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JP4450419B2 - 難燃性粘着テープ - Google Patents
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JP4450419B2 - 難燃性粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、焼却時に有毒な含ハロゲン系ガスを発生するハロゲン系難燃剤と人体に悪影響があると指摘されている酸化アンチモンを使用することなく、優れた難燃性と粘着特性並びに炭化絶縁破壊を良好に抑制できる耐トラッキング性等を有する電気絶縁用難燃性粘着テープに関する。
近年、電気・電子分野の各業界では、それを構成する電気部品等で、高い難燃性が求められるようになっている。それに伴って、電気・電子部品、特にトランスの絶縁用途等に用いられる電気絶縁用粘着テープにおいても、UL510燃焼試験等の各種試験に合格する高い難燃性が求められている。又、電気絶縁用粘着テープには、高い難燃性の他に、耐トラッキング性、絶縁破壊電圧、耐電圧等の電気特性に優れていることや、耐電解腐食性や、当該用途に必要な高い粘着力等が必要であり、これらの条件を満たす為に、通常高い難燃効果を有するハロゲン系難燃剤と酸化アンチモンとを粘着剤中に配合して、粘着テープを難燃化するのが一般的であった。
しかし、ハロゲン系難燃剤は、焼却時に有毒な含ハロゲン系ガスを発生したり、金属を腐食させたりする問題があり、又、酸化アンチモンは、人体に悪影響があると指摘されている等の問題があることから、ハロゲン系難燃剤と酸化アンチモンを使用していない電気絶縁用難燃性粘着テープが求められている。
ハロゲン系難燃剤以外の難燃剤としては、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物系難燃剤を用いる方法が知られているが、金属水酸化物系難燃剤は、ハロゲン系難燃剤よりも難燃効果が遙かに劣っている為、粘着剤中に大量に配合しなければならず、粘着力を低下させると言う問題があった。粘着特性を損なわない範囲内の金属水酸化物系難燃剤配合量で目的の難燃効果を得る為には、燃焼しにくい芳香族ポリアミド基材を積層したり(特許文献1)、難燃付与を目的とした下塗り層を別途設けたりする必要があり(特許文献2)、高価な基材を用いるか、又は粘着剤塗布工程を2工程必要とする等の理由から、汎用性に欠ける面があった。
又、ハロゲン系難燃剤、金属水酸化物系難燃剤以外の難燃剤としては、メラミンシアヌレート、トリアジン化合物、グアニジン化合物、グアニル尿素化合物、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂等の含窒素化合物が知られているが、金属水酸化物系難燃剤と同様に、ハロゲン系難燃剤に比べて難燃効果が遙かに劣っている為、大量に添加する必要があり、ポリエステルフィルム等の汎用基材を用いた一般的なテープ構成では、難燃性、粘着特性、電気特性等を全て満足することは、困難であった。
又、ハロゲン系難燃剤程の高い難燃性ではないが、比較的難燃効果が高いリン系化合物を用いることが行われている。中でも、難燃効果が高いポリリン酸アンモニウム等の窒素元素を含有したリン系難燃剤と赤リンとの組み合わせが提案されている(特許文献3)が、赤リンを使用している為、焼却時に有害なホスフィンガスを発生すると言う問題があった。又、ポリリン酸アンモニウムやポリリン酸メラミン等の極性の高い(イオン性の高い)難燃剤は、場合によっては電気絶縁用粘着テープとして必要な耐トラッキング性や、耐電解腐食性を低下せしめる原因となる為(非特許文献1)、電気絶縁用途に用いる場合には、限られた範囲内の量しか用いることができなかった。
前記窒素含有リン系化合物以外のリン系難燃剤として、リン酸エステル系難燃剤を用いることが知られているが、リン酸エステル系化合物の性状が液状の場合には、粘着剤層を可塑化して凝集力を低下させたり,粘着剤層表面に該難燃剤がブリードしたりすると言う問題があり、又、リン酸エステル系難燃剤の性状が固体の場合には、粘着剤層表面に該難燃剤粒子が析出(ブルーミング現象)して、粘着テープの粘着特性や風合い等を損ねると言う問題があった。そこで、芳香族リン酸エステルとリン酸エステル系難燃剤をマイクロカプセル化して(特許文献4)難燃剤の析出を防ぐ工夫や、リン酸エステル系難燃剤とメラミン系樹脂粒子を併用して(特許文献5)、又は芳香族縮合リン酸エステルとリン酸エステルとを併用して(特許文献6)赤リンを使用しなくても十分な難燃性を得る工夫等がなされているが、電気絶縁用途に不可欠な電気特性である耐トラッキング性や電食係数等については、特に言及されていない。
以上のような背景から、電気絶縁用粘着テープの分野では、焼却時に有害な含ハロゲン系ガスを発生することなく、人体に悪影響があると指摘されている酸化アンチモンを含有せず、当該用途に適用可能な十分な粘着特性、絶縁破壊電圧、耐電圧、耐トラッキング性、及びUL510燃焼試験に合格しうる難燃特性を全て併せ持ち、更に、粘着剤層表面に難燃剤が析出することのない粘着テープの開発が望まれている。
