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JP4435520B2 - μ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体およびその製造方法 - Google Patents
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μ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体およびその製造方法 Download PDF

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本発明は光電機能材料、光記録メディア等のフォトエレクトロニクスの分野で利用できるμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体及びその製造方法に関する。
光情報記録媒体に対して記録、再生を行うレーザー光としては、赤〜近赤外領域のものが用いられ、これに対応した記録媒体が広く普及している。例えば、追記型の光情報記録媒体のようなユーザーによる書き込みが可能であるディスク状光情報記録媒体(CD−R、DVD−R)もその一例である。
レーザ光において、レーザスポットの最小径はそれの波長に依存する。レーザースポットの大きさは、記録できる光情報の密度と関連し、このスポットがより小さい場合は、より高密度な光情報記録が可能になる。赤〜赤外線領域の波長の長いレーザ光ではレーザスポットの小径化に制限があり、一定面積に記録される情報量を増加させためにいわゆる超解像技術なども用いられている。
一方、光情報記録媒体に対する記録・再生において、より波長の短いレーザー光を用いて情報記録密度を高める試みもなされている。近年、青色光領域の半導体レーザーの実用化が試され、超解像技術を用いることなく記録情報密度を高めることが可能となりつつある。このような半導体レーザーの発信波長の範囲は約350〜500nmであり、この範囲内に波長吸収を有する記録材料が、光情報記録媒体の作成において求められる。しかしながら、最大吸収波長が350〜450nm程度にある有機材料は、一般に分子骨格が小さいため、分子吸光係数も低く、10万を越える材料は少ない。
これらの課題を解決し得る材料の1つとして、ポルフィリン誘導体がある。ポルフィリン誘導体とは環状テトラピロール(ポルフィン)の誘導体であり、原子団が配位する中心金属を有するポルフィリン錯体もこれに含まれる。ポルフィリン誘導体は、吸光スペクトルにおいて、環構造中の共役系から生じる特有の吸収帯を有し、このうち短波長側のものはソーレー帯(soret band:S帯)と称される。このソーレー帯は、10万以上の非常に大きな分子吸光係数を有しており、この大きな吸収帯を利用することで青色光領域での高感度な光記録が可能である。特開平7−304256号公報(特許文献1)および特開平7−304257号公報(特許文献2)、および特開平8−127174号公報(特許文献3)には、ポルフィリン誘導体を含む記録層が形成された光記録媒体が記載されている。
一般に、光情報記録媒体を構成する記録層は、記録材料を溶剤に溶かした溶液を、スピンコート法などにより基材上に塗布することにより、簡便に形成することができる。しかし、ポルフィリン誘導体はその構造の対称性から結晶化し易く、溶剤に溶け難い。このため、溶液としてスピンコートするのが困難であり、記録層として成膜するにあたっては、真空蒸着法によらねばならない等の問題があった。
特開2001−277723号公報(特許文献4)、特開平11−144311号公報(特許文献5)および特開平11−144312号公報(特許文献6)には、ポルフィラジン色素(テトラアザポルフィリン化合物)が記載されている。この色素は波長630〜680nmの赤色半導体レーザー光による情報の記録・再生には適するが、さらに超高密度記録が可能な波長350〜450nmの青色半導体レーザー光には対応できない。
特開2000−343823号公報(特許文献7)および特開2002−264520号公報(特許文献8)には、コロール誘導体からなる記録層を有する光情報記録媒体が記載されている。特開2002−137547号公報(特許文献9)には、金属錯体化していてもよいポルフィセン化合物を記録層中に含有する光記録媒体が記載されている。
特開2001−039032号公報(特許文献10)には、4つのピロール環による環状化合物において結合部位を介してブリッジ構造をなす化合物からなる記録層を特徴とする光情報記録媒体が記載されている。このブリッジ構造部は2価の炭化水素結合基、遷移金属などから構成されている。
特開平7−304256号公報 特開平7−304257号公報 特開平8−127174号公報 特開2001−277723号公報 特開平11−144311号公報 特開平11−144312号公報 特開2000−343823号公報 特開2002−264520号公報 特開2002−137547号公報 特開2001−039032号公報
本発明は、光情報記録分野において使用が期待される、紫〜青色レーザー光を用いる光情報記録媒体の記録材料として使用することができるμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記の式(I)で表されるμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体を提供するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
Figure 0004435520
[式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換又は未置換のアルキル基もしくはシクロアルキル基、置換又は未置換のアルコキシ基もしくはアリールオキシ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換のアラルキル基、置換又は未置換のアシル基、置換又は未置換のアルコキシカルボニル基または複素環残基を表し、RとR、RとR、RとRおよびRとRのいずれかの組は、連結して1の脂肪族環を形成してもよい。]
また、本発明は、
式(II)
Figure 0004435520
[式中、R〜Rは上記と同意義である。]
で表わされるテトラアザポルフィリン誘導体とトリクロロシランとを反応させる工程;及び精製する工程;を包含する、μ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体の製造方法を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
μ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体を構成するトリアザコロラトシランは、コロール環構造を有するコロール誘導体の1種である。コロール誘導体は、ポルフィリン誘導体のメソ位の原子が形式的に1つ取り除かれた構造を有する。
