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JP4466938B2 - 電磁波吸収特性を有する粒状材料と、その製造方法 - Google Patents
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電磁波吸収特性を有する粒状材料と、その製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁波を用いて通信し、検出し又は計測を行う場において不要な電磁波による障害を防止する建造物を製造する際、この部材内部に電磁波吸収体を効率良く配置した電磁波吸収特性を有する粒状材料と、その製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代の道路交通システムであるインテリジェント交通システム(ITS)の一環として、有料道路の自動料金収受システム(ETC)や、道路上を走行する自動車の走行支援システム(AHS)の開発が進んでいる。
【0003】
この自動料金収受システムは、高速道路等の有料道路を走行する自動車の往来を停止させずに、自動車に搭載された自動料金支払装置(ICカード、電波タグ等)と料金所のトールゲートに配置された自動料金収受装置との間で無線通信により料金を収受するシステムである。この自動料金収受システムは、単に料金支払いが簡単になるだけでなく、交通渋滞の緩和や人件費の削減効果等の観点からも導入が期待されている。
【0004】
自動料金収受システムでは、トールゲートに配置された自動料金収受装置のレーダ等の検出手段によって、道路上を走行してきた自動車がトールゲートに対し所定距離まで接近したことを検知する。
【0005】
すると、自動料金収受装置の無線通信装置が走行中の自動車に信号を送信し、自動車に搭載された自動料金支払装置から自動車の通行料金の判別に必要な情報(車種、契約内容、支払口座等)を無線通信による送信するよう促す。すると、自動車側の自動料金支払装置は、自動車の通行料金の判別に必要な情報を、自動料金収受装置の無線通信装置に送信する。
【0006】
この自動車の通行料金の判別に必要な情報を受信した自動料金収受装置は、有料道路上での自動車の走行距離等に基づき料金を計算し、料金の収受処理を実行する。
【0007】
また自動車の走行支援システムでは、例えば道路上における自動車の走行車線に沿った道路の各所定位置にそれぞれレーンマーカを設置し、この道路上を走行する自動車に搭載された走行支援装置のレーダ等の検出装置がレーンマーカの位置を検出して適正な走行ルートを検知し、自動車をこの適正な走行ルートに沿って走行させるため走行車線からの逸脱の可能性等をドライバに警告あるいは自動車の操舵装置に自動介入して安全な走行に役立てる。また、道路上に配置されたレーンマーカの通信機器と車両との間で種々の通信を行い、走行ルートの決定に役立てて、交通の便に供する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようなインテリジェント交通システムにおける自動料金収受システムや自動車の走行支援システムでは、走行中の自動車が対象となって比較的高い周波数の電磁波を利用して通信し、検出し又は計測を行う。このため、走行中の自動車が所定の場所を走り抜ける瞬時に、比較的高い周波数の電磁波を利用して通信し、検出し又は計測する動作を正確に実行せねばならない。
【0009】
ところが、この自動料金収受システム又は自動車の走行支援システムでは、これらのシステムから発射された比較的高周波の電磁波が道路等で幅射することにより不要な散乱電磁波が発生する。そして、この不要な散乱電磁波が自動料金収受システム又は自動車の走行支援システムの受信器に受信され、通信、検出又は計測の動作にエラーを生じる虞がある。
【0010】
このような自動料金収受システム又は自動車の走行支援システムでは、野外を走行する車両を対象とするので、自動料金収受システム又は自動車の走行支援システムを開放された野外に設置せねばならない。よって、この自動料金収受システム又は自動車の走行支援システムでは、一般に用いられている電磁波障害対策手段のように、電磁波の反射板で自動料金収受システム又は自動車の走行支援システムを囲って不要な散乱電磁波を遮蔽する手段を採ることができない。
【0011】
そこで、道路や料金所の建物といった建造物を、部材の内部損失を利用して電磁波を吸収する機能を有する電磁波吸収材料で建設することにより、これらのシステムから発射された電磁波を効率良く吸収して不要な散乱電磁波の発生を防止できるようにすることが提案されている。
【0012】
そこで、電磁波吸収材料を、磁性材料であるフェライトを混入した材料で製造して用いることが考えられるが、フェライトは吸収特性に優れる材料であるものの、吸収する電磁波の周波数帯への対応をフェライト部材の厚さで調整することになる。このため、電磁波吸収材料は、これに混入するフェライトの重量が嵩んで、この電磁波吸収材料自体の重さが重くなる等、建材として利用しにくい欠点を有する。
【0013】
また、比較的軽い短い繊維状の誘電材料等を建設材料に混入して電磁波吸収材料を製造し又は施工することが考えられる。この場合には、電磁波吸収材料は、その内部に短い繊維状の誘電材料を平均的にかつ適切な分布状態で配置されていることが必要になる。
【0014】
例えば、このような電磁波吸収材料を製造する場合には、短い繊維状の誘電材料を、骨材と結合材とに良くかき混ぜて満遍なく隅々まで行き渡らせなければ、十分な電磁波吸収特性を持ち品質の安定した所定性能の電磁波吸収材料を得られならないので、その製造又は施工作業に多大の労力がかかるという問題がある。
【0015】
本発明は上記事実を考慮し、内部に電磁波吸収体を平均的にかつ適切な分布状態で配置して、品質の安定した電磁波吸収材料を容易に製造可能とするための、電磁波吸収特性を有する粒状材料と、その製造方法を新たに提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の電磁波吸収特性を有する粒状材料は、一塊の核と、核の周囲に付着して固化され、気泡状の空間が形成された基材と、基材中に均等に分散されて混合された電磁波を吸収する電磁波吸収体と、を有することを特徴とする。
【0017】
上述のように構成することにより、粒状材料の内部における核の周囲に電磁波吸収体が平均的に分散されて配置されるから、電磁波吸収特性を安定させ品質の安定した電磁波吸収特性を有する粒状材料を得ることができる。また、この電磁波吸収特性を有する粒状材料が電磁波を良好に吸収する機能を持つことになる。さらに、核の周囲に、略均等な厚さで基材と電磁波吸収体との混合されたものの層を構成すれば、粒状材料の外形と大きさとの均一化を図れる。
また、基材には、気泡状の空間が形成されているため、自重の軽量化を図ることができる。
