JP4467633B2 - ビーム加工装置、ビーム加工方法およびビーム加工基板 - Google Patents
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Description
この際の各パターニングを、湿式ではなく、レーザビームを用いたレーザパターニングで行う方法が確立されている。
このようなレーザスクライブにおいて、ガラス基板に形成された透明電極層に、ガラス基板の透明電極が無い側からレーザビームを照射することにより溝を形成している(例えば、特許文献1参照)。
この場合に、ガラス基板をその周辺部から吊った状態で一方向に搬送し、レーザの照射位置をガラス基板の搬送方向に略直交する方向に移動することで、ガラス基板上の被加工層にストライプ状に溝を形成している。
ガラス基板の大型化に際し、基本的にガラス基板を厚くすることはないので、大型化されたガラス基板を周辺部で支持すると、ガラス基板が下側に大きく撓むことになる。これにより、ガラス基板の左右側部の高さ位置と、左右の中央部の高さ位置とが大きく異なることになる。
したがって、レーザスクライブ開始時に、対物レンズの高さ位置を合わせた後には、対物レンズの高さ位置を代えることなく、レーザスクライブを続行するようなことができない。
また、ストライプ状もしくはマトリックス状の加工に際しては、例えば、複数本のレーザビームを互いに間隔をあけて同時に照射することにより、加工時間の短縮を図ることができる。
特に、ガラス基板の撓みに対向できるように対物レンズの焦点距離を長いものとすると、使用可能な対物レンズの径が大きくなり、複数のレーザビームの間隔を狭くすることができない。また、これにより、複数の対物レンズを有する対物光学装置が大きくなり、対物装置を移動させる機構も大がかりなものとなってしまう。
前記基板の一方の面に形成された被加工層を下にして、前記基板の側縁部を支持して当該基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
前記基板の他方の面の上側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構とを備え、
前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とする。
なお、光学素子によって焦点深度は異なるが、レーザビームの集光に使用される凸レンズ等の光学素子における焦点深度が例えば数100μm程度であるのに対して、アクシコンによる焦点深度を数mm程度とすることや、集光した際のビーム径にもよるが数10mm程度とすることが可能である。
前記基板の一方の面に形成された被加工層を上にして、当該基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
前記基板の他方の面の下側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構と、
前記被加工層のビーム照射による加工によって生じる粉体を吸引する粉体除去手段とを備え、
前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とする。
特に、請求項3に記載のように複数のビームを同時に照射するような場合に、できるだけ、加工精度の低下要因となる基板の撓みを抑制することで、加工精度の向上を図ることができるとともに、同等の加工精度での同時に照射可能なビーム数の増加を図ることができる。
また、被加工層を上に向けた状態では、被加工層の加工により生じる粉体(粉塵)が被加工層に再付着する虞があるが、粉体除去手段で発生した粉体を吸引除去することで粉体による問題を解消することができる。
気体を噴出することにより前記被加工層を下にした前記基板を平らに浮かせた状態に支持する気体浮上機構と、
前記基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
前記基板の他方の面の上側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構とを備え、
前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とする。
すなわち、各ベッセルビームの焦点位置のずれをベッセルビームの焦点深度内に納めることが十分に可能なほど、焦点深度が深いので、焦点位置のずれが加工精度の低下につながらず、加工精度を維持することができる。
