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JP4447766B2 - 電磁放射抑圧体及び電磁放射抑圧体を設けたイヤホーン - Google Patents
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電磁放射抑圧体及び電磁放射抑圧体を設けたイヤホーン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機等の携帯型通信機器に用いるイヤホーンのコードに設けることにより当該コードから放射される電磁波を抑圧するための電磁放射抑圧体及び電磁放射抑圧体を設けたイヤホーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯型通信機器の1つである携帯電話機は老若男女を問わず生活の必需品となっており、情報化社会の進展に伴って今後さらに重要なものとなる。一方、携帯電話機が普及するにつれて、携帯電話機から放射される電磁波が人体に悪影響を与えるのではないかという懸念が表面化してきている。
【0003】
すなわち、携帯電話機は、例えば800MHz〜2GHz超という高い周波数帯域で使用され、その出力も600〜800mWという高い値を有している。また、その筐体に配設されている受話口を耳介に宛がい通話者の頭部に近接させた状態で使用するため、その受話口の近傍に配設されているアンテナから放射される電磁波が通話者の頭部に直接照射されることになり、脳腫瘍の発生率が高くなる虞のあることが指摘されている。このため、マイクとイヤホーンを接続することで携帯電話機を通話者の頭部に近接した状態で使用しないようにすることが推奨されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、携帯電話機のアンテナの動作はアンテナ部分のみならず筐体もその一部を受け持っており、図7に示すように、携帯電話機101にイヤホーン102を取り付けた場合、そのイヤホーン本体103に取り付けられているコード(ケーブル)104からも電磁波が照射される虞がある。すなわち、有限長のコード104では、その電気的な長さ(電気長)が電磁波の1/4波長の奇数倍の場合には共振が生じて定在波SWが発生し、これにより電磁波がコード104から放射されて頭部に照射されることになる。
【0005】
ここでいう電気長とは、コード104の物理的な長さではなく、携帯電話機101の筐体、それを保持する手、コード104の形状や被覆材の種類、コード104の引き回し状態等の種々の要素が関与して定まるものである。このため、どのようなときに定在波が発生して電磁波が放射されるのかは一概に定めがたく、定在波の発生を抑圧して電磁波の放射を効果的に阻止するには困難を伴うという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、イヤホーンのコードから放射される電磁波を効果的に抑圧することができる電磁放射抑圧体及び電磁放射抑圧体を設けたイヤホ−ンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、携帯型通信機器に用いるイヤホーンのコードに設けることにより当該コードから放射される電磁波を抑圧するための電磁放射抑圧体であって、前記コードの一部を覆う磁性体と、この磁性体を覆うように配設された損失誘電体とを備えたことを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、磁性体と損失誘電体との作用が相俟って電磁波が効果的に吸収され、定在波が生じたとしてもイヤホーンのコードから放射される電磁波を効果的に抑圧することができる。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に係るものにおいて、前記損失誘電体が前記コードの磁性体に隣接する領域を覆うように延設されてなるものであることを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、コードの磁性体の存在しない箇所でも損失誘電体により電磁波が吸収されることになり、イヤホーンのコードから放射される電磁波をより効果的に抑圧することができるようになる。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項2に係るものにおいて、前記損失誘電体が可撓性を有する材料で構成されてなることを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、イヤホーンのコードから放射される電磁波を効果的に抑圧することができる一方、コードの磁性体に対する端縁部を補強することができ、コードが磁性体の端縁部で切断され易くなるのが効果的に防止される。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに係るものにおいて、前記磁性体と損失誘電体とを合成してなる等価電気長が定在波の抑圧対象となる最低搬送周波数の少なくとも1/4波長の長さを有することを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、最低搬送周波数以上の周波数領域で用いるすべての携帯電話機等の携帯型通信機器に適用可能となり、汎用性に優れたものとすることができる。
