JP4463508B2 - 化粧フィルム及び積層化粧シート - Google Patents
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Description
ラミネート金属板用の積層化粧シートとして、塩化ビニル樹脂フィルムに二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層したシートが用いられている。塩化ビニル樹脂フィルムは安価で成形加工性が良好であり、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは機械的特性、平滑性、透明性、耐溶剤性、印刷性などが良好であるので、塩化ビニル樹脂フィルムと二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの積層品は、積層化粧シートとして優れた性質を有している。しかし、製品が最終的に廃棄物となったとき、塩化ビニル樹脂からの有害物の発生が懸念されることから、塩化ビニル樹脂フィルムを使用しない積層化粧シートの開発が試みられている。
例えば、真空プレス成形、圧空プレス成形、メンブレンプレス成形などの熱加工による成形性が良好であり、ワイピング印刷や表面塗装時の溶剤などに起因する微小クラックによる白化が防止でき、従来の塩化ビニル樹脂製化粧フィルムと同様に扱うことができるポリエステル樹脂製化粧フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート樹脂又はポリブチレンテレフタレート樹脂0〜60重量%とジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール25〜35モル%とエチレングリコール65〜75モル%である非晶質ポリエステル樹脂40〜100重量%からなる基材フィルムと、ポリエチレンテレフタレート樹脂又はポリブチレンテレフタレート樹脂5〜60重量%とジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分が1,4−シクロヘキサンジメタノール25〜35モル%とエチレングリコール65〜75モル%である非晶質ポリエステル樹脂40〜95重量%からなる透明な保護フィルムとを積層してなる化粧フィルムが提案されている(特許文献1)。この化粧フィルムは、成形加工性が良好であり、エンボス加工も可能であるが、単純に塩化ビニル系樹脂フィルムを非晶質ポリエステル樹脂フィルムで置き換えると、非晶質ポリエステル樹脂フィルムが加熱ドラムに融着し、安定して化粧フィルムを製造することができない。また、耐熱性が不足し、高温に加熱するとシボ形状が変化するいわゆるシボ流れ現象が起こりやすく、用途的な制限を受けている。このために、ホットメルト樹脂との押出ラミネーションや、金属板との熱ラミネーションが可能な、優れた耐熱性を有する化粧フィルム及び積層化粧シートが求められている。さらに、家屋内装材の中でも、高温多湿に曝されるユニットバスなどは、耐湿熱性が特に要求される。耐湿熱性が不十分であると、フィルムの膨れや基材からの剥離などの現象が起こりやすく、用途的な制限を受ける。
滑剤による意匠性の低下を生ぜず、従来のポリ塩化ビニル樹脂と同等以上のエンボス加工性、加工性、耐水劣化性、耐アルカリ性などに優れた化粧フィルムとして、基材樹脂層がポリブチレンテレフタレートからなり、表面樹脂層がポリトリメチレンテレフタレートからなる化粧フィルムが提案されている(特許文献2)。また、従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムを用いた化粧シートと同等以上の印刷鮮鋭性と、意匠性に優れた絵柄模様を有し、環境適性、耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性、加工性に優れた化粧板積層用印刷樹脂フィルムとして、最表層が透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムであり、基材樹脂層がポリトリメチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートのブレンド樹脂である化粧板積層用印刷樹脂フィルムが提案されている(特許文献3)。本発明者らは、耐加水分解性に優れるといわれるポリトリメチレンテレフタレート樹脂を用いて、化粧フィルムの製造を試みた。樹脂成分として、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂を用いると、耐湿熱性の良好な化粧フィルムが得られたが、耐衝撃性が不良であった。また、この化粧フィルムを積層して得られた積層化粧シートは、耐カール性が不良であった。化粧フィルムでも、積層化粧シートでも、耐衝撃性が低いことは致命的な欠陥となる。また、積層化粧シートがカールすると、基材に貼るときに、シートにシワが入りやすく、作業性も悪くなる。また、単層の化粧フィルムを製膜加工したのち、積層化粧シート用の化粧フィルムを製膜加工するときは、別の組成物であれば、フィルム交換が必要であり、作業性が落ち、製品歩留まりも悪くなる。そこで、化粧フィルムでも、積層化粧シートでも、同じフィルムを使用することが望まれている。
すなわち、本発明は、
(1)上地が、樹脂成分として、(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂28〜95重量%と、(B)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60モル%以上90モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%以上40モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(C)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール10モル%以上60モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール40モル%以上90モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(D)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とネオペンチルグリコール10〜40モル%であるネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及び、(E)ジカルボン酸成分がテレフタル酸60〜98モル%とイソフタル酸2〜40モル%であり、グリコール成分がエチレングリコールであるイソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂5〜72重量%を含有する透明な化粧フィルムであり、下地が、顔料を含有し、隠蔽率が0.95以上である樹脂成分として、(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂28〜95重量%と、(B)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60モル%以上90モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%以上40モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(C)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール10モル%以上60モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール40モル%以上90モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(D)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