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JP4467633B2 - ビーム加工装置、ビーム加工方法およびビーム加工基板 - Google Patents
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ビーム加工装置、ビーム加工方法およびビーム加工基板 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス基板等の基板上に例えば光電効果を利用した発電システムやその他の半導体素子を備える装置等を形成する際に、半導体素子等を構成する薄膜をビーム(レーザ等)によりパターニングするために好適に用いることができるビーム加工装置、ビーム加工方法および当該ビーム加工装置により加工された被加工層(薄膜)を有するビーム加工基板に関する。
一般に、シリコン系アモルファスを用いた前記発電システムの製造においては、大きなガラス基板上に最初に透明電極(例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛等)層を形成してパターニングを行い、次いで、ガラス基板上にアモルファスシリコン層(光電変換層)を形成してパターニングを行い、次いで、ガラス基板上に金属電極を形成してパターニングを行う。
この際の各パターニングを、湿式ではなく、レーザビームを用いたレーザパターニングで行う方法が確立されている。
ここでのレーザパターニングは、ガラス基板上に順次形成される各薄膜層にそれぞれ順次溝(スリット)をつけて溝を境に薄膜層を電気的に絶縁して、多数の電池セルに分割するためのものであり、レーザスクライブとも称される。
このようなレーザスクライブにおいて、ガラス基板に形成された透明電極層に、ガラス基板の透明電極が無い側からレーザビームを照射することにより溝を形成している(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、レーザビームを、ガラス基板の被加工層が形成された面側ではなく、その反対側となる面から照射することになる。この場合に、例えば、ガラス基板の上側からレーザビームを照射する構成とすると、例えば、台上にガラス基板を、被加工層を下にした状態で配置することなる。この場合に、被加工層が台上面に接触することから、被加工層が傷ついたり、加工時に台の影響(例えば、温度や、レーザの反射)を受けたりする可能性がある。
そこで、ガラス基板の周辺部を支持して、ガラス基板を吊った状態として、上からレーザを照射することが行われている。
この場合に、ガラス基板をその周辺部から吊った状態で一方向に搬送し、レーザの照射位置をガラス基板の搬送方向に略直交する方向に移動することで、ガラス基板上の被加工層にストライプ状に溝を形成している。
特開2006−54254号公報
ところで、光電効果を利用した発電システムの製造や、プラズマディスプレイ等のパネルディスプレイの製造等においては、コスト削減のために、ガラス基板の大型化が進められている。
ガラス基板の大型化に際し、基本的にガラス基板を厚くすることはないので、大型化されたガラス基板を周辺部で支持すると、ガラス基板が下側に大きく撓むことになる。これにより、ガラス基板の左右側部の高さ位置と、左右の中央部の高さ位置とが大きく異なることになる。
また、レーザを照射する際には、光学素子により、レーザを被加工層上で集光もしくは結像することになる。上側からレーザを照射する際に、上述のようにガラス基板の位置によって、その高さ位置が大きく違う場合には、照射位置となるいずれかの場所で光学素子の焦点を合わせても、照射位置を移動すると、焦点がずれてしまうことになる。
そこで、従来、レーザスクライブ用のレーザビーム加工装置においては、例えば、ガラス基板に対して焦点を常時合わせるためのオートフォーカス機構が設けられていた。すなわち、上述のように撓むガラス基板のレーザ照射位置の高さ位置(光学素子としての対物レンズからの距離)を測定し、測定結果に基づいて光学素子としての対物レンズを上下動することにより、常に被加工層が光学素子の焦点範囲内となるように対物レンズを上下に動かしていた。
ここで、ガラス基板の撓んで湾曲する方向(左右方向)と、レーザの照射位置の移動方向(左右方向)とが一致するため、加工中には、常に対物レンズが焦点位置を合わせるために、上下に移動した状態となる。
したがって、レーザスクライブ開始時に、対物レンズの高さ位置を合わせた後には、対物レンズの高さ位置を代えることなく、レーザスクライブを続行するようなことができない。
このようなオートフォーカス機構を設けることで、レーザスクライブを行うレーザビーム加工装置の構造が煩雑化するとともにコストが高くなっていた。また、レーザスクライブを行う際に、被加工層の高さ位置の測定とそれに伴う対物レンズの高さ位置の変更がレーザスクライブ作業の作業速度のボトルネックとなる可能性もあり、この場合に、レーザスクライブ作業の高速化がオートフォーカス機構により阻害されることになる。
また、ストライプ状もしくはマトリックス状の加工に際しては、例えば、複数本のレーザビームを互いに間隔をあけて同時に照射することにより、加工時間の短縮を図ることができる。
この場合に、同時に複数の異なる位置で、レーザビームを照射することにより、全てのレーザビームで高い精度で焦点を合わせることが難しく、一つのレーザビームで上述のようにオートフォーカス機構を用いて加工した場合に比較して、加工精度が低下してしまい、それに基づいて最終的な製品の品質が低下する恐れがある。例えば、前記発電システムの場合に太陽光の受光に対する発電効率の低下を招く可能性がある。
また、複数本のレーザビームを並べた状態に照射するために、複数の対物光学装置(対物レンズ)を並べて配置した場合に、各レーザビームの間隔は、対物レンズの径により制限されてしまうことになり、複数のレーザビームの間隔を狭くすることが困難であった。
特に、ガラス基板の撓みに対向できるように対物レンズの焦点距離を長いものとすると、使用可能な対物レンズの径が大きくなり、複数のレーザビームの間隔を狭くすることができない。また、これにより、複数の対物レンズを有する対物光学装置が大きくなり、対物装置を移動させる機構も大がかりなものとなってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、レーザビーム等のビームにより基板上に形成された被加工層を加工する際に、オートフォーカスによりビームの焦点位置を常時調整する必要がないビーム加工装置、ビーム加工方法および前記ビーム加工装置に加工された被加工層を有するビーム加工基板を提供することを目的とする。
請求項1に記載のビーム加工装置は、基板の一方の面に被加工層としての透明電極層、光電変換層および金属電極層をこの順で重ねて形成するとともに、各被加工層にビームを照射して加工することにより光電変換を用いた発電システムを製造する際の前記加工に用いられるビーム加工装置であって、
前記基板の一方の面に形成された被加工層を下にして、前記基板の側縁部を支持して当該基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
前記基板の他方の面の上側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構とを備え、
前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、ビーム照射手段が、軸状集光用光学装置いわゆるベッセルビームを照射するためのアクシコンを備えており、軸状集光ビームとしてのベッセルビームを照射可能となっている。
ベッセルビーム、すなわち軸状集光ビームは、光学素子であるアクシコンによって、集光される際に、アクシコンからある程度の距離まで軸状に集光された状態で出力される。
なお、光学素子によって焦点深度は異なるが、レーザビームの集光に使用される凸レンズ等の光学素子における焦点深度が例えば数100μm程度であるのに対して、アクシコンによる焦点深度を数mm程度とすることや、集光した際のビーム径にもよるが数10mm程度とすることが可能である。
したがって、アクシコンを用いてベッセルビームを照射するものとすれば、上述のように左右側縁部を支持された基板が自重によって撓んだ状態となっても、基板に形成された被加工層の水平方向の位置の違いよる鉛直方向の位置のずれをベッセルビームの焦点深度内に納めることが可能となる。
これにより、左右に撓んだ状態の基板に形成された被加工層にビームを移動させながら照射する際に、オートフォーカス機構により対物光学装置を上下に移動させる必要はなく、撓んだ基板に対して一定の高さからビームを照射しても、被加工層は焦点深度の範囲内に収まることになる。
したがって、軸状集光ビームを用いることにより、レーザを集光して被加工層に照射する場合に、オートフォーカス機構を省略することができ、ビーム加工装置のコストを大幅に削減できるとともに、ビーム加工装置の対物光学装置の焦点調整部分の構造を大幅に簡略化することができる。
また、オートフォーカス機構がないことから、オートフォーカス機構の制御による作業の遅延が発生することがなく、作業の高速化を図る際の阻害要因をなくすことができる。
請求項2に記載のビーム加工装置は、基板の一方の面に被加工層としての透明電極層、光電変換層および金属電極層をこの順で重ねて形成するとともに、各被加工層にビームを照射して加工することにより光電変換を用いた発電システムを製造する際の前記加工に用いられるビーム加工装置であって、
前記基板の一方の面に形成された被加工層を上にして、当該基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
前記基板の他方の面の下側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構と、
前記被加工層のビーム照射による加工によって生じる粉体を吸引する粉体除去手段とを備え、
前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、軸状集光用光学装置を備えて基板の被加工層に軸状集光ビームを照射することにより、請求項1と同様の効果を奏することができるとともに、さらに、基板の被加工層を上にして、基板の下側から支持手段により支持することにより、被加工層を他の部材に接触させて傷つけることなく、基板を下側から支持して、基板が自重により撓むのを防止することができる。これによって、より精度の高い加工が可能となる。
すなわち、基板の撓みを防止しても、基板の位置による厚さのぶれやゆがみなどにより、僅かにビームの照射位置がずれる恐れがあるが軸状集光ビームを用いることで、多少の焦点位置のずれを焦点深度の範囲内に収めて加工精度の向上を図ることができる。
