JP4437583B2 - 箔押し用版およびその製版システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は箔押しの技術分野に属する。特に、照明の方向や見る角度により異なる絵柄が強調表示される箔押し部を紙器、カード等の基材シート表面に形成するための箔押し用版とその製造システムに関する。
【0002】
【従来技術】
箔押し用の箔シートは、基材フィルムの表面に剥離層を形成し、さらにその剥離層の表面に金属箔(金属圧延箔、金属蒸着層箔、着色層箔)を仮接着し、さらにその金属箔の表面に加熱溶融接着層を形成した構成を有する。そして、箔押しを行う場合には、上記の箔シートの加熱溶融接着層と基材シートが対向するように配置し、その箔シートの上方から箔押し用版により加熱押圧する。金属箔と加熱溶融接着層から成る箔層は、加熱押圧により加熱溶融接着層が溶融して接着性を発現する。したがって、箔層における箔押し用版の凸部において加熱押圧された部位だけが基材シートに転写接着する。箔層におけるその他の部位は基材シートに転写接着されず、箔シートの基材フィルムに残る。
【0003】
このとき、箔押し用版の凸部に凹凸絵柄が形成されている場合にはエンボシングされ、基材シートには箔層が転写接着するとともに凹凸絵柄が形成される。基材シートにおける凹凸絵柄が形成された箔押し部位は、金属光沢とともに絵柄が浮き出て、通常の印刷では得られない意匠効果を有する。特に、凹凸絵柄が万線パターンによって形成されている場合には、照明の方向や見る角度によって反射強度が変化し独特の意匠効果を得ることができる。照明の方向や見る角度によって、2つの絵柄の内の1つを明瞭に視認できるように凹凸絵柄によって表現することも行われる。
【0004】
このような、凹凸絵柄を有する箔押し用版を製版する従来の方法においては、まず、作画ソフトを組み込んだコンピュータシステムにおいて、デザイナーが手作業により原画をデザインすることが行われる。そして、その原画からフィルム原版を作成し、フォトレジスト膜を形成した箔押し用版の金属基板にそのフィルム原版を焼き付け現像する。そのレジストパターンを有する金属基板にエッチング技術を適用して凹凸絵柄を有する箔押し用版が作成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、照明の方向や見る角度によって2つの絵柄の内の1つを明瞭に視認できるように凹凸絵柄によって表現することが行われる。しかし、従来においては2つの絵柄の一方がやや強調されるにとどまり、1つだけを明瞭に視認できるようにはできない。特に、2つの絵柄が重なって存在するような場合には、品質において十分に満足できるものではできてない。
【0006】
また、上述のように、その箔押し用版は、デザイナーが手作業により原画をデザインすることによって作成される。万線パターンの場合には、万線を一本々々描き加える作業となるため極めて負荷が大きい。その上、原画においては品質を把握することができないため、箔押し用版を作成し実際に箔押しを行ってみて評価し、原画を修正する繰り返し作業となる。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、2つの絵柄が重なって存在するような場合においても、照明の方向や見る角度によって2つの絵柄の内の1つを明瞭に視認できる箔押しを得るための箔押し用版を提供することにある。またその箔押し用版の原画を自動生成し、作業負荷を大幅に軽減することができる製版システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は下記の本発明によって解決される。