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JP4451098B2 - サセプタ装置 - Google Patents
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JP4451098B2 - サセプタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、IC、LSI、VLSI等の半導体装置を製造する半導体製造装置においてシリコンウエハ等の板状試料を固定する際に用いて好適なサセプタ装置に関し、特に、サセプタ装置の載置面に載置された板状試料を一定温度に効率よく保持することができることは勿論のこと、板状試料へのコンタミネーション(汚染源)やパーティクル発生の原因とならず、しかも耐久性に優れたサセプタ装置に関するものである。
従来、例えば、IC、LSI、VLSI等の半導体装置を製造する半導体製造工程においては、シリコンウエハ等の板状試料に各種の処理を施す場合、この板状試料を載置する部材としてサセプタ基体が用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
この板状試料に、例えば、プラズマ雰囲気下にてエッチング処理等を施す場合、プラズマの熱により板状試料の表面が高温になり、表面のレジスト膜が張り裂ける(バーストする)等の問題が生じる。そこで、板状試料を載置しているサセプタ基体の下面に、内部に温度制御用の媒体を循環させる流路が形成された温度制御部を接合して一体化し、この温度制御部内の流路に冷却用媒体を循環させて熱交換を行い、板状試料の温度を望ましい一定の温度に維持するようにした構成のサセプタ装置が用いられている。
図5は、このようなサセプタ装置の一例を示す断面図であり、このサセプタ装置1は、上面が板状試料を載置する載置面2aとされセラミックスからなるサセプタ基体2と、このサセプタ基体2の内部に設けられた電極3と、このサセプタ基体2の固定孔4内に設けられ前記電極3に接続された給電用端子5と、このサセプタ基体2の下方に配置されて該サセプタ基体2を下方から支持し、内部に冷却媒体等の媒体を循環させる流路6aが形成された温度制御部6とにより構成され、これらサセプタ基体2と温度制御部6とは、インジウムやインジウム合金等の軟質ろう材を含む接合剤からなる接合剤層7を介して接合一体化されている。
この給電用端子5には外部の高周波電源11が接続され、この高周波電源11にはコイル14を介してコンデンサ12が並列接続され、このコンデンサ12にはコイル14を介して直流電源13が並列接続されている。これら高周波電源11、コンデンサ12及び直流電源13はそれぞれ接地されている。
前記電極3は、静電吸着用電極、プラズマ発生用電極、静電吸着用とプラズマ発生用とを兼ね備えた電極、のいずれかとされている。
特開2001−287982号公報 特開2001−308165号公報
しかしながら、上述した従来のサセプタ装置1においては、サセプタ基体2と温度制御部6とを接合一体化する接合剤層7が腐食性ガスやプラズマに対して充分な耐性を有していないために、これら腐食性ガスやプラズマに絶えず曝されて劣化する虞があり、その結果、接合剤層7の熱伝導性が低下し、板状試料の温度を望ましい一定の温度に制御することが難しくなるという問題点があった。
また、接合剤層7の周縁部が露出しているために、この接合剤層7中の重金属成分が揮発し易く、板状試料のコンタミネーション(汚染源)やパーティクル発生の原因となる虞があった。
さらに、この接合剤層7が導電性であるために、プラズマに曝されている間に異常放電を起こし、接合界面が絶縁破壊される虞がある。そのために、安全装置が頻繁に作動してサセプタ装置が安定に作動しない虞がある他、サセプタ装置が安定に作動したとしても、サセプタ装置自体の耐久性が充分でないという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、板状試料を載置する基体と該基体の温度を制御する温度制御部とを接合一体化する接合剤層を外部環境から保護することにより、板状試料の温度制御性に優れるのは勿論のこと、板状試料のコンタミネーション(汚染源)やパーティクル発生の原因となる虞がなく、異常放電が生じ難く、作動の安定性が向上し、しかも、耐久性に優れたサセプタ装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