特に、請求項3に記載のように複数のビームを同時に照射するような場合に、できるだけ、加工精度の低下要因となる基板の撓みを抑制することで、加工精度の向上を図ることができるとともに、同等の加工精度での同時に照射可能なビーム数の増加を図ることができる。
また、被加工層を上に向けた状態では、被加工層の加工により生じる粉体(粉塵)が被加工層に再付着する虞があるが、粉体除去手段で発生した粉体を吸引除去することで粉体による問題を解消することができる。
請求項3に記載のビーム加工装置は、基基板の一方の面に被加工層としての透明電極層、光電変換層および金属電極層をこの順で重ねて形成するとともに、各被加工層にビームを照射して加工することにより光電変換を用いた発電システムを製造する際の前記加工に用いられるビーム加工装置であって、
気体を噴出することにより前記被加工層を下にした前記基板を平らに浮かせた状態に支持する気体浮上機構と、
前記基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
前記基板の他方の面の上側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構とを備え、
前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とする。
請求項4に記載のビーム加工装置は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記基板の移動方向に沿って並んだ複数の軸状集光用光学装置を備えていることを特徴とする
請求項4に記載の発明においては、複数のレーザビームを同時に照射する際に、各対物光学装置(ここでは軸状集光用光学装置)の焦点位置のずれや、基板側の水平方向の位置の違いによる被加工層の鉛直方向の位置のずれにより、各レーザビームの焦点精度が低下し、これに基づいて加工精度が低下してしまうが、ベッセルビームを用いた場合に、焦点深度が深いので、加工精度の低下を防止できる。
すなわち、各ベッセルビームの焦点位置のずれをベッセルビームの焦点深度内に納めることが十分に可能なほど、焦点深度が深いので、焦点位置のずれが加工精度の低下につながらず、加工精度を維持することができる。
したがって、同時に複数のビームで被加工層を加工するものとしても、加工精度が低下するのを防止することができ、当該ビーム加工を用いて製造される製造物の性能の低下を防止することができる。例えば、製造物が光電効果を利用した発電システムの場合に、複数のビームで同時加工することによる発電効率の低下を防止することができる。
また、必要とされる加工精度の範囲内で同時に照射するビーム数を多くすることが可能となり、加工時間のさらなる短縮を図ることができる。
また、ベッセルビーム用の光学素子であるアクシコンには、複数種類があるが、本発明では、例えば、円錐形状レンズが用いられる。そして、この円錐形状レンズは、ほぼ同様の加工を行う際に用いられる通常の光学レンズ(例えば、凸レンズ)より、外径が小さいものとなっている。さらに、円錐形状レンズは、上述のように元から焦点深度が深くオートフォーカスの必要がないことから、例えば、上述の基板の撓みにオートフォーカスで対応できるように焦点距離を大きくするような必要がなく、通常のレンズのように焦点距離を大きくするためにレンズ径を大きくする必要がない。
それに加えて、基板の裏面にある被加工層に基板の表面から基板を介してベッセルビームを照射することから、被加工層の加工により昇華、液化した後に再固化する被加工物が、円錐形状レンズに対して基板の反対側(向こう側)にあるので、再固化する被加工物が円錐形状レンズに付着しないように円錐形状レンズを被加工層から離す必要もなく、円錐形状レンズを撓んだ基板に接触しない程度に近づけることができる。したがって、ベッセルビームを径を大きくする必要が無く、通常の光学レンズに対してかなり径の小さな円錐形状レンズを使用することが可能となる。
これにより、アクシコンを複数並べて複数のベッセルビームを同時に照射する場合に、通常の光学レンズによるレーザビームに比較して、ベッセルビームどうしの間隔を狭くすることができる。これによって、ベッセルビームの間隔の設計的な自由度が大きくなる。
また、複数の対物光学素子を備えるヘッド部分(対物光学装置)の大幅な小型化が可能となり、ヘッドの小型化および軽量化に伴いヘッドの移動機構等を簡素化したり、移動精度の向上やレスポンスの向上を図ることが容易となる。
また、前記基板を一方向に移動させる移動機構と、前記基板の移動に同期して前記軸状集光用光学装置を前記基板の移動方向に沿って移動させた状態で、当該軸状集光用光学装置を前記基板の移動方向に交差する一方向に沿って移動させるビーム照射位置移動機構とを備え、前記移動機構により前記基板を搬送している状態で、前記ビーム照射手段によるビーム照射により、前記基板の前記被加工層を加工するものとしてもよい。
この場合に、基板の被加工層のビーム加工に際し、基板の搬送開始と停止とを繰り返す必要がなく、たとえば、基板を等速で搬送した状態で、ビーム加工が可能となり、基板の搬送機構および搬送制御の簡略化を図ることができるとともに、ビーム加工の作業時間の短縮を図ることができる。
また、搬送しながらビーム加工を行う方法として、ガルバノミラーを用いてビームをスキャンする方法が知られているが、この場合にfθレンズを用いても、基板に対して直角にビームを照射することは困難であり、基板に対して斜めにビームが照射されてしまう。この場合に、基板とその周囲の空気との屈折率の違いと、入射角度とにより、基板のビームが照射される面に反対側に形成された被加工層の加工位置にずれが生じる虞があり、精度の高い加工が難しい。ここで、ガルバノミラーによりビームをスキャンする際に、上述のずれを考慮して、ビームの照射位置等を制御することも考えられるが、極めて難しい制御となってしまう。
それに対して、本発明によれば、基板に対してできるだけ垂直に近くビームを入射させることができるとともに、軸状集光により、焦点深度が深いので、極めて精度の高い加工が可能となる。
請求項5に記載のビーム加工方法は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のビーム加工装置により前記基板の被加工層を加工することを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項6に記載のビーム加工基板は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のビーム加工装置により加工された被加工層を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明においては、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
本発明のビーム加工装置、ビーム加工方法およびビーム加工基板によれば、焦点深度の深いベッセルビームを用いることで、例えば、被加工層が下となるように基板を左右側縁部で支持して吊った状態で、基板が自重により撓んでも、基板に対してビームの照射位置が代わる際に焦点を調整する必要がなくなる。すなわち、基板が撓んだ状態でも、ビームの照射位置の移動に伴って焦点合わせをする必要がなくなり、ビーム加工装置からオートフォーカス機構を省略できる。これにより、コストの削減と、ビーム加工装置の構造の簡略化と、オートフォーカスの制御に時間を必要しないことに基づく加工時間の短縮とを図ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るビーム加工装置の概略を示す平面図である。 前記ビーム加工装置の概略を示す正面図である。 前記ビーム加工装置の概略を示す要部側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るビーム加工装置の概略を示す平面図である。 第2の実施の形態に係るビーム加工装置の概略を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るビーム加工装置の概略を示す平面図である。 第3の実施の形態に係るビーム加工装置の概略を示す正面図である。 第3の実施の形態のビーム照射方法を説明するための図面である。 第4の実施の形態のビーム加工装置を示す概略図である。 第4の実施の形態のビーム加工装置を示す概略図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1から図3は、本発明の第1実施の形態に係るビーム加工装置の概略構成を示すものである。
この例のビーム加工装置は、例えば、光電効果を利用した発電システムや、プラズマディスプレイ等の製造に好適に用いられるもので、ガラス基板等の透明基板上に形成された薄膜層をビーム(ここではレーザビーム)により、パターニングするものであり、基板上の薄膜層(被加工層)にレーザビームを照射して昇華、液化、剥離させることにより溝を形成し、当該溝で薄膜層を分断した状態とすることで、薄膜層を任意の形状にするものであるが、ここでは、例えば、ストライプ状やマトリックス状となるように薄膜に溝を形成する。
この例では、最終的な製品をアモルファスシリコンを用いた前記発電システムとした場合について説明する。アモルファスシリコンを用いた前記発電システムでは、大きな電圧を得られないことから、ガラス基板等の透明基板上に、例えば、ストライプ状に多数のセルを形成するとともに、これを直列で接続した状態とすることにより、必要な電圧を出力可能としている。
そして、製造に際しては、まず、ガラス基板側から太陽光を取り入れるので、ガラス基板側に透明電極の薄膜を形成する。そして、この透明電極の薄膜に所定間隔で溝を形成することにより、ストライプ状の透明電極を形成する。次いで、透明電極状に光電変換を行う半導体素子としてのアモルファスシリコンの薄膜を形成する。なお、この部分は例えば、PN接合やPIN接合を有する半導体素子となっている。
そして、ストライプ状にパターニングされた透明電極の薄膜層上に光電変換層として複数層かなるアモルファスシリコン層を成膜した後に、再び、レーザビームにより、溝を形成する。なお、この溝は、上述の透明電極の薄膜層に形成した溝に隣接するように形成される。
次に、金属電極の薄膜層を形成し、同様にレーザビームにより溝を形成する。この際には、上述のアモルファスシリコン層に形成された溝に隣接するとともに、アモルファスシリコン層に形成された溝に隣接する透明電極に形成された溝とは、反対側でアモルファスシリコン層の溝に隣接するように、金属電極の溝が形成される。すなわち、各層の溝は、透明電極層の溝、アモルファスシリコン層の溝、金属電極層の溝の順に並んで隣接した状態に形成される。
