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JP4437346B2 - 流体移送保温チューブ及びその製造方法 - Google Patents
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JP4437346B2 - 流体移送保温チューブ及びその製造方法 - Google Patents

流体移送保温チューブ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気等の加熱気体、温水、液状加熱薬品などの加熱液体を移送する際に用いる流体移送保温チューブ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水蒸気等の加熱気体や、温水、液状加熱薬品などの加熱液体を移送する場合、樹脂チューブの外面を発泡樹脂からなる保温層で被覆した流体移送保温チューブが一般に用いられている。
このような流体移送保温チューブは、従来、樹脂チューブと発泡樹脂からなるチューブ状の保温層とを別々に作成しておき、樹脂チューブの外径と発泡樹脂保温チューブの内径とをほぼ等しくして、樹脂チューブを発泡樹脂保温チューブ内へ圧入するか、あるいは発泡樹脂保護チューブの内径を樹脂チューブの外径よりも大きくして、樹脂チューブを発泡樹脂保温チューブ内へ挿入することにより作成していた。
このような方法で流体移送保温チューブを作成すると、前者の場合は、樹脂チューブを発泡樹脂保温チューブ内へ圧入する作業が困難であり、チューブの長さが高々30mまでが限界であって、長尺チューブの製造は実質的に不可能であった。一方、後者の場合は、樹脂チューブと発泡樹脂保温チューブとの間に空隙が生じ、断熱、保温効果が不均一になり易いという問題があった。
長尺の流体移送保温チューブを連続的に作成する方法としては、樹脂チューブ上に発泡樹脂を押出被覆して発泡樹脂保温層を形成させる方法が考えられるが、この方法によると、加硫時に押出被覆された発泡樹脂が直径方向に膨らむと共に、長手方向に伸びようとし、その際、発泡樹脂が内側の樹脂チューブ表面を円滑に滑らず、スティック・スリップが生じ、その結果、図3に示すように、樹脂チューブ1上の発泡樹脂保温層2にくびれが発生する。このようなくびれの発生は、断熱、保温性能の悪化を招くと共に、外観も不良となる。
また、樹脂チューブと発泡樹脂保温層とをプライマー層を介して接着しておけば、加硫時に発泡樹脂の長手方向への伸びが阻止され、前述のようなスティック・スリップが起らず、発泡樹脂保温層にくびれが生ずるようなことはないと考えられるが、樹脂チューブと発泡樹脂保温層とが接着されているため、継手などでチューブを接続する際に、発泡樹脂保温層を樹脂チューブから剥ぎ取るいわゆる端末処理が困難となり、使用時の作業性が著しく低下するという問題が生ずる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、発泡樹脂保温層にくびれが発生せず、しかも端末処理が容易な長尺の流体移送保温チューブ及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、樹脂チューブと発泡樹脂保温層との間に、樹脂チューブには接着することなく固定され、発泡樹脂保温層には接着する中間層を設けることを着想し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、
(1)フッ素樹脂チューブの外面を発泡シリコーン樹脂・ゴム保温層で被覆した流体移送保温チューブにおいて、該フッ素樹脂チューブと該発泡シリコーン樹脂・ゴム保温層との間に、該フッ素樹脂チューブとは異質で該フッ素樹脂チューブに対して接着性がなく、該発泡シリコーン樹脂・ゴム保温層とは同種で該発泡シリコーン樹脂・ゴム保温層に対して接着性を有するシリコーンゴムからなる中間層を設けたことを特徴とする流体移送保温チューブ;
該中間層がシリコーンゴムのコーティング層である(1)に記載の流体移送保温チューブ;
