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JP4456898B2 - 生体内組織閉鎖装置 - Google Patents
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JP4456898B2 - 生体内組織閉鎖装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体内組織閉鎖装置に関するものである。
従来、血管や他の生体内組織中にカテーテル等の診断或いは治療用装置を挿入してなされる低侵襲手術が広く行なわれている。例えば、心臓の冠状動脈の狭窄の治療においては、その治療処置を行なうために血管内へカテーテル等の器具を挿入することが必要になる。
このようなカテーテルの血管内への挿入は、通常、大腿部を切開して形成した穿刺孔を介して行なわれる。従って、治療処置が終了した後に、穿刺孔の止血を行なう必要があるが、大腿動脈からの出血時の血圧(出血血圧)は高いため、医療従事者が長時間の間、手指で押さえ続ける(用手圧迫)等の過酷な作業が必要となる。
近年、このような止血作業を容易かつ確実に行なうために、傷穴から挿入して血管に形成された穴を縫合する縫合装置が開発されている。例えば、装置の端部に籠状に膨らむことのできる部材を設け、縫合の際にこの部材を血管内へ挿入して籠状に膨らませ、その後に縫合用の針を刺し、籠状に膨らんでいる部材を閉じて針をキャッチし、装置の端部を引き抜くものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような構成の縫合装置は、針のキャッチにおける信頼性が低い問題があった。また、縫合用の糸を一旦通した後、その糸の入れ替え作業を行なう必要があるため、縫合に手間と時間がかかるという問題もあった。
一方、生体内組織閉鎖装置として、すでに特許文献2に記載の装置は、硬質のシール部とコラーゲンスポンジとが糸によって連結されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の装置の操作方法は、まず、本体部の先端を血管の傷穴から挿入して、シール部を展開する。次いで、本体部をゆっくり引き抜きながら、シール部を傷穴およびその周辺組織に当接させる。さらにシール部で傷穴を引っ掛けながら本体部を引くと、本体部の先端からコラーゲンスポンジが傷穴の上の組織中に展開される。そして、本体部を体外に抜去して、シール部とコラーゲンスポンジとに連結した糸を引いて、予め設置されている結び目を進め、シール部とコラーゲンスポンジとを引き寄せて止血を行う。最後に、糸を切断して終了する。
しかしながら、このような構成の生体内組織閉鎖装置では、傷穴と同程度の径である本体部からコラーゲンスポンジを傷穴へ向って推進されるので、コラーゲンスポンジを血管内へ挿入させてしまうという問題がある。
また、本体部の先端内でコラーゲンスポンジが膨張して本体部から出ない場合がある。
特表平8−504618号公報 特許第2562007号公報
本発明の目的は、生体内組織膜に形成された傷穴を容易かつ確実に閉じることができて、完全に止血することができるとともに、安全性の高い生体内組織閉鎖装置を提供することにある。
上記のような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) 生体内組織膜を貫通する傷穴を閉鎖するための生体内組織閉鎖装置であって、
前記傷穴を前記生体内組織膜の内側から覆う内シール部と、前記傷穴を前記生体内組織膜の外側から覆う外シール部と、前記傷穴を挿通して前記内シール部と前記外シール部とを連結する連結部とを有する閉鎖手段と、
その先端部が前記傷穴を貫通して生体内組織内に挿入可能であり、その先端部に前記閉鎖手段の前記外シール部を着脱可能に保持する保持手段を有する長尺な装置本体と、
前記装置本体に対し、前記装置本体の先端を超えて先端方向に突出した位置と、基端方向に退避した位置とに進退可能に設置され、その先端に針先を有する複数の長尺な針部材と、
前記各針部材の先端部に着脱可能に装着され、前記針先に伴って前記生体内組織膜および前記内シール部を刺通可能であり、糸挿通孔を有するアンカー部材と、
前記外シール部に形成された貫通孔および前記アンカー部材の糸挿通孔に挿通された糸状部材と、
前記糸状部材を締め付ける締め付け手段とを備えることを特徴とする生体内組織閉鎖装置。
(2) 前記内シール部が前記傷穴を前記生体内組織膜の内面側から覆うように前記閉鎖手段を前記装置本体で支持した状態で、前記針部材を先端方向へ前進させることにより前記アンカー部材が前記針先とともに前記生体内組織膜および前記内シール部を貫通し、次いで前記針部材を退避させることにより前記アンカー部材が前記内シール部に残存し、次いで前記保持手段の前記外シール部に対する保持状態を解除し、その後、前記締め付け手段により前記糸状部材を締め付けることにより前記傷穴付近の前記生体内組織膜が前記外シール部と前記内シール部との間に挟まれて前記傷穴が閉鎖されるように構成されている上記(1)に記載の生体内組織閉鎖装置。