とネオペンチルグリコール10〜40モル%であるネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及び、(E)ジカルボン酸成分がテレフタル酸60〜98モル%とイソフタル酸2〜40モル%であり、グリコール成分がエチレングリコールであるイソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂4〜71重量%と、(F)ポリブチレンテレフタレート系樹脂、(G)ポリテトラメチレングリコールを共重合成分として10〜30重量%含むポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、(H)ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜95モル%とイソフタル酸5〜30モル%であり、グリコール成分が1,4−ブタンジオールであるイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、及び、(I)アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体若しくはその水添物(HSBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)、オレフィン結晶−ポリエチレンブチレン−ポリオレフィン結晶ブロック共重合体(CEBC)又は熱可塑性ポリエステルエラストマーから選ばれる少なくとも1種以上の樹脂1〜60重量%を含有する化粧フィルムであり、上地の化粧フィルムの裏面にバックプリント印刷層又は下地の化粧フィルムの積層面に印刷層を有し、上地と下地が熱ラミネーション又はドライラミネーションにより積層されてなることを特徴とする積層化粧シート、
(2)積層された上地フィルムの上面若しくは下面又は下地フィルムの上面がエンボス加工されてなる第1項記載の積層化粧シート、及び、
(3)積層された上地フィルムの上面に二液硬化型トップコート又は紫外線硬化型トップコートを有する第1項又は第2項記載の積層化粧シート、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(4)上地の厚さが10〜300μmであり、下地の厚さが10〜400μmである第1項記載の積層化粧シート。
本発明において、(B)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60モル%以上90モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%以上40モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂の含有量は、樹脂成分の5〜50重量%であることが好ましく、10〜40重量%であることがより好ましい。シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有させることにより、耐衝撃性を向上することができる。
本発明において、(D)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とネオペンチルグリコール10〜40モル%であるネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂の含有量は、樹脂成分の5〜60重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましい。ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有させることにより、化粧フィルムの耐衝撃性を向上することができる。
本発明において、(E)ジカルボン酸成分がテレフタル酸60〜98モル%とイソフタル酸2〜40モル%であり、グリコール成分がエチレングリコールであるイソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂の含有量は、樹脂成分の5〜40重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましい。イソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有させることにより、化粧フィルムの耐衝撃性を向上することができ、積層化粧シートとしたときの耐カール性が良好となる。
本発明において、(G)ポリテトラメチレングリコールを共重合成分として10〜30重量%含むポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂の含有量は、樹脂成分の10〜50重量%であることが好ましく、20〜40重量%であることがより好ましい。ポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂を含有させることにより、化粧フィルムの耐衝撃性を向上することができる。
本発明において、(H)ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜95モル%とイソフタル酸5〜30モル%であり、グリコール成分が1,4−ブタンジオールであるイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂の含有量は、樹脂成分の20〜60重量%であることが好ましく、30〜50重量%であることがより好ましい。イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂を含有させることにより、化粧フィルムの耐衝撃性が向上するとともに、熱ラミネートも容易になる。
本発明において、(I)アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエンの三元共重合体(EPDM)、エチレン−ブテン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体若しくはその水添物(HSBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS;すなわちスチレン−ブタジエン・イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(部分水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、SBBS)、オレフィン結晶−ポリエチレンブチレン−ポリオレフィン結晶ブロック共重合体(CEBC)又は熱可塑性ポリエステルエラストマーの含有量は、樹脂成分の2〜20重量%であることが好ましく、5〜15重量%であることがより好ましい。これらのエラストマーを含有させることにより、化粧フィルムの低温特性を向上し、低温時におけるワレの発生を防止することができる。
本発明において、顔料を含有する化粧フィルムの隠蔽率は0.95以上であることが好ましく、0.97以上であることがより好ましく、0.99以上であることがさらに好ましい。隠蔽率が0.95未満であると、化粧フィルムを金属板などと積層して得られるラミネート金属板などの外観が、基材である金属板などの色調に影響されるおそれがある。化粧フィルムの隠蔽率は、JIS K 5400 7.2に準じて求めることができる。視感反射率80±1の白地と、視感反射率2以下の黒地に塗り分けたアート紙を隠蔽率試験紙とし、隠蔽率試験紙に化粧フィルムを重ねて視感反射率を測定し、黒地の上の化粧フィルムの視感反射率をB、白地の上の化粧フィルムの視感反射率をWとすると、隠蔽率HPは次式により求めることができる。
HP = B/W
隠蔽率が0.98になると、肉眼では白地の上と黒地の上を識別することができない。化粧フィルムを積層する金属板などには、白地と黒地のような極端な色調の差はないので、隠蔽率0.95以上の化粧フィルムにより均一な色調のラミネート金属板などを安定して製造することができる。