【0018】
本発明の請求項2に記載の電磁波吸収特性を有する粒状材料は、一塊の核と、核の外側にあって、核を内包する層状に配置された電磁波吸収体と、核の外側にあって、核を内包する層状に配置され、気泡状の空間が形成された基材と、を有し、電磁波吸収体の層と、基材の層とが積層構造を成すことを特徴とする。
【0019】
上述のように構成することにより、核を取り巻く周囲に電磁波吸収体を層状に配置してからその近傍に分散させるので、電磁波吸収体を核の外側全体に渡って平均的に分散させることができる。これにより粒状材料の電磁波を吸収する性質を、粒状材料の外周各部でより均一化し、粒状材料の電磁波吸収特性を安定化して信頼性をより向上できる。
また、基材には、気泡状の空間が形成されているため、自重の軽量化を図ることができる。
【0020】
本発明の請求項3に記載の電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法は、基材中に、電磁波を吸収する電磁波吸収体と発泡材とを均等に分散して混合したものを、一塊の核の周囲に付着させる工程と、核の周囲に、基材と電磁波吸収体とが混合されているものを付着した状態で焼成することにより、基材を含む部分で発泡させた状態で一体に固化する工程と、を有することを特徴とする。
【0021】
上述のような製造方法によれば、核の周囲に発泡させた状態で一体に固化された基材中に、電磁波吸収体を平均的に分散させた粒状材料を容易に製造できる。さらに、粒状材料の外形と大きさとを均一にして製造できる。電磁波吸収特性を有する粒状材料の内部における空隙の間の側壁部分に配置される電磁波吸収体が、空隙部分を仕切る表面に対応して平均的に分散して配置されるので、電磁波を良好に吸収できる。
【0026】
本発明の請求項に記載の電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法は、一塊の核の外側に、電磁波を吸収する電磁波吸収体を付着させる工程と、核の外側に、基材及び発泡材又はこれらを含む材料を付着させる工程と、核の外側に、電磁波吸収体と基材及び発泡材又はこれらを含む材料とを付着して積層した状態で焼成することにより、基材を含む部分で発泡させた状態で一体に固化する工程と、を有することを特徴とする。
【0027】
上述のような製造方法によれば、核の周囲で発泡させた状態で一体に固化された基材における空隙の間の側壁部分に、電磁波吸収体が配置され、空隙部分を仕切る表面に対応して平均的に分散して配置されるので、電磁波を良好に吸収できる。よって、電磁波吸収特性を有する粒状材料を安定した品質で大量生産できる。
【0028】
請求項に記載の発明は請求項1又は請求項に記載の電磁波吸収特性を有する粒状材料において、電磁波吸収体が炭素繊維であることを特徴とする。
【0029】
上述のように構成することにより、吸収対象となる電磁波の波長に対応して炭素繊維の長さを変更調整するだけで所要の電磁波吸収特性を得られるように設計を変更できるので、吸収対象となる電磁波の波長が異なる場合でも、この炭素繊維を用いた粒状材料の重さを変えずに対応できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料と、その製造方法に係わる実施の形態について図1乃至図9、図11、図12によって説明する。図1には、本発明の実施の形態に係る電磁波吸収特性を有する粒状材料を利用して建設した構造物としての有料道路の自動料金収受所の概略構成が斜視図にて示されている。
【0031】
この自動料金収受所では、有料道路上の所定場所に設置されたトールゲート10に、有料道路の各走行車線に対応して各自動料金収受装置12が配置されている。
【0032】
この自動料金収受装置12は、車両検出用のレーダと、無線通信装置とを備えている。この自動料金収受装置12では、その車両検出用のレーダからトールゲート10の手前側の所定範囲にレーダのミリ波を発射し、トールゲート10の手前側の所定位置に車両14が来たことを検知するように構成されている。
【0033】
また、この自動料金収受装置12では、車両検出用のレーダで道路走行車線上の所定位置に車両14が来たことを検知すると、自動料金収受装置12の無線通信装置から通信信号MWを発射して走行中の車両14に信号を送信する。
【0034】
車両14には、図示しない自動料金支払装置が搭載されていて、この自動料金支払装置が、自動料金収受装置12の無線通信装置からの通信信号MWを受信する。そして、自動料金支払装置は、この車両14の通行料金の収受に必要な情報(車種、重量、型式、登録番号等)を無線通信により送信する。
【0035】
この車両14の通行料金の判別に必要な情報を受信した自動料金収受装置12の自動料金収受装置は、有料道路上での自動車の走行距離等に基づき料金を計算し、料金の収受処理を実行する。
【0036】
上述した自動料金収受所では、少なくとも自動料金収受装置12の無線通信装置から指向性をもって発射される例えば5.80GHzの周波数帯の電波である通信信号MWが照射される所定の範囲と、自動料金収受装置12の車両検知用のレーダから発射されたミリ波が照射される所定の範囲とに渡る道路又は建造物の部分を、通信、検出又は計測用の低強度の電磁波を吸収する特性を有する電磁波吸収特性を有する粒状材料を用いて製造した電磁波吸収材料で建設する。
【0037】
これにより、道路面又は建造物で不要に反射される電波による電磁障害によって無線通信又は車両検出の動作が電磁波障害により阻害され、料金収受等の動作に支障が生じるのを防止する。
【0038】
このため、通信、検出又は計測用の低強度の電磁波を吸収する機能を有する舗装構造の道路を、図2又は図3に示すように構成する。
【0039】
図2に示す道路は、その道路の最も表面の部位に保護層16を構成し、その下に表層18を配設し、その下に電磁波反射層20を配設し、さらにその下に下部構造22を配設して構成されている。
【0040】
この保護層16は、道路の最表面に形成されて、表層18を車の往来などによる衝撃、摩耗から保護する構成とされている。このように、道路における表層18の表面に保護層16を設けることにより、過度の人や自動車の往来による摩耗や衝撃で表層18の表面状態や厚みが変化することによる表層18での電波吸収性能の低下を防止することが可能となる。
【0041】
この保護層16は、その表面で電磁波が反射されるのを抑制し、電磁波の入射を容易にするため、例えば、通常のアスファルト等の空気と表層18との中間の電気的特性を有する材料、又は表層18よりも空気に近い電気的特性をもつアスファルトで構成されている。なお、保護層16を、より電磁波の入射を容易にする為、空隙の多い構成とすることが望ましい。
【0042】
この電磁波吸収機能を有する道路に配設される構造物としての表層18は、骨材及びバインダ等のベース材料(アスファルト、セメント、コンクリート等)に導電性電波吸収材料若しくは磁性電波吸収材料を単独に又は組合わせて混入した電磁波吸収機能(エネルギー減衰)を有する電磁波吸収材料で構成されている。