(3) 前記閉鎖手段の少なくとも一部は、繊維の集合体で構成されている上記(1)または(2)に記載の生体内組織閉鎖装置。
(4) 前記閉鎖手段の少なくとも一部は、織布または不織布で構成されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
(5) 前記内シール部および前記外シール部は、それぞれ、板状をなしており、両者のほぼ中央部同士が前記連結部を介して連結されており、前記外シール部は、前記連結部付近を折り目として折り畳まれた姿勢と、開いた姿勢とに変形可能になっている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
(6) 前記糸状部材の一端側には、前記外シール部の貫通孔および前記アンカー部材の糸挿通孔を挿通する輪と、一方向に移動可能な結び目とが形成されており、
前記締め付け手段は、前記輪が小さくなるように前記結び目を移動させることにより、前記糸状部材を締め付ける上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
(7) 前記締め付け手段は、前記糸状部材の他端側を挿通する複数のチューブと、前記チューブの基端開口から出た前記糸状部材に固定された把持部とを備え、前記チューブに対し前記把持部を相対的に基端方向に引っ張ることにより、前記糸状部材を締め付ける上記(6)に記載の生体内組織閉鎖装置。
(8) 前記保持手段は、前記装置本体内に挿通され、その先端側が前記閉鎖手段の外シール部に連結された保持用糸状部材を有し、該保持用糸状部材の張力によって前記外シール部を保持する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
(9) 前記針部材の先端側の部分は、前記装置本体内の先端付近に形成された開口部から突出/没入可能になっている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
(10) 前記閉鎖手段は、生体吸収性材料で構成されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
本発明によれば、安全性が高く、生体内組織膜に形成された傷穴に対し、止血作業を容易にかつ確実に行なうことができる。すなわち、傷穴を容易にかつ確実に閉じる(閉鎖する)ことができ、完全に止血することができる。
特に、内シール部および外シール部によって傷穴を内外の両面側から挟んだ状態にするので、傷穴を確実に閉鎖することができ、確実に止血することができる。また、内シール部と外シール部とが、生体内組織膜を貫通する傷穴だけでなく、その周囲の少なくとも2箇所で糸によって固定されることとなるので、経時変化等によって外れることがなく、確実性の高い止血が可能となる。本発明の生体内組織閉鎖装置は、針と糸を用いるが、従来の縫合装置のように糸を生体内組織膜に複数個所通し、通した穴同士を糸で締め付けるようなことをしないので、糸が通された穴が糸で傷つけられる虞がない。また、傷穴の閉鎖作業も極めて簡単であり、迅速かつ確実に行うことができる。
以下、本発明の生体内組織閉鎖装置を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図12には、本発明による生体内組織閉鎖装置の一実施の形態が示されていて、図1および図2は、それぞれ、生体内組織閉鎖装置の全体を示す断面図および斜視図、図3は閉鎖手段およびノットプッシャー(締め付け手段)の斜視図、図4は結び目の一例を示す説明図、図5は結び目の他例を示す説明図、図6〜図12は図1に示す生体内組織閉鎖装置の作用を説明するための説明図である。
なお、説明の都合上、図1、図2、図6〜図12において、図中の左下側を「先端」、右上側(手元側)を「基端」、図3において、図中の下側を「先端」、上側を「基端」、図4、図5において、図中上側を「先端」、下側を「基端」として説明する。
これらの図に示す生体内組織閉鎖装置1は、例えば、血管等の生体管腔、生体内部器官、生体内部組織等の生体内組織膜に形成され、経皮的に貫通した傷穴55(生体内組織膜を貫通する傷穴)を閉じる(閉鎖する)装置である。
図1に示すように、この生体内組織閉鎖装置1は、長尺状の装置本体2と、装置本体2の先端部に着脱自在に装着され、生体内組織膜を貫通する傷穴55を閉じる閉鎖手段46とを備えている。
