JP4435397B2 - 透明バリヤー性フイルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性、酸素や水蒸気等のバリヤー性に優れさらに、食品、医薬品、調味料、香辛料、香料、洗剤などの耐透気性、耐透湿性等を必要とする物品の包装材または画像表示材等の防湿材に使用するのに適している、中でも湿潤物の包装に適した透明バリヤー性フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来バリヤー性フイルム(バリヤー性積層体)としては、ポリマーフイルムの少なくとも片面に、▲1▼物理的蒸着法(PVD法)や化学的蒸着法(CVD法)で酸化珪素蒸着膜や酸化アルミニウム蒸着膜を設けたもの、▲2▼アルミニウム等の金属を蒸着形成したもの、▲3▼他の耐透気性、耐透湿性等に比較的優れたポリマーをコーテイングしたもの等が知られている。
【0003】
かかる従来のバリヤー性積層体は、次の様な課題を有していた。
▲1▼酸化珪素や酸化アルミニウムを蒸着した透明バリヤー性積層体は、その優れた透明性と耐透気性、耐透湿性において近年多用されてきているが、繰り返し屈曲に対して耐久性に乏しくバリヤー性が低下する点等の課題があった。
ポリマーフイルムの中でも、ポリエステル系フイルムが多用されているが上記課題を有している。比較的屈曲性に耐久性のあるポリアミド系フイルムも酸化珪素や酸化アルミニウムを蒸着した透明バリヤー性積層体のベースフイルムとして使用されているが、酸化珪素や酸化アルミニウム等の透明無機酸化物薄膜とポリアミド系フイルムとの界面接着性においてその密着強度がポリエステル系フイルム等に比較して著しく小さく、とくに水分のある状態での当該密着強度が小さいという課題を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の透明バリヤー性積層体の有する課題を解決し、透明で、バリヤー性に優れ、とくに「界面湿強度」を向上せしめた透明バリヤー性フイルムを提供するためのものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、フィルム(A)の少なくとも片面に、少なくともSiとMgとZrとからなる酸化物薄膜(B)を設けた、透明バリヤー性フィルムであって、前記酸化物薄膜(B)を構成するSiとMgとZrとの金属重量比が80:5〜50:15〜30であり、前記フィルム(A)と前記酸化物薄膜(B)との「界面湿強度」が0.35(N/cm)以上であること、を特徴とする透明バリヤー性フィルムであり、また前記フィルム(A)及び/又は前記酸化物薄膜(B)の面上、又は前記フィルム(A)と前記酸化物薄膜(B)との間に、他の樹脂層を設けてなること、を特徴とする、透明バリヤー性フィルムであります。
【0006】
【発明の実施態様】
本発明の透明バリヤー性フイルムにおいて、フイルム(A)とは透明であって蒸着やスパッタリング等に耐えられるものであれば特に限定されないものであり、例えばナイロン6、ナイロン66、等のホモポリマーまたはこれらの混合物、さらにはこれらのホモポリマーにこれらの基本的性能を著しく変化させない範囲での共重縮合成分を添加含有せしめての共重縮合をしたコポリマー等よりなるポリアミドフイルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、共重合ポリエステル等のポリエステルフイルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフイルム、セルローストリアセテートフイルム、セロファン、ポリカーボネートフイルム、ポリエーテルスルフォンフイルム、アクリル系フイルム、脂肪族ポリエステルやポリ乳酸やキトサン等の生分解性フイルムが挙げられる。前記フイルムには本発明の目的を損なわない限り、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤、酸化防止剤等が添加含有されたものでもよい。これらの、フイルムの厚さにおいても、特に限定されるものではないが、4μmから200μm程度が好ましく、更に好ましくは12μmから40μmのものが適用される。
【0007】
