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JP4455960B2 - Dcブラシレスモータの制御装置 - Google Patents
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JP4455960B2 - Dcブラシレスモータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、位置検出センサを用いずにDCブラシレスモータのロータ角度を検出する機能を有するDCブラシレスモータの制御装置に関する。
DCブラシレスモータを駆動して所望のトルクを得るためには、磁極を有するロータの電気角(以下、ロータ角度という)に対応した適切な位相で電機子に電圧を印加する必要がある。そのため、DCブラシレスモータにはロータ角度を検出する位置検出センサが設けられるのが一般的である。
しかし、位置検出センサを設けた場合には、位置検出センサのみならず、DCブラシレスモータの駆動装置側に位置検出センサから出力される検出信号を入力するための回路を設ける必要があり、また、位置検出センサと駆動装置間の配線も必要となる。そこで、位置検出センサを省いてDCブラシレスモータと駆動装置のコストダウンを図るべく、位置検出センサを用いずにロータ角度を検出する方法が提案されている。
かかる方法として、DCブラシレスモータの駆動電圧にロータ角度検出用の高周波電圧を重畳したときの電機子電流の検出値に基づいてロータ角度を180度周期で検出し、また、いわゆるd−q座標におけるq軸電機子(界磁方向の電機子)に磁極向き判別電流を供給したときの電機子電流の検出値に基づいてロータの磁極の向きを検出することによって、ロータ角度を360度周期で検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−320398号公報
上記背景技術の方法によるロータの磁極向き判別処理は、ロータ角度の検出開始時に一回行えばよい。そして、q軸電機子への磁極向き判別電流の供給に対する電機子電流の変化の応答性を高めて、ロータの磁極向きの判別に要する時間を短縮するため、q軸電機子に対する指令値に実電流を追従させるフィードバック制御におけるゲインを大きく設定することが考えられる。しかし、本願発明者らは、このようにゲインを大きく設定して、DCブラシレスモータのd軸電機子に対する指令値に実電流を追従させるトルク電流のフィードバック制御を行ったときに、ロータ磁石の減磁が促進される場合があることを知見した。
そこで、本発明は、ロータの磁極向き判別処理に要する時間を短縮すると共に、トルク電流のフィードバック制御実行時におけるロータ磁石の減磁を抑制したDCブラシレスモータの制御装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、DCブラシレスモータを、該モータの界磁の磁束方向であるq軸上にあるq軸電機子と、q軸と直交するd軸上にあるd軸電機子とを有する等価回路に変換して扱い、前記モータの電機子に流れる電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段により検出された電流値と、前記モータのロータ角度から、前記q軸電機子に流れるq軸実電流と前記d軸電機子に流れるd軸実電流とを算出する実電流算出手段と、前記q軸電機子に流れる電流の指令値であるq軸指令電流と前記q軸実電流との偏差であるq軸電流偏差及び前記d軸電機子に流れる電流の指令値であるd軸指令電流と前記d軸実電流との偏差であるd軸電流偏差を小さくするように、前記d軸電機子に印加する電圧の指令値であるd軸指令電圧及び前記q軸電機子に印加する電圧の指令値であるq軸指令電圧を決定する指令電圧決定手段と、前記d軸指令電圧と前記q軸指令電圧とに基づいて、前記モータの電機子に印加する駆動電圧を決定して、前記モータの通電制御を行う通電制御手段と、前記モータの回転数が所定値未満であるときは、前記駆動電圧にロータ角度検出用の高周波電圧を重畳したときに前記電流検出手段により検出される電流値に基づいて、前記モータのロータ角度を180度周期で検出するロータ角度検出処理と、前記q軸指令電流に磁極向き判別電流を重畳したときに前記電流検出手段により検出される電流値に基づいて、前記モータのロータの磁極の向きを判別するロータ磁極向き判別処理とを行って、前記モータのロータ角度を360度周期で検出し、前記モータの回転数が前記所定値以上であるときには、前記高周波電圧の重畳を行わずに、前記モータの電機子に生じる逆起電力により前記モータのロータ角度を検出する高回転域用のロータ角度検出処理を行うロータ角度検出手段とを備えたDCブラシレスモータの制御装置の改良に関する。
