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JP4454420B2 - タイヤサイドトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
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本発明はゴム組成物に関し、更に詳しくは低燃費性と耐クラック性を両立させた空気入りタイヤのサイドトレッド部に用いるのに適したゴム組成物に関する。
近年、トラックやバス等の重荷重用タイヤにおいて、低燃費化や省メンテナンス性の要求が強くなっており、そのため、空気入りタイヤのキャップトレッド部のみならず、サイドトレッド部においてもシリカを配合する傾向が増大している。タイヤ用ゴム組成物にシリカを配合することの先行技術は多数あり、例えば特許文献1及び2などが挙げられる。また、シランカップリング剤で処理したシリカに関する先行技術としては、特許文献3〜8などが存在する。しかしながら、これらの先行技術に開示されているように、シリカ配合では、優れた低燃費性を確保するためには、混合条件(特に混合温度)の制御が必要となり、生産性の悪化や耐クラック性の低下などを招いてしまうという問題があった。
特開平3−252431号公報 特開平7−70369号公報 米国特許第4141751号明細書 EP0177674号明細書 特開昭59−206469号公報 特開平5−17705号公報 特開平9−328631号公報 特開2002−3652号公報
従って、本発明は低燃費性と耐クラック性の両者に優れた、空気入りタイヤのサイドトレッドに用いるのに適したゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に従えば、(A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム70〜30重量部とポリブタジエンゴム30〜70重量部とからなるゴム成分100重量部、(B)式(I):
3SiC36SC(=O)R (I)
(式中、Yは独立にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ又はアセトキシ基を示し、Rは環式又は分岐状アルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選ばれるC1〜C18の炭化水素基を示す)
で表される少なくとも1種のシランカップリング剤Xで表面処理したシリカ10〜30重量部並びに(C)窒素吸着比表面積N2SAが70〜100m2/gのカーボンブラック20〜40重量部(但し、前記表面処理シリカとカーボンブラックとの合計量は30〜50重量部)を含んでなるタイヤサイドトレッド用ゴム組成物が提供される。
本発明に従えば、また前記シランカップリング剤Xで表面処理したシリカの嵩密度保持率が50〜150%である前記タイヤサイドトレッド用ゴム組成物が提供される。
本発明に従えば、更に前記シリカのシランカップリング剤Xによる表面処理量が
1≦(シランカップリング剤Xの重量/処理前のシリカの重量)×100≦25
の関係を満たす前記タイヤサイドトレッド用ゴム組成物が提供される。
本発明によれば、ゴム組成物のtanδ(60℃)が低く、クラック成長を抑えることができ、タイヤの生産性を損なうことなく、タイヤの低燃費性と耐クラック性の両立が可能となり、このゴム組成物をタイヤサイドトレッド部に用いることによりタイヤ寿命を伸ばすことができる。
本発明者らは前記した問題を解決すべく、シランカップリング剤Xとしてアルコキシシリル基を1つしか有さない3−オクタノイルチオ−プロピルトリエトキシシランをシリカ重量の1〜25重量%用いて表面処理したシリカを配合することにより、シリカがゴム中に充分分散し、シリカ−シランカップリング剤の充分な反応によりタイヤの低燃費性と耐クラック性とを両立させることができることを見出した。また、ジもしくはモノスルフィドタイプのシランカップリング剤を使用すると、テトラスルフィド型のA−1289(日本ユニカー(株)製)に比べて、ゴムの補強性は低下するが、3−オクタノイルチオ−プロピルトリエトキシシラン表面処理シリカの配合では、補強性を維持しつつ、本発明の前記目的を達成できることを見出した。
本発明に係るゴム組成物に配合されるゴム成分としては、天然ゴム(NR)及び/又はポリイソプレンゴム(IR)70〜30重量部、好ましくは45〜35重量部とポリブタジエンゴム(BR)30〜70重量部、好ましくは55〜65重量部からなるゴム100重量部を用いる。これらに加えてタイヤ用その他として使用することができる任意のジエン系ゴム、例えば各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)などを用いることもできる。本発明に係るゴム組成物において、前記ゴム成分が天然ゴム(NR)及び/又はポリイソプレンゴム(IR)の配合量が多過ぎると、燃費性能及び耐クラック性が悪化するので好ましくなく、逆に少な過ぎると、耐カット性が悪化するので好ましくない。