本発明におけるフイルム(A)としては、本発明の骨子である、フイルム(A)の少なくとも片面に、少なくともSiとMgとその他にZr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属からなる酸化物からなる薄膜(B)を設けた透明バリヤー性フイルムであって、「界面湿強度」が0.35(N/cm)以上であることが達成できれば、特に限定されるものではないが、好ましくは縦横方向の少なくとも一方が延伸倍率3倍以上のものであり、また伸度(縦方向と横方向のいずれか一方において)が110%以下であるものであり、特に沸騰水収縮率が縦横方向いずれの方向においても0.5%以下のものである。沸騰水収縮率が0.5%を超える場合には「界面湿強度」が0.35(N/cm)以上を達成することが困難となる。さらに、縦横方向の少なくとも一方が延伸倍率3倍に満たない場合、また伸度が両方向で110%を超える場合には、酸素透過率や水蒸気透過率が改善できない場合が多くなり、「界面湿強度」が0.35(N/cm)以上を達成することが困難となる。
【0008】
これらのフイルム(A)の薄膜(B)の形成面をプラズマ処理、コロナ処理、イオンボンバード処理等の前処理を施すことや、フイルム(A)の薄膜形成面に、インラインおよびまたはオフラインで「界面湿強度」を向上さすために薬剤や樹脂をコーテイングして所謂アンダーコートを施すことや、フイルム(A)の薄膜形成面に、該薄膜(B)を形成する前に他の金属や金属化合物を0.01〜5nm程度の極薄い膜を形成させること等の処理を予め施すことが好ましく、かかる処理を施すことによって本発明の「界面湿強度」が0.35(N/cm)以上であることが達成される場合が多い。
本発明における「界面湿強度」が0.35(N/cm)以上である透明バリヤー性フイルムは、より好ましくは「界面湿強度」が0.50(N/cm)以上、さらに好ましくは「界面湿強度」が0.65(N/cm)以上のものである。
【0009】
本発明において、フイルム(A)の少なくとも片面に形成されるSiとMgとその他にZr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属からなる薄膜(B)としては、厚さが10〜300nmであって酸素や水蒸気(湿分)の透過性を抑制し、しかも透明な膜を形成するものであり、特にSi:Mg:(Zr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属)の金属重量比が80:5〜50:0.1〜30であるが好ましく、例えばSiとSiO2とMgOとを使用しての金属重量比がSi:Mgで80:5〜50である酸化物とZrの酸化物とからなりZrの含量が薄膜(B)中でSi:Mg:Zr(金属重量比)で80:5〜50:0.1〜30であるもの、金属重量比がSi:Mgで80:5〜50である酸化物とのSn酸化物とからなりSnの含量が薄膜(B)中でSi:Mg:Snで80:5〜50:1〜30であるもの、金属重量比がSi:Mgで80:5〜50である酸化物とTiの酸化物とからなりTiの含量が薄膜(B)中でSi:Mg:Zrで80:5〜50:0.1〜30であるもの、金属重量比がSi:Mgで80:5〜50である酸化物とZrとSnとの酸化物とからなりZrとSnとの合計含量が薄膜(B)中でSi:Mg:(Zr+Sn)で80:5〜50:0.1〜30であるもの等が例示できる。
【0010】
SiとMgとその他にZr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属からなる酸化物薄膜(B)であって、Si:Mg:(Zr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属)の金属重量比が80:5〜50:0.1〜30であるの薄膜(B)の該薄膜中におけるZr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属の金属重量比のより好ましい範囲はSi:Mg:(Zr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属)の金属重量比で80:10〜30:0.5〜20であり、さらに好ましくは80:10〜30:1〜15である。これらのZr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属の酸化物はZrO2,SnO2,TiO2が好ましく、各金属に対する酸素比が2以下1.5以上のものも好ましい態様である。
該薄膜(B)でSi:Mg:(Zr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属)の金属重量比が80:5〜50:0.1〜30である薄膜(B)の該薄膜中におけるZr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属の金属重量比が1に満たないときは該酸化物を含有せしめた「界面湿強度」等の効果が極めて少なく、また30を超えるとバリヤー性能の低下がみられ、薄膜の黄色味が増大しすぎ透明バリヤー性フイルムとして好ましくないものとなる。
