(実施の形態1)
図1は、携帯電話装置20のブロック図である。図1において、携帯電話装置20は、テレビ用アンテナ21からのテレビ放送信号(VHF放送信号、UHF放送信号)を受信する電子チューナ22と、携帯電話用アンテナ24に接続される携帯電話23とから構成されている。
最初に、電子チューナ22について以下説明する。この電子チューナ22は、テレビ用アンテナ21に接続されるテレビ用入力端子25と、このテレビ用入力端子25に接続されるとともに電流値の制御可能な電流制御用入力26aが設けられた高周波増幅器26と、この高周波増幅器26の出力が接続されるとともにテレビ放送信号以外の信号を抑圧する第1のフィルタ27と、この第1のフィルタ27の出力が接続されるとともに利得制御の可能な利得制御用入力29aが設けられた高周波増幅器29と、この高周波増幅器29の出力が一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器30の出力が接続された混合器32と、この混合器32の出力が接続されるとともに中間周波信号を通過させるフィルタ33と、このフィルタ33の出力が接続されたテレビ用復調回路34と、このテレビ用復調回路34から出力されたTS(トランスポートストリーム)信号が供給されるテレビ用出力端子35と、発振器30をPLL制御するPLL制御回路36と、携帯電話23の送信信号の一部が供給される送信信号用入力端子22aと、この送信信号用入力端子22aからの送信信号が入力端子40aから供給されるとともにこの送信信号を検出する検出回路40と、この検出回路40の出力端子40bと電流制御用入力26aの間に接続されるとともに高周波増幅器26の電流値を制御する電流制御回路41とから構成されている。
ここで、電流制御部42は、検出回路40と、電流制御回路41とから構成されている。また、混合器32の出力は利得制御回路44の入力に接続されている。この利得制御回路44の出力は利得制御用入力29aに接続されている。
このように構成された電子チューナ22の動作について以下説明する。アンテナ21で受信したテレビ放送信号は、高周波増幅器26に入力される。この高周波増幅器26からの出力信号は、携帯電話から出力される送信信号を抑圧する第1のフィルタ27に入力される。
この第1のフィルタ27からの出力信号は、高周波増幅器29により利得制御された後、混合器32の一方の入力に供給され、他方の入力には発振器30の出力信号が供給されている。
この混合器32から出力される例えば57MHzの中間周波信号は、フィルタ33により希望信号以外の妨害信号が抑圧される。また、発振器30はPLL制御回路36から出力される制御信号により周波数が制御されている。
さらに、利得制御回路44から出力される利得制御電圧は、高周波増幅器29の利得制御用入力29aに供給される。これにより、混合器32の出力信号が一定のレベルになるように利得制御される。
なお、利得制御回路44への入力は、フィルタ33の出力を供給してもよい。この場合、フィルタ33により送信信号や隣接チャンネル等の妨害信号を抑圧できるので、これら妨害信号による利得制御への影響を少なくできる。
そして、混合器32の出力信号は、フィルタ33により妨害信号が十分に抑圧されたのち、テレビ用復調回路34に入力される。このテレビ用復調回路34から出力されるTS信号は、テレビ用出力端子35から出力される。
以上のように、テレビ用入力端子25に入力されたテレビ放送信号は、高周波増幅器26において増幅され、高周波増幅器29において利得制御が行われ、混合器32により周波数が変換され、第1のフィルタ27、フィルタ33により送信信号或いは妨害信号が抑圧された信号がテレビ用復調回路34に入力される。そして、テレビ用復調回路34で復調されたTS信号がテレビ用出力端子35から出力される。
次に、携帯電話23について以下説明する。この携帯電話23は、携帯電話用アンテナ24が接続される入出力端子23aと、この入出力端子23aが入出力端子43aを介して接続される送受信回路43と、この送受信回路43の出力端子43bとテレビ用復調回路34のテレビ用出力端子35とがそれぞれ接続されるとともに入力信号を復号化する復号化回路46と、この復号化回路46からの映像出力、音声出力にそれぞれ接続される映像表示部47および音声出力部48と、音声・データ信号が入力される音声・データ入力部49と、この音声・データ入力部49と送受信回路43の入力端子43cとの間に接続されるとともに音声・データ信号を符号化する符号化回路50と、送受信回路43およびPLL制御回路36を制御する制御部52とから構成されている。