すなわち、本発明の請求項1に係る製版システムは、第1絵柄と第2の絵柄を記憶する絵柄記憶手段と、配置指示入力に基づいて前記第1絵柄と前記第2の絵柄を配置し配置画像を生成し配置画像記憶手段に記憶する絵柄配置手段と、前記配置画像記憶手段に記憶されている配置画像を基準線に平行な所定の間隔の境界線によって区分し第1〜N番目のN個の帯画像領域を生成し帯画像領域記憶手段に記憶する帯画像領域生成手段と、前記帯画像記憶手段に記憶されている奇数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄が単独で存在する部分を∠Aの第1万線パターンで形成し、前記帯画像記憶手段に記憶されている偶数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄が単独で存在する部分を∠Bの第2万線パターンで形成し、前記奇数番目の帯画像領域でかつ前記第2絵柄が単独で存在する部分を∠Dの第4万線パターンで形成し、前記偶数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄が単独で存在する部分を∠Cの第3万線パターンで形成し、前記奇数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄と前記第2絵柄が重なって存在する部分を∠Aの第1万線パターンで形成し、前記偶数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄と前記第2絵柄が重なって存在する部分を∠Cの第3万線パターンで形成し、前記奇数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄と前記第2絵柄のいずれも存在しない部分を∠Dの第4万線パターンで形成し、前記偶数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄と前記第2絵柄のいずれも存在しない部分を∠Bの第2万線パターンで形成し、万線画像を生成し万線画像記憶手段に記憶する万線画像生成手段と、を有するようにしたものである。本発明によれば、照明の方向や見る角度によって2つの絵柄の内の1つを明瞭に視認できる箔押しを得るための箔押し用版の原画を自動生成し、作業負荷を大幅に軽減することができる製版システムが提供される。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る箔押し用版製版システムは、請求項5に係る箔押し用版製版システムにおいて、前記基準線と万線の成す角度が前記∠Aは10〜35度、前記∠Bは55〜80度、∠Cは145〜170度、∠Dは100〜125度であるようにしたものである。本発明によれば、万線パターンの万線角度が特に適正に設定された箔押し用版が得られる。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る箔押し用版製版システムは、請求項5または6に係る箔押し用版製版システムにおいて、前記万線画像を透明フィルムに形成し原版フィルムを生成するフィルム出力手段と、感光性レジスト膜を形成した箔押し用版に用いる金属板において、前記感光性レジスト膜と前記原版フィルムとを密着露光する露光手段と、前記露光済の感光性レジスト膜を現像する現像手段と、前記現像済の感光性レジスト膜を介して前記箔押し用版に用いる金属板をエッチングする腐食手段と、前記エッチング済の箔押し用版に用いる金属板から前記現像済の感光性レジスト膜を剥離する剥離手段と、を有するようにしたものである。本発明によれば、フォトエッチングプロセスによって箔押し用版が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について実施の形態を説明する。本発明の箔押し用版製版システムについて説明する。本発明の箔押し用版についても、その製版システムにおける処理過程において詳細な説明が行われる。本発明の箔押し用版製版システムの構成を図1に示す。図1において、1は本体、2は入力部、3は出力部である。また、本体1において、4はインタフェース部、5は処理部、6は記憶部である。また、処理部5において、11は絵柄配置手段、12は帯画像領域生成手段、13は万線画像生成手段である。また、記憶部6が記憶するデータとして、21は絵柄、22は配置画像、23は帯画像領域、24は万線パターン、25は万線画像である。
【0016】