【0015】
また、請求項5の発明は、携帯型通信機器に用いるイヤホーンのコードの一部に請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁放射抑圧体が設けられてなることを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、磁性体と損失誘電体との作用が相俟って電磁波が効果的に吸収され、定在波が生じたとしてもコードから放射される電磁波を効果的に抑圧することができるイヤホーンが実現できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態に係る電磁放射抑圧体を取り付けたイヤホーンを示す図である。この図において、イヤホーン10は、携帯型通信機器の1つである携帯電話機に取り付けて用いられるもので、コード(ケーブル)12と、コード12の一端に接続されているイヤホーン本体14と、コード12の他端に接続されているコネクタ16と、コード12におけるイヤホーン本体14近傍位置でコード12を覆うように配設された損失(ヒステリシス損失及び誘電体損失)を伴う磁性体18と、磁性体18を覆うように配設された損失誘電体20とを備えている。
【0018】
なお、イヤホーン10は、イヤホーン本体14にコンデンサマイク等からなる骨耳マイクが内蔵されたものである。また、コード12は、内部に配設されている信号線を絶縁外皮121で覆ってなるものである。また、磁性体18と損失誘電体20とで電磁放射抑圧体22が構成される。
【0019】
磁性体18は、中心に貫通孔181を有する筒状の軟磁性体であるフェライトコア(例えば、外径8.5mm、長さ16mm)から構成されたものであり、貫通孔181をコード12に密接した状態で挿通させることによりコード12を覆うように配設されてなるものである。この磁性体18は、コード12の端部にイヤホーン本体14やコネクタ16を取り付ける前にコード12を貫通孔181に挿通してコード12に設けるようにしてもよいし、軸心方向に沿って2つ割にする等の分割構造にしておき、各分割片(分割部)をコード12の外周から突き合わせて接着したりテープを巻き付けたりして固定することで一体化するようにしてもよい。
【0020】
損失誘電体20は、可撓性を有し、炭化された繊維等を含ませることで約40Ω/□の面抵抗を有するように構成された不織布シート(例えば、長さ50mm)からなるもので、磁性体18を覆うと共に、コード12の磁性体18で覆われた領域に隣接する領域であって、イヤホーン本体14の反対側のコード12を覆うように配設されたものである。
【0021】
図2は、上記のように構成されたイヤホーン10に設けられた電磁放射抑圧体20の電磁波放射の抑圧特性を800〜2300MHzの周波数範囲において他の比較例と共に示すものである。この図において、符号Aは磁性体18及び損失誘電体20を設けた本発明のもの、符号Bは損失誘電体20のみを設けた第1比較例のもの、符号Cは磁性体18も損失誘電体20も設けていないコード12のみの第2比較例のものをそれぞれ示している。なお、図2の横軸は周波数(MHz)を示し、縦軸は最大共振点(最大輻射点)からの減衰量を示すものである。
【0022】
この図2に示す電磁波放射の抑圧特性は、次のようにして求めたものである。すなわち、図3(a),(b)に示すように、発泡スチロール製の頭部HDの耳介ERにイヤホーン本体14を取り付け、コード12が移動しないように所定位置に固定された状態とする。一方、頭部HD内の略中心位置P(耳介ERから寸法dだけ離間した位置)に金属ワイヤからなる3mm角の微小ループアンテナLAを配置する。そして、ケーブル12から800〜2300MHzの周波数範囲で所定レベルの電磁波が所定のステップで放射されるようにし、このときの微小ループアンテナLAに誘起される高周波電圧をRFレベルメータLMで測定した後、最大共振点(最大輻射点)からの減衰量を求めたものである。
【0023】