また、送受信回路43に設けられた送信信号の一部が出力される出力端子43dは、送信信号用入力端子22aに接続されている。
このように構成された携帯電話23の動作について以下説明する。制御部52からの制御信号により、携帯電話23が通話状態とされる。これにより、携帯電話23の送受信回路43から出力される送信信号は、携帯電話用アンテナ24から出力される。
図2は、携帯電話装置20におけるテレビ放送信号と送信信号の関係を表している。なお、横軸61は周波数(MHz)であり、縦軸62はレベル(dBm)である。
図2において、VHF放送信号65は、90MHz〜220MHzの帯域を有している。UHF放送信号66は、470MHz〜770MHzの帯域を有している。
携帯電話23の送受信回路43から出力される送信信号67、68、69は、例えば国内のPDC方式では入出力端子23aにおいて+28dBmのレベルになることもある。この入出力端子23aから出力される送信信号Vtxは、携帯電話用アンテナ24から出力され空中を伝播し、携帯電話用アンテナ24の近傍に設けられたテレビ受信用アンテナ21で受信されてしまう。
そして、送信信号68、69は、それぞれ異なる周波数帯を利用した携帯電話の送信回路から出力される信号の一例であり、それぞれ1.5GHzと1.9GHzの周波数である。これらの周波数は、UHF放送信号66の周波数から十分に離れているため、影響は少ない。
しかしながら、送信信号67は、UHF放送信号66に近い周波数の関係にある。しかも、テレビ用アンテナ21と携帯電話用アンテナ24は、小型化された携帯電話装置20に装着されているので、テレビ用アンテナ21と携帯電話用アンテナ24とは高周波的に十分な距離が確保できない。
このため、携帯電話用アンテナ24から出力される送信信号67、68、69のうち特に送信信号67は、空中を介してテレビ用アンテナ21で大きな妨害信号として受信されてしまう。ここで、携帯電話用アンテナ24からテレビ用アンテナ21までのアイソレーションVisoを例えば30dBと仮定する。
このテレビ用アンテナ21で受信される送信信号Vuは、(数1)より−2dBmとなる。
この送信信号Vuは、第1のフィルタ27、フィルタ33により抑圧された後に、テレビ用復調回路34に入力される。ところが、第1のフィルタ27では送信信号が十分に抑圧されていない。
この送信信号が、高周波増幅器26、29により増幅されて混合器32に入力されることになる。このため、混合器32では、送信信号による歪が最も発生しやすくなり、この送信信号Vuによって電子チューナ22の妨害性能がほとんど決定されてしまうことになる。
この混合器32における妨害を抑圧するためには、第1のフィルタ27の送信信号に対する抑圧が重要となる。この第1のフィルタ27の送信信号に対する所要抑圧比S1について以下、説明する。
混合器32の入力レベルV(P1dB)を−40dmとする。なお、V(P1dB)とは、入力信号レベルの増加に対して出力信号レベルが−1dBとなって出力信号レベルの飽和する入力信号レベルである。
この混合器32の前段に挿入された第1のフィルタ27における所要抑圧比S1は、(数2)より68dBとなり、およそ70dBとなる。なお、高周波増幅器26の電力利得1Gを+15dBとし、高周波増幅器29の電力利得G2を+15dBとしている。
ところが、この送信信号67は、UHF放送信号66の最上位のチャンネル(62ch)に非常に近接している。この送信信号67とUHF放送信号66の最上位のチャンネルとの間隔70は60MHzと近接している。
このような送信信号による妨害特性とフィルタの損失による受信感度の両性能を改善できる電子チューナ22について以下説明する。
最初に、受信感度を改善する方法について、図1を用いて説明する。すなわち、テレビ用入力端子25と第1のフィルタ27の間に優れた雑音指数および歪特性を有する中電力タイプの高周波増幅器26を挿入する。
このように、第1のフィルタ27の前に高周波増幅器26を挿入することにより、第1のフィルタ27による挿入損失を軽減することができる。すなわち、受信感度を改善することができる。
次に、図3(a)〜(c)、図4を用いて、高周波増幅器26の送信信号による妨害を改善する方法について説明する。
