JP4465770B2 - ブラシレスモータの制御装置及びそれを用いた自吸式ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定して起動させることができ、脱調等することのないブラシレスモータの制御装置及びそれを用いた自吸式ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々のブラシレスモータの制御装置が研究されており、また、小型化やコスト低減のためブラシレスモータを用いた自吸式ポンプが望まれている。
【0003】
従来のセンサレス駆動のブラシレスモータの制御装置としては、特開平5−219784号公報(以下、イ号公報と呼ぶ。)に、起動時に強制同期運転から定常センサレス運転に切換える時、固定子巻線の誘起電圧による位置検出信号から導き出される転流のタイミング信号と強制同期信号の位相差のある特定の状態が一定時間続いた場合切換える制御方法が開示されている。
【0004】
以下にイ号公報に開示のブラシレスモータの制御装置について、図面を用いて説明する。
【0005】
図6はイ号公報に開示のブラシレスモータの制御装置の装置構成を示すブロック図である。
【0006】
図6において、101はブラシレスモータのステータ、102u、102v、102wはステータ101内で駆動磁界を発生させる三相スター結線された固定子巻線、103は固定子巻線102u、102v、102wの発生する磁界により回転駆動される永久磁石回転子、104は固定子巻線102u、102v、102wの各端子U、V、Wに接続され各固定子巻線に流す駆動電流を生成するドライブ回路、105〜110は固定子巻線102u、102v、102wに流す駆動電流iu、iv、iwの切り換えを行うコミュテータ素子、111〜116はコミュテータ素子105〜110のスイッチングにより発生するサージ電圧を解放するフリーホイーリングダイオード、117’はステータ101を駆動するための電圧を供給する駆動電源である。
【0007】
ハイサイドのコミュテータ素子105〜107はNPN型トランジスタが用いられ、ローサイドのコミュテータ素子108〜110はPNP型トランジスタが用いられる。固定子巻線102u、102v、102wの一端子O(以下、コモン端子と呼ぶ。)は共通に接続され、他端子U,V,W(以下、駆動端子と呼ぶ。)はそれぞれ、駆動端子Uはコミュテータ素子105及び108の共通接続点(両素子のコレクタ側)に接続されており、駆動端子Vはコミュテータ素子106及び109の共通接続点(両素子のコレクタ側)に接続されており、駆動端子Wはコミュテータ素子107及び110の共通接続点(両素子のコレクタ側)に接続されている。駆動電源117の負極側は接地されている。また、ハイサイドのコミュテータ素子105〜107のエミッタ側は駆動電源117の正極側に接続され、ローサイドのコミュテータ素子108〜110のコレクタ側は接地されている。
【0008】
201は固定子巻線102u、102v、102wの駆動端子U、V、Wに発生する駆動端子電圧VU、VV、VWに基づいて出力信号VU0’、VV0’、VW0’を生成し出力する位置検出手段、202はドライブ回路104を制御することにより永久磁石回転子103の回転数の制御を行う制御部である。
【0009】
制御部202は、コミュテータ素子105〜110のベースに接続されており、ドライブ回路104を制御するための六相制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを生成し出力する。また、制御部202は、位置検出手段201の出力側に接続されており、永久磁石回転子103の回転数がある一定値以上となり帰還同期制御が可能な状態となると、位置検出手段201より入力される出力信号VU0’、VV0’、VW0’に基づき各六相制御信号を生成し出力する帰還同期制御に切り換わる。
【0010】
203は起動指令を出力する起動指令手段、204は起動指令手段203の起動指令により同期信号VU1’、VV1’、VW1’を出力する同期信号発生手段、205は位置検出手段201の出力信号VU0’、VV0’、VW0’のモードが同期信号VU1’、VV1’、VW1’のモードに対して所定の関係にあるか否かを判別するモード判別手段、206は同期信号発生手段204が出力した同期信号VU1’、VV1’、VW1’に基づいてドライブ回路104を駆動する六相制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを生成する一方、モード判別手段205の判別結果を受け位置検出手段の出力信号VU0’、VV0’、VW0’のモードが同期信号VU1’、VV1’、VW1’のモードに対して所定の関係にある状態が所定期間続いた後は位置検出手段の出力信号VU0’、VV0’、VW0’に基づいてドライブ回路104を駆動する六相制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを生成する駆動信号生成手段である。