本発明の化粧フィルムは、厚さが10〜400μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましい。厚さが10μm未満であると、破れやすく、製膜が困難になるおそれがある。厚さが400μmを超えると、製膜加工の作業性が低下するおそれがある。
本発明の化粧フィルムには、必要に応じて、エンボス加工を施すことができる。エンボス加工の方法に特に制限はなく、例えば、オンラインで製膜と同時にエンボス加工することができ、あるいは、オフラインでドラム加熱型エンボッサー、マルチシリンダー型エンボッサーなどを用いてエンボス加工することもできる。
本発明の化粧フィルムは、表面に二液硬化型トップコート又は紫外線硬化型トップコートを有することができる。表面にトップコートを施すことにより、化粧フィルムの耐擦傷性を向上し、表面に傷のつきにくい優れた化粧フィルムを得ることができる。二液硬化型トップコートは、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなる二液型ポリウレタンを塗布して硬化させることにより形成することができる。紫外線硬化型トップコートは、コート層の紫外線硬化波長とは異なる波長帯の特性吸収波長を有し、材料劣化を引き起こす特定の紫外線を吸収する紫外線吸収剤と光安定剤を含む材料を化粧フィルムに塗布して、紫外線硬化することにより形成することができる。
本発明に用いる二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルムとしては、例えば、ジカルボン酸成分がテレフタル酸とイソフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコールであって、融点200〜240℃のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂を、Tダイを用いて製膜し、二軸延伸することにより得られるフィルムなどを挙げることができる。上地に二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルムを用いることにより、二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルムに直接エンボス加工を施すことができる。エンボス加工の方法に特に制限はなく、例えば、オンラインで製膜と同時にエンボス加工することができ、あるいは、オフラインでエンボッサーを用いてエンボス加工することもできる。
本発明においては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルムと化粧フィルムとを熱ラミネーション又はドライラミネーションにより積層する。熱ラミネーションにおいては、2枚のフィルムを加熱ロールで圧着して貼り合わせ、冷却して積層化粧シートとして巻き取ることができる。ドライラミネーションにおいては、フィルム表面に有機溶剤に溶かした接着剤を塗工し、乾燥炉で溶剤を蒸発させて乾燥したのち、他のフィルムと加熱ロールで圧着し、積層化粧シートとして巻き取ることができる。必要に応じて、一方又は両方の接着面にあらかじめコロナ放電処理して、接着性を高めることができる。使用する接着剤に特に制限はないが、ポリエステル系接着剤を好適に用いることができる。接着剤層の厚さは、2〜30μmであることが好ましい。
本発明の積層化粧シートは、上地の厚さが10〜300μmであることが好ましく、15〜200μmであることがより好ましい。上地の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルムの厚さが10μm未満であると、化粧フィルムとの積層加工時に破れやすく、加工性が不良となるおそれがある。二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルムの厚さが300μmを超えると、ラミネート金属板の曲げや絞りなどの加工の際に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルムが剥離しやすく、加工性が低下するおそれがある。上地の化粧フィルムの厚さが10μm未満であっても、300μmを超えても、製膜時の加工性が不良になるおそれがある。本発明の積層化粧シートは、下地の化粧フィルムの厚さが10〜400μmであることが好ましく、40〜300μmであることがより好ましい。下地の化粧フィルムの厚さが10μm未満であっても、400μmを超えても、製膜時の加工性が不良になるおそれがある。
本発明の積層化粧シートは、表面に二液硬化型トップコート又は紫外線硬化型トップコートを有することが好ましい。表面にトップコートを施すことにより、化粧フィルムの耐擦傷性を向上し、表面に傷のつきにくい優れた積層化粧シートを得ることができる。二液硬化型トップコートは、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなる二液型ポリウレタンを塗布して硬化させることにより形成することができる。紫外線硬化型トップコートは、コート層の紫外線硬化波長とは異なる波長帯の特性吸収波長を有し、材料劣化を引き起こす特定の紫外線を吸収する紫外線吸収剤と光安定剤を含む材料を積層化粧シートに塗布して、紫外線硬化することにより形成することができる。
図1は、本発明の積層化粧シートの一態様の模式的断面図である。本態様の積層化粧シートは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム1の表面にコート層2、裏面にバックプリント印刷層3を有し、化粧フィルム4とウレタン系接着剤5により積層されている。図2は、本発明の積層化粧シートの他の態様の模式的断面図である。本態様の積層化粧シートにおいては、下地の顔料を含有する化粧フィルム6の積層面に印刷層7が設けられ、上地の透明な化粧フィルム8と熱ラミネーションにより積層されている。
本発明の化粧フィルム及び積層化粧シートは、耐衝撃性、耐溶剤性、耐湿熱性に優れ、高温に加熱してもシボ形状に変化を生ぜず、ホットメルト樹脂との押出ラミネーションや、鋼板との熱ラミネーションを安定して行うことができ、さらに耐カール性にも優れているので、施工が容易である。
なお、実施例及び比較例において、化粧フィルムと積層化粧シートの評価は、下記の方法により行った。
(1)隠蔽率
JIS K 5400 7.2に準じて測定する。
(2)耐溶剤性
農林水産省告示第1515号に準じて、ラミネート鋼板の表面にラッカーシンナーを滴下し、時計皿で6時間被覆したのち、室内に24時間放置し、目視により下記の基準に基づいて判定する。
○:表面に変化が認められない。
△:表面のツヤが若干悪くなる。
×:表面に膨れが生じる。
(3)耐沸騰水性
化粧フィルム又は積層化粧シートを、沸騰水中に2時間浸漬したのち、目視により下記の基準に基づいて判定する。
○:表面に変化が認められない。
△:表面に軽微な凸部が認められる。
×:表面に膨れが目立ち、剥離しやすくなる。
(4)シボ流れ性
化粧フィルム又は積層化粧シートを、200℃で鋼板と熱ラミネーションし、シボ流れの発生の状態を観察する。
○:シボ形状が保持されている。
×:シボ形状が保持されていない。
(5)耐衝撃性
JIS A 4410 付表3の項目(9)に準じて試験し、目視により下記の基準に基づいて判定する。
○:欠点を生じない。
×:割れが発生する。
(6)耐カール性試験
23±2℃の環境下で、30cm×30cmの化粧フィルム又は積層化粧シートを、化粧フィルムはシボ加工面が上面になるように、積層化粧シートは下地が上面になるように、平面台上に4辺を押さえて載置し、化粧フィルム又は積層化粧シートの中央部に1辺の長さが100mmであり、各辺がフィルムの長さ方向又は幅方向と平行である正方形の対角線にカッターナイフを用いて十文字状のスリットを入れ、30秒放置したのち、十文字の交点の平面からの浮き上がりを測定し、下記の基準に基づいて判定する。
○:浮き上がり15mm未満。
△:浮き上がり15mm以上30mm未満。