、基体と温度制御部とを接合一体化する接合剤層をO−リングにより保護すれば、上記の課題を効率よく解決し得ることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のサセプタ装置は、一主面が板状試料を載置する載置面とされたセラミックスからなる基体と、この基体を下方から支持しかつ内部に温度制御用の媒体を循環させる流路が形成された温度制御部とを備え、前記基体と前記温度制御部とは、接合剤層を介して接合一体化され、前記接合剤層は、その周縁部に近接して配置された封止部材により封止され、前記温度制御部の周縁部外方に前記封止部材を支持する支持部を配置し、この支持部を固定具により前記温度制御部に固定するとともに、この支持部により前記封止部材を前記基体、または前記接合剤層、または前記基体及び前記接合剤層に圧着してなることを特徴とする。
このサセプタ装置では、接合剤層を封止部材により封止したことにより、この接合剤層が腐食性ガスやプラズマ等の外部環境から保護され、接合剤層が劣化したり絶縁破壊を引き起こす等の虞がなくなる。これにより、温度制御部と板状試料との間の熱伝導性が良好に維持されることとなり、板状試料の温度を常に望ましい一定の温度に制御することが可能になり、板状試料の温度制御性が高まる。
また、この接合剤層が封止部材により封止されて保護されていることにより、板状試料のコンタミネーション(汚染源)やパーティクル発生の原因となる虞がなくなり、異常放電も生じ難くなり、作動の安定性が向上する。
また、この接合剤層は絶縁破壊を引き起こす虞がないので、耐久性に優れたものとなる。
さらに、接合剤層は、簡単な構成で、しかも確実に封止部材により封止されることとなり、温度制御部と板状試料との間の熱伝導性が良好に維持され、板状試料の温度の制御性がさらに高まる。
また、板状試料のコンタミネーション(汚染源)やパーティクル発生の原因となる虞もさらになくなり、異常放電もさらに生じ難くなり、作動の安定性がさらに向上し、耐久性もさらに向上する。
前記基体の内部には、電極を配置した構成とすることが好ましい。
前記温度制御部の少なくともその主要部を、導電性物質により構成するとともに、電極としての機能を有することが好ましい。
前記支持部の上面に、前記封止部材を支持するための溝を形成するのが好ましい。
また、前記支持部の内周面の上端部に、この内周面に対して所定の角度傾斜してなる傾斜面を形成し、この傾斜面により前記封止部材を前記基体、または前記接合剤層、または前記基体及び前記接合剤層に圧着した構成とすることが好ましい。
この様な傾斜面を採用することにより、圧着する際に基体に掛かる力が、基体に垂直な方向と水平な方向に分散される。垂直な方向の力は接合剤層を剥離する方向に働く力であるから、基体に掛かる力を2つの方向に分散させることで、垂直な方向の力が緩和される。これにより、接合剤層が前記基体、または前記温度制御部、あるいはこれら双方から剥離する虞がなくなる。
前記基体の周縁部には、前記封止部材を支持するための鍔部が形成されていることが好ましい。
前記支持部の内周側に、前記封止部材の一部に当接する鍔部を設けるとともに、前記鍔部に対向しかつ前記封止部材の他の一部に当接する第2の支持部を配置し、この第2の支持部を第2の固定具により前記支持部に固定するとともに、この第2の支持部及び前記鍔部により前記封止部材を前記基体、または前記接合剤層、または前記基体及び前記接合剤層に圧着した構成とすることが好ましい。
この様な構成とすることにより、圧着する際に掛かる力は前記鍔部により受け止められ、基体に掛かる虞がなくなる。これにより、接合剤層を剥離する方向には力が働かなくなり、接合剤層が前記基体、または前記温度制御部、あるいはこれら双方から剥離する虞がない。
以上説明したように、本発明のサセプタ装置によれば、基体と温度制御部とを接合剤層を介して接合一体化し、この接合剤層を、その周縁部に近接して配置された封止部材により封止したので、この接合剤層を腐食性ガスやプラズマ等の外部環境から保護することができ、接合剤層が劣化したり絶縁破壊を引き起こす等の虞がない。したがって、温度制御部と板状試料との間の熱伝導性を良好に維持することができ、板状試料の温度を常に望ましい一定の温度に制御することができ、板状試料の温度制御性を高めることができる。
また、板状試料のコンタミネーション(汚染源)やパーティクル発生の原因となる虞がなく、異常放電を防止することができ、作動の安定性を向上させることができる。