【0011】
以上のように構成された従来のブラシレスモータの制御装置について、以下その起動時の動作を説明する。
【0012】
図7はイ号公報に開示のブラシレスモータの制御装置の同期制御から帰還制御への切り換え時のタイミングを示す図である。
【0013】
図7において、207は位置検出手段201が固定子巻線102u、102v、102wに発生する誘起電圧から生成する出力信号VU0’、VV0’、VW0’の相切り換えのタイミングを表し、208は同期信号発生手段204の発生する同期信号VU1’、VV1’、VW1’の相切り換えタイミングを表す。また、209は出力信号VU0’、VV0’、VW0’と同期信号VU1’、VV1’、VW1’との相切り換えのタイミングの位相差を表す。
【0014】
ブラシレスモータを起動してから、ある回転数に達すると、永久磁石回転子103の回転に伴い位置検出手段201により固定子巻線102u、102v、102wに誘起される誘起電圧を検出することが可能となる。その時点では、図7(a)に示したように、切り換えタイミング207と切り換えタイミング208との位相差209は大きい。永久磁石回転子103の回転が一定の回転数に近づき回転が安定すると、図7(b)に示したように、切り換えタイミング207と切り換えタイミング208との位相差209は小さくなる。このように、位相差209がある一定の値以下の状態がある一定時間以上継続すると、駆動信号生成手段206は強制同期制御状態(同期信号VU1’、VV1’、VW1’に基づき相切り換えを行う状態)から帰還同期制御状態(出力信号VU0’、VV0’、VW0’に基づき相切り換えを行う状態)へ切り換わる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のブラシレスモータの制御装置では、以下のような課題を有していた。
【0016】
(1)強制的な同期信号に従って転流させ、位相差をなくして定常センサレス運転に切り換えるため、ポンプ等の起動時に負荷変動の有る機器に使用する場合、強制同期運転から定常センサレス運転への切り換え時に位相差がなくならず、定常センサレス運転への切り換えが行われないという課題を有していた。
【0017】
(2)位相差がなくなり、センサレス運転に切り換えることができたとしても、モータにかかる負荷に合わせた強制同期信号で運転させていないため、切り換え時に脱調するという課題を有していた。
【0018】
(3)センサレス駆動するブラシレスモータにより駆動される自吸式ポンプの場合、該自吸式ポンプのケーシング内の水量によって、モータの起動時の負荷が変動するため、センサレス駆動させることが困難であるという課題を有していた。
【0019】
本発明は、センサレス駆動のブラシレスモータの制御装置において、起動時のモータの負荷に強制同期信号の周期データを対応させることにより、安定して起動することができるブラシレスモータの制御装置を提供することを目的とする。
【0020】
また、本発明は、モータの負荷に対応した周期データの強制同期信号を利用することによって、起動時の羽根車への負荷にかかわらず安定して起動させることができるブラシレスモータの制御装置を用いた自吸式ポンプを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のブラシレスモータの制御装置は、複数の固定子巻線の各端子の電圧と基準電圧とを比較する比較手段と、前記各固定子巻線の各端子に接続され前記各固定子巻線に流す駆動電流を生成するドライブ回路と、前記ドライブ回路に駆動電圧を印加する駆動電源と、前記ドライブ回路に通電タイミング信号を出力する論理演算手段と、を備えたブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、起動毎に異なる負荷に対応して設定された複数の強制同期信号の周期データを有する構成より成る。
【0022】
この構成により、起動時のモータの負荷に強制同期信号の周期データを対応させることにより、安定して起動することができるブラシレスモータの制御装置を提供することができる。
【0023】
また、本発明のブラシレスモータの制御装置を用いた自吸式ポンプは、羽根車がブラシレスモータによって駆動される自吸式のポンプであって、前記ブラシレスモータを制御する制御装置が、複数の固定子巻線の各端子の電圧と基準電圧とを比較する比較手段と、前記各固定子巻線の各端子に接続され前記各固定子巻線に流す駆動電流を生成するドライブ回路と、前記ドライブ回路に駆動電圧を印加する駆動電源と、前記ドライブ回路に通電タイミング信号を出力する論理演算手段と、を備えたブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、起動毎に異なる負荷に対応して設定された複数の強制同期信号の周期データを有する構成より成る。
