Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP4469430B2 - 蒸着装置 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP4469430B2 - 蒸着装置 - Google Patents

蒸着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4469430B2
JP4469430B2 JP33992598A JP33992598A JP4469430B2 JP 4469430 B2 JP4469430 B2 JP 4469430B2 JP 33992598 A JP33992598 A JP 33992598A JP 33992598 A JP33992598 A JP 33992598A JP 4469430 B2 JP4469430 B2 JP 4469430B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vapor deposition
substrate
organic
electron
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP33992598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000160328A (ja
Inventor
弘 東海林
賢一 福岡
義和 長崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Priority to JP33992598A priority Critical patent/JP4469430B2/ja
Publication of JP2000160328A publication Critical patent/JP2000160328A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4469430B2 publication Critical patent/JP4469430B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、素子用薄膜層の蒸着装置に関する。詳しくは、基板に対向して配置した1または複数の蒸着源から蒸着材料を蒸発させて成膜を行う蒸着装置に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、有機物を用いた発光デバイスである有機EL素子が注目されており、ディスプレイ等への利用に向けて研究が進められている。
有機EL素子は、陽極(透明電極)、有機物からなる発光層および陰極(対向電極)を基板上に積層した構造で、陰極から発光層へ注入された電子と、陽極から発光層へ注入された正孔とが発光層内で再結合することにより発光が生じる原理である。
【0003】
このような発光原理に基づく有機EL素子の発光特性を向上させるために、近年では、発光層に電子注入層や正孔注入層等の有機物からなる電荷注入層を積層した多層構造の有機EL素子の開発が中心となってきている。
具体的には、陰極からの電子の注入性を向上させるために、陰極と発光層との間に電子伝達機能を有する電子注入層を設けたり、陽極からの正孔の注入性を向上させるために、陽極と発光層との間に正孔伝達機能を有する正孔注入層を設けたり、あるいは、これらの電子注入層および正孔注入層の両方を設けたりすることで、発光効率を高めるようにしている。
【0004】
一般に、電子注入層を構成する材料には、陰極から注入された電子を発光層に効率よく伝達しうる電子輸送性有機物が用いられ、正孔注入層を構成する材料には、陽極から注入されたの正孔を発光層に伝達しうる正孔注入性有機物が用いられる。
また、陰極材料には通常金属が用いられるが、電子の注入効率を高めるために、陰極を二層構造とし、発光層側の一層をAlq(トリス(8−キノリノール)アルミニウム)に電子注入性材料を微量混入して成膜する方法が提案されている(特開平4−230997号公報)。
【0005】
このような有機EL素子のように、薄膜層を積層した構造の素子では、真空蒸着法により各層の成膜が行われる場合が多い。
例えば、蒸着法により、電子輸送性有機物と金属とからなる薄膜層を成膜する場合、基板の下方に蒸着源を二つ設け、電子輸送性有機物と金属とを各々別の蒸着源から同時に蒸発させて共蒸着させる方法が試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、上述したような有機薄膜素子の製造に際して、有機材料を、大面積の基板に連続的、かつ、再現性よく、しかも、均一に蒸着できることが要求されてきたが、従来の真空蒸着法では、これらの要求を充分に満足させることができない。
一般には、有機材料を、大面積の基板に連続的、かつ、再現性よく積層するには、蒸着源を大容量のボートなどを用いて蒸着することが考えられる。しかし、ボートを大容量にするに従い、そのボートからの熱的影響によって満足できる品質の薄膜層が得られない。
【0007】
すなわち、ボートを大容量にするに従い、外部へ逃げる熱量も多くなるため、ボート内の蒸着材料を均一に加熱できず、特に、ボート金属と接する部分が局部的に過熱されるため、有機物の分解等、変質の可能性が生じやすい。
また、外部へ逃げた熱によって、隣接する蒸着源間で熱干渉が生じやすい。すると、蒸着源のシャッタを閉じていても、蒸着材料中に微量に含まれるガス不純物がシャッタの隙間から真空槽内に飛び出し、基板に到達する可能性がある。
また、シャッタを開いて蒸着を行う際、蒸着ビームが広がってしまい、その結果、広がったことにより基板までの経路が長くなることによって途中で酸化等を受けて反応し、その反応した有機材料が基板へ到達する可能性があるため、品質のよい薄膜層が得られないという問題がある。
【0008】
また、蒸着法により、電子輸送性有機物と金属とからなる薄膜層を成膜する場合、基板上の各点に対して蒸着材料を均一に蒸発させることは困難であり、電子輸送性有機物と金属との組成比がその膜面内で変化しやすい。薄膜層の面内で金属の含有量にムラがあると、素子の面内において同一の輝度を得るための駆動電圧にばらつきが生じて充分な低電圧化が図れない上、寿命にもばらつきが生じるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、1または複数の蒸着材料を蒸発させて成膜を行うに際して有機材料を、大面積の基板に連続的、かつ、再現性よく、しかも、均一に不純物の混入もなく蒸着できる蒸着装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の蒸着装置は、次の構成を備える。
【0011】
〔蒸着装置〕
本発明の第1の蒸着装置は、減圧された真空槽内で、基板に対向して配置した1または複数の蒸着源から蒸着材料を蒸発させて成膜を行う装置であり、
前記蒸着源は、蒸着材料を収納した容器と、この容器の外側に配設されたヒータと、このヒータの外側に配設された断熱層と、前記断熱層を収容する外筒とを含み、
前記外筒が配置され、前記真空槽の底部を構成するベースプレートを有し、
前記ベースプレートは前記外筒の開口部を冷却する冷却手段を備えていること
を特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、蒸着源として、蒸着材料を収納した容器と、この容器の外側に配設されたヒータと、このヒータの外側に配設された断熱層とを含む構成の蒸着源を用いて、蒸着を行っているから、有機材料を、大面積の基板に連続的、かつ、再現性よく蒸着させるために、容器を大容量化しても、断熱層によって外部へ逃げる熱量を少なくできる。
そのため、容器内の蒸着材料を局部的に過熱することなく均一に加熱できるうえ、隣接する蒸着源間での熱干渉を極力少なくすることができるから、シャッタを閉じていても、蒸着材料中に含まれるガス不純物がシャッタの隙間から真空槽内に飛び出し、基板に到達するのを防止できる。よって、有機材料を、大面積の基板に連続的、かつ、再現性よく、不純物の混入もなく蒸着できる。
【0013】
この場合、断熱層としては、ヒータからの熱が外部へ逃げるのを防止できる構造であればよいが、例えば、ヒータから外部へ発散される熱を内部の容器へ向けて反射するような熱反射部材が望ましい。このような構成であれば、ヒータからの熱を外部へ逃がすことなく、容器に効率的に伝達できる。
あるいは、断熱層として、熱反射部材に加え、その熱反射部材の外側に設けられた真空層とを含む構成が望ましい。このようにすれば、真空層によって、ヒータから外部へ発散される熱をより確実に遮断できるから、外部への熱影響を極力低減できる。
【0014】
さらに、前記構成において、容器とヒータとの間には、ヒータからの熱を容器に対して均一に伝達する均熱部材が介在されていることが望ましい。このような構成であれば、ヒータからの熱が、容器に対して局部的に伝達されることなく、均一に伝達されるから、容器内の蒸着材料をより均一に加熱できる利点がある。
【0019】