そして、以上のような各薄膜への溝の形成に本発明のビーム加工装置が用いられる。
図1から図3に示すようにビーム加工装置は、ガラス基板2(基板)の左右側縁部を一つの搬送方向(逆方向を含んでもよい)に搬送自在に支持する基板移動機構5と、レーザビームをガラス基板2の一方の面に形成された被加工層3にビームを照射し、前記被加工層3を加工するビーム照射手段50とを備える。
基板移動機構5は、ガラス基板2の左右側縁部を保持して移動する図示しない保持スライダ部と、この保持スライダ部をガイドレール5a、5aに沿って移動させる図示しない駆動手段とからなる。
なお、駆動手段は、例えば、ボールねじ機構のようなものや、ワイヤを用いたものや、リニアモータを用いたものなど、一般に被加工物を一方向に移動させる機構を用いることができる。
ビーム照射手段50は、この例においてレーザの光源装置等を有し、レーザを生成する図示しないレーザ生成部と、レーザビームをガラス基板2に照射するための光学系とを備えるものである。
光源装置は、例えば、レーザとして、YAGレーザ、CO2レーザや、その他の気体レーザ、固体レーザ、半導体レーザ、液体レーザ、ファイバーレーザ、薄膜ディスクレーザ等の少なくとも何れか1つを用いることできる。
ここでは、例えば、可視光のレーザとして波長532nmのYAGレーザを用いる。
また、YAGレーザは、基本的に波長が1064nmであるが、これを半分の532nmとする技術が知られており、532nmの可視光とすることで、ガラス基板を効率的に透過することができる。
なお、光源装置は、YAGレーザ用のものに限定されるものではなく、かつ、レーザビームの波長も532nmに限定されるものではないが、レーザビームは、ガラス基板2等の被加工層3を有する基板を透過する波長である必要があり、例えば可視光を透過し、かつ、可視光領域以外の電磁波を透過しにくい基板においては、可視光のビームを用いることが好ましい。また、被加工層3では、ビームが効率的に吸収されて、ビームにより効率的に加工が可能なことが好ましく、ビームとされる電磁波の波長は、基板を透過(吸収率が低く)し易く、かつ、被加工層3に吸収されやすい波長を選択する必要がある。
また、基板が透明で、被加工層3が透明電極のような場合には、例えば、可視光で、かつ、基板側には吸収のピークがなく、透明電極側には吸収のピークがあるような波長を選択しても良いし、可視光領域とその周辺領域、例えば、近赤外線領域や、近紫外線領域で
基板側は透過しやすく、被加工層3側は透過しにくい波長を選択してもよい。
また、レーザビームは、パルスであることが好ましい。
また、ビーム照射手段50の光学系は、対物光学装置51を備え、対物光学装置51により、被加工層に集光もしくは結像の焦点が合わされ、ビームが照射されるようになっている。
そして、本発明では、対物光学装置51として、軸状集光ビームとしてのベッセルビームを照射するためのアクシコン(軸状集光用光学素子52)が用いられる。アクシコンは、ベッセルビームを形成可能な光学素子の総称であり、円錐形状のレンズ以外に、リング状のスリットを有するものや、リング状の凹凸を備えるものなどが知られている。
この例では円錐形状レンズを用いる。
対物光学装置51における軸状集光用光学装置(軸状集光用光学素子52)は、アクシコンに限定されるものではなく、回折光学素子やホログラム光学素子などでも、軸状集光を行えることが知られており、これらアクシコン以外の光学素子を用いて、軸状集光ビームを出力するものとしてもよい。
また、対物光学装置51は、複数の軸状集光用光学素子52を備えて、複数の軸状集光ビームを同時に照射可能なものとなっている。例えば、図3に示すように、対物光学装置51に複数の軸状集光用光学素子52が、ガラス基板2の搬送方向に平行で、対物光学装置51の後述の移動方向に直交する方向に並んだ状態に配置されている。なお、図2および図3において、軸状集光用光学素子52は、先端が円錐形状の光学素子となっており、アクシコンとして機能するようになっている。
そして、各軸状集光用光学素子52は、小径なので、通常の対物用レンズを用いて集光する場合よりも対物光学装置51を小型化することができる。
対物光学装置51は、例えば、ガラス基板2上で、ガラス基板2の搬送方向に直交する方向にガイドレール53に案内された状態で移動自在となっている。また、図示しない駆動装置により、ガイドレール53に沿って、対物光学装置51が往復動可能となっている。この場合もガラス基板2の基板移動機構5における駆動手段と同様のものを駆動装置として用いることができる。なお、ガイドレール53と駆動装置とからビーム照射位置移動機構が構成される。
また、対物光学装置51へのレーザビームの供給は、例えば、ミラーやプリズムを用いて、対物光学装置51に向けて光源装置側からレーザを照射し、対物光学装置51で、ビームの照射方向を、ガラス基板2側に向けるとともに、ガラス基板2にビームを照射する。例えば、光源装置からミラーやプリズムを介して、上述のガイドレール53に沿ってレーザを照射する状態とし、ガイドレール53に沿って移動する対物光学装置51に常時レーザを照射可能な状態とする。
なお、対物光学装置51にレーザを照射する際に光ファイバを経由して、レーザを照射する構成としてもよい。
また、対物光学装置51は、高さ位置の変更等などの周知の方法により、焦点位置を調整可能となっているが、オートフォーカス機能は設けられておらず、一度、焦点位置を調整した後のレーザビーム加工中に、自動でレーザビームの焦点を変更する必要はないものとなっている。
以上のような、ビーム加工装置を用いたビーム加工方法を説明する。
この例では、上述のようにアモルファスシリコンを用いた前記発電システムの製造に本発明を応用しており、ガラス基板上に透明電極層、光電変換層、金属電極層をそれぞれ形成する毎にビーム加工が行われる。
ビーム加工においては、基板移動機構5にガラス基板2の左右側縁部を保持させ、ガラス基板2を左右側縁部で吊った状態で、搬送方向に移動可能とする。
この際にガラス基板2は自重で撓むことになる。
また、ガラス基板2を基板移動機構5にセットする場合には、上述の透明電極層、光電変換層、金属電極層等の被加工層3が下側となるようにする。すなわち、ガラス基板2の被加工層3が形成された一方の面を下側に向け、他方の面を上側に向ける。
そして、ガラス基板2は基板移動機構5により、上述の対物光学装置51の移動方向と直交する搬送方向に搬送される。
そして、ガラス基板2の搬送方向の先端側となる端部が、対物光学装置51による最初のビーム加工位置に達した際に、ガラス基板2の搬送を停止する。
そして、レーザ(ベッセルビーム)を出力した状態で、対物光学装置51をガイドレール53に沿って被加工層3の一方の側縁から他方の側縁まで一方向に移動することで溝を形成して、溝で被加工層3を分断した状態とする。
また、この際には、複数のベッセルビームを同時に照射することにより、互いに設定された間隔をあけて複数の溝を同時に形成する。
このビーム加工に際し、ガラス基板2は、例えば、左右側縁部と中央部とで例えば数mm程度以上撓んだ状態となっている可能性がある。それに対して、ベッセルビームの焦点深度も数mm程度以上あるものとすることができるので、ガラス基板2の撓みによる被加工層3の上下の高さ位置のずれをベッセルビームの焦点深度内とすることができる。
これにより、ガラス基板2が自重により撓んだ状態でも、対物光学装置51の移動中に焦点合わせを行う必要がなく、撓んだ状態の被加工層3に対して焦点深度の範囲内でビーム加工を行うことができる。
なお、ベッセルビームにおいて、焦点距離となる位置、すなわち、ビームの強度が最大となる位置に対して、被加工層3の位置が上下にずれると、ビームの強度が多少低下することになるが、ベッセルビームは、その断面において、焦点深度の範囲内でその中央に大きなピークがある特性となっており、ピークとなる部分の径は、焦点深度の範囲内ならば大きく変化しない。
すなわち、ベッセルビームは、軸上に集光した状態となり、ベッセルビームを出力するアクシコンに対して被加工物が遠近方向に多少移動しても、焦点深度の範囲内ならば加工精度に大きな違いがなく、焦点深度内で、かつ、ビームの強度が予め決められた以上となる範囲に被加工層3があれば、被加工層3の上下位置が多少変動しても、加工精度を維持することができる。
これにより、例えば、最終的に前記発電システムを製造するような場合に、加工精度の向上を図ることで発電効率の向上を図ることができる。すなわち、加工物の精度の向上を図ることで加工物によって構成される装置等において性能の向上を図ることができる。
また、複数のアクシコンを対物光学装置51に配置して、同時に複数のレーザを照射する構成とした場合も、各アクシコン毎に対象の位置ずれがあったり、ガラス基板の複数のレーザの照射位置においてそれぞれ撓みやうねり等により、対物光学装置51の各アクシコンと、ガラス基板2との間の距離に違いがあっても、それが、ベッセルビームの焦点深度の範囲内ならば、加工精度の低下に結びつくことがなく、十分な加工精度でビーム加工を行うことができる。これにより、十分な加工精度を保った状態で、同時照射されるビーム数を増やして、加工時間の大幅な短縮を図ることができる。
次に、図4および図5を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
なお、第2の実施形態は、第1の実施の形態の基板移動機構を変更したものであり、ビーム照射手段50は、基本的に第1の実施の形態と同様のものとなっている。そこで、ビーム照射手段50の説明を省略もしくは簡略化し、主に基板移動機構5について説明する。
基板移動機構5は、気体を噴出することにより前記基板を平らに浮かせた状態に支持する気体浮上機構10を備え、気体浮上機構10は、気体を噴出する気体噴出機構(気体噴出板12等)を備え、かつ、前記基板を平らな状態に浮かせて支持するステージ11と、ガラス基板2を前記ステージ11上で少なくとも一方向に移動させる移動機構とを備えている。
すなわち、気体浮上機構10は、例えば、板状で後述のガラス基板2の搬送方向に沿って長く延在するステージ11と、ステージ11上にほぼ均等に散在するように配置された多数の気体噴出板12と、ステージ11の両側部に配置されて、ガラス基板2の左右両側部に係合するとともに、ガラス基板2を一つの搬送方向に沿って搬送するための移動機構14とを備える。
前記ステージ11は、基本的に板状であるが、例えば、搬送方向に沿って延在する複数の板体からストライプ状の構成となっていてもよい。また、ステージ11は、ビーム照射手段50の対物光学装置51の搬送方向に沿った線状のレーザビーム照射位置の部分で、搬送方向におけるレーザビーム照射位置の後側(手前側)と、前側(先側)とに2分割された状態となっており、この後側のステージ11aと、前側のステージ11bとの間にスリット状の間隔であるスリット部11cが形成されている。