したがって、同時に複数のビームで被加工層を加工するものとしても、加工精度が低下するのを防止することができ、当該ビーム加工を用いて製造される製造物の性能の低下を防止することができる。例えば、製造物が光電効果を利用した発電システムの場合に、複数のビームで同時加工することによる発電効率の低下を防止することができる。
また、必要とされる加工精度の範囲内で同時に照射するビーム数を多くすることが可能となり、加工時間のさらなる短縮を図ることができる。
また、複数の対物光学素子を備えるヘッド部分(対物光学装置)の大幅な小型化が可能となり、ヘッドの小型化および軽量化に伴いヘッドの移動機構等を簡素化したり、移動精度の向上やレスポンスの向上を図ることが容易となる。
図1から図3は、本発明の第1実施の形態に係るビーム加工装置の概略構成を示すものである。
この例のビーム加工装置は、例えば、光電効果を利用した発電システムや、プラズマディスプレイ等の製造に好適に用いられるもので、ガラス基板等の透明基板上に形成された薄膜層をビーム(ここではレーザビーム)により、パターニングするものであり、基板上の薄膜層(被加工層)にレーザビームを照射して昇華、液化、剥離させることにより溝を形成し、当該溝で薄膜層を分断した状態とすることで、薄膜層を任意の形状にするものであるが、ここでは、例えば、ストライプ状やマトリックス状となるように薄膜に溝を形成する。
そして、製造に際しては、まず、ガラス基板側から太陽光を取り入れるので、ガラス基板側に透明電極の薄膜を形成する。そして、この透明電極の薄膜に所定間隔で溝を形成することにより、ストライプ状の透明電極を形成する。次いで、透明電極状に光電変換を行う半導体素子としてのアモルファスシリコンの薄膜を形成する。なお、この部分は例えば、PN接合やPIN接合を有する半導体素子となっている。
図1から図3に示すようにビーム加工装置は、ガラス基板2(基板)の左右側縁部を一つの搬送方向(逆方向を含んでもよい)に搬送自在に支持する基板移動機構5と、レーザビームをガラス基板2の一方の面に形成された被加工層3にビームを照射し、前記被加工層3を加工するビーム照射手段50とを備える。
なお、駆動手段は、例えば、ボールねじ機構のようなものや、ワイヤを用いたものや、リニアモータを用いたものなど、一般に被加工物を一方向に移動させる機構を用いることができる。
光源装置は、例えば、レーザとして、YAGレーザ、CO2レーザや、その他の気体レーザ、固体レーザ、半導体レーザ、液体レーザ、ファイバーレーザ、薄膜ディスクレーザ等の少なくとも何れか1つを用いることできる。
ここでは、例えば、可視光のレーザとして波長532nmのYAGレーザを用いる。
また、YAGレーザは、基本的に波長が1064nmであるが、これを半分の532nmとする技術が知られており、532nmの可視光とすることで、ガラス基板を効率的に透過することができる。
基板側は透過しやすく、被加工層3側は透過しにくい波長を選択してもよい。
また、レーザビームは、パルスであることが好ましい。
そして、本発明では、対物光学装置51として、軸状集光ビームとしてのベッセルビームを照射するためのアクシコン(軸状集光用光学素子52)が用いられる。アクシコンは、ベッセルビームを形成可能な光学素子の総称であり、円錐形状のレンズ以外に、リング状のスリットを有するものや、リング状の凹凸を備えるものなどが知られている。
この例では円錐形状レンズを用いる。
対物光学装置51は、例えば、ガラス基板2上で、ガラス基板2の搬送方向に直交する方向にガイドレール53に案内された状態で移動自在となっている。また、図示しない駆動装置により、ガイドレール53に沿って、対物光学装置51が往復動可能となっている。この場合もガラス基板2の基板移動機構5における駆動手段と同様のものを駆動装置として用いることができる。なお、ガイドレール53と駆動装置とからビーム照射位置移動機構が構成される。
また、対物光学装置51は、高さ位置の変更等などの周知の方法により、焦点位置を調整可能となっているが、オートフォーカス機能は設けられておらず、一度、焦点位置を調整した後のレーザビーム加工中に、自動でレーザビームの焦点を変更する必要はないものとなっている。
この例では、上述のようにアモルファスシリコンを用いた前記発電システムの製造に本発明を応用しており、ガラス基板上に透明電極層、光電変換層、金属電極層をそれぞれ形成する毎にビーム加工が行われる。
ビーム加工においては、基板移動機構5にガラス基板2の左右側縁部を保持させ、ガラス基板2を左右側縁部で吊った状態で、搬送方向に移動可能とする。
この際にガラス基板2は自重で撓むことになる。