ところで、前述した基板の形状は、特に限定されないが、基板が矩形平板状に形成されたものである場合、この基板の回転軸線を中心とする円の円周上に複数の蒸着源を配設し、その円は、半径をM、前記基板の一辺の長さをLとしたときに、M>1/2×Lを満足するように設定することが望ましい。ここで、基板の辺の長さが異なる場合、基板全体に薄膜層を蒸着するためには、最も長い辺の長さをLとして採用することが好ましい。
このように、各蒸着源を基板の回転軸線を中心とする円周上に設ければ、各蒸着源からの基板に対する蒸着材料の入射角度を互いに同一にできるので、膜面内における蒸着材料の組成比を容易に制御できる。しかも、基板のうち蒸着源に垂直になる部分に蒸着材料が集中して付着しやすいことから、蒸着源を配設する円の半径MをM>1/2×Lとすることで、平面視で蒸着源は基板の外側に配置されることになるため、蒸着材料が基板に対して垂直に入射することがなくなり、基板に対して各蒸着材料を均一に蒸着できるから、膜面内における組成比の均一性を一層向上できる。
【0020】
また、複数の蒸着源を、基板の回転軸線を中心とする円の円周上に配設した場合、これらの蒸着源の配設数をnとしたときに、各蒸着源を円の中心から360°/nの角度で配設してもよい。
このように、複数の蒸着源を円周上において等間隔に配置すると、基板の各部分に対して複数の蒸着材料を順次重ねるように成膜できるので、膜の厚さ方向に組成比の異なる薄膜層を成膜できる。
【0021】
以上において、前記蒸着材料として、有機物と無機物とを用い、有機エレクトロルミネッセンス素子の電荷注入層を成膜してもよい。電荷注入層としては、例えば、電子注入層、正孔注入層等が挙げられる。
具体的には、蒸着材料として、電子輸送性有機物と電子注入性材料とを用い、第1、第2、第3の蒸着方法のいずれかによって有機EL素子の電子注入層を成膜すれば、不純物の少ない高品質な薄膜層を得ることができる。
さらに、蒸着材料として、電子輸送性有機物と電子注入性材料とを用い、第4の蒸着方法によって有機EL素子の電子注入層を成膜すれば、不純物が少なく、しかも、電子輸送性有機物と電子注入性材料との組成比を電子注入層の膜面内で均一にできる。
【0022】
特に、電子輸送性有機物として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、Alqという)を採用し、電子注入性材料としてLiを採用して電子注入層を成膜した場合、Liの組成比が大きくなると、電子注入層の導電性が向上して所定の輝度を得るために必要な駆動電圧が低くなり、Liの組成比Li:Alq=1:1が小さくなると導電性が低下して駆動電圧が高くなる。しかしながら、Liが組成比2:1以上となると、かえって駆動電圧が高くなる。このように、有機EL素子の駆動電圧は、Liの組成比により変化する。
このため、本発明の第4の蒸着方法を採用して電子注入層を成膜することで、膜面内におけるLiの組成比の均一化を図ることができるので、駆動電圧のばらつきの発生を防止できるから、素子の面内における駆動電圧を安定化させることができるとともに寿命の安定化を達成できる。
【0032】
ここで、有機EL素子の電荷注入層について具体的に説明する。
〔電荷注入層の蒸着材料〕
有機EL素子の電荷注入層を構成する蒸着材料としては、以下の材料を用いることができる。
(1)電子注入層を構成する電子輸送性有機物
電子注入層の蒸着材料である電子輸送性有機物としては、有機EL素子作製時に電子注入層として用いられる材料を広く用いることができ、陰極から注入された電子を発光層に伝達する機能を有しているものであればよい。一般には、電子親和力が有機発光材料の電子親和力に比して大きく、陰極の仕事関数(陰極が多成分の場合には最小のもの)に比して小さいものが望ましい。ただし、エネルギーレベルの差が極端に大きいところは、そこに大きな電子注入障壁が存在することになり、好ましくない。電子輸送性有機物の電子親和力は、陰極の仕事関数或いは有機発光材料の電子親和力と同程度の大きさであることが好ましい。なお、ここでいう同程度とは、±0.5eV以下の差であることをいう。
【0033】
つまり、電子輸送性有機物としては、▲1▼適当な電子親和力の値を持つ、▲2▼適当な電荷移動度を持つ、▲3▼真空蒸着法により薄膜形成が可能であるという▲1▼〜▲3▼の条件を満足すればよい。
▲1▼の電子親和力の値は、好ましくは、2.7eV以上であり、特に好ましくは、2.9eV以上である。
▲2▼の電荷移動度は、好ましくは、電子移動度が10-6cm2 /V・s以上である。
なお、後述の発光層を構成する材料も、上記▲1▼〜▲3▼の条件を満たすものとすることが好ましい。
【0034】
電子輸送性有機物の具体例としては、ニトロ置換フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、特開昭59−194393号公報において発光層の材料として開示されている一連の電子伝達性化合物、オキサジアゾール環の酸素原子をイオウ原子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有したキノキサリン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体(例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウムおよびビス(8−キノリノール)亜鉛等や、これらの金属錯体の中心金属がIn,Mg,Cu,Ca,Sn,GaまたはPbに置き代わった金属錯体等)、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニンまたはこれらの末端がアルキル基,スルホン基等で置換されているもの、有機発光材料として示した前述のジスチリルピラジン誘導体が挙げられる。
これらの材料は、単独で用いてもよく、或いは、異なる複数種類のものを同時に用いてもよい。但し、複数種類の材料を用いる場合には、それぞれ異なる蒸着源から蒸発させる必要がある。
【0035】
(2)電子注入層を構成する電子注入性材料
電子注入層の蒸着材料である電子注入性材料としては、有機EL素子の陰極の効率化に用いられるアルカリ金属、アルカリ土類金属、または希土類金属を採用できる。特に、電子を発光層に注入する観点からは、仕事関数が4eV以下の金属を用いることが好ましい。
アルカリ金属の具体例としては、リチウム(Li:仕事関数2.9eV)、ナトリウム(Na:仕事関数2.75eV)、カリウム(K:仕事関数2.3eV)、ルビジウム(Rb:仕事関数2.16eV)、およびセシウム(Cs:仕事関数2.14eV)が挙げられる。
また、アルカリ土類金属の具体例としては、カルシウム(Ca:仕事関数2.87eV)、ストロンチウム(Sr:仕事関数2.59eV)、およびバリウム(Ba:仕事関数2.7eV)等の仕事関数2.9eV以下のものが挙げられる。
【0036】
このようなアルカリ金属とアルカリ土類金属とのうちで、アルカリ金属のみを一種または複数種組み合わせて用いてもよく、アルカリ土類金属のみを単独でまたは複数種類組み合わせて用いてもよく、或いは、アルカリ金属の一種または複数種とアルカリ土類金属の一種または複数種とを組み合わせて用いてもよい。
【0037】
好ましい、希土類金属の例としては、Yb,Sc,Er,Y等がある。
電子注入性材料の他の好ましい例としては、LaB6,YbB6 等のホウ化金属、TiN等の窒化金属、TiC等の炭素化物等があり、これらは、仕事関数4eV以下で電子注入性である。
別の電子注入性材料の例としては、MgO,BaO,SrO等のアルカリ土類金属酸化物、Li2O,Na2O等のアルカリ金属酸化物、LiF等のアルカリ金属のフッ化物、CaF2等のアルカリ土類金属のフッ化物があり、これらは好ましく用いられる。
【0038】
(3)正孔注入層を構成する有機物である正孔注入性有機物
正孔注入層の蒸着材料である正孔注入性有機物としては、既存の正孔注入材料を広く用いることができ、正孔の注入性或いは電子の障壁性を有しているものであればよい。
例えば、従来より、電子感光体の正孔注入材料として用いられているものを適宜選択して用いることができ、正孔の移動度が10-5cm2 /V・s(電界強度104 〜105 V/cm)以上であるものが好ましい。
【0039】
具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン、アニリン系共重合体、導電性オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、後述する有機発光材としても採用できる芳香族ジメチリディン系化合物、p型Siやp型SiC等の無機半導体等を挙げることができる。
正孔注入材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物またはスチリルアミン化合物を用いることが好ましく、特に、芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0040】