第1のフィルタ27よりテレビ用入力端子25側に挿入した高周波増幅器26では、使用中の携帯電話23の送信信号により妨害が発生してしまう。この妨害を改善するために、高周波増幅器26には、図3(a)〜(c)で表されるように優れた歪特性を有する中電力タイプの半導体素子を用いる。
図3(a)は、電流91に対する増幅度92を表し、従来例の高周波増幅器7(図13を参照)の増幅度7b、高周波増幅器26の増幅度26bをそれぞれ点線、実線で表している。
図3(b)は、電流91に対する雑音指数93を表し、従来例の高周波増幅器7の雑音指数7c、高周波増幅器26の雑音指数26cをそれぞれ点線、実線で表している。
図3(c)は、電流91に対するV(P1dB)94を表している。高周波増幅器7のV(P1dB)7dを点線で、高周波増幅器26のV(P1dB)26dを実線で表している。
図3(a)〜(c)において、高周波増幅器7は、最大定格が20mAの半導体素子であり、実際に使用する電流を電流値101(8mA)として用いている。特に、図3(c)に表されるように、高周波増幅器7では電流値101a(15mA)と大きくしてもV(P1dB)94aとなって改善度が小さい。
これに対して、高周波増幅器26では、最大定格が100mAであり、実際の使用する電流を電流値101(8mA)或いは電流値102(40mA)としてそれぞれ用いることができる。特に、電流値102(40mA)で用いた場合には、V(P1dB)94bと大幅に改善できる。
また、高周波増幅器26では、電流値102(40mA)での増幅度、雑音指数はともに、電流値101(8mA)での増幅度、雑音指数に比べて、劣化度がほとんどない。
図4は、この高周波増幅器26を用いた電子チューナ22において、テレビ用入力端子25から入力される送信信号レベル105に対する電子チューナ22の受信品質であるBER(ビットエラーレート)106を表している。
この高周波増幅器7を用いた電子チューナのBER107を点線で表し、高周波増幅器26を用いた電子チューナのBER108を実線で表している。
図4において、BER107(点線)では、送信信号レベル105aより大きい場合には、BERが劣化している。しかし、BER108(実線)では、送信信号レベル105aより大きい送信信号レベル105bであってもBERが劣化していない。
このように、高周波増幅器26に優れた歪特性を有する中電力タイプの半導体素子を用い、送信信号レベルが送信信号レベル105aより大きい場合には、電流制御部42により高周波増幅器26の電流を大きく設定する。これにより、高周波増幅器26では、雑音指数を損なうことなく、V(P1dB)を大幅に改善できる。このようにして、高周波増幅器26の歪を無くすことができる。
また、送信信号レベルが送信信号レベル105aより小さい場合には、高周波増幅器26の電流を小さくする。これにより、通話中でない場合には、消費電力を削減できる。
図5は、第1のフィルタ27の回路図である。この第1のフィルタ27には、一例として特定の周波数を取り除くノッチフィルタの形式を用いている。第1のフィルタ27は、入力端子27a、出力端子27bを有している。この入力端子27aから出力端子27bに向かって順に、インダクタ72aとコンデンサ72bとの並列接続体72と、インダクタ73aとコンデンサ73bとの並列接続体73とが直列に接続されている。さらに、並列接続体72、73との接続点とグランドとの間に、インダクタ75aとコンデンサ75bとの直列接続体75が接続されている。
ここで、並列接続体72、73の並列共振周波数および直列接続体75の直列共振周波数を、830MHz付近とし、この830MHz付近を減衰させている。
図6は、以上のように構成された第1のフィルタ27の周波数に対する選択特性81である。なお、横軸79は周波数(MHz)であり、縦軸80は減衰量(dB)である。
図6において、UHF放送信号66(図2)の最上位チャンネルである770MHzの周波数83までは、略平坦な特性を示している。そして、妨害信号としての送信信号67(図2)の存在する830MHzの周波数84では、約70dB以上の大きな減衰量を得ることができる。
このように構成された第1のフィルタ27を用いることにより、高周波増幅器29、混合器32における送信信号による妨害を抑圧することができる。