該中間層の外面を該発泡シリコーン樹脂・ゴム保温層で被覆した後、加硫が施された(1)または(2)に記載の流体移送保温チューブが提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の流体移送保温チューブは、図1に示すように、樹脂チューブ1の外面を発泡樹脂・ゴム保温層2で被覆し、該樹脂チューブ1と該発泡樹脂・ゴム保温層2との間に、該樹脂チューブ1には接着することなく固定され、該発泡樹脂・ゴム保温層2には接着した中間層3を設けたものである。
樹脂チューブ1の材質は、移送する流体の種類に応じて適当な樹脂を用いることができ、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂等、押出成形可能な樹脂を用いることができるが、特に、耐熱性、耐薬品性に優れていることから、フッ素樹脂が好適に用いられる。フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン―パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン―ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、 テトラフルオロエチレン―エチレン共重合体(E/TFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン―エチレン共重合体(E/CTFE)などが挙げられる。
樹脂チューブ1の外径、厚さなどは、流体移送保温チューブの使用目的に応じて、適宜設定される。
また、発泡樹脂・ゴム保温層2を構成する発泡樹脂・ゴムとしては、使用環境の温度に応じて、通常、保温材として用いられている発泡樹脂・ゴム、例えば、発泡シリコーンゴム、発泡ウレタン樹脂及び各種ゴム・樹脂の発泡体を用いることができ、特に、断熱性、保温性、可撓性に優れていることから、発泡シリコーンゴムが好ましく用いられる。
発泡樹脂・ゴム保温層2の厚さは、流体移送保温チューブの使用目的に応じて、適宜設定される。
【0006】
樹脂チューブ1と発泡樹脂・ゴム保温層2との間に設ける中間層3は、発泡樹脂・ゴム保温層2には強固に接着し、しかも、樹脂チューブ1には接着せず、かつ、加硫時に発泡樹脂・ゴム保温層2が長手方向に伸びようとするのを抑制するのに十分な程度に樹脂チューブ1に固定されていることが必用である。
樹脂チューブ1と発泡樹脂・ゴム保温層2との間に設ける中間層3としては、樹脂チューブ1には接着することなく固定され、発泡樹脂・ゴム保温層2には接着したものであれば、特に限定されず、任意の有機、無機材料からなる層を用いることができる。
例えば、中間層3として、樹脂チューブ1とは異質で樹脂チューブ1に対して接着性がなく、発泡樹脂・ゴム保温層2とは同種で発泡樹脂・ゴム保温層2に対して接着性を有するエラストマー樹脂・ゴムを使用すれば、加硫によって、中間層3は発泡樹脂・ゴム保温層2と強固に接着し、しかも、樹脂チューブ1には接着することなく、その弾性によって樹脂チューブ1に押圧固定され、加硫時に発泡樹脂・ゴム保温層2が長手方向に伸びようとするのを抑制することができる。
その好適な例として、樹脂チューブ1にフッ素樹脂を、発泡樹脂・ゴム保温層2に発泡シリコーン樹脂を用いた場合、中間層3にシリコーンソリッドゴムを使用する例が挙げられる。シリコーンソリッドゴムは、発泡樹脂・ゴム保温層2の発泡シリコーン樹脂に対しては接着性を有しており、一方、樹脂チューブ1のフッ素樹脂に対しては接着性がなく、しかもフッ素樹脂チューブ1に対してその弾性により押圧固定されているので、加硫時における発泡樹脂・ゴム保温層2の長手方向への伸びを防止し、発泡樹脂・ゴム保温層2にくびれが発生せず、更に、発泡樹脂・ゴム保温層2は、シリコーンソリッドゴムを介して樹脂チューブ1と接着しておらず、端末処理が容易となる。
中間層3の厚さは、通常、1mm以下、発泡樹脂・ゴム保温層2の厚さの1/100〜1/10が好ましく、特に3/100〜8/100が好ましい。この厚さが厚すぎると、保温チューブの断熱特性が低下する傾向があり、薄すぎると、加硫時における発泡樹脂・ゴム保温層2の長手方向への伸びを防止する効果が低下し、発泡樹脂・ゴム保温層2にくびれが発生し易くなる。