上記ポルフィリン化合物の具体例としては、ポルフィン、1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、1,10,15,20−テトラフェニルー21H,23H−ポルフィン亜鉛(II)、5,10,15,20−テトラキス(ペンタフリオロフェニル)−21H,23H−ポルフィン、シリコンフタロシアニンオキシド、アルミニウムフタロシアニンクロリド、フタロシアニン(無金属)、ジリチウムフタロシアニン、銅テトラメチルフタロシアニン、銅フタロシアニン、クロムフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、鉛フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキシド、マグネシウムフタロシアニン、銅オクタメチルフタロシアニン等が挙げられる。
【0041】
また、前記芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物の具体例
としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベン、N−フェニルカルバゾール、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルのように2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、トリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4''−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン等が挙げられる。
【0042】
(4)正孔注入層を構成する無機物である正孔注入性材料
正孔注入層の蒸着材料である正孔注入性金属材料としては、仕事関数が5eV付近以上の金属を採用することが望ましい。
具体的な正孔注入性金属材料としては、金(Au:仕事関数5.4eV)、ニッケル(Ni:仕事関数4.41〜5.0eV)、パラジウム(Pd:仕事関数4.90eV)、レニウム(Ra:仕事関数4.96eV)、白金(Pt:仕事関数5.35〜5.8eV)が挙げられる。このうち、金、ニッケル、パラジウムおよび白金は、一般的なWバスケット式の蒸着源を用いての蒸着が可能であり、レニウムは、細線の直接通電で蒸発可能である。
また、金属ではないが、CdS、CaSe、PbSe、PbTe、ZnS、ZnSe等の半導体材料も正孔注入性材料として使用することができる。これらの半導体材料は、Wバスケットを用いて蒸発させることができる。
【0043】
〔電荷注入層の構成〕
(1)電子注入層の組成
電子輸送性有機物と電子注入性材料との組成比は、モル比で電子輸送性有機物:電子注入性材料=100:1〜1:100、好ましくは、10:1〜1:50である。
より好ましくは、電子輸送性有機物:電子注入性材料=3:1〜1:3であり、さらに好ましくは、1:1程度である。
特に、電子輸送性有機物としてAlqを用いるとともに電子注入性材料としてLiを用いた場合、Liの組成比が大きければ大きいほど電子注入層の導電性は向上するが、Liを酸化等を受けないように安定な状態で保持することが困難になる。このため、Alq:Liの組成比は、モル比で1:1とすることが好ましい。
【0044】
Alqの分子量は459、Liの分子量が約7であるため、モル比が1:1の場合でも、重量比は65:1程度となる。従って、従来の方法では、AlqおよびLiをこの組成比で大面積の基板に対して均一に再現性よく蒸着するのは困難であるが、本発明の方法によれば、膜面内における均一性を確保できるとともに良好な再現性を得られる。
【0045】
本発明により電子注入層を成膜するにあたって、電子輸送性有機物をAlq、電子注入性材料をLiとした場合、有機EL素子の素子性能を大きく左右するのは電子注入層の電子注入性能であることから、素子性能は、電子注入層における電子注入材料Liの組成比(モル比)に大きく依存することになる。
Liは、全元素の中で最も質量の小さい金属(原子量〜7)であり、Alqは分子量が459の化合物であるため、モル比により電子注入層の組成を制御する場合、蒸着速度、特にLiの蒸着速度をいかにして制御するかがポイントとなる。
【0046】
本発明の第4の蒸着方法では、基板を回転させるとともに、その回転軸線から偏心した位置に設けた蒸着源から二元共蒸着により電子注入層を成膜するので、特に、大面積の素子を形成する場合に、有機EL素子の面内における素子性能を確実に均一化できる。
【0047】
(2)電子注入層の膜厚
電子注入層の電気伝導率は、電子注入性材料(電子注入性金属)の組成により変化するため、それに応じて電子注入層の最適な膜厚は変化するが、概ね、1nm〜1μm、好ましくは、3〜300nm、さらに好ましくは、5〜50nmである。
膜厚10nm以下では、膜の成長が不十分で蒸着膜が島状構造をとっていると考えられるが、5nm程度の膜厚でも均一な発光が得られているため、充分な素子性能を発揮できる。
【0048】
(3)正孔注入層の組成および膜厚
正孔注入層の正孔注入性有機物と正孔注入性材料との組成比は、前記電子注入層の組成比と同様であり、その膜厚も前記電子注入層の膜厚と同様である。
【0049】
〔蒸着源〕
有機化合物からなる有機EL素子の形成に用いる蒸着源としては、基板への熱等によるダメージが少ない蒸着源を採用することが好ましい。
本発明では、蒸着材料を収納した容器と、この容器の外側に配設されたヒータと、このヒータの外側に配設された断熱層とを含む蒸着源を用い、この蒸着源を有機EL素子を構成する蒸着材料の数だけ用意して、冷却手段を有するシュラウド中に収納し、後述する素子構成に従って順次成膜を行う。
【0050】
〔蒸着条件〕
(1)基板
形状や大きさに特に制限はないが、本発明は、大面積の基板、具体的には、矩形平板状の基板の場合、一辺の長さが10cmを越える基板に対して特に有効であり、小面積の基板に対しても膜面内の均一性の向上には有効である。
また、大面積の基板に成膜した後に小面積の基板を多面取りする際にも有効である。
【0051】
(2)基板と蒸着源との垂直距離Ts(図2参照)
基板と蒸着源との距離が大きいほど、基板の面内における膜厚の均一性が向上する。但し、基板と蒸着源との距離が大きいほど基板以外の部分に付着する蒸発物が増加するので、ロスが大きくなる。
例えば、基板が100mm×200mmの矩形平板状である場合、基板と蒸着源との距離は、200mm〜400mm程度とすることが好ましい。
【0052】
(3)蒸着源の配置
基板の回転軸線を中心とする円の円周上に蒸着源を配設する場合、その円の半径Mは、基板の一辺の長さLと、基板および蒸着源の距離Tsとを定めた後に決定する。この際、蒸着材料の飛び方は蒸着源のタイプにより異なるため、円の半径Mは、蒸着材料の空間分布を考慮して決定する。
この空間分布とは、所定の蒸着方位に対する単位時間当たりの蒸発量を測定して確定されるものである。
空間分布は、蒸着源のタイプにより異なるが、一般に、余弦則に従う。つまり、蒸着分子の入射頻度Φ=Ncosnθ(N:基板のうち蒸着源の蒸着面と垂直方向に対向する部分の膜厚,θ:入射角度)となり、nの値を実際の計測値により求める。
【0053】
本発明の第4の蒸着方法では、基板を回転させながら蒸着を行うので、基板における膜厚分布は、回転軸を中心とした同心円状となる。
このため、回転軸線から径方向の一次元の長さである1/2×L(Lは、基板の一辺の長さや、基板の面内で膜の均一性が要求される部分の長さ)において、膜厚がある一定の範囲内で等しくなるようにシュミレーションの結果、蒸着源を配設する円の半径Mを決定する。
【0054】
電荷注入層を形成する場合、上述のようにして決定した半径Mの円周上に、電荷輸送性有機物の蒸着源と、電子注入性材料または正孔注入性材料の蒸着源とを配置する。このため、蒸着材料として用いる電荷輸送性有機物の蒸着源と、電子注入性材料または正孔注入性材料の蒸着源とは互いに同一タイプとし、蒸着材料の飛び(空間分布)が同一となるようにする。
この場合、均一な電荷注入層を成膜するための好ましい方法としては、電荷注入層が電子注入層の場合、空間分布が同一の電子輸送性有機物と電子注入性材料とを選定し、これらを蒸発させるための蒸着源をそれぞれ前述した半径Mの円周上に配置する方法が挙げられる。
また、別の方法としては、空間分布を考慮して、電子輸送性有機物の蒸着源を半径Mの円周上に配置するとともに、この円と異なる半径M’の円周上に電子注入性材料の蒸着源を配置する方法がある。
【0055】
さらに、電荷注入層の膜厚方向の組成を一定にする場合には、電荷輸送性有機物と電子注入性材料または正孔注入性材料との各蒸着源を互いに近接した位置に設けることが望ましい。
一方、電荷輸送性有機物と電気注入性有機物との組成比を、電荷注入層の厚さ方向に異ならせる場合、電荷輸送性有機物の蒸着源と、電気注入性有機物との各蒸着源を意図的に離れた位置に配置する。
【0056】
(4)基板の回転
回転速度等には特に制限はないが、概ね、3rpm〜10rpm程度が適当である。
また、前述したように、電荷注入層の組成比を厚さ方向に異ならせる場合には、組成比に基板の回転速度が関係してくる。
(5)蒸着真空度
蒸着開始前には、予め、10-3以下、好ましくは、10-4Paとすればよく、蒸着中においては、10-4Pa台の真空を維持することが望ましい。
【0057】
(6)蒸着速度
電荷注入層を形成する場合を例に説明する。
各蒸着材料の蒸着速度は、電荷輸送性有機物と電子注入性材料または正孔注入性材料との組成比が所望の組成比となるようにそれぞれ調整する。