箔押し用版製版システムの本体1は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等のデータ処理装置のハードウェアとソフトウェアによって実現される。入力部2は、キーボード、マウス等から成り、出力部3は、ディスプレイ、プロッタ、フィルム出力装置等から成る。オペレータはGUI(graphical user interface)環境においてこのシステムを操作する。プロッタは作成した万線画像25を用紙に描画する等のためのものである。フィルム出力装置は作成した万線画像25を光透過性のフィルムに出力し原版フィルムを得るためのものである。
【0017】
本体1においてインタフェース部4は、入力部2と出力部3との入出力に関するデータ処理を行う。また、図1には示してないが、インタフェース部4は、LAN(local area network)等の通信回線を介して、通信回線に接続された外部システムと箔押し用版製版システムとがデータ送信受信を行うためのデータ処理を行う。たとえば、箔押し用版の元々の絵柄は外部のデザインシステムで作成しておき、データベースシステムに登録しておく。そして製版するときに、その登録された元々の絵柄をLANを介して箔押し用版製版システムに入力する構成とすることができる。
【0018】
本体1の処理部5はデータ処理を実行する部分であり、記憶部6はデータ処理前とデータ処理後におけるデータを記憶する部分である。処理部5は主としてプログラムによって制御された動作を行うCPU(central processor unit)から成る。また、記憶部6はRAM(random access memory)等の主メモリやハードディスク記憶装置等から成る。
【0019】
処理部5において、絵柄配置手段11は、配置指示入力に基づいて、第1絵柄と第2絵柄を配置し配置画像を生成し配置画像記憶手段に記憶する処理を行う。また、帯画像領域生成手段12は、配置画像記憶手段に記憶されている配置画像を基準線に平行な所定の間隔の境界線によって区分し第1〜N番目のN個の帯画像領域を生成し帯画像領域記憶手段に記憶する処理を行う。また、万線画像生成手段13は、帯画像領域記憶手段に記憶されている所定の帯画像領域に所定の万線パターンを形成することにより万線画像を生成し万線画像記憶手段に記憶する処理を行う。
【0020】
記憶部6において、絵柄21は、たとえば前述のLANを介して箔押し用版製版システムに入力する等の方法で箔押し用版製版システムに入力する。ここでは、絵柄21は、第1絵柄と第2絵柄の2つの絵柄から成る。また、配置画像22は、前述の絵柄配置手段11が生成したデータである。前述の配置画像記憶手段は記憶部6において配置画像22を記憶する部分に相当する。また、帯画像領域23は、前述の帯画像領域生成手段12が生成したデータである。前述の帯画像領域記憶手段は記憶部6において帯画像領域23を記憶する部分に相当する。また、万線パターン24は前述の所定の万線パターンのデータである。また、万線画像25は、前述の万線画像生成手段13が生成したデータである。前述の万線画像記憶手段は記憶部6において万線画像25を記憶する部分に相当する。
【0021】
以上の構成において、次に、本発明の箔押し用版製版システムの動作について説明する。本発明の箔押し用版製版システムにおいて処理が行われるデータの形態を模式図として図2、図3に示す。図2、図3において、(A)は第1絵柄、(B)は第2絵柄、(C)は配置画像、(D)は帯画像領域、(E)は万線画像、(F)は万線画像の背景領域、(G)は万線画像の第2絵柄単独領域、(H)は万線画像の第1絵柄単独領域、(I)は万線画像の第1,2絵柄重複領域の形態を示す模式図である。
【0022】
また、本発明の箔押し用版製版システムにおける処理過程の概要をフロー図として図4に示す。本発明の箔押し用版製版システムは箔押し用版を製版するための原画を作成する過程と、原画に基づいて箔押し用版を作成する過程の2つの過程に大別することができる。図1に示した、箔押し用版製版システムの構成は前半の工程、すなわち原画を作成する工程に属するシステムの部分である。図4に示すように、この原画を作成する工程は、基本的に、2つの絵柄を配置するステップS1、配置した画像において帯画像領域を生成するステップS2、生成した帯画像領域に万線パターンを形成するステップS3から成る。