この図2から明らかなように、本発明に係る符号Aで示すものは、符号B,Cで示す第1,第2比較例のものに比べて全測定周波数範囲において優れた抑圧特性を示している。このため、使用周波数(搬送周波数)が840〜970MHzの第1世代の携帯電話機、使用周波数が例えば1500〜1900MHzの第2世代の携帯電話機及び使用周波数が1800〜2200MHzの第3世代の携帯電話機のいずれの携帯電話機にも適用が可能になる。
【0024】
例えば、共振点である900MHzでは、本発明の符号Aのものは第2比較例の符号Cのものよりも12dBも改善されており、十分な抑圧特性を有している。これに対し、第1比較例の符号Bのものは第2比較例の符号Cのものよりも8dBしか改善されておらず、抑圧特性は十分とはいえない。また、別の共振点である1360MHzでは、符号Aのものは符号Cのものよりも16dBも改善されており、十分な抑圧特性を有している。これに対し、符号Bのものは符号Cのものよりも10dBしか改善されておらず、必ずしも十分とはいえない。また、別の共振点である1800MHzでは、符号Aのものは符号Cのものよりも13dBも改善されており、十分な抑圧特性を有している。これに対し、符号Bのものは符号Cのものよりも6dBしか改善されておらず、抑圧特性は不十分である。
【0025】
このように、磁性体18を覆うように損失誘電体20を設けたものが抑圧特性に優れているのは次のような理由による。すなわち、定在波は電界最大点(磁界最小点)と電界最小点(磁界最大点)とが波長方向に周期的に発生することになり、ケーブル12を磁性体18で覆った場合は磁界最大点では磁界が有効に吸収されるが、電界最大点(磁界最小点)では機能しない。ところが、本発明では、磁性体18が損失誘電体20で覆われているため、磁性体18は電界最大点では誘電体として機能し、損失誘電体20と共に電磁波を吸収することになる結果、電磁波の抑圧特性に優れたものとなる。なお、損失誘電体20は磁界への作用がないため、損失誘電体20で覆うだけのものでは十分な抑圧特性が得られない。
【0026】
また、ケーブル12の絶縁外皮121と磁性体18及び損失誘電体20との間の特性インピーダンスと、磁性体18及び損失誘電体20の厚み方向(径方向)における等価抵抗との関係について所定の計算式等に基づいて理論的に解析した結果、絶縁外皮121と磁性体18及び損失誘電体20との間の特性インピーダンスに対する磁性体18及び損失誘電体20の厚み方向における等価抵抗の割合が100±60%(好ましくは、100±50%)となるようにした場合に優れた抑圧特性を呈することが明らかとなった。
【0027】
また、磁性体18と損失誘電体20とを合成してなる等価電気長と定在波の抑圧対象となる搬送周波数(使用周波数)との関係について所定の計算式等に基づいて解析した結果、磁性体18と損失誘電体20とを合成してなる等価電気長が定在波の抑圧対象となる搬送周波数の1/4波長以上の長さを有するときに優れた抑圧特性を呈することが明らかとなった。
【0028】
従って、本発明に係る電磁放射抑圧体20が適用されるイヤホーンや電磁放射抑圧体20を設けたイヤホーンが搬送周波数の異なる複数の携帯電話機に適用可能にするには、磁性体18と損失誘電体20とを合成してなる等価電気長が定在波の抑圧対象となる最低搬送周波数の少なくとも1/4波長の長さを有するように設定されておればよい。例えば、抑圧対象となる最低搬送周波数が第1世代の携帯電話機の840MHzであるとすると、上記の等価電気長が少なくともこの周波数の1/4波長の長さを有するように設定されている場合、第1世代、第2世代及び第3世代の各周波数のものに適用可能となる。勿論、第2世代の周波数や第3世代の周波数のものにのみ適用可能にする場合には、磁性体18及び損失誘電体20の長さを実施形態のものよりも短くすることができる。
【0029】
なお、等価電気長とは、磁性体18の複素透磁率μをμ=μ′−jμ″で表わし、損失誘電体20の複素誘電率εをε=ε′−jε″で表わすと、物理長×Re√(μr×εr)で表わされるものである。ここで、Reは複素透磁率及び複素誘電率の実数分を表わし、μrは等価複素透磁率、εrは等価複素誘電率をそれぞれ表わすものである。
【0030】
図4は、本発明の第2実施形態に係るイヤホーン10′を示す図である。このイヤホーン10′は、第1実施形態のイヤホーン10とは磁性体18及び損失誘電体20からなる電磁放射抑圧体22をコード12のコネクタ16近傍位置に取り付けた点で相違するのみで他の構成は同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0031】
