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JP4434331B2 - 繊維質シートのプリック加工装置 - Google Patents
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JP4434331B2 - 繊維質シートのプリック加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、繊維質シートの性状をニードルプリッカを用いて効果的に効率良く調整することを可能ならしめたプリック加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
首記のニードルプリッカの従来例としては、本出願人が特願平8−112438号で提案している織布の風合調整用ニードルパンチング装置がある。その装置は、フェルト、ゴム等の軟質シートを表面に巻いた回転ドラムと、連続的に供給される織布を前記回転ドラムの外周面上に導く入口側案内ロールと、回転ドラム外周面上の織布をターンさせて出口に導く出口側案内ロールと、前記ドラムと平行配置にしてドラム外周に配置する複数本の、本体外周に無数の針を植えてあるニードルロールとを具備し、前記回転ドラムに巻かれて入口側案内ロールから出口側案内ロールの位置に向かう織布をドラムの回転に従動するニードルロールとの間に挟み込んでニードルロールの針で突き刺すようにしてある。
【0003】
かかる装置は、織布だけでなく、不織布、フエルト、紙、合成皮革など、繊維質シート全般の性状改善に効果を発揮する。
【0004】
例えば、紙おむつの内張りシート、換気扇や空気清浄器用のフィルタ、紙パッククリーナ用の紙パックなどの材料として合成紙がよく用いられている。この合成紙は、合繊の短繊維を製紙機の熱ロールで融着させて作られており、ごわごわした感じがして肌ざわりがあまり良くなく、通気性等もいまひとつであるが、前述のニードルパンチング装置でプリック加工するとしなやかで肌ざわりが良く、通気性、吸水性、濾過性能なども優れたものになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
合成紙などは、両面をプリック加工すると片面加工時よりもしなやかさが増すので両面加工の要求が高い。
【0006】
ところが、上述した本出願人提案のニードルパンチング装置は、片面加工の機能しかなく、両面加工の要求に対しては片面ずつの加工を2回繰り返すことになるため、生産性に問題が残る。
【0007】
また、この装置は、被加工シートの厚み変化に対応するためのニードルロールのストローク調整を各ロール毎に行う必要があり、セッティングに時間と手間がかかる。
【0008】
さらに、パンチング針に繊維掻き起こしの作用が無く、起毛効果も小さい。繊維質シートは表面を毛羽立たせると肌ざわりがよりソフトになり風合も違ったものになる。また、紙製のダスタ、フィルタなどの材料紙は表面を毛羽立たせるとほこりの捕捉性が良くなるが起毛効果の小さい針では表面を充分に毛羽立たせることができない。
【0009】
そこで、この発明は、繊維質シートの連続的両面プリック加工を可能ならしめることを第1の課題としている。
【0010】
また、プリッカのニードルロールのストローク調整を簡単に行えるようにすることを第2の課題としている。
【0011】
さらに、プリッカの起毛効果を必要に応じて充分に高められるようにすることを第3の課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の課題を解決するため、この発明においては針先保護用軟質シートを外周面に巻いた回転ドラムと、連続的に供給される被加工シートを前記回転ドラムの外周面上に導く入口側案内ロールと、回転ドラム外周面上の被加工シートを出口に導く出口側案内ロールと、前記回転ドラムと平行配置にしてドラム外周に配置する複数本の、外周に無数の針を植えたニードルロールとを有し、入口側案内ロールと出口側案内ロール間で回転ドラムの外周面に巻かれて移動する被加工シートをドラム回転に従動するニードルロールとの間に挟み込んでニードルロールの針で突き刺すようにしたニードルプリッカを、縦列に並べて複数台配置する。また、被加工シートを一部のプリッカの入口に案内する第1経路と、残りのプリッカの出口に案内する第2経路を設ける。そして、一部のプリッカは回転ドラムを正転させて入口から導入した被加工シートを出口から送り出し、残りのプリッカは回転ドラムを逆転させて出口から導入した被加工シートを入口から送り出して加工を行う。