そして、前記指令電圧決定手段は、前記ロータ磁極向き判別処理が実行されるときは、前記q軸電流偏差に第1のゲインを乗じて前記q軸指令電圧を決定し、前記ロータ磁極向き判別処理が終了して前記d軸指令電流の印加が開始された後に、前記低回転域用のロータ角度検出処理が実行されるときには、前記q軸電流偏差に該第1のゲインよりも小さい第2のゲインを乗じて前記q軸指令電圧を決定することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記指令電圧生成手段は、前記q軸指令電圧を決定する際に使用するゲインを前記第1のゲインと前記第2のゲインとに切換える。そして、前記ロータ磁極向き判別処理が実行されるときは、相対的に大きく設定された前記第1のゲインを用いて前記q軸指令電圧を決定することにより、前記磁極判別用電流を重畳したときの前記モータの電機子電流の変化の応答性を向上させて、前記ロータ磁極向き判別処理に要する時間を短縮することができる。一方、前記d軸指令電圧の印加が開始された後は、前記指令電圧生成手段は、相対的に小さく設定された前記第2のゲインを用いて前記q軸指令電圧を決定するため、前記ロータ角度検出手段によるロータ角度の検出誤差が生じたときに、該検出誤差に基づいて決定される前記q軸指令電圧のレベルが抑制される。そのため、前記q軸指令電圧に応じた駆動電圧の印加により、前記モータのロータ磁石が減磁されることを抑制することができる。
また、前記モータを駆動軸に対する駆動力の発生源とする車両に搭載され、該車両の運転開始時に、前記ロータ角度検出手段により前記ロータ角度推定処理と前記ロータ磁極向き検出処理とを実行して、360度周期での前記モータのロータ角度の検出が可能となった後に、前記モータのトルク電流を制御するための前記d軸指令電流の印加が開始されることを特徴とする。
かかる本発明によれば、上述した第1のゲインと第2のゲインを切換えて前記ロータ磁極向き判別処理に要する時間を短縮することにより、前記車両の運転開始時に、360度周期での前記モータのロータ角度の検出が可能となって前記d軸指令電圧が印加され、前記車両の走行が可能となるまでの時間を短くすることができる。
本発明の実施の形態の一例について図1〜図6を参照して説明する。図1はDCブラシレスモータの構成図、図2は図1に示したDCブラシレスモータの作動を制御する制御装置の制御ブロック図、図3は図2に示した制御装置の作動フローチャート、図4は電流フィードバックゲインを切換えるタイミングと磁極向き判別電流を重畳するタイミングを示したグラフ、図5は電流フィードバックゲインを変更して磁極向き判別電流を重畳したときのq軸電流の変化の応答性を比較したグラフ、図6は電流フィードバックゲインを変更してd軸指令電圧を印加したときのq軸電流の大きさを比較したグラフである。
図2に示したDCブラシレスモータの制御装置10(以下、単に制御装置10という)は、図1に示したDCブラシレスモータ1(以下、単にモータ1という)とエンジン2を備えたハイブリッド車両(本発明のモータを駆動軸に対する駆動力の発生源とする車両に相当する)に搭載される。そして、該ハイブリッド車両においては、モータ1とエンジン2の駆動軸が直結され、モータ1とエンジン2は協働して駆動軸(図示しない)を回転作動させる。また、エンジン2の始動時にはモータ1によりエンジン2がクランキングされる。また、ハイブリッド車両を運転状態と停止状態に切換えるイグニッションスイッチ13が備えられている。
制御装置10は、図1に示したモータ1の電機子3,4,5に流れる電流をフィードバック制御するものであり、モータ1をロータ2の界磁極の磁束方向であるq軸上にあるq軸電機子と該q軸と直交するd軸上にあるd軸電機子とを有するdq座標系による等価回路に変換して扱う。
