図1は、実施例に係るパチンコ機の全体構成を図示したブロック図である。このパチンコ機は、遊技動作を中心的に制御する主制御基板1と、液晶ディスプレイ8の動作を制御する図柄制御基板2と、音声的に遊技動作を盛上げる音声制御基板3と、ランプ類を点滅動作させて遊技動作を盛上げるランプ制御基板4と、遊技球を払出す払出制御基板5と、払出制御基板5に制御されて遊技球を発射する発射制御基板7と、AC24Vを受けて装置各部に直流電圧を供給する電源基板6とを中心に構成されている。そして、サブ制御基板2〜5は、主制御基板1からの制御コマンドに基づいて個別的な制御動作を実現している。
主制御基板1、図柄制御基板2、音声制御基板3、ランプ制御基板4、払出制御基板5は、それぞれCPU、RAM、ROMを備えるコンピュータ回路で構成されている。ここで、主制御基板1には、通常のPROM(Programmable Read Only Memory)を内蔵したワンチップマイコンが搭載されているが、各サブ制御基板2〜5にはフラッシュROM(Flash Memory)が内蔵されたワンチップマイコンが搭載されている。なお、フラッシュROMとは、EEPROM(ElectricallyErasable and Programmable Read Only Memory)のうち、電気的な消去及び書込みが可能なフラッシュEEPROMを意味する。
図2は、サブ制御基板2〜5に搭載されるワンチップマイコンのブロック図を図示したものである。図示の通り、このワンチップマイコン50は、CPUコア51と、上記したフラッシュROM52と、RAM(Random Access Memory)53と、割込みタイミングの特定などに使用されるタイマ部54と、CPUの動作タイミングを決定するシステムクロック発生部55と、並列データの入出力ポートであるパラレルI/O部56と、直列データが送受信可能なシリアルI/O部57などを備えている。
本実施例では、図柄制御基板2、音声制御基板3、ランプ制御基板4、及び払出制御基板5は、その遊技制御プログラム及びその参照データ(音声データや画像データ)が、全てフラッシュROMに記憶されている。そして、遊技機での遊技動作をバージョン変更するに際しては、各回路基板を変更することなくフラッシュROMの内容のみを更新するようにしている。なお、主制御基板1は、各サブ制御基板で実行すべき動作種別を2バイトの制御コマンドで指令するだけであるので、遊技性を抜本的に変更する場合を除き、通常のバージョン変更時には変更しない。
一般にフラッシュROMの書換えには、「パラレル書換えモード」と「シリアル書換えモード」と「CPU書換えモード」とが使用可能である。但し、この実施例では、ワンチップマイコンを基板から取り外すことなくオンボード状態でデータ更新を実現するため、シリアル書換えモードか、又はCPU書換えモードを使用している。ここでシリアル書換えモードとは、専用のシリアルライタSWrを用いてフラッシュROMを書き換えるモードである。一方、CPU書換えモードとは、RS232Cなどの汎用のシリアル・インタフェイスによってフラッシュROMを書き換えるモードであり、ユーザパソコンPCとCPUコア51とをシリアルI/Oポート51を介して接続する。
図1は、ノート型のユーザパソコンPCとサブ制御基板とをRS232Cのインタフェイスで接続する場合を図示したものである。以下、このCPU書換えモードでの動作内容を具体的に説明する。なお、図1では、図柄制御基板2と接続しているが、図柄制御基板2のプログラム及び画像データのバージョン変更が完了すれば、音声制御基板3、ランプ制御基板4、払出制御基板5にも順次パソコン接続して、バージョン変更を実現するのは勿論である。また、フラッシュROMの書換えは、遊技機メーカ側のサービスマンによって行われるが、処理が簡略化されており、且つ、後述するように、契約外の使用は確実に排除されているので遊技ホールの係員でも実施可能である。
図1の接続において遊技機のバージョン変更を実現するには、オンライン状態でダウンロードされた更新データや、CDなどの媒体で提供された更新データを先ずユーザパソコンPCのメモリに記憶させる必要がある。この更新データには、各サブ制御基板のフラッシュROMに書き込むべきプログラムやその参照データの他に、当該遊技ホールに設置されている遊技機のシリアル番号の全てが含まれている。以下、これらのデータを総称して遊技ソフトと言うことがある。
