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JP4438751B2 - 有孔梁の補強金物と補強構造 - Google Patents
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Description

本発明は、貫通孔が設けられた木製梁の補強金物と、該補強金物を使用した補強構造に関する。
木製の梁に空調用ダクトや各種配管・配線を挿通させるため、梁幅方向の貫通孔を形成する場合がある。このような梁(以下、「有孔梁」という。)においては、貫通孔による梁強度の低下を補う必要があることから、貫通孔の周囲に鋼板等からなる補強金物を取り付ける技術が提案されている。
図3は特許文献1に開示された補強金物及び補強構造を示す。この補強金物9は、有孔梁1の一方の側面に当てがわれて貫通孔11の周囲を補強する垂直板部91と、有孔梁1の下面を補強する水平板部92とからなるL字形の部材で、垂直板部91には貫通孔11と略合致する開口93が形成されている。垂直板部91は、多数のビス94や釘によって有孔梁11に固定される。
特開2003−176601号公報
上記のように、鋼板製の補強金物を多数のビスや釘で有孔梁の側面に取り付ける補強構造は、鋼板に形成されたビス挿通孔とビスとの間に若干のクリアランスがあるために、有孔梁が外力を受けて変形するとき、応力が木材からビス、ビスから鋼板へと伝達する過程で応力伝達の遅れが生じる。また、ビス挿通孔とビスとが点接触に近い接触状態であることから、応力が十分に伝達されない可能性もある。
そこで本発明は、有孔梁が変形する際の応力が確実に伝達されて、高い強度を発揮し得る補強金物と、その補強金物を利用した有孔梁の補強構造を提案することを解決課題とする。
上記した目的を達成するため、本発明の有孔梁の補強金物は、梁幅方向の貫通孔が形成されてなる有孔梁の側面に取り付けられて、上記貫通孔の周囲を補強する補強金物であって、貫通孔に対応する開口が形成された略平板状の補強側板と、上記補強側板の開口の近傍に形成された複数個の孔部にそれぞれ固着されて補強側板の片側及び他側に突出する複数個の短筒部と、上記各短筒部の片側先端周縁部に形成された複数個の爪状突起とを具備することを特徴とする。
また、本発明の有孔梁の補強構造は、梁幅方向の貫通孔が形成されてなる有孔梁の側面に補強金物を取り付けて、上記貫通孔の周囲を補強する有孔梁の補強構造であって、上記補強金物は、貫通孔に対応する開口が形成された略平板状の補強側板と、上記補強側板の開口の近傍に形成された複数個の孔部にそれぞれ固着されて補強側板の片側に突出する複数個の短筒部と、各短筒部の先端周縁部に形成された複数個の爪状突起とを具備し、有孔梁の少なくとも一方の側面に、貫通孔と補強側板の開口とを合致させて補強側板を当てがい、有孔梁の側面に形成した座ぐり孔に上記短筒部を嵌挿し、該座ぐり孔の中心に形成したボルト挿通孔に挿通されるボルト・ナットを介して補強金物と有孔梁とを梁幅方向に締結することにより、上記爪状突起を座ぐり孔の底面に食い込ませることを特徴とする。
また、本発明の有孔梁の補強構造は、梁幅方向の貫通孔が形成されてなる有孔梁の側面に補強金物を取り付けて、上記貫通孔の周囲を補強する有孔梁の補強構造であって、上記補強金物は、貫通孔に対応する開口が形成された略平板状の補強側板と、上記補強側板の開口の近傍に形成された複数個の孔部にそれぞれ固着されて補強側板の片側及び他側に突出する複数個の短筒部と、上記各短筒部の片側先端周縁部に形成された複数個の爪状突起とを具備し、有孔梁の少なくとも一方の側面に、貫通孔と補強側板の開口とを合致させて補強側板を当てがい、有孔梁の側面に形成した座ぐり孔に上記短筒部の片側を嵌挿し、該座ぐり孔の中心に形成したボルト挿通孔に挿通されるボルト・ナットを介して補強金物と有孔梁とを梁幅方向に締結することにより、上記爪状突起を座ぐり孔の底面に食い込ませることを特徴とする。
