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JP4467115B2 - 高周波用部品の接続構造 - Google Patents
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高周波用部品の接続構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報通信分野や半導体分野等における半導体素子等の電子部品や半導体装置あるいは半導体パッケージ・配線基板等の高周波用部品同士の間で高周波信号を伝搬するための相互接続に使用される高周波用部品の接続構造に関し、特に高周波用部品同士をいわゆるフリップチップ実装により接続する際の接続部における高周波電気特性を改善した高周波用部品の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高周波用部品である半導体装置をフリップチップ実装にて同じく高周波用部品である高周波用配線基板に接続した構造として、例えば図4に断面図で示したような接続構造がある。
【0003】
図4において、1は高周波用半導体素子、6は高周波用配線基板である。高周波用半導体素子1は例えば誘電体から成る基体2の上面に接地導体3が、また下面に高周波信号を伝送する線路導体4が形成されており、線路導体4の両方の先端にはそれぞれ高周波用入出力部である接続パッド5a・5bが設けられている。
【0004】
一方、高周波用配線基板6は複数の誘電体層7a・7b・7cを積層して成る基体7の内部および下面に複数の接地導体8a・8b・8cが、上面に2つの線路導体9a・9bが形成されており、線路導体9a・9bのそれぞれの一方の先端には、高周波用半導体素子1の線路導体4の両端の接続パッド5a・5bに対応した高周波用入出力部である接続パッド10a・10bが設けられている。
【0005】
そして、高周波用配線基板6の上面に高周波用半導体素子1をこれら互いの線路導体4および9a・9bの高周波用入出力部である接続パッド5a・5bおよび10a・10b同士を向かい合わせにして載置し、それぞれの接続パッド5a・5bと接続パッド10a・10bとの間を導電性接続部材、例えば金属バンプ11a・11bにより接続している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の高周波用部品の接続構造では、高周波用半導体素子1の線路導体4が高周波用配線基板6の複数の接地導体8a〜8cに対向することとなるため、高周波用半導体素子1の線路導体4を伝搬する高周波信号がこの複数の接地導体8a〜8cのそれぞれに対応する電界分布を有することとなる。その結果、電界分布が一様でないために高周波用半導体素子1の線路導体4を伝搬する高周波信号の特性インピーダンスが設計値から大きく異なる値を有することとなり、また、線路導体4と9a・9bとの接続部において電気的な不連続性による高周波信号の反射や放射損失が生じてしまうこととなって、接続構造における電気的特性の劣化をもたらすという問題点があった。
【0007】
これに対し、このような電気的特性の劣化を軽減するための構成として、例えば特開平9−260426号公報には、図5に図4と同様の断面図で示すような高周波用部品の接続構造が開示されている。
【0008】
図5において図4と同様の箇所には同じ符号を付してある。この構成においては、高周波用配線基板6の基体7について、高周波用半導体素子1の線路導体4と対向する部位の誘電体層7cを形成しないものとして、その部位に誘電体が存在しない凹部12を設けている。
【0009】
このような構成によれば、高周波用半導体素子1の線路導体4から高周波用配線基板6の接地導体8a〜8cのうち接地導体8cへの電界分布が低減されることとなるために、この線路導体4を伝搬する高周波信号の特性インピーダンスが設計した値から大きく異なることがなくなり、特性インピーダンスを設計値のまま維持して整合させることが可能となるというものである。
【0010】
しかしながら、特開平9−260426号公報に提案された高周波用部品の接続構造においては、凹部12の厚み(深さ)を必要以上の大きさに設けると、高周波信号が高周波用半導体素子1の接地導体3と高周波用配線基板6の接地導体8cとの間を平行平板モードで伝搬することとなり、高周波用半導体素子1の入出力間のアイソレーションが悪化するために高周波半導体素子1が発振してしまい正常に動作しなくなるという問題点もあり、そのような悪影響を防止するための凹部12の厚みの制御が難しいという問題点もあった。