図3(b)は、転送処理段階におけるメモリ(送信バッファ)に格納された更新データを図示したものであり、シリアル番号列の次に00Hが記憶され、各サブ制御基板用のデータの最後はEOF(end of file)として特定できるようになっている。
CPU書換えモードを用いて各サブ制御基板をバージョン変更するには、ユーザパソコン側では、図3(a)に示す転送処理プログラム(WRITE.EXE)を実行する必要がある。この転送処理プログラムでは、1バイトデータを送信すると、次にシリアル入力ポート51をポーリングしてサブ制御基板からの応答信号ACKを待ち、応答信号ACKを受信したことを条件に次の処理に移行するようにしている。以下、図3(a)のフローチャートに基づいて、パソコン側の転送処理を説明する。
図3(a)に示す転送処理プログラム(Write.exe)を実行すると、最初に、転送先のサブ制御基板を特定すべき画面が表示される。そして、ユーザがキーボード入力などによってデータ転送先となるサブ基板を特定すると、転送処理プログラムは、これに合わせて送信バッファ中の転送すべきデータ群を特定する。次に、特定されたサブ制御基板に対して、確認テストデータを出力する(ST30)。
この確認テストデータも含め、ユーザパソコンPCから出力されたデータは、シリアル信号としてサブ制御基板のシリアルI/Oポート51(UART)に伝送され、シリアルデータを受信し終わると受信割込みが起こり、サブ制御基板の割込み処理プログラムにおいて転送データが取得されるようになっている。また、転送データを取得したサブ制御基板では、シリアルI/Oポート51(UART)を通して、適宜なタイミングで受信応答信号ACKを返送するようになっている。
したがって、転送処理プログラム(Write.exe)では、確認テストデータを出力した後、応答信号ACKの受信を待ち、応答信号ACKを受信したら次の処理に移行することになる(ST31)。なお、ユーザパソコンから最初に確認テストデータを送信するのは、サブ制御基板にはノイズなどによって受信割込みが生じる可能性もあるからである。また、応答信号ACKのチェックには時間管理処理が含まれており、所定時間待機しても応答信号ACKを受けない場合には、転送処理を終えるようになっている。
応答信号ACKを確認できたら、次に、転送処理プログラムは、シリアル番号を順番に出力する(ST32〜ST34)。すなわち、1個目のシリアル番号を出力すれば遊技機からの応答信号ACKを待ち、応答信号ACKの受信後、次のシリアル番号を出力する。先に説明したように、シリアル番号とは、当該遊技ホールに設置されている全ての遊技機の機器シリアル番号である。このシリアル番号は、遊技ホールに設置されている遊技機の台数に合わせて複数個(n個)存在するが、最終のシリアル番号の後には00Hが記載されている。
ステップST32,ST33の処理を繰り返すと、ユーザパソコンは、やがて最終データ(00H)を出力することになり、この最終データを出力した後は、ブロック番号を示すブロック変数iを初期設定して(ST35)遊技ソフトの転送処理に移行する。
この実施例では、転送すべき遊技ソフトを所定バイト長からなる複数個のブロックに区分し、各ブロックの最後には当該ブロックについてのCRC値を送信するようにしている。そして、各ブロックのデータを1バイト送信する毎にサブ制御基板から応答信号ACKの受信を待ち(ST36,ST37)、1ブロック分のデータの最後に送信したCRC値についての応答信号ACKを受信して1ブロック分の処理を終える。
後述するように、1ブロック分のデータを受信したサブ制御基板では、CRCチェックによって正しくデータを受信できたか否かを判定し、正しく受信できた場合には、フラッシュROMの書換え処理を行った後に応答信号ACKを返信する。一方、CRCチェックによって異常となった場合には、直ちに応答信号ACKを返信して、同一ブロックのデータの再送信を待つ。
サブ制御基板では、このような処理を行っているので、ユーザパソコン側では、応答信号ACKを受信するまでに要する時間によって、同一ブロックのデータを再送信するか、次ブロックのデータを送信するかを判定している。具体的には、先ず、タイマ変数tをゼロに初期設定し(ST39)、タイマ変数tをインクリメントしつつ応答信号ACKの受信を待つ(ST41)。そして、受信時までに要した時間が基準値Tsより長いか短いかに応じて、サブ基板側での処理内容を判定している(ST42)。
