JP4469455B2 - 移動式粉末消火設備用の粉末貯蔵タンク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動式粉末消火設備に用いられる粉末貯蔵タンクに係り、より詳しくは粉末消火剤の真空充填を可能にならしめた粉末貯蔵タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の移動式粉末消火設備に用いられる粉末貯蔵タンクは、例えば、図5にその概略図を示すように、加圧用ガス容器17を併有し、この加圧用ガス容器17に接続された加圧ガス導入管40をタンク本体1内に導入して該加圧ガス導入管40の先端40aをタンク本体1の内底の近傍に位置させ、一方、タンク本体1内に消火剤放出管41をこれの一端41aがタンク本体1の内底の近傍に位置し、他端41bがタンク本体1の外部に出るように備え付けている。タンク本体1の外部に出された消火剤放出管41の他端41bには所定長さの消火剤放出ホース22を放出弁42を介して接続し、このホース22の先端にノズル弁25を介してノズル26を付けている。タンク本体1の上部には安全弁2及び排気弁3を取り付けている。この粉末貯蔵タンクは、防護対象物から所定距離内に設置される格納箱28に加圧用ガス容器17及び消火剤放出ホース22ごと格納される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記内部構造の粉末貯蔵タンクでは、粉末消火剤Bを充填するにあたって真空充填方式を採用すると弊害が生じる。真空充填方式によれば、粉末貯蔵タンクを真空に排気した後、粉末消火剤Bを充填することにより充填時間を著しく短縮できるのである。しかしながら、真空充填時に、タンク本体1の内部に上記のような加圧ガス導入管40及び消火剤放出管41が既設されていると、粉末消火剤Bが加圧ガス導入管40内に先端40aから、また消火剤放出管41内に一端41aからそれぞれ深く吸い込まれ、このまま長期間放置されたときに消火剤放出管41内及び加圧ガス導入管40内に吸い込まれた粉末消火剤が固まり詰まってしまうという弊害が生じる。このため上記内部構造の粉末貯蔵タンクでは粉末消火剤の真空充填方式を採用することができなかった。
【0004】
本発明の目的は、このような問題を解決するためになされたもので、移動式粉末消火設備用の粉末貯蔵タンクに、粉末消火剤を加圧ガス導入管及び消火剤放出管に吸い込んで詰まらせるような弊害なくして真空充填を可能にすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る移動式粉末消火設備用の粉末貯蔵タンクは、タンク本体の底部に消火剤充填口を設け、この消火剤充填口を、加圧ガス導入口部と消火剤放出口部を備えた底蓋で塞いでおり、上記底蓋が、上記加圧ガス導入口部及び消火剤放出口部を有する蓋本体と、この蓋本体の底側外周から張出しており格納箱の内底板に固定される座板とを備えていることに特徴を有するものである。
【0006】
上記構成の粉末貯蔵タンクによれば、消火剤充填口を底蓋で塞ぐに先立って、タンク本体を上下反転させたうえでタンク本体を真空に排気した後、粉末消火剤を充填し、しかる後消火剤充填口を底蓋で塞いでタンク本体を元の姿勢に戻す。このように真空充填時には加圧ガス導入口部と消火剤放出口部を備えた底蓋がタンク本体から取り外されているので、前述した従来の粉末貯蔵タンクに真空充填した場合に生じるような粉末消火剤の吸込みによる詰まり現象を起こすことはなく、粉末消火剤を何ら弊害なく、速やかに真空充填することができる。
【0007】
上記底蓋によれば、真空充填後、粉末貯蔵タンクを元の姿勢に戻して格納箱に格納するとき、座板を格納箱の内底板上に載置して固定することで粉末貯蔵タンクを格納箱に簡単かつ安定よく格納することができる。
【0008】