このスリット部11cは、後側のステージ11aと、前側のステージ11bとを分割した状態として、これらステージ11aとステージ11bとの間に形成される。なお、ステージ11を2分割せずに、レーザビーム照射位置にスリット状の開口部を設け、これをスリット部としてもよい。
ステージ11には、上述の気体噴出板12が配置されている。
また、気体噴出板12は、多孔質性のセラミック板からなるか、もしくは多数の孔が設けられた金属板もしくは樹脂板からなっている。
そして、気体噴出板12の裏面側は当該気体噴出板12側を除いて密封された状態の空間を構成する図示しない容器状の裏部材が取り付けられ、圧縮気体を供給する配管が接続され、この配管に例えば圧縮気体供給手段であるコンプレッサや、ガスボンベが接続されて、圧縮気体を供給するようになっている。
この気体噴出板12と当該気体噴出板12に圧縮気体を供給する圧縮気体供給手段と、当該圧縮機体供給手段と、気体噴出板12との間をつなぐ配管等から気体噴出機構が形成されている。
なお、圧縮気体としては、例えば、空気や窒素ガスなどが用いられるが、加工される被加工層3に影響を与えない気体が用いられることが好ましく、例えば、酸素で被加工層3が酸化されてしまうような場合には、窒素ガス等の不活性ガスを用いることが好ましい。
また、気体噴出板12において、気体を噴出する噴出口と、気体を吸引する吸引口とを有する構成とするか、気体噴出板12に加えて気体吸引板15を設ける構成としてもよい。
これは、気体の噴出と気体の吸引を行うとともに、気体の噴出量と、気体の吸引量との少なくとも一方を制御することにより、浮上した状態のガラス基板2の高さを一定に保つように制御するための構成である。
気体を噴出するだけとして、気体の噴出量でガラス基板2の浮上高さをある程度調節することができるが、高い精度でかつ迅速にガラス基板2の浮上高さを制御する上では、気体を噴出するだけではなく、吸引も同時に行うことで、例えば、ガラス基板2が上に移動した場合に、単に気体の噴出量を減少させるのではなく、気体を吸引することで、ガラス基板2を迅速に下に戻すことができる。
この際に、気体噴出板12と気体吸引板15が例えば互い違いに分散配置されることが好ましい。また、気体噴出板12より気体吸引板15が少ない構成としてもよい。また、気体吸引板15がビーム加工時に発生する粉体を吸引しないように、ガラス基板2のビーム加工位置の近傍となる部分に気体吸引板15を配置しないことが好ましい。
なお、本発明では、後述のように、レーザ照射位置となるスリット部11cに、レーザビーム加工により生じる粉体を吸引する後述の吸引手段13を備えており、この吸引手段13の気体の吸引量と、レーザ照射位置の近傍に配置された気体噴出板12における気体噴出量とを制御して、レーザ照射位置におけるガラス基板2の高さを略一定に保持するようにしてもよい。
なお、気体の噴出と吸引とを用いたガラス基板2の高さ調整においては、例えば、レーザ照射位置となる直線上の部分もしくはその近傍で、ガラス基板2の高さ位置(例えば、下側を向く面の高さ位置)を測定し、当該測定結果としてのガラス基板2の高さに基づいて、気体の噴出量と気体の吸引量とを調節するように制御する。基本的にガラス基板2の高さ位置が上昇傾向となったら、気体の噴出量を減少し、気体の吸引量を増加する。また、下降傾向となったら気体の噴出量を増加し、気体の吸引量を減少させることになる。
また、移動機構14は、例えば、ガラス基板2の左右の側縁部に係合し、ガラス基板2を搬送方向に移動するものである。なお、移動方法は、例えば、ボールねじ機構のようなものや、ワイヤを用いたものや、リニアモータを用いたものなど、一般に被加工物を一方向に移動させる機構を用いることができる。すなわち、第1の実施形態の基板移動機構5と同様の構成とすることが可能であるが、ガラス基板2は、前記ステージ11を有する気体浮上機構10により浮上した状態とされているので、移動機構14がガラス基板2を吊った状態に完全に保持する必要はなく、搬送方向に押したり引いたりできる程度に保持する構造となっていればよい。
前記ステージ11には、ビーム照射手段50によるビーム照射位置の後述の移動範囲に前記被加工層3のビーム照射による加工によって生じる粉体を吸引する粉体除去手段16が設けられている。そして、粉体除去手段16は、上述のステージ11に設けられたスリット部11cと、スリット部11cに設けられて粉体を吸引する吸引手段13を備えている。すなわち、スリット部11cは、粉体を吸引して除去するために形成されたものであり、粉体除去手段16の一部となる。
吸引手段13は、スリット部11c内に配置される吸引口13aと、吸引を行うためのコンプレッサと、当該コンプレッサと吸引口13aとを接続する配管と、当該配管の途中に設けられて固気分離(粉体分離)を行うためのサイクロン装置(図示略)とを備える。
吸引口13aは、前記スリット部11cにスリット部11cの長さ方向、すなわち、ガラス基板2の搬送方向に直交する方向に、複数並んで設けられている。
そして、吸引口13aで吸引された粉体もしくは粉体となる前の昇華した気体や液化されたもの(吸引中に固体となる)、剥離物は、コンプレッサで吸引されてサイクロン装置に至る。
サイクロン装置は、周知の粉体分離用のサイクロンであり、渦巻き状の気流により、固体が気体から遠心分離されて、略気体だけが排出される。この気体は、コンプレッサに至ることになる。
また、サイクロンで回収された固体は、再利用もしくは廃棄される。
また、ビーム照射手段50は、上述の第1の実施例と同様のものが用いられる。
以上のような、第2の実施の形態のビーム加工装置を用いたビーム加工方法を説明する。
第2の実施の形態でも、上述のようにアモルファスシリコンを用いた前記発電システムの製造に本発明を応用する。
ビーム加工においては、前記気体浮上機構10と同様の気体浮上機構10を有する搬送経路を用いて、ビーム加工装置にガラス基板2が搬入される。この際にレーザビームにより加工される被加工層3は、ガラス基板2の下側となっている。すなわち、ガラス基板2は、被加工層3が形成された面を下にして、気体浮上機構10のステージ11上で僅かに浮上した状態とされる。そして、ガラス基板2は、ビーム加工装置において、気体浮上機構10のステージ11上で移動機構14に接続され、対物光学装置51の移動方向と直交する搬送方向に搬送される。
そして、ガラス基板2の搬送方向の先端側となる端部が、ステージ11の上述のスリット部11cに達し、ガラス基板2に形成された被加工層3(例えば、透明電極等)の溝形成位置が、ガイドレール53に支持された対物光学装置51に達したところで、搬送を停止する。
そして、レーザ(ベッセルビーム)を出力した状態で、対物光学装置51をガイドレール53に沿って被加工層の一方の側縁から他方の側縁まで一方向に移動することで溝を形成して、溝で被加工層を分断した状態とする。
また、この際には、粉体除去手段16の吸引手段13を作動させて、対物光学装置51の移動範囲の下側に設けられたスリット部11cからその上側に配置されたガラス基板2の被加工層3側の気体を吸引する。これにより、レーザビームが照射されることで昇華した被加工層3の気体や、粉体が吸引手段13に吸引される。
これで、レーザビーム加工により粉体が発生しても、粉体が噴出する気体により飛び散って、ビーム加工装置やその周囲を汚染させることがなく、清浄な状態に保持することができる。
また、ステージ11とガラス基板2とが僅かな距離だけ離間した状態、言い換えれば、ステージ11とガラス基板2とが近接した状態で、ステージ11のスリット部11cからガラス基板2のスリット部11c側を向く被加工層3で発生する被加工層3の気体や粉体を吸引可能となるので、効率的にこれら気体や粉体を吸引することができる。すなわち、確実に粉体を除去可能となる。
次に、再び、次の溝形成位置がレーザビーム照射位置となるまで、移動機構14によりガラス基板2を搬送して停止する。
そして、レーザビームを出力しながら、対物光学装置51をガイドレールに沿って、前の回のレーザ照射の際の移動方向と逆方向に移動し、被加工層3に溝を形成する。
以上の操作を被加工層3の溝加工すべき部分のすべてに溝を形成するまで繰り返すことにより、一つの被加工層3に対する溝を形成する。次いで、被加工層3上に次の被加工層3を形成した後に、上述のビーム加工を再び行う。
そして、上述のように透明電極層、光電変換層(アモルファスシリコン層)、金属電極層を形成するとともに、これらの層のすべてにビーム加工による溝を形成する。これにより、ガラス基板2上に多数のセルに分割され、且つ、直列に接合された前記発電システムが形成される。
この際には、ガラス基板2が撓むことがないように噴出する気体により浮上した状態となっているので、焦点深度の深いベッセルビームを用いることとの相乗効果により高精度の加工が可能となる。また、同時照射するビーム数を多くすることで、各ビーム毎の構造的な焦点位置のずれや、ガラス基板の位置による厚みの違いやうねりなどにより、各ビームにおいて、焦点がそれぞれ僅かに異なるが、それらはベッセルビームの焦点深度の範囲内に納めることができる。
これにより、同時に照射するビーム数を増加させても、加工精度を維持もしくは向上できることになる。
また、ベッセルビームを生じるアクシコンとしての円錐形状レンズ(軸状集光用光学素子52)が小型なことから、円錐形状レンズを増やすことによりビーム数を増やした場合に、円錐形状レンズを備える対物光学装置51が大型化するのを防止することができる。
これらのことから、同時に照射するビーム数を従来に比較して増加させることが可能となり、さらなる加工時間の短縮をはかり、ビーム加工を含む工程により製造される製品、例えば、前記発電システムやプラズマディスプレイ等のコストの削減を図ることができる。
図6および図7は、本発明の第3の実施の形態に係るビーム加工装置の概略構成を示すものである。また、図8はビームを照射するヘッドの移動を説明するための図面である。
この第1および第2の実施の形態では、ガラス基板2の搬送を停止した状態でビーム加工を行っていたのに対して、第3の実施の形態では、ガラス基板2と同様の基板101を搬送した状態のまま停止せずにビーム加工を行うようになっており、ビーム照射手段におけるビームの照射位置を移動させる機構が異なるが、それ以外の構成は第2の実施の形態とほぼ同様の構成となっており、同様の構成要素については説明を簡略化する。
第3の実施の形態のビーム加工装置は、第1および第2の実施の形態と同様の用途で用いることが可能で、かつ同様の加工が可能なものであり、第1の実施の形態と同様に光電効果を利用した発電システムを製造することができる。