本発明において使用するシリカとしてはタイヤ用などとして使用することができる任意のシリカ、例えば天然シリカ、合成シリカ、より具体的には沈降シリカ、乾式シリカ、湿式シリカとすることができる。本発明によれば、このシリカを前記式(I)で表わされるシランカップリング剤Xと均一に混合、表面処理させて使用する。この表面処理はシリカと式(I)のシランカップリング剤Xのトリアルコキシシリル基(−SiT3)との反応等の化学的又は物理的結合によるものである。なお、シランカップリング剤Xは加水分解、縮合等の前処理を行ってからシリカに表面処理してもよい。またシリカとシランカップリング剤の反応を完結させるためにはシランカップリング剤を事前に加水分解、縮合させてからシリカと反応させる方法、加熱熟成する方法、触媒(例えば酸・アルカリ・スズ/アルミニウムなどの有機金属触媒)などの反応加速剤を添加する方法なども使用できる。
本発明における使用するシランカップリング剤Xは公知の方法で合成することができる。具体的には特開2001−505225号公報(充填剤含有ゴム)に開示される方法を用い、相当するメルカプトシランと酸無水物又は酸クロライドの反応又は相当するメルカプトシランとチオエステルのエステル交換反応により得ることができる。なお、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランは日本ユニカー(株)よりNXTシランとして市販されている。
本発明において、シリカ粒子は公知の方法を用いて表面処理することができる。具体的には乾式反応法、湿式反応法などの方法を挙げることができる。乾式反応法はヘンシェルミキサーなどの高速攪拌可能な装置にシリカ粒子を仕込み、攪拌し乍らシランカップリング剤X又はシランカップリング剤Xの加水分解液を添加する方法がある。添加する方法は均一にシランカップリング剤Xを反応させることのできる方法が望ましく、公知の方法を使用することができる。例えば、徐々に滴下する方法、霧状に噴霧する方法及び気体状のシランを導入する方法が知られている。湿式反応法は、シリカ粒子をシランカップリング剤の溶液に分散させた状態で反応させ、必要に応じてその後乾燥させる方法である。使用する溶剤としては、水、アルコール又はそれらの混合物が好ましい。乾式反応法及び湿式反応法のいずれにおいてもシランカップリング剤とシリカ粒子表面の水酸基の反応性を高める公知の方法を用いることができる。例えば、後熱処理する方法、酸、アルカリ又は有機金属(例えば錫又はアルミニウムをベースとするもの)などの縮合触媒を使用する方法が挙げられる。
本発明においては、シランカップリング剤Xで表面処理してなるシリカの嵩密度保持率を、好ましくは50〜150%、更に好ましくは60〜140%とするのがよい。ここで嵩密度保持率(%)とは下記式(II)から導びかれる数値をいう。また、シランカップリング剤処理率(%)とは、シリカ表面を処理するのに使用したシランカップリング剤の比率のことであり、(シランカップリング剤の重量/処理前のシリカの重量)×100の式から導かれる数値を意味する。
Figure 0004454420
この嵩密度保持率が少な過ぎると充分な表面処理量が得られないため所望の効果が得にくく、逆に多過ぎると表面処理が均一に行なわれず、ゴム中への分散性や加工性が十分でなくなるおそれがあるので好ましくない。なお、上記嵩密度の測定はJIS K 5101に準拠して行ない、表面処理シリカから無作為にサンプリングした3点の試験サンプルで評価した。
本発明において使用するシランカップリング剤Xで表面処理したシリカはゴム成分100重量部に対し10〜30重量部、好ましくは15〜25重量部配合する。この配合量が少な過ぎると燃費性能が悪化するので好ましくなく、逆に多過ぎると耐クラック性が悪化するので好ましくない。本発明に従ったシリカとシランカップリング剤Xとのシランカップリング剤処理率については特に限定はないが、1〜25%であるのが好ましく、4〜25%であるのが更に好ましい。
本発明に係るゴム組成物には、更に窒素吸着比表面積(N2SA)(JIS K6221に準拠して測定)が70〜100m2/g、好ましくは70〜90m2/gのカーボンブラックを、ゴム成分100重量部当り、20〜40重量部、好ましくは20〜30重量部で、かつ前記表面処理シリカとの合計量が30〜50重量部、好ましくは35〜45重量部の割合で配合する。上記N2SAの値が低過ぎると耐クラック性が悪化するおそれがあるので好ましくなく、逆に高過ぎると燃費性能が悪化するおそれがあるので好ましくない。またカーボンブラックの配合量が少な過ぎると耐カット性が悪化するおそれがあるので好ましくなく、逆に多過ぎると燃費性能が悪化するおそれがあるので好ましくない。更に表面処理シリカとカーボンブラックとの合計配合量が少な過ぎると耐カット性及び耐クラック性が悪化するおそれがあるので好ましくなく、逆に多過ぎると燃費性能が悪化するおそれがあるので好ましくない。
本発明に係るゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1〜4及び比較例1〜6
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.5リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、140±5℃に達したときに内容物を放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度を測定し、その結果を表Iに示す。