具体的には、t<Tsなら同じブロックのデータの再送信に移行し、t≧Tsならブロック変数iをインクリメント(+1)して(ST43)、EOF(end of file)を既に認識済みであるか否かが判定される(ST44)。今回送信を完了したブロックデータ中にEOFを認識した場合には全ての処理を終えるが、そうでない場合にはステップST36に戻って、次ブロックの転送処理を繰り返す。
続いて、図4及び図5に基づいてサブ制御基板における受信割込み処理について説明する。サブ制御基板では、最初の受信割込みでは、フラッシュROMエリアであるAAAA番地以降の処理が実行されるが、その後、必要なプログラムやデータをRAMエリアに転送してaaaa番地以降の処理を実行している(図4(b)参照)。つまり、最初の受信割込みでは、AAAA番地の処理が開始される。
以下、具体的に説明すると、ユーザパソコンからの確認テストデータの送信(ST30)に対応する受信割込みがあると、AAAA番地以降のプログラムによって、その割込みがノイズに伴うものでないことを確認テストデータの値から把握する(ST50,ST51)。そして、もし予め決定されている確認テストデータを受信できなかった場合にはエラー処理を実行する。一方、正しく確認テストデータを受信できた場合には、AAAA番地以降のデータ受信用ソフト(ST50〜ST52)、フラッシュROM用のソフト(ST53〜ST55,ST60〜ST79)、及び当該遊技機の機器シリアル番号を含む管理データをRAMエリアに転送する(ST52)。
その後、処理をRAMエリアのaaaa番地にジャンプさせる。RAMエリアにはステップST52の処理で転送されたプログラムが格納されており、具体的にはステップST53以降の処理プログラムが格納されている。そして、このRAMエリアのプログラムによって、先ずフラッシュROMの内容が全て消去される(ST53)。次に、以降の処理内容を区別する状態フラグFGをゼロに設定すると共に、ポインタ変数Pをnnnnに初期設定する。nnnn番地は受信バッファBUFの先頭番地であり(図4(b)参照)、受信バッファBUFの容量は、送信されてくる1ブロック分のデータ長に対応する大きさに設定されている。次に、以降の受信割込みにおける処理開始アドレスをbbbb番地に変更した上で、応答信号ACKをユーザパソコンに返信する(ST55)。
この応答信号ACKを受信したユーザパソコンでは、当該遊技ホールに設置されている遊技機の機器シリアル番号を順番に送信してくる(ST32〜ST34)。そして、機器シリアル番号の送信に伴う受信割込みが生じると、サブ制御基板では、図5に記載したbbbb番地以降の割込み処理プログラムが実行される。
受信割込みが生じると、先ず状態フラグFGがチェックされる(ST60)。この段階では、状態フラグFGはゼロであるから、ステップST61の処理に移行し、RAMの管理データエリア(図4(b)参照)に登録されている当該遊技機の機器シリアル番号と一致するか否かが判定される。もし一致すれば判定変数CHECKを1にするが、そうでなくても、次に、受信データDiがゼロであるか否かが判定される(ST63)。最初の段階の受信データDiはシリアル番号であり、Di≠0であるからステップST66に移行して受信応答信号ACKを返送して割込み処理を終える。なお、これに対応してユーザパソコンでは、次のシリアル番号を送信することになる。
このようにして、サブ制御基板では、ユーザパソコンから送信されるシリアル番号を次々と受信して当該遊技機の機器シリアル番号との照合処理を行う。一方、ユーザパソコンは、全てのシリアル番号の送信後に最終データ00Hを送信する。そこで、サブ基板側では、受信データDiが00Hの場合には状態フラグFGを1に変更した後(ST64)、判定変数CHECKをチェックする(ST65)。
受信データDi=0を受信した段階では、当該遊技ホールの設置されている全遊技機のシリアル番号の受信を終わっている。したがって、本来CHECK=1の筈であるが、万一、CHECK≠1となった場合にはエラー処理に移行させている。CHECK≠1の場合とは、例えば、遊技ホールを特定して受け取った遊技ソフトを、当該遊技ホール以外の遊技機にインストールしようとする場合であるが、そのような行為は、このシリアル番号のチェックで確実に排除される。