そして、制御装置10は、ハイブリッド車両の運転状況に応じて印加されるd軸指令電流Id_cとq軸指令電流Iq_cとに応じて、d軸電機子に流れる電流(以下、d軸電流という)とq軸電機子に流れる電流(以下、q軸電流という)をフィードバック制御する。
また、制御装置10は、d軸電機子への印加電圧(以下、d軸電圧Vdという)とq軸電機子への印加電圧(以下、q軸電圧Vqという)とを、モータ1のU,V,Wの3相の電機子に印加する駆動電圧Vu_c,Vv_c,Vw_cに変換するdq/3相変換部20、該駆動電圧Vu_c,Vv_c,Vw_cにロータ角度検出用の高周波電圧vu,vv,vwを重畳する高周波重畳部21、及び駆動電圧Vu_c,Vv_c,Vw_cに応じた電圧Vu,Vv,Vwをモータ1のU,V,Wの各相の電機子に印加するように複数のスイッチング素子をブリッジ接続したインバータ回路からなるパワードライブユニット22を備えている。
さらに、制御装置10は、モータ1のU相の電機子に流れる電流を検出するU相電流センサ23(本発明の電流検出手段に相当する)、モータ1のW相の電機子に流れる電流を検出するW相電流センサ24(本発明の電流検出手段に相当する)、U相電流センサ23の検出電流値Iu_sとW相電流センサ24の検出電流値Iw_sとモータ1のロータ角度θとに応じて、d軸電流の検出値であるd軸実電流Id_sとq軸電流の検出値であるq軸実電流Iq_sとを算出する3相/dq変換部26(本発明の実電流算出手段に相当する)、モータ1のロータ角度θを検出するロータ角度検出部25(本発明のロータ角度検出手段に相当する)、及びd軸とq軸間で干渉し合う速度起電力の影響を打ち消す処理を行う非干渉演算部27を備えている。
そして、制御装置10は、以下の式(1)により、d軸指令電流Id_cとd軸実電流Id_sを第1減算器28で減算し、その減算結果に第1のPI演算部29でPI(比例積分)処理を施し、第1加算器30で非干渉成分を加算して、d軸指令電流Id_cとd軸実電流Id_cの偏差(Id_c−Id_s)に応じたd軸指令電圧Vd_cを決定する。この場合、非干渉成分を無視すれば、Vd_cは以下の式(1)で表される。
Figure 0004455960
但し、Kp:比例ゲイン、Ki:積分ゲイン、S:積分記号。
また、制御装置10は、同様にして、q軸指令電流Iq_cとq軸実電流Iq_sを第2減算器31で減算し、その減算結果に第2のPI演算部32でPI処理を施し、第2加算器33で非干渉成分を加算して、q軸指令電流Iq_cとq軸実電流Iq_sとの偏差(Iq_c−Iq_s)に応じたq軸指令電圧Vq_cを決定する。この場合、非干渉成分を無視すれば、q軸指令電圧Vq_cは以下の式(2)で表される。
Figure 0004455960
そして、制御装置10は、d軸指令電圧Vd_cとq軸指令電圧Vq_cをdq/3相変換部20に入力する。これにより、パワードライブユニット22を介して、d軸指令電流Id_cとd軸実電流Id_sとの偏差、及びq軸指令電流Iq_cとq軸実電流との偏差を小さくする3相電圧VU,VV,VWがモータ1の電機子に印加されて、モータ1の電機子に流れる電流がフィードバック制御される。
なお、第1減算器28、第1のPI演算部29、第1加算器30、第2減算器31、第2のPI演算部32、及び第2加算器33により、本発明の指令電圧決定手段が構成される。また、dq/3相変換部20とパワードライブユニット22とにより、本発明の通電手段が構成される。
ここで、dq/3相変換部20によりd軸指令電圧Vd_cとq軸指令電圧Vq_cを3相の指令電圧VU_c,VV_c,VW_cに変換する際には、モータ1のロータ角度θ(図1参照)が必要となる。また、3相/dq変換部26によりU相電流センサ23の検出電流値Iu_sとW相電流センサ24の検出電流値Iw_sをd軸実電流Id_sとq軸実電流Iq_sに変換する際にも、モータ1のロータ角度θが必要となる。
そして、角度検出部25は、レゾルバ等の位置検出センサを用いずに、ロータ角度θを検出する。角度検出部25は、高周波電圧重畳部21により第3加算器34と第4加算器35と第5加算器36を介して、3相の指令電圧VU_c,VV_c,VW_cに高周波電圧vu,vv,vwを重畳したときの、U相電流センサ23の検出電流値Iw_s及びW相電流センサ24の検出電流値Iw_sに応じて、以下の式(3)により正弦参照値Vsを算出し、以下の式(4)により余弦参照値Vcを算出する。