図7は、携帯電話23に用いられる送受信回路43の一例を表している。この送受信回路43は、入出力端子23aに接続された入出力端子43aと、復合化回路46に復合化信号を供給する出力端子43bと、符号化回路50からの信号が供給される入力端子43cと、送信信号の一部が出力される出力端子43dと、制御部52からの制御信号が供給される入力端子43eが設けられている。
そして、送受信回路43は、入出力端子43aに共通端子が接続されたアンテナスイッチ263と、このアンテナスイッチ263の一方の端子と出力端子43bとの間に接続された受信回路264と、入力端子43cとアンテナスイッチ263の他方の端子との間に接続された送信回路266と、入力端子43eからの制御信号が供給されるとともに受信回路264および送信回路266を制御する送受信用制御回路276とから構成されている。
送受信用制御回路276には、出力276a、276b、276c、276d、276eが設けられている。
出力276aから出力される電源電圧は、受信回路264に供給され、受信回路264は受信状態とされる。
出力276bから出力される電源電圧は、送信回路266に供給され、送信回路266は送信状態とされる。
出力276cから出力される制御電圧は、電力増幅器271の電源制御部(図示せず)の制御入力に供給され、この電力増幅器271は送信信号を増幅する状態とされる。なお、この出力276cから出力される制御電圧は、送受信用制御回路276以外の制御回路(図示せず)から出力してもよい。
出力276d、276eから出力される制御信号は、受信回路264内の発振器(図示せず)、発振器269(後述する)に供給され、それぞれの発振周波数を決定できる。
また、送信回路266は、入力端子43cが一方の入力に接続される混合器267と、この混合器267の他方の入力に接続される発振器269と、混合器267の出力が接続される電力増幅器271と、この電力増幅器271の出力とアンテナスイッチ263の他方の端子との間に接続される共振器273aと、この共振器273aに近接して配置することにより方向性結合器とした共振器273bと、この共振器273bの一端とグランド間に接続した50Ωの抵抗273cと、共振器273bの他端である出力273dと電力増幅器271の利得制御入力271aとの間に接続される利得制御回路274と、共振器273bの出力273dと出力43dとの間に接続された抵抗273eとから構成されている。
また、共振器273a、273b、抵抗273cにより方向性結合器273が構成されている。
なお、共振器273a、273bは、共に送信信号に対して略1/4波長の長さを有している。
さらに、抵抗273eは、出力端子43dと検出回路40の入力端子40aとの間に挿入してもよい。
このように構成された送受信回路43の動作について、図7を用いて説明する。図7において、送受信回路43は入力端子43eからの制御信号により、送信状態或いは受信状態とされ、また受信信号の周波数或いは送信信号の周波数が決定される。
例えば、受信状態では、入出力端子43aからの受信信号は、受信回路264により復号化され、出力端子43bから出力される。
また、送信状態では、入力端子43cからの符号化信号は、混合器267の一方の入力に供給される。この混合器267の他方の入力には発振器269の発振信号が供給されている。
この混合器267から出力される高い周波数とされた送信信号は、電力増幅器271に入力される。この電力増幅器271から出力される送信信号は、方向性結合器273に入力される。この方向性結合器273から出力される送信信号は、アンテナスイッチ263を介して入出力端子43aから出力される。
また、方向性結合器273の出力273dからは、入力された送信信号の一部が抽出される。この抽出された送信信号は、利得制御回路274の入力に供給されている。この利得制御回路274の出力信号は、電力増幅器271の利得制御入力271aに入力されている。これにより、電力増幅器271は、一定の出力レベルとなるように利得制御される。
この電力増幅器271から出力される送信信号は、方向性結合器273に入力される。この方向性結合器273の出力273dからは、送信信号の一部が出力され、出力端子43dから出力される。この出力273dから出力される送信信号の一部は、抵抗273eを介して出力端子43dに供給されている。この出力端子43dは、例えばプリントパターンにより電流制御部42の検出回路40の入力端子40aに配線されている。