図6および図7に示すようにビーム加工装置は、基板101の一方の面に形成された被加工層102(薄膜層)にビーム103を照射して加工するものであって、前記基板101を一方向に搬送する搬送機構(移動機構)104と、当該搬送機構104に搬送されている前記基板101の他方の面側から当該基板101の一方の面に形成された被加工層102に当該基板101を透過してビーム103を照射するとともに、ビーム照射に際して当該基板101に垂直にビームを照射するヘッド110を有するビーム照射装置111(ビーム照射手段)と、前記ヘッド110を前記搬送機構104で搬送される基板101に平行な面に沿い、かつ、互いに交差する二方向に同時に移動させることが可能なヘッド移動装置120とを備えている。
この例における基板101および基板101の被加工層102は、たとえば、第1の実施の形態と同様のものである。また、搬送機構104は、第2の実施の形態における気体浮上機構10の移動機構14と同様のものである。また、第3の実施の形態においても、気体浮上機構10が用いられるものとなっており、第2の実施の形態のステージ11と同様のステージ141が用いられ、気体を噴出することにより、基板101を浮上させるようになっている。
なお、基板101にストライプ状に加工されて形成される被加工層102の溝の方向に対して、搬送機構104による基板の搬送方向は、直交する方向となっている。
すなわち、形成すべき溝の方向に対して直交して搬送されるように、搬送機構104に基板101をセットする必要がある。なお、基板の搬送を第1の実施の形態と同様の基板移動機構5を用いて行うものとしてもよい。
そして、ヘッド110を有するビーム照射装置111は、レーザを生成する光源装置112と、当該光源装置112からレーザをヘッド110に導くビーム誘導系とを備えている。
光源装置112は、例えば、第1の実施の形態と同様のレーザを出力する。
なお、この例では、ヘッド110は複数のレーザビームを被加工層102に同時に照射するようになっており、複数の対物光学装置113、ここではたとえば4つの対物光学装置113が設けられている。なお、照射するビームの数に対応して光源装置112おいても、4つのビームを出力するようになっている。
なお、対物光学装置113は、第1の実施の形態の対物光学装置51と同様の軸状集光用光学素子52が用いられる。
そして、光源装置112からヘッド110にレーザを導くビーム誘導系は、この例では複数のミラー115,116,117,128,129によって構成される。
また、ビーム照射装置111のビーム誘導系には、光源装置112からヘッド110の光路長をヘッド110の移動位置に拘わらずほぼ一定に保持する光路長調整装置114が設けられている。
この例では、ヘッド110は、基板101の搬送方向としてのY軸方向に直交する基板101の幅方向としてのX軸方向に沿って略基板101の幅程度の距離を移動するようになっており、基板101が大型のガラス基板の場合に、ヘッド110の移動により光源装置112からヘッド110までの距離が大きく変化する。
ここで光源装置112から出力されるレーザビームは、たとえば,コリメートレンズにより平行光に変換されているが、完全な平行光とはならず、回折等により僅かに拡散してビーム径が徐々に大きくなる。したがって、ミラーを用いてヘッド110にレーザビームを導く場合に、ヘッド110が光源装置112から大きく離れたり,近づいたりする構造だと、離れた場合と近づいた場合で、対物光学装置113に入射するレーザビームのビーム径に明らかな違いが生じ、たとえば、これにより、焦点位置の変動や、ビーム強度の変動が生じ、精密な加工が阻害される。
そこで、この例では、レーザビームを光路長調整装置114に迂回させて導くようになっている。
なお、前記ビーム誘導系は、基本的には、光源装置112から出力されるレーザビームをX軸方向に導く第1のミラー115と、ヘッド110と一体にX軸方向に移動し、かつ、Y軸方向には移動しない部分としての後述のX軸スライダ122に設けられ、さらに、第1のミラー115からのレーザビームをY軸方向に沿うように90度曲げてヘッド110に導く第2のミラー116とがあれば良いが、この例では、第1のミラー115と、第2のミラー116との間のレーザビームの光路に光路長調整装置114が設けられている。
なお、この例においては、光軸をY軸方向に沿って配置された光源装置112の隣にヘッド110のX軸方向の移動に対して光路長を調整するために光路長調整装置114が設けられるが、光路長調整装置114へ入射されるレーザビームと、光路長調整装置114から出射されるレーザビームの向きをX軸方向ではなく、Y軸方向としている。また、光路長調整装置114を第1のミラー115と第2のミラー116との間ではなく、これらの外側でかつ第1のミラー115側となる位置に設けている。したがって、第1のミラー115から第2のミラー116に向かうX軸方向に沿ったレーザビームを第1のミラー115が第2のミラー116側ではなく、その反対側に向けて反射するようになっている。
また、第1のミラー115から反射されるレーザビームをX軸方向からY軸方向に90度まげて光路長調整装置114に入射させる第3のミラー128と、光路長調整装置114から出射されるY軸方向に沿ったレーザビームをX軸方向に曲げるとともに第2のミラー116に反射させる第4のミラー129とが備えられている。
そして、光路長調整装置114には、導かれて入射したレーザビームの方向と平行な方向にレーザビームを反射して出力するためのミラー117,117が設けられている。ミラー117,117は、たとえば,二枚設けられ、入射したレーザビームを90度曲げて反射するミラー117と、当該曲げられたレーザビームをさらに90度まげて、前述のミラー117と合わせて180度曲げるようになっている。これで、入射したレーザビームと平行な方向へ、入射したレーザビームを反射して返すことができる。なお、入射するレーザビームの位置と、これに平行に反射されて出射されるレーザビームの位置とにはずれがあり、入射するレーザビームは光源装置112側の第1のミラー115および第3のミラー128を順番に反射されたもので、出射したレーザビームは、第4のミラー129を介してヘッド110を支持するX軸スライダ122の第2のミラー116に向かうようになっている。
また、ここで、光路長調整装置114におけるレーザビームを反射する二枚のミラーは、光路長調整装置114において、互いに平行な入射するレーザビームと、出射するレーザビームとの光軸にそって、これらレーザビームと平行な方向、すなわち、光軸方向に沿って移動自在となっている。
すなわち、光路長調整装置114は、前記二つのミラー117,117が搭載されたスライダ部118と、当該スライダ部118を、前記光軸方向(Y軸方向)に移動自在に案内するレール部119と、前記スライダ部118をレール部119に沿って移動させる図示しない駆動源とを備えている。なお、駆動源は、ベルト、ワイヤ、ボールねじ等の回転運動を直線運動に変換可能な伝動機構を有する回転モータや、リニアモータなど、スライダ部118を直線方向に往復移動可能なものならばよい。
そして、この光路長調整装置114を有するビーム誘導系は、光源装置112から出力されるレーザビームをX軸方向に導くとともに、光路長調整装置114の前記二枚のミラー117,117の一方のミラー117に向ける第1のミラー115および第3のミラー128と、光路長調整装置114から出力されるレーザビームを対物光学装置113に向ける第2のミラー116および第4のミラー129を備える。なお、光路長調整装置114に入射するレーザビームおよび光路長調整装置114から出射されるレーザビームをX軸方向に沿ったものとすれば、光路長調整装置114のためにレーザビームをY軸方向とX軸方向との間で変換する第3のミラー128および第4のミラー129は必要ではない。また、ミラー117、117の代わりにコーナーキューブやリトロリフレクタなどといった逆反射プリズムを用いてもよい。
また、実際には、第2のミラー116で反射された光は、たとえば、上述の対物光学装置113に設けられた図示しないミラーで、Z軸方向に反射され、対物光学装置113の対物レンズに入射されることになる。
また、図6では、一つのレーザの光路しか示されていないが、ここでは、Z軸方向に間隔を空けて複数、たとえば、4本のレーザが同様の光路を通って光源装置112から対物光学装置113に導かれるようになっており、4つの対物光学装置113でそれぞれX軸方向に変換される。なお、第2のミラー116で反射された光のうちのZ軸方向(高さ方向)で最も低い位置のレーザビームが第2のミラー116に最も近い対物光学装置113に入射され、それからレーザビームが高くなる順に、第2のミラー116から遠くなる対物光学装置113に入射される構造となる。
また、ヘッド移動装置120は、基板101の被加工層102の溝加工の方向となるX軸方向に沿った幅より僅かに広い範囲に渡ってヘッド110の移動を可能とするX軸移動機構123と、X軸移動機構123に設けられたX軸スライダ122に設けられてヘッド110をY軸方向に沿って移動可能とするY軸移動機構124とを有する。
この例では、X軸移動機構123およびY軸移動機構124は、それぞれリニアモータからなっており、たとえば、リニアサーボモータやリニアステッピングモータを用いることにより、精密にヘッド110の移動を制御可能となっている。
そして、X軸移動機構123は、X軸方向に沿って延在するリニアモータの固定子を有するX軸ガイド部125と、当該固定子に沿って移動する移動子を有するX軸スライダ122とを有する。
X軸ガイド部125はX軸スライダ122をX軸方向に案内するとともに固定子が移動子をX軸方向に駆動することになる。
また、X軸スライダ122に設けられるY軸移動機構124は、Y軸方向に沿って延在するリニアモータの固定子を有するガイド部127と、当該固定子に沿って移動する移動子を有するヘッド110とを有する。
以上のような構成により、ヘッド110は、基板101に形成される被加工層102の幅を含む範囲でX軸方向に移動可能となっている。また、ヘッド110のY軸方向への移動可能な距離は、ヘッド110における各ビーム出射部の間隔が、基板101の被加工層102に形成される溝の間隔と等しくされている場合に、ビーム出射部(対物光学装置113)の数に溝の間隔を乗算した程度の距離となっている。
たとえば、4本のビームにより、4つの溝を同時に形成する場合に、基板101がY軸方向に溝同士の間隔に同時に照射されるビームの数としての4を乗算した距離を搬送される前に被加工層のX軸方向に沿ったヘッド110の移動を終了して、4つの溝の加工が終わっている必要がある。
したがって、基本的には、ヘッド110のY軸方向への移動距離は、上述のようにヘッド110から出射されるビーム数に加工すべき溝同士の間隔を乗算した長さ以上は必要ないことになる。