【0043】
ここで使用する誘電材料である導電性電波吸収材料としては、耐久性の高い炭素材料やステンレス等の金属材料が好ましく、これらの材料を繊維状、ビーズ状や粉状等の形態にして使用する。
【0044】
また、ここで使用する磁性電波吸収材料等の磁性材料としては、フェライト、パーマロイ等を例えば粒状、や粉状、線状、板状の形態にして使用する。
【0045】
さらに、表層18の電磁気的特性の調整は、空隙量の増減や使用骨材の種類(特に比重)等によっ ても可能であり、通常、空隙量を多くすると誘電率を小さくするよう構成できる。
【0046】
次に、表層18を、導電性電波吸収材料としての電磁波吸収体(電磁波吸収体としての炭素繊維等の導電性繊維、すなわち入射する電磁波を吸収し、抵抗損失を生じさせるもの、電磁波のエネルギーを熱に変換するいわゆるジュール熱損を生じる性質を有するもの、及び誘導電流によるエネルギ損失を生じさせるものを含む)を付加した電磁波吸収特性を有する粒状材料を用いた電磁波吸収材料で構成する場合について説明する。
【0047】
この表層18を構成するための粒状材料に付加する電磁波吸収体は、導電性繊維である炭素繊維24(カーボンファイバ)の他に、カーボン含有繊維、ニードルカーボン、ステンレス材等のメタルファイバ等を使用しても良い。特に炭素繊維を用いた場合には、高い耐環境性、耐久性を有するので、降雨、降雪等、気候の影響を受けないようにできる。
【0048】
次に、表層18を構成するための粒状材料に電磁波吸収体である炭素繊維24を付加する場合の炭素繊維24の長さについて説明する。
【0049】
第1に、抵抗損失体に電磁波が入射したときの抵抗損失を期待するためには、吸収対象となる電磁波の波長λ、(真空中)に対して抵抗損失体の長さ(L)は、L=nλ/2(nは自然数)となることが好ましい。
【0050】
第2に、電磁波は、通過する物質、媒質、抵抗損失体(この場合は炭素繊維24)自体の誘電率等の電気特性による波長短縮効果により、空気中の波長よりも短くなる。この点を考慮して、実際に混入する抵抗損失体の長さ(Lr)の最短長さを理論式上で計算し、実験で確認すると、実際に混入する抵抗損失体の最短の長さ(Lr)は、Lr≧λ/10で有効な抵抗損失効果(電磁波吸収効果)が得られることが判明した。
【0051】
次に、表層18を構成する粒状材料に付加する抵抗損失体としての炭素繊維24の最大長さについて説明する。実際に混入する抵抗損失体の長さ(Lrmax)を規定する要因には、次のものがある。
【0052】
第1に、炭素繊維24を付加する粒状材料に比較してあまり繊維長が長いと、粒状材料の外周面部に炭素繊維24を沿わせて保持することが困難となる。
【0053】
第2に、通常、表層18は、一回の施工厚さが30〜50mmである。よって、混入する炭素繊維24の長さが一回の施工厚さよりも長いと、施工後の表層部内での繊維の偏在が生じ易くなる。
【0054】
以上の理由及び実験の結果等から、炭素繊維24の最大寸法は50mm以下とすることで、おおよそ電磁波吸収特性が5.8GHzにおいて−l0〜−15dB(現地条件)となると良い結果が得られることが分かった。
【0055】
次に、表層18構成する粒状材料に付加する抵抗損失体としての炭素繊維24が、最も効率良く吸収対象となる所定波長λの電磁波を吸収できる炭素繊維24の長さの条件について説明する。この炭素繊維24が最も効率良く所定波長λの電磁波を吸収するのは、炭素繊維24の長さが所定波長λの電磁波に共振する長さとなったときである。
【0056】
すなわち、通信、検出又は計測に用いられる低強度で所定の波長λの電磁波に対して略λ/2の自然数倍となる長さを、炭素繊維24の長さとする。なお、炭素繊維24の長さは、λ/2n(nは自然数)となるように短い線状に形成しても良い。
【0057】
ここで、通信、検出又は計測に用いる電磁波の波長は、保護層16、表層18に入射した際に、これら固有の誘電率等の電気特性による波長短縮効果によって、短縮する。さらに、この通信、検出又は計測に用いる電磁波の波長は、表層18に混入された炭素繊維24に入射した際に、その誘電率等の電気特性による波長短縮効果によって、短縮する。
【0058】
よって、表層18に混入する炭素繊維24の長さを所定波長λの電磁波に共振する長さに設定するには、保護層16、表層18、炭素繊維24に対する各固有の誘電率等の電気特性による波長短縮効果を考慮して行う。
【0059】
この炭素繊維24の長さを共振する長さに設定する場合、例えば、一般的な表層18を構成する材料の誘電率等の電気特性から電磁波の波長短縮効果で短縮されると予想される波長を計算し、さらに、炭素繊維24の誘電率等の電気特性から電磁波の波長短縮効果で短縮されると予想される波長を計算して、現実の条件で短縮される電磁波の波長を予測する。
【0060】
次に、この予測された炭素繊維24の共振する長さ近辺で少しづつ長さを変えた炭素繊維24を用意して、これらの異なる長さ毎に表層18に混入したサンプルを作成する。
【0061】
そして、通信、検出又は計測に用いる所定波長λの電磁波を照射して、その吸収特性を求める。この時、吸収特性のピーク効果が得られた炭素繊維24の長さを、通信、検出又は計測に用いられる所定波長λの電磁波に対して共振する炭素繊維24の長さとして設定する。
【0062】
このように炭素繊維24を所定波長λの電磁波に対して共振する長さとした場合には、通信、検出又は計測に用いられる所定波長λの電磁波に狙いを定めて表層18で効率良く吸収するから、その所定波長λの電磁波の反射等による不要電磁波の電磁波障害を有効に防止でき、通信、検出又は計測の動作を確実に行える。
【0063】
次に、表層18を構成するための電磁波吸収材料としての粒状材料に付加する抵抗損失体としての炭素繊維24の最適付加量について説明する。
【0064】
ベース材料の粒状材料に付加する炭素繊維24の付加量を増やしていくと、ベース材料における電磁波の反射量が大きくなり、最終的には電磁波の反射体となる。実験的には、ベース材料として、アスファルト:骨材=5:95(重量比)の配合のものを用い、これに付加する炭素繊維24(長さ5mm)を粒状材料の0.5%(重量比)だけ付加した場合に、反射量が大きくなる結果が得られた。
【0065】
よって、電磁波吸収機能(エネルギ減衰)を有する電磁波吸収材料としての適性は、ベース材料に混入する炭素繊維24を骨材としての粒状材料の0.5%(重量比)以下とすることが望ましいと思料される。
【0066】
図2に示すように、電磁波吸収機能を有する道路に配設される電磁波反射層20は、炭素繊維や金属繊維等からなる導電性電波吸収材料を用いて形成する。例えば、これらの材料で形成したメッシュ(メッシュサイズ:対象とする電磁波の波長に対する20分の1以下が好ましい)を表層18背後の下部構造22における基層表面に設置する。