そして、ガラス基板2は基板移動機構5により、上述の対物光学装置51の移動方向と直交する搬送方向に搬送される。
そして、レーザ(ベッセルビーム)を出力した状態で、対物光学装置51をガイドレール53に沿って被加工層3の一方の側縁から他方の側縁まで一方向に移動することで溝を形成して、溝で被加工層3を分断した状態とする。
このビーム加工に際し、ガラス基板2は、例えば、左右側縁部と中央部とで例えば数mm程度以上撓んだ状態となっている可能性がある。それに対して、ベッセルビームの焦点深度も数mm程度以上あるものとすることができるので、ガラス基板2の撓みによる被加工層3の上下の高さ位置のずれをベッセルビームの焦点深度内とすることができる。
なお、ベッセルビームにおいて、焦点距離となる位置、すなわち、ビームの強度が最大となる位置に対して、被加工層3の位置が上下にずれると、ビームの強度が多少低下することになるが、ベッセルビームは、その断面において、焦点深度の範囲内でその中央に大きなピークがある特性となっており、ピークとなる部分の径は、焦点深度の範囲内ならば大きく変化しない。
また、複数のアクシコンを対物光学装置51に配置して、同時に複数のレーザを照射する構成とした場合も、各アクシコン毎に対象の位置ずれがあったり、ガラス基板の複数のレーザの照射位置においてそれぞれ撓みやうねり等により、対物光学装置51の各アクシコンと、ガラス基板2との間の距離に違いがあっても、それが、ベッセルビームの焦点深度の範囲内ならば、加工精度の低下に結びつくことがなく、十分な加工精度でビーム加工を行うことができる。これにより、十分な加工精度を保った状態で、同時照射されるビーム数を増やして、加工時間の大幅な短縮を図ることができる。
なお、第2の実施形態は、第1の実施の形態の基板移動機構を変更したものであり、ビーム照射手段50は、基本的に第1の実施の形態と同様のものとなっている。そこで、ビーム照射手段50の説明を省略もしくは簡略化し、主に基板移動機構5について説明する。
また、気体噴出板12は、多孔質性のセラミック板からなるか、もしくは多数の孔が設けられた金属板もしくは樹脂板からなっている。
そして、気体噴出板12の裏面側は当該気体噴出板12側を除いて密封された状態の空間を構成する図示しない容器状の裏部材が取り付けられ、圧縮気体を供給する配管が接続され、この配管に例えば圧縮気体供給手段であるコンプレッサや、ガスボンベが接続されて、圧縮気体を供給するようになっている。
なお、圧縮気体としては、例えば、空気や窒素ガスなどが用いられるが、加工される被加工層3に影響を与えない気体が用いられることが好ましく、例えば、酸素で被加工層3が酸化されてしまうような場合には、窒素ガス等の不活性ガスを用いることが好ましい。
また、気体噴出板12において、気体を噴出する噴出口と、気体を吸引する吸引口とを有する構成とするか、気体噴出板12に加えて気体吸引板15を設ける構成としてもよい。
気体を噴出するだけとして、気体の噴出量でガラス基板2の浮上高さをある程度調節することができるが、高い精度でかつ迅速にガラス基板2の浮上高さを制御する上では、気体を噴出するだけではなく、吸引も同時に行うことで、例えば、ガラス基板2が上に移動した場合に、単に気体の噴出量を減少させるのではなく、気体を吸引することで、ガラス基板2を迅速に下に戻すことができる。
なお、本発明では、後述のように、レーザ照射位置となるスリット部11cに、レーザビーム加工により生じる粉体を吸引する後述の吸引手段13を備えており、この吸引手段13の気体の吸引量と、レーザ照射位置の近傍に配置された気体噴出板12における気体噴出量とを制御して、レーザ照射位置におけるガラス基板2の高さを略一定に保持するようにしてもよい。
また、移動機構14は、例えば、ガラス基板2の左右の側縁部に係合し、ガラス基板2を搬送方向に移動するものである。なお、移動方法は、例えば、ボールねじ機構のようなものや、ワイヤを用いたものや、リニアモータを用いたものなど、一般に被加工物を一方向に移動させる機構を用いることができる。すなわち、第1の実施形態の基板移動機構5と同様の構成とすることが可能であるが、ガラス基板2は、前記ステージ11を有する気体浮上機構10により浮上した状態とされているので、移動機構14がガラス基板2を吊った状態に完全に保持する必要はなく、搬送方向に押したり引いたりできる程度に保持する構造となっていればよい。
吸引口13aは、前記スリット部11cにスリット部11cの長さ方向、すなわち、ガラス基板2の搬送方向に直交する方向に、複数並んで設けられている。