例えば、電子輸送性有機物としてAlqを用い、電子注入性材料としてLiを用いて電子注入層を成膜する場合、蒸着速度は、Alq:Li=3〜4Å/s:0.1Å/sとすることが好ましい。
【0058】
蒸着材料のうち電荷輸送性有機物の蒸着速度は、均一な成膜性が得られるとともに、蒸着源の温度が過度に昇温して電荷輸送性有機物が分解することがないような速度とすることが望ましい。
このような電荷輸送性有機物の蒸着速度の好ましい範囲は、0.1Å/s〜50Å/sであり、特に好ましくは、0.5Å/s〜10Å/sである。
【0059】
また、電子注入性材料の蒸着速度は、蒸着源が過度に高温になったとき電荷輸送性有機物が損傷を受けないように設定するとともに、電子注入性材料を均一に成膜できるように設定することが好ましい。
電子注入性材料の蒸着速度の好ましい範囲は、0.001Å/s〜50Å/sであり、特に好ましくは、0.01Å/s〜1Å/sである。
【0060】
〔有機EL素子への応用〕
既述した通り、本発明は有機EL素子において、電荷注入層(正孔注入層、或いは電子注入層)を形成する際に非常に有効となる。
この電荷注入層を含む有機EL素子としては、以下のようなものがある。
すなわち、透明基板上に形成され、かつ、当該透明基板を光取り出し面とするタイプの有機EL素子の層構成の具体例としては、例えば、透明基板上の積層順が次の▲1▼〜▲3▼のものが挙げられる。なお、基板を光取り出し面としない場合には、基板上の積層順を次の▲1▼〜▲3▼の逆とすることもできる。
▲1▼陽極/正孔注入層/発光層/陰極
▲2▼陽極/発光層/電子注入層/陰極
▲3▼陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
【0061】
発光層は、通常1種または複数種の有機発光材料によって形成されるが、有機発光材料と電子注入性材料および/または正孔注入性材料との混合物や、当該混合物もしくは有機発光材料を分散させた高分子材料等によって形成される場合もある。
また、上述した層構成の有機EL素子の外周に当該有機EL素子を覆うようにして、有機EL素子への水分や酸素の浸入を防止するための封止層が設けられる場合もある。
【0062】
本発明の有機EL素子では、各層を構成する材料については特に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。基板も含めて、前述した電子注入層および正孔注入層以外の各層について以下記述する。
【0063】
(1)基板
基板を光取り出し面とする場合には、前述したように透明基板を用いる。この透明基板は、発光層からの発光(EL光)に対して高い透過性(概ね80%以上)を与える物質からなっていればよく、その具体例としては、アルカリガラス、無アルカリガラス等の透明ガラスや、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフッ化ビニル、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂等の透明樹脂、または石英等からなる板状物やシート状物、あるいはフィルム状物が挙げられる。どのような透明基板を用いるかは、目的とする有機EL素子の用途等に応じて適宜選択可能である。
一方、基板を光取り出し面としない場合には、上述した透明基板以外のものについても、基板として利用することができる。この場合の基板は無機物であってもよいし有機物であってもよい。
【0064】
(2)陽極
陽極の材料としては、仕事関数の大きい(例えば4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物またはこれらの混合物が好ましく用いられる。具体例としてはAu等の金属、CuI、ITO、錫酸化物、亜鉛酸化物等の導電性透明材料が挙げられる。陽極は、蒸着法やスパッタ法等の方法で上記材料の薄膜を形成することにより作製することができる。
発光層からの発光(EL光)を陽極側から取り出す場合、陽極における前記EL光の透過率は10%以上であることが好ましい。また、陽極のシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
【0065】
(3)発光層
発光層の材料として使用する有機発光材料は、(a)電荷の注入機能、すなわち、電界印加時に陽極あるいは正孔注入層から正孔を注入することができ、陰極あるいは電子注入層から電子を注入することができる機能、(b)輸送機能、すなわち、注入された正孔および電子を電界の力で移動させる機能、および(c)発光機能、すなわち、電子と正孔の再結合の場を提供し、これらを発光につなげる機能、の3つの機能を併せもつものであればよいが、上記(a)〜(c)の各機能それぞれについて十分な性能を併せもつことは必ずしも必要ではなく、例えば正孔の注入輸送性が電子の注入輸送性よりも大きく優れているものの中にも有機発光材料として好適なものがある。
有機発光材料としては、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤や、スチリルベンゼン系化合物を用いることができる。
【0066】
上記の蛍光増白剤の具体例としては、ベンゾオキサゾール系では、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4’−ビス(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、4,4’−ビス[5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾオリル]スチルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス[5−α,α−ジメチルベンジル−2−ベンゾオキサゾリル]チオフェン、2,5−ビス[5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル]−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、4,4’−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ビフェニル、5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール、2−[2−(4−クロロフェニル)ビニル]ナフト[1,2−d]オキサゾール等が挙げられる。
ベンゾチアゾール系では、2,2’−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール等が挙げられ、ベンゾイミダゾール系では、2−[2−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾイミダゾール、2−[2−(4−カルボキシフェニル)ビニル]ベンゾイミダゾール等が挙げられる。さらに、他の有用な化合物は、ケミストリー・オブ・シンセティック・ダイズ(1971),第628〜637頁および第640頁に列挙されている。
【0067】
また、上記のスチリルベンゼン系化合物の具体例としては、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−メチルベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−エチルベンゼン等が挙げられる。
【0068】
さらに、上述した蛍光増白剤およびスチリルベンゼン系化合物以外にも、例えば、12−フタロペリノン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン、ナフタルイミド誘導体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラジリン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピロロピロール誘導体、スチリルアミン誘導体、クマリン系化合物、国際公開公報WO90/13148やAppl.Phys.Lett.,vol 58,18,P1982(1991)に記載されているような高分子化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、下記一般式(I)
【0069】
(R−Q)2 −Al−O−L …(I)
(式中、Lはフェニル部分を含んでなる炭素数6〜24の炭化水素を表し、O−Lはフェノラート配位子を表し、Qは置換8−キノリノラート配位子を表し、Rはアルミニウム原子に置換8−キノリノラート配位子が2個を上回って結合するのを立体的に妨害するように選ばれた8−キノリノラート環置換基を表す。)
で表される化合物等も、有機発光材料として用いることができる。
【0070】
ここで、上記芳香族ジメチリディン系化合物の具体例としては、1,4−フェニレンジメチリディン、4,4’−フェニレンジメチリディン、2,5−キシリレンジメチリディン、2,6−ナフチレンジメチリディン、1,4−ビフェニレンジメチリディン、1,4−p−テレフェニレンジメチリディン、4,4’−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等、およびこれらの誘導体が挙げられる。
