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JP4455145B2 - 鉄道車両駆動制御装置 - Google Patents
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JP4455145B2 - 鉄道車両駆動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レールを走行する鉄道車両の車輪に、動力伝達機構を介さずにその回転子の駆動力を直接伝達する直接駆動形交流電動機と、直流電力を交流電力に変換して前記電動機に供給する電力変換装置とを有する鉄道車両駆動制御装置に関する。
図13は従来の鉄道車両用駆動制御装置の1例を示す概略構成図である。これは、鉄道車両を直接駆動する直接駆動形交流電動機2として、図15又は図16に示すようなものを使用する。図15(a)は側面図であり、図15(b)はレール方向(進行方向)から見た断面図であり、図16(a)は側面図であり、図16(b)はレール方向(進行方向)から見た断面図である。
図15は電動機2の回転子(2次側)53の軸受(ベアリング)55により回転自在に支持された回転軸と、車輪9の車軸54と一体の構成である場合、また図16は電動機2の回転子軸56が中空の構造であり、軸受(ベアリング)55により回転自在に支持された回転子軸56を貫通していて車軸54と動力伝達機構例えば図17に示す小歯車59と大歯車60からなる歯車機構を介さずに継手57で結合された構成である場合を示す。
なお、鉄道車両電気車を駆動する交流電動機として、図17(a)の側面図及び(b)の正面図に示すように動力伝達装置例えば小歯車59と大歯車60からなる歯車機構を介さずに電動機2の回転子軸56で車輪9を直接駆動する直接駆動形交流電動機を適用したシステムである。図17において、左右の車輪9は、車軸54により連結され、レール10上を転動するようになっている。
以上述べた直接駆動形交流電動機2には、図13に示すように電力変換装置1例えば矩形波電圧形3相インバータからU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの3相交流電力が供給される。またこのとき、電動機2の各端子には線間電圧Vuv、Vvw、Vwuが印加される。
電力変換装置1は、スイッチング素子13U〜13Zを内蔵しており、この6個のスイッチング素子を制御部15からの信号によって任意にオン・オフ動作させることによって、架線8に印加されている直流電圧を、集電器7を介して任意の電圧と任意の周波数の3相交流電圧に変換する機能を有している。
集電器7と電力変換装置1の間に直列に接続されている遮断器14は、電力変換装置1を起動する場合に制御部15からの信号によって投入(オン)され、架線8と電力変換装置1とを接続するとともに、電力変換装置1の過電流や過電圧の保護動作を制御部15が検出した場合に開放(オフ)して、架線8から電力変換装置1に流れ込む電流を遮断するためのものである。電力変換装置1の保護動作の検出については、例えば制御部15が交流出力電流に対する出力電流検出器41と、遮断器14と電力変換装置1の間であって集電器7と車輪9、レール10間に接続されている直流電圧検出器42は、これにより検出された直流検出信号を監視して、異常値を示した場合に保護と判断する。
遮断器14と直流電圧検出器42の間に直並列に接続されたフィルタリアクトル11とフィルタコンデンサ12は、電力変換装置1に入力される直流電圧を安定させる作用を持つ。
電動機2と電力変換装置1の間には、後述するように車体やレール10に漏洩する高周波電流を抑制するためにコモンモードチョークコア31が設けられている。コモンモードチョークコア31は、具体的には3相交流回路に流れる「電力変換装置1」→「電動機2の巻線」→「巻線と電動機2の枠間の浮遊静電容量(浮遊キャパシタンス)」→「電動機2の枠51」→「車体」という経路で車体やレール10に漏洩する高周波電流を抑制し、信号保安機器20や車体に搭載されている他の機器への障害を防止するために設けている。
図14は従来の鉄道車両駆動制御装置の第2の回路構成例を示すもので、図13のコモンモードチョークコア31の代わりにコモンモードチョークコイル32を設けた例であり、前述のコモンモードチョークコア31と同様の作用を有する。
前述した従来の鉄道車両駆動制御装置において、電動機2の巻線に電圧形インバータの出力電圧のような矩形波電圧を印加すると、電動機2の回転軸と電動機2の枠51との間に図18のように軸電圧V1、V2が誘導して発生する。これは、巻線に印加される矩形波電圧の電圧変化のために、電動機2の巻線と電動機2の回転子軸(直接駆動形交流電動機の場合は車軸)の間、または電動機2の巻線と電動機の枠51との間に存在する浮遊静電容量(浮遊キャパシタンス)を介して、電動機の枠51と電動機2の回転子軸との間に高周波の電圧が誘導して発生する現象である。
従来の鉄道車両の駆動システムにおいて、駆動用の交流電動機が歯車を介して車軸を駆動する方式(交流電動機の回転子の駆動力を歯車を介して車輪に伝達する方式)では、電動機の回転軸の一方の軸端が歯車を介して車軸につながっているが、電動機の回転軸の他方の軸端は電気的には開放されているため閉回路は構成されず、電動機の軸端間電圧(軸の両端の軸電圧の差による電圧)がレール10に印加されるという問題は生じない。
一方、直接駆動形交流電動機を適用した駆動システムの場合は、図18に示すように、電動機2の軸電圧は車軸の両端つまり進行方向に対して左右の車輪の間の電圧(軸端間電圧V1−V2)となって、レール10に軸端間電圧である高周波電圧が漏洩してしまうという問題がある。
従来の鉄道の信号保安機器は、列車(車両)が軌道に存在していることを検出する方法として、2本のレール10を車輪9と車軸54が短絡していることを電気的に検出する方法が一般的に用いられている。予め2本のレールの間に地上側から電圧(信号用の比較的低い電圧)を印加しておき、車輪9と車軸54が2本のレール10を短絡するとレール10間の電圧がゼロとなることを検出する原理である。この方法は、ひとつの列車の中に複数存在する車軸と車輪で2本のレールが必然的に短絡されることを利用した方式であり、電気的に確実に列車の存在を検出することができるため信号保安機器20に適した方式である。
