JP4447864B2 - 金属缶胴部側壁に模様を形成するための金型及び該金型を用いて金属缶胴部側壁に模様を形成する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
現在、ビール、発泡酒、ジュース、緑茶、紅茶、コーヒー、ミネラルウォ−ター等各種飲料に広く用いられている、内面に樹脂コートされている金属缶の胴部側壁は、外観上の意匠性を改善するために凹凸模様を形成することが行われている。本発明はこの加工において、該缶内面の樹脂コートが傷を受けることなく、且つ見た目がシャープな模様を形成するための金型及び該金型を用いて金属缶胴部側壁に模様を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、金属缶はビール、ソフトドリンクなどの飲料の小型容器として広く用いられている。それだけに商品の差別化競争も激しく、外観上の美的優位性を確保するために意匠の改善が必要であり、その模様もシャープさが求められている。
【0003】
飲料用金属缶の内最も一般的なものは、缶本体と蓋板の二つの部品からなる2−ピース缶であって、缶本体は一方が開口部となり、他方はドーム状底部を有する円筒形の筒状体である。これらの2−ピース缶本体は、金属円板を絞り・しごき加工により底部を有する有底円筒形筒状体としたものである。
金属缶は、市場の要求であるコストダウンを目的とした材料の薄肉化が進められ、胴部側壁は絞り・しごき加工により極めて薄く成形されている。そしてその後工程では、缶に外観上の意匠性を持たせるためその胴部側壁に凹凸模様を形成することがよく行われている。
【0004】
この金属缶の側壁に凹凸模様を形成するための金型は、通常外表面に刻設された凸部の頂部にフラット部を持つ内型と外側から圧接するための外型をセットして組として用いるのが普通であり(特許文献1及び第1図参照)、且つ該有底円筒状の胴部側壁に形成する凹凸模様をシャープとするためには、内型の頂部フラット部のエッジ部分をシャープにすることが必要であると考えられてきた。しかし金属缶内面は、金属の腐食、溶出および内容物飲料の味が変わるのを防ぐために熱硬化性合成樹脂がコートされているのが普通で、この樹脂コート面は弾力性、靱性に乏しいため、凸部のコーナーエッジ部をシャープにした内型を使用して金属缶胴部側壁に凹凸模様を形成した場合には、該樹脂コート面にヒビが生じたり、極端な場合には塗料が剥離するなどの問題が生じた。又、一方凸部のコーナーエッジ部を曲面体とした内型を使用した場合には、ヒビの発生は防止し得るが、エンボッシングにより得られた模様はシャープさに欠け意匠性改善の効果が少ないという現象が生じた。
【0005】
【特許文献1】
特表平5−503878号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有底円筒状の金属缶の胴部側壁に凹凸の模様を形成させるに際し、金属缶内面の樹脂コート面にヒビや剥離を生じさせずに、凹凸の模様をシャープに形成できる金型および該金型を用いた金属缶胴部側壁に模様を形成する方法の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] 金属板の絞り・しごき加工により形成された有底円筒状の金属缶胴部側壁を、外表面に凹凸模様が刻設された内型と弾性体外型で挟み、内型に対し外側から弾性体外型を圧接して金属缶胴部側壁に模様を形成するための金型において、上記内型に刻設された凸部の先端を半径0.2〜1.0mmφのR形状としたことを特徴とする金属缶胴部側壁に模様を形成するための金型、
【0008】
[2] 上記請求項1において、凸部の先端の半径を0.3〜0.8mmφのR形状としたことを特徴とする金属缶胴部側壁に模様を形成するための金型、
[3] 有底円筒状金属缶胴部側壁に凹凸状の模様を形成するため、外表面に刻設された凸部の先端を半径0.2〜1.0mmφのR形状とした内型と弾性体外型を用い、金属缶胴部側壁を挟んで内型に対し外側から弾性体外型を圧接して金属缶胴部側壁に模様を形成することを特徴とする金属缶胴部側壁に模様を形成する方法、及び
[4] 有底円筒状金属缶胴部の内側が、樹脂コートされている上記[3]に記載の金属缶胴部側壁に模様を形成する方法、を開発することにより上記の課題を解決した。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において金属缶とはいわゆる2−ピース缶であり、凹凸状の模様を形成するのは有底円筒状胴部側壁であって、その上部は開口している。この上部開口部は胴部側壁に凹凸の模様を形成した後、所定の形状に上部を絞り、蓋板を着けて金属缶とする。材質的には、アルミニウム缶が主であり、スチール缶においても本発明は適用可能である。
該金属缶は主としてビール、発泡酒、ジュース、緑茶、紅茶、コーヒー、ミネラルウォ−ター等各種飲料のために供給されているが、ビバレッジ各社は内容飲料の特異性のみならず、外見的にも意匠的に特異性を主張するため金属缶に凹凸模様を付することが行われている。
【0010】
そのために金属缶に形成する凹凸模様のシャープ性が要求されてきたが、外表面に刻設された凸部の頂部にフラット部を持つコーナーエッジ部分をシャープにした内型を使用した場合には、金属缶内面にコートされている樹脂面にヒビ割れや剥離をもたらし、品質面でその改良が要求されてきた。しかもその頂部エッジ部分をシャープにすればするほど有底円筒状胴部側壁に形成された凹凸模様のエッジ部分は2本の淡い線に見え、凹部の模様のシャープ性が不明確になり、その上内面の樹脂コートを破損する危険が増大して好ましいものではなかった。
【0011】