また、前記温度制御部の周縁部外方に前記封止部材を支持する支持部を配置し、この支持部を固定具により前記温度制御部に固定するとともに、この支持部により前記封止部材を前記基体、または前記接合剤層、または前記基体及び前記接合剤層に圧着したので、接合剤層を、簡単な構成で、しかも確実に封止することができる。
また、前記支持部の内周面の上端部に、この内周面に対して所定の角度傾斜してなる傾斜面を形成し、この傾斜面により前記封止部材を前記基体、または前記接合剤層、または前記基体及び前記接合剤層に圧着した構成とすることにより、基体に掛かる力を2つの方向に分散させることができ、接合剤層が前記基体、または前記温度制御部、あるいはこれら双方から剥離する虞がなくなる。
また、前記支持部の内周側に、前記封止部材の一部に当接する鍔部を設けるとともに、前記鍔部に対向しかつ前記封止部材の他の一部に当接する第2の支持部を配置し、この第2の支持部を第2の固定具により前記支持部に固定するとともに、この第2の支持部及び前記鍔部により前記封止部材を前記基体、または前記接合剤層、または前記基体及び前記接合剤層に圧着した構成とすることにより、圧着する際に掛かる力を前記鍔部により受け止め、基体に掛かるのを防止する。したがって、接合剤層を剥離する方向に力が働く虞がなくなり、接合剤層が前記基体、または前記温度制御部、あるいはこれら双方から剥離する虞がなくなる。
本発明のサセプタ装置の各実施の形態について、静電吸着用のサセプタ装置を例にとり説明する。
なお、以下の各実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態のサセプタ装置を示す断面図であり、このサセプタ装置21は、静電吸着用のサセプタ基体22と、このサセプタ基体22の下方に配置されてサセプタ基体22を下方から支持する温度制御部23と、サセプタ基体22と温度制御部23とを接合一体化する接合剤層24と、この接合剤層24の周縁部に近接して配置されたリング状(環状)のO−リング(封止部材)25と、温度制御部23の底面に配置されたリング状(環状)のO−リング(封止部材)26と、温度制御部23の側面及び底面の周縁部を覆う様に配置されて温度制御部23を囲繞しかつ該温度制御部23にO−リング25、26を圧着するO−リング支持部27と、O−リング支持部27を温度制御部23に向かって押し上げかつ固定する2〜12個の押し上げネジ(固定具)28とにより構成されている。
サセプタ基体22は、上面(一主面)が板状試料を載置する載置面31aとされた円板状の載置板31と、この載置板31と一体化されかつ厚み方向に貫通する固定孔32が形成された円板状の支持板33と、この載置板31と支持板33との間に形成された静電吸着用内部電極34と、固定孔32に設けられて静電吸着用内部電極34に接合された給電用端子35とにより構成されている。
載置板31及び支持板33は、その重ね合わせ面の形状を同じくし、ともに、セラミックスからなるものである。
このセラミックスとしては、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、サイアロン、窒化ホウ素、炭化珪素から選択された1種からなるセラミックス、あるいは2種以上を含む複合セラミックスが好ましい。
このように、載置板31及び支持板33を構成する材料は、単一であっても混合物であってもよいが、熱膨張係数が可能な限り静電吸着用内部電極34の熱膨張係数に近似したもので、しかも焼結し易いものが好ましい。また、載置板31の載置面31aは静電吸着面となるから、特に誘電率が高い材質であって、静電吸着する板状試料に対して不純物とならないものを選択することが好ましい。
載置板31の厚みは0.1mm〜5mm、特に0.2mm〜2mmの範囲内であることが好ましい。厚みが0.1mmを下回ると、充分な耐電圧を確保することができず、また、5mmを超えると、静電吸着力が低下する他、載置面31aに載置される板状試料と温度制御部23との間の熱伝導性が低下し、処理中の板状試料の温度を望ましい一定の温度に保つことが困難となるからである。
支持板33の厚みは特に制限されるものではないが、通常、1mm〜30mmである。厚みが1mmを下回ると強度が不足し、また、厚みが30mmを超えると、載置面31aに載置される板状試料と温度制御部23との間の熱伝導性が低下し、処理中の板状試料の温度を望ましい一定の温度に保つことが困難となるからである。