【0011】
本発明は上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フリップチップ実装により接続した高周波用部品の接続構造における高周波信号の電気的特性を改善することができるとともに、製造上の困難性がなく、良好な電気的特性の接続部を安定して得ることができる高周波用部品の接続構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の高周波用部品の接続構造は、第1の基体の上面側に接地導体が形成されているとともに前記第1の基体の下面側に第1の接続部を先端に有する高周波信号伝送用の線路導体が形成された第1の高周波用部品と、複数の誘電体層を積層して成る第2の基体の下面側に複数の接地導体が形成されているとともに前記第2の基体の上面側に前記第1の接続部に対応した第2の接続部を先端に有する高周波信号伝送用の線路導体が形成された第2の高周波用部品と、を対向させるとともに、前記第1の接続部と前記第2の接続部とを導電性接続部材により電気的に接続した高周波用部品の接続構造であって、前記第2の高周波用部品の前記誘電体層のうち最上面側から少なくとも1層の誘電体層の前記第1の高周波用部品の線路導体と対向する部位に複数の穴を設け、該複数の穴の少なくとも1つの内部に接地導体を形成したことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の高周波用部品の接続構造によれば、第1の高周波用部品の線路導体を伝搬する高周波信号について最小作用の法則に従い生じていた第2の高周波用部品の接地導体へ向かう電界成分が、誘電体層に複数の穴を設けたことにより第2の高周波用部品の接地導体との間の見かけの誘電率が低下するために第1の高周波用部品の接地導体に向かう成分に比べて弱い成分しか向かわないこととなるため、従来の接続構造に比べて第1の高周波用部品の線路導体からの電界分布が設計された電界分布に近付くこととなる。これにより、従来の接続構造のように第1の高周波用部品の線路導体を伝搬する高周波信号が第2の高周波用部品の接地導体への電界分布を強く有する場合と比較して、電気的な不連続性による高周波信号の反射や放射損失を軽減することができ、その結果、電気的特性を向上させることができるので、良好な電気的特性を有する高周波信号の接続を行なうことができる高周波用部品の接続構造となる。
【0015】
また、本発明の高周波用部品の接続構造によれば、特開平9−260426号公報に開示された高周波用部品の接続構造と比較しても同等以上の良好な電気的特性を得ることができるうえ、複数の穴の位置・大きさ・深さ等を適宜設定することにより高周波信号の第2の高周波用部品の接地導体に対する電界分布を任意に調整して所望の良好な電気的特性を得ることができることから、特に高精度を要求しない複数の穴を設けるだけで良いので、従来周知の製造方法、例えばグリーンシート積層法等により接続構造の仕様に応じて第2の高周波用部品を容易に製造することができ、良好な電気的特性を有する接続構造を安定して得ることができる高周波用部品の接続構造となる。
【0016】
さらに、本発明の高周波用部品の接続構造によれば、上記構成において、前記複数の穴のうち少なくとも1つの内部に接地導体を形成した場合には、特開平9−260426号公報に開示された高周波用部品の接続構造と比較して、平行平板モードや表面波の発生を容易に抑制することができるので、第1の高周波用部品における接続部間のアイソレーションを良好に保つことが可能となる。その結果、第1の高周波用部品において高周波信号の発振が発生することがなくなって安定に正常動作させることができ、良好な電気的特性を有する高周波信号の接続を行なうことができる高周波用部品の接続構造となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明の高周波用部品の接続構造の実施の形態の一例を示す断面図である。
【0018】