本発明は、内型の凸部の頂部フラット部分をなくし、その凸部先端を半径0.2〜1.0mmφのR形状とした。このことにより、金属缶内面の樹脂コートの破損を効率的に防止でき、さらに有底円筒状胴部側壁の凹凸模様の先端部分がシャープな1本の線となり、凹凸模様がシャープになることを見出し本発明を完成した。しかしRが0.2mmより小さいときは、樹脂コートが破損しやすく(ERVが大きくなる)、またRが1.0mmを超える様な場合には、形成される凹凸模様のシャープさに欠けるという問題がある。
このRとしては0.3〜0.8mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.4〜0.7mmの範囲である。
【0012】
この有底円筒状胴部側壁に凹凸模様を形成するために使用する金型としては、内型と外型からなる金型を使用する。以下図面を参照しながら説明する。
図1には、通常使用される内型1と外型2の配置関係を示す断面図が示されている。内型1としては、金属缶本体に挿入可能な、表面にエンボスすべき凹凸模様3を刻設した主として円筒形の金型を用いる。
図2は、内型1に金属缶本体Cを挿入し、これに圧接部A及び非圧接部Bを有する外型2の圧接部Aを押しつけて金属缶本体Cの缶胴部側壁にエンボス模様3を形成することを示している。
図3には本発明に係る内型に刻設された凸部5の詳細が示されている。該凸部5の先端は半径0.2〜1.0mmφを持つR形状に成型されている。
図4に従来用いられる凹凸形状の詳細が示されており、凸部4の頂部はフラットであり、コーナーエッジ部は略直角に成型されている。
金属缶にエンボスすべき凹凸模様としては限定するわけではないが、金属缶に意匠性の向上効果を与えるものであれば形状は問わない。主として金属缶胴部側壁に縦筋を形成させるために、上下に凸条の縦筋を有したものが用いられる。
【0013】
内型1は、材質的には硬質で耐摩耗性のある材質であれば種類は問わないが、金属、セラミックス、硬質樹脂などが挙げられ、精密加工が可能で摩耗が少なく、靱性に優れている金属が最も好ましい。特に摩耗防止のために、スチールにハードクロムメッキなどの加工をしたものが好適である。
【0014】
また外型2は、円筒形の、内型1とは逆に弾力性のある材質を選び、金属缶胴部側壁を内型1との間に挟んで圧接することによりエンボス加工をするものである。従って材質としては硬度30〜70IRHD程度の硬質ゴム、プラスチックなどが使用できる。外型2の形状としては、図2に示されているように、金属缶Cに凹凸模様を形成させる領域のみが内型1に圧接できればよいので、それ以外の部分は内型1に圧力を与えない様な形状であれば特に制限はない。Aは圧接部であり、Bは非圧接部である。
【0015】
【実施例】
3004系アルミニウム合金金属板を使用し、絞り・しごき加工により成形した容量350mlの2ピース缶の缶本体を用い、凸部に表1に示す半径を変化させた先端部分を設けたハードクロムメッキ加工した内型と、硬度50IRHDの硬質ゴム外型を用いて金属缶胴部側壁のエンボス加工を行った。
内型凸部先端部の半径R、ERV(Enamel Rater Value)、見た目のシャープ性の関係を表1に示す。
【0016】
【表1】
(注1)ERV(Enamel Rater Value):缶内に食塩水1%溶 液を充填し、電圧6.2Vを付加したときの電流値で表示。ERV値は5 mA以下を良品として評価。
(注2)見た目は、金属缶胴部側壁に形成された模様の状態。
(注3)◎:模様が非常にシャープ、○:模様がシャープ、△:模様が不 明瞭(外観悪し)
【0017】
表1の測定評価から明らかなように、本発明の金型を使用して金属缶胴部側壁に凹凸模様を形成したものは、ERV値の他、見た目(模様の状態)も優れている。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、金属缶の外観上の美的優位性を確保するために、意匠の改善を目的として、胴部側壁にシャープな凹凸模様を形成するために使用する内型及び該金型を用いた金属缶胴部側壁に凹凸模様を形成する方法を提供するものである。
該金型を用いて金属缶胴部側壁に凹凸模様を形成するときは、金属缶内面の樹脂コート面にヒビや剥離を生じさせずに、シャープな凹凸模様を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 内型と外型の配置関係を示す断面図。
【図2】 本発明の金型を用いて金属缶の側壁に凹凸模様を形成する概念図。
【図3】 本発明の内型に刻設されている凸部形状の部分拡大断面図。
【図4】 従来の内型に刻設されている凸部形状の部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 内型
2 外型
3 エンボス
4 従来の凸部形状
5 本発明の凸部形状
A 外型の圧接部
B 外型の非圧接部
C 金属缶
Claims (2)
- 金属板の絞り・しごき加工により形成された有底円筒状の金属缶胴部側壁を、外表面に凹凸模様が刻設された内型と弾性体外型で挟み、内型に対し外側から弾性体外型を圧接して金属缶胴部側壁に模様を形成する方法において、前記弾性体外型を圧接する前に金属缶胴部の内側を樹脂コートし、上記内型に刻設された凹凸模様の凸部の先端を半径0.2〜1.0mmφのR形状とし、弾性体外型としてIRHD硬度が30〜70である硬質ゴムまたはプラスチックを用いることを特徴とする金属缶胴部側壁に模様を形成する方法。
- 凸部の先端の半径が、0.3〜0.8mmφのR形状であることを特徴とする請求項1に記載の金属缶胴部側壁に模様を形成する方法。
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