これら載置板31及び支持板33は、接合剤を介在させることなく接合一体化されている。
すなわち、支持板33上の静電吸着用内部電極34以外の領域に、載置板31及び支持板33を構成する材料、または主成分が同一である材料からなる絶縁層を介在させて載置板31と支持板33とを重ね合わせ、その後、加圧下にて熱処理することにより、両者が接合一体化されている。
したがって、載置板31と支持板33との接合面から腐食性ガスやプラズマが侵入することがなく、もって、板状試料のコンタミネーション(汚染源)やパーティクル発生の原因となる虞がなく、しかも、静電吸着用内部電極34がプラズマに曝されて異常放電を起こすこともない。
静電吸着用内部電極34の形状は、単極型の静電吸着装置か、双極型の静電吸着装置かで決定される。
静電吸着用内部電極34の材料としては、チタン、タングステン、モリブデン、白金等の高融点金属、あるいは、グラファイト、無定型炭素(カーボン)、炭化珪素、窒化チタン、炭化チタン等の導電性セラミックス等を使用することができる。これら電極材料の熱膨張係数は、載置板31及び支持板33の熱膨張係数にできるだけ近似していることが好ましい。
静電吸着用内部電極34の膜厚は、0.01〜200μm、特に0.1〜100μmが好ましい。その理由は、膜厚が0.01μmを下回ると、充分な導電性を確保することができず、一方、膜厚が200μmを越えると、載置板31と支持板33とを接合一体化する際に剥離が生じ易くなり、また、載置板31上に載置される板状試料と温度制御部23との間の熱伝導性が低下し、処理中の板状試料の温度を望ましい一定の温度に保つことが困難となるからである。
このような膜厚の静電吸着用内部電極34は、スパッタ法、蒸着法、印刷法等の公知の方法を用いることにより容易に形成することができる。
給電用端子35は、静電吸着用内部電極34に電圧を印加するために設けられたもので、その数、形状等は、単極型の静電吸着装置か、双極型の静電吸着装置かで決定される。
給電用端子35の材料としては、導電性を有するものであれば特に制限されるものではないが、熱膨張係数が支持板33及び静電吸着用内部電極34のそれに近似したものが好ましく、特に、各種の導電性セラミックスが好適である。
温度制御部23は、サセプタ基体22よりも小径かつ肉厚の円板状とされ、その内部には冷却媒体等の媒体を循環させる流路23aが形成され、その上面は接合剤層24を介してサセプタ基体22の支持板33の下面に接合一体化されている。一方、その下面には、押し上げネジ28を締結するためのネジ穴23bが形成され、給電用端子35は絶縁材料36に囲繞されて温度制御部23を貫通する構成となっている。
この温度制御部23では、流路23aに、図示されていない冷却装置より配管を介して所定温度の冷媒が供給されることで、サセプタ基体22の温度がO−リング25、26の耐熱温度、例えば200℃を超えないように冷却される。
温度制御部23の材料としては、熱伝導性と加工性に優れた材料であれば特段制限されるものではなく、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属、あるいはアルミニウム等の金属とセラミックスとの複合材料、例えば、炭化珪素を20〜70重量%含むアルミニウム−炭化珪素複合セラミックスを例示することができる。
この温度制御部23の全面、少なくともプラズマに曝される面は、アルマイト処理されているのが好ましい。アルマイト処理により、温度制御部23の耐プラズマ性が向上する他、耐プラズマ安定性(異常放電の防止)が向上し、また、表面傷の発生も防止し得る。
接合剤層24の材料(接合剤または接着剤)としては、支持板33と温度制御部23とを強固に接合し得るものであれば特に制限されるものではなく、例えば、シリコーン系接合剤、ポリ4フッ化エチレン等のフッ素樹脂系接合剤等のゴム弾性を有する有機系接着剤、あるいは、インジウム(In)、インジウム合金等の軟質のロウ材等を好適に用いることができる。
O−リング25、26は、接合剤層24を封止することで、この接合剤層24を、CF、WF、SF等の腐食性ガスや、それらのプラズマから保護するものであり、その材料としては、接合剤層24を腐食性ガスやプラズマから保護し得るものであれば特に制限されるものではないが、耐腐食性、耐プラズマ性、耐熱性に優れたものがよい。このような材料としては、ポリ4フッ化エチレン等のフッ素系樹脂等を例示することができる。例えば「ケムラッツ」(グリーンツィード アンド カンパニィー(株))という商品名で販売されているO−リングを好適に使用することができる。