特開2002−121508号公報 特開2003−96417号公報 特開平8−193187号公報 特開2000−169811号公報 特開平11−323268号公報 特開平11−323269号公報 西沢仁著,プラスチックス,Vol.54,No.3(2003)
本発明は、焼却時に有毒な含ハロゲン系ガスを発生するハロゲン系難燃剤や人体に悪影響があると指摘されている酸化アンチモンを使用することなく、優れた難燃性と粘着特性を有すると共に、高い電気絶縁性、及び炭化絶縁破壊を良好に抑制できる耐トラッキング性等を全て併せ持ち、且つ難燃剤が粘着剤層表面に析出したり、粘着剤層を可塑化させたりすることがない電気絶縁用難燃性粘着テープを提供することである。
本発明者は、かかる課題を解決する為に鋭意検討を行った結果、以下の知見を得て、本発明を完成させるに至った。
リン酸エステル系難燃剤と窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤とを併用して粘着剤中に含有させることにより、焼却時に有害な含ハロゲン系ガスやホスフィンガスを発生することなく、UL510燃焼試験に合格する高度の難燃性や、当該用途に問題ないレベルの粘着特性、高い電気絶縁性、及び炭化絶縁破壊を良好に抑制できる耐トラッキング性等が得られ、更に、粘着剤への分散性の良い窒素含有リン酸塩系難燃剤が、リン酸エステル系難燃剤との高い親和性により、リン酸エステル系難燃剤の粘着剤層表面への析出を有効に防止しうることを見出して、本発明の電気絶縁用難燃性粘着テープの完成に至ったものである。
(1) 基材の少なくとも片面に、ハロゲン系難燃剤と含アンチモン化合物、及び赤リンをいずれも使用することなく芳香族リン酸エステル系難燃剤及び芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤から選ばれる少なくとも一つのリン酸エステル系難燃剤と、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、及び、リン酸エステルアミドの中から選ばれる少なくとも一種の窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤を、リン酸エステル系難燃剤対窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤の配合比率が1:0.3〜10で、予め高分子化された重合体からなる粘着剤ベースポリマー100質量部に対してリン酸エステル系難燃剤と窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤との合計量が20〜300質量部の範囲で添加した難燃性粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けることを特徴とする難燃性粘着テープ。
(2) 前記リン酸エステル系難燃剤対窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤の配合比率が、1:0.5〜6であり、難燃性粘着剤層への難燃剤の配合量は、粘着剤ベースポリマー100質量部に対して、難燃剤量を35〜200質量部であることを特徴とする(1)記載の難燃性粘着テープ。
(3) 前記基材として、電気絶縁性材料からなる層を少なくとも1層設けてなることを特徴とする、(1)または(2)記載の難燃性粘着テープ。
(4) UL510〔電気絶縁用テープ規格〕燃焼試験において、合格することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の難燃性粘着テープ。
(5) JIS C 2134(IEC112)に準じて測定された比較トラッキング指数(CTI値)が、600V以上であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の難燃性粘着テープ。
(6) 前記難燃性粘着テープが、電気絶縁用であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の難燃性粘着テープ。
本発明の電気絶縁用難燃性粘着テープは、ハロゲン系難燃剤や赤リンを含有していないので、焼却しても有害な含ハロゲン系ガスやホスフィンガスを発生することなく、人体に悪影響があると指摘されている酸化アンチモンを含有しない。又、難燃効果が低い金属水酸化物系難燃剤や窒素含有化合物系難燃剤単独、又はその組み合わせでの使用でないので、難燃剤を大量に配合する必要がなく、粘着力を低下せしめることなく、且つUL510燃焼試験に合格する高い難燃性を有する。更に、ポリリン酸アンモニウムやポリリン酸メラミン等の極性が高い(イオン性が高い)難燃剤の単独での使用でないので、耐トラッキング性等の電気特性に問題をきたすことがない。窒素含有リン酸塩系難燃剤を適量に使用することにより、リン酸エステル系難燃剤と粘着剤の相溶性が改善され、リン酸エステル系難燃剤が粘着剤層表面に析出することによって粘着力を低下させたり粘着テープの風合いを損ねたりすることがない。且つ液状のリン酸エステルを大量に使用するわけではないので、粘着剤層を可塑化して凝集力を低下させることがない。而も固体のリンエステル系難燃剤単独での大量配合でないので、難燃剤が粘着剤層表面に析出することによって粘着力を低下させたり粘着テープの風合いを損ねたりすることがない。