またSi:Mg:(Zr,Sn,Tiから選ばれた一種以上の金属)の金属重量比が80:5〜50:0.1〜30であるの薄膜(B)の該薄膜中における、Si:Mg比において80:5〜50が好ましくMgの比が5に満たないときはバリヤー性の向上、透明度の向上において効果が少なく、50を超える場合は薄膜(B)の耐水性が悪化する。薄膜(B)の厚さは、前記したように10〜300nmが好ましく使用できる、薄膜(B)の厚さが10nmより薄い場合には、バリヤー性が不足するので好ましくない、一方300nmより厚い場合には、クラックが発生しやすいので好ましくない上、経済性においても得策でなく、好ましくない。
【0011】
本発明における薄膜(B)の形成は、耐酸素透過性(酸素透過率を抑制)、耐水蒸気透過性(透湿度の抑制)を得るためのものであり、かつバリヤー性を一段と向上し、透明度をも向上せんとするものであり、かつ「界面湿強度」が0.35(N/cm)以上のバリヤー性フイルムを得んとするものであり、本発明の透明バリヤー性フイルムの酸素透過率は50ml/(m2・d・MPa)以下、好ましくは30ml/(m2・d・MPa)以下であり、透湿度は5g/(m2・d)以下、好ましくは3g/(m2・d)以下のものである。
これらの薄膜(B)のフイルム(A)上への形成は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ蒸着法などの従来公知の物理的蒸着法(PVD法)や、あるいは珪素化合物等の金属の1種又は2種以上の化合物の混合物を酸素ガスの雰囲気中で、あるいはこれらのガスとアルゴン、窒素等の不活性ガスとの混合雰囲気中で反応性真空蒸着法、反応性スパッタリング法、反応性イオンプレーティング法、反応性プラズマ蒸着法などの従来公知の化学的蒸着法(CVD法)によって形成する方法が採用することができる。
これらの形成法は、前記フイルム(A)の片面に直接形成するか、あるいは下塗り層を介して形成するか、該フイルムをプラズマ処理して後形成するか、フイルムに先ずクロムなどの金属を数nm程度の厚さで核付け層形成し、その後で薄膜(B)を形成すること等も適応される。
【0012】
本発明においては、薄膜(B)のフイルム(A)への形成後、薄膜(B)及びまたはフイルム(A)の上に、他のフイルムや樹脂を設けることで、包装材としてより実用的なものとすることができる。これらのフイルムや樹脂は、特に限定されず、その目的によって適宜選択使用される。
例えば、薄膜(B)の保護、さらなるガスバリヤー性の付与、シール材、印刷層、等の目的で使用される。例えば、薄膜(B)の保護とガスバリヤー性付与のために、薄膜(B)の上にエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂層等を積層するものである。
【0013】
このエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂層の厚さは0.1〜5g/m2が好ましく、より好ましいのは0.2〜1.5g/m2であり、0.1g/m2に満たないときは、該樹脂を薄膜(B)と併用積層した効果がでず、逆に5g/m2を超えるときには、経済性は勿論のこと、薄膜(B)との密着性が低下し、包装材としての実際的使用、例えばシール層等との積層時やシール時において薄膜(B)と剥離が生じるなどの問題をはらむものとなる。
本発明において好ましい形態として、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂層に、静電気誘導防止剤を添加含有せしめる形態が挙げられる。本発明における該静電気誘導防止剤は、アクリル樹脂系(例、コニシ;ボンデイプ PA100)などの静電気誘導防止剤であり、透明ハイバリヤー性ポリアミドフイルムにシール層や他の層が積層される場合が多く、その場合でも、当該静電気誘導防止剤の樹脂層への添加含有は、透明ハイバリヤー性ポリアミドフイルム積層体の最表層において充分な帯電防止性を保持できるものであり、樹脂層(C)における当該静電気誘導防止剤の好適な添加含有量は5〜50重量%である。
【0014】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、本発明における
