JP4463644B2 - 発泡押出成形装置 - Google Patents
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Description
一方、成形材料の押出効率(輸送効率)は、成形材料とバレルとの間の摩擦力と、成形材料とスクリューとの間の摩擦力との差により決定されるので、このように面粗度を小さくすると、粘性があるかあるいは滑りやすい成形材料は、押出効率が著しく低下するか、あるいは、完全に押し出しできなくなる場合がある。
R=(fsAs/fbAb)
R:輸送効率、fs:スクリューの表面と成形材料との間の摩擦係数、As:スクリューの表面積、fb:バレルの表面と成形材料との間の摩擦係数、Ab:バレルの表面積
上記式において、Rが1より小さければ小さいほど、輸送効率が高くなる。とりわけ、単軸押出機では、二軸押出機のような自己洗浄機能がないため、fsよりfbを大きくしないと、粘性があるかあるいは滑りやすい成形材料が、スクリューに付着して、輸送できない場合を生ずる。
このような構成によると、スクリューの供給部の表面が、フッ素を含む被覆層によって被覆されているので、スクリューの表面と成形材料との間の摩擦係数を小さくすることができる。そのため、スクリューの輸送効率を高めることができ、粘性があるかあるいは滑りやすい成形材料であっても、効率的な発泡押出成形を達成することができる。
また、このような構成によると、バレルにおける少なくとも供給部に対向する内周面の中心線平均粗さRaが、0.46〜2.48であるので、スクリューの供給部におけるバレルの表面と成形材料との間の摩擦係数を大きくすることができる。そのため、より一層、スクリューの輸送効率を高めることができ、粘性があるかあるいは滑りやすい成形材料であっても、より効率的な発泡押出成形を達成することができる。
また、請求項2に記載の発明は、バレルと、前記バレル内に設けられるスクリューとを備える発泡押出成形装置において、前記スクリューは、少なくとも供給部、圧縮部および定量部を備え、少なくとも前記供給部の表面が、フッ素を含む被覆層によって被覆されており、前記バレルにおける少なくとも前記供給部に対向する内周面が、放電加工法により粗面化されていることを特徴としている。
このような構成によると、スクリューの供給部の表面が、フッ素を含む被覆層によって被覆されているので、スクリューの表面と成形材料との間の摩擦係数を小さくすることができる。そのため、スクリューの輸送効率を高めることができ、粘性があるかあるいは滑りやすい成形材料であっても、効率的な発泡押出成形を達成することができる。
また、このような構成によると、バレルにおける少なくとも供給部に対向する内周面が、放電加工法により粗面化されているので、スクリューの供給部におけるバレルの表面と成形材料との間の摩擦係数を、簡易かつ確実に大きくすることができる。そのため、より一層、スクリューの輸送効率を高めることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記被覆層が、ポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記被覆層が、無電解ニッケル・フッ素複合めっきからなることを特徴としている。
このような構成によると、被覆層が、無電解ニッケル・フッ素複合めっきからなるので、スクリューの表面と成形材料との間の摩擦係数を、簡易かつ確実に小さくすることができる。
このような構成によると、被覆層が、硬質クロム・フッ素複合めっきからなるので、スクリューの表面と成形材料との間の摩擦係数を、簡易かつ確実に小さくすることができる。
また、より一層、スクリューの輸送効率を高めることができ、粘性があるかあるいは滑りやすい成形材料であっても、より効率的な発泡押出成形を達成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、スクリューの輸送効率を高めることができ、粘性があるかあるいは滑りやすい成形材料であっても、効率的な発泡押出成形を達成することができる。
また、スクリューの供給部におけるバレルの表面と成形材料との間の摩擦係数を、簡易かつ確実に大きくすることができ、より一層、スクリューの輸送効率を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、成形材料と不活性流体とを、第2圧縮部および第2定量部において、十分に混合することができる。
請求項5に記載の発明によれば、被覆層が、無電解ニッケル・フッ素複合めっきからなるので、スクリューの表面と成形材料との間の摩擦係数を、簡易かつ確実に小さくすることができる。