サイクロン装置は、周知の粉体分離用のサイクロンであり、渦巻き状の気流により、固体が気体から遠心分離されて、略気体だけが排出される。この気体は、コンプレッサに至ることになる。
また、サイクロンで回収された固体は、再利用もしくは廃棄される。
また、ビーム照射手段50は、上述の第1の実施例と同様のものが用いられる。
以上のような、第2の実施の形態のビーム加工装置を用いたビーム加工方法を説明する。
ビーム加工においては、前記気体浮上機構10と同様の気体浮上機構10を有する搬送経路を用いて、ビーム加工装置にガラス基板2が搬入される。この際にレーザビームにより加工される被加工層3は、ガラス基板2の下側となっている。すなわち、ガラス基板2は、被加工層3が形成された面を下にして、気体浮上機構10のステージ11上で僅かに浮上した状態とされる。そして、ガラス基板2は、ビーム加工装置において、気体浮上機構10のステージ11上で移動機構14に接続され、対物光学装置51の移動方向と直交する搬送方向に搬送される。
そして、レーザ(ベッセルビーム)を出力した状態で、対物光学装置51をガイドレール53に沿って被加工層の一方の側縁から他方の側縁まで一方向に移動することで溝を形成して、溝で被加工層を分断した状態とする。
また、ステージ11とガラス基板2とが僅かな距離だけ離間した状態、言い換えれば、ステージ11とガラス基板2とが近接した状態で、ステージ11のスリット部11cからガラス基板2のスリット部11c側を向く被加工層3で発生する被加工層3の気体や粉体を吸引可能となるので、効率的にこれら気体や粉体を吸引することができる。すなわち、確実に粉体を除去可能となる。
そして、レーザビームを出力しながら、対物光学装置51をガイドレールに沿って、前の回のレーザ照射の際の移動方向と逆方向に移動し、被加工層3に溝を形成する。
以上の操作を被加工層3の溝加工すべき部分のすべてに溝を形成するまで繰り返すことにより、一つの被加工層3に対する溝を形成する。次いで、被加工層3上に次の被加工層3を形成した後に、上述のビーム加工を再び行う。
また、ベッセルビームを生じるアクシコンとしての円錐形状レンズ(軸状集光用光学素子52)が小型なことから、円錐形状レンズを増やすことによりビーム数を増やした場合に、円錐形状レンズを備える対物光学装置51が大型化するのを防止することができる。
この第1および第2の実施の形態では、ガラス基板2の搬送を停止した状態でビーム加工を行っていたのに対して、第3の実施の形態では、ガラス基板2と同様の基板101を搬送した状態のまま停止せずにビーム加工を行うようになっており、ビーム照射手段におけるビームの照射位置を移動させる機構が異なるが、それ以外の構成は第2の実施の形態とほぼ同様の構成となっており、同様の構成要素については説明を簡略化する。
なお、基板101にストライプ状に加工されて形成される被加工層102の溝の方向に対して、搬送機構104による基板の搬送方向は、直交する方向となっている。
すなわち、形成すべき溝の方向に対して直交して搬送されるように、搬送機構104に基板101をセットする必要がある。なお、基板の搬送を第1の実施の形態と同様の基板移動機構5を用いて行うものとしてもよい。
光源装置112は、例えば、第1の実施の形態と同様のレーザを出力する。
なお、対物光学装置113は、第1の実施の形態の対物光学装置51と同様の軸状集光用光学素子52が用いられる。
そして、光源装置112からヘッド110にレーザを導くビーム誘導系は、この例では複数のミラー115,116,117,128,129によって構成される。
この例では、ヘッド110は、基板101の搬送方向としてのY軸方向に直交する基板101の幅方向としてのX軸方向に沿って略基板101の幅程度の距離を移動するようになっており、基板101が大型のガラス基板の場合に、ヘッド110の移動により光源装置112からヘッド110までの距離が大きく変化する。
なお、前記ビーム誘導系は、基本的には、光源装置112から出力されるレーザビームをX軸方向に導く第1のミラー115と、ヘッド110と一体にX軸方向に移動し、かつ、Y軸方向には移動しない部分としての後述のX軸スライダ122に設けられ、さらに、第1のミラー115からのレーザビームをY軸方向に沿うように90度曲げてヘッド110に導く第2のミラー116とがあれば良いが、この例では、第1のミラー115と、第2のミラー116との間のレーザビームの光路に光路長調整装置114が設けられている。