Figure 0004455960
但し、K:演算ゲイン、Δl:U,V,W相の自己インダクタンスlの変動分。
Figure 0004455960
但し、K:演算ゲイン、Δl:U,V,W相の自己インダクタンスlの変動分。
そして、角度検出部25は、以下の式(5)により、ロータ角度θを算出する。
Figure 0004455960
ここで、上記式(4)〜式(5)により算出されるロータ角度は180度周期であり、360度周期でロータ角度を検出するためには、ロータの磁極の向きを判別する必要がある。そこで、角度検出部25は、q軸指令電流Iq_cに磁極向き判別電流を重畳したときの上記式(3)による正弦参照値Vsと上記式(4)による余弦参照値Vcとにより、以下の式(6)により磁極判別値Aを算出して、ロータの磁極の向きを判別する。
Figure 0004455960
ここで、q軸電流指令Iq_cに磁極判別用電流を重畳してq軸方向(ロータ2の磁石の磁束方向)に磁界を生じさせると、磁極判別用電流により生じた磁界の向きとロータ2の磁石により生じる磁界の向きが同一である飽和状態であるときは、自己インダクタンスの変動分Δlが大きくなる。一方、磁極判別用電流により生じる磁界の向きとロータ2の磁石により生じる磁界の向きが逆である非飽和状態であるときには、Δlが小さくなる。
そのため、Δlの値により変化する正弦参照値Vsと余弦参照値Vcから上記式(6)により算出される磁極判別値A値が変化する。そこで、磁極判別用電流の向き(正/負)を変えて、飽和状態と非飽和状態を判断することにより、ロータ2の磁極の向きを判別することができる。
次に、図3に示したフローチャートに従って、ハイブリッド車両のイグニッションスイッチ13(図2参照)がON操作されたときの制御装置10の作動について説明する。STEP1でイグニッションスイッチ13がON操作されるとSTEP2に進み、STEP2で第1のPI演算部29及び第2のPI演算部32における比例ゲインKpと積分ゲインKi(上記式(1),式(2)参照、本発明のフィードバックゲインに相当する)が「大」に設定される。ここで、比例ゲインKpと積分ゲインKiは以下の式(7),式(8)により設定され、変数τの値を変更することによって、比例ゲインKpと積分ゲインKiの大きさが変更される。
Figure 0004455960
但し、L:モータ1の電機子のインダクタンスに応じた定数、τ:ゲイン設定用の変数。
Figure 0004455960
但し、R:モータ1の電機子の抵抗に応じた定数、τ:ゲイン設定用の変数。
なお、「大」に設定された比例ゲインKpと積分ゲインKiが、本発明の第1のゲインに相当する。
そして、ロータ角度検出部25は、続くSTEP3で、上述したように高周波電圧を重畳して180度周期でロータ角度を検出する「ロータ角度検出処理」を開始し、STEP4で、上述したように磁極向き判別電流を重畳してロータ2の磁極の向きを判別する「ロータ磁極向き判別処理」を開始する。
次のSTEPで「ロータ磁極向き判別処理」が終了して360度周期でのロータ角度θが決定されたときにSTEP6に進み、第1のPI演算分29及び第2のPI演算部32における比例ゲインKpと積分ゲインKiが、STEP2における「大」設定よりも小さい「小」に切換えられる。
そして、続くSTEP7でトルク指令電流であるd軸指令電流Id_cの印加が開始され、これにより、制御装置10は「小」に設定された比例ゲインKpと積分ゲインKiを用いてd軸指令電圧Vd_cを算出する。
図4(a)は、比例ゲインKp及び積分ゲインKiの設定切換えのタイミングと、ロータ角度検出処理の切換えタイミングを示したグラフであり、縦軸がモータ1の回転数Nに設定され、横軸が時間tに設定されている。そして、図中aはモータ1の回転数Nの推移を示している。図中t10〜t15は図3のフローチャートにおけるSTEP2〜STEPまでの処理に対応しており、比例ゲインKp及び積分ゲインKiが「大」に設定されている。