O−リング支持部27は、温度制御部23の側面を覆う様に配置された円筒状の支持部本体41と、支持部本体41と一体に形成されて該支持部本体41の下端部から軸心方向に向かう環状かつ平板状のフランジ部42とから構成され、支持部本体41の上面にはO−リング25を支持するための環状の溝41aが形成され、フランジ部42の上面にもO−リング26を支持するための環状の溝42aが形成され、さらに押し上げネジ28を挿通するための穴42bが形成されている。
O−リング支持部27の材料としては、特に制限されるものではなく、例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、サイアロン、窒化ホウ素、炭化珪素から選択される少なくとも1種以上のセラミックス、あるいは、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属、あるいは、アルミニウム等の金属とセラミックスとの複合材料、例えば、炭化珪素を20〜70重量%含むアルミニウム−炭化珪素複合セラミックスを例示することができる。
押し上げネジ28の材料としては、特に制限されるものではないが、O−リング支持部27と略同等の材料が好ましい。
なお、O−リング支持部27の耐腐食性、耐プラズマ性が十分でない場合は、O−リング支持部27の全面、少なくともプラズマに曝される面をアルマイト処理するか、またはポリイミド系樹脂により樹脂コート処理するのが好ましい。
このO−リング支持部27では、溝41aにO−リング25を、溝42aにO−リング26を、それぞれ嵌め込んだ状態で、このO−リング支持部27を温度制御部23の側面及び底面の周縁部を覆う様に配置し、押し上げネジ28を穴42bに通した後ネジ穴23bに締結する。この際、押し上げネジ28を締結する際の力が上向きに働くので、O−リング支持部27が温度制御部23に押圧されると同時に、溝41aに嵌め込まれたO−リング25が支持板33の下面に圧着され、同様に溝42aに嵌め込まれたO−リング26が温度制御部23の下面に圧着される。これにより、接合剤層24は、O−リング25、26とO−リング支持部27により封止された状態となり、腐食性ガスやプラズマから保護されることとなる。
このような材料で構成されたO−リング25、26やO−リング支持部27は、CF、WF、SF等の腐食性ガスや、それらのプラズマに対して充分な耐性を有しており、また、耐熱性に優れているので、接合剤層24を腐食性ガスやプラズマから保護することができる。
以上説明したように、本実施形態のサセプタ装置21によれば、サセプタ基体22と温度制御部23とは、接合剤層24により接合一体化されているので、温度制御部23と板状試料との間の熱伝導性が維持され、板状試料の温度を望ましい一定の温度に制御することができる。
また、この接合剤層24は、O−リング25、26とO−リング支持部27により封止され、腐食性ガスやプラズマから保護されているので、板状試料のコンタミネーション(汚染源)やパーティクル発生の原因となる虞がない。また、接合剤層24が腐食性ガスやプラズマに対して充分な耐性を有するので、接合剤層24がプラズマに曝されて異常放電を起こすことがなく、静電吸着装置の耐久性が大幅に改善されたものとなる。
[第2の実施形態]
図2は、本発明の第2の実施形態のサセプタ装置を示す断面図であり、このサセプタ装置51が第1の実施形態のサセプタ装置21と異なる点は、サセプタ基体52の支持板53を、第1の実施形態の支持板33より肉厚の円板状とし、その下面の側周縁部にO−リング25を支持するためのリング状(環状)のフランジ部(鍔部)53aを形成し、O−リング支持部54の円筒状の支持部本体55の内周面の上端部に、この内周面に対して所定の角度傾斜してなる傾斜面55aを形成し、この傾斜面55aによりO−リング25をサセプタ基体52の支持板53に圧着した点である。
この他の点については、第1の実施形態と全く同様であるから、詳細な説明を省略する。
このサセプタ装置51では、支持板53の下面の側周縁部にO−リング25を支持するためのフランジ部53aを形成し、O−リング支持部54の支持部本体55の内周面の上端部に傾斜面55aを形成し、この傾斜面55aによりO−リング25をサセプタ基体52の支持板53に圧着したことにより、押し上げネジ28を締結する際の力が上向きに働くので、圧着する際に支持板53に掛かる力が、支持板53に垂直な方向(図中上下方向)と水平な方向(図中左右方向)に分散され、その結果、垂直な方向の力が緩和される。