ところが、車輪(車軸)に前述の軸端間電圧が発生していると、2本のレール10間に軸端間電圧が印加された状態になり、レール10間の電圧がゼロにならないことになるため、信号保安機器20は列車の存在を検出できなくなる。
また、ひとつの列車には複数の車輪9と車軸54があるので、図19のように、「直接駆動形交流電動機の回転子軸」→「車輪9」→「レール10」→「隣接する車輪の車軸54」→「レール10」→「車輪9」→「回転子軸56」という閉回路が構成されていることになり、軸端間電圧によってこの閉回路に高周波電流が流れて軌道面に対して垂直方向の磁束が発生してしまう。図19(a)は軌動側を上から見た図であり、図19(b)は隣接する車軸54との閉ループに流れる電流と磁束の関係を示す図である。
軌道側の2本のレール10の内側には、車両の床下に設置された車両側アンテナと信号の送受信をおこなうための信号保安機器20の地上側アンテナ21が設置される。前記の磁束は、軌道の2本のレール10の内側に設置された信号保安機器20の地上側アンテナ21に鎖交して、アンテナに電圧が誘導して信号保安機器20を誤動作させるなどの障害を起こす。
一方、鉄道の信号保安機器20は、列車を検出するための信号や、アンテナの送受信に使用する信号の周波数として25Hzから40kHzの範囲、または80kHz以上の範囲の周波数が使用されており、特にこの周波数の電圧や磁束が駆動制御装置から漏洩したり誘導したりすることは信号保安機器20へ悪影響を与えるため、防止しなくてはならない。
前記の信号保安機器20に悪影響(障害)を与えないためには、駆動用電動機に直接駆動形交流電動機を適用した鉄道車両駆動制御装置においては、直接駆動形交流電動機の高周波の軸電圧が発生して車軸の軸端間電圧が軌道に流出することを抑制する必要がある。
ここで仮に、車軸と車輪とレールで構成される図19の閉回路を切り離すことができれば、この問題は生じないことが容易に考えられる。つまり、車軸54や車輪9の一部を電気的に絶縁される材料で構成する方法である。ところが、車軸54や車輪9の一部を電気的な絶縁材料で構成してしまうと、2本のレール10が車軸54と車輪9で短絡されなくなる。このため、駆動システムに直接形交流電動機を適用した鉄道車両駆動制御装置では、別の方法によって、軌道側に設置された信号保安機器20への影響を防止する必要がある。
このようなことから、本発明が解決しようとするこの技術的課題は、
a:車両が走行する軌道が、金属製(導電性)のレールで構成されており、
b:かつ、そのレールを金属製(導電性)の車輪で走行し、
c:さらに、その車輪が金属製(導電性)の車軸で結合されている。
という鉄道システムに特有の課題である。
従来の鉄道車両駆動制御装置には、3相交流回路に流れる「電力変換装置1」→「直接駆動形交流電動機の巻線」→「巻線と直接駆動形交流電動機の枠51間の浮遊静電容量」→「直接駆動形交流電動機の枠51」→「車体」という経路で車体やレール10に漏洩する高周波電流を抑制して信号保安機器20への障害を防止するために、電力変換装置1の出力3相交流線にコモンモードチョークコア31やコモンモードチョークコイル32を設けていた。
しかし、前述の軸電圧は、直接駆動形交流電動機の3相の各巻線の間(U相巻線とV相巻線間、V相巻線とW相巻線間、W相巻線とU相巻線間)に存在する浮遊静電容量を介して「電力変換装置1」→「直接駆動形交流電動機2の3相の各巻線の間の浮遊静電容量」→「電力変換装置1」という経路で流れるU相〜V相、V相〜W相またはW相〜U相の高周波電流によっても発生する。この3相巻線間の浮遊容量を介して流れる高周波電流は、コモンモードチョークコア31やコモンモードチョークコイル32に対しては3相(U相V相W相)の高周波電流で打ち消しあってゼロになるために、コモンモードチョークコア31やコモンモードチョークコイル32では軸電圧の発生を抑制できない。
本発明の第1の目的は、車輪(車軸)の軸端間電圧の発生を抑制して信号保安機器20への障害を防止することが可能になる鉄道車両駆動制御装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、軌道側に設置されている信号保安機器20が使用している信号周波数の範囲と、LCRフィルタ回路またはLCフィルタ回路の共振周波数とが一致することを防止し、LCRフィルタ回路またはLCフィルタ回路に流れる共振周波数の交流電流が信号保安機器20に悪影響を与えることを防止できる鉄道車両駆動制御装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、電力変換装置とLCRフィルタ回路または電力変換装置とLCフィルタ回路との間に流れる共振周波数の交流電流によって配線から生じる誘導磁界が装置箱の外部に漏洩することを防止して、車体に搭載された機器や軌道に設置された機器に悪影響を与えることを防止できる鉄道車両駆動制御装置を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、レールを走行する鉄道車両の車輪に、動力伝達機構を介さずにその回転子の駆動力を直接伝達する直接駆動形交流電動機と、直流電力を交流電力に変換して前記電動機に供給する電力変換装置とを有する鉄道車両駆動制御装置において、
前記電動機と前記電力変換装置との間の交流回路にインダクタンスLとコンデンサCと抵抗Rとで構成されるLCRフィルタ回路を設け、
前記LCRフィルタ回路は、前記電動機と前記電力変換装置との間に存在する前記交流回路を構成する複数の電路に、各々前記インダクタンスLと前記抵抗Rとを並列に接続し、かつ前記コンデンサCの一端は前記交流回路を構成する各電路であって、前記インダクタンスLと前記抵抗Rとの接続点と前記電動機との接続点間に接続する共に、前記コンデンサCの他端は前記交流回路を構成する各電路間であって、前記インダクタンスLと前記抵抗Rとの接続点と前記電動機との接続点間に接続し、
前記電動機の軸電圧発生の原因となる、前記電力変換装置―前記電動機の固定子巻線―前記固定子巻線と前記電動機の枠間に存在する浮遊静電容量―前記電動機の枠という第1の経路で前記鉄道車両や前記レールに流れる高周波電流を、前記LCRフィルタ回路により抑制し、