×:浮き上がり30mm以上。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]60重量部と(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG 6763]40重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ100μmの化粧フィルムを製膜した。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
実施例2
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]40重量部と(C)シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PCTG 5445]60重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ50μmの化粧フィルムを製膜した。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
実施例3
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]50重量部と(D)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]50重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ90μmの化粧フィルムを製膜した。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
実施例4
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]80重量部と(E)イソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、バイロンGM500]20重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ80μmの化粧フィルムを製膜した。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]40重量部、(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG 6763]30重量部及び(F)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]30重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ75μmの化粧フィルムを製膜した。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
実施例6
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]30重量部、(C)シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PCTG 5445]40重量部及び(G)ポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂[三菱エンジニアリングプラスチックス(株)、ノバデュール5505S]30重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ120μmの化粧フィルムを製膜した。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
実施例7
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]30重量部、(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG 6763]30重量部及び(H)イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂[ポリプラスチック(株)、ジュラネックス500LP]40重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ150μmの化粧フィルムを製膜した。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]60重量部、(D)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]10重量部、(F)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]20重量部及び(I)熱可塑性ポリエステルエラストマー[東レ・デュポン(株)、ハイトレル2551]10重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ60μmの化粧フィルムを製膜した。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
実施例9
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]200重量部とルチル形酸化チタン200重量部を混練して押し出し、ペレット化して、酸化チタンマスターバッチを調製した。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]30重量部、(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG 6763]10重量部、(F)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]40重量部及び上記の酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ200μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.999であった。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]40重量部、(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG 6763]30重量部、(F)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]10重量部及び実施例9で調製した酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、厚さ80μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.999であった。
この化粧フィルムに、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、A4100]をドライラミネーションにより積層し、さらにポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型塗料[(株)ニッコー化学研究所、T−UV−1]を塗布し、硬化させることにより、トップコートを形成して、積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。耐カール性試験において、浮き上がりは5mmであった。
実施例11
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]50重量部、(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG 6763]10重量部、(F)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]20重量部及び実施例9で調製した酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、厚さ100μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.998であった。