本発明の難燃性粘着テープは、耐トラッキング性、及び難燃性に優れることから,層間絶縁用粘着テープとして用いることにより、電源トランス等の沿面距離を短くでき、トランスの省スペース化、低背化、容量アップ、チューブレス化、軽量化、小型化できる効果を有する。又、本発明の難燃性粘着テープは、高耐電圧、保存特性にも優れている。これに対して、従来の難燃剤を用いた比較例1、5,6のものは、難燃性についての要求基準は満たすものの、比較トラッキング指数を600V以上とすることはできないし、又、従来の難燃剤を用いた比較例7のものでは、比較トラッキング指数を600V以上と言う基準を満たすものはあるが、難燃性基準を満たすことができず、使用できない。
本発明は、粘着剤層表面に析出したり粘着剤層を可塑化させたりする可能性のあるリン酸エステル系難燃剤をある特定の範囲内で用い、粘着剤への分散性が良くリン酸エステル系難燃剤との親和性が高い窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤を、電気特性を損なわない添加量で、これと併用して用いることによって、リン酸エステル系難燃剤の粘着剤層表面への析出を有効に防止し、目的の事項を全て満たす電気絶縁用難燃性粘着テープを得るものである。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の難燃性粘着テープは、基材の少なくとも片面に、リン酸エステル系難燃剤と、窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤が含まれてなる難燃性粘着剤組成物からなる粘着剤層が設けられている構造を有する。ここで、難燃性粘着剤層は、少なくとも一種のリン酸エステル系難燃剤と少なくとも一種の窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤を添加することによって難燃化されており、高度の難燃性と優れた粘着特性、電気絶縁性、及び炭化絶縁破壊を良好に抑制できる耐トラッキング性等を有すると共に、粘着剤層中の難燃剤が長時間経過しても粘着剤層表面に析出することがない。
前記難燃性粘着剤層は、各種難燃剤が機械混練法により粘着剤ベースポリマー中に均一に分散されている状態である。
本発明の難燃性粘着テープは、基材表面に難燃性粘着剤層を設けるものである。粘着剤層の厚みは、通常5〜100μmであるが、好ましくは、10〜60μm程度である。
本発明の難燃性粘着テープにおける難燃性粘着剤層への難燃剤の配合量は、粘着剤ベースポリマー100質量部に対して、リン酸エステル系難燃剤と窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤の合計量が20〜300質量部の範囲である。各特性の良好なバランスを得る点からは,粘着剤100質量部当たりの難燃剤量を35〜200質量部とすることが好ましい。
前記難燃剤の合計量が300質量部を越えると、難燃性付与には有利となるが、耐トラッキング性の低下や難燃剤の粘着剤層表面への析出、粘着剤層の凝集力の低下、更には粘着テープとしての粘着力不足等を生じる恐れがある。又、配合量が20質量部未満では、粘着特性等は良くなるが、難燃特性が低くなり、UL510燃焼試験において、合格レベルの難燃性能を達成することができない場合がある。
本発明におけるリン酸エステル系難燃剤対窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤の配合比率は、1:0.3〜10であり、好ましくは、1:0.5〜6である。リン酸エステル系難燃剤の比率が、高くなり過ぎると、粘着剤層の可塑化やリン酸エステル系難燃剤の粘着層表面への析出等を生じる恐れがあり、一方、窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤の比率が高くなりすぎると、電気絶縁用粘着テープとして重要な特性の一つである耐トラッキング性を低下させる可能性がある。
本発明に用いられるリン酸エステル系難燃剤は、特に限定されるものではないが、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート等の脂肪族リン酸エステルや、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジル2,6キシレニルホスフェート、トリス(tブチル化フェニル)ホスフェート、トリス(イソプロピル化フェニル)ホスフェート、リン酸トリアリールイソプロピル化物等の芳香族リン酸エステルや、レゾルシノールビスジフェニルホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビスジキシレニルホスフェート等の芳香族縮合リン酸エステル等が挙げられる。好ましくは、粘着剤層の凝集力を低下させることが少ない固体の芳香族モノマー型、或いは芳香族縮合型リン酸エステルである。粘着剤との相溶性が良くなる観点から、アルキル基を導入した芳香族縮合リン酸エステルは、更に好ましい。これらのリン酸エステル系難燃剤は、1種単独、又は2種以上を組み合わせて用いても構わない。