【0067】
なお、電磁波反射層20を基層中に配設し、又は基層の表面部分若しくは全体に導電性電波吸収材料を十分に混入し、反射層として構成しても良い。また、ベース材料の粒状材料に付加する炭素繊維24の付加量を十分に増やして電磁波の反射体を構成し、これを下部構造22における基層表面に隙間なく配置し、反射層として構成しても良い。
【0068】
また、下部構造22は、一般の砂、砂利等の従来の舗装構造とする。
【0069】
次に、上述した図2に示す電磁波吸収機能を有する道路における、表層18の上面で反射する反射電磁波IW1と、表層18に入射して電磁波反射層20に反射され表層18を透過した反射電磁波OW1とが逆位相となり相殺作用による内部損失で、これら電磁波を減衰させる構成について説明する。
【0070】
この反射電磁波IW1と、反射電磁波OW1とを逆位相とするには、表層18の厚さDを、D=λ(n+1)/4COSθ(λは吸収対象となる電磁波の波長、nは自然数、θは電磁波の入射角度)に設定すれば良い。
【0071】
このように構成することにより、表層18の上面で反射する反射電磁波IW1に対し、表層18に入射してから電磁波反射層20に反射され表層18を透過した反射電磁波OW1の位相が逆になるので、反射電磁波IW1と反射電磁波OW1とが互いに打ち消しあって消滅又は減衰する。
【0072】
よって、この表層18を設けた道路における電磁波の反射を削減できる。
【0073】
また、表層18で反射電磁波OW1の位相を逆転させる為に、表層18の厚さDをλ(n+1)/4COSθに設定する代わりに、表層18の誘電率を変えて、いわゆる表層18の電気長をλ(n+1)/4COSθに変更調整するよう構成しても良い。
【0074】
この表層18の誘電率を変えて電気長をλ(n+1)/4COSθに変更調整するには、図3に示すように表層18の舗装材料を、炭素繊維24の他に、ビーズ状の炭素粒26(炭素粉でも良い)を適量混入したものとする。
【0075】
これにより、表層18を構成する舗装材料の誘電率を変更調整して表層18の厚さに相当する電気長をλ(n+1)/4COSθに変更調整し、電磁波反射層20に反射された反射電磁波OW1の位相を逆にする。
【0076】
このように構成することにより、実際の表層18の厚さと、表層18の電気長とが異なるように構成できるので、表層18の厚さを道路の強度上の条件に適合させる等の道路設計上の自由度を高めることができる。
【0077】
さらに、道路を図3に示すように構成することにより、表層18の電磁波吸収材料中では、炭素繊維24と炭素粒26とが相俟って相互に電磁誘導現象を生じ、誘導電流によるエネルギ損失をより拡大して吸収すべき電磁波のエネルギをより多く減衰させることができる。
【0078】
また、道路における表層18部分の厚さをより大きくし、表層18に入射した電磁波が、電磁波反射層20に反射し表層18内を通過する経路上で減衰し消滅してしまい表層18の表面から放射されないようになるよう構成しても良い。
【0079】
又は、道路における表層18部分を必要十分な厚さに大きくし、表層18の表面から入射した電磁波が表層18の底面に向かう経路上で吸収されて消滅するように構成しても良い。
【0080】
次に、電磁波吸収材料の製造に利用される電磁波吸収特性を有する粒状材料について、図4乃至図9を参照しながら説明する。
【0081】
この電磁波吸収特性(電磁波吸収機能、エネルギー減衰機能)を有する粒状材料30は、所定大きさの一塊の固体である核36と、その周囲を取り囲む層状に配置される基材及び電磁波吸収体とを固着一体化して構成する。
【0082】
この核36は、石炭灰の粉末と粘土の粉末を混合して一塊の所定形状に成形後に焼成して固化したもの、一塊の天然石材、セメントで形成した一塊の粒状材等の固体(粒径最小lmm程度以上)で構成する。
【0083】
また基材には、例えば、石炭灰に粘土(粉末)の造粒助材を混合した粉体を用いる。
【0084】
電磁波吸収体は、導電性電波吸収材料若しくは磁性材料を単独に又は組合わせて構成する。
【0085】
ここで使用する導電性電波吸収材料は、誘電材料であって耐久性の高い炭素材料やステンレスを用いることが好ましく、これらの材料を繊維状、ビーズ状や粉状等の形態にして使用する。
【0086】
また、使用する磁性材料としては、フェライトを例えば粒状や粉状の形態にして使用する。
【0087】
なお、電磁波吸収体は、入射する電磁波を吸収し、抵抗損失を生じさせるもの、電磁波のエネルギーを熱に変換するいわゆるジュール熱損を生じる性質を有するもの、及び誘導電流によるエネルギ損失を生じさせるもので構成できる。
【0088】
さらに、粒状材料30に混入する電磁波吸収体は、炭素繊維24(カーボンファイバ)の他に、カーボン含有繊維、ニードルカーボン、ステンレス材等のメタルファイバ、導電性繊維等を使用しても良い。特に炭素繊維を用いた場合には、高い耐環境性、耐久性を有するので、降雨、降雪等、気候の影響を受けないようにできる。
【0089】
なお、炭素繊維24の長さ、形状、付加量等は、前述した図2、又は図3に示す表層18のものに準ずる。
【0090】
また、基材に対する誘電材料若しくは磁性材料(電磁波吸収体)の配合比率を適宜変更調整し、又は粒状材料30に混入させる誘電材料若しくは磁性材料(電磁波吸収体)の各質を変えることによって、所望の多様な電磁波吸収特性を有する粒状材料30を得ることができる。
【0091】
例えば電磁波吸収特性の用途に応じて、比較的に炭素繊維24(電磁波吸収体)の付加量を多くした粒状材料30を構成し、又は比較的に炭素繊維24(電磁波吸収体)の付加量を少なくした粒状材料30を構成して利用することができる。
【0092】
また、数種類の長さが異なる炭素繊維24を、各長さ毎に粒状材料30に混入したものを用意し、これらを適宜組み合わせて利用して、吸収する電磁波の周波数帯が多岐に渡る場合に対応することができる。
【0093】
さらに、粒状材料30が炭素繊維24(電磁波吸収体)を用いて構成されている場合には、吸収する電磁波の周波数帯に対応して炭素繊維24の長さを変更調整すれば良い。
【0094】
また、粒状材料30の電磁気的特性の調整は、その内部に設ける空隙量の増減等によっても可能であり、通常、空隙量を多くすると誘電率を小さくするよう構成できる。
【0095】
次に、上述した粒状材料30を製造するに当たっては、以下に例示する製造方法により製造することができる。
【0096】
この粒状材料の第1の製造方法では、初めに、原材料の計量工程の製造作業を行う。この原材料の計量工程は、誘電材料又は磁性材料(電磁波吸収体)と、基材(石炭灰等の粉末)と、造粒助材(粘土の粉末等)とを、それぞれ計量して各所要重量の材料を用意する工程である。なお、ここで、炭素繊維24(電磁波吸収体)を用いる場合には、その長さを核36の大きさに対応して設定する。
【0097】
