JP4446582B2 - 流量調整弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体通路を流れる流体の流量調整を行なうための浮遊式の弁体を備えた流量調整弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流量調整弁としては、流体圧によって弁座から押し上げられて閉状態から開状態に切り換わる浮遊式の弁体を流体通路内に配置して、この弁体の開度を弁押えにより制限することにより流量調整する形式のものが知られている。この形式の流量調整弁では、弁体の背面側空間と、当該弁体よりも下流側の流体通路部分とをバイパス路によって連通させた構成とされている。かかる流量調整弁における弁体のリフト量、すなわち流量は、バイパス路の断面積によって一義的に定まったものとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、このような流量調整弁における流量調整を、精密かつ任意に行い得るようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、流体通路と、この流体通路を流れる流体の圧力によって弁座から押し上げられて閉状態から開状態に切り換わる浮遊式の弁体と、この弁体を前記弁座に押し付けるための弁押えと、前記弁体の移動空間を形成する弁箱と、前記移動空間における前記弁体の背面側空間と当該弁箱よりも下流側の前記流体通路の部分との間を連通するバイパス路と、このバイパス路の開度を制御する開度制御部と、を有し、当該開度制御部は、前記バイパス路を開閉する開閉弁と、
前記弁押えの移動を前記開閉弁の開閉動作として伝える連結機構とを備えることを特徴としている。
【0005】
ここで、前記開閉弁は、前記弁押えが前記弁体を前記弁座に押し付ける押し付け位置に移動すると、当該弁押えに連動して、前記バイパス路を閉鎖する位置に移動し、前記弁押えが前記押し付け位置から離れると、当該弁押えに連動して、前記押し付け位置からの前記弁押えの移動量に応じて前記バイパス路の開度を増大させる位置に移動する構成とすることができる。
【0006】
また、前記連結機構を、前記弁押えに一端が連結され、他端に前記開閉弁が連結されているアームによって構成することができる。
【0007】
このとき、前記弁体を球体とし、前記移動空間を前記球体が内部を摺動可能な円筒状空間とし、前記弁座を前記円筒状空間の一端に形成された円錐状内周面とし、前記弁押えを、前記円筒状空間における前記弁体の背面側空間において、前記円筒状空間の軸線方向に所定のストロークで移動する構成にすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明を適用した流量調整弁を説明する。
【0009】
(第1の実施例)
図1(a)、(b)は、本例の流量調整弁の概略構成図およびバイパス路の開度制御部を示す斜視図である。図1(a)に示すように、流量調整弁1は、流体管、たとえば水道管の途中に接続されている弁箱2を備えている。この弁箱2には、上流側の水道管に接続される上流通水路3と、下流側の水道管に接続される下流通水路4が同軸状態で形成され、これらの通水路3、4の間には、これらの通水路3、4を連通している円形開口51が形成されている。
【0010】
この円形開口51の円錐状の内周面が弁座6とされ、ここに、球状の弁体7が着座すると、当該円形開口51を封鎖可能となっている。円形開口51の上方には、球状の弁体7が摺動可能な円形内周面を備えた円筒状の弁室5が、通水路軸線方向に直交する方向よりも下流側に傾斜した方向に延びている。この弁室5の弁体背面側空間5Aと下流通水路4とが、バイパス路41により連通している。
【0011】
弁室5の上端開口は第1のキャップ52でシールされている。この第1のキャップ52は、キャップ本体部分52Aと、その円形端面の中心から同軸状態で垂直に延びている円筒部54とを備えている。キャップ本体部分52Aの円形端面の中心を貫通する状態にねじ穴53が開けられており、このねじ孔53と同軸状に円筒部54が延びている。ねじ穴53には、円筒部54の上端開口の側から同軸状態で、弁体7の移動を制限するための弁押えボルト8がねじ込まれている。