なお、後述のように、ヘッド110のY軸方向の移動速度と、基板101のY軸方向の移動速度は等しく制御されるが、移動継続する基板101に対してヘッド110は、溝を形成する動作毎に逆方向に戻って停止してから、再び、Y軸方向(順方向)に移動開始することから、ヘッド110のY軸方向の移動速度を基板101の移動速度まで加速するための加速距離を必要とする。
また、基板101がヘッド110による一回の溝を作製するための動作で作製される溝から各溝間の間隔分だけ進んでしまうと、ヘッド110による次の溝作製が間に合わなくなるので、ヘッド110のY軸方向への移動距離は、最大でも上述の距離だけあれば足りることになる。
したがって、Y軸移動機構124によるヘッド110のY軸方向の移動距離は、基板101のサイズに比較して極めて短いものとなっている。
そして、このようなX軸移動機構123およびY軸移動機構124を有するヘッド移動装置120によるヘッド110の移動を伴うビーム加工方法について説明する。
なお、ヘッドの移動制御は、図示しない移動制御装置(移動制御手段)によって行われる。
移動制御装置は、リニアモータからなるX軸移動機構123およびY軸移動機構124を制御するもので、基本的には周知のサーボモータ制御もしくはステッピングモータ制御として制御が行われることになる。
そして、ビーム加工方法においては、まず、基板101が搬送機構104により所定速度SKで基板101が移動しているものとする。また、基板101には、ヘッド110におけるビームの照射数に対応する本数の溝毎にビーム照射開始位置が設定されることになる。なお、ビーム照射開始位置は、被加工層102の左側縁側と右側縁側とに交互に設定されることになる。
そして、ビーム照射開始位置がヘッド110のビーム照射部のうちのたとえば基板101の搬送方向に対して最も後側となるビーム照射部のビーム照射位置となった際にヘッド110におけるビームの照射が開始されることになる。なお、レーザビームは、被加工層102を加工する際にだけ照射し、加工以外でヘッド110が移動している際には、照射を止めた状態としてもよいが、被加工層102を加工していない状態でもレーザビームを出力させたままとして、レーザビームを安定した状態とするものとしてもよい。
この際にヘッド110のY軸方向に沿った移動速度と、基板101のY軸方向に沿った移動速度が同じとなって同期している必要がある。
そこで、移動制御においては、まず、ヘッド110がたとえば搬送方向に移動する基板101の左側にあり、かつ、搬送される基板101の次にビームを照射すべきビーム照射開始位置が、左側にあるものとする。また、ヘッド110は、Y軸方向の原点位置、基本的には、搬送方向の最も後側にあるものとする。また、ヘッド110は、X軸方向の左右どちらかの原点位置にあるものとする。なお、X軸方向に関しては、ヘッド110の移動に際して最も左側となる原点位置と、最も右側となる原点位置とがある。
また、原点位置は、ヘッド110の構造的な移動可能範囲の最も端となっている必要はなく、溝加工に際する移動範囲内において最も端となっていればよい。この際にヘッド110の構造的な移動可能範囲は、溝加工に際しヘッド110が移動する移動範囲より大きなものとする。
そして、基板101の前記ビーム照射開始位置が、ヘッド110の最も搬送方向の後側となるビーム出射部のビーム照射位置より所定距離手前となった段階で、ヘッド110のY軸方向への移動を開始し、ヘッド110の移動速度を基板101の搬送速度と等しくなるまで加速し、等しくなったところで、速度一定とする。
また、この速度一定となった際に、基板101の前記ビーム照射開始位置と、ヘッド110の前記ビーム照射位置とが等しくなっている必要がある。
そして、図8(a)に示すように、ヘッド110からのビーム照射位置はY軸方向に矢印Y1に沿って加速移動する。ヘッド110の移動速度が基板101の搬送速度に等しくなるとともに、ビーム照射開始位置と、ビーム照射位置が等しくなった時点で、ビームの照射を開始するとともに、ヘッド110をX軸方向に沿って移動する。これにより、図8(a)に示すようにヘッド110から照射される4本のビームの照射位置は、矢印Y2に沿って右斜め前に移動する状態となる。なお、X軸方向移動にも加速期間が必要となるので、実際には、前記ビーム照射開始位置と、前記ビーム照射位置とが等しくなる前にヘッド110のX軸方向への移動を開始する必要がある。
この際のX軸方向への移動は、基本的に等速移動となるが、最初に上述のように加速が必要で最後に減速が必要となる。特に、加速や減速による速度の違いにより、レーザビームによる加工に影響が生じる場合には、X軸移動の開始位置と、停止位置を被加工層102の左右側縁より外側とし、X軸移動の開始位置でヘッド110がX軸方向に加速しながら移動開始し、被加工層102の側縁の外側から側縁に達した段階でX軸方向への移動速度が所定の速度SXとなった状態とし、それ以降ビームが被加工層102上に照射されている間は、所定速度で等速に移動するものとする。
なお、X軸方向における被加工層102の外側での加速時に同時にY軸方向の加速が行われるものとする。
ここで、ヘッド110がY軸方向およびX軸方向に加速している段階が、一側縁側加速工程(左側縁側加速工程)となる。
そして、上述のようにヘッド110がY軸方向に基板101の搬送速度SKで等速移動し、X軸方向に所定速度SXで等速移動している段階が、順方向等速加工工程となる。
そして、レーザビームの照射位置が被加工層102の反対側の側縁に達したところで、ヘッド110のX軸方向の移動における速度を減速して停止させるようにすればいい。
そして、X軸方向の等速移動が終了した段階、すなわち、Y軸方向の等速移動も終了した段階で、ヘッド110をY軸方向で基板101の搬送方向で逆方向に移動する。この際には、ヘッド110は、Y軸方向の移動において、減速してから停止し、そして逆方向に移動することになる。この際にX軸方向の移動も減速されて停止する。このヘッド110の原点位置に復帰する工程が他側縁側原点復帰工程となる。
また、この際に基板101において、上述のようレーザビームの照射が行われたビーム照射開始位置の次となるビーム照射開始位置が上述の所定の搬送速度SKで移動していることになる。
それに対してヘッド110をY軸方向に沿って搬送方向の逆方向に移動して原点位置に戻すことになる。X軸方向では、左右に原点位置があり、左の原点位置の逆となる右の原点位置でヘッド110が停止した状態となる。
この際に、図8(a)の矢印Y3に示すように、Y軸方向に沿って上述のY軸方向の原点位置までヘッド110を戻すことになるが、この際に、基板101の次にビーム照射開始位置が、ヘッド110の前記ビーム照射位置よりも未だ後方にある必要があり、上述のようにヘッド110が移動開始して所定速度となった際にヘッド110の前記ビーム照射位置に基板101のビーム照射開始位置が追いついた状態となる必要がある。
なお、加速や減速を考慮しなければ、この状態で、基板101の次のビーム照射開始位置をヘッド110のビーム照射位置に合わせることになるが、実際には再びX軸方向およびY軸方向に沿ってヘッド110を移動開始するとともに加速する他側縁側加速工程を経てビーム照射開始位置をヘッド110のビーム照射位置に合わせることになる。そして、この他側縁側原点復帰工程と他側縁側加速工程とを合わせて他側縁側照射位置合わせ工程となる。なお、他側縁側加速工程においては、基本的に左右位置が逆となる以外は、上述の一側縁側加速工程と同様の処理が行われる。
すなわち、図8(b)の矢印Y4に示すように、Y軸方向に加速することになる。
また、X軸方向においても、上述のX軸方向の移動開始となる左側の原点位置に対して右側の原点位置から、上述の場合と逆に右から左に移動する以外は同様に加速することになる。
そして、他側縁側加速工程において、Y軸方向の移動速度が前記基板101の搬送速度SKとなり、X軸方向の移動速度も所定の速度となり、かつ、基板101のビーム照射開始位置がヘッド110の照射開始位置となった際に、逆方向等速加工工程として、順方向等速加工工程の場合とX軸方向を逆方向に等速で移動し、かつ、Y軸方向に等速で移動してレーザビームによる加工を行う。すなわち、図8(b)の矢印Y5方向に移動する。
そして、上述の場合と同様にX軸方向およびY軸方向への等速移動が終了し、X軸方向で減速して停止し、Y軸方向で減速停止した後にヘッド110をY軸方向に沿って矢印Y6に示すように原点位置に戻す一側縁側原点復帰工程を行う。
そして、ヘッド110をY軸方向の搬送方向の逆方向に戻して原点位置とした後に、最初の工程に戻ることになる。
そして、一側縁側原点復帰工程と最初の一側縁側加速工程とが、基板101のビーム照射開始位置にヘッド110のビーム照射位置を合わせる一側縁側照射位置合わせ工程となる。
以上のようなビーム加工方法において、ヘッド110の移動は、概略図8(c)に示すように蝶ネクタイ状の移動となる。すなわち、左側から右前側に斜めに移動した後に、後側に真っ直ぐ戻り、右側から左前側に斜めに移動した後に後側に真っ直ぐ戻ることにより、移動形状が蝶ネクタイ状となる。
また、このような移動において、左側から右前側の移動における前側、すなわちY軸方向の移動における速度が基板101の搬送速度と一致し、右側から左前側の移動における前側、すなわち、Y軸方向の移動における速度が基板101の搬送速度と一致することから、基板101の被加工層102における加工形状は、ストライプ状に溝が等間隔で並んだものとなる。
なお、図8において、実線が順方向(ここでは、左から右)の加工を示し、破線が逆方向(ここでは、右から左)の加工を示すものとなっている。
このようなビーム加工方法を行うためのヘッド110の移動制御は、前記移動制御装置により、Y軸方向とX軸方向の処理が同時に行われることになり、以下に示す概略工程で制御が行われることになる。
ヘッド110の位置をY軸原点位置およびX軸左側原点位置(右側原点位置でも可)とする。なお、サーボ制御においては、X軸移動機構123およびY軸移動機構124において、固定子側に移動子の位置を計測するセンサを設け、当該センサによりY軸移動機構124およびX軸移動機構123でそれぞれ移動子の位置を計測することでヘッドの位置を計測可能としている。
所定のヘッド位置にない場合には、ヘッド110を移動することになる。また、ヘッド110の動作中も前記センサにより求められた位置によりフィードバック制御が行われる。
搬送機構104が連動して基板101の搬送が行われ、基板101が所定速度SKまで加速し、所定速度SKで搬送される。
そして、基板101の被加工層の上述のビーム照射開始位置が所定位置に達した際、すなわち、ビーム照射開始位置から原点位置にあるヘッド110のビーム開始位置に対して所定距離L1だけ手前にある位置となった際に、以下の処理を行う。