また、上記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(III)等が挙げられる。
【0071】
その他、上述した有機発光材料をホストとし、当該ホストに青色から緑色までの強い蛍光色素、例えばクマリン系あるいは前記ホストと同様の蛍光色素をドープした化合物も、有機発光材料として好適である。有機発光材料として前記の化合物を用いた場合には、青色から緑色の発光(発光色はドーパントの種類によって異なる)を高効率で得ることができる。
前記化合物の材料であるホストの具体例としては、ジスチリルアリーレン骨格の有機発光材料(特に好ましくは、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル)が挙げられ、前記化合物の材料であるドーパントの具体例としては、ジフェニルアミノビニルアリレーン(特に好ましくは、例えば、N,N−ジフェニルアミノビフェニルベンゼン)や4,4’−ビス[2−[4−(N,N−ジ−p−トリル)フェニル]ビニル]ビフェニル)が挙げられる。
【0072】
上述した有機発光材料を用いて発光層を形成する方法としては、例えば蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の公知の方法を適用することができるが、スパッタリング法以外の方法を適用することが好ましい。
また、発光層は、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着されて形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化されて形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
さらには、樹脂等の結着剤と有機発光材料とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法等により薄膜化することによっても、発光層を形成することができる。
このようにして形成される発光層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常5nm〜5μmの範囲が好ましい。
【0073】
発光層も蒸着法で形成するのが好ましい。特に、ホスト−ドーパント系の場合、電荷注入層同様、2元蒸着となり好適である。
すなわち、発光層の成膜に蒸着法を用いれば、この蒸着法のみで発光層および電荷注入層を連続して成膜できるので、設備の簡略化や精算時間の短縮を図るうえで有利である。
その際、目的とする有機EL素子が基板上に陽極、有機層および陰極をこの順で順次形成したものである場合には少なくとも有機物層を構成する各層(当該有機物層が単層構造である場合を含む。)の形成から陰極の形成までを、また、目的とする有機EL素子が基板上に陰極、有機物層および陽極をこの順で順次形成したものである場合には陰極の形成から陽極の形成までを、それぞれ連続的に行うことが好ましい。すなわち、ある層A(陰極を構成する合金領域または上部金属領域である場合を含む。)を形成するまでの間に前記の層Aが空気に触れないようにして各層の成膜を行うことが好ましい。
【0074】
また、本発明の有機EL素子は、従来の有機EL素子と同様に、素子への水分や酸素の浸入を防止するための封止層を有していてもよい。
封止層の材料の具体例としては、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、吸収率1%以上の吸水性物質および吸水率0.1%以下の防湿性物質、In,Sn,Pb,Au,Cu,Ag,Al,Ti,Ni等の金属、MgO,SiO,SiO2,Al23,GeO,NiO,CaO,BaO,Fe23,Y23,TiO2等の金属酸化物、MgF2,LiF,AlF3,CaF2等の金属フッ化物、パーフルオロアルカン,パーフルオロアミン,パーフルオロポリエーテル等の液状フッ素化炭素および当該液状フッ素化炭素に水分や酸素を吸着する吸着剤を分散させたもの等が挙げられる。
【0075】
封止層の形成にあたっては、真空蒸着法、スピンコート法、スパッタリング法、キャスト法、MBE(分子線エピタキシー)法、クラスターイオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、反応性スパッタリング法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法等を適宜適用することができる。封止層の材料として液状フッ素化炭素や当該液状フッ素化炭素に水分や酸素を吸着する吸着剤を分散させたものを用いる場合には、基板上に形成されている有機EL素子(既に別の封止層があってもよい。)の外側に、当該有機EL素子との間に空隙を形成しつつ、前記基板と共同して有機EL素子を覆うハウジング材を設け、前記基板と前記ハウジング材とによって形成された空間に前記液状フッ素化炭素や当該液状フッ素化炭素に水分や酸素を吸着する吸着剤を分散させたものを充填することによって封止層を形成することが好ましい。前記のハウジング材としては、吸水率の小さいガラスまたはポリマー(例えば三フッ化塩化エチレン)からなるものが好適に用いられる。ハウジング材を使用する場合には、上述した封止層を設けずに、当該ハウジング材のみを設けてもよいし、当該ハウジング材と前記基板とによって形成された空間に酸素や水を吸着する前記の吸着剤の層を設けるか当該吸着剤からなる粒子を分散させてもよい。
【0076】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
(1)真空蒸着装置
図1および図2には、本実施形態で用いる真空蒸着装置1が示されている。
この真空蒸着装置1は、内部が図示しない排気手段により所定の減圧状態に維持できる真空槽10と、この真空槽10内の上部に設置された基板ホルダ11と、この基板ホルダ11の下方に対向配置された複数の蒸着源2A,2B,2C,2D,2E,2Fとを含んで構成されている。
【0077】
基板ホルダ11は、基板3の周縁部を支持する保持部12を備え、真空槽10内で基板3を水平に保持する。この基板ホルダ11の上面中央部分には、基板3を回転させるための回転軸部13が垂直方向に立設されている。この回転軸部13には、回転駆動手段であるモータ14が接続され、このモータ14の回転駆動により、基板ホルダ11に保持された基板3が、その基板ホルダ11とともに回転軸部13を回転中心として自転するようになっている。つまり、基板ホルダ11の中央に設けられた回転軸部13が基板3の回転軸線13Aとして設定されている。
【0078】
真空槽10は、シュラウドを構成するベースプレート5と、このベースプレート5の上に被せられた槽本体6とを備え、内部が図示しない排気手段により所定の減圧状態に維持できるようになっている。
ベースプレート5には、回転軸線13Aを中心とする半径M(基板3の一辺の長さをLとしたときに、M>1/2×L)の円21の円周上において、60°の間隔毎に前記蒸着源2A〜2Fの開口部外周を収納保持するための収納部7が形成され、かつ、内部が空洞8に形成されている。従って、蒸着源2A〜2Fは、基板3の回転軸線13Aから離れた位置に配設されている。なお、蒸着源の数は、6つに限定されるものではなく、複数であれば、5つ以下であってもよく、あるいは、7つ以上であってもよい。
空洞8には、給水パイプ8Aおよび排水パイプ8Bが接続され、これらのパイプ8A,8Bを通じて室温以下の冷媒、例えば、15℃〜30℃前後の冷却水または液体窒素が循環されるようになっている。これらによって、蒸着源2A〜2Fの開口部を冷却する冷却手段9が構成されている。
【0079】
蒸着源2A〜2Fは、図3に示すように、蒸着材料を収納する容器としてのるつぼ21と、このるつぼ21の外側に均熱部材22を介して配設されたヒータ23と、このヒータ23の外側に設けられた断熱層24と、これらを収納した外筒25と、この外筒25の外側に旋回された水冷パイプ26と、前記るつぼ21の開口部21Aを含む外筒25の開口部を開閉するシャッタ装置27とを有するセル型蒸着源から構成されている。なお、28は熱電対である。
【0080】
るつぼ21は、石英、グラファイト(カーボン)、グラシーカーボン(ガラス成分含有グラファイト)、BN(窒化硼素)、アルミナなどの材料によって、比較的大きな開口部21Aを有する筒状容器に形成され、その開口部21Aがベースプレート5の上面と同じか、それより僅か下方に位置するように保持されている。
均熱部材22は、ヒータ23からの熱をつるぼ21に対して均一にかつ効率的に伝達するためのもので、SUS、Cuなどの材料によって薄板筒状に形成されている。
【0081】
断熱層24は、均熱部材22と同じ材料によって形成されかつ内外に積層された薄板筒状2つの熱反射部材24A,24Bと、この外側の熱反射部材24Bと前記外筒25との間に設けられた真空層24Cとを含んで構成されている。熱反射部材24A,24Bは、内面側が平滑面(好ましくは鏡面)に仕上げられ、厚みが少なくとも均熱部材22より厚く(約2倍以上)形成されている。真空層24Cは、真空槽1内に連通されている。
【0082】