装置本体2は、中心部に軸線方向に貫通する貫通孔7を有する略円筒状のシース3と、シース3に着脱自在に装着される長尺状のクロージャー8とを備えており、止血作業(傷穴を閉鎖する作業)の際に、このシース3およびクロージャー8の先端部と閉鎖手段46とが傷穴55を貫通して血管等の生体の管腔(生体管腔)内に挿入される。
シース3は、基端部に他の部分よりも肉厚のハブ4を有し、このハブ4の外周面に断面半円形状の溝5が全周に渡って環状に設けられている。シース3としては、この生体内組織閉鎖装置1に専用のものを用いても良いし、カテーテルを用いた治療(PCI)や診断(CAG)の処置後に留置されるシース(イントロデューサシース)等を用いても良い。すなわち、装置本体2の構成要素には、シース3が含まれても、含まれなくてもよい。
クロージャー8は、シース3の貫通孔7内に装着される棒状のクロージャー本体9と、クロージャー本体9に装着される保持手段27とを備えている。クロージャー本体9の先端部は所定の角度のテーパ面10に形成され、クロージャー本体9を生体内組織膜の傷穴55に挿通し易くしている。
クロージャー本体9の中心部には、クロージャー本体9を軸線方向に貫通する第1貫通孔11が設けられ、この第1貫通孔11内には、後述するノットプッシャー(締め付け手段)31が収納されている。
クロージャー本体9の第1貫通孔11の両側には、クロージャー本体9を略軸線方向に貫通する第2貫通孔12と第3貫通孔14の2つの貫通孔が第1貫通孔11を中心として対称に設けられている。この第2貫通孔12および第3貫通孔14内には、それぞれ、先端に鋭利な針先を有する長尺な針部材41がスライド(進退)自在に挿入されている。
図1および図2に示すように、第2貫通孔12および第3貫通孔14の先端は、クロージャー本体9の先端部の外面側に楕円形状に開口し、この第2貫通孔12および第3貫通孔14の先端側の開口部13、15から針部材41、41がそれぞれ出没可能に構成されている。
クロージャー本体9の基端部には、他の部分よりも肉厚のハブ16が一体に設けられ、このハブ16の先端側の端面には、クロージャー本体9の中心を中心として環状に溝17が設けられ、この溝17内に前述したシース3のハブ4の基端部が嵌合可能に構成されている。
クロージャー本体9のハブ16の溝17には、外周側の面に径方向内方に突出する断面半円形状の突起18が全周に渡って環状に設けられ、クロージャー本体9のハブ16の溝17内にシース3のハブ4の基端部を嵌合させたときに、このクロージャー本体9側の突起18がシース3側の溝5内に嵌合されることにより、クロージャー本体9がシース3に一体に連結される。
クロージャー本体9のハブ16の基端側の端面の中心部には、断面円形状のスライド穴19が所定の深さで設けられ、このスライド穴19の底面側に第1貫通孔11、第2貫通孔12および第3貫通孔14の基端側が開口している。
クロージャー本体9のハブ16には、スライド穴19内外を径方向に貫通するスーチャー引出口20が設けられ、このスーチャー引出口20から後述する保持手段27の保持用スーチャー(保持用糸状部材)28が外部に引き出される。スーチャー引出口20には保持手段27のロックキャップ29が着脱自在に装着され、このロックキャップ29により保持用スーチャー28がクロージャー本体9に保持され、保持用スーチャー28の先端部に装着される後述する閉鎖手段46がクロージャー本体9から脱落するのが防止される。
クロージャー本体9のハブ16のスーチャー引出口20に相対する位置には、スライド穴19内外を径方向に貫通するバックフラッシュ流出口22が設けられ、このバックフラッシュ流出口22を介してクロージャー本体9の第1貫通孔11内に先端側開口部から流入した体液(血液)が外部に流出する。
クロージャー本体9のハブ16のスライド穴19内には、針部材41を操作する操作部材としてのニードルプッシャー23がスライド自在に装着されている。ニードルプッシャー23は、スライド穴19内にスライド自在に装着される円柱状のプッシャー本体24と、プッシャー本体24の基端側に一体に設けられるプッシャー本体24よりも大径のフランジ25とから構成されている。
ニードルプッシャー23のプッシャー本体24の周囲には圧縮スプリング26が巻回され、この圧縮スプリング26の一端はクロージャー本体9のハブ16の基端側の端面に当接し、他端はフランジ25側の面に当接している。この圧縮スプリング26によりニードルプッシャー23がクロージャー本体9から離れる方向に常時付勢されるとともに、この圧縮スプリング26の付勢力に抗してニードルプッシャー23をクロージャー本体9の先端方向に押圧することにより、針部材41、41が同一方向に押圧される。
図2および図3に示すように、閉鎖手段46は、略楕円形板状の内シール部47と、内シール部47の上部に連結される板状の外シール部48と、内シール部47と外シール部48とを連結する連結部51とを有している。