図1〜図4に基づいて、次に、本発明の箔押し用版製版システムの動作について説明する。
【0023】
製版に用いる絵柄が箔押し用版製版システムに存在しない場合には、オペレータは、まず、▲1▼前述のLANを介したデータ転送、▲2▼絵柄が描かれた用紙をスキャナーで読み取る、▲3▼MO(magneto-optical)ディスク等の記憶媒体から読み取る、等の方法によりシステムに入力する。入力した第1絵柄(A)と第2絵柄(B)は記憶部6に絵柄21として記憶する。ここで、第1絵柄(A)と第2絵柄(B)は、連続的なトーンを有する濃淡画像ではなく、線画またはシルエット画のような2値画像である。また、図2においては、重なり具合が分かりやすいように輪郭線だけが示されている。実際は、第1絵柄(A)は「□」ではなく「■」のように描くべきであり、内部が「1」、外部が「0」のように図形の内外で異なった画素値を有する。第2絵柄(B)も同様である。
【0024】
また、製版に用いる万線パターンが箔押し用版製版システムに存在しない場合には、オペレータは、▲1▼前述のLANを介したデータ転送、▲2▼MO(magneto-optical)ディスク等の記憶媒体から読み取る、等の方法によりシステムに入力する。ここでは、万線パターンは、万線角度が異なる4つの万線パターンの組みとして取り扱われる。したがって、所定の万線角度、所定の万線間隔の基準となる万線パターンを用意し、その基準となる万線パターンを回転して、4つの万線パターンの組みを生成してもよい。
【0025】
4つの万線パターンの組みは、基準線(後述する)と万線の成す角度が鋭角である∠Aの第1万線パターンと、基準線と万線の成す角度が鋭角でありかつ∠Aより大きな角度である∠Bの第2万線パターンと、基準線と万線の成す角度がほぼ∠(180−A)の角度である∠Cの第3万線パターンと、基準線と万線の成す角度がほぼ∠(180−B)の角度である∠Dの第4万線パターンから成る。
特に適正な万線パターンは、万線角度の値を、∠Aが10〜35度、∠Bが55〜80度、∠Cが145〜170度、∠Dが100〜125度であるようにしたものである。
【0026】
また、万線間隔は、箔押し用版のサイズによって適正な値が存在し、版のサイズの1/6000〜1/150とすると得られる効果と取り扱うデータ容量とのバランスがよい。たとえば、版の対角サイズが10cm程度の場合には、万線間隔は0.1mmとする。また、万線の幅は、万線の部分が箔押し用版の凸部となる場合には万線間隔の約1/2またはそれよりも細くする。逆に、万線の幅は、万線の部分が箔押し用版の凹部となる場合には万線間隔の約1/2またはそれよりも太くする。
このような形態を有する万線パターンの組みは、前述のように入力または生成して記憶部6に万線パターン24として記憶する。
【0027】
次に、オペレータは、出力部3のディスプレイをモニターしながら、入力部2のマウス、キーボードを操作して、製版する箔押し用版の外形を示す枠(たとえば矩形枠)を指定するとともに、第1絵柄(A)と第2絵柄(B)をその枠の内部に配置する指定を行う。このオペレータの配置指示入力に基づいて、絵柄配置手段11は第1絵柄(A)と第2絵柄(B)を配置し、配置画像(C)を生成する。また、配置した画像である配置画像(C)は記憶部6に配置画像22として記憶する(ステップS1)。
【0028】
配置画像22において、各画素はすくなくとも2ビットの画素値を有する。たとえば、背景領域の画素の画素値は(00)、第1絵柄単独領域の画素の画素値は(01)、第2絵柄単独領域の画素の画素値は(10)、第1,2絵柄重複領域の画素の画素値は(11)の値を有する。
【0029】
次に、オペレータは、帯画像領域を生成する指示を箔押し用版製版システムに与える。そのとき、生成する帯の幅と、帯の長手方向となる基準線を指定する。帯の幅は箔押し用版のサイズによって適正な値が存在し、版のサイズの1/2000〜1/50とすると得られる効果と取り扱うデータ容量とのバランスがよい。この帯の幅は前述の万線間隔に対して3倍の寸法である。たとえば、版の対角サイズが10cm程度の場合には、帯の幅を0.3mmとする。