この垂直な方向の力は接合剤層24を剥離する方向に働く力であるから、垂直な方向の力を緩和することで、接合剤層24が支持板53及び温度制御部23の双方から剥離する虞がなくなる。
本実施形態のサセプタ装置51においても、第1の実施形態のサセプタ装置21と全く同様の作用・効果を奏することができる。
しかも、押し上げネジ28を締結しO−リング支持部54を温度制御部23に締め付けることにより、O−リング25を支持板53に圧着する力が緩和されるので、この圧着力により接合剤層24が破壊されることはない。
[第3の実施形態]
図3は、本発明の第3の実施形態のサセプタ装置を示す断面図であり、このサセプタ装置61が第2の実施形態のサセプタ装置51と異なる点は、O−リング支持部を、内周側の上端部にO−リング25の一部に当接してそれを斜め後方から圧着する傾斜面を有するフランジ部(鍔部)62aが形成された支持部本体62を有するO−リング支持部63と、この支持部本体62の内周側に同軸的に設けられ円筒状の上端部が軸心に向かって所定の角度傾斜してなる傾斜面64aとされた(第2の)O−リング支持部64と、このO−リング支持部64を上方に押し上げてフランジ部62aと共にO−リング25を支持板53の側面53bに圧着する押し上げネジ65とにより構成した点である。
この他の点については、第2の実施形態と全く同様であるから、詳細な説明を省略する。
このサセプタ装置61では、溝42aにO−リング26を嵌め込み、O−リング支持部63のフランジ部62aとO−リング支持部64の傾斜面64aとでO−リング25を挟持した状態で、このO−リング支持部63、64を温度制御部23の側面及び底面の周縁部を覆う様に配置し、押し上げネジ28を穴42bに通した後ネジ穴23bに、押し上げネジ65を穴42cに通した後ネジ穴64bに、それぞれ締結する。
O−リング25を圧着する際に掛かる力は、フランジ部62aの傾斜面により受け止められると同時に、フランジ部62aの傾斜面とO−リング支持部64の傾斜面64aとによりO−リング25を軸心方向に押圧する力となり、O−リング25を支持板53の側面53bに圧着することとなる。
このように、O−リング25を圧着する際に、支持板53に力が掛かる虞がなくなるので、接合剤層24を剥離する方向には力が働かず、接合剤層24が支持板53及び温度制御部23の双方から剥離する虞がない。
本実施形態のサセプタ装置61においても、第2の実施形態のサセプタ装置51と全く同様の作用・効果を奏することができる。
しかも、O−リング支持部63のフランジ部62aとO−リング支持部64の傾斜面64aとでO−リング25を挟持することとしたので、O−リング25を圧着する際の力は、接合剤層24を剥がす方向に作用することがなく、この圧着力により接合剤層24が破壊される虞はない。
[第4の実施形態]
図4は、本発明の第4の実施形態のサセプタ装置を示す断面図であり、このサセプタ装置71が第1の実施形態のサセプタ装置21と異なる点は、サセプタ基体72を、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、サイアロン、窒化ホウ素、炭化珪素から選択された1種からなるセラミックス、あるいは2種以上を含む複合セラミックスからなる内部電極を有しない1枚のセラミックス板で構成し、温度制御部73を、導電性の材料、例えば銅、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属とすることにより内部電極の機能を兼ね備えた構成とし、これらサセプタ基体72と温度制御部73とを接合剤層24により接合一体化した点である。
この他の点については、第1の実施形態と全く同様であるから、詳細な説明を省略する。
本実施形態のサセプタ装置71においても、第1の実施形態のサセプタ装置21と全く同様の作用・効果を奏することができる。
しかも、サセプタ基体72を内部電極を有しない1枚のセラミックス板で構成し、温度制御部73を導電性の材料とすることで内部電極の機能を兼ね備えた構成としたので、サセプタ基体72の構成が簡単化され、したがって、サセプタ装置71全体の構成が簡単化され、保守等も容易になるという効果がある。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。ここでは、図3に示すサセプタ装置61を作製した。
