JP4460384B2 - レーザプロジェクタ - Google Patents
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Description
そして、このHMDは、最近着目されているユビキタスコンピュ−ティングに基づく表示手段としての強化現実感技術を実現させる装置でもあり、ユビキタス情報である視覚情報をいつでもまたどこでも提示できる装置として着目され得る。
このような問題を解決する方法として対象物上そのものに視覚情報を投影するという特許文献1及び2に示す技術がある。特許文献1では、オペレータの代わりにロボットにて観察者を診断あるいは介護する場合、診断あるいは介護される観察者がHMDを装着してロボットに対しオペレータの視覚情報を投影することで、観察者による違和感をなくすことが開示され、また、特許文献2では、実物体を遮蔽材によって隠すことにより、実物体と視覚情報である仮想物体との間を正しく遮蔽し、現実感の高い仮想空間を提示することが開示されている。しかしながら、この特許文献1及び2に示す技術は、対象物上の投影光の散乱等により実際上観察者が視認できる明るさが得られないため、対象物上に入射方向しか反射しない再帰性反射材を塗布しなければならず、この対象物に再帰性反射材を塗布することは,対象物に塗布できる場合は格別一般的には不可能なことが多いという問題が生じている。
一方、HMDではないが、非特許文献1では視覚情報を対象物上に投影ししかも対象物上に再帰性反射材を塗布することがない装置として、レーザ光の走査により患者の手術部位を照射し、例えば手術部位の縁取り等をレーザ光にて行い観察者にその部位を明示するというレーザプロジェクション技術が開示される。ところがこの場合、観察者の視線の方向とレーザ光の照射方向とが一致しないので、内部に手術部位がある場合には観察者の視点位置と手術部位の3次元形状や位置とを計測することでレーザ光の投影をリアルタイムで変形させる必要が生じる。この3次元計測に基づく演算処理の負担やコストを考慮すると、このレーザプロジェクション技術は複雑な装置構成で高価な物とならざるを得ないという状況である。
本発明は、上述の問題に鑑みて発明されたもので、観察者の視線の方向とレーザ光の照射方向とを一致させた上で、観察者による焦点変更動作を行うことや対象物への再帰性反射材の塗布をさせないで、対象物上に視認可能な視覚情報を形成するレーザプロジェクタの提供を目的とする。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態であるレーザプロジェクタのブロック図を示す。図1において、レーザ光源1は、小型で可視光が発振されるレーザ光源である。このレーザ光源1からのレーザ光(レーザビーム)は、光走査部2の一部を構成するガルバノミラー等の光走査体3に入射される。光走査体3は、水平走査モータ(第1モータとする)4及び垂直走査モータ(第2モータとする)5にて水平方向駆動あるいは垂直方向駆動が行われ、入射するレーザ光を水平及び垂直方向にスキャンニングするように回動制御される。光走査体3にてスキャンニングされたレーザ光は、例えばハーフミラー等の結合部6にて反射され対象物(図示省略)に照射される。ここで結合部6は、観察者の視線とレーザ光とを合致させるもので、結合部6に対して光走査体3のスキャンニングの中心と観察者の視点7とが同じ距離になるようにすなわち共役となるように相互に配置されている。従って、光走査体3にてスキャンニングされたレーザ光は,あたかも観察者の視点7から出射したかのように振舞い、対象物上にレーザ光の走査に基づくオーバレイ画像を得ることができる。
一方、読み出し処理部9は,走査部2にあってスキャン制御部12に接続されている。このスキャン制御部12は、画像メモリ8での1フレームの画像情報の読み出しに同期して水平方向の第1モータ4及び垂直方向の第2モータ5を制御する駆動制御信号を生成する。すなわち、この駆動制御信号は、光走査体3を水平方向に振らせるように第1モータ4が画像情報の読み出しに同期して生成され、しかも、光走査体3を垂直方向に振らせるように第2モータ5が画像情報の読み出しに同期して生成される。この結果、観察者の視点と共役な位置から出射されたレーザ光はスクリーンである対象物表面上にビームスポットとして結像され、これを高速にスキャンニングすることにより視覚情報を対象物上のオーバレイ画像として提示する。従って、観察者の視線の方向とレーザ光の出射方向とを一致させた上で、対象物上に視覚情報であるオーバレイ画像を描くことになるので、観察者には単一の焦点にて対象物及びオ−バレイ画像を視認することができる。更に、オーバレイ画像は対象物上にレーザビームスポットとして照射・投影されることになるので、観察者は勿論傍らの対象物を見る者にもオーバレイ画像を視認することができる。