【0013】
なお、回転ドラムを正転させるプリッカと逆転させるプリッカは交互に配置してもよいが、プリッカの総数が3台以上となる場合には、シート移送経路の簡素化のためにドラムが同一方向に回転するプリッカ群の後ろにドラムが反対向きに回転するプリッカを配置することを推奨する。
【0014】
次に、ニードルロールは、被加工シートの厚み変化に対応するためにストローク調整機構をもつものが望まれるが、各ロール毎にストローク調整を行うものは調整が面倒であるし、ロール毎の調整値に誤差が生じる可能性もあって好ましくない。
【0015】
そこで、この発明では、第2の課題の解決策としてニードルロールをスライダで支持してシリンダで回転ドラム側に押すようにしたプリッカに、スライダを間にしてシリンダに対向させるスクリュージャッキを設けた。また、制御装置によって設定ストロークに応じた回転数制御がなされるモータと、そのモータの回転を各スクリュージャッキに等しく伝える動力伝達手段を設けて全スクリュージャッキをひとつのモータで駆動し、それによって位置決めされるジャッキのスクリュー軸でスライダを受け止めるようにした。
【0016】
さらに、第3の課題を解決するため、被加工シートに突き刺すプリッカの針の先端外周部に微小な棘を付けた。
【0017】
【作用】
今、ニードルプリッカの総数が2台と仮定し、被加工シートを1台目のプリッカに対して入口から導入し、さらに、1台目のプリッカを出たシートをドラムが逆転する2台目のプリッカの出口に導いて出口から入口に向かわせると、1台目のプリッカによってシートの一面が、2台目のプリッカによってシートの他面が各々処理され、両面の連続プリック加工がなされる。
【0018】
また、ニードルロールのストローク調整機構を改良したこの発明のプリッカは、設定したいストロークを入力すると、ジャッキのスクリュー軸を指定位置まで進退させるためのモータ回転数が演算されてモータが指令された回転数になるまで回転し、全スクリュージャッキが連動して同量動く。これにより、複数あるニードルロールのストローク調整が一挙に完了し、調整誤差も回避される。
【0019】
このほか、先端外周に棘のある針を使用すると、シートに刺った針が抜けるとき、シート内の繊維が棘にひっ掛ってシート表面に掻き出され、棘無しの針を使用したときに比べて起毛効果が高まる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1に、この発明のプリック加工装置の実施形態を示す。被加工シート1は、ロール巻きされた原反を供給装置2にセットし、そこから巻戻してニードルプリッカ5(付加した数字は整列順位を示す)に導く。3は巻戻し用のフィードロール、4はシート1の弛みを吸収するダンサーローラである。
【0021】
ニードルプリッカ5は、ここでは両面の処理効果に差が出ないようにするために偶数台(図は4台)とし、シートの一面を加工するもの(5-1、5-2)と他面を加工するもの(5-3、5-4)を半々に分けて縦列に並べたが、プリッカ5の総数の上限は特に無く、奇数台であっても構わない。
【0022】
また、図の装置には、被加工シート1をプリッカ5-2の出口からプリッカ5-4の出口に案内し、さらにプリッカ5-3で加工を終えてそのプリッカ5-3の入口から出て行くシート1を巻取り側に案内するガイドローラ群6を設けている。このガイドローラ群6を通る図の鎖線の経路は第2経路、入口から出口、出口から次のプリッカの入口へと順に至る図の実線の経路は第1経路であり、設備の有効利用のために、プリッカ5-3、5-4については、第1経路と第2経路の選択的利用を可能ならしめている。
【0023】