また、第1のミラー115から反射されるレーザビームをX軸方向からY軸方向に90度まげて光路長調整装置114に入射させる第3のミラー128と、光路長調整装置114から出射されるY軸方向に沿ったレーザビームをX軸方向に曲げるとともに第2のミラー116に反射させる第4のミラー129とが備えられている。
また、図6では、一つのレーザの光路しか示されていないが、ここでは、Z軸方向に間隔を空けて複数、たとえば、4本のレーザが同様の光路を通って光源装置112から対物光学装置113に導かれるようになっており、4つの対物光学装置113でそれぞれX軸方向に変換される。なお、第2のミラー116で反射された光のうちのZ軸方向(高さ方向)で最も低い位置のレーザビームが第2のミラー116に最も近い対物光学装置113に入射され、それからレーザビームが高くなる順に、第2のミラー116から遠くなる対物光学装置113に入射される構造となる。
そして、X軸移動機構123は、X軸方向に沿って延在するリニアモータの固定子を有するX軸ガイド部125と、当該固定子に沿って移動する移動子を有するX軸スライダ122とを有する。
また、X軸スライダ122に設けられるY軸移動機構124は、Y軸方向に沿って延在するリニアモータの固定子を有するガイド部127と、当該固定子に沿って移動する移動子を有するヘッド110とを有する。
したがって、基本的には、ヘッド110のY軸方向への移動距離は、上述のようにヘッド110から出射されるビーム数に加工すべき溝同士の間隔を乗算した長さ以上は必要ないことになる。
そして、このようなX軸移動機構123およびY軸移動機構124を有するヘッド移動装置120によるヘッド110の移動を伴うビーム加工方法について説明する。
なお、ヘッドの移動制御は、図示しない移動制御装置(移動制御手段)によって行われる。
そして、ビーム加工方法においては、まず、基板101が搬送機構104により所定速度SKで基板101が移動しているものとする。また、基板101には、ヘッド110におけるビームの照射数に対応する本数の溝毎にビーム照射開始位置が設定されることになる。なお、ビーム照射開始位置は、被加工層102の左側縁側と右側縁側とに交互に設定されることになる。
そして、ビーム照射開始位置がヘッド110のビーム照射部のうちのたとえば基板101の搬送方向に対して最も後側となるビーム照射部のビーム照射位置となった際にヘッド110におけるビームの照射が開始されることになる。なお、レーザビームは、被加工層102を加工する際にだけ照射し、加工以外でヘッド110が移動している際には、照射を止めた状態としてもよいが、被加工層102を加工していない状態でもレーザビームを出力させたままとして、レーザビームを安定した状態とするものとしてもよい。
そこで、移動制御においては、まず、ヘッド110がたとえば搬送方向に移動する基板101の左側にあり、かつ、搬送される基板101の次にビームを照射すべきビーム照射開始位置が、左側にあるものとする。また、ヘッド110は、Y軸方向の原点位置、基本的には、搬送方向の最も後側にあるものとする。また、ヘッド110は、X軸方向の左右どちらかの原点位置にあるものとする。なお、X軸方向に関しては、ヘッド110の移動に際して最も左側となる原点位置と、最も右側となる原点位置とがある。
そして、基板101の前記ビーム照射開始位置が、ヘッド110の最も搬送方向の後側となるビーム出射部のビーム照射位置より所定距離手前となった段階で、ヘッド110のY軸方向への移動を開始し、ヘッド110の移動速度を基板101の搬送速度と等しくなるまで加速し、等しくなったところで、速度一定とする。
また、この速度一定となった際に、基板101の前記ビーム照射開始位置と、ヘッド110の前記ビーム照射位置とが等しくなっている必要がある。
なお、X軸方向における被加工層102の外側での加速時に同時にY軸方向の加速が行われるものとする。
そして、上述のようにヘッド110がY軸方向に基板101の搬送速度SKで等速移動し、X軸方向に所定速度SXで等速移動している段階が、順方向等速加工工程となる。
そして、レーザビームの照射位置が被加工層102の反対側の側縁に達したところで、ヘッド110のX軸方向の移動における速度を減速して停止させるようにすればいい。
また、この際に基板101において、上述のようレーザビームの照射が行われたビーム照射開始位置の次となるビーム照射開始位置が上述の所定の搬送速度SKで移動していることになる。