上記消火剤放出口部のタンク本体内に臨む内側開口端は、請求項2記載の発明のように、加圧ガスによりタンク本体内が加圧されたときに該タンク本体内圧で破裂する封板で封口している。これによれば、真空充填後、粉末貯蔵タンクを元の姿勢に戻しても、実使用時までに粉末消火剤が消火剤放出口部に浸入して詰まるおそれが全く無くなる。また、消火剤放出口部の内側開口端にそのような封板を設けておくと、消火剤放出口部に接続される消火剤放出管の途中に、実使用時に粉末貯蔵タンクが所定圧に加圧されたときに開くための放出弁を敢えて設ける必要が無くなる。
【0009】
上記加圧ガス導入口部のタンク本体内に臨む内側開口端は、請求項3記載の発明のように、該加圧ガス導入口部内に導入される加圧ガス圧により破裂する封板で封口するか、または請求項4記載の発明のように加圧ガス導入口部の内側開口端に、最先端部が閉塞されて周壁に一個もしくは二個以上のガス放出孔を有するガス放出管を固定するとともに、該ガス放出管のガス放出孔を有する周壁の外周にピール管を前記ガス放出孔を覆うよう嵌着する。これによれば、真空充填後、粉末貯蔵タンクを元の姿勢に戻しても、実使用時までに粉末消火剤が加圧ガス導入口部に浸入して詰まるおそれが全く無くなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
本発明の第1実施例を図1及び図2に基づき説明する。図1は移動式粉末消火設備用の粉末貯蔵タンクの概略縦断正面図、図2は粉末貯蔵タンクの底部構造を示す断面図である。
【0011】
図1及び図2において、1はタンク本体で、その上部に安全弁2及び排気弁3を取り付け、底部に消火剤充填口4を設け、この消火剤充填口4を底蓋5で塞いでいる。
底蓋5は、有底筒状の蓋本体6と、この蓋本体6の底側に張出し状に付けた座板7とを備える。蓋本体6の上端開口部の内周には消火剤充填口4の外周に設けた雄ねじ8に螺合する雌ねじ9を設けており、蓋本体6の円周壁の一部に加圧ガス導入口部10を、それとは別の箇所に消火剤放出口部11をそれぞれ設けている。
【0012】
加圧ガス導入口部10のタンク本体1内に臨む内側開口端10aには、L形状に形成されて最先端部13aが閉塞され先端部の周壁に一個もしくは二個以上のガス放出孔14を有するガス放出管13が該先端部をタンク本体1の内底に臨むよう固定される。そのガス放出管13のガス放出孔14を有する先端部にはゴム製のピール管15がガス放出孔14の外側を覆うように外嵌され、このピール管15の中央付近が止め輪16でかしめられている。ピール管15は、ガス放出孔14からタンク本体1内への一方向にだけ流すという逆止め弁の作用を発揮し、また粉末消火剤Bがガス放出孔14に浸入するのを防止する。
【0013】
一方、消火剤放出口部11のタンク本体1内に臨む内側開口端11aには粉末消火剤Bが浸入するのを防ぐために封板20で封口される。封板20は薄い樹脂フィルム等からなって、消火剤放出口部11の内側開口端11aにねじ結合されるリング状の雌ねじ体よりなる封板取付具21で内側開口端11aに保持リング20aを介して押さえ付けて固定される。封板20は加圧ガスによりタンク本体1内が所定圧に加圧されたときに該タンク内圧で初めて破裂する強度のものを使用すると、後述する消火剤放出ホース22の途中に、実使用時にタンク本体1が所定圧に加圧されたときに開くための図5に示すごとき放出弁42を敢えて設ける必要が無くなる。
【0014】
この底蓋5は、後述するごとく粉末消火剤Bの真空充填後に、消火剤充填口4にパッキン12又はO−リングを介してねじ込むことによりタンク本体1に対し気密性を保つ状態に装着される。
【0015】
底蓋5の上記加圧ガス導入口部10のタンク本体1外部に臨む外側開口端10bには加圧ガス容器17に接続された加圧ガス導入管18が加圧ガス導入口部10の外側開口端10bにねじ込み結合可能な継手19を介して接続されるようになっている。また、消火剤放出口部11のタンク本体1外部に臨む外側開口端11bには、所定長さの消火剤放出ホース22を直接に、または消火剤放出管23を外側開口端11bにねじ込み結合可能な継手24を介して接続される。消火剤放出ホース22の先端にはノズル弁25を介してノズル26を付けている。
これら加圧ガス導入管18及び消火剤放出ホース22の接続は、後述するごとく底蓋5を粉末消火剤口4にねじ込み装着した後に行われる。