本発明に用いられる窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤は、特に限定されないが、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、リン酸ジメラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム、ポリリン酸メロン、リン酸エステルアミド、リン酸グアニジン等が挙げられる。これらの窒素含有リン酸塩化合物は、1種単独で、又は2種以上を用いてリン酸エステル系難燃剤と組み合わせて使用することができる。これらの窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤は、リン酸エステル系難燃剤との親和性(馴染み)が高く、尚且つ粘着剤への分散性が高い為、窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤を添加することにより、リン酸エステル系難燃剤の粘着剤層表面への析出を有効に防止しうることを見出した。
前記リン酸エステル系難燃剤と窒素含有リン酸塩系難燃剤の組み合わせに、本発明の効果を損わない範囲で、併用成分として、金属水酸化物、メラミン化合物、トリアジン化合物、グアニジン化合物、グアニル尿素化合物、ジシアンジアミド、及び硼酸化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を用いて添加することができる。
金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げることができる。
メラミン化合物としては、硫酸メラミン、硝酸メラミン、硼酸メラミン、フタル酸メラミン、スルファミン酸メラミン、メラミンシアヌレート等が挙げることができる。
併用成分の添加量は、粘着剤ベースポリマー100質量部に対して、0〜80質量部であるが、好ましくは、0〜60質量部である。
又、前記難燃剤の組み合わせには、難燃助剤を1種、又は2種以上を組み合わせて添加しても構わない。具体的な例としては、酸化亜鉛、硫化鉛、酸化錫、錫酸亜鉛、硼酸亜鉛等が挙げられる。
本発明に挙げられたリン酸エステル系難燃剤以外の難燃剤、及び難燃助剤の平均粒径は,0.5〜25μm、好ましくは1〜10μmである。0.5μmより小さい場合は,粉体としての取扱いが不便となり,25μmより大きい場合は,粘着剤中に分散した後の安定性の問題や粘着剤層表面への露出で面荒れを招きやすく、粘着力の低下の原因となる難点がある。
本発明に用いられる粘着剤は、特に限定されないが、一般的に用いられる公知のアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤がベースポリマーとして用いられる。例えば、アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル等の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを主成分とし、これに(メタ)アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸等の官能基を含むモノマーや酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、2−メチロールエチルアクリルアミド等を必要に応じて共重合させることにより得られる公知のアクリル系粘着剤である。
本発明のゴム系粘着剤としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、及びスチレン・イソプレンブロックコポリマー等のエラストマー成分を1種、又は2種以上の組み合わせに対して、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、ピュア・モノマー系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等を混合することによりなる、公知のゴム系粘着剤である。
上記粘着剤ベースポリマーは、アクリル系粘着剤の場合には、イソシアネート化合物、酸無水物、アミン化合物、エポキシ化合物、金属キレート類、アジリジン化合物等の架橋剤を用いて、又、ゴム系粘着剤は、反応性フェノール樹脂、硫黄、チウラム類等の硫黄化合物、マレイミド等の加硫剤を用いて、架橋乃至加硫して用いた方が、液状リン酸エステル系難燃剤による粘着剤層の可塑化を低減することができるので好ましい。
又、前記粘着剤中には、本発明の難燃効果を損なわない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、耐候剤、軟化剤、安定剤、充填剤、増量剤、補強剤等の各種添加剤を1種、又は2種以上を組み合わせて加えることができる。