また,この限定された走査範囲の画像を扱うことは、ユビキタスコンピューティングでの強化現実感応用技術にも沿うものである。すなわち、ユビキタス情報の対象物上へのオーバレイ画像の提示においては,実視野内の対象物を見ていることに重点が置かれることになるため,実際上視野全体を覆う程のオーバレイ画像を投影することは必要なく,むしろ視野内での対象物上にて正確な位置に安定して少量の画像情報が提示されることが重要である。従って,大きな視野を覆うようなレーザプロジェクション投影ではなく,複数の小領域を順次個別にスキヤニングすることで必要な画像情報の提示としては十分であり、しかもレーザスポット光量のワット数も相対的に小さく押さえられることになる。これによって従来問題とされてきたレーザプロジェクションの光量不足を回避することが可能となる。
〔第2実施形態〕
図2は、本発明の第2実施形態を示すブロック図である。この図2にて図1と同一部分には同符合を付す。すなわち,レーザ光源1からのレーザ光は、第1モータ4及び第2モータ5にて水平方向及び垂直方向に駆動される光走査体3にてスキャンニングされ、観察者の視線との結合部6にて折り曲げられ対象物に照射される。本実施形態では、光走査体3のスキャンニングの中心に対してレーザ光源1と共役な位置に光検出器13を備えている。すなわち、レーザ光源1と光走査体3との間にハーフミラー14を置き、このハーフミラー14によってレーザ光源1からのレーザ光を光走査体3に導き、結合部6を介して対象物のビームスポットを結像させる反面、対象物上のビームスポットによる散乱光が逆行すると、結合部6、光走査体3を介してハーフミラー14を透過し、光検出器13にてこの対象物に投影されたビームスポットの散乱光を検出するようにしたものである。
従って、図2に示すように光検出器13に検出処理部15を接続し、この検出処理部15に表示器16を接続することにより、対象物からの光伝搬情報を表示することが可能となる。この場合、検出処理部は15は、対象物自体が変調された光を発し又は変調された反射率変化を伴う能動的な光伝搬情報を出力する信号源である場合には例えば復調器を含む信号処理部151である。一方、対象物からの情報伝送が、対象物自体の例えば状態情報等レーザ光によるいわゆる受動的な変化情報である場合もあり、この場合には検出処理部15は例えば単なる信号変換部でもある。
〔第3実施形態〕
図3、図4は、本発明の第3実施形態を示すブロックである。図1及び図2に示す例では、視覚情報が対象物をスクリーンとして結像されることになるので、観察者以外にもこの視覚情報が視認することができるのであるが、この実施形態では、観察者を除いて視覚情報を秘匿したい場合もあるので、その例を示したものである。なお、図3、図4において図1,図2と同一部分には同符号を付す。図3においては、二つのレーザ光源1a、1bを備え、このレーザ光源1a、1bからのそれぞれのレーザ光を合波するようにハーフミラー14が備えられる。そして、このハーフミラー14にて反射しまたは透過したレーザ光は、第1モータ4及び第2モータ5にてスキャンニングされる光走査体3に入射して偏向され,結合部6を介して観察者の視点7から出射されるようにして対象物に照射される。ここで、二つのレーザ光源1a、1bは画像信号源17に接続され、この画像信号源17では、画像情報から例えばポジ画像とネガ画像とを生成しこのそれぞれのポジ画像、ネガ画像にて異なるレーザ光源1a、1bを制御するようにしている。また、レーザ光源1a、1bとハーフミラー14との間には,偏光板18a、18bが備えられ、この偏光板18a、18bは、互いに直行する偏光板である。この結果、画像信号源17にて制御されたレーザ光源1a、1bからのレーザスポットは光走査体3にてスキャンニングされ対象物に結像されることになるが、レーザ光源1a、1bのレーザスポットはポジとネガとの関係にあるので、対象物上でのオーバレイ画像としてはポジとネガとを合わせた特徴のない明領域でしかない。この場合、結合部6と観察者の視点7との間に偏光板18aあるいは18bと同じ偏光板19を配置することにより,観察者は一方の偏光に伴うポジあるいはネガの画像のみを視認することができる。
〔第4実施形態〕
これまでの説明においてレーザ光源1からのレーザ光を結合部6にて観察者の視点から出射させるように振る舞うためには、本発明のレーザプロジェクタは観察者の頭部に搭載する構造とするのが最も適切である。図5は、この頭部に搭載するプロジェクタとして発明者が試作したもので、図3に示すレーザ光源1a、1bと偏光板18a、18bを備えた例の外観を示す。すなわち、図5において、観察者の頭部へ装着するブラケット50の中央部にはユニット本体51が取り付けられており、この図3のものを対象に例示するユニット本体51には図3と同様にレーザ光源(レーザダイオードユニット)1a、1bが互いに直角に取り付けられ、更に光走査部2の第1モータ4及び第2モータ5が取り付けられる構成となっている。そして、レーザ光は、図5のユニット本体51の下方から前方に向かって照射される。
図9は、MHDと本実施形態のプロジェクタとを用いて、0〜2mの複数の焦点深度での仮想視力をグラフとしたもので、HMDに比べ本実施形態のプロジェクタでは視力が大幅に向上しており、レーザ光の走査による解像度の向上や揺らぎの抑止に基づく解像度の向上が著しい。なお、図9ではHMDの仮想視力を本例のプロジェクタと比較のため標準化換算しており、この標準化換算特性はHMD特性の最高点(距離0.9m)を本例のプロジェクタの特性と合わせて換算したものである。図示のように本例のプロジェクタの特性はHMDと比較しても極めて優れる。因みに、本例のプロジェクタの最低視力は0.67である。