【0024】
この構成により、モータの負荷に対応した周期データの強制同期信号を利用することによって、起動時の羽根車への負荷にかかわらず安定して起動させることができるブラシレスモータの制御装置を用いた自吸式ポンプを提供することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の自吸式ポンプは、羽根車がブラシレスモータによって駆動される自吸式のポンプであって、複数の固定子巻線の各端子の電圧と基準電圧とを比較する比較手段と、前記各固定子巻線の各端子に接続され前記各固定子巻線に流す駆動電流を生成するドライブ回路と、前記ドライブ回路に駆動電圧を印加する駆動電源と、前記ドライブ回路に通電タイミング信号を出力する論理演算手段と、を備えたブラシレスモータの制御装置によって制御され、前記論理演算手段が、起動毎に異なる負荷に対応して設定された複数の強制同期信号の周期データを有し、前記負荷は、ポンプの内部及び配管に水が満たされている状態と、ポンプの内部に水が満たされているが配管に水が無い状態と、ポンプの内部に水がない状態と、の3つの状態に分類されるものであり、これにより、変動する負荷に対応した強制同期信号の周期データで強制同期運転することで、強制同期運転からセンサレス運転への切り換えにおいて、駆動電流の増加や脱調のない安定した切り換えをすることができるという作用に加え、モータの負荷に対応した周期データの強制同期信号を利用することによって、起動時の羽根車への負荷にかかわらず安定して起動させることができるという作用が得られる。
【0026】
ここで、ブラシレスモータは2相、又は3相、5相、7相等のセンサレス方式のものが用いられる。また、スター結線したバイポーラ駆動のブラシレスモータや、デルタ結線バイポーラ駆動のブラシレスモータや、ユニポーラ駆動のブラシレスモータ等が用いられる。
【0027】
ドライブ回路は、バイポーラトランジスタやMOSトランジスタなどのスイッチング素子からなるコミュテータ素子により、固定子巻線に流す駆動電流の相切り換えを行う回路が用いられる。
【0028】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自吸式ポンプを制御するブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、前記複数の強制同期信号の周期データのうち周期の長い周期データから順に選択し強制同期信号を生成する構成としたものであり、これにより、請求項1の作用に加え、起動時の負荷が大きいことが多い機器に使用する場合に、適切な周期データに速やかに合わせることができるという作用が得られる。
【0029】
ここで、起動時の負荷が大きいことが多い機器としては、井戸用ポンプ,給湯器に組み込まれた風呂の追い炊き用循環ポンプ,ジェットバス等が用いられる。
【0030】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の自吸式ポンプを制御するブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、前記複数の強制同期信号の周期データのうち周期の短い周期データから順に選択し強制同期信号を生成する構成としたものであり、これにより、請求項1の作用に加え、起動時の負荷が小さいことが多い機器に使用する場合に、適切な周期データに速やかに合わせることができるという作用が得られる。
【0031】
ここで、起動時の負荷が小さいことが多い機器としては、エアコンの室外機用送風ファン等が用いられる。
【0032】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の自吸式ポンプを制御するブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、起動毎に異なる負荷に対応して設定された複数の強制同期信号の周期データが記憶された強制同期周期データメモリ手段と、前記ドライブ回路の駆動電流を検出する電流値検知手段と、前記駆動電流が一定の電流値以上の場合に負荷トルクが設定より大きいとして前記駆動電流を基に前記複数の強制同期信号の周期データのうち適正な周期データを選択し強制同期信号を生成する強制同期信号生成手段と、を備えた構成としたものであり、これにより、請求項1の作用に加え、負荷トルクが設定した強制同期信号の周期データより大きいときに、そのまま周期データを変更して強制同期運転を行うことができるという作用が得られる。