図12に示すように、傷穴55の閉鎖作業(止血作業)の終了後には、内シール部47は、傷穴55を血管壁(生体内組織膜)の内側から覆い、外シール部48は、傷穴55を血管壁(生体内組織膜)の外側から覆い、連結部51は、傷穴55を挿通した状態となる。
図3に示すように、連結部51は、内シール部47および外シール部48のほぼ中央部同士を連結している。この連結部51は、図2に示すように、細くくびれた形状になっている。これにより、傷穴55の閉鎖後に傷穴55が閉じ易くなり、より確実に止血することができる。
外シール部48は、連結部51付近を境に突片49および50に分かれている。外シール部48は、連結部51付近を折り目として突片49、50が互いにくっつくように折り畳まれた姿勢(図2参照)と、開いた姿勢(図3参照)とに変形可能になっている。換言すれば、一対の突片49、50は、内シール部47から連結部51を介して翼状に突出しており、開閉可能になっている。
図2に示すように、閉鎖手段46は、外シール部48を閉じて突片49、50を重ね合わせた姿勢で、この外シール部48をクロージャー本体9の第1貫通孔11内に先端側開口部から挿入した状態で、クロージャー本体9の先端部に保持される。
このような閉鎖手段46は、内シール部47、連結部51および外シール部48が一体的に形成されているのが好ましい。
このような閉鎖手段46は、針部材41、41で穿刺可能な程度の硬さになっている。閉鎖手段46の素材としては、特に限定されないが、針部材41、41での刺通し易さを十分に確保する観点から、主として繊維の集合体で構成されているのが好ましい。
閉鎖手段46を主として繊維の集合体で製造する方法としては、例えば、布状体(織布または不織布)を複数枚重ね合わせ、糸で縫い合わせたりバインダー(接着剤)で貼り付けたりして一体化する方法や、糸(繊維)の集合体を直接バインダーで固める等の方法が挙げられる。
閉鎖手段46は、生体吸収性材料(生体分解性を有する材料)で少なくとも一部を構成することが好ましい。このような材料で構成することにより、所定時間経過後に生体に吸収されることになるので、人体への影響を少なくすることができる。生体吸収性材料としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン等の単体、あるいはこれらの複合体が挙げられる。
閉鎖手段46は、少なくとも一部をX線造影性を有する材料で構成することが好ましい。このような材料で構成することにより、閉鎖手段46の装着過程における状態、装着後の状態を確認することができる。
保持手段27は、閉鎖手段46をクロージャー本体9の先端部に保持し、脱落するのを防止するためのものであって、クロージャー本体9の第1貫通孔11内に装着される保持用スーチャー(保持用糸状部材)28と、この保持用スーチャー28をクロージャー本体9に保持するロックキャップ29とから構成されている。
保持用スーチャー28は、閉鎖手段46の外シール部48の一部を貫通し、二つ折りにして両端部を束ねた状態でクロージャー本体9の第1貫通孔11内を挿通し、スライド穴19およびスーチャー引出口20を介して外部に引き出し、スーチャー引出口20にロックキャップ29を装着することによりクロージャー本体9に保持される。この場合、閉鎖手段46の外シール部48の両突片49、50を畳んで重ねた状態で第1貫通孔11内に挿入し、保持用スーチャー28を引っ張って緩みをなくすことにより、保持用スーチャー28の張力によって閉鎖手段46が離脱することなくクロージャー本体9の先端部に保持される。
図1および図2に示すように、各針部材41の先端部には、糸挿通孔を有するリング状(円筒状)のアンカー部材40が着脱可能に装着されている。このアンカー部材40は、針部材41の針先に伴って生体内組織膜および内シール部47を刺通可能になっている。
図3は、アンカー部材40が針部材41の針先ととともに内シール部47を刺通した後に針部材41が内シール部47から抜去された状態の図になっている。この状態では、アンカー部材40は、内シール部47側に残存する。針部材41が内シール部47から抜去されるとき、針部材41が内シール部47を刺通した孔は内シール部47の素材の復元力によってすぐに閉じ、アンカー部材40はこの孔を通過できないので、針部材41の先端から離脱して内シール部47側に残存する。
図1および図2に示すように、各アンカー部材40の糸挿通孔には、それぞれ、閉鎖手段46を締め付けて傷穴55に定着させるための定着用スーチャー(糸状部材)37が挿通されている。この定着用スーチャー37は、外シール部48に形成された貫通孔をさらに挿通している。