前記電力変換装置―前記電動機の固定子巻線に存在する浮遊静電容量―前記電力変換装置の第2の経路で流れる高周波電流を、前記LCRフィルタ回路により抑制するようにしたことを特徴とする鉄道車両駆動制御装置である。
本発明は、前記目的を達成するため、請求項2に対応する発明は、記LCRフィルタ回路と前記電動機との間の交流回路を構成する複数の電路に、前記電力変換装置が故障したとき、又は前記電力変換装置、前記電動機を電気的に保護するための保護装置が動作したとき前記交流回路を開放するための開閉器をそれぞれ直列に設けたことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両駆動制御装置である。
本発明は、前記目的を達成するため、請求項3に対応する発明は、レールを走行する鉄道車両の車輪に、動力伝達機構を介さずにその回転子の駆動力を直接伝達する直接駆動形交流電動機と、直流電力を交流電力に変換して前記電動機に供給する電力変換装置とを有する鉄道車両駆動制御装置において、
前記電動機と前記電力変換装置との間の交流回路にインダクタンスLとコンデンサCとで構成されるLCフィルタ回路を設け、
前記LCフィルタ回路は、前記電動機と前記電力変換装置との間に存在する前記交流回路を構成する複数の電路に、各々前記インダクタンスLを直列に接続し、かつ前記コンデンサCの一端は前記交流回路を構成する各電路であって、前記インダクタンスLと前記電動機との接続点間に接続する共に、前記コンデンサCの他端は前記交流回路を構成する各電路間であって、前記インダクタンスLと前記電動機との接続点間に接続し、
前記電動機の軸電圧発生の原因となる、前記電力変換装置―前記電動機の固定子巻線―前記固定子巻線と前記電動機の枠間に存在する浮遊静電容量―前記電動機の枠という第1の経路で前記鉄道車両や前記レールに流れる高周波電流を、前記LCフィルタ回路により抑制し、
前記電力変換装置―前記電動機の固定子巻線に存在する浮遊静電容量―前記電力変換装置の第2の経路で流れる高周波電流を、前記LCフィルタ回路により抑制するようにしたことを特徴とする鉄道車両駆動制御装置である。
本発明は、前記目的を達成するため、請求項4に対応する発明は、記LCフィルタ回路と前記電動機との間の交流回路を構成する複数の電路に、前記電力変換装置が故障したときの前記交流回路を開放するための開閉器をそれぞれ直列に設け
たことを特徴とする請求項3記載の鉄道車両駆動制御装置である。
本発明は、前記目的を達成するため、請求項5に対応する発明は、記LCRフィルタ回路の共振周波数を40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定するか、又は鉄道用信号機や踏切を制御するための信号保安機器で使用している周波数帯域を除く周波数帯域となるように回路定数を設定したことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両駆動制御装置である。
本発明は、前記目的を達成するため、請求項6に対応する発明は、記LCRフィルタ回路の共振周波数を40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定するか、又は鉄道用信号機や踏切を制御するための信号保安機器で使用している周波数帯域を除く周波数帯域となるように回路定数を設定したことを特徴とする請求項2記載の鉄道車両駆動制御装置である。
本発明は、前記目的を達成するため、請求項7に対応する発明は、記LCフィルタ回路の共振周波数を40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定するか、又は鉄道用信号機や踏切を制御するための信号保安機器で使用している周波数帯域を除く周波数帯域となるように回路定数を設定したことを特徴とする請求項3記載の鉄道車両駆動制御装置である。
本発明は、前記目的を達成するため、請求項8に対応する発明は、記LCフィルタ回路の共振周波数を40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定するか、又は鉄道用信号機や踏切を制御するための信号保安機器で使用している周波数帯域を除く周波数帯域となるように回路定数を設定したことを特徴とする請求項4記載の鉄道車両駆動制御装置である。
本発明は、前記目的を達成するため、請求項9に対応する発明は、少なくとも前記電力変換装置と前記LCRフィルタ回路または少なくとも前記電力変換装置と前記LCフィルタ回路を、静電遮蔽及び磁気遮蔽が可能な材料からなる同一の装置箱に収納した請求項1〜8のいずれかに記載の鉄道車両駆動制御装置である。
本発明の鉄道車両駆動制御装置によれば、直接駆動形交流電動機を適用した鉄道車両の駆動システムにおいて、直接駆動形交流電動機の軸電圧発生の原因となる、交流回路に流れる
a:「電力変換装置」→「交流電動機の巻線」→「巻線と交流電動機の枠間の浮遊容量」→「交流電動機の枠」という経路で車体や軌道に流出する高周波電流と、
b:「電力変換装置」→「交流電動機の各相の各巻線の間に存在する浮遊容量」→「電力変換装置」という経路で流れる高周波電流の両方の高周波電流を抑制することができ、これにより、車輪(車軸)の軸端間電圧の発生を抑制して信号保安機器20への障害を防止することが可能になる。
また、別の本発明の鉄道車両駆動制御装置によれば、LCRフィルタ回路またはLCフィルタ回路の共振周波数を、40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定するか、又は鉄道用信号機や踏切を制御するための信号保安機器20で使用している周波数帯域を除く周波数帯域となるように回路定数を設定したことによって、レール側に設置されている信号保安機器20が使用している信号周波数である25Hzから40kHzの範囲および80kHz以上の範囲と、LCRフィルタ回路またはLCフィルタ回路の共振周波数とが一致することを防止し、LCRフィルタ回路またはLCフィルタ回路に流れる共振周波数の交流電流が信号保安機器20に悪影響を与えることを防止できる。