遊技ソフトを正当にインストールする場合は、状態フラグFG=1の状態で応答信号ACKを返信し(ST66)割込み処理を終えることができる。従って、次の受信割込みでは、ステップST60の判定の後、ステップST67に移行し、ポインタPの指定する格納エリアに受信データを格納し、ポインタPをインクリメントする(ST68)。なお、ポインタPは、バッファ領域BUFのアドレスを指している。
インクリメントされたポインタPは、最大値MAX(=受信バッファの最終アドレス+1)を越えたか否か判定され(ST69)、P<MAXなら応答信号ACKを返送して割込み処理を終える。このように、受信割込みが生じる毎に受信バッファエリアBUFに受信データを格納してゆくが、1ブロック分の送信データの最後には、それまでのブロックデータのCRC値が送信されてくる。
そこで、サブ制御基板では受信したCRC値に基づいてCRCチェックを行い(ST71)、万一CRCエラーが生じた場合には、CRC受信用の応答信号ACKを返信した後(ST72)、ポインタPを初期値nnnnに戻し、再度、応答信号ACKを返信する(ST74)。なお、ユーザパソコン側では、応答信号ACKの返信が本来のタイミングより早いことによって、送受信エラーを認識できるので(ST42)、同じブロックのデータを再送信してくる。
通常の場合には、ステップST71の判定はOKとなるので、続いてフラッシュROMの書込み処理が行われる(ST75)。具体的には、バッファ領域BUFに記憶されているCRC値を除く全データが、フラッシュROMエリアの該当番地に書き込まれることになる。次に、転送データの全ての書込み処理が終わったか否か判定され(ST76)、未だ受信すべきデータが残っている場合にはポインタPを初期設定すると共に、応答信号ACKを返送して割込み処理を終える(ST78)。
このようにして、受信データのバッファ領域BUFへの記憶(ST67〜ST70)、1ブロックのデータ記憶後のCRCチェック(ST71)、1ブロック分のデータのフラッシュROMへの書込み(ST75)を繰り返すと、やがて全ての転送データの書込み処理が終わる。そこで、この場合には、ステップST52の処理でRAMエリアに転送されたデータ受信用ソフト(ST50〜ST52)、フラッシュROM用のソフト(ST53〜ST55,ST60〜ST79)、機器シリアルデータを含む管理データの全てを、AAAA番地以降のフラッシュROMに書き込む(ST79)。
以上の処理が終われば、受信割込みの処理開始アドレスをbbbb番地からAAAA番地に変更した後、フラッシュROMの該当番地にジャンプする。この処理によって、当該サブ制御基板は電源投入後の初期処理を開始することになる。そして、ユーザパソコンを次のサブ制御基板に接続して、図3の処理を再実行することになる。
なお、以上の説明では省略しているが、受信割込みによりCPUは自動的に割込み禁止状態となり、割込み処理プログラムの終了時にソフト的に割込み許可状態に戻している。また、割込み処理開始時にレジスタ類のデータを退避し、割込み終了時には、退避しておいたデータをレジスタ類に復帰させている。
その他、具体的に説明した上記の内容は特に本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱することなく各種の変更が可能である。例えば、実施例では、フラッシュROMを一括して消去したが、一ブロック分のデータ書込みに際して一ブロック毎にフラッシュROMを消去しても良い。
この場合には、ステップST53の処理がステップST75の位置に移行されるので、違法なインストール行為に対するペナルティが免除される。すなわち、図4のフローチャートの場合には、本来、他の遊技ホール用の配布された更新データを違法にインストールしようとすると、フラッシュROMの内容が全て消去された後に(ST53)、ステップST65の判定によってインストールが禁止されるので、その後は、遊技機が動作不能となる。