図5は、上記のように構成されたイヤホーン10′の電磁波放射の抑圧特性を800〜2300MHzの周波数範囲において電磁放射抑圧体22を設けないものと比較して示すものである。この図において、符号Dは磁性体18及び損失誘電体20を設けた本発明のもの、符号Eは電磁放射抑圧体22を設けていないコード12のみのものをそれぞれ示している。この図5から明らかなように、符号Dで示す本発明に係るものは、符号Eで示す電磁放射抑圧体22を設けていないものに比べて全周波数範囲において優れた抑圧特性を有している。なお、図5に示す電磁波放射の抑圧特性は、第1実施形態の場合と同様の方法により求めたもので、図2の場合と同様に、横軸は周波数(MHz)を示し、縦軸は最大共振点(最大輻射点)からの減衰量を示すものである。
【0032】
なお、頭部HD内における電磁波の周波数と減衰度との関係は、図6に示すように、携帯電話機の周波数割当範囲内で近似的に計算すると、鎖線で示す電界は大きく減衰するのに対し、実線で示す磁界はあまり減衰しない。このため、頭部に対する電磁波の影響は電界よりも磁界の方が大きいということがいえる。この図6に示す頭部HDにおける減衰特性は、頭部HDから5mm離間した位置に携帯電話機を配置し、頭部HD内の5mmの位置における減衰度を脳内の固有抵抗ρをρ=200Ω・cm、その誘電率εをε=50、εr=50−j(1/ωερ)とおいて算出したものを示すものである。
【0033】
本発明に係る電磁放射抑圧体22、及び電磁放射抑圧体22を設けたイヤホーン10,10′は、上記実施形態のように、イヤホーンのコード12の一部を覆う磁性体18と、この磁性体18を覆うように配設された損失誘電体20とを備えているので、磁性体18と損失誘電体20との作用が相俟ってコード12から放射される電磁波を効果的に抑圧することができる。
【0034】
なお、本発明に係る電磁放射抑圧体及び電磁放射抑圧体を設けたイヤホーンは、上記実施形態のものに限定されるものではなく、以下に述べるような種々の変形態様を採用することができる。
【0035】
(1)上記実施形態では、磁性体18としてフェライトを用いるようにしているが、他の磁性材料からなるものであってもよい。また、磁性体18は、実施形態のようにコード12に密接した状態で配設されていることが電磁波放射の抑圧特性を向上させる点で好ましいが、若干の隙間が生じるように構成されていてもよい。
【0036】
(2)上記実施形態では、損失誘電体20は、不織布からなるものを用いているが、これに限るものではない。例えば、フェライトゴム(フェライト粉末が混在されたゴム)、カーボンゴム(カーボン粉末が混在されたゴム)等の種々の材料を用いることが可能である。なお、不織布やゴム等の可撓性(柔軟性)を有する材料を用いた場合は、コード12における磁性体18の端縁部を補強することができ、コード12が磁性体18の端縁部で切断され易くなるのを効果的に防止することができる。勿論、可撓性を有するものに限定されるものではなく、可撓性を有しないものであっても使用可能であることはいうまでもない。
【0037】
また、損失誘電体20は、軸心方向に沿って2つ割にする等の分割構造にしておき、各分割片(分割部)を磁性体18の外周から突き合わせて一体化するようにしてもよい。この場合、磁性体18も同様の分割構造にしておき、磁性体18と損失誘電体20とを損失誘電体20の外周に被せた絶縁ケースにより一体化するようにすることも可能である。
【0038】
(3)上記実施形態では、イヤホーン10,10′は、携帯型通信機器の1つである携帯電話機に用いるものとして説明しているが、自動車電話機等の他の通信機器にも用いることが可能である。また、利用する通信システムも特定のものに限定されるものではない。
【0039】
(4)上記実施形態では、イヤホーン10,10′は、イヤホーン本体14に骨耳マイクを内蔵した、いわゆるイヤホーンマイクとして説明しているが、これに限るものではない。例えば、コード12の途中(イヤホーン本体14を耳介に装着したときに口の位置に対応する箇所)にコンデンサマイク等の適宜のマイクを取り付けるようにしたイヤホーンマイクであってもよい。また、イヤホーンとマイクとを互いに独立したものとすることも可能である。このため、本発明では、イヤホーン本体14にマイクを内蔵したもの、コード12の途中にマイクを取り付けたもの、イヤホーン単体のもの等を含めてイヤホーンと総称する。
【0040】
(5)上記実施形態では、損失誘電体20は、磁性体18を覆うと共に、コード12の磁性体18で覆われた領域に隣接する領域であってイヤホーン本体14の反対側のコード12を覆うように延設されたものであるが、これに限るものではない。例えば、損失誘電体20は、コード12の磁性体18で覆われた領域に隣接する両側の領域のコード12を覆うように延設されていてもよい。また、損失誘電体20は、実質的に磁性体18のみを覆うように配設されていてもよい。要は、コード12の絶縁外皮121と磁性体18及び損失誘電体20との間の特性インピーダンスに対する磁性体18及び損失誘電体20の厚み方向における等価抵抗の割合が100±60%の範囲内となるように設定されておればよい。