このプリントパターンは、等価インダクタンスとグランド間に生じる等価容量を有しているので、周波数に対するインピーダンス変動を有することになる。このインピーダンス変動は、例えば4.7Ω〜100Ωの抵抗値を有する抵抗273eにより防止することができる。
この抵抗273eは、方向性結合器273の出力273dと検出回路40の入力端子40aとの間の周波数によるインピーダンス変動を抑圧できる。従って、送信回路266の出力端子43dからは、均一レベルの送信電力が出力される。
この出力端子43dから出力される送信信号が電流制御部42に入力される。この電流制御部42における動作について、図8、図9(a)、図9(b)を用いて以下説明する。
図8は、検出回路40の一例である検出回路140の回路図である。この検出回路140には、入力端子40aと出力端子40bが設けられている。入力端子40aと出力端子40bとの間には、抵抗140aが接続されている。
また、入力端子40aとグランドとの間には、カソードが入力端子40a側となるように検波器140bが接続されている。出力端子40bとグランドとの間には、コンデンサ140cが接続されている。
この検出回路140の入力端子40aに供給された送信信号は、検波器140bにより検波される。この検波された電圧は、抵抗140aとコンデンサ140cとからなる積分回路により電圧が平均化される。この平均化された信号が出力端子40bを介して電流制御回路41に供給される。
例えば、携帯電話23からの送信信号が存在する場合には、この送信信号が検波器140bにより検波されてコンデンサ140cの充電電圧が大きくなる。この大きな充電電圧が入力される電流制御回路41により、高周波増幅器26の電流値が大きく設定される。
また、携帯電話23からの送信信号が存在しないか、或いは小さい場合には、コンデンサ140cの充電電圧が小さくなる。この小さな充電電圧が入力される電流制御回路41により、高周波増幅器26の電流値が小さく設定される。
以上のようにして、携帯電話23からの送信信号を検出した場合には、電流制御部42により高周波増幅器26の電流を大きくする。これにより、携帯電話23で通話中であっても、テレビ受信が可能となる。また、携帯電話23からの送信信号がないあるいは小さい場合には、高周波増幅器26の電流を小さくする。これにより、通話中で無い場合には、消費電力を削減できる。また、携帯電話23を使用しない場合には、電流制御部42が、高周波増幅器26の電流を小さくする。これにより、消費電力を削減できる。
図9(a)は、検出回路40に入力される送信信号であるバースト信号113のタイムチャートである。
図9(a)において、GSM方式の送信信号であるバースト信号113は、信号113aの次に信号113bが存在し、さらに同様の信号が連続して送られてくる。
この信号113aの開始のタイム110aから信号113bの開始のタイム110bまでの期間110cは、例えば4600usecである。さらに、信号113aの開始のタイム110aから終了するタイム110dまでの期間111eは、例えば570usecである。
この信号113aは、タイム110aには出力レベル111aとなり、タイム110fにおいて出力レベル111bとさらに大きくなり、タイム110gにおいて最終の出力レベル111cとなるように段階的に設定されている。この段階的に設定された信号113aは、信号113b、或いはこの信号113bに続く信号においても同様である。
このように、信号113a、113bの出力レベルは段階的に設定されている。この理由は、以下のようである。すなわち、送受信回路43に設けられた送信回路の電力増幅器が多段に構成されており、これら多段の電力増幅器の動作が順番に開始されるように制御されているからである。
これにより、送受信回路43内にある電力増幅器による発振器への急激な負荷変動を抑えることができる。従って、この発振器の発振器周波数の変動を小さくすることができる。
図9(b)は、電流制御回路41から出力される電流制御信号114のタイムチャートである。
図9(b)において、電流制御信号114a、114bは、バースト信号113a、113bにそれぞれ対応して、短時間に立ち上げ、あるいは立ち下げることが必要である。この短時間での立ち上げは、高周波増幅器26における送信信号による歪を改善でき、また短時間での立ち下げは、高周波増幅器26における消費電力の低減が可能となる。