図1において、21は第1の高周波用部品としての高周波用半導体素子、26は第2の高周波用部品としての高周波用配線基板である。高周波用半導体素子21は第1の基体である基体22を具備している。基体22の上面側、この例では上面に接地導体23が形成されている。また基体22の下面側、この例では下面に高周波信号を伝送する線路導体24が形成されており、線路導体24の両方の先端には高周波信号の第1の接続部(高周波用入出力部)である接続パッド25a・25bが設けられている。
【0019】
なお、この接地導体23および線路導体24は、これら接地導体23と線路導体24とにより高周波信号を伝送するための接地導体および線路導体として機能するものであれば、いずれもその一部が基体22の内部に形成された、いわゆる内層化されたものであってもよい。また、線路導体24は複数形成されていてもよく、両側に同一面接地導体を設けたコプレーナ線路構造であってもよい。
【0020】
また、接地導体23は通常は基体22の裏面側の略全面に形成されるが、線路導体24により高周波信号を伝送するための接地導体として機能するものであれば、線路導体24に対応した必要な部分のみに形成しておけばよい。
【0021】
一方、高周波用配線基板26は、例えば複数の誘電体層27a・27b・27cを積層して成る第2の基体である基体27を具備している。基体27の下面側、すなわち内部および下面に複数の接地導体28a・28b・28cが形成されている。また基体27の上面側、この例では上面に2つの線路導体29a・29bが形成されており、線路導体29a・29bのそれぞれの一方の先端には、高周波用半導体素子21の線路導体24の両端の接続パッド25a・25bに対応した高周波信号の第2の接続部(高周波用入出力部)である接続パッド30a・30bが設けられている。
【0022】
なお、基体27をなす複数の誘電体層27a・27b・27cはそれぞれ別体として形成した後、はんだ接合等の従来周知の製造方法により一体化したものであってもよく、特に限定されるものではない。また、高周波用配線基板26としては、このように複数の誘電体層27a〜27cを積層して成る多層配線基板の上面に、さらに誘電体基板(誘電体層)を積層して構成したものであってもよい。
【0023】
高周波用配線基板26における線路導体29a・29bは、高周波用半導体素子21の線路導体24と対向する位置には配設されておらず、線路導体24が高周波用配線基板26の接地導体28a〜28cに対向するように形成されている。また、この線路導体29a・29bもその一部が基体27の内部に形成されていわゆる内層化されていてもよく、線路導体24に対応してさらに複数形成されていてもよく、両側に同一面接地導体を設けたコプレーナ線路構造であってもよい。
【0024】
また、接地導体28a〜28cも通常は基体27の裏面側の略全面に形成されるが、線路導体29a・29bにより高周波信号を伝送するための接地導体として機能するものであれば、線路導体29a・29bに対応した必要な部分のみに形成しておけば良い。
【0025】
高周波用半導体素子21は、高周波用配線基板26の上面にこれら互いの線路導体24・29a・29bの接続パッド25a・25bおよび30a・30b同士を向かい合わせにして載置し、それぞれの接続パッド25a・25bと接続パッド30a・30bとの間を導電性接続部材、例えば金属バンプ31a・31bにより接続している。
【0026】
なお、接続部における良好な接続状態を得るために、それぞれの線路導体24・29a・29bの先端の接続パッド25a ・25b・30a・30bの両側の基体22・27の表面に接地用パッドを設けて、これらを金属バンプ31a・31bと同様の金属バンプにより電気的に接続するようにしてもよい。
【0027】
そして、32は高周波用配線基板26の複数の誘電体層27a〜27cのうち最上面側から少なくとも1層、この例では2層の誘電体層27cおよび27bの高周波用半導体素子21の線路導体24と対向する部位に設けた複数の穴であり、ここでは線路導体24に沿って8つの穴32a〜32hを設けた例を示している。
【0028】
なお、このような複数の穴32の位置・形状・大きさ・長さ等は所望の電界分布が得られるように適宜設定すればよいが、例えば、比誘電率εrの配線基板に半径rの円形の穴32を縦横同一ピッチpで格子状に配列した場合(ただし、2r<p)であれば、見かけの誘電率は概略でεr−(εr−1)・π(r/p)2となるので、これにしたがって所望の電界分布が得られるように穴を設ければよい。また、その断面形状は円形の他にも楕円形や四角形等の種々の形状とすることができる。
【0029】