図3に示すように、各定着用スーチャー37の先端部には結び目38を介して輪39が設けられており、この輪39が外シール部48の貫通孔およびアンカー部材40の糸挿通孔を挿通している。すなわち、各定着用スーチャー37を、閉鎖手段46の外シール部48の突片49および50を上面側から下面側に貫通させ、各突片49、50の下面側でアンカー部材40を挿通させ、折り返して各突片49、50を下面側から上面側に貫通させ、各突片49、50の上面側で各定着用スーチャー37の基端側に結び目38により連結している。
結び目38は、例えば図4または図5に示すような結び方になっており、輪39を締め付ける方向(輪39が小さくなる方向)にのみ移動可能になっている。
図1に示すように、定着用スーチャー37を締め付ける締め付け手段としてのノットプッシャー31は、クロージャー本体9の第1貫通孔11内に装着されている。ノットプッシャー31は、図3に示すように、定着用スーチャー37、37の基端側を挿通する一対のチューブ状のノットプッシャーチューブ32、32と、ノットプッシャーチューブ32、32の基端部を束ねて保持するように固定されたチューブハブ33と、各ノットプッシャーチューブ32を挿通した定着用スーチャー37の基端部を固定されたスーチャーハブ(把持部)35とを備えている。
チューブハブ33は、円柱状に形成されている。チューブハブ33には、上下面間を貫通する一対の嵌合孔34、34が設けられ、各嵌合孔34内にそれぞれノットプッシャーチューブ32の基端部が嵌合され、各ノットプッシャーチューブ32がチューブハブ33に一体に連結されている。チューブハブ33の直径は、クロージャー本体9の第1貫通孔11内に遊嵌し得る値に設定されている。
スーチャーハブ35は、チューブハブ33よりも大径の円柱状に形成されている。スーチャーハブ35の外面には、軸線方向を向く断面半円形状のスーチャー用溝36が上下面間を貫通した状態で設けられ、このスーチャー用溝36内を保持手段27の保持用スーチャー28が挿通している。スーチャーハブ35の先端側の端面には、定着用スーチャー37の基端部が固着手段により固着されている。スーチャーハブ35の直径は、クロージャー本体9の第1貫通孔11内にスライド自在に装着し得る値に設定されている。
針部材41は、図1に示すように、先端が尖った針先を有する棒状をなし、クロージャー本体9の第2貫通孔12および第3貫通孔14内にそれぞれスライド自在、かつ先端部が第2貫通孔12および第3貫通孔14の先端側開口部13、15から出没自在に装着されている。
各針部材41の基端部は、図1に示すように、第2貫通孔12および第3貫通孔14の基端側開口部13、15からスライド穴19内に突出し、ニードルプッシャー23のプッシャー本体24の先端側に一体に連結されている。従って、ニードルプッシャー23を圧縮スプリング26の付勢力に抗してクロージャー本体9の先端方向に押圧することにより、ニードルプッシャー23と一体に両針部材41、41が同一方向に移動し、各針部材41の先端部が第2貫通孔12および第3貫通孔14の先端側開口部13、15から外方に突出する。一方、ニードルプッシャー23による押圧状態を解除することにより、圧縮スプリング26の付勢力によってニードルプッシャー23がクロージャー本体9から離れる方向に押圧されて移動し、ニードルプッシャー23と一体に両針部材41、41が同一方向に移動し、両針部材41、41の先端部が第2貫通孔12および第3貫通孔14内に没入する。すなわち、針部材41は、装置本体2の先端を超えて先端方向に突出した位置と、基端方向に退避した位置とに進退可能になっている。
アンカー部材40は、円筒状をなすものであって、内側の糸挿通孔を定着用スーチャー37が挿通可能に構成されている。アンカー部材40は、ニードルプッシャー23を押圧し、各針部材41の先端部を第2貫通孔12および第3貫通孔14の先端側開口部13、15から突出させ、その突出させた各針部材41の先端部に装着される。そして、この状態でニードルプッシャー23を元の位置に復帰させることにより、各針部材41の先端部に装着された状態で第2貫通孔12および第3貫通孔14内に没入する。この状態がクロージャー本体9にアンカー部材40を装着した状態となる。
アンカー部材40は、ニードルプッシャー23を押圧し、各針部材41の先端部を第2貫通孔12および第3貫通孔14の先端側開口部13、15から突出させ、各針部材41の先端部を閉鎖手段46の内シール部47を貫通させることにより、各針部材41と一体に内シール部47を貫通して内シール部47の下面側に配置される。そして、この状態でニードルプッシャー23により各針部材41を元の位置に復帰させることにより、各針部材41が内シール部47から抜かれて各針部材41の先端部からアンカー部材40が離脱し、アンカー部材40が定着用スーチャー37に保持された状態で内シール部47の下面側に留置される。
次に、このような生体内組織閉鎖装置1の組み立て方法の一例について説明する。