この化粧フィルムに、厚さ25μmの二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルム[帝人デュポンフィルム(株)、テイジンテフレックスフィルムFT]をドライラミネーションにより積層し、オフラインでドラム加熱型エンボッサーを用いてシボ加工を行い、積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。耐カール性試験において、浮き上がりは8mmであった。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]10重量部、(B)シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PCTG 5445]20重量部、(F)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]50重量部及び実施例9で調製した酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、厚さ100μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.998であった。
この化粧フィルムを下地とし、実施例2の化粧フィルムを上地として、熱ラミネーションにより積層し、積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。耐カール性試験において、浮き上がりは2mmであった。
実施例13
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]30重量部、(D)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]20重量部、(F)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]30重量部及び実施例9で調製した酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、厚さ250μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.999であった。
この化粧フィルムを下地とし、実施例3の化粧フィルムを上地として、熱ラミネーションにより積層し、さらに実施例3の化粧フィルムの表面に、ポリウレタン系二液硬化型塗料[ザ・インクテック(株)、NHWP]を塗布し、硬化させることにより、トップコートを形成して、積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。耐カール性試験において、浮き上がりは2mmであった。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]をTダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ130μmの化粧フィルムを製膜した。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、割れが発生した。
比較例2
(D)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]をTダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ120μmの化粧フィルムを製膜した。
得られた化粧フィルムは、耐溶剤試験において、表面に膨れが生じた。耐沸騰水性試験において、表面に膨れが目立ち、剥離しやすくなった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状は保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
実施例1と同様にして、第3表に示す配合組成により、所定の厚さの化粧フィルムを製造し、評価を行った。
比較例11
(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG 6763]25重量部とルチル形酸化チタン25重量部を混練して押し出し、ペレット化して、酸化チタンマスターバッチを調製した。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]5重量部、(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG 6763]55重量部、(F)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]20重量部及び上記の酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ100μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.999であった。
この化粧フィルムの表面に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型塗料[(株)ニッコー化学研究所、T−UV−1]を塗布し、硬化させることにより、トップコートを形成した。トップコートを形成した化粧フィルムは、耐溶剤試験において、表面に変化は認められなかった。耐沸騰水性試験において、表面に軽微な凸部が発生した。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ流れが生じた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。
(C)シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PCTG 5445]25重量部とルチル形酸化チタン25重量部を混練して押し出し、ペレット化して、酸化チタンマスターバッチを調製した。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]15重量部、(C)シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PCTG 5445]60重量部、(F)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]5重量部及び上記の酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、厚さ80μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.998であった。
この化粧フィルムに、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、E5131]をドライラミネーションにより積層して、積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートは、耐溶剤試験において、表面に変化は認められなかった。耐沸騰水性試験において、軽微な凸部が発生した。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。耐カール性試験において、浮き上がりは5mmであった。
比較例13
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]5重量部、(D)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]75重量部及び実施例9で調製した酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ90μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.999であった。