さらに、異なる本発明の鉄道車両駆動制御装置によれば、少なくとも前記電力変換装置と前記LCRフィルタ回路または少なくとも前記電力変換装置と前記LCフィルタ回路を、静電遮蔽及び磁気遮蔽が可能な材料からなる同一の装置箱に収納したことによって、電力変換装置とLCRフィルタ回路またはLCフィルタ回路との間に流れる共振周波数の交流電流によって配線から生じる誘導磁界が装置箱の外部に漏洩することを防止して、車体に搭載された機器や軌道に設置された機器に悪影響を与えることを防止できる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を示している。この第1の実施の形態は、図13のコモンモードチョークコア31又は図14のコモンモードチョークコイル32を設けずに、この代わりLCRフィルタ回路3を設けたものである。具体的には、図15又は図16に示す直接駆動形交流電動機2と電力変換装置1例えば矩形電圧形3相インバータとの間の3相交流回路に、インダクタンスL(4U〜4W)と抵抗R(6U〜6W)とコンデンサC(5U〜5W)と抵抗R(6U〜6W)とで構成され、電動機2の回転軸と電動機2の枠51との間に発生する軸電圧によって電動機2の巻線、レール10、枠51に流れる高周波電流を抑制するLCRフィルタ回路3を設けたものである。この場合、交流回路の各電路にそれぞれ直列に、インダクタンス4Uと抵抗6Uが並列接続された回路、インダクタンス4Vと抵抗6Vが並列接続された回路、インダクタンス4Wと抵抗6Wが並列接続された回路が接続され、コンデンサC5U、5V、5Wの一端が星形に接続されると共に、この他端が電動機2とインダクタンス4U〜4Wと抵抗R6U〜6Wの接続点に接続されている。
レール10を走行する鉄道車両の車輪9に、動力伝達機構を介さずにその回転子53の駆動力を直接伝達する直接駆動形交流電動機2と、直流電力を交流電力に変換して前記電動機に供給する電力変換装置1とを有している。
これ以外の構成は、図13又は図14と同一であり、集電器7、架線8、車輪9、レール10、フィルタリアクトル11、フィルタコンデンサ12、電力変換装置1に内蔵されたスイッチング素子13U〜13Z、直流回路遮断器14、制御部15、出力電流検出器41、直流電圧検出器42を備えている。
図1において、電力変換装置1は直流電力を交流電力に変換して電動機2に給電する。この電力変換装置1は、内蔵しているスイッチング素子13U〜13Zを、制御部15により任意にオン・オフ動作させることによって、直流電圧を任意の電圧と任意の周波数の3相交流電圧に変換する。電力変換装置1の電源である直流電圧は、架線8から集電器7を経て供給される。直接駆動形交流電動機2は、鉄道車両を駆動するためのもので、例えば誘導電動機であり、電力変換装置1からU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの3相交流電力が供給される。またこのとき、直接駆動形交流電動機2の各端子には線間電圧Vuv、Vvw、Vwuが印加される。
直流回路遮断器14は、電力変換装置1を起動する場合に投入(オン)され、架線8と電力変換装置1とを接続するとともに、電力変換装置1の過電流や過電圧の保護を検出した場合に開放(オフ)して、架線8から電力変換装置1に流れ込む電流を遮断するためのものである。
フィルタリアクトル11とフィルタコンデンサ12は、電力変換装置1に入力される直流電圧を安定させる作用を持つ。制御部15は、電力変換装置1のスイッチング素子13U〜13Zをオン・オフ動作させるための信号と、直流回路遮断器14を投入・開放するための信号を出力する。
なお図1では、本発明の実施の形態の動作を理解しやすくするために、制御部15から出力される信号は、本発明に関係する信号のみを記載している。
LCRフィルタ回路3は、インダクタンス4U〜4Wとコンデンサ5U〜5Wと抵抗6U〜6Wから構成され、電動機2への3相交流電流に含まれる高周波電流を抑制する作用を持つ。ここで、インダクタンスLは、鉄心を有さないコイル(空芯コイル)であっても、鉄心を有するコイルのどちらの構造であってもかまわない。
以上述べた第1の実施の形態によれば、次のような作用効果が得られる。すなわち、電動機2の軸電圧発生の原因となる、3相交流回路に流れる
a:「電力変換装置1」→「電動機2の巻線」→「巻線と電動機2の枠間の浮遊静電容量」→「電動機の枠51」という経路で車体や軌道に流出する高周波電流と、
b:「電力変換装置1」→「電動機2の3相の各巻線の間(U相巻線とV相巻線間、V相巻線とW相巻線間、W相巻線とU相巻線間)に存在する浮遊静電容量」→「電力変換装置1」という経路で流れるU相〜V相、V相〜W相、またはW相〜U相の高周波電流の両方の高周波電流を抑制することができ、これにより、車輪(車軸)の軸端間電圧の発生を抑制して信号保安機器20への障害を防止することが可能になる。
LCRフィルタ回路3は、後述するLCフィルタ回路3Aに比べて共振点でノイズレベルが上昇するのを防ぐことができるので、LCRフィルタ回路3の共振点の周波数のノイズの影響を小さくする用途に適している。
次に、本発明の第2の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置について、図2を用いて説明する。第2の実施の形態は、図1のLCRフィルタ回路3に内蔵されているコンデンサ5U〜5Wの接続を図1のスター接続(星形接続)に変えてデルタ接続(三角形接続)としたもので、その他の構成要素については図1に示した第1の実施の形態と同一であり、同一の符号を付して示してある。
次に、本発明の第3の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置について、図3を用いて説明する。第3の実施の形態は、図1のLCRフィルタ回路3に内蔵されている星形接続のコンデンサ5U〜5Wの中点を電力変換装置1の直流側(マイナス側)回路に接続したもので、その他の構成要素については図1に示した第1の実施の形態と同一であり、同一の符号を付して示してある。