また、実施例の場合には、シリアル番号との照合処理(ST61)を各サブ制御基板で行っているが、この構成に代えて、ユーザパソコン側で照合処理を行っても良い。この場合には、データ転送処理プログラムWrite.exeが、最初に遊技機との交信でシリアル番号を読み出し、その後の照合処理の結果に基づいてデータ転送処理を開始させるか否かを決定すれば良い。
以上、遊技機のバージョン変更に際してCPU書換えモードを使用する実施例について説明したが、特に限定されるものではなく、シリアル書換えモードを使用しても良い。この場合には、例えば、PCカードインタフェイスであるPCMCIA規格を備える専用のシリアルライタSWr(図1)を、ユーザパソコンPCと遊技機の間に介在させる。そして、ワンチップマイコンのBoot ROMに予め格納されているシリアル書込みプログラムを使用すれば、簡単にROMの書換え処理を終えることができる。但し、このような構成は、本発明の範囲ではない。
但し、予め格納されているシリアル書込みプログラムをそのまま使用するのではなく、フラッシュROMの書換えに先立って、ユーザパソコンからシリアル番号の送信を受け、サブ制御基板のフラッシュROMに記憶されている当該機器のシリアル番号のチェック処理を行い、一致することを条件にメモリ書換え処理に移行させるのが好適である。この場合、書き換えられる遊技ソフトに当該機器のシリアル番号が含まれるのは勿論である。
また、バージョン変更用のデータは、必ずしもCDなどの記憶媒体によって供給される必要はなく、インターネット回線を通して提供しても良い。図6は、この場合の遊技ソフト配信システムの構成図であり、遊技ホールなどのユーザは、インターネット回線NETを通して遊技機の制御プログラム及びその関連データの配信を受けることができるようになっている。
図示の通り、この配信システムは、ホームページを開設して遊技機の遊技ソフトの配信要求を受け付けるサーバ機器SVと、ブラウザが動作可能なユーザパソコンPCと、前記両機器を接続するインターネット回線NETとで構成されている。サーバ機器SVには、ブラウザからの要求(リクエスト)に応じてソフト配信用ページなどをWEBデータベースDBから読み出して送信するサーバプログラムと、ユーザ認証やソフト配信やユーザ管理を実現するCGIプログラムとが搭載されている。なお、ユーザパソコンは、ノート型パソコンであり、配信されたプログラムCheck.exeやWrite.exeも実行するようになっている。
図7は、サーバ機器SVとユーザパソコンPCとの間で実行される一連の処理を概説したものである。ユーザパソコンPCのブラウザが配信要求用のHTMLファイルを要求すると、サーバ機器SVは、そのリクエストに応答して、ユーザIDとパスワードとを要求するテキストボックスを設けたトップページを返送する(ステップa)。次に、ユーザからユーザIDとパスワードとが送信されてくると、その組合せの正当性を認証した後、サーバ機器SVは当該ユーザのユーザIDを書き込んだ配信用画面(HTMLファイル)を返信する(ステップb)。
この配信用画面は、遊技機の機種を特定して遊技ソフトの配信を要求できる構成となっている。この配信用画面で、配信ソフトを特定して所定の操作を行うと、その要求は当該HTMLファイルに書き込んであるユーザIDと共に送信プログラム(Trans.cgi)に渡される(ステップc)。送信プログラム(Trans.cgi)では、要求された遊技ソフトにつきユーザ毎の暗号化処理を行った後、ユーザ側で実行すべき実行ファイル(Check.exe)を連結してユーザに送信する(ステップc)。
送信を受けたユーザ側で実行ファイル(Check.exe)を実行すると、受信ファイルのCRCチェックを行った後、正しく受信できていればサーバ側に受信完了データを送信するようになっている(ステップd)。そして、受信完了データを受けたCGIプログラム(History.cgi)では、その旨の情報をデータベースに登録した後、先に送信した遊技ソフトを復号化するための復号キーを送信して処理を終える(ステップd)。
図8は、上記したステップcの処理を実現するCGIプログラム(Trans.cgi)の処理の具体的内容を示すフローチャートである。ユーザから遊技ソフトの配信要求があれば、当該遊技ホールの送信履歴テーブルTBL1(図9(a))をチェックして、既に送信済みでないかを確認する(ST1)。そして、既に送信済みであれば、そのことを示す画面を送信して処理を終える(ST3)。これは、同一ユーザから重複して送信要求があることは通常考えられないので、重複要求は違法な送信要求であると擬制して配信を拒否するものである。