基準線としては、特別な効果を狙うのでなければ、水平方向(左右方向)または垂直方向(天地方向)のいずれかを指定する。この、帯の幅と基準線の指定は、その都度オペレータが指示入力するのではなく、指示入力がない場合には所定のデフォルト値を用いるようにすると便利である。
【0030】
前述の帯画像領域を生成する指示があると、帯画像領域生成手段12は、帯の幅と基準線の指定に基づいて配置画像(C)を基準線に平行な所定の間隔の境界線によって区分し第1〜N番目のN個の帯画像領域(D)を生成する。また、生成した帯画像領域(D)は記憶部6に帯画像領域23として記憶する(ステップS2)。
【0031】
図2に示すように帯画像領域(D)は水平方向を基準線としたものである。また、生成した領域である帯画像領域(D)は記憶部6に帯画像領域23として記憶する。配置画像22を画素の集合であると見做すとき、帯画像領域23は、その集合の部分集合を定義するデータである。すなわち、i行j列の画素から成る配置画像22における画素(i,j)の各々が第1〜N帯画像領域のどこに属するかを示すデータである。
【0032】
次に、万線画像生成手段13は、帯画像領域23に記憶されている奇数番目の帯画像領域でかつ第1絵柄が単独で存在する部分を∠Aの第1万線パターンで形成し、帯画像領域23に記憶されている偶数番目の帯画像領域でかつ第1絵柄が単独で存在する部分を∠Bの第2万線パターンで形成する。この部分が第1絵柄単独領域(H)となる。図3に示すように、第1絵柄単独領域(H)は、基準線と万線の成す角度が鋭角である∠Aの第1万線パターンと、基準線と万線の成す角度が鋭角でありかつ∠Aより大きな角度である∠Bの第2万線パターンとから成る。
【0033】
また同様に、万線画像生成手段13は、奇数番目の帯画像領域でかつ第2絵柄が単独で存在する部分を∠Dの第4万線パターンで形成し、偶数番目の帯画像領域でかつ第1絵柄が単独で存在する部分を∠Cの第3万線パターンで形成する。この部分が第2絵柄単独領域(G)となる。図3に示すように、第2絵柄単独領域(G)は、基準線と万線の成す角度が鈍角である∠D≒(180−B)の第4万線パターンと、基準線と万線の成す角度が鈍角でありかつ∠Dより大きな角度である∠C≒(180−A)の第3万線パターンとから成る。
【0034】
また同様に、万線画像生成手段13は、奇数番目の帯画像領域でかつ第1絵柄と第2絵柄が重なって存在する部分を∠Aの第1万線パターンで形成し、偶数番目の帯画像領域でかつ第1絵柄と第2絵柄が重なって存在する部分を∠Cの第3万線パターンで形成する。この部分が第1,2絵柄重複領域(I)となる。図3に示すように、第1,2絵柄重複領域(I)は、基準線と万線の成す角度が鋭角である∠Aの第1万線パターンと、基準線と万線の成す角度が鈍角である∠C≒(180−A)の第3万線パターンとから成る。
【0035】
また同様に、万線画像生成手段13は、奇数番目の帯画像領域でかつ第1絵柄と第2絵柄のいずれも存在しない部分を∠Dの第4万線パターンで形成し、偶数番目の帯画像領域でかつ第1絵柄と第2絵柄のいずれも存在しない部分を∠Bの第2万線パターンで形成しする。この部分が背景領域(F)となる。図3に示すように、背景領域(F)は、基準線と万線の成す角度が鈍角である∠D≒(180−B)の第4万線パターンと、基準線と万線の成す角度が鋭角である∠Bの第2万線パターンとから成る。
【0036】
万線画像生成手段13は、このようにして万線画像(E)を生成し万線画像25に記憶する(ステップS3)。
以上、本発明の箔押し用版製版システムの動作について説明した。上述のように、箔押し用版製版システムにおいては万線画像25が得られる。この万線画像は箔押し用版そのものではなく、その原画である。この原画に基づいて原版フィルムを作成し、その原版フィルムに基づいて、フォトエッチング法、電離放射線硬化法、等により金属や耐熱性樹脂から成る箔押し用版を作成する。
【0037】
次に、その原画に基づいて箔押し用版を作成する過程の一例について説明する。本発明の箔押し用版製版システムにおいて原画から箔押し用版を作成する過程をフロー図として図5に示す。図5に基づいて説明する。まず、ステップS11において、フィルム出力装置(図1参照)を用い、記憶部6に記憶されている万線画像25を透明フィルムに形成し原版フィルムを生成する。原版フィルムは、箔押し用版において凸部となる部分が透明で、凹部となる部分が遮光されるパターン、すなわちネガパターンを有する。