本発明の難燃性粘着テープに用いられる基材は、特に限定されるものではないが、電気絶縁性材料からなる層を少なくとも1層設けてなる基材が好ましい。電気絶縁用途に使用可能な材料としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセテート、ポリエーテルエーテルケトン等のフィルム基材や、ガラスクロス、アセテートクロス等の布基材や、芳香族ポリアミド不織布乃至ペーパー基材等が挙げることができる。これらの単体、又は2種以上を組み合わせたものを使用することができる。又、前記基材に対して、必要に応じて、紙、布、不織布等を粘着剤や接着剤等で積層した基材が用いられる。
本発明に用いられる難燃性粘着剤組成物の作製方法は、特に限定されるものではないが、難燃剤の粘着剤ベースポリマーへの分散方法としては、一般に知られる機械的混練分散法の他に、必要に応じて溶剤分散法、超音波分散法等の公知の方法を用いることができる。このようにして製造された難燃性粘着剤組成物の塗工方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ロールコーターやリバースコーター等で上記基材の少なくとも片面に1層、又は2層以上塗布され、必要に応じ加熱することにより本発明の難燃性粘着テープが得られる。
本発明の難燃性粘着テープとしての機能は、電気、電子、OA機器、家電、航空機、船舶、車両等の各分野での使用において、各種機器内部の高温化や畜熱によっても発火する危険性がなく、発火しても速やかに消火する機能を有すると共に、経時による変化が少なく更に熱等に耐える粘着力を十分に有している。又、汚染や潤湿の環境下、600Vの高い印加電圧においても表面に沿っての炭化絶縁破壊並びに厚み方向の炭化絶縁破壊を共に良好に抑制できる。
又、その役目を終えて各種機器部品のリサイクル処理を行う場合には、廃棄物として焼却しても熱分解により環境や人体に好ましくない有毒な塩素、臭素等を含む含ハロゲン系ガスやホスフィンガス等を発生しない特徴を備えている。
本発明の難燃性粘着テープに用いられている難燃剤の難燃化機構は、(1)本発明における含リン化合物系難燃剤の熱分解により生成したラジカルが、基材、及び粘着剤組成物の燃焼時に発生した反応性の高い活性ラジカルをトラップして燃焼を阻止する効果、(2)本発明の含リン化合物系難燃剤の熱分解によるリン酸、ポリリン酸の生成による脱水炭化反応から、該粘着テープ表面に溶融ガラス状表層や緻密な炭化膜層(チャー)を生成して,熱や酸素から遮断し拡炎を防止する効果、(3)更に、本発明では、窒素含有リン酸塩化合物を必須成分としている為、不活性の窒素ガス等の発生により熱膨張型炭化膜を生成し、多孔質断熱層をつくり,難燃効果を更に向上させる効果等による難燃化機構である。
本発明の難燃性粘着テープは、高度の難燃性と優れた粘着特性を有すると共に、高い絶縁破壊電圧と耐電圧、及び表面に沿っての炭化絶縁破壊並びに厚み方向の炭化絶縁破壊を共に良好に抑制できる耐トラッキング性等の特性を全て併せ持つことから、電気・電子部品類の絶縁用、特にトランス類の絶縁用に用いることが好ましいが、その他の難燃性が要求される用途、例えば、電気製品の外装用、建築材料、自動車部品、火気取り扱い現場での養生用等にも用いることができる。
以下、本発明を実施例で更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。尚、実施例中において「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を示すものである。
〈粘着剤の調製〉
ブチルアクリレート75部、2−エチルヘキシルアクリレート20部、アクリル酸4.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド1部を酢酸エチルに溶解し、窒素雰囲気下、67℃で5時間反応させ、固形分を40%に希釈し、重量平均分子量約60万のアクリル酸エステル共重合体液体(以下アクリル系粘着剤と言う)を調製した。
参考例1 上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤(商品名:PX−200 大八化学工業社製)15部、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤(商品名:CR−741 大八化学工業社製)20部、ポリリン酸アンモニウム(商品名:テラージュC60 チッソ社製)30部を添加し、混合・混練機(HM−3D−5 特殊機化工業社製)で練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を加えて均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、本発明の難燃性粘着テープを得た。
実施例2
上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤(商品名:PX−200 大八化学工業社製)15部、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤(商品名:CR−741 大八化学工業社製)20部、ポリリン酸メラミン(商品名:MPP−A 三和ケミカル社製)30部を添加し、混合・混練機(HM−3D−5 特殊機化工業社製)で練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を加えて均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、本発明の難燃性粘着テープを得た。