まず、閉鎖手段46の外シール部48の一部に保持用スーチャー28を貫通させることにより外シール部48に保持用スーチャー28を取り付ける。そして、ノットプッシャー31のスーチャーハブ35に一対の定着用スーチャー37、37のそれぞれの基端部を固着させ、各定着用スーチャー37をチューブハブ33および各ノットプッシャーチューブ32を挿通させ、各ノットプッシャーチューブ32の先端から突出させる。そして、各ノットプッシャーチューブ32から突出させた各定着用スーチャー37の先端部を閉鎖手段46の外シール部48の突片49または突片50を上面側から下面側に貫通させ、各突片49、50の下面側に位置したアンカー部材40の内側を挿通させる。そして、各定着用スーチャー37を各突片49、50の下面側で折り返して各突片49、50を下面側から上面側に貫通させ、各突片49、50の上面側で各定着用スーチャー37の基端側に図4または図5に示すような方法で巻き付け、締め付け可能な結び目38を有する輪39を形成する。
次に、図1に示すように、閉鎖手段46の外シール部48の突片49および突片50を閉じて重合させ、ノットプッシャー31のスーチャーハブ35、チューブハブ33およびノットプッシャーチューブ32、32をそれらの順にクロージャー本体9の第1貫通孔11内に先端側開口部から挿入し、定着用スーチャー37に装着されている閉鎖手段46の両突片49、50を第1貫通孔11内に挿入する。
これと同時に、保持用スーチャー28を第1貫通孔11内を挿通させ、スライド穴19内に引き出し、スライド穴19からスーチャー引出口20を介して外部に引き出し、スーチャー引出口20にロックキャップ29を取り付け、保持用スーチャー28をクロージャー本体9に保持する。この場合、保持用スーチャー28は、第1貫通孔11内においてスーチャーハブ35のスーチャー用溝36内を挿通する。
次に、ニードルプッシャー23を圧縮スプリング26の付勢力に抗して押圧し、ニードルプッシャー23と一体に両針部材41、41を先端方向に移動させて、両針部材41、41の先端部を第2貫通孔12および第3貫通孔14の先端側開口部13、15から突出させ、その突出させた各針部材41、41の先端部にそれぞれアンカー部材40、40を装着する。
次に、ニードルプッシャー23の押圧状態を解除し、圧縮スプリング26の付勢力によりニードルプッシャー23と一体に両針部材41、41を基端方向に移動させ、両針部材41、41の先端部を第2貫通孔12および第3貫通孔14内に先端側開口部13、15から没入させ、両針部材41、41と一体に両アンカー部材40、40を第2貫通孔12および第3貫通孔14内に没入させる。
次に、保持用スーチャー28を引っ張ることにより保持用スーチャー28の緩みをなくし、この状態でスーチャー引出口20にロックキャップ29を取り付けることにより、クロージャー本体9の先端部に閉鎖手段46を保持することができる。
次に、上記のように構成した本実施の形態による生体内組織閉鎖装置1を用いて行なう止血作業の手順について説明する。
図6に示すように、生体内組織膜の傷穴55内に既に挿入されているシース3の貫通孔7内に、閉鎖手段46を保持した状態でクロージャー8を挿入し、クロージャー8の先端部および閉鎖手段46を傷穴55から血管内に挿入する。この場合、血管内の血液がクロージャー本体9の第1貫通孔11の先端側開口部から第1貫通孔11内に流入し、第1貫通孔11内を介してバックフラッシュ流出口22からクロージャー本体9外に流出するのを確認する。そして、血液のバックフラッシュを確認した後に、クロージャー8をさらに深く挿入し、クロージャー本体9のハブ16の溝17にシース3のハブ4の基端部を挿入し、クロージャー本体9側の突起18をハブ4側の溝5に嵌合させ、クロージャー本体9をシース3に固定する。
次に、図7に示すように、クロージャー8およびシース3を基端方向に引き、それらの先端部を血管の傷穴55から抜去し、閉鎖手段46の内シール部47を血管の傷穴55の内面側に当接させる。これにより、血管内の血液がクロージャー本体9の第1貫通孔11内に流入するのが停止され、バックフラッシュ流出口22からの血液の流出が停止し、閉鎖手段46の内シール部47が血管の傷穴55の内面側に定着されたのが確認される。
次に、図8に示すように、ニードルプッシャー23を圧縮スプリング26の付勢力に抗して押圧し、両針部材41、41を先端方向に移動させ、両針部材41、41の先端部およびアンカー部材40、40を第2貫通孔12および第3貫通孔14の先端側開口部13、15から突出させ、血管壁を外面側から内面側に貫通させ、血管壁の内面側の内シール部47を上面側から下面側に貫通させ、両針部材41、41の先端部および両アンカー部材40、40を内シール部47の下面側に位置させる。