次の混合工程では、原材料の計量工程において用意された所要重量の誘電材料又は磁性材料と、基材と、造粒助材とをミキサへ投入して万遍無く混合する。
【0098】
次に、核に電磁波吸収体、基材及び造粒助材の混合物を付着させる付着工程では、核36の周囲に、電磁波吸収体、基材及び造粒助材の混合物を所定量層状に付着させる。
【0099】
次に、粒状成形工程で、核36の周囲に、電磁波吸収体、基材及び造粒助材の混合物を所定量層状に付着したものの外形を、図6に示すような球形、図7に示すようなランダムな外形の小塊状又は図8に示すような円柱状等の所定形状に形成する。
【0100】
なお、粒状材料30をランダムな外形の小塊状にする場合でも、核36を中心にしてその周囲に電磁波吸収体、基材及び造粒助材の混合物の層が略均等な厚さで形成されるので、各粒状材料30の外形を略同様な形状に揃えられる。
【0101】
次に、焼成工程で、球形、小塊状又は円柱状等の所定形状の粒状に形成された、核36と、誘電材料又は磁性材料と、基材と、造粒助材とを所定温度で焼き固めることにより、図4及び図9に示すような粒状材料30を製造する。
【0102】
9に示すように、上述のようにして製造された軽量の粒状材料30は、その内部における核36の周囲の部分が無数の空隙部分(気泡状の空間部分)と側壁部分30Aとで構成される。
【0103】
このため、粒状材料30内の側壁部分30Aの中には、炭素繊維24が捕捉された状態となり、粒状材料30の内部における36の周囲で炭素繊維24が均質に分散された三次元構造を成す。
【0104】
すなわち、この軽量の粒状材料30では、その内部に気泡状の空間部分を囲むように殻状の側壁部分30Aが形成される。よって殻状の側壁部分30Aの中に分散される各炭素繊維24は、それぞれ気泡状の空間を仕切る側壁部分30A内側の曲面各部に対応した接線方向に向くように配置されるので各炭素繊維24の配向が一方向に整うことはなくなる。
【0105】
これにより、各炭素繊維24は、各気泡状の空間部分を囲む殻状の側壁部分30Aの内部において略平均的に三次元のすべての方向に向くよう配置されると共に、殻状の側壁部分30Aの内部において略均等な密度で分配され、炭素繊維24が均質に分散された三次元構造を成す。
【0106】
さらに、この炭素繊維24が均質に分散された三次元構造は、粒状材料30を製造するときの焼成工程で自動的に構成されるので、炭素繊維24を効率良くかつ容易に粒状材料30の内部に分散させることができ、しかも粒状材料30自体の軽量化を図ることができる。
【0107】
また、上述した粒状材料30の第1の製造方法において、粒状材料30内部での発泡をより活発にするため混合工程で基材である粉末に炭酸カルシウムや炭化ケイ素等の発泡助材を混合した後、焼成工程で焼成して炭酸ガスを発生させて気泡を得る方法を用いても良い。
【0108】
この粒状材料30は、これに混入する誘電材料として、耐久性の高い炭素材、ステンレス材製で、繊維状、ビーズ状、粒状に形成したものを用いることができる。
【0109】
さらに、粒状材料30に混合される誘電材料又は磁性材料の配合比率を変化させることにより、粒状材料30の電磁波の吸収作用を波長や使用環境に対応させて設定することが可能になる。
【0110】
さらに、粒状材料30の電磁波の吸収性能は、粒状材料30の内部への誘電材の混入量によって調整できる。吸収すべき電磁波の周波数により誘電材料および磁性材料の材質・形状(径・長さ)を変える。また、粒状材料30自体の粒度(形状)を変化させることによって吸収特性を変化させることもできる。
【0111】
なお、粒状材料30の粒度や外形は自由に設定することができる。
【0112】
次に、参考例として、上述の粒状材料30を製造する第2の製造方法について説明する。
【0113】
この第2の製造方法は、核36の外側に粉体と繊維材とを交互に付着させ、所要の大きさまで造粒して構成する。
【0114】
このため第2の製造方法では、初めに、核36と、電磁波吸収体(ここでは炭素繊維24を用いる)と、基材(石炭灰等の粉末)と、造粒助材(粘土の粉末等)とを、それぞれ別々に用意する。
【0115】
次に付着工程では、まず第1の作業として、図13に示すように、核36の外周面全体に万遍無く電磁波吸収体としての炭素繊維24を付着させる。
【0116】
この時、核36の外周面に対する炭素繊維24の付着効果を高めるよう、少量の水分又はバインダー材を利用しても良い。
【0117】
これにより核36の外周面全体に炭素繊維24が付着された状態となり、各炭素繊維24は、核36の外周面の各接触部における接線方向に向いた状態で均質に分散された三次元構造を成すので、各炭素繊維24の配向が一方向に整うことはなくなる。
【0118】
次に第2の作業として、図14に示すように、核36の外周面全体に炭素繊維24を付着させた状態のものの外周面全体に万遍無く基材と造粒助材とを混合したものを層状に付着させる。
【0119】
この時、核36の外周面に炭素繊維24を付着させたものの上に、さらに基材と造粒助材とを混合したものを層状に付着させるための付着効果を高めるよう、少量の水分又はバインダー材を利用しても良い。
【0120】
次に第3の作業として、図15に示すように、上述と同様にして核36の外側に炭素繊維24を付着し、さらに基材と造粒助材との混合物を上塗りしたものの外周面全体に万遍無く電磁波吸収体としての炭素繊維24を付着させる。
【0121】
次に第4の作業として、図16に示すように、上述と同様にして核36の外側に炭素繊維24、基材と造粒助材との混合物、さらに炭素繊維24の3層を重ねて付着させたものの外周面全体に万遍無く基材と造粒助材とを混合したものを層状に付着させて粒状材料30を構成する。
【0122】
この粒状材料30は、上述のようにして核36の外周面上に炭素繊維24の層と基材と造粒助材とを混合したものの層とを所要回数交互に付着させ一体化することにより、所定の大きさまで造粒される。
【0123】
なお、この粒状材料30の造粒作業の際、初めに核36の外周面上に基材と造粒助材とを混合したものを付着し、次に炭素繊維24を付着させて構成しても良い。
【0124】
さらに、炭素繊維24、又は基材と造粒助材とを混合したものを2度塗りするように付着させ、若しくは複数回塗るように付着してから、次の基材と造粒助材とを混合したもの又は炭素繊維24を付着するよう構成しても良い。
【0125】
このようにして粒状材料30の造粒作業を行う場合には、炭素繊維24、基材、造粒助材を攪拌して混合する作業を行わない。よって、炭素繊維24が破断したり、複数の炭素繊維24だけが塊となって残るようなことを防止できる。
【0126】
なお、必要に応じて、上述のように核36の周囲に、電磁波吸収体、基材及び造粒助材の混合物を所定量層状に付着したものの外形を、図6に示すような球形、図7に示すようなランダムな外形の小塊状又は図8に示すような円柱状(この場合には、核36を粒状材料30の外形に対して一回り小さな相似形にするため、小円柱状に形成して粒状材料30を構成する。)等の所定形状に形成しても良い。
