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JP4449122B2 - 押出形材の肉厚制御方法 - Google Patents
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JP4449122B2 - 押出形材の肉厚制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、押出成形時に生じるダイスの物理的又は熱的歪みに起因する押出形材の寸法変動を抑制し、形状が安定化した押出形材を製造するための肉厚制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンテナから高温のビレットをダイスに向けて押圧し、ダイスに設けた賦形空間を通過させることによって所定形状の押出形材が製造される。このとき、押出形材の肉厚が押出成形中に変動しやすい。肉厚の変動要因には、ダイス温度分布,押出加工力,コンテナシール力等が挙げられる。たとえば、外気への熱放散によってダイスが押出成形中に降温すると、熱的収縮で賦形空間が狭くなり、押出サイクルの初期に比較して末期の肉厚が減少する。
【0003】
他方、押出成形中には所定圧力でビレットが押圧されるが、コンテナ内壁とビレット周面との摩擦に依るコンテナシール力は、ビレットの先端部に比較して後端部ほど小さくなる。コンテナシール力が低減すると、ダイを拘束する力が減少するため、ダイ中央部が押出方向に突出してダイの撓みが大きくなり、結果として賦形空間を狭くし、ビレット後端部に当たる部分の肉厚が減少する。
そこで、本出願人は、押出成形中における肉厚変動を抑制するため、ダイを着脱可能に保持するホルダをスプレッダバッフルに連結した押出ダイスを特開平6−254618号公報で紹介した。この押出ダイスでは、スプレッダバッフルからの荷重の一部がホルダに伝達されるため、ダイに加わる荷重が小さくなり、ベアリング両端部の応力集中,寸法変動等が抑制される。また、ダイとホルダとの間に断熱材を介在させるとき、ベアリング部が一定温度になるため熱的歪みが減少し、安定条件下の押出成形が可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ホルダの採用によってダイの物理的又は熱的歪みに起因する押出形材の肉厚変動は大幅に低減する。しかし、ダイに加わる力は、軽減されるものの依然として変動し、押出形材の肉厚に悪影響を及ぼす原因となる。また、ダイとホルダとの間を断熱することによってダイの温度変動を抑制できるが、ホルダの温度変化に起因してダイ保持部の寸法が変わり、ダイに加わる力が変動する。その結果、押出形材の肉厚変動を完全には解消しきれていない。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、ホルダを介してダイに加えられる力を調整可能にすることにより、温度やコンテナシール力の変動が賦形空間の間隙に及ぼす影響を相殺し、ダイに加わる力を一定に維持し、肉厚変動がより抑制された押出形材を製造することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の肉厚制御方法は、その目的を達成するため、ホルダに設けたダイ保持用凹部にダイを挿入してバッフルプレートに対向させ、ホルダを介してダイに周方向から加圧力を加える機構を備えた押出ダイスを用いて押出形材を製造する際、ダイに設けた賦形空間の間隙が一定になるように、オンライン計測された押出形材の肉厚変動に応じてダイに加える加圧力を制御することを特徴とする。また、ホルダに設けたダイ保持用凹部にダイを挿入してバッフルプレートに対向させ、ホルダを介してダイに周方向から加圧力を加える機構を備えた押出ダイスを用いて押出形材を製造する際、ダイに設けた賦形空間の間隙が一定になるように、ホルダの外周からダイ保持用凹部に延びる貫通孔に挿入した加圧力調整ロッドの脚部先端をダイの周面に押し当て、押出形材の肉厚変動に応じて加圧力調整ロッドの押込み量を制御することを特徴とする
【0006】
【実施の形態】
本発明に従った押出ダイスは、たとえば図1に示す要部構造にみられるように、ダイ10をホルダ20に入れ子式に組み込み、ホルダ20とバッフルプレート30との間で固定保持する。