次に、図9に示すように、ニードルプッシャー23の押圧状態を解除し、圧縮スプリング26の付勢力によってニードルプッシャー23と一体に両針部材41、41を基端方向に移動させ、両針部材41、41を内シール部47および血管壁から抜去し、両針部材41、41から両アンカー部材40、40を離脱させて内シール部47の下面側に留置(残存)させ、両針部材41、41をクロージャー本体9の第2貫通孔12および第3貫通孔14内に没入させる。これにより、外シール部48と内シール部47との間に、定着用スーチャー37(輪39)が掛け渡された状態となる。
次に、クロージャー本体9のスーチャー引出口20からロックキャップ29を取り外し、保持用スーチャー28の保持状態を解除し、保持用スーチャー28の一端部を手で掴んで引っ張ることにより、保持用スーチャー28を閉鎖手段46の外シール部48から抜去する。これにより、閉鎖手段46に対する保持状態が解除され、閉鎖手段46が装置本体2から離脱可能となる。
次に、図10に示すように、クロージャー本体9とシース3とを傷穴55から抜去すると、ノットプッシャー31が穿刺部位に残存する。
次に、図11に示すように、ノットプッシャー31のスーチャーハブ35とチューブハブ33とを別々に手で掴み、チューブハブ33とスーチャーハブ35とを互いに離間する方向に移動させる。この操作により、ノットプッシャーチューブ32、32によって各定着用スーチャー37、37の結び目38、38が閉鎖手段46の方向に徐々に推進され、各定着用スーチャー37、37が閉鎖手段46から離れる方向に引き上げられ、各定着用スーチャー37、37の輪39、39が締め付けられ、閉鎖手段46の外シール部48の突片49および突片50が血管壁の外面側に当接し、閉鎖手段46の内シール部47と外シール部48との間で傷穴55付近の血管壁が挟まれた状態となる。一旦締め付けられた結び目38、38は、緩むことはないので、閉鎖手段46の内シール部47と外シール部48との間で血管の傷穴55を確実に塞ぐことができるとともに、塞いだ状態を維持することができる。
次に、図12に示すように、ノットプッシャー31のチューブハブ33、ノットプッシャーチューブ32、32およびスーチャーハブ35を抜去して両定着用スーチャー37、37を残し、体外に出ている両定着用スーチャー37、37の部分を切断して除去する。
このようにして、血管の傷穴55に閉鎖手段46を定着させることができ、血管の傷穴55を塞いで止血することができるものである。
以上説明したように、本発明の生体内組織閉鎖装置1によれば、比較的面積の大きな内シール部47および外シール部48によって傷穴55を内外の両面側から挟んだ状態にするので、傷穴55を確実に閉鎖することができ、確実に止血することができる。また、傷穴55の閉鎖作業も極めて簡単であり、迅速かつ確実に行うことができる。
以上、本発明の生体内組織閉鎖装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、生体内組織閉鎖装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
本発明による生体内組織閉鎖装置の一実施の形態の全体を示した断面図である。 本発明による生体内組織閉鎖装置の一実施の形態の全体を示した斜視図である。 図1のノットプッシャーの斜視図である。 定着用スーチャーの結び目の一例を示した説明図である。 定着用スーチャーの結び目の他例を示した説明図である。 図1の生体内組織閉鎖装置の作用を示した説明図であって、シース内にクロージャーを挿入した状態を示した説明図である。 図1の生体内組織閉鎖装置の作用を示した説明図であって、シースおよびクロージャーを引いて閉鎖手段の内シール部を血管の内面に当接させた状態を示した説明図である。 図1の生体内組織閉鎖装置の作用を示した説明図であって、針部材およびアンカー部材を閉鎖手段の内シール部に貫通させた状態を示した説明図である。 図1の生体内組織閉鎖装置の作用を示した説明図であって、保持手段のロックキャップを取り外し、保持用スーチャーを取り外す状態を示した説明図である。 図1の生体内組織閉鎖装置の作用を示した説明図であって、シースおよびクロージャーを抜去した状態を示した説明図である。 図1の生体内組織閉鎖装置の作用を示した説明図であって、ノットプッシャーにより結び目を推進させて、閉鎖手段の外シール部を血管の外面に当接させた状態を示した説明図である。 図1の生体内組織閉鎖装置の作用を示した説明図であって、ノットプッシャーを抜去し、定着用スーチャーの余分な部分を切断した状態を示した説明図である。
符号の説明
1 生体内組織閉鎖装置
2 装置本体
3 シース
4 ハブ
5 溝
7 貫通孔
8 クロージャー
9 クロージャー本体
10 テーパ面
11 第1貫通孔
12 第2貫通孔
13 開口部
14 第3貫通孔
15 開口部
16 ハブ
17 溝
18 突起
19 スライド穴
20 スーチャー引出口