実施例3
上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、芳香族リン酸エステル系難燃剤(商品名:TPP 大八化学工業社製)15部、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤(商品名:CR−741 大八化学工業社製)20部、ポリリン酸メラミン(商品名:MPP−A 三和ケミカル社製)30部を添加し、混合・混練機(HM−3D−5 特殊機化工業社製)で練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を加えて均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、本発明の難燃性粘着テープを得た。
実施例4
上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、芳香族リン酸エステル系難燃剤(商品名:TPP 大八化学工業社製)15部、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤(商品名:CR−741 大八化学工業社製)20部、ポリリン酸メラミン(商品名:MPP−A 三和ケミカル社製)30部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライト H−42M 昭和電工社製)20部を添加し、混合・混練機(HM−3D−5 特殊機化工業社製)で練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を加えて均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、本発明の難燃性粘着テープを得た。
比較例1
上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、臭素系難燃剤〔テトラブロモ・ビスフェノールA誘導体〕(商品名:ファイヤガード3000 帝人化成社製)を40部、三酸化アンチモン25部を添加し、混合・混練機(HM−3D−5 特殊機化工業社製)で練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を加えて均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、難燃性粘着テープを得た。
比較例2
上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、芳香族リン酸エステル系難燃剤(商品名:TPP 大八化学工業社製)65部、ポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を添加し、均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、難燃性粘着テープを得た。
比較例3
上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤(商品名:PX−200 大八化学工業社製)65部、ポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を添加し、均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、難燃性粘着テープを得た。
比較例4
上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤(商品名:CR−741 大八化学工業社製)65部、ポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を添加し、均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、難燃性粘着テープを得た。
比較例5
上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、ポリリン酸アンモニウム(商品名:Exolit AP423 クアリアンジャパン社製)65部を添加し、混合・混練機(HM−3D−5 特殊機化工業社製)で練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を加えて均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、難燃性粘着テープを得た。
比較例6
上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、ポリリン酸メラミン(商品名:MPP−A 三和ケミカル社製)65部を添加し、混合・混練機(HM−3D−5 特殊機化工業社製)で練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を加えて均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、難燃性粘着テープを得た。