以上述べた第3の実施の形態によれば、LCRフィルタ回路3に内蔵されている星形接続のコンデンサ5U〜5Wの中点を、電力変換装置1のマイナス側回路に接続したので、コモンモード(電力変換装置1−電動機2の巻線−車輪9−レール10−電力変換装置1の経路で電流が流れるモード)のノイズを下げる効果は向上するが、LCRフィルタ回路に流れる電流が、電力変換装置1の3相側−LCRフィルタ回路3−電力変換装置1のマイナス側という経路で流れる電流の分だけ増加する。
次に、本発明の第4の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置について、図4を用いて説明する。第4の実施の形態は、鉄道車両を駆動する直接駆動形交流電動機2が2台並列に接続されたもので、1台の電力変換装置1から複数の直接駆動形交流電動機2に交流電力を供給する。その他の構成要素については図1に示した第1の実施の形態と同一であり、同一の符号を付して示してある。
図4では、直接駆動形交流電動機2は並列に2台接続した図で示しているが、並列に接続される直接駆動形交流電動機の数が2台から3台や4台またはそれ以上の複数に増えた場合にも、本発明の実施の形態における各部の動作は同様である。
なお、図4において、LCRフィルタ回路3は、内蔵されているコンデンサ5U〜5Wの接続を図2で示した第2の実施の形態と同様にデルタ接続としてもよい。また、LCRフィルタ回路3は、内蔵されているコンデンサ5U〜5Wの中点を、図3で示した第3の実施の形態と同様に電力変換装置1のマイナス側回路に接続してもよい。
なお、図1〜図4で示した本発明の第1から第4の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置では、直接駆動形交流電動機2は、誘導電動機であっても、同期電動機であっても、また永久磁石を有した電動機(例えば永久磁石同期電動機や永久磁石式リラクタンス電動機)であっても、本発明による効果を得られるものであり、交流電動機の種類を問わない。
次に、本発明の第5の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置について、図5を用いて説明する。図5に示すように、LCRフィルタ回路3と電動機2の接続点に開閉器例えば交流回路接触器16を接続したものであり、これ以外の構成は図1と同一である。交流回路接触器16は、電力変換装置1が故障したとき、又は電力変換装置1、電動機2を電気的に保護するための保護装置(図示しない)例えば保護リレーが動作したとき、或いは停車中交流回路を開放するためのものである。
ここで用いる電動機2は、例えば回転子に永久磁石を有した永久磁石同期電動機や永久磁石形リラクタンス電動機のいずれであってもよい。その他の構成要素については図1に示した第1の実施の形態と同一であり、同一の符号を付して示してある。
永久磁石電動機は、誘導電動機と比較して電動機の効率が向上するという長所を有している反面、永久磁石電動機が回転していると永久磁石の磁束によって永久磁石電動機の端子に誘起電圧が発生する。電力変換装置1が内蔵しているスイッチング素子が短絡モードで故障、またはLCRフィルタ回路3が短絡モードで故障すると、永久磁石電動機の端子が短絡されて閉回路が構成されることになる。このため、永久磁石電動機が回転すると誘起電圧によって永久磁石電動機から故障した電力変換装置やLCRフィルタ回路3に電流が流れ込み、回路の損傷をさらに拡大してしまう。またこのとき、永久磁石と電力変換装置やLCRフィルタ回路との間の閉回路に流れる電流のために永久磁石電動機にブレーキ力が発生する。よって、列車内の他の健全な駆動制御装置によって走行を継続することができなくなる。
本発明の第5の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置では、電力変換装置1が故障した場合には、電力変換装置1の電源である架線8と電力変換装置1との間の回路を直流回路遮断器14で開放し、かつ、LCRフィルタ回路3と電動機2の間の回路を交流回路接触器16で開放する。電力変換装置1の故障とは、電力変換装置1に内蔵されているスイッチング素子13U〜13Zが破損、またはスイッチング素子13U〜13Zをオン・オフ動作させるための回路が破損して、電力変換装置1が起動できない状態(動作できない状態)の意味である。電力変換装置1の故障検出については、例えば、電力変換装置の交流出力電流に対する出力電流検出器41の検出信号と直流電圧に対する直流電圧検出器とを制御部15で監視し、異常値を示した場合に故障と判断する。
また、LCRフィルタ回路3と電力変換装置1が故障した場合には、電力変換装置1の電源である架線8と電力変換装置1との間の回路を直流回路遮断器14で開放し、かつ、LCRフィルタ回路3と直接駆動形交流電動機2の間の回路を交流回路接触器16で開放する。LCRフィルタ回路3の故障検出については、例えば、電力変換装置1の交流出力電流に対する出力電流検出器41の検出信号を制御部15で監視し、異常値を示した場合に故障と判断する。
図5において、出力電流検出器41は電力変換装置1の交流側の3相に設けた構成で記載しているが、3相のうちのいずれかの2相に設けてもよい。
以上述べた第5の実施の形態によれば、交流回路接触器16と直流回路遮断器14により、故障した電力変換装置1またはLCRフィルタ回路3を、電源である架線8と電動機2から開放して、故障した電力変換装置1またはLCRフィルタ回路3の故障が拡大しないように保護し、また電動機2にブレーキ力が作用しないようにしながら、列車内の他の健全な駆動制御装置によって列車の走行を継続することができる。
図5に示した本発明の第5の実施の形態では、交流回路接触器16は動作機構がノーマルオープン(操作駆動コイルが無加圧のとき、接触子が開放状態になる機構)の場合で記載している。交流回路接触器16の動作機構がノーマルクローズ(操作駆動コイルが無加圧のとき、接触子が投入状態になる機構)の場合は、電力変換装置1やLCRフィルタ回路が故障した場合に操作駆動コイルが加圧されて交流回路接触器16が開放状態となる。その他の部分の本発明の実施の形態の動作は上記の説明と同様である。
なお、図5において、LCRフィルタ回路3は、内蔵されているコンデンサ5U〜5Wの接続を図2で示した第2の実施の形態と同様にデルタ接続としてもよい。