シャッタ装置27は、図4にも示すように、ベースプレート5に垂直にかつ回動可能に設けられた回動軸27Aと、この回動軸27Aにアーム27Bを介して取り付けられ前記外筒25の開口部より大きな円盤状のシャッタ板27Cと、前記回動軸27Aを回転させてシャッタ板27Cを回動変位させる駆動手段27Dとから構成されている。シャッタ板27Cは、開閉動作時にベースプレート5の上面と接することがないように、ベースプレート5の上面に対して僅かな隙間をもって取り付けられている。
【0083】
(2)電荷注入層の作製
本実施形態では、前述した真空蒸着装置1を用い、電荷注入層である電子注入層または正孔注入層を基板3上に成膜する場合について説明する。
すなわち、正方形平板状に形成された基板3を用意し、この基板3を基板ホルダ11の保持部12に係止して水平な状態で保持させる。
ここで、電子注入層を成膜する場合、円21周上で近接する二つの蒸着源2B,2Cに、電子輸送性有機物と電子注入性材料とをそれぞれ供給し、図示しない排気手段により、真空槽10内を所定の真空度になるまで減圧する。
【0084】
この後、蒸着源2B,2Cを加熱して、各蒸着源2B,2Cからそれぞれ電子輸送性有機物および電子注入性材料を同時に蒸発させるとともに、モータ14を回転駆動させて基板3を回転軸線13Aを軸に所定速度で回転させる。このようにして、基板3を自転させながら電子輸送性有機物および電子注入性材料を共蒸着して電子注入層を成膜する。
【0085】
このとき、蒸着源2B,2Cのヒータ23から外部へ逃げようとする熱は、断熱層24の熱反射部材24A,24Bによってるつぼ21に向かって反射されるとともに、真空層24Cによって外部と遮断されているから、外部へ逃げる熱量を少なくできる。従って、蒸着源2B,2Cから外部へ逃げる熱による熱影響(蒸着源間の熱干渉や基板3への悪影響)を極力抑えることができる。
しかも、熱反射部材24A,24Bによって反射された熱およびヒータ23からるつぼ21に向かって放射される熱は、均熱部材22によってるつぼ21に対して均一に伝達されるから、るつぼ21内の蒸着材料は局部的に加熱されることなく均一に加熱されて蒸発される。
このとき、蒸着源2B,2Cは、基板3の回転軸線13Aから所定距離Mだけずれた位置に設けられているので、基板3の回転により、電子輸送性有機物および電子注入性材料の基板3への入射角度が変化して、蒸着材料が基板3に対して一様に付着するようになる。
【0086】
また、正孔注入層を成膜する場合には、蒸着源2B,2Cにそれぞれ蒸着材料としての正孔注入性有機物および正孔注入性材料を供給し、電子注入層の場合と同様にして成膜を行う。
【0087】
(3)有機EL素子の作製
本実施形態では、前述した真空蒸着装置1を用いて、陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極という素子構成の有機EL素子を作製する場合について説明する。
先ず、ガラス製の基板3上に予め陽極となるITO透明電極(下部電極に相当)が形成されたもの(以下、下部電極付基材という)を用意する。
この下部電極付基材を有機溶媒中で超音波洗浄した後、乾燥窒素ガスを吹き付けて、ITO透明電極の表面から有機溶媒を除去する。この後、UV/オゾン洗浄を行って、ITO透明電極の表面から有機物を除去する。
【0088】
次に、洗浄した下部電極付基材を基板ホルダ11に装着するとともに、正孔注入層を構成する正孔注入性有機物を蒸着源2Aに、電子注入層および発光層を構成する電子輸送性有機物を蒸着源2Bに、電子注入層を構成する電子注入性金属を蒸着源2Cに、陰極を構成する金属を蒸着源2Dに、それぞれ供給する。
そして、真空槽10内を所定の真空度になるまで減圧した後、下部電極付基材のITO透明電極上に、正孔注入層、有機発光層、電子注入層および陰極をこの順で順次積層して有機EL素子を得る。
このとき、正孔注入層の形成から陰極の形成までの間は、一度も真空を破ることなく有機EL素子を作製する。
【0089】
薄膜層の積層にあたっては、先ず、蒸着源2Aから正孔注入性有機物を蒸発させてITO透明電極上に正孔注入層を蒸着する。この蒸着時には、下部電極付基板は、特に加熱も冷却もしない。
次いで、蒸着源2Bから、有機発光材料としての電子輸送性有機物を上述した正孔注入層の成膜時と同様の条件で蒸発させて、正孔注入層上に有機発光層を蒸着する。
次に、前述した「(2)電荷注入層の作製」と同様にして、蒸着源2Bおよび蒸着源2Cからそれぞれ電子輸送性有機物および電子注入性金属を同時に蒸発させて、有機発光層上に電子注入層を成膜する。
続いて、蒸着源2Dから陰極用の金属を蒸発させて電子注入層上に陰極を蒸着する。
ここで、正孔注入層の形成から陰極の形成まで、基板ホルダ11に保持させた下部電極付基材を回転させながら蒸着を行う。
【0090】
【実施例】
次に、本発明の効果を、具体的な実施例に基づいて説明する。
〔蒸着源の構造について〕
(比較例1)
一般的な高融点金属からなる蒸着ボートを用いて、有機材料を蒸着させる。
・ボート :長さ100mm、幅20mmのMo製昇華金属用ボート
・有機材料:Alqを0.6g充填
・蒸着温度:310℃〜330℃(蒸着ボートの通電用金属バーへの固定時の接触抵抗の再現性がなく、熱電対のボートへの熱接触に再現性がないため)
・蒸着速度: 2Å/s
このような条件で、500Åを連続的に10回蒸着した後、ボート残留物を見たところ、黄色のAlqの上を、茶色の弱蛍光性の部分(不純物)が表面を覆っていた。
【0091】
(実施例1)
実施例1は、前記実施形態のセル型蒸着源を用いて、有機材料を蒸着させた。
・蒸着源のるつぼ:石英製、容量100cc
・有機材料および蒸着速度は、比較例1を同じ
その結果は、蒸着温度は305℃で安定しており、るつぼの残留物には比較例1のような茶色の部分が殆ど見られなかった。
【0092】
〔シュラウド(冷却構造を有するベースプレート)の有無について〕
(実施例2)
実施例2は、実施形態のように、シュラウド(冷却手段を備えたベースプレート)内にセル型蒸着源を収納し、そこにAlqを0.6g充填したのち、蒸着可能な温度(305℃)まで加熱し維持した。但し、セル型蒸着源と基板との距離Tsは400mm、真空槽の真空度が2.0×10-4Paである。また、シャッタ装置は閉じたままとし、基板へAlqが付着しないようにした。
そこへ、ITO付ガラス基板を挿入して10分間保持し、その前後(挿入前と10分後)の純水の接触角を、シュラウドへ冷却水(20℃)を通水したときと、通水しなかったときとの2条件で測定した。なお、ITO付ガラス基板は、真空槽へ挿入前に予めUV洗浄装置にて、15分間洗浄していた。
【0093】
【表1】
Figure 0004469430
【0094】
この結果から、接触角の増加は基板表面への非親水性の不純物等の付着が原因と考えられる。
シャッタ装置を閉じているにも拘わらず、シュラウド非通水では、接触角が明らかに増加している。これは、蒸着材料中に僅かに含まれる不純物、あるいは、Alqがシャッタ装置のシャッタ板と蒸着源の開口部との隙間から飛び出し、基板に付着したものと考えられる。
シュラウド通水では、接触角が殆ど変化していないことから、不純物、あるいは、Alqが水冷シュラウドにトラップされ、基板への付着が抑えられているためと考察される。
【0095】
〔基板と蒸着源との関係について〕
(実施例3)
実施例3は、電子輸送性有機物としてAlqを用いるとともに電子注入性金属としてLiを用い、有機EL素子の電子注入層となるAlqとLiとの混合膜を成膜する実験である。
実施例3では、以下の具体的な条件等を採用した。
【0096】
(1)蒸着装置
・基板 : ガラス基板(200mm×200mm×1.1mm )
・蒸着源と基板との距離Ts : 400mm
・回転軸線と蒸着源の距離M : 150mm(円の半径M)
・Alqの蒸着源 : 実施形態のセル型蒸着源
・Liの蒸着源 : 実施形態のセル型蒸着源
【0097】
(2)蒸着条件
・蒸着時の真空度 : 6.5×10-5Pa
・蒸着前の真空度 : 6.4×10-5Pa
・Alqの蒸着速度 : 3.5Å/s
(水晶振動子式膜厚計〔日本真空技術(株)製 CRTM-7000〕により測定)
・Liの蒸着速度 : 0.1Å/s(Alqと同様に測定)
・基板の回転速度 : 5rpm
・Alqの成膜膜厚 : 1000Å(CRTM-7000により測定)
・Liの成膜膜厚 : 28Å
【0098】
以上の条件を採用するとともに、図5に示すように、基板3の表面を16等分して一辺の長さPが50mmの正方形の区画を設定し、その区画線上の4A〜4Mの13点に対してそれぞれ10mm角のガラス基板4を貼り付けて、この基板3上にAlqおよびLiを共蒸着した。
このようにして得たAlqおよびLiからなる薄膜層について、各ガラス基板4の中心の膜厚を測定するとともに、当該中心におけるLiの組成比をX線光電子分光装置(ESCA)を用いて求めた。
その結果を表2に示す。
【0099】
【表2】
Figure 0004469430
【0100】
(比較例2)
前記実施例3において、図6に示すように、Alqの蒸着源2BとLiの蒸着源2Cとを回転軸線13Aと直交する同一直線上に配置するとともに、回転軸線13Aと蒸着源2B,2Cとの各距離Mをそれぞれ30mmとし、基板3を回転させないで蒸着を行った以外は、前記実施例3と同様にしてAlqとLiとの混合膜の成膜を行い、得られた薄膜層の膜厚およびLiの組成比を測定した。