また、t15は図3のフローチャートにおけるSTEP6〜STEP7の処理に対応しており、t15で比例ゲインKp及び積分ゲインKiが「小」に設定されてd軸指令電流Id_cの印加が開始される。その結果、モータ1が回転を開始して回転数Nが増加し、回転数NがN1に達したt16で、低回転域に対応した高周波電圧の重畳を伴う上記「ロータ角度検出処理」から、高周波電圧の重畳を行わずにモータ1の電機子に生じる逆起電圧によりロータ角度を検出する高回転域用のロータ角度検出処理に切換る。
また、図4(b)は、図4(a)のt10〜t15における「ロータ角度検出処理」と「ロータ磁極向き判別処理」の実行タイミングを詳細に示したものである。図中t10で「ロータ角度検出処理」が開始される。また、t11〜t12で正の磁極判別用電流がq軸指令電流Iq_cに重畳され、t13〜t14で負の磁極判別用電流がq軸指令電流Iq_cに重畳される。
このように、正/負の磁極判別用電流をq軸指令電流Iq_cに重畳し、「ロータ角度検出処理」により検出される180度周期のロータ角度により、3相/dq変換部26及びdq/3相変換部20による変換処理を行ってモータ1の電機子に駆動電圧VU,VV,VWを印加し、上記式(6)により磁極判別値Aを算出する。そして、ロータ角度検出部25は、磁極判別用電流の向き(正/負)と磁極判別値Aによる飽和状態/非飽和状態の検知結果から、ロータ2の磁極の向きを判別する。
次に、図5,図6は、以上説明したように、比例ゲインKpと積分ゲインKiの大きさを、「ロータ磁極判別処理」の実行時に「大」とし、d軸指令電流Id_cの印加開始後は「小」に切換えた場合の効果を示したグラフである。
先ず、図5(a),図5(b)は、縦軸をq軸電流Iqに設定し、横軸を時間tに設定したグラフであり、図5(a)のdは比例ゲインKpと積分ゲインKiを「大」に設定して、t20で磁極向き判別用電流の重畳を開始した場合のq軸電流Iqの変化を示している。この場合、磁極向き判別用電流の重畳を開始してからq軸電流Iqがピーク値I20に達するまでに要する時間はt20〜t21となる。
一方、図5(b)のeは、比例ゲインKpと積分ゲインKiを「小」に設定して、t30で磁極向き判別用電流の重畳を開始した場合のq軸電流Iqの変化を示している。この場合、磁極向き判別用電流の重畳を開始してからq軸電流Iqがピーク値I20に達するまでに要する時間はt30〜t31となり、図5(a)に示したt20〜t21よりも長くなる。
そのため、「ロータ磁極判別処理」の実行時に、比例ゲインKpと積分ゲインKiを「大」に設定することによって、磁極向き判別用電流を重畳したときのq軸電流の変化の応答性が速くなり、q軸電流の立ち上がりを待つ時間を短く設定できるため、「ロータ磁極判別処理」に要する時間を短縮することができる。
また、図6(a),図6(b)は、縦軸をロータ角度θ及び相電流に設定し、横軸を時間tに設定したグラフである。そして、図6(a)は、比例ゲインKpと積分ゲインKiを「大」に設定してd軸トルク指令電流Id_cを印加した場合であり、図中fはロータ角度θの推移を示し、図中gは相電流の推移を示している。
ここで、トルク指令電流であるd軸指令電流Id_cの印加時に、界磁指令電流であるq軸指令電流Iq_cは通常0に設定されるが、ロータ角度の検出誤差Δθに応じて、q軸指令電流Iq_cとq軸実電流Iq_sとの偏差が生じる。そして、該偏差に応じたq軸指令電圧Vq_cが算出されて相電流が生じ、図6(a)においては、相電流の大きさ(peak to peak)はI10〜I11となる。
一方、図6(b)は比例ゲインKpと積分ゲインKiを「小」に設定してd軸トルク指令電流Id_cを印加した場合であり、図中hはロータ角度θの推移を示し、図中iは相電流の推移を示している。そして、図6(b)においては、相電流の大きさ(peak to peak)は図6(a)におけるI10〜I11よりも小さくなる。
ここで、q軸電流Iqは、ロータ2の磁石を減磁する作用を有する。そのため、「ロータ磁極向き判別処理」が終了した後は、比例ゲインKpと積分ゲインKiを「小」に設定することにより、図6(b)に示したようにq軸電流Iqを減少させてロータ2の磁石の減磁を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、比例ゲインKpと積分ゲインKiの設定を「大」と「小」に切換えたが、比例ゲインKpの設定のみを「大」と「小」に切換えるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、本発明のDCブラシレスモータの制御装置10がハイブリッド車両に搭載された態様を示したが、本発明の実施形態はこれに限られず、ロータの磁極向き判別処理を行うDCブラシレスモータの制御装置に対して幅広く適用することができる。