次に、本発明の第6の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置について、図6を用いて説明する。第6の実施の形態は、LCRフィルタ回路3に内蔵されていて星形に接続されているコンデンサ5U〜5Wの中点を電力変換装置1のマイナス側回路に接続したもので、その他の構成要素については図5に示した第5の実施の形態と同一であり、同一の符号を付して示してある。この実施の形態によれば、図3の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
次に、本発明の第7の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置について、図7を用いて説明する。第7の実施の形態は、前述のLCRフィルタ回路3の代りに、インダクタンス4U〜4Wとコンデンサ5U〜5WからなるLCフィルタ回路3Aが設けられている。具体的には、電力変換装置1の交流回路であって、電動機2と出力電流検出器41との接続点に直列にインダクタンス4U〜4Wがそれぞれ接続され、コンデンサ5U〜5Wの一端が星形に接続され他端がインダクタンス4U〜4Wと電動機2との接続点にそれぞれ接続されている。その他の構成要素については図1に示した第1の実施の形態と同一であり、同一の符号を付して示してある。
なお、図7に示す本発明の第7の実施の形態において、LCフィルタ回路3Aは、内蔵されているコンデンサ5U〜5Wの接続を図2で示した第2の実施の形態と同様にデルタ接続としてもよい。また、図7に示す本発明の第7の実施の形態おいて、直接駆動形交流電動機2は、図4に示す本発明の第4の実施の形態と同様に、複数の直接駆動形交流電動機を並列接続してもよい。
次に、本発明の第8の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置について、図8を用いて説明する。第8の実施の形態は、図7と同様に構成されているLCフィルタ回路3Aに内蔵されているコンデンサ5U〜5Wの中点を電力変換装置1のマイナス側回路に接続したもので、その他の構成要素については図7に示した第7の実施の形態と同一であり、同一の符号を付して示してある。この実施の形態によれば、図3の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
LCフィルタ回路3Aを備えているので、前述したLCRフィルタ回路3に比べて共振点でノイズレベルが上昇するのを防ぐ効果が小さいが、LCフィルタ回路3Aの共振点の周波数のノイズの影響をあまり考慮する必要がない用途に適している。
また、図8に示す本発明の第8の実施の形態において、直接駆動形交流電動機2は、図4に示す本発明の第4の実施の形態と同様に、複数の直接駆動形交流電動機を並列接続してもよい。
次に、本発明の第9の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置について、図9を用いて説明する。第9の実施の形態は、図7と同様に、LCフィルタ回路3Aがインダクタンス4U〜4Wとコンデンサ5U〜5Wで構成され、更に交流回路接触器16が図5のように設けられ、その他の構成要素については図7に示した実施の形態と同一であり、同一の符号を付して示してある。
なお、図9において、LCフィルタ回路3Aは、これに内蔵されているコンデンサ5U〜5Wの接続を図2で示した第2の実施の形態と同様にデルタ接続としてもよい。また、LCフィルタ回路3Aは、内蔵されているコンデンサ5U〜5Wの中点を、図3で示した第3の実施の形態と同様に電力変換装置1のマイナス側回路に接続してもよい。
次に、本発明の第10の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置について、図1を用いて説明する。第10の実施の形態は、前述したLCRフィルタ回路3の共振周波数を次の(1)式を満足するように、回路定数を設定したものである。具体的には、前述したLCRフィルタ回路3の共振周波数を40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定したものである。
40[kHz]<1÷(2π÷√LC)<80[kHz] ・・・(1)
なお、(1)式において、Lはインダクタンスの値[H]、Cはコンデンサの静電容量[F]、
πは円周率である。
以上述べた第10の実施の形態は、次のように変形してもよい。現在使用されている鉄道用信号機や踏切を制御する信号保安機器20で使用されている周波数帯域は、軌道に設置されている信号保安機器20が使用している信号周波数である25Hzから40kHzの範囲および80kHz以上の範囲となっている。このため、LCRフィルタ回路3の共振周波数の回路定数を前述の範囲、つまり信号保安機器20が使用している周波数帯域から外すようにしてもよい。このように構成することにより、次のような作用効果が得られる。
すなわち、直接駆動形交流電動機2の軸電圧発生の原因となる、3相交流回路に流れる
a:「電力変換装置」→「交流電動機の巻線」→「巻線と交流電動機の枠間の浮遊静電容量」→「交流電動機の枠」という経路で車体や軌道に流出する高周波電流と、
b:「電力変換装置」→「交流電動機の3相の各巻線の間(U相巻線とV相巻線間、V相巻線とW相巻線間、W相巻線とU相巻線間)に存在する浮遊静電容量」→「電力変換装置」という経路で流れるU相〜V相、V相〜W相、またはW相〜U相の高周波電流
の両方の高周波電流を抑制することができ、これにより、車輪(車軸)の軸端間電圧の発生を抑制して信号保安機器20への障害を確実に防止するとともに、軌道に設置されている信号保安機器20が使用している信号周波数である25Hzから40kHzの範囲および80kHz以上の範囲と、LCRフィルタ回路3の共振周波数とが一致することを防止し、LCRフィルタ回路3に流れる共振周波数の交流電流が信号保安機器20に悪影響を与えることを確実に防止できる。
以上述べた第10の実施の形態は、図2〜図6の各実施の形態にも適用でき、この結果第10の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