【0033】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の自吸式ポンプを制御するブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、起動毎に異なる負荷に対応して設定された複数の強制同期信号の周期データが記憶された強制同期周期データメモリ手段と、前記ドライブ回路の駆動電流を検出する電流値検知手段と、前記駆動電流が一定の電流値以下の場合に負荷トルクが設定より小さいとして前記駆動電流を基に前記複数の強制同期信号の周期データのうち適正な周期データを選択し強制同期信号を生成する強制同期信号生成手段と、を備えた構成としたものであり、これにより、請求項1の作用に加え、負荷トルクが設定した強制同期信号の周期データより小さいときに、そのまま周期データを変更して強制同期運転を行うことができるという作用が得られる。
【0034】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載のブラシレスモータの制御装置であって、前記適正な周期データを選択する前に一度停止し、その後前記適正な周期データに切り換え再起動する構成としたものであり、これにより、負荷トルクが設定した強制同期信号の周期データから大きくずれた場合でも一度停止して再起動することにより、安定した強制同期運転を行うことができるという作用が得られる。
【0035】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の自吸式ポンプを制御するブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、起動毎に異なる負荷に対応して設定された複数の強制同期信号の周期データが記憶された強制同期周期データメモリ手段と、前記ドライブ回路の駆動電流を検出する電流値検知手段と、前記複数の強制同期信号の周期データのうち最も長い周期の周期データを選択して起動し前記駆動電流が一定の電流値より小さい場合は前記最も長い周期の周期データの次に長い周期の周期データを選択して強制同期信号を生成する強制同期信号生成手段と、を備えた構成としたものであり、これにより、請求項1の作用に加え、起動時の負荷が変動することが多い機器に使用する場合に、適切な周期データに速やかに合わせることができるという作用が得られる。
【0036】
ここで、起動時の負荷が変動することが多い機器としては、井戸用ポンプ,給湯器に組み込まれた風呂の追い炊き用循環ポンプ,ジェットバス等が用いられる。
【0038】
(基本構成)
図1は本発明の基本構成におけるブラシレスモータの制御装置の装置構成を示すブロック図である。
【0039】
図1において、101はステータ、102u、102v、102wは固定子巻線、103は永久磁石回転子、104はドライブ回路、105〜110はコミュテータ素子、111〜116はフリーホイーリングダイオード、iu、iv、iwは駆動電流、U、V、Wは駆動端子、Oはコモン端子、VU、VV、VWは駆動端子電圧であり、これらは図6と同様のものであり、同一の符号を付して説明は省略する。
【0040】
117は可変電圧源からなりステータ101を駆動するための電圧を供給する駆動電源、118は駆動電源117の電圧に重畳するノイズを除去するバイパスコンデンサ、RIは全電流値検出抵抗、VIは全電流検出抵抗RIの両端に発生する電圧である全電流検出電圧である。
【0041】
バイパスコンデンサ118は駆動電源117の両極に負極側で全電流値検出抵抗RIを介して接続されており、駆動電源117の負極側は接地されている。また、ハイサイドのコミュテータ素子105〜107のエミッタ側は駆動電源117の正極側に接続され、ローサイドのコミュテータ素子108〜110のコレクタ側は全電流値検出抵抗RIを介して接地されている。
【0042】
119U、119Lは固定子巻線102u、102v、102wの端子に発生する電圧の中性点の電位(以下、中性電位VNと呼ぶ。)を生成する中性電位生成抵抗、120は固定子巻線102u、102v、102wの端子U、V、Wに発生する駆動端子電圧VU、VV、VWと中性電位VNとを比較することによりゼロクロス点検出信号VU0、VV0、VW0を生成し出力するゼロクロス点検出部、120u、120v、120wはそれぞれ駆動端子電圧VU、VV、VWと中性電位VNとが入力されゼロクロス点検出信号VU0、VV0、VW0を出力するコンパレータ、121はドライブ回路104を制御することにより永久磁石回転子103の回転数の制御を行う制御部である。
【0043】