【0038】
次に、ステップS12において、箔押し用版に用いる金属板に光硬化性の感光性レジスト膜を形成したものを用意しておく。そして、密着露光装置を用い感光性レジスト膜と原版フィルムとを密着露光する。金属板としては、銅、鉄、真鍮、等の金属または合金を使用することができる。次に、ステップS13において、現像装置を用い、密着露光済の感光性レジスト膜を現像する。さらに、必要に応じて、その感光性レジスト膜を加熱処理し被膜を硬化させ、腐食レジストマスクを得る。次に、ステップS14において、腐食装置を用い、その腐食レジストマスクを介して箔押し用版に用いる金属板をエッチングする。
【0039】
次に、ステップS15において、エッチング済の箔押し用版に用いる金属板から腐食レジストマスクを剥離する。以上のステップにより、金属板に万線画像(E)が形成される。さらに、このステップの後、箔押しが行われないようにする金属板の部分、すなわち、金属板の周囲部分だけをエッチングまたは機械加工によって掘り下げる処理が行われる。その他の必要とされる後処理がすべて行われ箔押し用版が完成する。
【0040】
箔押し用版の断面形状と箔押しを行った用紙の断面形状を模式図として図6に示す。図6(A)は押圧により版と用紙が接触した状態、図6(B)は離れた状態を示す。箔押し用版61を用紙62に押圧することによりエンボシングが行われ用紙62には凹凸形状が形成される。ただし、図6に示すように、箔押し用版61の凹凸形状と用紙62の凹凸形状は完全に一致するわけではない。箔押し用版61の凹凸形状において、凹部の奥まったところまでは用紙62は入り込まない。そのため用紙62の凸部は半円柱の表面形状(蒲鉾形状)のような形状となる。勿論、この半円柱の軸方向は万線の方向と一致する。
【0041】
図6では示してないが、箔押しを行う場合には、箔押し用版61と用紙62との間に箔押シートを介在させる。箔押しを行うことにより、金属箔は用紙62の半円柱の表面を含む全表面に形成される。この金属箔により光の反射率が高まるとともに、半円柱の表面形状は特異な反射特性を有する。すなわち、同方向の光線を入射した場合においても、半円柱の軸方向によっては光線の反射方向による強度が異なるという、光反射における異方性を有することになる。このため、光線の入射方向と観測者の視認方向を固定した場合においても、半円柱の軸方向によって、明るく見える領域と暗く見える領域の差異が生じる。したがって、本発明の箔押し用版を用いて箔押しを行った箔押し部分は、その面の傾きを変化させたり、見る角度を変えたり、光線の方向を変えることにより特定の絵柄だけを明るく見せることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に係る箔押し用版によれば、2つの絵柄が重なって存在するような場合においても、照明の方向や見る角度によって2つの絵柄の内の1つを明瞭に視認できる箔押しを得るための箔押し用版が提供される。
また、本発明の請求項2に係る箔押し用版によれば、万線パターンの万線角度が特に適正に設定された箔押し用版が得られる。
また、本発明の請求項3に係る箔押し用版によれば、異なる万線パターンの境界が目立たなくなり絵柄の表現が自然である。
また、本発明の請求項4に係る箔押し用版によれば、2つの絵柄が重なって存在するような場合においても、通常の照明の方向や見る角度によって2つの絵柄の内の1つを特に明瞭に視認できる箔押しを得るための箔押し用版が提供される。
【0043】
また、本発明の請求項5に係る箔押し用版製版システムによれば、照明の方向や見る角度によって2つの絵柄の内の1つを明瞭に視認できる箔押しを得るための箔押し用版の原画を自動生成し、作業負荷を大幅に軽減することができる製版システムが提供される。
また、本発明の請求項6に係る箔押し用版製版システムによれば、万線パターンの万線角度が特に適正に設定された箔押し用版が得られる。