【0012】
また、円筒部54の上端開口は第2のキャップ55によってシールされており、当該キャップ55の中心に開けた開口を貫通して、弁押えボルト8の上端部分が突出している。この突出部分が弁押えボルト8を回すためのつまみとして機能する。この部分を操作することにより、弁押えボルト8を軸線方向に移動させることができる。すなわち、弁体7を押えている下端面8aの位置を上下に調整できる。
【0013】
弁押えボルト8は、円筒部54の内部を同軸状態で貫通している部分に、一定の間隔で形成した一対の円環状フランジ83が形成されており、これらの間に装着されているシールリング83aによって、弁室5がシールされている。
【0014】
次に、バイパス路41の開閉制御部9は、弁押えボルト8に一端が連結されたアーム84と、このアーム84の他端に連結された開閉弁90とを備えている。アーム84は、弁押えボルト8に対して、当該ボルト8の軸線方向には一体となって移動するが、軸線回りには回転しないように、連結されている。また、アーム84は弁押えボルト8から直交する方向に伸びている。
【0015】
開閉弁90は、弁室5の内周面に沿った曲面を有する板状の弁であり、弁室5の内周面におけるバイパス路41の開口部41aが位置している部分に沿って摺動可能である。本例では、弁押えボルト8のその軸線方向への移動に連動して、バイパス路開口部41aの開度を、その全開状態から全閉状態まで制御することが可能になっている。
【0016】
このように構成した本例の流量調整弁1の流量調整方法を説明する。図2(a)に示すように、まず、弁押えボルト8をその最下端位置まで押し込むと、この下端面8aによって弁体7が弁座6に押し付けられて、開口51を封鎖する。このとき、弁押えボルト8に連結されている開閉弁90も弁室内周面に沿って降下して、バイパス路開口部41aを全閉状態にする。
【0017】
次に、図2(b)に示すように、弁押えボルト8を、最下端位置から全ストローク量の半分だけ引き上げると、これに連動して、開閉弁90も弁室内周面に沿って上昇して、バイパス路開口部41aが半開きの状態になる。この結果、バイパス路41を介して弁室5と下流通水路4が連通し、バイパス路開口部41aの開度に応じた量だけ弁室5の内圧が下がる。この結果、弁体7は弁座6から押し上げられて、所定の流量で流体が流れ始める。流体流量は、バイパス路開口部41aの開度によって制御される。
【0018】
次に、図2(c)に示すように、弁押えボルト8をその最上端位置まで引き上げると、これに連動して開閉弁90も更に移動して、バイパス路開口部41aはほぼ全開状態になる。この結果、弁体7は更に浮き上がり、流体が最大流量で流れはじめる。
【0019】
(第2の実施例)
図3(a)、(b)は、本発明を適用した第2の実施例に係る流量調整弁の概略構成図、およびそのバイパス路開閉制御部を示す部分断面図である。本例の流量調整弁1Aの基本構成は図1の流量調整弁1と同一であるので、対応する部分には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0020】
これらの図に示すように、本例の流量調整弁1Aの開閉制御部9Aは、アーム84Bと開閉弁90Aを備えている。アーム84Bは、弁押えボルト8に対して軸線方向には一体となって移動し、軸線回りには移動しないように当該弁押えボルトに取り付けた連結環840から吊り下げられている。このアーム84Bの下端には、開閉弁としての弁駒90Aが吊り下げられている。この弁駒90Aは、円柱部分と、その下端面に形成された下向きの円錐状部分から構成されている。
【0021】
この形状の弁駒90Aは、バイパス路41Aに対して、その直上位置において同軸状態に配置されている。バイパス路41Aは、垂直方向に延びており、その上半部分は大径であり、丁度、弁駒90Aの円柱部分が摺動自在の大きさとされている。これに対して下半部分は小径とされており、これら大径部分と小径部分の間には、弁駒90Aの円錐面と相補的な円錐状内周面が弁座411として形成されている。従って、弁駒90Aを当該弁座まで垂直に降下させると、バイパス路41Aは全閉状態になり、この位置から弁駒90Aを上昇させると、その上昇量に応じて、バイパス路41Aの開度が増加して、全開状態に切り換わる。
