し、
    油圧源で発生された油圧を電磁弁からの制御圧により調圧する調圧弁と、
    前記調圧弁から前記摩擦係合要素に油圧を供給する油路の連通および遮断を、シフトレバーの位置に連動して切替える切替弁と、
    前記シフトレバーの位置を検出するための検出手段と、
    運転者のシフト操作に応じて、前記調圧弁により油圧を調圧するように、前記電磁弁を制御するための制御手段とを含み、
    前記切替弁は、前記シフトレバーが非走行ポジションに対応した位置から走行ポジションに対応した位置に移動するまでの間に前記油路を連通し、
    前記制御手段は、
    前記シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にあると検出された場合は、前記調圧弁により、油圧を第1の油圧に調圧するように前記電磁弁を制御するための手段と、
    前記シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にないと検出されてから、走行ポジションに対応した位置にあると検出されるまでの間に、前記調圧弁により、油圧源からの油圧を前記第1の油圧よりも低い第2の油圧に調圧するように前記電磁弁を制御するための手段とを含む、自動変速機の制御装置。
  2. 前記切替弁は、前記シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にあるときは前記油路を遮断し、前記シフトレバーが走行ポジションに対応する位置にあるときは前記油路を連通する、請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 記制御装置は、前記シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にないと検出され、かつ走行ポジションに対応した位置にないと検出された経過時間を計測するための手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記経過時間が、予め定められた時間を超えた場合、前記摩擦係合要素が係合状態となるように、前記電磁弁を制御するための手段を含む、請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 記制御装置は、前記摩擦係合要素が係合状態であるか否かを判別するための手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記シフトレバーが非走行ポジションに対応する位置にないと検出された場合において、前記摩擦係合要素が係合していると判別された場合は、前記調圧弁により油圧を前記第1の油圧に調圧するように前記電磁弁を制御するための手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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