この際に、図8(a)の矢印Y3に示すように、Y軸方向に沿って上述のY軸方向の原点位置までヘッド110を戻すことになるが、この際に、基板101の次にビーム照射開始位置が、ヘッド110の前記ビーム照射位置よりも未だ後方にある必要があり、上述のようにヘッド110が移動開始して所定速度となった際にヘッド110の前記ビーム照射位置に基板101のビーム照射開始位置が追いついた状態となる必要がある。
すなわち、図8(b)の矢印Y4に示すように、Y軸方向に加速することになる。
そして、他側縁側加速工程において、Y軸方向の移動速度が前記基板101の搬送速度SKとなり、X軸方向の移動速度も所定の速度となり、かつ、基板101のビーム照射開始位置がヘッド110の照射開始位置となった際に、逆方向等速加工工程として、順方向等速加工工程の場合とX軸方向を逆方向に等速で移動し、かつ、Y軸方向に等速で移動してレーザビームによる加工を行う。すなわち、図8(b)の矢印Y5方向に移動する。
そして、ヘッド110をY軸方向の搬送方向の逆方向に戻して原点位置とした後に、最初の工程に戻ることになる。
そして、一側縁側原点復帰工程と最初の一側縁側加速工程とが、基板101のビーム照射開始位置にヘッド110のビーム照射位置を合わせる一側縁側照射位置合わせ工程となる。
また、このような移動において、左側から右前側の移動における前側、すなわちY軸方向の移動における速度が基板101の搬送速度と一致し、右側から左前側の移動における前側、すなわち、Y軸方向の移動における速度が基板101の搬送速度と一致することから、基板101の被加工層102における加工形状は、ストライプ状に溝が等間隔で並んだものとなる。
なお、図8において、実線が順方向(ここでは、左から右)の加工を示し、破線が逆方向(ここでは、右から左)の加工を示すものとなっている。
ヘッド110の位置をY軸原点位置およびX軸左側原点位置(右側原点位置でも可)とする。なお、サーボ制御においては、X軸移動機構123およびY軸移動機構124において、固定子側に移動子の位置を計測するセンサを設け、当該センサによりY軸移動機構124およびX軸移動機構123でそれぞれ移動子の位置を計測することでヘッドの位置を計測可能としている。
搬送機構104が連動して基板101の搬送が行われ、基板101が所定速度SKまで加速し、所定速度SKで搬送される。
すなわち、Y軸移動機構124において移動子を速度0から所定速度SKまで加速するとともに、この際の加速度は移動子が所定距離だけ移動する所定期間で所定速度SKに達する加速度に設定されている。
また、X軸移動機構123において移動子を速度0から所定速度SXまで加速する。この際に、ヘッド110のビーム照射位置は、被加工層102の外側から被加工層102の側縁の上述のビーム照射開始位置に達する。
この状態で被加工層102の他方の側縁の加工終了位置となるまで、上述の状態のままX軸移動機構123の移動子と、Y軸移動機構124の移動子とが移動を継続する。これが順方向等速加工制御工程となる。
そして、加工終了位置に達すると、Y軸移動機構124における移動子が急減速し、かつ、停止した後に逆方向に急加速移動してY軸原点位置に戻るとともに、Y軸原点位置近傍で再び急減速してY軸原点位置で停止する。
同様にX軸移動機構123でも移動子が急減速し、かつ、停止してX軸右側原点位置で停止する。これが他側縁側原点復帰制御工程となる。
なお、X軸移動機構123における進行方向は、上述の加速工程とは逆方向となる。
そして、Y軸移動機構124における移動子の移動速度が所定速度SKとなり、X軸移動機構123における移動の移動速度が所定速度SXとなる。また、ヘッド移動装置120により移動したヘッド110のビーム照射位置が、基板101の次のビーム照射開始位置となる。
そして、ヘッド110のビーム照射位置が、基板101の被加工層102の一方の側縁のビーム照射終了位置に達した際に、上述の他側縁側原点復帰制御工程と同様の一側縁側原点復帰制御工程が行われる。なお、X軸移動機構123においては、原点が左右にあり、前の他側縁側原点復帰制御工程と逆の左右位置の原点に復帰することになる。
ここでは、最初のX軸移動機構123の左の原点位置に戻ることになる。
そして、上述の最初の状態に戻るとともに、上述の工程を繰り返すことで、さらに溝加工を継続することができる。なお、この一側縁側原点復帰制御工程と、最初の一側縁側加速制御工程とを合わせた工程が、上述の他側縁側照射位置合わせ制御工程と同様の一側縁側照射位置合わせ制御工程となる。なお、他側縁側照射位置合わせ制御工程と一側縁側照射位置合わせ制御工程とではX軸方向の左右位置が逆になる。