また、中間層3の内面又は外面に、断熱効果を高めるために、金属箔層を設けてもよい。中間層3の内面に設ける場合は、中間層3と接着(必要に応じて接着剤を使用)し、樹脂チューブ1とは接着しない金属箔を用い、樹脂チューブ1への固定は、金属箔のテープ巻き圧により行えばよい。一方、中間層の外面に設ける場合は、発泡樹脂・ゴム保温層2と中間層3の両方に接着(必要に応じて接着剤を使用)する金属箔を用いればよい。なお、金属箔のテープ巻きによる圧力によって金属箔が中間層3に強固に固定される場合は、接着剤の使用は不要である。
中間層3の内面又は外面に設ける金属箔としては、アルミニウム箔などの断熱効果の大きい金属箔が用いられる。勿論、中間層3として金属箔を用いる場合は、この断熱用金属箔は敢えて使用しなくてもよい。
更に、流体移送保温チューブの用途によっては、その耐圧性能を向上させるために、中間層3の内面又は外面に編組シールド層を設けることもできる。編組シールドとしては、通常、スズメッキ軟銅線、ニッケルメッキ軟銅線、銀メッキ軟銅線、ステンレス線などの金属の編組シールドが用いられ、その配設方法は、上述の断熱用金属箔の場合と同様である。但し、編組シールドを設けた場合は、端末処理の際のカット性、加工性が低下するので、その点を考慮したうえで用いることが必要である。
また、発泡樹脂・ゴム保温層2は、発泡しているため機械的強度が低下しており、損傷し易く、また、表面がポーラスな構造となっているため、水や薬品などの液体が浸透し易いという問題があるので、その外面に保護被覆層を設けて、損傷及び液体の浸透を防止するのが好ましい。
保護被覆層としては、金属、セラミックスなどの無機材料層、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂を始めとする有機材料層が、流体移送保温チューブの用途に応じて、発泡樹脂・ゴム保温層2との接着性を考慮しながら適宜用いられる。保護被覆層の厚さは、通常、0.01〜0.5mm程度が適当である。
【0007】
本発明の流体移送保温チューブを製造するには、樹脂チューブ1の外面に、該樹脂チューブ1とは接着することなく固定され、加硫によって発泡樹脂・ゴム保温層2と接着する中間層3を被覆し、その上に該発泡樹脂・ゴム保温層2を押出被覆した後、加硫して該中間層3と該発泡樹脂・ゴム保温層2とを接着させればよい。
中間層3として、樹脂チューブ1とは異質で樹脂チューブ1に対して接着性がなく、発泡樹脂・ゴム保温層2とは同種で発泡樹脂・ゴム保温層2に対して接着性を有するエラストマー樹脂を使用する場合は、樹脂チューブ1の外面にエラストマー樹脂をコーティングし、その上に該発泡樹脂・ゴム保温層2を押出被覆した後、加硫して該中間層3と該発泡樹脂・ゴム保温層2とを接着させる。
例えば、本発明の好ましい例である、樹脂チューブ1にフッ素樹脂を、発泡樹脂・ゴム保温層2に発泡シリコーン樹脂を、中間層3にシリコーンゴムを使用する場合は、フッ素樹脂チューブ1の外面にシリコーンソリッドゴムをコーティングし、その上に発泡シリコーン樹脂を押出被覆した後、150℃〜250℃の温度で、10分〜120分間加熱加硫して、シリコーンソリッドゴムと発泡シリコーン樹脂とを接着させる。
また、必要に応じて、中間層3の内面又は外面に金属箔層若しくは編組シールド層を設けることよいもできる。更に、発泡樹脂・ゴム保温層2の外面に、必要に応じて、前述の各種材料からなる保護被覆層を、コーティング、押出被覆などの任意の手段により設けることもできる。
【0008】
本発明によれば、発泡樹脂・ゴム保温層2と中間層3とが接着されており、しかも該中間層3は該樹脂チューブ1に固定されているため、押出被覆された発泡樹脂・ゴム保温層2が、加硫時に長手方向に伸びようとしても、その伸びが阻止され、樹脂チューブ1の表面上でのスティック・スリップに起因するくびれが発生するというようなことがなく、図2に示すように、発泡樹脂・ゴム保温層2の表面は平坦となり、断熱、保温性能が悪化せず、外観の良好な流体移送保温チューブが得られる。
更に、発泡樹脂・ゴム保温層2は、中間層3を介して樹脂チューブ1と接着していないため、継手などでチューブを接続する際に、発泡樹脂・ゴム保温層2を樹脂チューブ1から容易に剥ぎ取ることができ、いわゆる端末処理が容易となり、使用時の作業性が著しく向上する。
【0009】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
実施例1