【0016】
上記ガス放出管13にはピール管15を装着するに代えて、図3に示すようにガス放出管13の最先端の開口部13bに、ガス放出管13に導入される加圧ガス圧で破裂する封板27を、消火剤放出口部11に対する封板20の取付け要領と同じくリング状の封板取付具21で保持リング27aを介して取り付けておいても粉末消火剤Bがガス放出管13の開口部13bから浸入するのを防止することができる。
【0017】
上記構成の粉末貯蔵タンクによれば粉末消火剤Bの充填には真空充填方式を採用することができる。真空充填に際しては、タンク本体1を底部の消火剤充填口4が上向きになるよう上下反転させたうえで、タンク本体1を真空に排気し、底蓋5を外した状態下で消火剤充填口4から粉末消火剤Bを充填する。このように加圧ガス導入口部10及び消火剤放出口部11を有する底蓋5を取り外した状態で粉末消火剤Bを真空充填すると、粉末消火剤Bが加圧ガス導入口部10及び消火剤放出口部11に吸い込んで詰まらせるという弊害は一切なく、短時間で能率よく真空充填することができる。充填後は、消火剤充填口4を底蓋5で塞ぐ。また加圧ガス導入口部10に加圧ガス導入管18を、消火剤放出口部11に消火剤放出ホース22をそれぞれ接続する。そして、タンク本体1を元の姿勢に戻して格納箱28に格納するが、その際、底蓋5の座板7を格納箱28の内底板28a上に載置してボルト等で締結固定する。これにより粉末貯蔵タンクを格納箱28に簡単かつ安定よく格納することができる。
【0018】
タンク本体1を底蓋5が下側になる元の姿勢に戻しても実使用するまでには、消火剤放出口部11の内側開口端11aは封板20で封口された状態が保持されるので、粉末消火剤Bが消火剤放出口部11に浸入して詰まるおそれがない。また、ガス放出管13の先端部のガス放出孔14がピール管15で塞がれるか、またはガス放出管13の最先端部の開口部13bが封板27で封口された状態が保持されるので、粉末消火剤Bがガス放出管13、加圧ガス導入口部10に浸入して詰まるおそれも全くない。
【0019】
実際に消火時に使用するには、加圧用ガス容器17から加圧ガスを加圧ガス導入管18、ガス放出管13を介してタンク本体1内に導入することにより、該タンク本体1内を加圧するとともに、粉末消火剤Bを撹拌する。タンク本体1の内圧が一定の圧力になれば封板20が破れ、粉末消火剤Bが消火剤放出ホース22を経てノズル26から放出される。
【0020】
(第2実施例)
図4は本発明の第2実施例を示しており、この実施例では粉末貯蔵タンクの底部構造が第1実施例のそれとは異なり、その他の構成については同様である。
この実施例では、タンク本体1の底部に筒状の口金30を付けて該口金30の内部に消火剤充填口4を形成しており、その消火剤充填口4に底蓋5をリップ31aを有する締付ナット31で締付け固定して消火剤充填口4を塞ぐようにしている。底蓋5は鍔5a付きの円柱状に形成し、その周面5bの一部から上端面5cにわたって加圧ガス導入口部10を、また周面5bの他の箇所から上端面5cにわたって消火剤放出口部11をそれぞれ形成している。底蓋5の底面には座板7が底蓋5の底面外周に張出すようにボルト32で締結固定されている。
【0021】
そして、底蓋5の加圧ガス導入口部10のタンク本体1内に臨む内側開口端10aには、第1実施例の場合と同様なガス放出孔14を有するガス放出管13及びピール管15が備えつけられる。また底蓋5の消火剤放出口部11のタンク本体1内に臨む内側開口端11aは、第1実施例の場合と同様な薄い樹脂フィルム等よりなり封板20で封口される。この場合、封板20は消火剤放出口部11の内側開口端11aにねじ結合される中空状の雄ねじ体よりなる封板取付具21で保持リング20aを介して押さえ付け固定される。
【0022】
この底蓋5で消火剤充填口4を塞ぐには、底蓋5の鍔5aより上端部が消火剤充填口4に内嵌されるとともに、鍔5aと口金30の端面30aとの間にパッキン12が介在され、底蓋5の鍔5aより下端部にリップ31aを有する締付ナット31が外嵌され、この締付ナット31が消火剤充填口4の外周の雄ねじ33に締め付けられる。この締付けによりリップ31aで底蓋5の鍔5aが口金30の端面30aにパッキン12を介して押し付けられることによりタンク本体1に対し底蓋5を気密性を保つ状態に装着することができる。