このため、電流制御信号114aの立ち上げるタイム110hは、バースト信号113aのタイム110aからタイム110fまでの期間110j内に設定している。この関係は、電流制御信号114bとバースト信号113bについても同様である。なお、タイム110aからタイム110hまでの期間を期間110iとしている。
例えば、期間110jが10usecであれば、期間110iは、10usec以下に設定する必要がある。このため、例えばコンデンサ140cの容量値を10nFとし、抵抗140aの抵抗値を500Ωとする。
この期間110iは、(数3)で表されるように、抵抗140aの抵抗値Rとコンデンサ140cの容量値Cによる時定数C*Rによりほぼ決定される。これにより、期間110iを略5usecとできる。
さらに、信号113a、113b以外の信号の無い時間においては、コンデンサ140cの充電電圧が電流制御回路41の負荷により短時間に放電されることになる。
なお、この電流制御信号114aにおける期間110iと期間110jの関係は、電流制御信号114bにおいても同様である。
このようにして、電流制御信号114aの立ち上がりタイム110hは、最初に立ち上がる出力レベル111aを検出し、バースト信号113aの立ち上がり期間110j内に立ち上げることができる。また、電流制御信号114aの立ち上がりタイム110mは、バースト信号113aの立ち上がりタイム110dにより決定される。
この電流制御信号114aを用いて高周波増幅器26の電流値を大きく設定できる。従って、高周波増幅器26の送信信号による歪を抑圧することができる。
これは、バースト信号113bに対応した電流制御信号114bにおいても同様であり、電流制御信号114bの立ち上がりタイム110kは、バースト信号113bの最初の立ち上がり期間110j内に立ち上げることができる。
このようにして、電流制御部42からの電流制御信号を用いて、送信信号のある期間111eに対応させて期間111nでは、高周波増幅器26の電流値を40mAと大きくし、送信信号の無い期間111fに対応させて期間111pでは、高周波増幅器26の電流値を8mAと小さく設定することができる。
なお、期間111pは、電流制御信号114aの立ち下がりタイム110mから電流制御信号114bの立ち上がりタイム110kまでの時間としている。
さらに、電流制御信号114aの立ち上がりタイム110hは、信号113aの立ち上がりタイム110gより以前としてもよい。
以上のように、携帯電話23からの送信信号であるバースト信号113a、113bが検出回路140により検出される。この検出された信号が入力される電流制御部42により、高周波増幅器26の電流が大きく設定される。これにより、高周波増幅器26では、送信信号による歪を抑圧することができるので、携帯電話23で通話中であっても、高品質なテレビ受信が可能となる。
また、送信信号がないか、或いは小さい場合には、電流制御部42により、高周波増幅器26の電流が小さく設定される。従って、通話中で無い場合には、消費電力を大幅に削減することができる。
さらに、テレビ用入力端子25と第1のフィルタ27との間には、高周波増幅器26を挿入している。このため、第1のフィルタ27による信号損失が発生しないため、受信感度の劣化を改善できる。
なお、検出回路140の出力端子40bから出力される検出信号のレベルは、バースト信号113の大きさに依存して大きくなる。この検出信号の大きさに応じて電流制御回路41により高周波増幅器26の電流値を制御することができる。このように、バースト信号レベルに応じて高周波増幅器26の電流値を最適化できるので、電流を効率的に制御できる。
さらに、テレビ用入力端子25と高周波増幅器26の間に第2のフィルタ120(図示せず)を挿入してもよい。この第2のフィルタ120は、送信信号を20〜30dB抑圧できるものとし、第1のフィルタ27の送信信号に対する抑圧量より小さく設定して用いることができる。
例えば、携帯電話装置のさらなる小型化が進むと、携帯電話用アンテナ24からテレビ用アンテナ21までのアイソレーションVisoがますます劣化することになる。この場合においても、第2のフィルタ120により送信信号を20〜30dB抑圧できる。従って、受信感度が損なわれることなく、さらなる小型化サイズの携帯電話装置を実現できる。
さらになお、検出回路40或いは電流制御部42は、携帯電話23に内蔵してもよい。これにより、送信信号は、電子チューナ22内に漏洩することがないので、送信信号による妨害が発生しない。