また、本発明の請求項7に係る箔押し用版製版システムによれば、フォトエッチングプロセスによって箔押し用版が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の箔押し用版製版システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の箔押し用版製版システムにおいて処理が行われるデータの形態を示す模式図(その1)である。
【図3】本発明の箔押し用版製版システムにおいて処理が行われるデータの形態を示す模式図(その2)である。
【図4】本発明の箔押し用版製版システムにおける処理過程の概要を示すフロー図である。
【図5】本発明の箔押し用版製版システムにおいて原画から箔押し用版を作成する過程を示すフロー図である。
【図6】箔押し用版の断面形状と箔押しを行った用紙の断面形状を示す模式図である。
1 本体
2 入力部
3 出力部
4 インタフェース部
5 処理部
6 記憶部
11 絵柄配置手段
12 帯画像領域生成手段
13 万線画像生成手段
21 絵柄
22 配置画像
23 帯画像領域
24 万線パターン
25 万線画像
61 箔押し用版
62 用紙
Claims (3)
- 第1絵柄と第2絵柄を記憶する絵柄記憶手段と、
配置指示入力に基づいて、前記第1絵柄と前記第2絵柄を配置し配置画像を生成し配置画像記憶手段に記憶する絵柄配置手段と、
前記配置画像記憶手段に記憶されている配置画像を基準線に平行な所定の間隔の境界線によって区分し第1〜N番目のN個の帯画像領域を生成し帯画像領域記憶手段に記憶する帯画像領域生成手段と、
前記帯画像領域記憶手段に記憶されている奇数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄が単独で存在する部分を∠Aの第1万線パターンで形成し、前記帯画像領域記憶手段に記憶されている偶数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄が単独で存在する部分を∠Bの第2万線パターンで形成し、前記奇数番目の帯画像領域でかつ前記第2絵柄が単独で存在する部分を∠Dの第4万線パターンで形成し、前記偶数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄が単独で存在する部分を∠Cの第3万線パターンで形成し、前記奇数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄と前記第2絵柄が重なって存在する部分を∠Aの第1万線パターンで形成し、前記偶数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄と前記第2絵柄が重なって存在する部分を∠Cの第3万線パターンで形成し、前記奇数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄と前記第2絵柄のいずれも存在しない部分を∠Dの第4万線パターンで形成し、前記偶数番目の帯画像領域でかつ前記第1絵柄と前記第2絵柄のいずれも存在しない部分を∠Bの第2万線パターンで形成し、万線画像を生成し万線画像記憶手段に記憶する万線画像生成手段と、
を有することを特徴とする箔押し用版製版システム。 - 請求項1記載の箔押し用版製版システムにおいて、前記基準線と万線の成す角度が前記∠Aは10〜35度、前記∠Bは55〜80度、∠Cは145〜170度、∠Dは100〜125度であることを特徴とする箔押し用版製版システム。
- 請求項1または2記載の箔押し用版製版システムにおいて、前記万線画像を透明フィルムに形成し原版フィルムを生成するフィルム出力手段と、
感光性レジスト膜を形成した箔押し用版に用いる金属板において、前記感光性レジスト膜と前記原版フィルムとを密着露光する露光手段と、
前記露光済の感光性レジスト膜を現像する現像手段と、
前記現像済の感光性レジスト膜を介して前記箔押し用版に用いる金属板をエッチングする腐食手段と、
前記エッチング済の箔押し用版に用いる金属板から前記現像済の感光性レジスト膜を剥離する剥離手段と、
を有することを特徴とする箔押し用版製版システム。
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