図1において、この発泡押出成形装置1は、バレル2、スクリュー3、ギヤボックス4、モータ5、ガス供給部6およびホッパ7を備えており、スクリュー3が1本の単軸押出機として構成されている。
材料供給部8は、ホッパ7が接続されるホッパ接続部10と、ホッパ7から投入される成形材料をバレル2内に供給するための材料供給路11とが形成されている。
また、バレル2における材料供給部8とヘッド9との間は、成形材料が溶融および混練されながら押し出される(輸送される)溶融押出部15とされている。
この溶融押出部15には、押出方向に沿って、互いに所定間隔を隔てて複数のヒータ16がブロックごとに設けられている。各ヒータ16には、温度センサ13が設けられている。各ヒータ16および各温度センサ13は、図示しないCPUに接続されており、各温度センサ13によって検知された検知温度に基づいて、各ヒータ16がブロック単位で温度制御される。
また、バレル2における後述するスクリュー3の供給部23に対向する部分には、スリーブ17が着脱自在に装着されている。このスリーブ17は、バレル2における供給部23に対向する内周面が径方向外方に窪むようにして形成される装着溝18に、装着されており、装着状態において、スリーブ17のスクリュー3に対向する内周面19が、スリーブ17よりも押出方向上流側のバレル2の内周面20と押出方向において面一となるように設けられている。このスリーブ17は、後述する連結部33を材料供給部8から取り外すことにより露出するバレル2の一方側端部から、着脱させることができる。
スクリュー3は、図2に示すように、基本的には、フルフライトスクリューからなり、スクリュー軸21と、そのスクリュー軸21の周りに突出するスパイラル状のスクリュー条22とを一体的に備えている。このスクリュー3は、押出方向下流側から押出方向上流側に向かって、連結部28、供給部23、第1圧縮部24、第1定量部25、混合部29、第2圧縮部26および第2定量部27が、順次形成されている。
供給部23は、材料供給部8およびスリーブ17に対向し、そのスクリュー軸21が連結部28より小径に形成されている。これによって、スリーブ17の内周面19とスクリュー軸21との隙間を十分に確保して、成形材料の効率的な供給を確保している。
混合部29は、バレル2の導入部30に対向し、そのスクリュー軸21が第1定量部25の他方側端部とほぼ同径に形成されている。また、スクリュー条22が、スプライン状に形成されている。これによって、導入部30のガスノズル31から導入される不活性ガスと成形材料との効率的な混合を確保している。
また、このスクリュー3の供給部23、第1圧縮部24および第1定量部25の表面(スクリュー軸21の表面およびスクリュー条22の表面)には、ポリテトラフルオロエチレンなどからなるフッ素樹脂の被覆層がコーティングされている。この被覆層は、厚さ5〜30μmで、1〜3層として形成されている。
ギヤボックス4は、バレル2の一方側端部に連結され、減速機構部32および連結部33を備えている。減速機構部32は、従動プーリ34およびその従動プーリ34を支持する伝動軸35と、図示しない減速機構(ギヤ機構)とを備えている。また、連結部33は、減速機構部32と材料供給部8との間に配置され、減速機構部32において減速された動力を伝達するための駆動軸36を備えている。この駆動軸36が、スクリュー3の連結部28に相対回転不能に連結されている。
また、伝動プーリ38と従動プーリ34との間には、エンドレスベルト39が掛け渡されている。
モータ5が駆動されると、ピニオン軸37、伝動プーリ38、エンドレスベルト39、従動プーリ34、伝動軸35を介してギヤボックス4の動力が伝達され、ギヤボックス4内の減速機構により所定の回転比に減速された後、駆動軸36から出力され、その動力がスクリュー3の連結部28に伝達される。その結果、スクリュー3が所定の回転数で回転される。
ガスタンク40には、不活性流体として、たとえば、炭酸ガス(二酸化炭素ガス)や窒素ガスなどの不活性ガスが貯蔵されている。また、ガスタンク40は、ガス供給ライン42を介して供給ポンプ41に接続されている。
また、このガス供給部6では、ガス供給ライン42が全体的に温度調整可能および圧力調整可能に構成されており、供給ポンプ41によって、超臨界状態で、不活性ガスをガスノズル31からバレル2内に供給できるように構成されている。
次に、この発泡押出成形装置1によって、成形材料を発泡押出成形する方法について説明する。