中性電位生成抵抗119U及び中性電位生成抵抗119Lとは接続点ONにおいて一端が互いに接続されており、中性電位生成抵抗119Uの他端はバイパスコンデンサ118の正極に接続され、中性電位生成抵抗119Lの他端は全電流値検出抵抗R1を介して接地されている。中性電位生成抵抗119Uと中性電位生成抵抗119Lとは、互いが接続する接続点ONにおいて中性電位VNを生成するように抵抗値が調整されている。コンパレータ120u、120v、120wの正入力側は、それぞれ、駆動端子U、V、Wに接続されており、各々の負入力側は接続点ONに接続されている。コンパレータ120u、120v、120wは、入力された各相の駆動端子電圧VU、VV、VWと中性電位VNとを比較し、駆動端子電圧VU、VV、VWが中性電位VNより大きいときにはそれぞれゼロクロス点検出信号VU0、VV0、VW0をHIGH状態として出力し、駆動端子電圧VU、VV、VWが中性電位VNより小さいときにはそれぞれゼロクロス点検出信号VU0、VV0、VW0をLOW状態として出力する。制御部121は、コミュテータ素子105〜110のベースに接続されており、ドライブ回路104を制御するための六相制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを生成し出力する。また、制御部121は、コンパレータ120u、120v、120wの出力側に接続されており、永久磁石回転子103の回転数がある一定値以上となり帰還同期制御が可能な状態となると、ゼロクロス点検出部120より入力されるゼロクロス点検出信号VU0、VV0、VW0に基づき各六相制御信号を生成し出力する帰還同期制御に切り換わる。
【0044】
図2は本発明の基本構成における制御部の機能ブロック図である。
【0045】
図2において、120はゼロクロス点検出部、120u、120v、120wはコンパレータ、121は制御部、VU、VV、VWは駆動端子電圧、VU0、VV0、VW0はゼロクロス点検出信号、VIは全電流検出電圧、UH、UL、VH、VL、WH、WLは六相制御信号であり、これらは図1と同様のものである。
【0046】
130は入力されるゼロクロス点検出信号VU0、VV0、VW0に基づき六相制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLの転流のタイミングを得るための帰還同期制御信号VU1、VV1、VW1を生成し出力する帰還同期信号生成手段、131は複数の強制同期信号の周期データ(本基本構成においては、3つの強制同期信号の周期データ、周期の長い(周波数の低い)方からf1,f2,f3)が記憶された強制同期周期データメモリ手段であり、負荷の大きいものにはf1が用いられ、負荷の小さいものにはf3が用いられる。132は全電流検出電圧VIから駆動電流を検知する電流検知手段であり、所定の電流値(以下、閾電流値という)より、駆動電流が大きい場合に後述の強制同期信号生成手段に検知信号を出力する。133は電流検知手段132からの検知信号が入力され、駆動電流に応じた強制同期周期データ(f1,f2,f3)を強制同期周期データメモリ手段131から読み出し強制同期信号VU2、VV2、VW2を生成する強制同期信号生成手段、134は帰還同期制御信号VU1、VV1、VW1又は強制同期信号VU2、VV2、VW2に基づき六相制御信号UH’、UL’、VH’、VL’、WH’、WL’を生成し出力する転流制御手段、135は転流制御部134から入力される六相制御信号UH’、UL’、VH’、VL’、WH’、WL’から実際にコミュテータ素子105〜110のベース電圧のレベルの六相制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを生成し出力する駆動ベース信号バッファ手段、136は転流制御手段133の入力を帰還同期制御信号VU1、VV1、VW1と強制同期制御信号VU2、VV2、VW2との何れか一方に切り換える切換制御部である。
【0047】
以上のように構成された本基本構成のブラシレスモータの制御装置において、以下その起動時のモータの負荷が変動する場合の制御方法について説明する。
【0048】
図3は本発明の基本構成におけるブラシレスモータの制御装置の強制同期信号の周波数の時間変化と電流値の時間変化とを負荷毎に示す図であり、図4は起動時の強制同期運転から定常センサレス運転に移行するまでの強制同期信号の周波数の時間変化と電流値の時間変化とを示す図である。
【0049】
ブラシレスモータの起動が開始されると、強制同期信号生成手段133は強制同期周期データメモリ手段131から周期の最も長い(周波数の最も低い)強制同期信号の周期データf1を読み出す。次いで、周期の長い方から周期データf1に周期を段階的に近づけていきながら、強制同期信号VU2、VV2、VW2を転流制御手段134に段階的に出力する。次いで、転流制御手段134は駆動ベース信号バッファ手段135に六相制御信号UH’、UL’、VH’、VL’、WH’、WL’を出力し、駆動ベース信号バッファ手段135はドライブ回路104に六相制御信号UH、UL、VH、VL、WH、WLを出力し、強制同期運転が開始される。所定の期間、駆動電流が安定している場合は、電流検知手段132が切換制御手段136に検知信号を出力し、切換制御手段136が転流制御手段134に切換信号を出力することによって、定常センサレス運転へ切り換えられる。