【0022】
このように構成された流量調整弁1Aでは、弁押えボルト8を引き上げると、それに連動して弁駒90Aが上昇するので、バイパス路41Aを全閉状態から全開状態まで切り換えることができる。なお、弁駒90Aにおける円錐状の頂点部91Aの角度を調整することにより、バイパス路41Aの全閉状態から全開状態までのストロークを調整可能である。
【0023】
(第3の実施例)
上記の第1および第2の実施例では、バイパス路を開閉するための開閉制御部は、独立した開閉弁駆動源が備わっておらず、弁押えボルト8に連動して動作させるようになっている。この代わりに、開閉弁を独立した駆動源を用いて、弁押えボルトとは別個に動作させることも可能である。
【0024】
図4(a)、(b)には、かかる構成の流量調整弁を示す概略構成図およびバイパス路開閉制御部を示す部分斜視図である。本例の流量調整弁1Bの基本構成は第1および第2の実施例の流量調整弁1、1Aと同一であるので、対応する部分には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0025】
図4(a)、(b)に示すように、本例の流量調整弁1Bのバイパス路の開閉制御部9Bは、開閉弁90Bと、この開閉弁90Bを開閉方向に回転させるための回転軸91Bと、この回転軸91Bに連結された駆動モータ92Bとを備えている。回転軸91Bは弁室5の外周壁に対して回転自在の状態で支持されている。
【0026】
開閉弁90Bは、一定厚さの半円形の板であり、図4(b)に示す水平姿勢になると、バイパス路41Bを全閉状態とする。この水平姿勢から矢印方向に回転して垂直姿勢になると、開閉弁90Bは完全にバイパス路41Bから後退して弁室5の外周壁内に納まり、バイパス路41Bが全開状態になる。
【0027】
このように構成された流量調整弁1Bでは、弁押えボルト8を最上端位置まで引き上げておき、モータ92Bにより開閉弁90Bの開度を調整することにより、弁体7を所定量だけ弁座6から浮上させて、所望の流量で流体を流すことができる。
【0028】
(第4の実施例)
ここで、開閉弁をバイパス路に平行な回転軸線を中心として回転させることにより、バイパス路を開閉するようにしてもよい。
【0029】
図5(a)、(b)はかかる構成の流量調整弁を示す概略構成図、およびそのバイパス路開閉制御部を示す部分斜視図である。本例の流量調整弁1Cでは、モータ(図示せず)で回転する開閉弁90Cの回転軸94Cがバイパス路41Cの軸線と平行に配置されている。また、図5(b)に示すように、開閉弁90Cは、一定厚さの円板の一部を、所定の角度で扇形に切り取った形状をしている。この切欠部92Cをバイパス路41Cに一致させることにより、当該バイパス路を全開状態にできる。また、当該切欠部92Cをバイパス路41Cから完全に待避させることにより、バイパス路41Cは全閉状態に切り換わる。
【0030】
(第5の実施例)
次に、開閉弁としては、円板に、同心円状に開口面積の異なる複数個の孔を形成し、各孔をバイパス路内に位置させることにより、当該バイパス路の開度を切り換えるようにしてもよい。
【0031】
図6はかかる構成の流量調整弁を示す概略構成図およびバイパス路の開閉制御部を示す部分斜視図である。本例の流量制御弁1Dの開閉制御部9Dは、円板状の開閉弁90Dと、これを回転するためのモータ(図示せず)を備えている。この開閉弁90Dには、同心円状に4個の孔92D、93D、94D、95Dが形成されており、これらの孔は、孔92Dから順に開口径が大きくなっている。
【0032】
開閉弁90Dにおける孔が形成されていない部分をバイパス路41D内に位置させることにより、当該バイパス路41Dを全閉状態にできる。また、各孔92Dないし95Dをそれぞれバイパス路41D内に位置させることにより、バイパス路41Dは各孔に対応した開度になる。
【0033】
(その他の実施の形態)