比較例7
上記調製したアクリル系粘着剤の固形分100部に対して、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライト H−42M 昭和電工社製)100部を添加し、混合・混練機(HM−3D−5 特殊機化工業社製)で練り込み、充分に分散させて得た粘着剤組成物にポリイソシアネート系架橋剤を2.5部、及び適量の有機溶剤を加えて均一になるまで充分に撹拌して得られた粘着剤層塗布液を、予め易接着処理及び背面離型処理が処されたポリエステルフィルム25μmの易接着面に乾燥後の粘着剤層の厚みが25〜35μmになるように塗布・乾燥して、難燃性粘着テープを得た。
〔試験方法〕
以上、各実施例及び比較例として得られたテープサンプルの諸特性を以下の方法で試験し、評価を行った。その結果を〔表1〕に記載した。
〔粘着力〕JIS Z 0237に準じて、測定した。
〔保持力〕JIS Z 0237に準じて、測定をした。但し、被着体への貼着面積を10mm×20mmとし、荷重300g、温度120℃の条件下で、30分間で、テープがずれた距離を測定し、テープのずれた距離が20mm以上となり、試料が落下した場合を『落下』と記録した。
〔タック〕JIS Z 0237に準じて、測定した。
〔絶縁破壊電圧〕JIS C 2107に準じて、絶縁破壊時の電圧を測定した。
〔耐電圧〕JIS C 2107に準じて、所定の電圧に1分間耐えるかどうかを調べた。
〔比較トラッキング指数〕JIS C 2134(IEC112)に準じて、測定した。
〔電食系数〕JIS C 2107〔電線引張強さ法による電解腐食〕に準じて、測定した。
〔燃焼試験〕UL510〔電気絶縁用テープ規格〕燃焼試験に準じて、燃焼試験を行った。
〔外観〕実施例及び比較例により製造された難燃性粘着テープを、目視で、粘着剤層表面への難燃剤の析出(ブルーミング現象)の有無を観察し、評価した。
〔ハロゲンガスの発生〕JIS K 2541(酸素フラスコ法)に準じて,イオンクロマトグラフ法により測定し、ハロゲンイオンの検出量が100ppmを越えた場合にはハロゲンガスが発生するものと見なした。
Figure 0004450419
表1から明らかなように、本発明の電気絶縁用難燃性粘着テープは、当該用途に必要な粘着特性、電気特性、難燃性を全て満足し、難燃剤粒子が粘着剤層表面に析出したり、粘着剤層の凝集力を低下させたりすることもない。又、ハロゲン系難燃剤や赤燐を用いていないので、有害な含ハロゲンガスやホスフィンガスを発生することがない。

Claims (6)

  1. 基材の少なくとも片面に、ハロゲン系難燃剤と含アンチモン化合物、及び赤リンをいずれも使用することなく芳香族リン酸エステル系難燃剤及び芳香族縮合リン酸エステル系難燃剤から選ばれる少なくとも一つのリン酸エステル系難燃剤と、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、及び、リン酸エステルアミドの中から選ばれる少なくとも一種の窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤を、リン酸エステル系難燃剤対窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤の配合比率が1:0.3〜10で、予め高分子化された重合体からなる粘着剤ベースポリマー100質量部に対してリン酸エステル系難燃剤と窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤との合計量が20〜300質量部の範囲で添加した難燃性粘着剤組成物からなる粘着剤層を設けることを特徴とする難燃性粘着テープ。
  2. 前記リン酸エステル系難燃剤対窒素含有リン酸塩化合物系難燃剤の配合比率が、1:0.5〜6であり、難燃性粘着剤層への難燃剤の配合量は、粘着剤ベースポリマー100質量部に対して、難燃剤の合計量が35〜200質量部であることを特徴とする請求項1記載の難燃性粘着テープ。
  3. 前記基材として、電気絶縁性材料からなる層を少なくとも1層設けてなることを特徴とする、請求項1または2記載の難燃性粘着テープ。
  4. UL510〔電気絶縁用テープ規格〕燃焼試験において、合格することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性粘着テープ。
  5. JIS C 2134(IEC112)に準じて測定された比較トラッキング指数(CTI値)が、600V以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性粘着テープ。
  6. 前記難燃性粘着テープが、電気絶縁用であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性粘着テープ。
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