【0127】
次に、焼成工程で、球形、小塊状又は円柱状等の所定形状の粒状に形成された、核36と、炭素繊維24と、基材と、造粒助材とを所定温度で焼き固めることにより、図4、図6、図7、図8又は図9に示すような粒状材料30を製造する、本発明の実施の形態について説明する
【0128】
この焼成工程で、粒状材料30は、そのままの状態で固化されるようにしても良いし、又は粒状材料30が、その内部の基材及び造粒助材の混合物の層に気泡状の空間部分を作るように構成しても良い。
【0129】
ここで、粒状材料30は、そのままの状態で固化される場合は、各炭素繊維24が核36の外周面上の各点に対する接線方向に対応して配置されるので、略平均的に三次元のすべての方向に向くよう配置されると共に、複数に積み重ねられた炭素繊維24と基材及び造粒助材の混合物の層とにより、核36の周囲において略均等な密度で分配され、炭素繊維24が均質に分散された三次元構造を成すので、各炭素繊維24の配向が一方向に整うことはなくなる。
【0130】
また、粒状材料30が、その内部の基材及び造粒助材の混合物の層に気泡状の空間部分を作る場合には、この気泡状の空間部分を囲むように殻状の側壁部分30Aが形成される。
【0131】
この場合、基材と造粒助材に、さらに発泡材(炭酸カルシウム、炭化ケイ素等)を混合し、焼成工程で、粒状に形成された核36と、炭素繊維24と、基材と、発泡材との混合物を所定温度で焼成し、炭酸ガスを発生させて内部に造られた気泡により無数の空隙部分(気泡状の空間部分)と側壁部分30Aとでより多孔質に構成しても良い。
【0132】
そして、このようにして多孔質に構成された粒状材料30は、その殻状の側壁部分30Aの中に分散される各炭素繊維24が、それぞれ気泡状の空間を仕切る側壁部分30A内側の曲面各部に対応した接線方向に向くように配置される。
【0133】
これにより、各炭素繊維24は、各気泡状の空間部分を囲む殻状の側壁部分30Aの内部において略平均的に三次元のすべての方向に向くよう配置されると共に、殻状の側壁部分30Aの内部において略均等な密度で分配され、炭素繊維24が均質に分散された三次元構造を成す。
【0134】
すなわち、この粒状材料30は、各炭素繊維24が粒状材料30の内部において核36の周囲で種々の方向に向き、しかも平均的に分散されて配置されるので各炭素繊維24の配向が一方向に整うことはなくなる。
【0135】
また、上述のように構成された粒状材料30は、その内部に気泡状の空間を持つので、自重の軽量化を図ることができる。
【0136】
上述のように構成した粒状材料30は、その表面から透過した電磁波を粒状材料30の内部の誘電材料又は磁性材料である炭素繊維24に干渉させることにより、内部損失を促進して電磁波吸収効果を得る。
【0137】
また、粒状材料30内の多数の空隙部分は、全方向に均質に存在するため、電磁波の粒状材料30表面への入射角度が浅い場合にも表面反射を起こし難いので、電磁波Wを粒状材料30内部へ侵入させて吸収し易くできる。
【0138】
また、軽量の粒状材料30を構造材(骨材)として取りこんだコンクリート、アスファルト、樹脂混合材をパネル状に成型することにより壁・床・屋根等の軽量の建材として利用できる。
【0139】
上述のように構成された軽量の建材は、有料道路の料金所周辺施設、トンネル坑内、その他電磁波を照射する個所全般の建材として利用し、長時間の電磁波被爆がもたらす生体への影響を最小限に抑える技術として役立てることが可能となる。
【0140】
なお、前述した図2及び図3に示すように、粒状材料30を含む層(表層18)の厚さを調整することによって背面の電磁波反射材(電磁波反射層20)に反射した入射波を逆位相に変換し、相殺作用による内部損失を得ることができる。
【0141】
また、粒状材料30の電磁気的特性の調整は、その内部に設ける空隙量の増減等によっても可能であり、通常、空隙量を多くすると誘電率を小さくするよう構成できる。
【0142】
次に、上述のように、炭素繊維24を混入して構成した電磁波吸収特性を有する粒状材料30を利用して道路における構造物としての表層18を構成する場合について説明する。
【0143】
この場合には、炭素繊維24を混入して構成した電磁波吸収特性を有する粒状材料30を所定の多数量用意し、これらに結合材を所定適量加えて、これらを良く攪拌して混合し、転圧等の施工作業によって図5に示すような道路の表層18を形成する。
【0144】
このようにして表層18を構成することにより、粒状材料30と結合材34との混合時に各粒状材料30が表層18を形成する範囲内で安定的に分散する。これに伴なって、各粒状材料30の内部に混入した炭素繊維24も表層18を形成する範囲内で平均的に分散して図5に示すような状態の表層18が形成される。
【0145】
次に、表層18を炭素繊維24の充填密度の異なる3層を一体化して、表層18の表面側から電磁波が侵入し易くし、電磁波の反射を低減させるよう図11に示す如く構成する場合について説明する。
【0146】
この場合には、粒状材料30の内部に他と比較して最も多くの炭素繊維24を混入した炭素繊維24の含有率が最も高い粒状材料30と、粒状材料30の内部に他と比較して中程度の炭素繊維24を混入した炭素繊維24の含有率が中程度の粒状材料30と、粒状材料30の内部に他と比較して最も少ない炭素繊維24を混入した炭素繊維24の含有率が最も低い粒状材料30と、を用意する。
【0147】
そして、炭素繊維24の含有率が最も高い粒状材料30を利用して、他の骨材との混合比が最も高くなる状態(粒状材料30の密度が高い状態)で表層18の最下層18A(第3層)を構成する。
【0148】
次に、炭素繊維24の含有率が中程度の粒状材料30を利用して、他の骨材との混合比が中程度の状態で表層18の中間層18B(第2層)を構成する。
【0149】
次に、炭素繊維24の含有率が最も少ない粒状材料30を利用して、他の骨材との混合比が最も低くなる状態で表層18の最上層18C(第1層)を構成し、図11に例示するような一体構造の表層18を構成する。
【0150】
なお、炭素繊維24の含有率又は他の骨材との混合比の何れかだけを調整して表層18の最下層18A(第3層)、中間層18B(第2層)、最上層18C(第1層)を構成しても良い。
【0151】
上述のような一体構造の表層18では、図12に示す線図から理解できるように、表面側の第1層が炭素繊維24の含有率が最も少ないため、この表面側の第1層に入射した電磁波が表層18の内部に侵入し易いから表層18の表面で電磁波が反射されることを低減しながら電磁波を吸収できる。そして、この一体構造の表層18では、炭素繊維24の含有率が中程度の第2層で徐々に電磁波を吸収しながら、この電磁波を通過させ、炭素繊維24の含有率が最も高い第3層で電磁波を十分に吸収することができる。