ダイ10には、押出形材の断面形状に相当する賦形空間11が形成されている。ダイ10は、ホルダ20のダイ保持用凹部21に挿入され、メタル導入部31をもつバッフルプレート30に装着される。ダイ保持用凹部21は、挿入されたダイ10の周面との間に若干の間隙22が形成されるサイズに設計されている。
ホルダ20には、外周から中心に向かって延び、ダイ保持用凹部21に開口する貫通孔23が穿設されている。貫通孔23には、脚部先端がダイ10の周面に当接する加圧力調整ロッド24が差し込まれている。ダイ保持用凹部21の内壁から突出する加圧力調整ロッド24の突出長さを調節することにより、ホルダ20からダイ10に加えられる力を変えることができる。図1では1本の加圧力調整ロッド24を示しているが、加圧力調整ロッド24の本数及び挿入位置は、製造される押出形材のサイズ及び断面形状を考慮して適宜定められる。
【0007】
この構造では、ホルダ20がバッフルプレート30にボルト等の手段で連結固定されるが、ダイ10とホルダ20,バッフルプレート30との間は連結固定されておらず、ホルダ20とバッフルプレート30との間にダイ10が挟み込まれている。
ダイ10は,加圧力調整ロッド24を緩めた状態でホルダ20のダイ保持用凹部21に挿入される。次いで、ダイ10の挿入側からバッフルプレート30を当てがい、バッフルプレート30をホルダ20に連結固定することにより、押出ダイス1が組み立てられる。その後、加圧力調整ロッド24を締め付けてダイ保持用凹部21の内壁から突出する加圧力調整ロッド24の突出長さを調節することにより,ダイ10の賦形空間11が規定寸法になるようにダイ10に加わる力を制御する。
【0008】
押出ダイス1は、ダイヒータで所定温度(たとえば450℃前後)に加熱された後、図2に示すように必要に応じてボルスタ2と共にエンドプラテン3のステム4に対向する側の所定位置にセットされる。次いで、押出ダイス1の外周方向に突出している加圧力調整ロッド24の先端をロッド駆動装置5に連結する。
所定温度(たとえば、450℃前後)に予熱したビレットMを収容したコンテナ6を押出ダイス1に密着させ、ステム4でビレットMを押出方向Dに押圧すると、ビレットMが塑性流動してダイ10の賦形空間11を通過し、所定の断面形状をもつ押出形材Sが製造される。
【0009】
押出成形中のホルダ20は、保有熱の放散により降温するため熱収縮する。ホルダ20の熱収縮により、ダイ保持用凹部21の内法が減少し、ダイ10との間隙22が狭くなる。他方、ダイ10は、周囲がホルダ20で囲まれており、間隙22が断熱層として働くためホルダ20への熱伝導が小さい。しかも、高温のビレットMが接し、メタルが賦形空間11を通過する際の加工熱も加わるため、ホルダ20に比較してダイ10の温度降下は小さく、却ってダイ10が昇温することもある。すなわち、ダイ10及びホルダ20の降温速度が図3に示すように異なり、ダイ10とホルダ20との間の温度差が大きくなる。ダイ10に比較して大きく降温したホルダ20の収縮力がダイ10に働くと、ダイ10が内周方向に加圧され、賦形空間11の隙間が小さくなる。
【0010】
また、押出成形中のビレットMに加わる押出加工力は、押出ダイス1から押出される押出形材Sの速度を一定に維持するため,通常一定値に設定される。他方、ビレットMとコンテナ6との間の摩擦を一因とするコンテナシール力がダイ10に働く。バッフルプレート30にはメタル導入部31内のメタルを介して外側に拡げる力が加わり、その力はバッフルプレート30とダイ10との間に生じる摩擦力によってダイ10に伝わる。バッフルプレート30とダイ10との間の摩擦力は、垂直応力(コンテナシール力)に依存する。しかし、コンテナシール力は、押出の進行に伴ってビレットMとコンテナ6との接触面積が減少するため、ビレットMの先端部に比較して後端部ほど小さくなる。そのため、1本のビレットMでみると押出初期に比較して押出末期のコンテナシール力が小さくなり、ダイ10の拡開量減少に伴って賦形空間11の間隙が狭くなる傾向にある。
【0011】
押出成形中に温度やコンテナシール力がこのように変動するため、押出ダイス1から押出された押出形材Sは、図4に示すように1本の押出形材Sでみると先端側に比較して後端側ほど薄肉化する傾向にある。また、連続して複数本のビレットMを押出成形する場合には、先行押出形材に比較して後続押出形材ほど薄肉化する傾向を示す。