本発明の高周波用部品の接続構造によれば、このように第2の高周波用部品である高周波用配線基板26の基体27を構成する複数の誘電体層27a〜27cのうち、最上面側から少なくとも1層の誘電体層27b・27cに対して、高周波用半導体素子21の線路導体24と対向する部位に複数の穴32a〜32hを設けたことにより、従来の接続構造では接続パッド25a・25b・30a・30b近傍を初めとして最小作用の法則に従って高周波用半導体素子21の線路導体24から高周波用配線基板26の上面側に位置する接地導体28cおよび28bへ向かっていた電界成分が、複数の穴32a〜32hによりその間の見かけの誘電率が低下するために高周波用半導体素子21の接地導体23に向かう成分に比べて弱い成分しか向かわないこととなるため、高周波用半導体素子21の線路導体24からの電界分布が設計された電界分布に近付くこととなる。これにより、電気的な不連続性による高周波信号の反射や放射損失を低減することができて電気的特性を向上させることができ、良好な電気的特性を有する高周波信号の接続を行なうことができる。
【0030】
なお、この例では高周波用配線基板26の接地導体28cは、高周波用半導体素子21の線路導体24と対向する部位には形成していないものを示したが、従来のように接地導体28cも略全面にわたって形成しておき、複数の穴32が誘電体層27b・27cとともにこの接地導体28cも貫通するようにしておいてもよく、この場合も複数の穴32によって電界分布を所望の分布に調整することができる。
【0031】
次に、図2に本発明の高周波用部品の接続構造の実施の形態の他の例を図1と同様の断面図で示す。
【0032】
図2において図1と同様の箇所には同じ符号を付してあり、21は高周波用半導体素子、22は基体、23は接地導体、24は線路導体、25a・25bは接続パッドである。また、26は高周波用配線基板、27は基体(27a〜27cは誘電体層)、28a〜28cは複数の接地導体、29a・29bは線路導体、30a・30bは接続パッドであり、31a・31bは金属バンプである。
【0033】
そして、この例では図1の例と同じく高周波用配線基板26をなす複数の誘電体層27a〜27cのうち、最上面側の2層の誘電体層27b・27cに複数の穴32(32a〜32h)を設けるとともに、さらにその穴32のうちここでは両端の穴32aおよび32hの内部に、高周波用配線基板26の接地導体28bに接続した接地導体33a・33bを形成している。
【0034】
このような本発明の高周波部品の接続構造によれば、特開平9−260426号公報に開示された高周波用部品の接続構造と比較して、平行平板モードや表面波の発生を容易に抑制することができるので、高周波用半導体素子21における接続部間、すなわち接続パッド25a・25b間のアイソレーションを良好に保つことが可能となる。その結果、高周波半導体素子21が発振することがなくなり、安定に正常動作させることができ、良好な電気的特性を有する高周波信号の接続を行なうことができる。
【0035】
なお、穴32の内部に形成する接地導体33は、図2に示したように穴32の内部を充填して形成したいわゆるビア導体のようなものの他にも、穴32の内壁に被着形成したいわゆるスルーホール導体のようなものであってもよい。また、穴32のうちどの箇所に形成するかは所望の高周波電気特性が得られるように選択すればよく、その大きさや形状は穴32のそれに準じたものとすればよい。また、この接地導体33は、高周波用配線基板26の接地導体28a〜28cに接続して接地する他にも、配線基板26の下面側に導出して外部の接地導体に直接接続して接地してもよい。
【0036】
【実施例】
次に、本発明の高周波用部品の接続構造について具体例を説明する。
まず、第1の高周波用部品として厚み100μmのGaAs基板に形成されたMMIC(Microwave Monolithic Integrated Circuits)の増幅器を用意した。
【0037】
一方、比誘電率が9.6で厚みが200μmの誘電体基板(誘電体層)と、比誘電率が4.8で1層あたりの厚みが150μmの誘電体層とを積層して成る積層基板とを半田接続して基体を作製し、この基体に対して下面および内層に金属導体膜を複数の接地導体として形成した。
【0038】