【0050】
周期データf1での強制同期運転時における負荷が、予め設定された負荷と違い小さい場合、駆動電流が小さくなる。この場合、起動から所定の時間(T1)経過後、電流検知手段132が全電流検出電圧VIから駆動電流を検出し駆動電流が閾電流値より小さい場合は、強制同期信号生成手段133に検知信号を出力する。電流検知手段132から検知信号が入力された強制同期信号生成手段133は、予め設定された負荷が周期データf1より小さい周期データf2を強制同期周期データメモリ手段131から読み出し、周期データf1の周期を周期データf2の周期に段階的に近づけていきながら、強制同期信号VU2、VV2、VW2を転流制御手段134に段階的に出力する。所定の期間、駆動電流が安定している場合は、電流検知手段132が切換制御手段136に検知信号を出力し、切換制御手段136が転流制御手段134に切換信号を出力することによって、定常センサレス運転へ切り換えられる。
【0051】
以上のように、本発明の基本構成におけるブラシレスモータの制御装置は、駆動電流を検出し、駆動電流に対応した周期データを使用することによって、起動時の負荷に対応した強制同期運転ができるので、脱調等おこさない安定した強制同期運転を行うことができる。
【0052】
尚、周期データf2を用いた場合も、駆動電流が閾電流値より小さい場合は、周期データf3に移行される。
【0053】
本基本構成においては、周期データはf1,f2,f3の3つであるが、周期データの数は複数であれば同様に実施可能である。
【0054】
(実施の形態)
次に基本構成のブラシレスモータの制御装置を用いた本実施の形態における自吸式ポンプについて説明する。
【0055】
図5は本発明の実施の形態における自吸式ポンプの要部断面側面図である。
【0056】
図5において、101はステータ、103は永久磁石回転子であり、これらは基本構成と同様のものであるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0057】
11は上部に吸込口11a及び吐出口11bを有する自吸式ポンプのハウジング、12はハウジング11内の空間を吸込口11a側の空間である吸水室13と吐出口11b側の空間である吐出室14とに分割する仕切り板、12aは仕切り板12の下部に穿設された通水孔、15は一端が通水孔12a付近に固定されて吐出室14内に固設された固定軸、16は固定軸15に固定軸15と同軸に回動自在に外嵌された軸受け部であり、周囲部に永久磁石回転子103が固定軸15と同軸に固定されている。17は固定軸15の両端部に固定され軸受け部16の軸方向への移動を防止している。18は吸込側が通水孔12aに対向して吐出室14内に配設された羽根車であり、軸受け部16に固定軸15と同軸に固定されている。19は永久磁石103,軸受け部16,羽根車18が一体に形設されたロータであり、ステータ101に通電することにより回動する。20は基本構成のドライブ回路104,ゼロクロス点検出部120,論理演算手段121等から構成された制御部である。
【0058】
尚、本実施の形態は基本構成におけるブラシレスモータの制御装置と同様のものを用いている。
【0059】
以上のように構成された本実施の形態における自吸式ポンプについて、以下その動作を説明する。
【0060】
制御部20がステータ101に通電することにより、ステータ101に回転磁界が発生し、ロータ19が回動する。ロータ19が回転することにより、羽根車18の吸込側が低圧、吐出側が高圧になり、吸込口11aから流入した流体は、吸水室13,通水孔12a,羽根車18,吐出室14を経て、吐出口11bから吐出される。
【0061】
以上のような自吸式ポンプの起動時のモータ(ステータ101及びロータ19)にかかる負荷は、自吸式ポンプの内部及び配管に水が満たされている状態(以下、状態1という),自吸式ポンプの内部に水が満たされているが配管に水が無い状態(以下、状態2という),自吸式ポンプの内部に水がない状態(以下、状態3という)の3つの状態に分類することができる。尚、本実施の形態における強制同期信号の周期データf1,f2,f3は状態1,状態2,状態3における負荷に対応した周期データである。
【0062】
この際の、モータへの負荷は状態1が最大であり、状態3が最小であり、状態2がその中間である。自吸式ポンプの状態は起動毎に状態が変動することが多い用途に使用されることが多く、起動時のモータへの負荷を特定することが困難である。そこで、起動時の強制同期運転において、周期の長い(周波数の低い)周期データf1を選択し強制同期運転を開始し、基本構成と同様に段階的にf2,f3と強制同期信号の周期データの周期を短い(周波数の高い)ものに変えていく。強制同期信号の周期データf1を用いた強制同期運転時にモータの負荷が予め設定した負荷と違い小さい場合、駆動電流が低くなる。これにより、基本構成と同様に論理演算手段121が負荷が軽いと判断し、強制同期信号の周期データは周期のより短い周期データ(f2)へ移行される。これにより、電流値が高くなった場合は、そのまま定常センサレス運転に移行し、駆動電流が低いままの場合は、強制同期信号周期データはさらに短い周期データ(f3)へ移行される。