また、図11は、本発明のプロジェクタの使用法の一具体例を示すもので、牛の腹を対象物として視覚情報を描画している状態を示す。ここでは、観察者が複数の対象物として視覚情報を、牛の腹のスクリーンとして視認する様子と共に、手に持ったノートのスクリーンとして視認する様子を示しており,この対象物の変更は前述の光走査体のスキャンニング角度の変更により可能である。またこのとき、牛の腹のオーバレイ画像は周囲(傍ら)の観察者にも視認することができる様子を示している。更には,牛の腹へのレーザビームの照射によって牛の体温が計れる場合には、照射による散乱光をこのプロジェクタが取り込むことにより、図2に基づく信号処理により体温を検出することもできる。
Claims (9)
- レーザ光源からのレーザ光を光走査部にてスキャンニングしてこのレーザ光の出射方向を水平及び垂直に振らせることにより対象物に描画をするレーザプロジェクタにおいて、
上記光走査部での上記レーザ光のスキャンニングの中心位置と視点位置とを共役な位置に置いて上記光走査部からのレーザ光の出射方向を視線の方向に合致させる結合部と、
上記光走査部でのレーザ光のスキャンニングの中心位置に対して上記レーザ光源位置と共役な位置に配置した光検出器と、
を有することを特徴とするレーザプロジェクタ。 - レーザ光源からのレーザ光を光走査部にてスキャンニングしてこのレーザ光の出射方向を水平及び垂直に振らせることにより対象物に描画をするレーザプロジェクタにおいて、
上記光走査部での上記レーザ光のスキャンニングの中心位置と視点位置とを共役な位置に置いて上記光走査部からのレーザ光の出射方向を視線の方向に合致させる結合部と、
上記光走査部でのレーザ光のスキャンニングの中心位置に対して上記レーザ光源位置と共役な位置に配置した光検出器とを有し、
上記レーザ光をスキャンニングする上記光走査部には、スキャンニングする面積に応じてラスタスキャンもしくはベクトルスキャンの少なくとも一方により行うスキャン制御部を有することを特徴とするレーザプロジェクタ。 - 上記光検出器は、対象物自体能動的に出力する光伝搬情報を検出し、あるいは対象物自体の受動的な変化情報を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザプロジェクタ。
- 上記光検出器に接続される検出処理部は、上記光走査体の駆動制御信号に基づき対象物への画像の位置情報を計測することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザプロジェクタ。
- レーザ光源からのレーザ光を光走査部にてスキャンニングしてこのレーザ光の出射方向を水平及び垂直に振らせることにより対象物に描画をするレーザプロジェクタにおいて、
上記光走査部での上記レーザ光のスキャンニングの中心位置と視点位置とを共役な位置に置いて上記光走査部からのレーザ光の出射方向を視線の方向に合致させる第1の結合部と、
合波すると特徴が出ない二つの特徴情報を描画される視覚情報から生成する画像信号源と、
この画像信号源にて制御される2つのレーザ光源と、
上記2つのレーザ光源と上記光走査部との間に配置されて2つのレーザ光を合波する第2の結合部と、
上記第1の結合部と視点との間に配置された一方の特徴情報を取り出す手段と、
を有することを特徴とするレーザプロジェクタ。 - 上記二つの特徴情報に基づくレーザ光は互いに直交する偏光板を透過し,上記一方の特徴情報を取り出す手段は偏光板であることを特徴とする請求項5に記載のレーザプロジェクタ。
- レーザ光源からのレーザ光を光走査部にてスキャンニングしてこのレーザ光の出射方向を水平及び垂直に振らせることにより対象物に描画をするレーザプロジェクタにおいて、
上記光走査部での上記レーザ光のスキャンニングの中心位置と視点位置とを共役な位置に置いて上記光走査部からのレーザ光の出射方向を視線の方向に合致させる結合部と、
合波すると特徴が出ない二つの特徴情報を描画される視覚情報から生成する画像信号源と、
この画像信号源にて制御される1つのレーザ光源と、
上記二つの特徴情報を切り分けて上記レーザ光源に供給するスイッチング素子と、
上記一方の特徴情報を有するレーザ光を上記スイッチング素子に同期して取り出す光スイッチング手段とを
有することを特徴とするレーザプロジェクタ。 - 上記レーザ光源からのレーザ光をスキャンニングして出射する構成は、頭部に装着する構成であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のレーザプロジェクタ。
- 頭部の回動を検出するセンサと,このセンサによる検出値に基づき検出値の1/2の値を演算する演算器とを有し、この演算器出力にて上記光走査部のスキャンニング速度を上記頭部の回動を補償するように制御することを特徴とする請求項8に記載のレーザプロジェクタ。
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