また、この基体の上面にコプレーナ線路の線路導体を形成し、これを第1の高周波用部品の接続パッドと対応する位置に形成した接続パッドと接続した。ここで、基体を構成する誘電体層のうち、最上面側の誘電体層(比誘電率が9.6の誘電体基板)には、第1の高周波用部品の線路導体と対向する部位に、直径が約200μmの複数の穴を縦横400μmピッチの格子状に配列して設けた。これにより第2の高周波用部品を作製した。
【0039】
そして、これら第1の高周波用部品と第2の高周波用部品とを接続パッド同士が向かい合うようにして高さ20μmの金属バンプによりフリップチップ実装法により接続することにより、図1に示す本発明の高周波用部品の接続構造である試料Aを作製した。
【0040】
次に、第2の高周波用部品として上記のように基体を構成する誘電体層(比誘電率が9.6の誘電体基板)に同じ形状・寸法で設けた複数の穴のうち、接続パッドに近い穴の内部に接地導体を形成し、その他は試料Aと同様にして作製することにより、図2に示す本発明の高周波用部品の接続構造である試料Bを作製した。
【0041】
また、比較例として、上記試料Aおよび試料Bと同様にして、ただし第2の高周波用部品の基体を構成する誘電体層に穴を設けることなく作製して、図4に示す従来の高周波用部品の接続構造である試料Cを作製した。
【0042】
そして、これら試料A・試料B・試料Cについて、第1の増幅器にバイアスを加えずに、その入出力間における高周波信号のアイソレーション特性を測定し、その指標として入射波に対する透過波の電力比である透過係数を抽出した。これらのアイソレーション特性の抽出結果を図3に示す。
【0043】
図3は高周波用部品の接続構造の試料A・試料B・試料Cのアイソレーション特性を示す線図であり、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸は透過係数(単位:dB)を示しており、この透過係数はその値が小さいほどアイソレーションが高い(良好である)ことを示している。また、実線・破線・点線で示した特性曲線は、それぞれ試料A・試料B・試料Cの特性を示している。
【0044】
この結果から分かるように、本発明の高周波用部品の接続構造である試料Aおよび試料Bは、従来の高周波用部品の接続構造である試料Cと比べて透過係数が小さく、アイソレーション特性に優れている。また、試料Bは、試料Aに比べて接続パッドに近い穴の内部に接地導体を形成したことにより、接続パッド付近で表面波の励振を抑圧することができたため、アイソレーション特性の改善がより効果的であった。
【0045】
そして、それぞれの試料において増幅器にバイアスを印加して増幅器の動作を確認したところ、試料Aおよび試料Bでは正常な動作が得られ、増幅の利得が得られたが、試料Cでは発振が生じてしまう結果、利得が得られないという結果であった。これにより、本発明の高周波用部品の接続構造である試料Aおよび試料Bは、良好な電気的特性を有する高周波信号の接続を行なうことができることが確認できた。
【0046】
なお、以上はあくまで本発明の実施の形態の例示であって、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改良を加えることは何ら差し支えない。例えば、上記の例では導電性接続部材として金属バンプを用いた例を示したが、導電性接続部材は導体を介して高周波用入出力部同士を電気的に接続するものであれば、金属バンプの他にも金属ボールや金属ピラー等であってもよい。
【0047】
また、第2の高周波用部品の誘電体層に設ける複数の穴は、第1の高周波用部品の線路導体に対向する部位の全面にわたって設ける必要があるものではなく、所望の電気的特性が得られるような配列であれば、その一部に偏在させて設けてもよく、1次元的な配列(列状等)や2次元的な配列(格子状やいわゆる千鳥状・放射状・周状等)、あるいは層毎に異なる配列(例えば、最上層の配列密度が高く、下層において徐々に間引く等)としてもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明の高周波用部品の接続構造によれば、第1の高周波用部品の線路導体を伝搬する高周波信号について最小作用の法則に従い生じていた第2の高周波用部品の接地導体へ向かう電界成分が、誘電体層に複数の穴を設けたことにより第2の高周波用部品の接地導体との間の見かけの誘電率が低下するために第1の高周波用部品の接地導体に向かう成分に比べて弱い成分しか向かわないこととなるため、従来の接続構造に比べて第1の高周波用部品の線路導体からの電界分布が設計された電界分布に近付くこととなる。これにより、従来の接続構造のように第1の高周波用部品の線路導体を伝搬する高周波信号が第2の高周波用部品の接地導体への電界分布を強く有する場合と比較して、電気的な不連続性による高周波信号の反射や放射損失を軽減することができ、その結果、電気的特性を向上させることができるので、良好な電気的特性を有する高周波信号の接続を行なうことができる高周波用部品の接続構造となる。