その結果を表3に示す。
【0101】
【表3】
Figure 0004469430
【0102】
表2,3より、実施例3のように、基板を回転させながらAlqおよびLiを共蒸着するとともに、回転軸線と各蒸着源との距離Mを基板の辺の長さLより大きくなるように設定することで、膜面内において、膜厚およびLiの組成比の均一化を達成できることがわかる。
【0103】
(実施例4)
実施例4は、前記実施形態に基づいて、有機EL素子を作製する実験である。
実施例4では、以下の具体的な条件等を採用した。
(1)蒸着材料
・正孔注入層 : 4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(以下、NPDと略記する)
・発光層 : Alq
・電子注入層 : Alq,Li
・陰極 : Al
【0104】
(2)蒸着装置
以下の条件を採用した以外は、前記実施例3の蒸着装置と同様な条件を採用した。
・基板 : 前記実施例1において示した基板上の4A,4C,4G,4K,4Mの各位置に、ガラス基板(25mm×75mm×1.1mm )上に膜厚100nmのITO透明電極を形成した下部電極付基材を配置し、発光面積32mm2 (4mm×8mm)の有機EL素子を作製できるようにしたものを用いた。
・NPDの蒸着源 : 実施形態のセル型蒸着源
・Alの蒸着源 : 実施形態のセル型蒸着源
【0105】
(3)蒸着条件
前記実施例3と同様な蒸着条件を採用するとともに、以下の条件を採用した。
・NPDの蒸着時の真空度 : 5.0×10-5Pa以下
・NPDの蒸着速度 : 0.1〜0.3nm/s
・NPDの膜厚 : 60nm
・有機発光層の蒸着時の真空度 : 5.0×10-5Pa以下
・有機発光層の蒸着速度 : 0.1〜0.3nm/s
・有機発光層の膜厚 : 60nm
・電子注入層の膜厚 : 20nm
・Alの蒸着時の真空度 : 1.0×10-4Pa
・Alの蒸着速度 : 1nm/s
・Alの膜厚 : 150nm
【0106】
以上の条件で作製した各位置4A,4C,4G,4K,4Mの有機EL素子は、いずれも直流電圧4Vから明瞭な発光が確認され、輝度計の視野では無発光点が見あたらず、発光の均一性が良好であった。
これらの各有機EL素子の初期性能を表4に示す。
【0107】
【表4】
Figure 0004469430
【0108】
表4より、各位置4A,4C,4G,4K,4Mの素子は、いずれも発光性能が同一であると認められ、基板上の200mm角の領域内で均一に有機物層(正孔注入層、有機発光層、電子注入層)および陰極が形成されていると考察される。
特に、陰極からの発光層への電子注入の役割を果たして、有機EL素子性能を大きく左右する電子注入層Alq:Liが、各位置において均一な組成および均一な膜厚で形成されているためであると考えられる。
【0109】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれる。
すなわち、前記実施形態では、電子輸送性有機物と電子注入性材料との蒸着源を近接させることで、厚さ方向における組成比の均一化を図るようにしていたが、蒸着源の配設数をnとしたときに、各蒸着源を円の中心から360°/nの角度で配設して、各蒸着源から蒸着材料を同時に蒸発させて成膜を行ってもよい。
【0110】
この場合、基板の各部分において複数の蒸着材料が順次重なるように成膜されるので、膜の厚さ方向に組成比の異なる薄膜層を成膜できる。
例えば、電子輸送性有機物および電子注入性材料の各蒸着源を、図1における蒸着源2A,2Dとすることで、厚さ方向において電子輸送性有機物と電子注入性材料との組成比が異なる電子注入層を成膜できる。
【0111】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の素子用薄膜層の蒸着方法および蒸着装置によれば、有機材料を、大面積の基板に連続的、かつ、再現性よく、しかも、均一に不純物の混入なく蒸着できる。
本発明の有機EL素子によれば、不純物の混入がない大面積の電荷注入層を得ることができるとともに、その電荷注入層の膜面内における電子輸送性有機物と電子注入性材料との組成比の均一化を実現でき、これにより、駆動電圧および素子の寿命の安定化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】前記実施形態の真空蒸着装置を示す断面図。
【図3】前記実施形態の蒸着源を示す断面図。
【図4】前記実施形態の蒸着源のシャッタ装置を示す平面図。
【図5】本発明の実施例3で用いる基板を示す平面図。
【図6】比較例2で使用する真空蒸着装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1 真空蒸着装置
2A,2B,2C,2D,2E,2F 蒸着源
3 基板
5 ベースプレート(シュラウド)
7 収納部
9 冷却手段
13A 回転軸線
14 モータ(回転駆動手段)
21 るつぼ(容器)
22 均熱部材
23 ヒータ
24 断熱層
24A,24B 熱反射部材
24C 真空層

Claims (9)

  1. 減圧された真空槽内で、基板に対向して配置した1または複数の蒸着源から蒸着材料を蒸発させて成膜を行う装置であって、
    前記蒸着源は、蒸着材料を収納した容器と、この容器の外側に配設されたヒータと、このヒータの外側に配設された断熱層と、前記断熱層を収容する外筒とを含み、
    前記外筒が配置され、前記真空槽の底部を構成するベースプレートを有し、
    前記ベースプレートは前記外筒の開口部を冷却する冷却手段を備えていること
    を特徴とする蒸着装置。
  2. 請求項1に記載の蒸着装置において、
    前記断熱層は、前記ヒータの外側に配設された熱反射部材を含むことを特徴とする蒸着装置。
  3. 請求項1に記載の蒸着装置において、
    前記断熱層は、前記ヒータの外側に配設された熱反射部材と、この熱反射部材の外側に設けられた真空層とを含むことを特徴とする蒸着装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の蒸着装置において、
    前記容器とヒータとの間には、ヒータからの熱を容器に対して均一に伝達する均熱部材が介在されていることを特徴とする蒸着装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の蒸着装置において、
    前記容器の開口部は、前記ベースプレートの上面と同じ、もしくは前記上面より下方に位置することを特徴とする蒸着装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の蒸着装置において、
    前記冷却手段は、冷媒の循環によって前記ベースプレートを冷却することを特徴とする蒸着装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に蒸着装置において、
    前記外筒が冷却されていることを特徴とする蒸着装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に蒸着装置において、
    前記基板に、その基板を自転させるための回転軸線を設定し、前記蒸着源をそれぞれ前記基板の回転軸線から離れた位置に配設し、前記基板を自転させながら蒸着を行うことを特徴とする蒸着装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の蒸着装置において、
    前記外筒の開口部を開閉するシャッタを有することを特徴とする蒸着装置。
JP33992598A 1998-11-30 1998-11-30 蒸着装置 Expired - Lifetime JP4469430B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33992598A JP4469430B2 (ja) 1998-11-30 1998-11-30 蒸着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33992598A JP4469430B2 (ja) 1998-11-30 1998-11-30 蒸着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000160328A JP2000160328A (ja) 2000-06-13
JP4469430B2 true JP4469430B2 (ja) 2010-05-26

Family

ID=18332067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33992598A Expired - Lifetime JP4469430B2 (ja) 1998-11-30 1998-11-30 蒸着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4469430B2 (ja)