すなわち、Y軸移動機構124において移動子を速度0から所定速度SKまで加速するとともに、この際の加速度は移動子が所定距離だけ移動する所定期間で所定速度SKに達する加速度に設定されている。
ここで、所定速度SKは、搬送機構104における搬送速度SKと同じ速度となる。また、この際に基板101は前記所定距離に加えて前記所定期間中に所定速度SKで基板101が搬送される距離分だけ移動し、この際に前記ビーム開始位置がヘッドのビーム照射位置となるように設定されている。
また、X軸移動機構123において移動子を速度0から所定速度SXまで加速する。この際に、ヘッド110のビーム照射位置は、被加工層102の外側から被加工層102の側縁の上述のビーム照射開始位置に達する。
この状態でY軸移動機構124の移動子の速度が所定速度SKとなり、X軸移動機構123の移動子の速度が所定速度SXとなるとともに、ヘッド110の位置はそのビーム照射位置が基板101のビーム照射開始位置となる。この制御工程が、一側縁側加速制御工程となる。
この状態で被加工層102の他方の側縁の加工終了位置となるまで、上述の状態のままX軸移動機構123の移動子と、Y軸移動機構124の移動子とが移動を継続する。これが順方向等速加工制御工程となる。
そして、加工終了位置に達すると、Y軸移動機構124における移動子が急減速し、かつ、停止した後に逆方向に急加速移動してY軸原点位置に戻るとともに、Y軸原点位置近傍で再び急減速してY軸原点位置で停止する。
同様にX軸移動機構123でも移動子が急減速し、かつ、停止してX軸右側原点位置で停止する。これが他側縁側原点復帰制御工程となる。
次に、再び、上述のY軸移動機構124における移動子の加速工程と、X軸移動機構123における移動子の加速工程とを行う。すなわち、他側縁側加速制御工程を行う。なお、上述の他側縁側原点復帰制御工程と、他側縁側加速制御工程とを合わせた工程が、基板101の被加工層102の他方の側縁側でヘッド110を基板101の搬送方向と逆方向に移動するように制御して搬送中の基板101の順方向等速加工制御工程でヘッド110の搬送方向の最も後側となるビーム出射部(対物光学装置113)で加工された部分から所定間隔離れた位置に、ヘッド110の搬送方向の最も先側となるビーム出射部から照射されるビームを照射可能に移動する他側縁側照射位置合わせ制御工程となる。
なお、X軸移動機構123における進行方向は、上述の加速工程とは逆方向となる。
そして、Y軸移動機構124における移動子の移動速度が所定速度SKとなり、X軸移動機構123における移動の移動速度が所定速度SXとなる。また、ヘッド移動装置120により移動したヘッド110のビーム照射位置が、基板101の次のビーム照射開始位置となる。
この段階で、上述の順方向等速加工制御工程と同様でX軸方向の進行方向だけが逆となる逆方向等速加工制御工程での処理が行われる。すなわち、ヘッド110がレーザビームを照射しながらY軸方向に所定速度SKで移動し、X軸方向に所定速度SXで移動する。
そして、ヘッド110のビーム照射位置が、基板101の被加工層102の一方の側縁のビーム照射終了位置に達した際に、上述の他側縁側原点復帰制御工程と同様の一側縁側原点復帰制御工程が行われる。なお、X軸移動機構123においては、原点が左右にあり、前の他側縁側原点復帰制御工程と逆の左右位置の原点に復帰することになる。
ここでは、最初のX軸移動機構123の左の原点位置に戻ることになる。
そして、上述の最初の状態に戻るとともに、上述の工程を繰り返すことで、さらに溝加工を継続することができる。なお、この一側縁側原点復帰制御工程と、最初の一側縁側加速制御工程とを合わせた工程が、上述の他側縁側照射位置合わせ制御工程と同様の一側縁側照射位置合わせ制御工程となる。なお、他側縁側照射位置合わせ制御工程と一側縁側照射位置合わせ制御工程とではX軸方向の左右位置が逆になる。
以上のようなビーム加工装置によるビーム加工方法によれば、ヘッド110を上述のように移動することで、基板101の搬送を停止することなく被加工層102にストライプ状に溝を形成することができるので、前記発電システム等の製造において、作業期間の大幅な短縮を行うことができる。
また、基板101の搬送機構104においては、頻繁に加速、減速、停止を繰り返すことがないので、搬送される基板101が大型で重量が大きなものであっても、搬送機構104に大きな強度が要求されたりすることがなく、搬送機構104のコストの低減を図ることができる。
また、搬送される基板101に大きな負荷がかかるのも防止することができる。
また、ヘッド110を蝶ネクタイの外周に示されるような形状に沿って移動しながら、基板101に垂直にレーザビームを照射することができるので、基板101の他方の面側から一方の面側の被加工層にレーザビームを照射して加工する際に、例えば、ガルバノミラーを用いて斜めに照射するとともに照射角度が変化するような場合と比較して基板101とたとえば周囲の雰囲気となる空気やその他の気体との界面における屈折率による反射率や照射角度の変化がなく、精密で略一定した加工が可能となり、これにより前記発電システムの製造においては発電効率の向上が望める。
また、軸状集光用光学素子52を用いることから、複数のビームを同時に照射する構成とした場合に、各ビーム毎の対物光学装置113の焦点のずれや、ビーム照射位置の違いによる被加工層側のZ軸方向のずれなどに拘わらず、複数のビームの被加工層上の各照射位置を焦点深度内に納めることが可能となり、ビームを複数同時に照射する構成としても加工精度が低下するのを防止できるとともに、加工品質を保持したまま同時照射可能なレーザビーム数を増加することができる。
また、これにより加工時間のさらなる短縮を図ることができる。
また、ストライプ状に多くの直線状の加工を狭い間隔で繰り返し行える構成とした場合に、ヘッド110のX軸方向への移動速度や、Y軸方向における上述の減速、原点復帰工程の際、移動速度が基板101の搬送速度に対して十分に速い必要があるが、一度に複数のレーザビームを用いて複数の溝を加工することで、たとえば、基板101の搬送速度を一定とした場合にヘッド110のX軸方向の移動速度の低減や、Y軸方向の減速、停止、加速に必要な期間の長期化を図ることができ、これによってヘッド移動装置120のコストの低減を図ることができる。
また、逆に、基板101の搬送速度を速くしてさらなる加工時間の短縮を図ることも可能となる。
また、このようなビーム加工装置におけるビーム加工方法で製造されたビーム加工基板においては、上述のビーム加工装置のコスト低減による製造設備のコスト低減と、製造時間の短縮によるコストの低減を図ることができる。このようにコストの低減を図っても精密で安定したビーム加工により、高い品質を有するビーム加工基板となり、たとえば、光電効果を利用した発電システムのパネルに応用した場合に発電効率の高いものとすることができる。
なお、ビーム照射位置が蝶ネクタイ状に移動することから、ステージ141に設けられて吸引手段が配置されるスリット部は、例えば、蝶ネクタイ状のビーム照射位置全体に対応するものとなる。
図9(a),(b)および図10は、本発明の第4の実施形態のビーム加工装置の概略を説明するものである。
第1〜第3の実施の形態において、基板2(101)の被加工層3(102)側を下として基板2(101)の上側からレーザを照射していたのに対して、第4の実施の形態では、基板101の被加工層102(図7に図示)側を上として、基板101の下側からレーザを照射する構成となっている。
第4の実施の形態では、第1〜第3の実施の形態と搬送機構204の構造が異なり、さらに、ビーム照射手段のヘッド210が搬送機構204上の基板101の下側に配置されるとともに、ヘッド210の移動機構や、ヘッド210にレーザビームを誘導するビーム誘導系が搬送機構204上の基板101に対して下側に配置される点で第1〜第3の実施の形態と異なるが、この基板101に対する位置関係以外は、第1〜第3の実施の形態のいずれかと同様のビーム照射手段(ビーム照射装置211)を用いることができる。
第4の実施の形態のビーム加工装置は、第1〜第3の実施の形態と同様の用途で用いることが可能で、かつ同様の加工が可能なものであり、第1の実施の形態と同様に光電効果を利用した発電システムを製造することができる。
第4の実施の形態の搬送機構204は、気体浮上機構10を備えておらず、支持手段としてのローラ203を備えている。また、ローラ203は、それぞれローラ支持部材205により回転自在に支持されている。また、ローラ203は、その回転中心が搬送機構204による基板101の搬送方向と直交する方向に配置されており、基板101を搬送方向にそって移動自在に支持している。
また、ローラ203は、搬送方向に沿って複数列に配置されているとともに、搬送方向と直交する幅方向にそって複数列に配置されており、基板101を下側から基板101が撓まないように支持している。
すなわち、搬送機構204は、基板101を平らな状態となるように支持していることになる。なお、ローラ203を基板101の幅方向(当該基板101の搬送方向に直交する方向)に対して複数並べて配置するのではなく、ローラ203を基板101と同じ程度の長さとして、基板101の撓みを防止する構造としてもよい。
ローラ203は、基板101の下面に接触することになるが、基板101は被加工層102を上側に向けて搬送機構204に配置されるので、ローラ203に被加工層102が接触することがなく、ローラ203との接触により、被加工層102が傷つくことがない。なお、これらローラ203は、全ての上端部がほぼ水平な1つの平面内に配置されるようになっており、基板101をほとんど撓ませることなく平に支持した状態となる。
また、ローラ203は、基本的に気体浮上機構10と同様に基板101を搬送方向に移動可能に支持しているだけで、基板101の移動は、第1および第2の実施形態と同様に図示しない移動機構により行われる。移動機構は、例えば、第2の実施の形態の移動機構14と同様のものである。
また、搬送機構204は、気体浮上機構10と同様に、スリット部201を備えている。スリット部201は、搬送方向に直交しており、基板101の幅と同じ程度もしくはそれ以上の長さを有するものとなっている。
そして、スリット部201の下側では、後述するようにヘッド210が基板101の搬送方向であるY軸方向と、搬送方向に直交するX軸方向に移動自在となっている。
また、スリット部201の上側には、第2の実施の形態と略同様の構成を有する吸引手段207が設けられている。この吸引手段207が第4の実施の形態の粉体除去手段となるものである。