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2における携帯電話装置320のブロック図である。また、図11は、携帯電話装置320に内蔵された携帯電話323の送受信回路343の一例を表している。
実施の形態1では、電流制御回路41に入力される検出信号は、検出回路40の出力端子40bから供給されていた。
これに対して、本実施の形態における携帯電話装置320では、図11に示すように電流制御回路41の入力に対して、送受信用制御回路276の出力276bから出力される電源電圧が直接供給されている点が異なる。この出力276bからの電源電圧は、送信回路366を動作状態とできる。
この送信回路366に供給される電源電圧を用いて、高周波増幅器26の電流を制御することができる。このため、携帯電話323からの送信信号の引き回しによる妨害を受けることがない、かつ配線が容易である、という特徴を有するものである。
なお、実施の形態1と同じものについては同符号を付して説明を簡略化している。
図10において、携帯電話装置320は、電子チューナ322と、携帯電話323とから構成されている。電子チューナ322では、高周波増幅器26の電流制御用入力26aと入力端子222aとの間には、電流制御回路41が接続されている。
図11は、図10の携帯電話323に用いられる送受信回路343の一例を表している。この送受信回路343には、入出力端子23aに接続された入出力端子243aと、復号化回路46に復号化信号を供給する出力端子243bと、符号化回路50からの信号が供給される入力端子243cと、送受信用制御回路276に接続されるとともに制御信号が供給される入力端子243eと、送受信用制御回路276の出力276bに接続された出力端子343aとが設けられている。
そして、送受信回路343は、入出力端子243aに共通端子が接続されたアンテナスイッチ263と、このアンテナスイッチ263の一方の端子と出力端子243bとの間に接続された受信回路264と、入力端子243cとアンテナスイッチ263の他方の端子との間に接続された送信回路366と、入力端子243eからの制御信号が供給されるとともに受信回路264および送信回路366を制御する送受信用制御回路276とから構成されている。
送受信用制御回路276には、出力276a、276b、276c、276d、276eが設けられている。
出力276aから出力される電源電圧は、受信回路264に供給され、受信回路264は受信状態とされる。
出力276bから出力される電源電圧は、送信回路366に供給され、送信回路366は送信状態とされる。
出力276cから出力される制御電圧は、電力増幅器271に供給され、この電力増幅器271は送信信号を増幅する状態とされる。なお、この出力276cから出力される制御電圧は、送受信用制御回路276以外の制御回路(図示せず)から出力してもよい。
出力276d、276eから出力される制御信号は、受信回路264内の発振器(図示せず)、発振器269(後述する)に供給され、それぞれの発振周波数が決定される。
また、送信回路366は、入力端子243cが一方の入力に接続される混合器267と、この混合器267の他方の入力に接続される発振器269と、混合器267の出力が接続される電力増幅器271と、この電力増幅器271の出力とアンテナスイッチ263の他方の端子との間に接続される共振器273aと、この共振器273aに近接して配置することにより方向性結合器とした共振器273bと、この共振器273bの一端とグランド間に接続した50Ωの抵抗273cと、共振器273bの他端である出力273dと電力増幅器271の利得制御入力271aとの間に接続される利得制御回路274と、共振器273bの出力273dと出力端子43dとの間に接続された抵抗273eとから構成されている。
また、共振器273a、273b、抵抗273cにより方向性結合器273が構成されている。
なお、共振器273a、273bは、共に送信信号に対して略1/4波長の長さを有している。
この送受信回路343において、入力端子243eからの制御信号は、送受信用制御回路276に供給される。この送受信用制御回路276の出力276bから出力される電源電圧は、送信回路366の電源入力および出力端子343aに供給される。なお、この出力端子343aには、出力276bの代わりに出力276cを接続してもよい。