次に、本発明の第11の実施の形態について図7を参照して説明する。この実施の形態も、前述した第10の実施の形態と同様に、LCフィルタ回路3Aのの共振周波数を40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定したものである。このように構成することにより、車輪(車軸)の軸端間電圧の発生を抑制して信号保安機器20への障害を防止するとともに、軌道に設置されている信号保安機器20が使用している信号周波数である25Hzから40kHzの範囲および80kHz以上の範囲と、LCフィルタ回路3Aの共振周波数とが一致することを防止し、LCフィルタ回路3Aに流れる共振周波数の交流電流が信号保安機器20に悪影響を与えることを防止できる。
以上述べた第11の実施の形態は、図8〜図9の各実施の形態にも適用でき、この結果第10の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
次に、本発明の第12の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置について図10から図12を用いて説明する。図10は、本発明の第5の実施例である図5の鉄道車両駆動制御装置を例として、少なくとも電力変換装置1とLCRフィルタ回路3と出力電流検出器41を、静電遮蔽及び磁気遮蔽が可能な材料からなる同一の装置箱61に収納したものである。
図10のように構成することにより、電力変換装置1とLCRフィルタ回路3との間の交流回路に流れるLCRフィルタ回路3の共振周波数の交流電流によって配線から生じる誘導磁界が装置箱61の外部に漏洩することを防止できることから、車体に搭載された機器や、軌道に設置された機器への悪影響を防止することができる。
図11は、図5の鉄道車両駆動制御装置の構成と同一のものにおいて、電力変換装置1、LCRフィルタ回路3、制御部15、フィルタコンデンサ12、出力電流検出器41および直流電圧検出器42を、静電遮蔽及び磁気遮蔽が可能な材料からなる同一の装置箱61に収納したものである。この構成により、電力変換装置1とLCRフィルタ回路3との間の回路に流れるLCRフィルタの共振周波数の交流電流によって配線から生じる誘導磁界が装置箱の外部に漏洩することを防止して、車体に搭載された機器や、軌道に設置された機器への悪影響を防止することができる。
図12は、図5の鉄道車両駆動制御装置の構成と同一のものにおいて、電力変換装置1、LCRフィルタ回路3、制御部15、フィルタコンデンサ12、直流回路遮断器14、交流回路接触器16、出力電流検出器41および直流電圧検出器42を、静電遮蔽及び磁気遮蔽が可能な材料からなる同一の装置箱61に収納したものである。この構成により、電力変換装置1とLCRフィルタ回路3との間の回路に流れるLCRフィルタ回路3の共振周波数の交流電流によって配線から生じる誘導磁界が装置箱の外部に漏洩することを防止して、車体に搭載された機器や、軌道に設置された機器への悪影響を防止することができる。
以上述べた第11の実施の形態は、前述した本発明の第1から第9の実施の形態のいずれについても、図10から図12と同様に、鉄道車両駆動制御装置の少なくとも電力変換装置1とLCRフィルタ回路3またはLCフィルタ回路3Aを、静電遮蔽及び磁気遮蔽が可能な材料からなる同一の装置箱61に収納することにより、同様の効果を得ることができる
<変形例>
本発明は、前述した実施の形態に限定されず、例えば次のように構成してもよい。前述の実施の形態では電力変換装置1から電動機2に供給される電力としては三相交流電力例えば三相交流電圧の場合で、電動機2も三相交流電動機を例に挙げて説明したが、これ以外の他の交流であっても同様に実施できる。
また、前述した各実施の形態では、架線8が直流架線(直流電源)の場合で記載しているが、架線8が交流架線(交流電源)であれば、遮断器14とフィルタコンデンサ12との間に交流電源を直流電源に変換して電力変換装置1であるインバータに供給するためのコンバータを設置するようにしてもよい。
本発明の第1の実施例の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を説明する図。 本発明の第2の実施例の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を説明する図。 本発明の第3の実施例の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を説明する図。 本発明の第4の実施例の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を説明する図。 本発明の第5の実施例の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を説明する図。 本発明の第6の実施例の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を説明する図。 本発明の第7の実施例の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を説明する図。 本発明の第8の実施例の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を説明する図。 本発明の第9の実施例の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を説明する図。 本発明の第12の実施例の鉄道車両駆動制御装置の構成を説明する図。 本発明の第12の実施例の鉄道車両駆動制御装置の第2の構成を説明する図。 本発明の第12の実施例の鉄道車両駆動制御装置の第3の構成を説明する図。 従来の鉄道車両駆動制御装置の回路構成を説明する図。 従来の鉄道車両駆動制御装置の回路構成の第2の例を説明する図。 鉄道車両の直接駆動形交流電動機の構成例を説明する図。 鉄道車両の直接駆動形交流電動機の構成の第2の例を説明する図。 歯車を介して電動機から車輪を駆動する鉄道車両の駆動装置の例を説明する図。 軸電圧および軸端間電圧の発生原理を説明する図。 軸端間電圧による信号保安機器の地上側アンテナへの障害を説明する図。
符号の説明