なお、ユーザIDやパスワードの漏洩により、違法者が先に配信を完了しており、正当ユーザがその後で配信を要求する場合もあり得る。しかし、かかる場合は電話やメールによる個別交渉で対処可能であり、且つ漏洩したユーザIDやパスワードを迅速に変更できる利点もある。
ステップST2の判定が通常はNOとなるので、Trans.cgiは、次に、要求のあった遊技ソフトをWEBデータベースから読出し(ST4)、これに、機器管理テーブルTBL2から読み出した機器シリアル番号を付加して一つのファイルとする(ST5)。図9(b)に例示するように、機器管理テーブルTBL2には、遊技ホールに設置されている遊技機のうち、本システムによって遊技ソフトの書換えが可能な全ての遊技機について、その機器シリアル番号が登録されている。なお、この機器シリアル番号は、当該遊技機を一意的に特定できるコード(番号及び/又は記号)である。
ステップST5の処理が終われば、続いて、遊技ソフトと機器シリアル番号を連結したファイルを、ユーザ固有の暗号化キーによって暗号化する(ST6)。そして、この暗号化データに、ユーザ側で実行すべきプログラム(Check.exe)を連結させ(ST7)、連結データをパケット化して実行ファイルとしてクライアント側に送信して処理を終える(ST8)。なお、図8(b)は、送信されるデータを模式的に図示したものである。
実行ファイルの送信を受けたブラウザでは、ユーザの操作に応じて適当な場所に実行ファイルを保存することになる。そして、ユーザが実行ファイルを実行すると、図10(a)に示すチェック処理が開始される。チェック処理では、先ず、送信されてきた全データについて、受信データの整合性チェックとして、CRCチェックが行われる(ST20)。なお、CRC値は受信したファイル中に記憶されている。
ここでCRCチェックがOKとならない場合とは、通信環境の不良などによって遊技ソフトが正常に受信できなかった場合である。そこで、このような場合には全ファイルを削除して処理を終える(ST22)。但し、通常の場合にはCRCチェックはOKとなるので、この場合には受信完了データをサーバ側に送信する(ST23)。
この受信完了データは、図8(c)に示すHistory.cgiに渡されるようになっている。そして、History.cgiでは、送信履歴テーブルTBL1に、配信済みの遊技ソフトを特定するソフトIDや配信日などを記入してテーブル内容を更新する(ST10)。その後は不図示の課金処理などに移行するが、これ以降は同一ユーザからの同一遊技ソフトの配信要求が拒否されることになる。次に、History.cgiは、各ユーザ固有の暗号化に対応した復号化キーをユーザに送信して処理を終える(ST11)。本実施例では、遊技ソフト配信のたびに復号化キーを送信するので暗号化キーを毎回変更できる利点がある。但し、この構成に代えて、ユーザ毎の暗号化キーと復号化キーを確定しておき、予めユーザに通知しておく構成を採っても良い。
次に、ユーザパソコン側の処理に説明を戻すが、Check.exeの求めに応じてユーザが復号化キーを入力すると(ST24)、暗号化されていた配信データは復号化され、シリアル番号列と遊技ソフトが復元される(ST25)。そこで、後で実行されるデータ転送処理プログラム(Write.exe)と、復号化されたシリアル番号列及び遊技ソフトとをファイルの保存した後、Check.exeを削除して処理を終える(ST26)。このように、ユーザに配信された実行プログラムCheck.exeは、一度しか実行されないので、受信完了データが重複して送信されることはない。
なお、図10(c)は、ユーザパソコンに保存されるデータ転送処理プログラム(Write.exe)と、シリアル番号列及び遊技ソフトとを模式的に図示したものである。このデータ転送処理プログラム(Write.exe)は、遊技機の遊技ソフトをバージョン変更するためのプログラムであり、その後の転送処理は、先に説明した通りに実行される。
続いて、上記したソフト配信システムの対象となる遊技機について説明する。図11は、ソフト配信システムの対象となるパチンコ機21を示す斜視図であり、図12は、同パチンコ機21の側面図である。なお、パチンコ機21は、カード式球貸し機22に電気的に接続された状態で、パチンコホールの島構造体の長さ方向に複数個が配設されている。