この出力端子343aからの電源電圧は、電流制御回路41に供給される。この電流制御回路41の出力は、高周波増幅器26の電流制御用入力26aに供給される。
この場合、図9に示した実施の形態2における電流制御信号114aの立ち上がりのタイム110hは、バースト信号113aの立ち上がりのタイム110aにほぼ一致し、立ち下がりのタイム110mは、バースト信号113aの立ち上がりのタイム110aにほぼ一致する。電流制御信号114bとバースト信号113bについても同様である。
以上のようにして、送受信用制御回路276の出力276bからの電源電圧により、送信回路366が送信状態とされ、送信信号が出力される。同時に、この出力276bからの電源電圧は、電流制御回路41を介して高周波増幅器26の電流制御用入力26aに入力され、高周波増幅器26の電流値を大きく設定する。
これにより、携帯電話323が通話中であっても、高周波増幅器26は、送信信号により歪が発生することがないので、高品質なテレビ受信が可能となる。
また、送信信号がないか、或いは小さい場合には、高周波増幅器26の電流を小さくする。これにより、通話中で無い場合には、消費電力を削減できる。
このように構成された携帯電話装置320もやはり、実施の形態1で述べた携帯電話装置20と同様の効果を奏するものである。
なお、電流制御回路41は、携帯電話323に内蔵しても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図12は、実施の形態3における携帯電話装置420のブロック図を表している。
実施の形態1では、電流制御部42に入力される送信信号は、送受信回路43の出力端子43dから送信信号用入力端子22aを介して供給されていた。
これに対して、本実施の形態では、送信信号用入力端子22aには、ピックアップ用アンテナ421を設けている。このピックアップ用アンテナ421により、送受信回路43から出力される送信信号の一部を受信して用いることができる。
なお、実施の形態1と同じものについては同符号を付して説明を簡略化している。
図12において、携帯電話装置420は、電子チューナ22と、携帯電話23とから構成されている。電子チューナ22の送信信号用入力端子22aには、送信信号の一部を受信できるピックアップ用アンテナ421が接続されている。
このピックアップ用アンテナ421には、プリントパターン、マイクロストリップライン等を用いることができる。
また、ピックアップ用アンテナ421は、携帯用アンテナ24から出力される送信信号の一部を受信するために設けられるのである。このピックアップ用アンテナ421は、小型でありながら、送信信号に対する受信感度を上げることが要求される。
このピックアップ用アンテナ421の小型化と受信感度の両立は、以下の方法により実現できる。
例えば、ピックアップ用アンテナ421の一部は、送信信号を出力する携帯用アンテナ24に対して少なくとも一部を平行にして配置される。これにより、ピックアップ用アンテナ421は、携帯用アンテナ24からの送信信号を安定して受信することができる。
また例えば、ピックアップ用アンテナ421は、テレビ用アンテナ21よりも携帯用アンテナ24に近接して配置する。これにより、ピックアップ用アンテナ421は、携帯用アンテナ24からの送信信号を感度よく受信できる。
さらに例えば、ピックアップ用アンテナ421の長さは、送信信号の波長の略1/4に設定する。これにより、ピックアップ用アンテナ421は、携帯用アンテナ24からの送信信号を感度よく受信できる。また、この受信レベルは、ピックアップ用アンテナ421の長さを短くすることにより、小さくして最適化することができる。
以上のようにして、携帯電話23が通話中の場合には、送信信号の一部がピックアップ用アンテナ421により受信され、検出回路40により検波される。この検波された電圧は、電流制御回路41を介して高周波増幅器26の電流制御用入力26aに入力され、高周波増幅器26の電流値を大きく設定する。
これにより、携帯電話23が通話中であっても、高周波増幅器26は、送信信号により歪が発生することがないので、高品質なテレビ受信が可能となる。
また、送信信号がないか、或いは小さい場合には、高周波増幅器26の電流を小さくする。これにより、通話中で無い場合には、消費電力を削減できる。
このように構成された携帯電話装置420もやはり、実施の形態1で述べた携帯電話装置20と同様の効果を奏するものである。