【0049】
また、本発明の高周波用部品の接続構造によれば、特開平9−260426号公報に開示された高周波用部品の接続構造と比較しても同等以上の良好な電気的特性を得ることができるうえ、複数の穴の位置・大きさ・深さ等を適宜設定することにより高周波信号の第2の高周波用部品の接地導体に対する電界分布を任意に調整して所望の良好な電気的特性を得ることができ、第2の高周波用部品の基体を構成する複数の誘電体層の一部に特に高精度を要求しない複数の穴を設けるだけで良いことから、従来周知の製造方法により接続構造の仕様に応じて第2の高周波用部品を容易に製造することができ、良好な電気的特性を有する接続構造を安定して得ることができる。
【0050】
さらに、本発明の高周波用部品の接続構造によれば、上記構成において、前記複数の穴のうち少なくとも1つの内部に接地導体を形成した場合には、特開平9−260426号公報に開示された高周波用部品の接続構造と比較して、平行平板モードや表面波の発生を容易に抑制することができるので、第1の高周波用部品における接続部間のアイソレーションを良好に保つことが可能となる。その結果、第1の高周波用部品において高周波信号の発振が発生することがなくなって安定に正常動作させることができ、良好な電気的特性を有する高周波信号の接続を行なうことができる。
【0051】
以上により、本発明によれば、フリップチップ実装による高周波用部品の接続構造における高周波信号の電気的特性を改善することができるとともに、製造上の困難性がなく、良好な電気的特性の接続部を安定して得ることができる高周波用部品の接続構造を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用部品の接続構造の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の高周波用部品の接続構造の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図3】高周波用部品の接続構造におけるアイソレーション特性を示す線図である。
【図4】従来の高周波用部品の接続構造の例を示す断面図である。
【図5】従来の高周波用部品の接続構造の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
21・・・・・・・・高周波用半導体素子(第1の高周波用部品)
22・・・・・・・・基体
23・・・・・・・・接地導体
24・・・・・・・・線路導体
25a、25b・・・・接続パッド(接続部)
26・・・・・・・・高周波用配線基板(第2の高周波用部品)
27・・・・・・・・基体
27a〜27c・・・・誘電体層
28a〜28c・・・・接地導体
29a、29b・・・・線路導体
30a、30b・・・・接続パッド(接続部)
31・・・・・・・・金属バンプ(導電性接続部材)
32、32a〜32h・・・貫通孔
33a、33b・・・・・接地導体

Claims (1)

  1. 第1の基体の上面側に接地導体が形成されているとともに前記第1の基体の下面側に第1の接続部を先端に有する高周波信号伝送用の線路導体が形成された第1の高周波用部品と、
    複数の誘電体層を積層して成る第2の基体の下面側に複数の接地導体が形成されているとともに前記第2の基体の上面側に前記第1の接続部に対応した第2の接続部を先端に有する高周波信号伝送用の線路導体が形成された第2の高周波用部品と、を対向させるとともに、
    前記第1の接続部と前記第2の接続部とを導電性接続部材により電気的に接続した高周波用部品の接続構造であって、
    前記第2の高周波用部品の前記誘電体層のうち最上面側から少なくとも1層の誘電体層の前記第1の高周波用部品の線路導体と対向する部位に複数の穴を設け、該複数の穴の少なくとも1つの内部に接地導体を形成したことを特徴とする高周波用部品の接続構造。
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