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001279429A (ja) 2000-03-30 2001-10-10 Idemitsu Kosan Co Ltd 素子用薄膜層の成膜方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2003323988A (ja) * 2002-02-28 2003-11-14 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置及びそれを用いた電気器具
KR100490537B1 (ko) 2002-07-23 2005-05-17 삼성에스디아이 주식회사 가열용기와 이를 이용한 증착장치
KR100889758B1 (ko) * 2002-09-03 2009-03-20 삼성모바일디스플레이주식회사 유기박막 형성장치의 가열용기
JP4139186B2 (ja) * 2002-10-21 2008-08-27 東北パイオニア株式会社 真空蒸着装置
JP2005129279A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Canon Inc 有機発光素子
EP1741802B1 (en) * 2004-03-29 2013-08-21 Tadahiro Ohmi Film-forming apparatus and film-forming method
JP2005347112A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Sharp Corp 有機エレクトロルミネッセンス素子
KR100671673B1 (ko) 2005-03-09 2007-01-19 삼성에스디아이 주식회사 다중 진공증착장치 및 제어방법
JP4535908B2 (ja) * 2005-03-14 2010-09-01 日立造船株式会社 蒸着装置
KR100711886B1 (ko) * 2005-08-31 2007-04-25 삼성에스디아이 주식회사 무기 증착원 및 이의 가열원 제어방법
KR100645689B1 (ko) 2005-08-31 2006-11-14 삼성에스디아이 주식회사 선형 증착원
KR100711885B1 (ko) 2005-08-31 2007-04-25 삼성에스디아이 주식회사 유기 증착원 및 이의 가열원 제어방법
KR20070066232A (ko) * 2005-12-21 2007-06-27 삼성에스디아이 주식회사 증착장치
JP4724585B2 (ja) * 2006-03-31 2011-07-13 キヤノン株式会社 有機電界発光素子及び発光装置
JP4822339B2 (ja) * 2006-09-08 2011-11-24 株式会社昭和真空 給電機構を搭載した真空装置および給電方法
JP2008098619A (ja) * 2006-09-14 2008-04-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
KR101463271B1 (ko) 2006-09-14 2014-11-18 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 유기 전계발광 소자
US20100247747A1 (en) * 2009-03-27 2010-09-30 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Film Deposition Apparatus, Method for Depositing Film, and Method for Manufacturing Lighting Device
JP5715802B2 (ja) * 2010-11-19 2015-05-13 株式会社半導体エネルギー研究所 成膜装置
KR101737986B1 (ko) * 2010-12-17 2017-05-22 엘지디스플레이 주식회사 유기전계 발광소자 제조용 증착원 도가니
KR20140004761A (ko) * 2011-03-18 2014-01-13 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 성막 장치, 성막 방법, 유기 발광 소자의 제조 방법 및 유기 발광 소자
WO2013073302A1 (ja) 2011-11-14 2013-05-23 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子、及び、面状発光体
KR101784202B1 (ko) * 2011-12-22 2017-10-12 주식회사 원익아이피에스 콜드립을 구비하는 증발원
CN103966555B (zh) * 2014-05-28 2016-04-20 深圳市华星光电技术有限公司 蒸镀源加热装置
KR101856327B1 (ko) * 2016-06-07 2018-05-10 주식회사 제이몬 금속박막 증착용 도가니형 증발원
KR101817040B1 (ko) 2017-04-20 2018-02-21 박희철 수직형 패럴린 코팅용 증발장치
CN106987809A (zh) * 2017-05-17 2017-07-28 大连交通大学 一种有机真空蒸发源
KR101868463B1 (ko) * 2017-10-11 2018-06-21 주식회사 원익아이피에스 외부 가열용기를 포함하는 고온 증발원
CN114214591A (zh) * 2021-12-03 2022-03-22 天津城建大学 梯度各向异性磁热材料及其制备方法
CN117702056B (zh) * 2024-02-06 2024-05-24 上海升翕光电科技有限公司 显示屏的蒸镀设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000160328A (ja) 2000-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4469430B2 (ja) 蒸着装置
Sato et al. Operation characteristics and degradation of organic electroluminescent devices
US6509109B1 (en) Organic electroluminescent device
JP4058842B2 (ja) 有機電界発光素子
US7795799B2 (en) Light-emitting device
JP2793383B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
KR100389568B1 (ko) 유기전계발광장치 및 그것을 이용한 패널
JP2005026121A (ja) 有機el素子及びその製造方法並びに有機elディスプレイ
JP2001319779A (ja) 発光素子
KR100776101B1 (ko) 소자용 박막층의 막형성 방법 및 유기 전기 발광 소자
JP2006048946A (ja) 有機機能素子、有機el素子、有機半導体素子、有機tft素子およびそれらの製造方法
JP2009088525A (ja) 有機発光素子
JP2000133453A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法
JP4521182B2 (ja) 有機電界発光素子
JPH05159882A (ja) 電子注入性電極の製造方法およびこの方法を用いた有機el素子の製造方法
JP2000048966A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
US7935432B2 (en) Organic electroluminescent device
JPH1192915A (ja) 蒸着方法および有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH09232079A (ja) 有機el素子
JP2002246184A (ja) 発光素子
JP3856510B2 (ja) 有機el素子の製造方法
JPH11162652A (ja) 有機el素子およびその製造方法
JP4105429B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2004087321A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JPH09320763A (ja) 有機el素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081022

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090819

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140305

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term