[サセプタ基体の作製]
まず、実施例、比較例共通のサセプタ基体52、即ち、板状試料を載置する載置板31と、この載置板31と接合一体化される支持板53と、これら載置板31と支持板53との間に設けられた静電吸着用内部電極34と、この静電吸着用内部電極34に接するように支持板53に貫通して設けられた給電用端子35からなる静電吸着用のサセプタ基体52を、次のようにして作製した。
「載置板の作製」
常法に従って、直径L=230mm、厚みt=1mmの円板状のアルミナ焼結体を得た。次いで、このアルミナ焼結体の一主面(載置面)を平坦度が10μm以下となるように研磨し、載置板31を得た。
「支持板の作製」
常法に従って、断面形状が図3に示されるような直径L=230mm、直径L=200mm、厚みt=2mm、t=5mmの、側周縁部にフランジ部を有するアルミナ焼結体を得た。次いで、このアルミナ焼結体に、給電用端子35を組み込み固定するための固定孔(直径2.5mm)32をダイヤモンドドリルで穿設し、支持板53を得た。
「給電用端子の作製」
70重量部のアルミナ粉末と、30重量部のタングステン粉末からなる混合粉末を成形・焼成し、支持板53の固定孔32に固定可能な棒状の導電性焼結体を得、これを給電用端子35とした。
「一体化」
上記の支持板53に穿設された固定孔32に、給電用端子35を押し込み、組み込み固定した。次いで、この支持板53上に、後の加圧下での熱処理工程で内部電極となるよう、70重量部のアルミナ粉末と30重量部のタングステン粉末からなる混合粉末を含む塗布剤を、スクリーン印刷法にて塗布し、乾燥して、静電吸着用内部電極形成層とした。
また、支持板53上の、静電吸着用内部電極形成層以外の領域にアルミナ粉末を含む塗布剤を、スクリーン印刷法にて塗布し、乾燥して、絶縁層形成層とした。
次いで、この静電吸着用内部電極形成層及び絶縁層形成層を挟み込むように、また、載置板31の研磨面が上面(載置面)となるように、支持板53と載置板31とを重ね合わせ、その後、ホットプレスにて加圧下にて熱処理し一体化して静電吸着用のサセプタ基体52を作製した。
[温度制御部の作製]
次いで、実施例、比較例共通の温度制御部23を作製した。
炭化珪素が15重量%、残部がアルミニウムからなる混合粉末を砂型に鋳込み、直径200mm、厚み20mmの円板状のAl複合材からなる温度制御部23を作製した。このAl複合材からなる温度制御部23の内部には冷却媒体を循環させるための流路23aが形成されている。
[サセプタ基体と温度制御部の接合一体化]
次いで、この温度制御部23の接合面をアセトン等の有機溶剤を用いて充分脱脂・洗浄し、この面に接合剤層となるInが100重量%の組成を有するろう材を塗布し、その後、大気中、200℃の温度下で加熱処理し、厚みが100μmのろう材層とした。 その後、このろう材層上に上記にて得られたサセプタ基体52を載置し、大気雰囲気中、200℃の温度下で加熱処理し、このろう材層を接合剤層24とするとともに、この接合剤層24を介して温度制御部23とサセプタ基体52とを接合し一体化した。さらに、給電用端子35と温度制御部23との間にシリコーン樹脂を充填して絶縁した。
以下、実施例及び比較例のサセプタ装置を作製した。
[実施例]
「O-リング支持部材の作製」
上記の「温度制御部の作製」に従って、図3に示されるアルミナ焼結体からなるO−リング支持部63、64を作製した。
「サセプタ装置の作製」
O−リング支持部63の溝42aにO−リング26を嵌め込み、O−リング支持部63のフランジ部62aとO−リング支持部64の傾斜面64aとでO−リング25を挟持した状態で、このO−リング支持部63、64を温度制御部23の側面及び底面の周縁部を覆う様に配置し、押し上げネジ28を穴42bに通した後ネジ穴23bに、押し上げネジ65を穴42cに通した後ネジ穴64bに、それぞれ締結することにより、実施例のサセプタ装置61を得た。
O−リング25、26は、フッ素系樹脂のO−リングを用いた。ここでは「ケムラッツE38(商品名)」(グリーンツィード アンド カンパニィー(株)製)を用いた。
[比較例]
温度制御部がO−リング25、26で囲繞されていない他は実施例と同一のサセプタ装置を得、これを比較例のサセプタ装置とした。
[評価]