【0041】
(6)上記実施形態では、電磁放射抑圧体22は、コード12のイヤホーン本体14側に設けたもの、及び、コード12のコネクタ16側に設けたものについて説明しているが、コード12の中間部に設けたものであっても同様に抑圧特性の優れたものとなる。要は、コード12の少なくとも一部に設けられておればよい。なお、特性的な面では、電磁放射抑圧体22をコード12のイヤホーン本体14側に設けるようにすることが好ましいが、この場合には僅かであってもイヤホーン本体14側の重量が増えることになる。このため、使い勝手の面では、電磁放射抑圧体22をコード12のコネクタ16側に設けるようにすることが好ましい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の電磁放射抑圧体によれば、コードの一部を覆う磁性体と、この磁性体を覆うように配設された損失誘電体とを備えているので、磁性体と損失誘電体との作用が相俟って電磁波が効果的に吸収され、定在波が生じたとしてもイヤホーンのコードから放射される電磁波を効果的に抑圧することができる。
【0043】
また、請求項2の電磁放射抑圧体によれば、損失誘電体がコードの磁性体に隣接する領域を覆うように延設されているので、磁性体の存在しない箇所においても損失誘電体により電磁波が吸収されることになり、イヤホーンのコードから放射される電磁波をより効果的に抑圧することができる。
【0044】
また、請求項3の電磁放射抑圧体によれば、損失誘電体が可撓性を有する材料で構成されているので、コードの磁性体に対する端縁部を補強することができ、コードが磁性体の端縁部で切断され易くなるのを効果的に防止することができる。
【0045】
また、請求項4の電磁放射抑圧体によれば、磁性体と損失誘電体とを合成してなる等価電気長が定在波の抑圧対象となる最低搬送周波数の少なくとも1/4波長の長さを有しているので、最低搬送周波数以上の周波数で用いるすべての携帯型通信機器に適用可能となり汎用性に優れたものとすることができる。
【0046】
また、請求項5のイヤホーンによれば、コードの一部に請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁放射抑圧体が設けられているので、磁性体と損失誘電体との作用が相俟って電磁波が効果的に吸収され、コードから放射される電磁波を効果的に抑圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電磁放射抑圧体を設けたイヤホーンを示す図である。
【図2】図1に示すイヤホーンに設けられている電磁放射抑圧体の抑圧特性を説明するための特性図である。
【図3】図1に示すイヤホーンに設けられている電磁放射抑圧体の抑圧特性の測定方法を説明するための図で、(a)はイヤホーンを取り付けた頭部の外観図、(b)は微小ループアンテナの配置を説明するための図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る電磁放射抑圧体を設けたイヤホーンを示す図である。
【図5】図4に示すイヤホーンに設けられている電磁放射抑圧体の抑圧特性を説明するための特性図である。
【図6】頭部における電磁波の減衰特性を示す図である。
【図7】携帯電話機に取り付けられているイヤホーンのコードと定在波との関係を説明するための図である。
【符号の説明】
10,10′ イヤホーン
12 コード
14 イヤホーン本体
16 コネクタ
18 磁性体
20 損失誘電体
121 絶縁外皮

Claims (5)

  1. 携帯型通信機器に用いるイヤホーンのコードに設けることにより当該コードから放射される電磁波を抑圧するための電磁放射抑圧体であって、前記コードの一部を覆う磁性体と、この磁性体を覆うように配設された損失誘電体とを備えたことを特徴とする電磁放射抑圧体。
  2. 前記損失誘電体は、前記コードの磁性体に隣接する領域を覆うように延設されてなるものであることを特徴とする請求項1記載の電磁放射抑圧体。
  3. 前記損失誘電体は、可撓性を有する材料で構成されてなることを特徴とする請求項2記載の電磁放射抑圧体。
  4. 前記磁性体と損失誘電体とを合成してなる等価電気長が定在波の抑圧対象となる最低搬送周波数の少なくとも1/4波長の長さを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁放射抑圧体。
  5. 携帯型通信機器に用いるイヤホーンのコードの一部に請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁放射抑圧体が設けられてなることを特徴とするイヤホーン。
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