内径22.22mm、肉厚1.59mmのフッ素樹脂(PFA)チューブの外面に、シリコーンゴム(東芝シリコーン(株)TSE2571−5)を厚さ0.2mmとなるようにコーティングして固定し、その上に発泡シリコーン樹脂(東芝シリコーン(株)TSE2571−5)を10mmの厚さに押出被覆した後、200℃の温度で、4時間加熱加硫して、シリコーンゴムと発泡シリコーン樹脂とを接着させた。
更に、発泡シリコーン樹脂層の外面に、フッ素樹脂(PFA)を押出被覆して、厚さ0.1mmの保護被覆層を設けた。
得られた流体移送保温チューブは、長さ100mの長尺チューブであり、その表面にくびれは発生せず、図2に示すように平坦で、断熱、保温性能、外観が良好であった。また、発泡シリコーン樹脂層をフッ素樹脂チューブから容易に剥ぎ取ることができ、端末処理も容易であった。
【0011】
比較例1
実施例1において、シリコーンゴムからなる中間層を使用せず、その他は実施例1と同様にして、流体移送保温チューブを作成した。
得られた流体移送保温チューブの表面には、図3に示すようにくびれが発生し、断熱、保温性能、外観が不良であった。
比較例2
【0012】
実施例1において、シリコーンゴムからなる中間層を使用せず、フッ素樹脂チューブと発泡シリコーン樹脂層とを直接押出しし、その他は実施例1と同様にして、流体移送保温チューブを作成した。
得られた流体移送保温チューブの表面にくびれが発生し、図3に示すように断熱・保温性能不良、外観不良であった。
【0014】
実施例4
実施例1において、フッ素樹脂チューブへニッケルメッキ軟銅線 からなる金属編組シールドを装着し、この金属編組シールドをシリコーンゴム中間層とシリコーンゴム系接着剤(東芝シリコーン(株)TSE322RTV)で接着し、中間層内面に編組シールド層を設けた。
得られた流体移送保温チューブは、実施例1と同様に、断熱、保温性能、外観が良好で、端末処理も容易(但し、編組シールドを除去するのに若干手間がかかる)であり、かつ、耐圧性に優れたものであった。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、押出被覆などを用いて、長尺の流体移送保温チューブを得ることができ、しかも、発泡樹脂・ゴム保温層と中間層とが接着されており、しかも該中間層は該樹脂チューブに固定されているため、押出被覆された発泡樹脂・ゴム保温層が、加硫時に長手方向に伸びようとしても、その伸びが阻止され、樹脂チューブの表面上でのスティック・スリップに起因するくびれが発生せず、図2に示すように、発泡樹脂・ゴム保温層の表面は平坦となり、断熱、保温性能が悪化せず、外観の良好な流体移送保温チューブが得られる。
更に、発泡樹脂・ゴム保温層は、中間層を介して樹脂チューブと接着していないため、継手などでチューブを接続する際に、発泡樹脂・ゴム保温層を樹脂チューブから容易に剥ぎ取ることができ、いわゆる端末処理が容易となり、使用時の作業性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体移送保温チューブの一例を示す横断面図である。
【図2】本発明の流体移送保温チューブの一例を示す縦断面図である。
【図3】従来の流体移送保温チューブの一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂チューブ
2 発泡樹脂・ゴム保温層
3 中間層

Claims (3)

  1. フッ素樹脂チューブの外面を発泡シリコーン樹脂・ゴム保温層で被覆した流体移送保温チューブにおいて、該フッ素樹脂チューブと該発泡シリコーン樹脂・ゴム保温層との間に、該フッ素樹脂チューブとは異質で該フッ素樹脂チューブに対して接着性がなく、該発泡シリコーン樹脂・ゴム保温層とは同種で該発泡シリコーン樹脂・ゴム保温層に対して接着性を有するシリコーンゴムからなる中間層を設けたことを特徴とする流体移送保温チューブ。
  2. 該中間層がシリコーンゴムのコーティング層である請求項1に記載の流体移送保温チューブ。
  3. 該中間層の外面を該発泡シリコーン樹脂・ゴム保温層で被覆した後、加硫が施された請求項1または2に記載の流体移送保温チューブ。
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