【0152】
次に、図1に示す自動料金収受所における道路の少なくとも所要の範囲に、前述した電磁波吸収特性を有する粒状材料を用いた電磁波吸収材料である舗装材料で施工した道路部分を構成したときの、作用及び効果について説明する。
【0153】
なお、ここで用いる舗装材料は、レーダのミリ波を吸収する構成(このレーダのミリ波を吸収するよう対応した長さの炭素繊維24を含むと共に、自動料金収受装置12の無線通信装置から発射される、例えば5.80GHzの周波数帯の電磁波を吸収するよう対応した長さの炭素繊維24を含むように構成する。)
【0154】
この自動料金収受所では、そこに配置された自動料金収受装置12の車両検知用のレーダからミリ波を発射して道路上を自動料金収受装置12へ向けて走行して来る車両14を検出する。
【0155】
この時、レーダ装置から発射されたミリ波は、電磁波吸収機能を有する道路によって吸収されるので、道路に反射した不要な電磁波による電磁波障害よってレーダ装置が誤作動することなく、適正に車両14を検出できる。
【0156】
このようにして自動料金収受装置12のレーダ装置が車両14を所定位置で検知すると、自動料金収受装置12の無線通信装置は、例えば5.80GHzの周波数帯の電波である通信信号MWを用いて、車両14に搭載された自動料金支払装置との間で無線による交信を行い、料金収受の処理を実行する。
【0157】
この時、自動料金収受装置12の無線通信装置から発射された5.80GHzの電波は、電磁波吸収機能を有する道路に当たると吸収される。
【0158】
よって、無線通信装置から発射された5.80GHzの電波が道路に反射して、所定位置で検知された車両14のすぐ後に接近して走行して来る後続車両に受信されてしまうという電磁波障害により、所定位置で検知された車両14の料金収受の処理と、後続車両の料金収受の処理とが同時に行われてしまうというような誤作動を有効に防止できる。
【0159】
また、図示しないが本実施の形態の電磁波吸収特性を有する粒状材料30を利用して製造した舗装材料を、自動車の走行支援システムで利用する場合は、例えば道路上における自動車の走行経路に沿った道路の各所定位置にそれぞれ設置されたレーンマーカの周囲における電磁波障害を取り除くために必要な範囲内の道路の一部を、電磁波吸収機能を有する舗装材料で構成する。
【0160】
すなわち、レーンマーカを取り巻く所定半径の円状に電磁波吸収機能を有する舗装材料を配し、又は道路の長手方向に沿った長円形状に電磁波吸収機能を有する舗装材料を配した道路とする。
【0161】
このように構成することにより、この道路上を走行する自動車に搭載された走行支援装置のレーダ等の検出装置が電磁波障害を受けることなく適正にレーンマーカの位置を検出して適正な走行ルートを検知できる。さらに、道路上に配置されたレーンマーカの通信機器と車両との間で、電磁波障害を受けることなく適正に種々の通信を行うことができる。
【0162】
なお、前述した実施の形態では、電磁波吸収特性を有する粒状材料30を利用した舗装材料を道路の舗装に用いた構成について説明したが、この電磁波吸収特性を有する粒状材料30は、種々の構造物の材料として利用できる。
【0163】
すなわち、電磁波吸収特性を有する粒状材料30は、駐車場の床面を構成する材料、ビル内の床面を構成する材料、滑走路を構成する材料又は格納庫の床面を構成する材料、トンネル坑内、その他電磁波の照射を受ける構造物全般を構成可能な材料として利用可能である。
【0164】
また、電磁波吸収特性を有する粒状材料30をアスファルト、コンクリート、樹脂結合材等を結合材34とした混合材を製造し、混合材を使用して、建設個所の構造物の形状や所要厚さに合わせて成形できるから、現場にて種々の建造物を建設することができる。
【0165】
このように、電磁波吸収特性を有する粒状材料30を利用して、道路の料金所周辺施設、トンネル坑内、その他電磁波を照射する個所全般において、電磁波を用いた通信を利用するITS関連技術等において、有害な散乱電磁波を効率良く除去することができる。
【0166】
【発明の効果】
第1に、本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料は、一塊の核の周囲に、電磁波を吸収する電磁波吸収体を、気泡状の空間が形成された基材中に均等に分散して混合したものを付着して固化して構成する。
【0167】
これにより、粒状材料の内部における核の周囲に電磁波吸収体が平均的に分散されて配置されるから、電磁波吸収特性を安定させ品質の安定した電磁波吸収特性を有する粒状材料を得ることができる。また、この電磁波吸収特性を有する粒状材料が電磁波を良好に吸収する機能を持つことになる。さらに、核の周囲に、略均等な厚さで基材と電磁波吸収体との混合されたものの層を構成すれば、粒状材料の外形と大きさとの均一化を図れるという効果がある。
【0168】
第2に、本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法は、気泡状の空間が形成された基材中に電磁波を吸収する電磁波吸収体を均等に分散して混合したものを、一塊の核の周囲に付着させ、その後に、核の周囲に、基材と電磁波吸収体とが混合されているものを付着した状態で、一体に固化して製造する。
【0169】
これにより、核の周囲に一体に固化され気泡状の空間が形成された基材中に、電磁波吸収体を平均的に分散させた粒状材料を容易に製造できる。さらに、粒状材料の外形と大きさとを均一にして製造できる。よって、電磁波吸収特性を有する粒状材料を安定した品質で大量生産できるという効果がある
【0170】
第3に、電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法は、基材中に、電磁波を吸収する電磁波吸収体と発泡材とを均等に分散して混合したものを、一塊の核の周囲に付着させた後、核の周囲に、基材と電磁波吸収体とが混合されているものを付着した状態で焼成することにより、基材を含む部分で発泡させた状態で一体に固化して製造する。
【0171】
これにより、核の周囲に発泡させた状態で一体に固化された基材中に、電磁波吸収体を平均的に分散させた粒状材料を容易に製造できる。さらに、粒状材料の外形と大きさとを均一にして製造できる。電磁波吸収特性を有する粒状材料の内部における空隙の間の側壁部分に配置される電磁波吸収体が、空隙部分を仕切る表面に対応して平均的に分散して配置されるので、電磁波を良好に吸収できるという効果がある。
【0176】
に、電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法は、一塊の核の外側に、電磁波を吸収する電磁波吸収体を付着し、核の外側に、基材及び発泡材又はこれらを含む材料を付着し、次に、核の外側に、電磁波吸収体と基材及び発泡材又はこれらを含む材料とを付着して積層した状態で焼成することにより、基材を含む部分で発泡させた状態で一体に固化して粒状材料を製造する。