DCブラシレスモータの構造図。 図1に示したDCブラシレスモータの作動を制御する制御装置の制御ブロック図。 図2に示したモータ制御装置の作動フローチャート。 電流フィードバックゲインを切換えるタイミングと磁極向き判別電流を重畳するタイミングを示したグラフ。 電流フィードバックゲインを変更して磁極向き判別用電流を重畳したときのq軸電流の応答性の変化を比較したグラフ。 電流フィードバックゲインを変更してd軸指令電流を印加したときのq軸電流の大きさを比較したグラフ。
1…DCブラシレスモータ、2…ロータ、3…U相の電機子、4…V相の電機子、5…W相の電機子、10…DCブラシレスモータの制御装置、11…エンジン、20…dq/3相変換部、21…高周波重畳部、22…パワードライブユニット、23…U相電流センサ、24…W相電流センサ、25…角度検出部、26…3相/dq変換部、27…非干渉演算部

Claims (2)

  1. DCブラシレスモータを、該モータの界磁の磁束方向であるq軸上にあるq軸電機子と、q軸と直交するd軸上にあるd軸電機子とを有する等価回路に変換して扱い、
    前記モータの電機子に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    該電流検出手段により検出された電流値と、前記モータのロータ角度から、前記q軸電機子に流れるq軸実電流と前記d軸電機子に流れるd軸実電流とを算出する実電流算出手段と、
    前記q軸電機子に流れる電流の指令値であるq軸指令電流と前記q軸実電流との偏差であるq軸電流偏差及び前記d軸電機子に流れる電流の指令値であるd軸指令電流と前記d軸実電流との偏差であるd軸電流偏差を小さくするように、前記d軸電機子に印加する電圧の指令値であるd軸指令電圧及び前記q軸電機子に印加する電圧の指令値であるq軸指令電圧を決定する指令電圧決定手段と、
    前記d軸指令電圧と前記q軸指令電圧とに基づいて、前記モータの電機子に印加する駆動電圧を決定して、前記モータの通電制御を行う通電制御手段と、
    前記モータの回転数が所定値未満であるときは、前記駆動電圧にロータ角度検出用の高周波電圧を重畳したときに前記電流検出手段により検出される電流値に基づいて、前記モータのロータ角度を180度周期で検出する低回転域用のロータ角度検出処理と、前記q軸指令電流に磁極向き判別電流を重畳したときに前記電流検出手段により検出される電流値に基づいて、前記モータのロータの磁極の向きを判別するロータ磁極向き判別処理とを行って、前記モータのロータ角度を360度周期で検出し、前記モータの回転数が前記所定値以上であるときには、前記高周波電圧の重畳を行わずに、前記モータの電機子に生じる逆起電力により前記モータのロータ角度を検出する高回転域用のロータ角度検出処理を行うロータ角度検出手段とを備えたDCブラシレスモータの制御装置において、
    前記指令電圧決定手段は、前記ロータ磁極向き判別処理が実行されるときは、前記q軸電流偏差に第1のゲインを乗じて前記q軸指令電圧を決定し、前記ロータ磁極向き判別処理が終了して前記d軸指令電流の印加が開始された後に、前記低回転域用のロータ角度検出処理が実行されるときには、前記q軸電流偏差に該第1のゲインよりも小さい第2のゲインを乗じて前記q軸指令電圧を決定することを特徴とするDCブラシレスモータの制御装置。
  2. 前記モータを駆動軸に対する駆動力の発生源とする車両に搭載され、
    該車両の運転開始時に、前記ロータ角度検出手段により前記ロータ角度推定処理と前記ロータ磁極向き検出処理とを実行して、360度周期での前記モータのロータ角度の検出が可能となった後に、前記モータのトルク電流を制御するための前記d軸指令電流の印加が開始されることを特徴とする請求項1記載のDCブラシレスモータの制御装置。
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