【0023】
加圧ガス導入口部10のタンク本体1外部に臨む外側開口端10bには、第1実施例の場合と同様に、加圧ガス容器17に接続された加圧ガス導入管18が加圧ガス導入口部10の外側開口端10bにねじ込み結合可能な継手19を介して接続されるようになっている。また、消火剤放出口部11のタンク本体1外部に臨む外側開口端11bには、第1実施例の場合と同様に、所定長さの消火剤放出ホース22を直接に、又は放出管23を介して前記外側開口端11bにねじ込み結合可能な継手34を介して接続される。消火剤放出ホース22の先端にはノズル弁25を介してノズル26を付けている。この場合、消火剤放出口部11は、第1実施例の場合と同様な封板20で封口されていると、消火剤放出ホース22の途中に、実使用時に粉末貯蔵タンクが所定圧に加圧されたときに開くための放出弁(図5の放出弁42)を敢えて設ける必要がない。
【0024】
これら加圧ガス導入管18及び消火剤放出ホース22又は放出管23の接続は、粉末消火剤Bの真空充填を終了し底蓋5を消火剤充填口4に装着した後に行われる。
【0025】
この実施例の場合においても上記ガス放出管13にはピール管15を装着するに代えて、図3に示すようにガス放出管13の最先端の開口部13bに、ガス放出管13に導入される加圧ガス圧で破裂する封板27を、消火剤放出口部11に対する封板20の取付け要領と同じくリング状の封板取付具21で保持リング27aを介して取り付けるものであってもよい。
【0026】
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、粉末消火剤を加圧ガス導入管及び消火剤放出管に吸込み詰まらせるような弊害なく真空充填できて、粉末消火剤の迅速な充填の実現化を図れるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の粉末貯蔵タンクの概略縦断正面図である。
【図2】 第1実施例の粉末貯蔵タンクの底部構造を示す断面図である。
【図3】 第1実施例の粉末貯蔵タンクのガス放出管の先端部の変形例を示す断面図である。
【図4】 第2実施例の粉末貯蔵タンクの底部構造を示す断面図である。
【図5】 従来例の粉末貯蔵タンクの概略縦断正面図である。
【符号の説明】
1 タンク本体
4 消火剤充填口
5 底蓋
6 蓋本体
7 座板
10 加圧ガス導入口部
11 消火剤放出口部
13 ガス放出管
14 ガス放出孔
15 ピール管
20,27 封板
Claims (4)
- タンク本体の底部に消火剤充填口を設け、この消火剤充填口を、加圧ガス導入口部と消火剤放出口部を備えた底蓋で塞いでおり、
前記底蓋が、前記加圧ガス導入口部および消火剤放出口部を有する蓋本体と、この蓋本体の底側外周から張出しており格納箱の内底板に固定される座板とを備えていることを特徴とする移動式粉末消火設備用の粉末貯蔵タンク。 - 前記消火剤放出口部のタンク本体内に臨む内側開口端は、加圧ガスによりタンク本体内が加圧されたときに該タンク本体の内圧で破裂する封板で封口している請求項1に記載の移動式粉末消火設備用の粉末貯蔵タンク。
- 前記加圧ガス導入口部のタンク本体内に臨む内側開口端は、該加圧ガス導入口部内に導入される加圧ガス圧により破裂する封板で封口している請求項1又は2に記載の移動式粉末消火設備用の粉末貯蔵タンク。
- 前記加圧ガス導入口部のタンク本体内に臨む内側開口端に、最先端部が閉塞されて周壁に一個もしくは二個以上のガス放出孔を有するガス放出管を固定するとともに、該ガス放出管のガス放出孔を有する周壁の外周に、ピール管を前記ガス放出孔を覆うように嵌着している請求項1又は2に記載の移動式粉末消火設備用の粉末貯蔵タンク。
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