押出形材Sの肉厚減少は、押出成形の進行に伴って押出ダイス1の温度やコンテナシール力が変動して賦形空間11の間隙が変わることが原因である。そこで、本発明においては、温度やコンテナシール力の変動による影響を相殺するようにダイ10に加える力を制御することにより、賦形空間11の間隙を一定に維持し、肉厚変動を抑制した押出形材Sを製造している。
【0012】
具体的には、エンドプラテン3の出側に厚み計7を設け、押出ダイス1から送り出された押出形材Sの肉厚を測定する。厚み計7としては、X線透過方式,レーザ光方式等が使用可能である。厚み計7で得られた測定値は、制御機構(図示せず)に送られ、制御信号としてロッド駆動装置5に出力される。ロッド駆動装置5では、制御信号、すなわち押出形材Sの肉厚に応じて加圧力調整ロッド24の押込み量を制御し、所定の肉厚に必要な賦形空間11の間隙が保たれるようにダイ10を加圧する。
このようにして押出成形中に加圧力調整ロッド24の押込み量を制御しながら押出成形すると、肉厚変動が1本の押出形材では先端部に比較して後端部の肉厚減少が0.02mm以下に、5本の押出形材では1本目の押出形材に比較して5本目の押出形材の肉厚減少が0.05mm以下に抑えられていた。
【0013】
押出形材Sの肉厚変動を抑制する方法としては、押出形材Sの肉厚を実測する厚み計7に代え、ステム4又はラムの前進速度及び押出形材Sを引っ張るプラー(図示せず)の走行速度等から押出形材Sの成形速度を求め、該成形速度から算出される押出形材Sの所定断面における肉厚を算出し、算出結果に応じて加圧力調整ロッド24の押込み量を制御することもできる。或いは、過去の実績に基づき加圧力調整ロッド24の押込み量を加減することも可能である。更には、ロッド駆動装置5に代えて、直接又は間接的にダイ10を加圧する油圧機構又はギア機構を組み込むこともできる。たとえば、油圧制御で加圧力調整ロッド24の押込み量を調整するとき、押出成形中に賦形空間11の間隙を設定値に維持する作業が容易になる。
【0014】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、押出成形中に温度変動やコンテナシール力の変動を受けて変わりやすい賦形空間の空隙を、ダイを周方向から加圧する加圧力調整ロッドの押込み量を制御することにより一定に維持している。そのため、温度やコンテナシール力の変動に起因する肉厚変動が抑制され、形状精度の良好な押出形材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ホルダのダイ保持用凹部にダイを挿入した押出ダイスの正面図(a)及びb−b断面図(b)
【図2】 押出ダイスをセットした押出装置の概略図
【図3】 押出成形中のダイ及びホルダの温度変化を示すグラフ
【図4】 押出成形で生じる肉厚変動の一例を示すグラフ
【符号の説明】
1:押出ダイス 2:ボルスタ 3:エンドプラテン 4:ステム 5:ロッド駆動装置 6:コンテナ 7:厚み計
10:ダイ 11:賦形空間
20:ホルダ 21:ダイ保持用凹部 22:間隙 23:貫通孔 24:加圧力調整ロッド
30:バッフルプレート 31:メタル導入部
M:ビレット S:押出形材 D:押出方向

Claims (2)

  1. ホルダに設けたダイ保持用凹部にダイを挿入してバッフルプレートに対向させ、ホルダを介してダイに周方向から加圧力を加える機構を備えた押出ダイスを用いて押出形材を製造する際、ダイに設けた賦形空間の間隙が一定になるように、オンライン計測された押出形材の肉厚変動に応じてダイに加える加圧力を制御することを特徴とする押出形材の肉厚制御方法。
  2. ホルダに設けたダイ保持用凹部にダイを挿入してバッフルプレートに対向させ、ホルダを介してダイに周方向から加圧力を加える機構を備えた押出ダイスを用いて押出形材を製造する際、ダイに設けた賦形空間の間隙が一定になるように、ホルダの外周からダイ保持用凹部に延びる貫通孔に挿入した加圧力調整ロッドの脚部先端をダイの周面に押し当て、押出形材の肉厚変動に応じて加圧力調整ロッドの押込み量を制御する押出形材の肉厚制御方法。
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