22 バックフラッシュ流出口
23 ニードルプッシャー
24 プッシャー本体
25 フランジ
26 圧縮スプリング
27 保持手段
28 保持用スーチャー
29 ロックキャップ
31 ノットプッシャー
32 ノットプッシャーチューブ
33 チューブハブ
34 嵌合孔
35 スーチャーハブ
36 スーチャー用溝
37 定着用スーチャー
38 結び目
39 輪
40 アンカー部材
41 針部材
46 閉鎖手段
47 内シール部
48 外シール部
49、50 突片
51 連結部
55 傷穴

Claims (10)

  1. 生体内組織膜を貫通する傷穴を閉鎖するための生体内組織閉鎖装置であって、
    前記傷穴を前記生体内組織膜の内側から覆う内シール部と、前記傷穴を前記生体内組織膜の外側から覆う外シール部と、前記傷穴を挿通して前記内シール部と前記外シール部とを連結する連結部とを有する閉鎖手段と、
    その先端部が前記傷穴を貫通して生体内組織内に挿入可能であり、その先端部に前記閉鎖手段の前記外シール部を着脱可能に保持する保持手段を有する長尺な装置本体と、
    前記装置本体に対し、前記装置本体の先端を超えて先端方向に突出した位置と、基端方向に退避した位置とに進退可能に設置され、その先端に針先を有する複数の長尺な針部材と、
    前記各針部材の先端部に着脱可能に装着され、前記針先に伴って前記生体内組織膜および前記内シール部を刺通可能であり、糸挿通孔を有するアンカー部材と、
    前記外シール部に形成された貫通孔および前記アンカー部材の糸挿通孔に挿通された糸状部材と、
    前記糸状部材を締め付ける締め付け手段とを備えることを特徴とする生体内組織閉鎖装置。
  2. 前記内シール部が前記傷穴を前記生体内組織膜の内面側から覆うように前記閉鎖手段を前記装置本体で支持した状態で、前記針部材を先端方向へ前進させることにより前記アンカー部材が前記針先とともに前記生体内組織膜および前記内シール部を貫通し、次いで前記針部材を退避させることにより前記アンカー部材が前記内シール部に残存し、次いで前記保持手段の前記外シール部に対する保持状態を解除し、その後、前記締め付け手段により前記糸状部材を締め付けることにより前記傷穴付近の前記生体内組織膜が前記外シール部と前記内シール部との間に挟まれて前記傷穴が閉鎖されるように構成されている請求項1に記載の生体内組織閉鎖装置。
  3. 前記閉鎖手段の少なくとも一部は、繊維の集合体で構成されている請求項1または2に記載の生体内組織閉鎖装置。
  4. 前記閉鎖手段の少なくとも一部は、織布または不織布で構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
  5. 前記内シール部および前記外シール部は、それぞれ、板状をなしており、両者のほぼ中央部同士が前記連結部を介して連結されており、前記外シール部は、前記連結部付近を折り目として折り畳まれた姿勢と、開いた姿勢とに変形可能になっている請求項1ないし4のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
  6. 前記糸状部材の一端側には、前記外シール部の貫通孔および前記アンカー部材の糸挿通孔を挿通する輪と、一方向に移動可能な結び目とが形成されており、
    前記締め付け手段は、前記輪が小さくなるように前記結び目を移動させることにより、前記糸状部材を締め付ける請求項1ないし5のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
  7. 前記締め付け手段は、前記糸状部材の他端側を挿通する複数のチューブと、前記チューブの基端開口から出た前記糸状部材に固定された把持部とを備え、前記チューブに対し前記把持部を相対的に基端方向に引っ張ることにより、前記糸状部材を締め付ける請求項6に記載の生体内組織閉鎖装置。
  8. 前記保持手段は、前記装置本体内に挿通され、その先端側が前記閉鎖手段の外シール部に連結された保持用糸状部材を有し、該保持用糸状部材の張力によって前記外シール部を保持する請求項1ないし7のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
  9. 前記針部材の先端側の部分は、前記装置本体内の先端付近に形成された開口部から突出/没入可能になっている請求項1ないし8のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
  10. 前記閉鎖手段は、生体吸収性材料で構成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の生体内組織閉鎖装置。
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