実施例及び従来例のサセプタ装置の載置面に、直径200mmのシリコンウエハ(板状試料)を載置し、これらのサセプタ装置を、アルゴン(Ar)ガスを含むプラズマ雰囲気下において、シリコンウエハの面内温度が400℃となるように温度制御部内の流路に水(冷却用媒体)を流しつつ、シリコンウエハを載置面に静電吸着するため、静電吸着用内部電極に直流電圧:500V、750V、1000Vを印加した。
実施例及び比較例それぞれの評価結果を表1に示す。
Figure 0004451098
上記の評価結果によれば、実施例のサセプタ装置では、いずれの印加電圧でも何ら支障なくシリコンウエハを静電吸着することができたが、従来例のサセプタ装置では、印加電圧が1000Vのときに接合剤層34の露出部に放電が生じて安全装置が作動し、シリコンウエハを静電吸着することができなかった。
本発明の第1の実施形態のサセプタ装置を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態のサセプタ装置を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態のサセプタ装置を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態のサセプタ装置を示す断面図である。 従来のサセプタ装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
21 サセプタ装置
22 サセプタ基体
23 温度制御部
23a 流路
24 接合剤層
25 O−リング(封止部材)
26 O−リング(封止部材)
27 O−リング支持部
28 押し上げネジ(固定具)
31 載置板
31a 載置面
32 固定孔
33 支持板
34 静電吸着用内部電極
35 給電用端子
41 支持部本体
41a 溝
42 フランジ部
42a 溝
51 サセプタ装置
52 サセプタ基体
53 支持板
53a フランジ部(鍔部)
54 O−リング支持部
55 支持部本体
55a 傾斜面
61 サセプタ装置
62 支持部本体
62a フランジ部(鍔部)
63 O−リング支持部
64 (第2の)O−リング支持部
64a 傾斜面
65 押し上げネジ
71 サセプタ装置
72 サセプタ基体
73 温度制御部

Claims (7)

  1. 一主面が板状試料を載置する載置面とされたセラミックスからなる基体と、この基体を下方から支持しかつ内部に温度制御用の媒体を循環させる流路が形成された温度制御部とを備え、
    前記基体と前記温度制御部とは、接合剤層を介して接合一体化され、
    前記接合剤層は、その周縁部に近接して配置された封止部材により封止され
    前記温度制御部の周縁部外方に前記封止部材を支持する支持部を配置し、この支持部を固定具により前記温度制御部に固定するとともに、この支持部により前記封止部材を前記基体、または前記接合剤層、または前記基体及び前記接合剤層に圧着してなることを特徴とするサセプタ装置。
  2. 前記基体の内部に電極を配置したことを特徴とする請求項1記載のサセプタ装置。
  3. 前記温度制御部は少なくともその主要部が導電性物質により構成されるとともに、電極としての機能を有することを特徴とする請求項1または2記載のサセプタ装置。
  4. 前記支持部の上面には、前記封止部材を支持するための溝が形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載のサセプタ装置。
  5. 前記支持部の内周面の上端部には、この内周面に対して所定の角度傾斜してなる傾斜面が形成され、この傾斜面により前記封止部材を前記基体、または前記接合剤層、または前記基体及び前記接合剤層に圧着してなることを特徴とする請求項1、2または3記載のサセプタ装置。
  6. 前記基体の周縁部には、前記封止部材を支持するための環状の鍔部が形成されていることを特徴とする請求項5記載のサセプタ装置。
  7. 前記支持部の内周側に、前記封止部材の一部に当接する鍔部を設けるとともに、前記鍔部に対向しかつ前記封止部材の他の一部に当接する第2の支持部を配置し、
    この第2の支持部を第2の固定具により前記支持部に固定するとともに、この第2の支持部及び前記鍔部により前記封止部材を前記基体、または前記接合剤層、または前記基体及び前記接合剤層に圧着してなることを特徴とする請求項1、2または3記載のサセプタ装置。
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