【0177】
これにより、核の周囲で発泡させた状態で一体に固化された基材における空隙の間の側壁部分に、電磁波吸収体が配置され、空隙部分を仕切る表面に対応して平均的に分散して配置されるので、電磁波を良好に吸収できる。よって、電磁波吸収特性を有する粒状材料を安定した品質で大量生産でき、廉価な製品を提供できる。
【0178】
に、本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料は、その電磁波吸収特性を有する粒状材料を炭素繊維にして構成する。
【0179】
これにより、吸収対象となる電磁波の波長に対応して炭素繊維の長さを変更調整するだけで所要の電磁波吸収特性を得られるように設計を変更できるので、吸収対象となる電磁波の波長が異なる場合でも、この炭素繊維を用いた粒状材料の重さを変えずに対応できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料と、その製造方法における実施の形態に係る自動料金収受所の概略構成を示す斜視図である。
【図2】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料と、その製造方法における実施の形態に係る電磁波吸収機能を有する道路の断面構成を示す断面図である。
【図3】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料と、その製造方法における実施の形態に係る電磁波吸収機能を有する道路の他の断面構成を示す断面図である。
【図4】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料の実施の形態に係る粒状材料を示す正面図である。
【図5】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料を結合材で一体化したときの状態を示す縦断面図である。
【図6】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料を球形に形成したときの状態を示す斜視図である。
【図7】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料をランダムな塊形状に形成したときの状態を示す斜視図である。
【図8】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料を円柱形に形成したときの状態を示す斜視図である。
【図9】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料を取り出して示す縦断面図である。
【図10】 参考例の電磁波吸収特性を有する多孔質の電磁波吸収材料の一部を示す拡大縦断面図である。
【図11】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料を利用して3層構造に構成した構造物の一部を示す断面図である。
【図12】 本発明の電磁波吸収特性を有する粒状材料を利用して3層構造に構成した構造物における電磁波の吸収状態を説明する説明線図である。
【図13】 参考例の電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法における実施の形態に係る核の外周面全体に炭素繊維を付着させた状態を示す概略断面図である。
【図14】 参考例の電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法における実施の形態に係る核の外周面全体に炭素繊維を付着させた状態のものの外周面全体に基材と造粒助材とを混合したものを層状に付着させた状態を示す概略断面図である。
【図15】 参考例の電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法における実施の形態に係る核の外側に炭素繊維を付着し、さらに基材と造粒助材との混合物を上塗りしたものの外周面全体に電磁波吸収体としての炭素繊維を付着させた状態を示す概略断面図である。
【図16】 参考例の電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法における実施の形態に係る核の外側に炭素繊維、基材と造粒助材との混合物、さらに炭素繊維の3層を重ねて付着させたものの外周面全体に基材と造粒助材とを混合したものを層状に付着させて粒状材料を構成した状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
12 自動料金収受装置
18 表層
18A 最下層
18B 中間層
18C 最上層
20 電磁波反射層
24 炭素繊維
26 炭素粒
30 粒状材料
30A 側壁部分
34 結合材
36 核

Claims (5)

  1. 一塊の核と、
    前記核の周囲に付着して固化され、気泡状の空間が形成された基材と、
    前記基材中に均等に分散されて混合された電磁波を吸収する電磁波吸収体と、
    を有することを特徴とする電磁波吸収特性を有する粒状材料。
  2. 一塊の核と、
    前記核の外側にあって、前記核を内包する層状に配置された電磁波吸収体と、
    前記核の外側にあって、前記核を内包する層状に配置され、気泡状の空間が形成された基材と、を有し、
    前記電磁波吸収体の層と、前記基材の層とが積層構造を成すことを特徴とする電磁波吸収特性を有する粒状材料。
  3. 基材中に、電磁波を吸収する電磁波吸収体と発泡材とを均等に分散して混合したものを、一塊の核の周囲に付着させる工程と、
    前記核の周囲に、前記基材と前記電磁波吸収体とが混合されているものを付着した状態で焼成することにより、前記基材を含む部分で発泡させた状態で一体に固化する工程と、
    を有することを特徴とする電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法。
  4. 一塊の核の外側に、電磁波を吸収する電磁波吸収体を付着させる工程と、
    前記核の外側に、基材及び発泡材又はこれらを含む材料を付着させる工程と、
    前記核の外側に、前記電磁波吸収体と前記基材及び発泡材又はこれらを含む材料とを付着して積層した状態で焼成することにより、前記基材を含む部分で発泡させた状態で一体に固化する工程と、
    を有することを特徴とする電磁波吸収特性を有する粒状材料の製造方法。
  5. 電磁波吸収体が炭素繊維であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁波吸収特性を有する粒状材料。
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