この化粧フィルムに、厚さ25μmの二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルム[帝人デュポンフィルム(株)、テイジンテフレックスフィルムFT]をドライラミネーションにより積層して、積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートは、耐溶剤試験において、表面に変化は認められなかった。耐沸騰水性試験において、軽微な凸部が発生した。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ流れが生じた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。耐カール性試験において、浮き上がりは5mmであった。
比較例14
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]50重量部、(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG 6763]30重量部及び実施例9で調製した酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ120μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.999であった。
この化粧フィルムを下地とし、比較例1と同じ組成でシボ加工のない厚さ30μmの化粧フィルムを上地として、熱ラミネーションにより積層し、積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートは、耐溶剤試験において、表面に膨れが生じた。耐沸騰水性試験において、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ流れが生じた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。耐カール性試験において、浮き上がりは2mmであった。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]40重量部、(D)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]40重量部及び実施例9で調製した酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ200μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.999であった。
この化粧フィルムを下地とし、比較例2と同じ組成でシボ加工のない厚さ80μmの化粧フィルムを上地として、熱ラミネーションにより積層し、さらにウレタンアクリレート系紫外線硬化型塗料[(株)ニッコー化学研究所、T−UV−1]を塗布し、硬化させることにより、トップコートを形成して、積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートは、耐溶剤試験において、表面に変化は認められなかった。耐沸騰水性試験において、表面に膨れが目立ち、剥離しやすくなった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ流れが生じた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。耐カール性試験において、浮き上がりは3mmであった。
比較例16
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]80重量部及び実施例9で調製した酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ100μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.999であった。
この化粧フィルムに、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、E5131]をドライラミネーションにより積層して、積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状が保持されていた。耐衝撃性試験において、割れが発生した。耐カール性試験において、浮き上がりは35mmであった。
比較例17
(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂[旭化成(株)、PTT 10N00]30重量部、(F)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]50重量部及び実施例9で調製した酸化チタンマスターバッチ40重量部を混合し、Tダイから押し出し、熱間ロールによってシボ加工を行い、厚さ60μmの化粧フィルムを製膜した。得られた化粧フィルムの隠蔽率は、0.999であった。
この化粧フィルムに、厚さ25μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)、E5131]をドライラミネーションにより積層して、積層化粧シートを得た。
得られた積層化粧シートは、耐溶剤試験においても、耐沸騰水性試験においても、表面に変化は認められなかった。鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ形状が保持されていた。耐衝撃性試験において、欠点は生じなかった。耐カール性試験において、浮き上がりは35mmであった。
ただし、表中、各樹脂成分は、下記の略号により表わす。
PTT:ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂、旭化成(株)、PTT 10N00。
PETG:シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、イーストマン・ケミカル社、PETG 6763。
PCTG:シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、イーストマン・ケミカル社、PCTG 5445。
共重合PET:ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、東洋紡績(株)、SR173CA。
PETI:イソフタル酸30モル%、テレフタル酸70モル%共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、東洋紡績(株)、バイロンGM500。
PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂、東レ(株)、トレコン1200S。
coPBT:ポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)、ノバデュール5505S。
rcoPBT:イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリプラスチック(株)、ジュラネックス500LP。
エラストマー:熱可塑性ポリエステルエラストマー、東レ・デュポン(株)、ハイトレル2551。
酸化チタンを配合して隠蔽率0.999とした化粧フィルムに、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層して得られた実施例10の積層化粧シートは、耐溶剤性と耐沸騰水性が良好であり、耐衝撃性が大きく、カールもほとんど発生しない。また、酸化チタンを配合して隠蔽率0.998以上とした化粧フィルムに、二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルム、実施例2の化粧フィルム、又は、実施例3の化粧フィルムを積層して得られた実施例11〜13の積層化粧シートは、いずれも耐溶剤性と耐沸騰水性が良好であり、鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ流れが発生せず、耐衝撃性が大きく、カールもほとんど発生しない。