なお、図の装置は、加工終了後のシート1をフィードロール7、ダンサーローラ8経由で巻取り装置9に送り、ここで再びロール巻きするようにしたが、プリック加工に続いて他の加工を行うときには、フィードロール7と巻取り装置9との間に他の加工を行う装置が組込まれる。
【0024】
図2〜図4は、ニードルプリッカ5の詳細を示している。このニードルプリッカ5は、外周に針先保護シート11(図4(a)参照)を巻いた水平配置の大径の回転ドラム10を有している。シート11はここではフエルトを用いたがゴムシートで代替してもよい。この回転ドラム10は、回転駆動手段(図示せず)を有しており、被加工シート1の走行速度が図1のフィードロール3、7による送り速度とほぼ等しくなるように速度制御される。
【0025】
回転ドラム10の外周には、入口側案内ロール12と出口側案内ロール13が設けられている。被加工シート1は、プリッカ5-1については入口側案内ロール12によりドラム10の外周に導かれ、この位置からほぼ1周近くドラム外周に巻かれて出口側案内ロール13に至り、図1のガイドロール14を経てプリッカ5-2の入口に導かれる。プリッカ5-2も同様である。
【0026】
また、片面加工時には、図1のプリッカ5-3、5-4も同様に入口からシート1を導入して出口に向かわせるが、両面加工時にはプリッカ5-2の出口からプリッカ5-4の出口にシート1を導き、プリッカ5-3、5-4の回転ドラム10を逆転させてプリッカ5-4の出口→入口、プリッカ5-3の出口→入口の順に至らせる。そして加工が完了したシート1をプリッカ5-3の入口から巻取り部に向かわせる。
【0027】
図1、図2の15は、回転ドラム10の外周にドラム10と平行配置にしてプリッカ1台当りに複数本設けるニードルロールである。このニードルロール15には、図4に示すように、無数の針16を植設してある。針16は、図4(a)に示すようにロール表面の全域に平均的に分布させる場合と、図4(b)に示すように局部的に分布させる場合がある。また、ロール15に着脱自在に植えて針のみの交換を可能ならしめる場合と、ロールに着脱不可に植えて必要時にはロール毎交換する場合がある。
【0028】
このニードルロール15は駆動源の無い従動ロールである。ドラム10を回転させると被加工シート1が移動し、そのシート1に針16を突き刺したニードルロール15がつれ回りで回転する。
【0029】
例示のプリッカ5には、図2に示すニードルロールのストローク調整機構17を設けている。そのストローク調整機構17は、図3に示すように、支持フレーム18に取付けたスライドガイド17cでスライダ17aをドラム10の径方向に移動可能に支持し、各スライダ17aに取付けた軸受17bでニードルロール15を個別に支持している。また、スライダ17aをドラム10の中心に向けて押すシリンダ17dとスクリュージャッキ17eを対向させてスライドガイド17cの両端に取付け、各スクリュージャッキ17eを、図2に示す動力伝達手段17f(図のそれはチエンとスプロケットホイール)を介して1台のモータ17gで駆動するようにしている。
【0030】
モータ17gはギャードモータであり、制御装置(図示せず)から指令を受けて指令回転数に達するまで回転する。制御装置は目標ストロークが入力されると、ジャッキのスクリュー軸17hを設定位置まで動かすのに必要なモータ回転数を演算してモータ17gの回転を制御する。
【0031】
かかるストローク調整機構17によるストローク調整でジャッキのスクリュー軸17hが進退し、変位後のスクリュー軸17hにスライダ17aが受け止められてシート1に対する針16の突き刺し深さが調整される。これにより、シート1の厚み変化に対する対応は設定したいストロークを入力するだけでよく、調整作業が簡単になる。
【0032】
図5は、被加工シート1の出入口を回転ドラム10の上側に設けた装置であり、この構成でも図1の装置と同様の加工が行なえる。
【0033】
図6は、ニードルロール15に植える針16の実施形態である。図の針16は、細長い取付部16aに多数本を一体に加工して成る。この針16は、先端に微小幅(W=0.1mm弱)の切刃16bを付けて切り裂き効果が得られるようにしている。また、先端近くの外周に微小な棘16cを付けてその棘16cによる繊維の掻き出し効果が得られるようにしている。この針16を使用すると、被加工シート1の表面が毛羽立って柔らかい肌ざわりになる。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明のプリック加工装置は、回転ドラムが正転するニードルプリッカでシートの片面を加工し、その後、回転ドラムが逆転する後段のプリッカでシートの他面を加工するので、両面加工の効率化が図れる。