【0063】
以上のように、本発明の実施の形態における自吸式ポンプは、起動毎に異なる(状態1,状態2,状態3における)負荷に対応した強制同期信号の周期データ(f1,f2,f3)を予め設定しておき負荷に対応した強制同期信号の周期データで強制同期運転するので、運転開始時の自吸式ポンプの状態にかかわらず(モータへの負荷の大小にかかわらず)、脱調等おこさない安定した強制同期運転を行うことができる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように本発明のブラシレスモータの制御装置及びそれを用いた自吸式ポンプによれば、以下のような有利な効果を得ることができる。
【0065】
請求項1に記載の発明によれば、変動する負荷に対応した強制同期信号の周期データで強制同期運転することで、強制同期運転からセンサレス運転への切り換えにおいて、駆動電流の増加や脱調のない安定した切り換えをすることができ、モータの負荷に対応した周期データの強制同期信号を利用することによって、起動時の羽根車への負荷にかかわらず安定して起動させることができる自吸式ポンプを提供することができる。
【0066】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、起動時の負荷が大きいことが多い機器に使用する場合に、適切な周期データに速やかに合わせることができるブラシレスモータの制御装置を提供することができる。
【0067】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、起動時の負荷が小さいことが多い機器に使用する場合に、適切な周期データに速やかに合わせることができるブラシレスモータの制御装置を提供することができる。
【0068】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、負荷トルクが設定した強制同期信号の周期データより大きいときに、そのまま周期データを変更して強制同期運転を行うことができるブラシレスモータの制御装置を提供することができる。
【0069】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、負荷トルクが設定した強制同期信号の周期データより小さいときに、そのまま周期データを変更して強制同期運転を行うことができるブラシレスモータの制御装置を提供することができる。
【0070】
請求項6に記載の発明によれば、負荷トルクが設定した強制同期信号の周期データから大きくずれた場合でも一度停止して再起動することにより、安定した強制同期運転を行うことができるブラシレスモータの制御装置を提供することができる。
【0071】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、起動時の負荷が変動することが多い機器に使用する場合に、適切な周期データに速やかに合わせることができるブラシレスモータの制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成におけるブラシレスモータの制御装置の装置構成を示すブロック図
【図2】 本発明の基本構成における制御部の機能ブロック図
【図3】 強制同期信号の周波数の時間変化と電流値の時間変化とを負荷毎に示す図
【図4】 起動時の強制同期運転から定常センサレス運転に移行するまでの強制同期信号の周波数の時間変化と電流値の時間変化とを示す図
【図5】 本発明の実施の形態における自吸式ポンプの要部断面側面図
【図6】 イ号公報に開示のブラシレスモータの制御装置の装置構成を示すブロック図
【図7】 イ号公報に開示のブラシレスモータの制御装置の同期制御から帰還制御への切り換え時のタイミングを示す図
【符号の説明】
11 ハウジング
11a 吸込口
11b 吐出口
12 仕切り板
12a 通水孔
13 吸水室
14 吐出室
15 固定軸
16 軸受け部
17 軸受け板
18 羽根車
19 ロータ
20 制御部
101 ステータ
102u、102v、102w 固定子巻線
103 永久磁石回転子
104 ドライブ回路
105、106、107、108、109、110 コミュテータ素子
111、112、113、114、115、116 フリーホイーリングダイオード
117 駆動電源
118 バイパスコンデンサ
119U、119L 中性電位生成抵抗
120 ゼロクロス点検出部
120u、120v、120w コンパレータ
121 制御部
130 帰還同期信号生成手段
131 強制同期周期データメモリ手段