なお、上記の各例は水道水の流量調整弁に関するものであるが、水以外の流体流量を調整するために本発明の流量調整弁を利用できることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、浮遊式の弁体を備えた流量調整弁において、弁体よりも下流側の通路部分と弁体背面側の空間とを連通するバイパス路を開閉する開閉制御部を備えている。この開閉制御部によってバイパス路を所望の開度に調整することにより、流体流量を精度良く調整することができる。
【0035】
また、開閉制御部におけるバイパス路を開閉するための開閉弁を、浮遊式の弁体を押えるための弁体押えと連動させる構成を採用すれば、開閉弁を開閉するための独立した駆動源が不要となるので、開閉弁制御部の構成を単純化でき、また、その製造コストを低減できる。
【0036】
一方、開閉制御部の開閉弁を駆動するためのモータを備えている場合には、バイパス路の開閉制御を任意に行なうことができるので、流量を自由に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した第1の実施例に係る流量調整弁の概略構成図および、バイパス路の開閉制御部の部分斜視図である。
【図2】(a)、(b)および(c)は、それぞれ図1に示す流量調整弁における開閉制御部の動作を示す説明図である。
【図3】(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した第2の実施例に係る流量調整弁の概略構成図および、バイパス路の開閉制御部の部分断面図である。
【図4】(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した第3の実施例に係る流量調整弁の概略構成図および、開閉制御部の部分斜視図である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した第4の実施例に係る流量調整弁の概略構成図および、バイパス路の開閉制御部の部分斜視図である。
【図6】(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用した第5の実施例に係る流量調整弁の概略構成図および、バイパス路の開閉制御部の部分斜視図である。
【符号の説明】
1 流量調整弁
2 弁箱
3 上流通水路
4 下流通水路
5 弁室
6 弁座
7 弁体
8 弁押えボルト
9、9A、9B、9C、9D バイパス路の開閉制御部
41、41A、41B、41C、41D バイパス路
51 円形開口
52 第1のキャップ
53 ねじ穴
54 円筒部
55 第2のキャップ
84 アーム
90a、90B、90C、90D 開閉弁
92B モータ
Claims (4)
- 流体通路と、
この流体通路を流れる流体の圧力によって弁座から押し上げられて閉状態から開状態に切り換わる浮遊式の弁体と、
この弁体を前記弁座に押し付けるための弁押えと、
前記弁体の移動空間を形成する弁箱と、
前記移動空間における前記弁体の背面側空間と当該弁箱よりも下流側の前記流体通路の部分との間を連通するバイパス路と、
このバイパス路の開度を制御する開度制御部と、を有し、
当該開度制御部は、
前記バイパス路を開閉する開閉弁と、
前記弁押えの移動を前記開閉弁の開閉動作として伝える連結機構とを備えることを特徴とする流量調整弁。 - 請求項1において、
前記開閉弁は、
前記弁押えが前記弁体を前記弁座に押し付ける押し付け位置に移動すると、当該弁押えに連動して、前記バイパス路を閉鎖する位置に移動し、
前記弁押えが前記押し付け位置から離れると、当該弁押えに連動して、前記押し付け位置からの前記弁押えの移動量に応じて前記バイパス路の開度を増大させる位置に移動するように構成されていることを特徴とする流量調整弁。 - 請求項2において、
前記連結機構は、前記弁押えに一端が連結され、他端に前記開閉弁が連結されているアームであることを特徴とする流量調整弁。 - 請求項1ないし3のいずれかの項において、
前記弁体は球体であり、
前記移動空間は、前記球体が内部を摺動可能な円筒状空間であり、
前記弁座は、前記円筒状空間の一端に形成された円錐状内周面であり、
前記弁押えは、前記円筒状空間における前記弁体の背面側空間において、前記円筒状空間の軸線方向に所定のストロークで移動することを特徴とする流量調整弁。
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