また、基板101の搬送機構104においては、頻繁に加速、減速、停止を繰り返すことがないので、搬送される基板101が大型で重量が大きなものであっても、搬送機構104に大きな強度が要求されたりすることがなく、搬送機構104のコストの低減を図ることができる。
また、搬送される基板101に大きな負荷がかかるのも防止することができる。
また、ストライプ状に多くの直線状の加工を狭い間隔で繰り返し行える構成とした場合に、ヘッド110のX軸方向への移動速度や、Y軸方向における上述の減速、原点復帰工程の際、移動速度が基板101の搬送速度に対して十分に速い必要があるが、一度に複数のレーザビームを用いて複数の溝を加工することで、たとえば、基板101の搬送速度を一定とした場合にヘッド110のX軸方向の移動速度の低減や、Y軸方向の減速、停止、加速に必要な期間の長期化を図ることができ、これによってヘッド移動装置120のコストの低減を図ることができる。
また、このようなビーム加工装置におけるビーム加工方法で製造されたビーム加工基板においては、上述のビーム加工装置のコスト低減による製造設備のコスト低減と、製造時間の短縮によるコストの低減を図ることができる。このようにコストの低減を図っても精密で安定したビーム加工により、高い品質を有するビーム加工基板となり、たとえば、光電効果を利用した発電システムのパネルに応用した場合に発電効率の高いものとすることができる。
なお、ビーム照射位置が蝶ネクタイ状に移動することから、ステージ141に設けられて吸引手段が配置されるスリット部は、例えば、蝶ネクタイ状のビーム照射位置全体に対応するものとなる。
第1〜第3の実施の形態において、基板2(101)の被加工層3(102)側を下として基板2(101)の上側からレーザを照射していたのに対して、第4の実施の形態では、基板101の被加工層102(図7に図示)側を上として、基板101の下側からレーザを照射する構成となっている。
第4の実施の形態のビーム加工装置は、第1〜第3の実施の形態と同様の用途で用いることが可能で、かつ同様の加工が可能なものであり、第1の実施の形態と同様に光電効果を利用した発電システムを製造することができる。
すなわち、搬送機構204は、基板101を平らな状態となるように支持していることになる。なお、ローラ203を基板101の幅方向(当該基板101の搬送方向に直交する方向)に対して複数並べて配置するのではなく、ローラ203を基板101と同じ程度の長さとして、基板101の撓みを防止する構造としてもよい。
また、搬送機構204は、気体浮上機構10と同様に、スリット部201を備えている。スリット部201は、搬送方向に直交しており、基板101の幅と同じ程度もしくはそれ以上の長さを有するものとなっている。
また、スリット部201の上側には、第2の実施の形態と略同様の構成を有する吸引手段207が設けられている。この吸引手段207が第4の実施の形態の粉体除去手段となるものである。
ヘッド210は、搬送機構204のスリット部201の下側に設けられたX軸ステージ209上で、X軸方向に沿って移動自在に支持されている。ヘッド210は、X軸方向に沿って搬送機構204のスリット部201の下側を移動するが、このヘッド210にミラー219からレーザビームが照射された状態が保持される。
また、これらの構成要素からなるビーム照射装置211は、ベース220上に配置された状態で、搬送機構204の内部に収納された状態となっており、上述のようにヘッド210をX軸方向に移動させるX軸ステージ209が搬送機構204のスリット部201の真下に配置されるようになっている。
そして、ヘッド210には、上述の軸状集光用光学素子が用いられており、第1〜第3の実施形態と焦点深度の深い軸状集光用光学素子を用いることによる効果が得られることになる。
この例では、被加工層102を上側にして基板101を配置することで、被加工層102を傷つけることなく基板101を下側から支持して、基板101の撓みを防止することができる。また、レーザビームを基板101の下側から照射することで、基板101を通過したレーザビームで被加工層102の加工を行うことができる。
また、被加工層102を上にした場合に、被加工層102の加工によって生じる粉体が基板101に付着してしまう虞があるが、基板101の上側から粉体を吸引除去することで、基板101への被加工層102の加工で生じる粉体の付着を防止することができる。
これにより、基板101の下側から基板101の上面側の被加工層102を加工するものとしても問題が生じることがなく、被加工層102の加工を行うことができる。