本発明の化合物(μ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体)は、ポルフィリンの光吸収特性とは異なる光吸収特性を有し、機能性色材として多様な材料の提供ができる。本発明の化合物は、情報を超高密度に記録・再生できる紫〜青色レーザー光を用いる光情報記録媒体を構成する記録層中に含まれる記録材料として有用である。また、本発明の化合物は、種々の有機溶剤に可溶であるので、光情報記録媒体における記録材料として本発明の化合物を用いる場合、スピンコート法などの簡便な塗布法より光情報記録媒体の記録層を作成することができる。
本発明のμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体は、下記の式(I)で表わされる構造を有する。
Figure 0004435520
上記式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換又は未置換のアルキル基もしくはシクロアルキル基、置換又は未置換のアルコキシ基もしくはアリールオキシ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換のアラルキル基、置換又は未置換のアシル基、置換又は未置換のアルコキシカルボニル基または複素環残基を表し、RとR、RとR、RとRおよびRとRのいずれかの組は、連結して1の脂肪族環を形成してもよい。R〜R等に含まれてよい置換基として、例えばハロゲン原子などが挙げられる。
式(I)におけるR〜Rは具体的には、例えば、水素原子;ニトロ基;シアノ基;塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、tert−オクチル基、2−エチル−ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基、3−ブトキシ−プロピル基、トリフルオロメチル基等の置換または未置換のアルキル基;シクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基等の置換または未置換のシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等の置換または未置換のアルコキシ基もしくはアリールオキシ基;フェニル基、トリル基、ジフェニル基、フルオロフェニル基等の置換または未置換のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の置換または未置換のアラルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、トルオイル基等の置換または未置換のアシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等の置換または未置換のアルコキシカルボニル基;フリル基、チエニル基、ピロリル基、チアゾリル基、ピリジル基等の複素環残基が挙げられる。
また、RとR、RとR、RとR、RとRのいずれかの組が連結して形成してもよい1の脂肪族環としては、シクロヘキシル環やメチルシクロヘキシル環等が挙げられる。
〜Rはいずれかがアルキル基であるのが好ましい。アルキル基を有するμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体は、溶剤に対する溶解性が優れるからである。アルキル基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、tert−オクチル基、2−エチル−ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基)、より好ましくは炭素数3〜6のアルキル基(例えばプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基)、特に好ましくはtert−ブチル基が挙げられる。
好ましい態様の一つは、RとR、RとR、RとRおよびRとRそれぞれの組において、いずれか一方が上記アルキル基であり他方が水素原子である。この場合にアルキル基がtert−ブチル基であるのが最も好ましい。この場合は溶剤に対する溶解性が特に優れるからである。
上記溶剤には、例えばスピンコート法などの塗布方法において記録材料を含む溶液の調製に通常使用される有機溶媒が含まれる。このような溶剤として、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、オクタフルオロペンタノール、アリルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラフルオロプロパノールなどのアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどの脂肪族または脂環式炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジブロモエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトン、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、乳酸メチルなどのエステル系溶媒などが挙げられる。
本発明のμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体はこれらの溶媒のうち、例えば芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒に対して、特にトルエンやクロロホルムのような有機溶媒に対して優れた溶解性を示す。
本発明のμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体として、具体的には下記の化合物が例示できるが、これらに限定されない。
Figure 0004435520
(+は,tert−ブチル基を表す。)
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
Figure 0004435520
(+は,tert−ブチル基を表す。)
Figure 0004435520
(+は,tert−ブチル基を表す。)
本発明のμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体の製造において、出発物質として用いるテトラアザポルフィリン誘導体(下記式(II)、ポルフィラジン誘導体ともいわれる。)は、合成してもよいし、市販品であってもよい。
Figure 0004435520
[式中、R〜Rは前記と同意義である。]
例えば、テトラアザポルフィリン誘導体の一例として挙げられるテトラ−tert−ブチルテトラアザポルフィリンは、下記スキーム1によって合成できる。