図示のパチンコ機21は、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠23と、外枠23に固着されたヒンジHを介して開閉可能に枢着される前枠24とで構成されている。この前枠24には、遊技盤25が裏側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉26と前面板27とが夫々開閉自在に枢着されている。
前面板27には発射用の遊技球を貯留する上皿28が装着され、前枠24の下部には、上皿28から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿29と、発射ハンドル30とが設けられている。発射ハンドル30は発射モータと連動しており、発射ハンドルの回動角度に応じて動作する打撃槌31(図14参照)によって遊技球が発射される。
上皿28の右部には、カード式球貸し機22に対する球貸し操作用の操作パネル32が設けられ、この操作パネル32には、カード残額を3桁の数字で表示するカード残額表示部32aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ32bと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ32cとが設けられている。
ガラス扉26の上部には、大当り状態を示す大当りLEDランプP1が配置されている。また、この大当りLEDランプP1に近接して、補給切れ状態や下皿の満杯状態を示す異常報知LEDランプP2,P3が設けられている。
図13に示すように、遊技盤25には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール33が環状に設けられ、その内側の遊技領域25aの略中央には、液晶カラーディスプレイ8が配置されている。また、遊技領域25aの適所には、図柄始動口35、開閉式大入賞口36、複数個の普通入賞口37(最上段以外にも大入賞口36の左右に6つ)、2つの通過口であるゲート38が配設されている。これらの入賞口35〜38は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
液晶ディスプレイ8は、大当り状態に係わる特定図柄を変動表示すると共に背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示する装置である。この液晶ディスプレイ8は、左右方向に並ぶ3個の図柄表示部Da〜Dcを有し、図柄始動口35に遊技球が入賞すると、各図柄表示部Da〜Dcの表示図柄が所定時間だけ変動し、図柄始動口35への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄パターンで停止する。
この実施例の場合、液晶ディスプレイ8の回りには、大当り状態の予告演出などに活用される多数個のLEDランプP4が連設して配置されている。このLEDランプP4は、液晶ディスプレイをU字状に取り囲むように配置されており、単なる点滅動作だけでなく、U字状の下部基点から開放上部に向けて発光量を増減させて、その後のゲーム進行を遊技者に暗示している。
液晶ディスプレイ8の直ぐ上側には、普通図柄表示部39が設けられている。普通図柄表示部39は1個の普通図柄を表示するものであり、ゲート38を通過した遊技球が検出されると、表示される普通図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート38の通過時点において抽選された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。
普通図柄表示部39に近接して、図柄始動口35や普通入賞口37への入賞球の保留数を示す保留表示LEDランプP5が設けられている。また、遊技領域25aの左右位置にもサイドLEDランプP6が設けられ、遊技部品である風車にも風車LEDランプP7が内蔵されている。
図柄始動口35は、左右1対の開閉爪35aを備えた電動式チューリップで開閉され、普通図柄表示部39の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合には、開閉爪35aが所定時間だけ開放されるようになっている。