上述のように構成される有孔梁の補強金物及び補強構造は、補強側板の片側に突出した短筒部が有孔梁の側面に形成された座ぐり孔に嵌挿されて、座ぐり孔に対し面接触に近い状態となるので、有孔梁の変形に対して優れた応力伝達効果を発揮する。
また、短筒部の先端周縁部に形成された爪状突起が有孔梁に喰い込むので、有孔梁の初期変形に対しても高い剛性を発揮する。
このような作用によって有孔梁の強度を増すことが可能になるから、必要以上に有孔梁の断面寸法を大きくしなくても済み、設計自由度や経済性の向上に寄与する。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明の補強金物及び補強構造の概要を示す斜視図であり、図2は補強金物と有孔梁との締結状態を示す部分断面図である。
有孔梁1は矩形断面を有し、配管のための貫通孔11が幅方向に形成されている。例示形態において想定している貫通孔11の内径は十数cmである。この貫通孔11の周囲に補強金物2が取り付けられる。
補強金物2は、厚さ数mm程度の鋼板やステンレス鋼板等からなる略平板状の補強側板21を備える。この補強側板21には、貫通孔11に対応する正面視略U字形の開口22が形成されている。開口22の周囲には複数個(例示形態では4個)の孔部が形成され、各孔部に鋼製の中空筒状部材が嵌挿されて補強側板21と溶接固着されることにより、複数箇所の短筒部23が設けられている。短筒部23は、外径が30〜50mm程度で、先端側すなわち有孔梁1の側面に当てがわれる側が補強側板21から10〜20mm程度突出し、その反対の後端側は補強側板21から数mm程度突出するように取り付けられている。有孔梁1に当てがわれる側の短筒部23の先端周縁部には、ジベル状の鋭利な爪状突起24が数個ずつ形成されている。
補強金物2を有孔梁1の側面に取り付けるに際しては、予め有孔梁1の側面に、短筒部23を嵌挿するための座ぐり孔12と、その中心を梁幅方向に貫通するボルト挿通孔13を形成しておく。座ぐり孔12の深さは、短筒部23の先端側の突出寸法(爪状突起24の分を除く)と同程度である。そして、有孔梁1の側面に補強金物2を当てがい、短筒部23を座ぐり孔12に嵌め込む。短筒部23を軽くハンマーで叩くなどして爪状突起24を座ぐり孔12の底面に突き刺すと、補強金物1が仮止めされる。続いて図2に示すように、有孔梁1の反対側の側面からボルト挿通孔13にボルト3を挿通し、短筒部23の後端から露出したボルト3の脚端にナット4を締結すると、補強金物2と有孔梁1とが一体に結合される。
なお、図2に示した実施形態では、有孔梁1の反対側の側面にボルト3の頭部が突出するのを避けるため、頭部の平らな片引きボルトを採用し、有孔梁1の反対側の側面に形成した座ぐり孔14に片引きボルトの頭部を納めている。もちろん、一般的な六角ボルトも利用可能である。図2中の符号51、52は座金である。
このように構成される補強構造によれば、ボルト3・ナット4の締結により、短筒部23の先端周縁部に形成された爪状突起24が有孔梁1に対して強固に喰い込む。食い込んだ爪状突起24は、有孔梁1が外力を受けたときの初期変形に対して速やかに剛性を発揮する。
また、補強金物2の短筒部23は有孔梁1の側面に形成された座ぐり孔12内に埋め込まれて、短筒部23の外周面と座ぐり孔12の内周面とが面的に接触するので、有孔梁1の曲げ変形や剪断変形による応力は、ダイレクトに短筒部23から補強側板21へと伝達される。座ぐり孔12内に埋め込まれた短筒部23は、いわば鋼材とコンクリートとの一体的結合を図るために使用されるスタッド(シャーコネクタ)と同様の作用をなすのである。座ぐり孔12の内径は、短筒部23をきっちりと嵌挿しうるような寸法が望ましいが、座ぐり孔12と短筒部23の間に多少の遊びがあっても、有孔梁1に所定量の変形が生じた時点で上記の応力伝達は確実に行われる。
ところで、上記実施形態では、短筒部23の後端が補強側板21から数mm突出するように構成されている。短筒部23の後端は、例えば補強側板21と面一に仕上がるように形成されていてもよいが、後端を補強側板21から僅かに突出させることにより、以下のようなメリットが生じる。