**「界面湿強度」の測定は、得られたフイルム(A)に薄膜(B)が設けられたものの薄膜(B)上に、(薄膜(B)が設けられていないフイルム(A)に直接、40μm厚さのLLDPEフイルムをドライラミしたときの該「界面湿強度」が少なくとも1.30(N/cm)以上である)接着剤を使用して40μm厚さのLLDPEフイルムをドライラミし、これを100mm×100mmの正方形に裁断し、常圧沸騰純水に0.5時間浸漬し、純水中から取り出して、ろ紙で表面水を除去して後、20℃、65%RHで3時間放置した後に、15mm幅100mm長さに細断して、フイルム(A)と薄膜(B)との界面(アンダーコート層等の有無に関係なく)に純水を含ませながら、T型剥離して「界面湿強度」を測定する方法である。
【0015】
*実施例1
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムをフイルム(A)として使用し、該フイルム面に、直接、蒸着により薄膜(B)としてSi:Mg:Zrの金属重量比が80:19:4である酸化物薄膜を厚さ50nmで形成し透明バリヤー性フイルムを得た。
得られた透明バリヤー性フイルムの酸素透過率は、4ml/(m2・d・MPa)であり、透湿度は0.5g/(m2・d)であった。
さらに、「界面湿強度」は1.30(N/cm)以上であった。
【0016】
*実施例2
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムをフイルム(A)として使用し、該フイルム面に、直接、蒸着により薄膜(B)としてSi:Mg:Zrの金属重量比が80:45:5である酸化物薄膜を厚さ50nmで形成し透明バリヤー性フイルムを得た。
得られた透明バリヤー性フイルムの酸素透過率は、3ml/(m2・d・MPa)であり、透湿度は0.3g/(m2・d)であった。
さらに、「界面湿強度」は1.30(N/cm)以上であった。
【0017】
*実施例3
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムをフイルム(A)として使用し、該フイルム面に、直接、蒸着により薄膜(B)としてSi:Mg:Zrの金属重量比が80:8:4である酸化物薄膜を厚さ50nmで形成し透明バリヤー性フイルムを得た。
得られた透明バリヤー性フイルムの酸素透過率は、7ml/(m2・d・MPa)であり、透湿度は0.7g/(m2・d)であった。
さらに、「界面湿強度」は1.30(N/cm)以上であった。
【0018】
*実施例4
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムをフイルム(A)として使用し、該フイルム面に、アンダーコート層として(ポリエステル化合物とポリイソシアネート化合物とからの)ポリエステル系樹脂層を塗布乾燥によって乾燥厚さ0.5μmで形成し、その後該アンダーコート層上に、該フイルム面に、蒸着により薄膜(B)としてSi:Mg:Zrの金属重量比が80:19:15である酸化物薄膜を厚さ50nmで形成し透明バリヤー性フイルムを得た。
得られた透明バリヤー性フイルムの酸素透過率は、3ml/(m2・d・MPa)であり、透湿度は0.3g/(m2・d)であった。
さらに、「界面湿強度」は2.0(N/cm)以上であった。
【0019】
*比較例1
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムをフイルム(A)として使用し、該フイルム面に、直接、蒸着により薄膜(B)としてSi:Mgの金属重量比が80:19である酸化物薄膜を厚さ50nmで形成し透明バリヤー性フイルムを得た。
得られた透明バリヤー性フイルムの酸素透過率は、9ml/(m2・d・MPa)であり、透湿度は0.9g/(m2・d)であった。
さらに、「界面湿強度」は0.3(N/cm)以下であった。
【0020】
【発明の効果】
本発明の透明バリヤー性フイルムは、酸素透過率、透湿度において優れたものでありかつ「界面湿強度」において優れ、かつ屈曲耐性に優れた、電子レンジ適性をも有する、包装材、特に湿潤食品の包装材として、極めて有用である。
Claims (2)
- フィルム(A)の少なくとも片面に、
少なくともSiとMgとZrとからなる酸化物薄膜(B)を設けた、透明バリヤー性フィルムであって、
前記酸化物薄膜(B)を構成するSiとMgとZrとの金属重量比が80:5〜50:15〜30であり、
前記フィルム(A)と前記酸化物薄膜(B)との「界面湿強度」が0.35(N/cm)以上であること、
を特徴とする、透明バリヤー性フィルム。 - 請求項1に記載の透明バリヤー性フィルムであって、
前記フィルム(A)及び/又は前記酸化物薄膜(B)の面上、又は前記フィルム(A)と前記酸化物薄膜(B)との間に、他の樹脂層を設けてなること、
を特徴とする、透明バリヤー性フィルム。
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