吸引手段207は、第2の実施の形態と同様のものであるが、基板101の下側ではなく、基板101の上側から基板101の被加工層102に近接して吸引を行うものとなっている。吸引手段207は、前記スリット部201の上側に配置されている。また、スリット部201で下側からのレーザビームの照射により被加工層102のビームで加工される部分全体を覆うように配置されている。これにより、レーザビーム照射により、上述のように生じた粉体(粉塵)が吸引除去されるので、基板101の被加工層102に粉塵が再付着したり、被加工層102が汚れた状態となるのを防止することができる。なお、吸引手段207をヘッド210の移動範囲(搬送機構204において基板101がレーザ照射を受ける範囲)全体に渡って粉体を吸引できるように固定的に設けるものとしたが、レーザの照射位置の移動に対応して吸引手段207が移動するものとしてもよい。
第4の実施の形態におけるビーム照射装置211は、基本的に第3の実施の形態のビーム照射装置111と同様のものであり、レーザビームを生成する光源装置212と、当該光源装置212からヘッド210にレーザビームを導くビーム誘導系を備えている。
なお、図9および図10に示す概略図に基づいて、ビーム誘導系を説明すると、光源装置212からX軸方向に沿って照射されたレーザビームは、ミラー215によりY軸方向に向けられ、第3の実施の形態の光路長調整装置114と同様の光路長調整装置214に導入された状態となる。光路長調整装置214に導入されたレーザビームは、ミラー216によりY軸方向からX軸方向に向きを変えられる。ミラー216のX軸方向先側には、光路長調整装置214のリトロリフレクタ217がX軸方向に移動自在に配置されている。リトロリフレクタ217は、光路長調整ステージ213上でX軸方向に移動自在に支持されている。
リトロリフレクタ217は、第1の実施の形態の光路長調整装置114の2枚のミラー117,117の代わりに設けられたもので、所定の方向から光が入射すると、入射した光と平行になるように光を反射して出射させるようになっている。そして、リトロリフレクタ217がヘッド210の移動に合わせて当該リトロリフレクタ217に入射する光(出射する光)の方向に移動することで、レーザビームの光路長を略一定に保つようにしている。
リトロリフレクタ217から出射された光は、ミラー218を介してミラー219に照射され、ミラー219は、X軸方向にそってヘッド210に光を照射する。
ヘッド210は、搬送機構204のスリット部201の下側に設けられたX軸ステージ209上で、X軸方向に沿って移動自在に支持されている。ヘッド210は、X軸方向に沿って搬送機構204のスリット部201の下側を移動するが、このヘッド210にミラー219からレーザビームが照射された状態が保持される。
また、これらの構成要素からなるビーム照射装置211は、ベース220上に配置された状態で、搬送機構204の内部に収納された状態となっており、上述のようにヘッド210をX軸方向に移動させるX軸ステージ209が搬送機構204のスリット部201の真下に配置されるようになっている。
なお、ヘッド210は、上述の第3の実施の形態と同様に僅かな距離だけY軸方向にも移動するものであるが、図9および図10においては、Y軸方向への移動する構成を省略している。また、ヘッド210は、複数のレーザビームを同時に照射するものとしてもよい。この際にレーザビームは、Y軸方向に並んだ状態となっている。
そして、ヘッド210には、上述の軸状集光用光学素子が用いられており、第1〜第3の実施形態と焦点深度の深い軸状集光用光学素子を用いることによる効果が得られることになる。
そして、この例のビーム加工装置におけるビーム加工方法は、基板101が被加工層102を上に向けている点と、ヘッド210が基板101の下側に配置されて、基板101の下側から上に向けてレーザビームを照射している点以外は、第1〜第3の実施の形態のいずれかと同様に行われることになる。
すなわち、第1および第2の実施の形態と同様に、搬送機構104が基板101を停止と搬送とを繰返し行う状態とされ、基板101が停止した状態で、基板101の搬送方向と直交する方向にレーザビームを移動しながら照射することにより、基板101の被加工層102にストライプ上に溝を形成することができる。
また、第3の実施の形態と同様に、搬送機構104で基板101を一定速度で搬送している状態で、基板101の搬送に同期して、上述のようにヘッド210によるレーザビームの照射位置を蝶ネクタイ状に移動する構成としてもよい。
この例では、被加工層102を上側にして基板101を配置することで、被加工層102を傷つけることなく基板101を下側から支持して、基板101の撓みを防止することができる。また、レーザビームを基板101の下側から照射することで、基板101を通過したレーザビームで被加工層102の加工を行うことができる。
したがって、基板101を下側から支持することで、基板101を平に保持した状態で、レーザ加工が行えるので、軸状集光用光学素子による焦点範囲が広くなることと合わせて、加工精度のさらなる向上を図ることができるとともに、加工精度を下げることなく、一度に照射できるレーザビームの数を増やして、製造時間の短縮を図ることができる。
また、被加工層102を上にした場合に、被加工層102の加工によって生じる粉体が基板101に付着してしまう虞があるが、基板101の上側から粉体を吸引除去することで、基板101への被加工層102の加工で生じる粉体の付着を防止することができる。
これにより、基板101の下側から基板101の上面側の被加工層102を加工するものとしても問題が生じることがなく、被加工層102の加工を行うことができる。
また、第3の実施の形態と同様のビーム加工方法を用いることで、第3の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、基板101の下側を支持する部材は、基板101の撓みを防止でき、かつ、基板101を傷つけることなく、円滑に搬送方向に移動可能ならばどのようなものであってもよく、例えば、ベルトにより搬送するような構造であってもよい。
2 ガラス基板(基板)
5 基板移動機構
50 ビーム照射手段
52 軸状集光用光学素子(軸状集光用光学装置)
53 ガイドレール(ビーム照射位置移動機構)
101 基板
102 被加工層
110 ヘッド
111 ビーム照射装置(ビーム照射手段)
112 光源装置
120 ヘッド移動装置(ビーム照射位置移動機構)
123 X軸移動機構
124 Y軸移動機構
104 搬送機構(基板移動機構)
141 ステージ
203 ローラ(支持手段)
204 搬送機構
207 吸引手段(粉体除去手段)
210 ヘッド
211 ビーム照射装置(ビーム照射手段)
212 光源装置

Claims (6)

  1. 基板の一方の面に被加工層としての透明電極層、光電変換層および金属電極層をこの順で重ねて形成するとともに、各被加工層にビームを照射して加工することにより光電変換を用いた発電システムを製造する際の前記加工に用いられるビーム加工装置であって、
    前記基板の一方の面に形成された被加工層を下にして、前記基板の側縁部を支持して当該基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
    前記基板の他方の面の上側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
    前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
    前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構とを備え、
    前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とするビーム加工装置。
  2. 基板の一方の面に被加工層としての透明電極層、光電変換層および金属電極層をこの順で重ねて形成するとともに、各被加工層にビームを照射して加工することにより光電変換を用いた発電システムを製造する際の前記加工に用いられるビーム加工装置であって、
    前記基板の一方の面に形成された被加工層を上にして、当該基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
    前記基板の他方の面の下側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
    前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
    前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構と、
    前記被加工層のビーム照射による加工によって生じる粉体を吸引する粉体除去手段とを備え、
    前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とするビーム加工装置。
  3. 基板の一方の面に被加工層としての透明電極層、光電変換層および金属電極層をこの順で重ねて形成するとともに、各被加工層にビームを照射して加工することにより光電変換を用いた発電システムを製造する際の前記加工に用いられるビーム加工装置であって、
    気体を噴出することにより前記被加工層を下にした前記基板を平らに浮かせた状態に支持する気体浮上機構と、
    前記基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
    前記基板の他方の面の上側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
    前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
    前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構とを備え、
    前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とするビーム加工装置。
  4. 前記基板の移動方向に沿って並んだ複数の軸状集光用光学装置を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のビーム加工装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のビーム加工装置により前記基板の被加工層を加工することを特徴とするビーム加工方法。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のビーム加工装置により加工された被加工層を有することを特徴とするビーム加工基板。
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