【0035】
また、ニードルロールのストローク調整機構にスクリュージャッキを含め、各スクリュージャッキを連動させてひとつのモータでニードルロールを設定点に位置決めできるようにしたものは、針の突き刺し深さの調整を簡単に迅速に行え、被加工シートの厚み変化に対する対応が容易になる。
【0036】
さらに、先端外周部に棘を設けた針を使用すると、棘による繊維の掻き出しによって起毛効果が高まり、加工後のシートが肌ざわりや風合等に優れたものになる。
【0037】
なお、この発明の装置は、合成紙だけでなく、繊維質シート全般の性状調整加工に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のプリック加工装置の実施形態を示す図
【図2】ニードルプリッカの詳細を示す端面図
【図3】ストローク調整機構の一部を拡大して示す図
【図4】(a)回転ドラムとニードルロールの詳細を示す端面図
(b)植針パターンを異ならせたニードルロールの端面図
【図5】プリック加工装置の他の実施形態を示す図
【図6】(a)針の実施形態を示す正面図
(b)同じく側面図
【符号の説明】
1 被加工シート
2 供給装置
3、7 フィードロール
4、8 ダンサーローラ
5 ニードルプリッカ
6 ガイドローラ群
9 巻取り装置
10 回転ドラム
11 針先保護シート
12 入口側案内ロール
13 出口側案内ロール
14 ガイドロール
15 ニードルロール
16 針
16c 棘
17 ストローク調整機構
17a スライダ
17d シリンダ
17e スクリュージャッキ
17f 動力伝達手段
17g モータ
17h スクリュー軸
18 支持フレーム

Claims (3)

  1. 針先保護用軟質シートを外周面に巻いた回転ドラムと、連続的に供給される被加工シートを前記回転ドラムの外周面上に導く入口側案内ロールと、回転ドラム外周面上の被加工シートを出口に導く出口側案内ロールと、前記回転ドラムと平行配置にしてドラム外周に配置する複数本の、外周に無数の針を植えたニードルロールとを有し、入口側案内ロールと出口側案内ロール間で回転ドラムの外周面に巻かれて移動する被加工シートをドラム回転に従動するニードルロールとの間に挟み込んでニードルロールの針で突き刺すようにしたニードルプリッカを、縦列に並べて複数台配置し、さらに、被加工シートを一部のプリッカの入口に案内する第1経路と、残りのプリッカの出口に案内する第2経路を設け、前記一部のプリッカは回転ドラムを正転させて入口から導入した被加工シートを出口から送り出し、残りのプリッカは回転ドラムを逆転させて出口から導入した被加工シートを入口から送り出すようにした繊維質シートのプリック加工装置であって、ニードルロールに植える針はその側方に棘が付いており、当該針が被加工シートに突き刺さりシートに刺さった針が抜けるときにシート内の繊維が掻き出されることを特徴とする該加工装置。
  2. 請求項1記載のプリック加工装置に採用するニードルプリッカであって、ニードルロールに植える針はその側方に棘が付いており、当該針が被加工シートに突き刺さりシートに刺さった針が抜けるときにシート内の繊維が掻き出されることを特徴とするニードルプリッカ。
  3. ニードルロールの各々を個別に支持するスライダと、各スライダを回転ドラムの中心部に向けて押すシリンダと、各シリンダに対向して位置決め後のスクリュー軸でスライダを受け止めるスクリュージャッキと、設定ストロークに応じて回転数制御がなされるモータと、ひとつのモータの回転を各スクリュージャッキに等しく伝える動力伝達手段とから成るニードルロールのストローク調整機構を設けたことを特徴とする請求項2に記載のニードルプリッカ。
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