1…電力変換装置、2…直接駆動形交流電動機、3…LCRフィルタ回路、3A…LCフィルタ回路、4U〜4W…インダクタンス、5U〜5W…コンデンサ、6U〜6W…抵抗、7…集電器、8…架線、9…車輪、10…レール、11…フィルタリアクトル、12…フィルタコンデンサ、13U〜13Z…スイッチング素子、14…直流回路遮断器、15…制御部、16…交流回路接触器、20…信号保安機器、21…地上側アンテナ、31…コモンモードチョークコア、32…コモンモードチョークコイル、41…出力電流検出器、42…直流電圧検出器、51…枠、52…固定子、53…回転子、54…車軸、55…軸受、56…回転子軸、57…継手、59…小歯車、60…大歯車、61…装置箱。

Claims (9)

  1. レールを走行する鉄道車両の車輪に、動力伝達機構を介さずにその回転子の駆動力を直接伝達する直接駆動形交流電動機と、直流電力を交流電力に変換して前記電動機に供給する電力変換装置とを有する鉄道車両駆動制御装置において、
    前記電動機と前記電力変換装置との間の交流回路にインダクタンスLとコンデンサCと抵抗Rとで構成されるLCRフィルタ回路を設け、
    前記LCRフィルタ回路は、前記電動機と前記電力変換装置との間に存在する前記交流回路を構成する複数の電路に、各々前記インダクタンスLと前記抵抗Rとを並列に接続し、かつ前記コンデンサCの一端は前記交流回路を構成する各電路であって、前記インダクタンスLと前記抵抗Rとの接続点と前記電動機との接続点間に接続する共に、前記コンデンサCの他端は前記交流回路を構成する各電路間であって、前記インダクタンスLと前記抵抗Rとの接続点と前記電動機との接続点間に接続し、
    前記電動機の軸電圧発生の原因となる、前記電力変換装置―前記電動機の固定子巻線―前記固定子巻線と前記電動機の枠間に存在する浮遊静電容量―前記電動機の枠という第1の経路で前記鉄道車両や前記レールに流れる高周波電流を、前記LCRフィルタ回路により抑制し、
    前記電力変換装置―前記電動機の固定子巻線に存在する浮遊静電容量―前記電力変換装置の第2の経路で流れる高周波電流を、前記LCRフィルタ回路により抑制するようにしたことを特徴とする鉄道車両駆動制御装置。
  2. 記LCRフィルタ回路と前記電動機との間の交流回路を構成する複数の電路に、前記電力変換装置が故障したとき、又は前記電力変換装置、前記電動機を電気的に保護するための保護装置が動作したとき前記交流回路を開放するための開閉器をそれぞれ直列に設けたことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両駆動制御装置。
  3. レールを走行する鉄道車両の車輪に、動力伝達機構を介さずにその回転子の駆動力を直接伝達する直接駆動形交流電動機と、直流電力を交流電力に変換して前記電動機に供給する電力変換装置とを有する鉄道車両駆動制御装置において、
    前記電動機と前記電力変換装置との間の交流回路にインダクタンスLとコンデンサCとで構成されるLCフィルタ回路を設け、
    前記LCフィルタ回路は、前記電動機と前記電力変換装置との間に存在する前記交流回路を構成する複数の電路に、各々前記インダクタンスLを直列に接続し、かつ前記コンデンサCの一端は前記交流回路を構成する各電路であって、前記インダクタンスLと前記電動機との接続点間に接続する共に、前記コンデンサCの他端は前記交流回路を構成する各電路間であって、前記インダクタンスLと前記電動機との接続点間に接続し、
    前記電動機の軸電圧発生の原因となる、前記電力変換装置―前記電動機の固定子巻線―前記固定子巻線と前記電動機の枠間に存在する浮遊静電容量―前記電動機の枠という第1の経路で前記鉄道車両や前記レールに流れる高周波電流を、前記LCフィルタ回路により抑制し、
    前記電力変換装置―前記電動機の固定子巻線に存在する浮遊静電容量―前記電力変換装置の第2の経路で流れる高周波電流を、前記LCフィルタ回路により抑制するようにしたことを特徴とする鉄道車両駆動制御装置。
  4. 記LCフィルタ回路と前記電動機との間の交流回路を構成する複数の電路に、前記電力変換装置が故障したときの前記交流回路を開放するための開閉器をそれぞれ直列に設け
    たことを特徴とする請求項3記載の鉄道車両駆動制御装置。
  5. 記LCRフィルタ回路の共振周波数を40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定するか、又は鉄道用信号機や踏切を制御するための信号保安機器で使用している周波数帯域を除く周波数帯域となるように回路定数を設定したことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両駆動制御装置。
  6. 記LCRフィルタ回路の共振周波数を40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定するか、又は鉄道用信号機や踏切を制御するための信号保安機器で使用している周波数帯域を除く周波数帯域となるように回路定数を設定したことを特徴とする請求項2記載の鉄道車両駆動制御装置。
  7. 記LCフィルタ回路の共振周波数を40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定するか、又は鉄道用信号機や踏切を制御するための信号保安機器で使用している周波数帯域を除く周波数帯域となるように回路定数を設定したことを特徴とする請求項3記載の鉄道車両駆動制御装置。
  8. 記LCフィルタ回路の共振周波数を40kHzを超え80kHz未満の範囲になるように回路定数を設定するか、又は鉄道用信号機や踏切を制御するための信号保安機器で使用している周波数帯域を除く周波数帯域となるように回路定数を設定したことを特徴とする請求項4記載の鉄道車両駆動制御装置。
  9. 少なくとも前記電力変換装置と前記LCRフィルタ回路または少なくとも前記電力変換装置と前記LCフィルタ回路を、静電遮蔽及び磁気遮蔽が可能な材料からなる同一の装置箱に収納したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の鉄道車両駆動制御装置。
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