これに対して、樹脂成分が(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂のみである比較例1の化粧フィルムは、耐衝撃性が低く、樹脂成分が(D)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂のみである比較例2の化粧フィルムは、耐溶剤性と耐沸騰水性が不良である。(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂と他の樹脂を配合しても、(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂の含有量が5〜20重量%である比較例3〜11の化粧フィルムは、おおむね耐溶剤性と耐沸騰水性が不良であり、鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ流れが発生する。
(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂の含有量が少ない化粧フィルムに二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した比較例12の積層化粧シートは、耐沸騰水性が劣る。(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂の含有量が少ない化粧フィルムに二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート系フィルムを積層した比較例13の積層化粧シート、樹脂成分が(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂又は(D)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂のみからなる上地を積層した比較例14〜15の積層化粧シートは、耐沸騰水性が劣り、鋼板との熱ラミネーションにおいて、シボ流れが発生する。樹脂成分が(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂のみである化粧フィルムに二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した比較例16の積層化粧シートは耐衝撃性が低く、カールを生じ、樹脂成分が(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂と(F)ポリブチレンテレフタレートである化粧フィルムに二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した比較例17の積層化粧シートは、カールが発生する。
2 コート層
3 バックプリント印刷層
4 化粧フィルム
5 ウレタン系接着剤
6 顔料を含有する化粧フィルム
7 印刷層
8 透明な化粧フィルム
Claims (3)
- 上地が、樹脂成分として、(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂28〜95重量%と、(B)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60モル%以上90モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%以上40モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(C)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール10モル%以上60モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール40モル%以上90モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(D)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とネオペンチルグリコール10〜40モル%であるネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及び、(E)ジカルボン酸成分がテレフタル酸60〜98モル%とイソフタル酸2〜40モル%であり、グリコール成分がエチレングリコールであるイソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂5〜72重量%を含有する透明な化粧フィルムであり、下地が、顔料を含有し、隠蔽率が0.95以上である樹脂成分として、(A)ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂28〜95重量%と、(B)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60モル%以上90モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル%以上40モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(C)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール10モル%以上60モル%未満と1,4−シクロヘキサンジメタノール40モル%以上90モル%未満であるシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(D)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とネオペンチルグリコール10〜40モル%であるネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及び、(E)ジカルボン酸成分がテレフタル酸60〜98モル%とイソフタル酸2〜40モル%であり、グリコール成分がエチレングリコールであるイソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂4〜71重量%と、(F)ポリブチレンテレフタレート系樹脂、(G)ポリテトラメチレングリコールを共重合成分として10〜30重量%含むポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、(H)ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜95モル%とイソフタル酸5〜30モル%であり、グリコール成分が1,4−ブタンジオールであるイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、及び、(I)アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体若しくはその水添物(HSBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−オレフィン結晶ブロック共重合体(SEBC)、オレフィン結晶−ポリエチレンブチレン−ポリオレフィン結晶ブロック共重合体(CEBC)又は熱可塑性ポリエステルエラストマーから選ばれる少なくとも1種以上の樹脂1〜60重量%を含有する化粧フィルムであり、上地の化粧フィルムの裏面にバックプリント印刷層又は下地の化粧フィルムの積層面に印刷層を有し、上地と下地が熱ラミネーション又はドライラミネーションにより積層されてなることを特徴とする積層化粧シート。
- 積層された上地フィルムの上面若しくは下面又は下地フィルムの上面がエンボス加工されてなる請求項1記載の積層化粧シート。
- 積層された上地フィルムの上面に二液硬化型トップコート又は紫外線硬化型トップコートを有する請求項1又は請求項2記載の積層化粧シート。
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