また、これとともに、CPUによって、供給ポンプ41を駆動制御して、所定量の超臨界状態の不活性ガスを、ガスタンク40から、ガス供給ライン42を介してガスノズル31に送り、その所定量の超臨界状態の不活性ガスを、ガスノズル31からバレル2内に連続的に供給する。
次いで、超臨界状態の不活性ガスが混合された成形材料は、スクリュー3の第2圧縮部26および第2定量部27を順次通過して、この間に、超臨界状態の不活性ガスが成形材料にほぼ均一に混合溶解され、吐出口12から,図示しないダイに吐出される。
そして、このような発泡押出成形装置1においては、スクリュー3の輸送効率と摩擦力とが、下記式に示す関係がある。
R:輸送効率、fs:スクリュー3の表面と成形材料との間の摩擦係数、As:スクリュー3の表面積、fb:バレル2の表面と成形材料との間の摩擦係数、Ab:バレル2の表面積
上記式において、Rが1より小さければ小さいほど、輸送効率が高くなる。とりわけ、単軸押出機では、二軸押出機のような自己洗浄機能がないため、fsよりfbを大きくしないと、粘性があるかあるいは滑りやすい成形材料が、スクリュー3に付着して、輸送できない場合を生ずる。
また、スクリュー3に形成される被覆層を、無電解ニッケル・フッ素複合めっきまたは硬質クロム・フッ素複合めっきから形成しても、スクリュー3の表面と成形材料との間の摩擦係数を、簡易かつ確実に小さくすることができる。
また、スリーブ17は、バレル2に対して着脱自在であるため、その目的および用途に応じて、適宜交換することができる。すなわち、その目的および用途に応じて、異なる表面粗さのスリーブ17に交換することができる。そのため、バレル2自体に直接表面処理を施すことが不要となり、コストの低減化を図ることができるとともに、成形材料の滑りやすさなどに応じて、適宜、スリーブ17を交換することにより、最適の輸送効率で発泡押出成形することができる。
なお、平均セル径は、たとえば、SEM写真の単位面積において、セル直径を平均して、その平均直径をセル数でわることにより求めることができる。
セル密度=N(3/2)/(10-4×√S)3 (個/cm3)
N:セル数
S:測定面積(μm2)
また、以上の説明では、スクリュー3の供給部23、第1圧縮部24および第1定量部25の表面に、フッ素を含む被覆層を形成したが、この被覆層は、たとえば、供給部23のみに形成してもよく、あるいは、スクリュー3の全体、すなわち、供給部23、第1圧縮部24、第1定量部25、第2圧縮部26および定量部27の表面に形成してもよい。
2 バレル
3 スクリュー
23 供給部
24 第1圧縮部
25 第1定量部
26 第2圧縮部
27 第2定量部
30 導入部
Claims (6)
- バレルと、前記バレル内に設けられるスクリューとを備える発泡押出成形装置において、
前記スクリューは、少なくとも供給部、圧縮部および定量部を備え、
少なくとも前記供給部の表面が、フッ素を含む被覆層によって被覆されており、
前記バレルにおける少なくとも前記供給部に対向する内周面の中心線平均粗さRaが、0.46〜2.48であることを特徴とする、発泡押出成形装置。 - バレルと、前記バレル内に設けられるスクリューとを備える発泡押出成形装置において、
前記スクリューは、少なくとも供給部、圧縮部および定量部を備え、
少なくとも前記供給部の表面が、フッ素を含む被覆層によって被覆されており、
前記バレルにおける少なくとも前記供給部に対向する内周面が、放電加工法により粗面化されていることを特徴とする、発泡押出成形装置。 - 前記バレルにおける前記スクリューの押出方向途中には、不活性流体を前記バレル内に導入するための導入部が設けられており、
前記スクリューは、前記導入部が設けられる位置を挟んで、供給部、第1圧縮部および第1定量部と、第2圧縮部および第2定量部とを備え、
前記供給部、前記第1圧縮部および前記第1定量部の表面が、前記被覆層によって被覆されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の発泡押出成形装置。 - 前記被覆層が、ポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡押出成形装置。
- 前記被覆層が、無電解ニッケル・フッ素複合めっきからなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡押出成形装置。
- 前記被覆層が、硬質クロム・フッ素複合めっきからなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡押出成形装置。
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