132 電流検知手段
133 強制同期信号生成部
134 転流制御手段
135 駆動ベース信号バッファ部
136 切換制御手段
201 位置検出手段
202 制御部
203 起動指令手段
204 同期信号発生手段
205 モード判別手段
206 駆動信号生成手段
207、208 切り換えタイミング
209 位相差
VN 性電位
VU、VV、VW 駆動端子電圧
VI 全電流検出電圧
R1 全電流検出抵抗
VU0、VV0、VW0 ゼロクロス点検出信号
VU1、VV1、VW1 帰還同期制御信号
VU2、VV2、VW2 強制同期制御信号
VS 駆動電圧
UH、UL、VH、VL、WH、WL、UH’、UL’、VH’、VL’、WH’、WL’ 六
相制御信号
iu、iv、iw 駆動電流
Claims (7)
- 羽根車がブラシレスモータによって駆動される自吸式のポンプであって、複数の固定子巻線の各端子の電圧と基準電圧とを比較する比較手段と、前記各固定子巻線の各端子に接続され前記各固定子巻線に流す駆動電流を生成するドライブ回路と、前記ドライブ回路に駆動電圧を印加する駆動電源と、前記ドライブ回路に通電タイミング信号を出力する論理演算手段と、を備えたブラシレスモータの制御装置によって制御され、
前記論理演算手段が、起動毎に異なる負荷に対応して設定された複数の強制同期信号の周期データを有し、前記負荷は、ポンプの内部及び配管に水が満たされている状態と、ポンプの内部に水が満たされているが配管に水が無い状態と、ポンプの内部に水がない状態と、の3つの状態に分類されることを特徴とする自吸式ポンプ。 - 請求項1に記載の自吸式ポンプを制御するブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、前記複数の強制同期信号の周期データのうち周期の長い周期データから順に選択し強制同期信号を生成することを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
- 請求項1に記載の自吸式ポンプを制御するブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、前記複数の強制同期信号の周期データのうち周期の短い周期データから順に選択し強制同期信号を生成することを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
- 請求項1に記載の自吸式ポンプを制御するブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、起動毎に異なる負荷に対応して設定された複数の強制同期信号の周期データが記憶された強制同期周期データメモリ手段と、前記ドライブ回路の駆動電流を検出する電流値検知手段と、前記駆動電流が一定の電流値以上の場合に負荷トルクが設定より大きいとして前記駆動電流を基に前記複数の強制同期信号の周期データのうち適正な周期データを選択し強制同期信号を生成する強制同期信号生成手段と、を備えたことを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
- 請求項1に記載の自吸式ポンプを制御するブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、起動毎に異なる負荷に対応して設定された複数の強制同期信号の周期データが記憶された強制同期周期データメモリ手段と、前記ドライブ回路の駆動電流を検出する電流値検知手段と、前記駆動電流が一定の電流値以下の場合に負荷トルクが設定より小さいとして前記駆動電流を基に前記複数の強制同期信号の周期データのうち適正な周期データを選択し強制同期信号を生成する強制同期信号生成手段と、を備えたことを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
- 前記適正な周期データを選択する前に一度停止し、その後前記適正な周期データに切り換え再起動することを特徴とする請求項4又は5に記載のブラシレスモータの制御装置。
- 請求項1に記載の自吸式ポンプを制御するブラシレスモータの制御装置であって、前記論理演算手段が、起動毎に異なる負荷に対応して設定された複数の強制同期信号の周期データが記憶された強制同期周期データメモリ手段と、前記ドライブ回路の駆動電流を検出する電流値検知手段と、前記複数の強制同期信号の周期データのうち最も長い周期の周期データを選択して起動し前記駆動電流が一定の電流値より小さい場合は前記最も長い周期の周期データの次に長い周期の周期データを選択して強制同期信号を生成する強制同期信号生成手段と、を備えたことを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
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