Figure 0004435520
スキーム1
本発明の式(I)で表されるμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体は、テトラアザポルフィリン誘導体とトリクロロシランとを反応させる工程;及び精製する工程;を包含する方法により合成することができる(スキーム2)。
Figure 0004435520
スキーム2
この反応で使用されるテトラアザポルフィリン誘導体は、中心金属を有しないもの(無金属テトラアザポルフィリン誘導体)が使用される。
テトラアザポルフィリン誘導体との反応に用いるトリクロロシランの使用量は、テトラアザポルフィリン誘導体に対して1倍モル以上、一般には2〜10倍モル使用する。
この反応で使用できる反応溶媒としては、テトラアザポルフィリン誘導体を溶解できるものであればよい。例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサンメチルシクロヘキサン等の炭化水素溶媒;等が挙げられる。
反応温度は溶媒の還流温度で行うことが好ましい。反応時間は原料に使用したテトラアザポルフィリン誘導体の残存が認められなくなるまで、典型的には3時間以上、好ましくは5〜24時間反応させる。
精製工程は、通常使用される方法で行なってよく、例えばシリカゲルカラムクロマトグラムにより行うことができる。
なお、本発明により製造されるμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体におけるコロール環の生成については、J.Am.Chem.Soc.,Vol,108,1532−1536,1986に記載される、フタロシアニン環の収縮反応(contraction reaction)によるトリアザテトラベンズコロール環の生成が参照できる。
本発明のμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体は、ポルフィリンと同様にソーレー帯を有するので、紫〜青色半導体レーザー光を用いる光情報記録媒体の記録材料として使用することができる。またこのμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体はさらに、赤色半導体レーザー光にも対応できる吸収波長(波長550〜660nm)も有する。
なお、青色半導体レーザー(波長400〜450nm)を用いる光情報記録媒体の作成及び再生に関しては、特開2002−264520号公報、特開2000−343823号公報、特開2002−137547号公報等に記載されている。本発明のμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体は、これらに記載されるような光情報記録媒体を構成する記録層に含まれる記録材料として使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
μ−オキソ−{(テトラキス−tert−ブチル)トリアザコロラト}シラン誘導体の合成
乾燥ベンゼン30mlに、無金属テトラキス−tert−ブチルテトラアザポルフィリン誘導体0.5gとトリクロロシラン1.0mlを加え、5時間還流反応させた後、さらにトリクロロシラン1.0mlを加えた。テトラアザポルフィリン誘導体が残っていないのを確認した後、溶媒を減圧留去した。得られた粘ちょう固体を、ピリジン:濃アンモニア水=10:1の溶液10mlを加えて一晩撹拌溶解させた。この溶液をシリカゲルカラムクロマトグラムにて主要スポットを分取後、溶媒留去、乾燥したところ、下記式(I-a)で示される紫固体の化合物0.36gを得た。
Figure 0004435520
化合物の分子量(理論値):C648014OSi(1116.6)
元素分析
Figure 0004435520
得られた化合物のMCD(磁気円偏光二色性スペクトル)と電子吸収スペクトル(紫外−可視)を図1に示す。
得られた化合物のH−NMRスペクトルを図2に示す。
得られた化合物のTOF−MSスペクトルを図3に示す。
上段:実施例1の化合物の実測値
下段:理論値
得られた化合物のλ=380.2nmにおける分子吸光係数εは122,000であり、λ=595.9nmにおける分子吸光係数εは32,000であった。
実施例1のMCD(磁気円偏光2色性スペクトル)と電子吸収スペクトル(紫外−可視)である。 実施例1のH−NMRスペクトルである。 実施例1のTOF−MSスペクトルである。

Claims (5)

  1. 式(I)
    Figure 0004435520
    [式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換又は未置換のアルキル基もしくはシクロアルキル基、置換又は未置換のアルコキシ基もしくはアリールオキシ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換のアラルキル基、置換又は未置換のアシル基、置換又は未置換のアルコキシカルボニル基または複素環残基を表し、RとR、RとR、RとRおよびRとRのいずれかの組は、連結して1の脂肪族環を形成してもよい。]
    で表される、μ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体。
  2. 〜Rのいずれかがアルキル基である、請求項1記載のμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体。
  3. とR、RとR、RとRおよびRとRそれぞれの組において、いずれか一方がアルキル基であり他方が水素原子である、請求項1記載のμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体。
  4. 前記アルキル基がtert−ブチル基である、請求項3記載のμ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体。
  5. 式(II)
    Figure 0004435520
    [式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換又は未置換のアルキル基もしくはシクロアルキル基、置換又は未置換のアルコキシ基もしくはアリールオキシ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換のアラルキル基、置換又は未置換のアシル基、置換又は未置換のアルコキシカルボニル基または複素環残基を表し、RとR、RとR、RとRおよびRとRのいずれかの組は、連結して1の脂肪族環を形成してもよい。]
    で表わされるテトラアザポルフィリン誘導体とトリクロロシランとを反応させる工程;及び精製する工程;を包含する、μ−オキソ−トリアザコロラトシラン誘導体の製造方法。
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