開閉式大入賞口36は、前方に開放可能な開閉板36aで開閉制御されるが、液晶ディスプレイ8の変動後の停止図柄が「777」などの当り図柄のとき、「大当り」と称する特別遊技が開始され、開閉板36aが開放されるようになっている。開閉式大入賞口36の内部に特定領域36bがあり、この特定領域36bを入賞球が通過すると、遊技者に有利な特別遊技が継続される。
開閉式入賞口36の開閉板36aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板36aが閉じる。このとき、遊技球が特定領域36bを通過していない場合には特別遊技が終了するが、特定領域36bを通過していれば、最大で例えば16回まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。なお、開閉板36aの左右位置には派手に点滅する電飾ランプが取付けられている。
図14に示すように、前枠24の裏側には、遊技盤25を裏側から押さえる裏機構板40が着脱自在に装着されている。この裏機構板40には開口部40aが形成され、その上側に賞球タンク41と、これから延びるタンクレール42とが設けられている。裏機構板40の側部には、タンクレール42に接続された払出装置43が設けられ、裏機構板40の下側には払出装置43に接続された通路ユニット44が設けられている。払出装置43から払出された遊技球は、通路ユニット44を経由して上皿排出口28a(図11)から上皿28に払出されることになる。
裏機構板40の開口部40aには、遊技盤25の裏側に装着された裏カバー45と、入賞口35〜37に入賞した遊技球を排出する入賞球排出樋(不図示)とが嵌合されている。この裏カバー45に装着されたケースCA1の内部に主制御基板1が配設され、その前側に図柄制御基板2が配設されている(図12参照)。主制御基板1の下側で、裏カバー45に装着されたケースCA2の内部にランプ制御基板4が設けられ、隣接するケースCA3の内部に音声制御基板3が設けられている。
これらケースCA2,CA3の下側で、裏機構板40に装着されたケースCA4の内部には、電源基板6と払出制御基板5が設けられている。この電源基板6には、電源スイッチ53と初期化スイッチ54とが配置されている。これら両スイッチ53,54に対応する部位は切欠かれ、両スイッチを指で同時に操作可能になっている。
発射ハンドル30の後側に装着されたケースCA5の内部には、発射制御基板7が設けられている。そして、これらの回路基板1〜7は夫々独立して構成され、電源基板6と発射制御基板7を除く制御基板2〜6には、ワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路が搭載されている。また、主制御基板1と他の制御基板2〜6とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続されている。
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、図柄制御基板2、音声制御基板3、ランプ制御基板4、払出制御基板5その他を、図1のように、特に別基板構成とする必要はない。図15は、図柄制御基板2、音声制御基板3、及びランプ制御基板4の機能を実現する複合機能基板を採用した場合を例示したものである。このような複合機能基板とした場合には、図柄制御回路2’、音声制御回路部3’、及びランプ制御回路4’毎にワンチップマイコンを設ける必要がなくなり、単一の高性能CPUによっての全ての機能を実現することができる。また、図15のような複合機能基板を用いる場合には、図1の場合のように、図柄制御回路2’、音声制御回路3’、及びランプ制御回路4’毎に通信部を設ける必要がなくなり、この点でも好適である。
また、図1や図15の回路構成において、サブ制御基板2,3,4やサブ制御回路2’,3’,4’のフラッシュROMには、演出抽選プログラムも含めて記憶させるのが好適である。この場合には、主制御基板1から受けた制御コマンドに基づいて画一的な遊技制御を行うのではなく、フラッシュROMのプログラムによって個々的に遊技制御のバリエーションを増やすことが可能となる。