また、第3の実施の形態と同様のビーム加工方法を用いることで、第3の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、基板101の下側を支持する部材は、基板101の撓みを防止でき、かつ、基板101を傷つけることなく、円滑に搬送方向に移動可能ならばどのようなものであってもよく、例えば、ベルトにより搬送するような構造であってもよい。
5 基板移動機構
50 ビーム照射手段
52 軸状集光用光学素子(軸状集光用光学装置)
53 ガイドレール(ビーム照射位置移動機構)
101 基板
102 被加工層
110 ヘッド
111 ビーム照射装置(ビーム照射手段)
112 光源装置
120 ヘッド移動装置(ビーム照射位置移動機構)
123 X軸移動機構
124 Y軸移動機構
104 搬送機構(基板移動機構)
141 ステージ
203 ローラ(支持手段)
204 搬送機構
207 吸引手段(粉体除去手段)
210 ヘッド
211 ビーム照射装置(ビーム照射手段)
212 光源装置
Claims (6)
- 基板の一方の面に被加工層としての透明電極層、光電変換層および金属電極層をこの順で重ねて形成するとともに、各被加工層にビームを照射して加工することにより光電変換を用いた発電システムを製造する際の前記加工に用いられるビーム加工装置であって、
前記基板の一方の面に形成された被加工層を下にして、前記基板の側縁部を支持して当該基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
前記基板の他方の面の上側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構とを備え、
前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とするビーム加工装置。 - 基板の一方の面に被加工層としての透明電極層、光電変換層および金属電極層をこの順で重ねて形成するとともに、各被加工層にビームを照射して加工することにより光電変換を用いた発電システムを製造する際の前記加工に用いられるビーム加工装置であって、
前記基板の一方の面に形成された被加工層を上にして、当該基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
前記基板の他方の面の下側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構と、
前記被加工層のビーム照射による加工によって生じる粉体を吸引する粉体除去手段とを備え、
前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とするビーム加工装置。 - 基板の一方の面に被加工層としての透明電極層、光電変換層および金属電極層をこの順で重ねて形成するとともに、各被加工層にビームを照射して加工することにより光電変換を用いた発電システムを製造する際の前記加工に用いられるビーム加工装置であって、
気体を噴出することにより前記被加工層を下にした前記基板を平らに浮かせた状態に支持する気体浮上機構と、
前記基板を少なくとも一方向に移動させる移動機構と、
前記基板の他方の面の上側からビームを照射し、前記被加工層を加工するビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段から照射されるビームの軸状集光を行う軸状集光用光学装置と、
前記軸状集光用光学装置を前記基板の前記移動機構による一方向の移動に交差する他方向に沿って往復動させるビーム照射位置移動機構とを備え、
前記ビーム照射位置移動機構により前記軸状集光用光学装置を前記他方向に沿って当該他方向と交差する前記被加工層の二つの側縁間に渡って移動させることで、前記被加工層を加工する軸状集光ビームを移動させて照射することを特徴とするビーム加工装置。 - 前記基板の移動方向に沿って並んだ複数の軸状集光用光学装置を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のビーム加工装置。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のビーム加工装置により前記基板の被加工層を加工することを特徴とするビーム加工方法。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のビーム加工装置により加工された被加工層を有することを特徴とするビーム加工基板。
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