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で150℃で30分間加硫して加硫ゴムシートを調製し、以下に示す試験法で加硫ゴムの物性を測定した。結果は表Iに示す。
加硫ゴム物性評価試験法
ムーニー粘度:JIS K 6300に準拠して測定(ML1+4)。なお、結果は比較例1の値を100として指数表示した。この指数の小さい方が良好であることを示す。
M300/M100:JIS K−6251に従って、300%モジュラス(M300)と100%モジュラス(M100)を測定。なお結果は比較例1の値を100として指数表示した。この指数の大きいほど補強性に優れていることを示す。
tanδ(60℃):JIS K 6394に準拠して測定(条件:周波数20Hz、初期歪10%、拡幅2%)。なお、結果は比較例1の値を100として指数表示した。この指数の小さい方が良好であることを示す。
クラック成長:JIS K 6262に準拠して測定(条件:ストローク57mm、速度300rpm)。なお結果は、比較例1の値を100として指数表示した。この指数の大きい方が良好であることを示す。
Figure 0004454420
表I脚注
天然ゴム:RSS#3
BR:日本ゼオン(株)製ポリブタジエン(Nipol BR1220)
カーボンブラック(HAF):東海カーボン(株)製シーストN(N2SA=74m2/g)
カーボンブラック(FEF):三菱化学(株)製ダイアブラックE(N2SA=41m2/g)
シリカ:日本シリカ工業(株)製ニプシールAQ
A−1289又はA−1589処理シリカ:A−1289(日本ユニカー(株)製)又はA−1589(日本ユニカー(株)製)をヘンシェルミキサーにて撹拌中のNipsil AQ(日本シリカ工業(株)製シリカ)中にゆっくり添加し、乾式反応シリカ粒子を調製した。このシランカップリング剤反応シリカ粒子を150℃にセットした防爆炉中で1時間乾燥して得た。
NXT処理シリカ:3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランNXT(式III参照)をヘンシェルミキサーにて撹拌中のNipsil AQ(日本シリカ工業)中にゆっくり添加し、乾式反応シリカ粒子を調整した。このシランカップリング剤反応シリカ粒子を150℃にセットした防曝炉中で1時間乾燥して得た。なお、表Iのカッコ内の数字は、前述のようにして求めた嵩密度保持率の値である。
Figure 0004454420
カップリング剤:日本ユニカー(株)製 A−1289
老化防止剤:フレキシス社製 老化防止剤 6PPD
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS
比較例1は対照であり、比較例2及び4は粘度、tanδは下がるが補強性とクラック性が低下し、比較例3は補強性は上がるが粘度とtanδが増大する。比較例5〜6はカップリング剤の自己縮合により粘度、tanδが悪化し、比較例6では補強性が更に低下する。実施例1〜4は高次元で物性がバランスする。
以上の通り、本発明に従えば、低燃費性でかつ耐クラック性の良好なゴム組成物が得られるのでタイヤトレッド、特にサイドトレッド用ゴムとして使用するのに好適である。

Claims (3)

  1. (A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム70〜30重量部とポリブタジエンゴム30〜70重量部とからなるゴム成分100重量部、(B)式(I):
    3SiC36SC(=O)R (I)
    (式中、Yは独立にメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ又はアセトキシ基を示し、Rは環式又は分岐状アルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選ばれるC1〜C18の炭化水素基を示す)
    で表される少なくとも1種のシランカップリング剤Xで表面処理したシリカ10〜30重量部並びに(C)窒素吸着比表面積N2SAが70〜100m2/gのカーボンブラック20〜40重量部(但し、前記表面処理シリカとカーボンブラックとの合計量は30〜50重量部)を含んでなるタイヤサイドトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記シランカップリング剤Xで表面処理したシリカの嵩密度保持率が50〜150%である請求項1に記載のタイヤサイドトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記シリカのシランカップリング剤Xによる表面処理量が
    1≦(シランカップリング剤Xの重量/処理前のシリカの重量)×100≦25
    の関係を満たす請求項1又は2に記載のタイヤサイドトレッド用ゴム組成物。
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