第一には、短筒部23と補強側板21とを溶接し易くなる点である。もし、有孔梁1に当てがわれる面から短筒部23と補強側板21とを溶接すると、溶接の肉盛りが、補強側板21を有孔梁1に当てがうときの邪魔になるので好ましくない。しかし、反対側から溶接すれば、溶接の肉盛り(図2中の符号6)が有孔梁1の側面に干渉しないので、短筒部23の外周全体にわたって十分かつ確実に溶接を行うことができる。
第二に、有孔梁1に補強金物2を当てがって締結する際、短筒部23の後端が突出していると、ボルト3・ナット4の締結力がダイレクトに短筒部23に作用する点である。これにより、爪状突起24を有孔梁1に対して深くしっかりと食い込ませることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、対をなす補強金物2を有孔梁1の両側面に当てがって締結することもできる。また、補強金物2の形態については、例えば特許文献1に記載された補強金物9のように、開口22をU字形でなく円形にしてもよいし、補強側板21の下縁部に有孔梁1の下面を補強する水平板部を一体に形成してL字形にしたり、有孔梁1の貫通孔11に嵌め込まれる補強管と一体に形成してもよい。
本発明の実施形態に係る補強金物及び補強構造を示す斜視図である。 上記補強構造における補強金物と有孔梁との締結状態を示す部分断面図である。 従来の技術に係る補強金物及び補強構造を示す斜視図である。
符号の説明
1 有孔梁
11 貫通孔
12 座ぐり孔
13 ボルト挿通孔
2 補強金物
21 補強側板
22 開口
23 短筒部
24 爪状突起
3 ボルト
4 ナット

Claims (3)

  1. 梁幅方向の貫通孔が形成されてなる有孔梁の側面に取り付けられて、上記貫通孔の周囲を補強する補強金物であって、
    貫通孔に対応する開口が形成された略平板状の補強側板と、
    上記補強側板の開口の近傍に形成された複数個の孔部にそれぞれ固着されて補強側板の片側及び他側に突出する複数個の短筒部と、
    上記各短筒部の片側先端周縁部に形成された複数個の爪状突起とを具備することを特徴とする有孔梁の補強金物。
  2. 梁幅方向の貫通孔が形成されてなる有孔梁の側面に補強金物を取り付けて、上記貫通孔の周囲を補強する有孔梁の補強構造であって、
    上記補強金物は、貫通孔に対応する開口が形成された略平板状の補強側板と、上記補強側板の開口の近傍に形成された複数個の孔部にそれぞれ固着されて補強側板の片側に突出する複数個の短筒部と、各短筒部の先端周縁部に形成された複数個の爪状突起とを具備し、
    有孔梁の少なくとも一方の側面に、貫通孔と補強側板の開口とを合致させて補強側板を当てがい、有孔梁の側面に形成した座ぐり孔に上記短筒部を嵌挿し、該座ぐり孔の中心に形成したボルト挿通孔に挿通されるボルト・ナットを介して補強金物と有孔梁とを梁幅方向に締結することにより、上記爪状突起を座ぐり孔の底面に食い込ませることを特徴とする有孔梁の補強構造。
  3. 梁幅方向の貫通孔が形成されてなる有孔梁の側面に補強金物を取り付けて、上記貫通孔の周囲を補強する有孔梁の補強構造であって、
    上記補強金物は、貫通孔に対応する開口が形成された略平板状の補強側板と、上記補強側板の開口の近傍に形成された複数個の孔部にそれぞれ固着されて補強側板の片側及び他側に突出する複数個の短筒部と、上記各短筒部の片側先端周縁部に形成された複数個の爪状突起とを具備し、
    有孔梁の少なくとも一方の側面に、貫通孔と補強側板の開口とを合致させて補強側板を当てがい、有孔梁の側面に形成した座ぐり孔に上記短筒部の片側を嵌挿し、該座ぐり孔の中心に形成したボルト挿通孔に挿通されるボルト・ナットを介して補強金物と有孔梁とを梁幅方向に締結することにより、上記爪状突起を座ぐり孔の底面に食い込ませることを特徴とする有孔梁の補強構造。
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