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JP4472044B2 - 重合体凝集物の製造方法 - Google Patents
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JP4472044B2 - 重合体凝集物の製造方法 - Google Patents

重合体凝集物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は乳化重合により得られる重合体ラテックスから重合体凝集物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
乳化重合により得られる重合体のラテックスから重合体を回収するには、一般に、重合体を数十〜数百μmの大きさに凝集または凝固させ、洗浄、脱水、乾燥の工程を経て重合体を粉体として回収するという方法がとられている。
ラテックス中に含まれる重合体を凝集または凝固させる方法の1つとして、凍結融解法が知られている。この方法では、重合体ラテックスは凍結後、融解され、この操作により重合体凝集物のスラリーが形成される。このスラリーの水系中には乳化重合時に使用した乳化剤の一部が存在するため、攪拌などにより泡立ちが生じ、重合体凝集物が浮上してしまうことがある。重合体凝集物が浮上すると、未浮遊の重合体凝集物の回収に支障を来たし、生産性および工程通過性を著しく阻害するばかりでなく、重合体の洗浄効果が低下して不純物を含有しやすくなり、品質を高いレベルで維持することが困難になるので、好ましくない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、乳化重合により得られる重合体ラテックスを凍結、融解させて重合体を凝集するに際し、従来の方法では解決できなかったスラリー中の重合体凝集物が浮上するといった問題を解決することにより、重合体凝集物の回収に際する生産性および工程通過性を向上させ、さらに良好な品質の重合体凝集物を得る方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような現状に鑑み鋭意検討した結果、
乳化重合により得られる重合体ラテックスを凍結させ、凍結後の重合体ラテックスを融解させて重合体凝集物を含有するスラリーを得るとともに、その融解の際に重合体の重量に対して0.01〜1重量%のアルカリ土類金属塩および0.01〜1重量%のシリコーン系消泡剤またはノニオン系界面活性剤からなる消泡剤を添加し、スラリーの温度を20℃〜95℃に保ち、次いで脱水することを特徴とする重合体凝集物の製造方法であって、重合体ラテックスが、
(1)主としてアクリル酸アルキルエステルの重合体からなる1層以上のゴム層を有し、主としてメタクリル酸アルキルエステルの重合体からなる1層以上の樹脂層を最外層に有する多層構造グラフト重合体を含有するラテックス;
(2)主としてジエン系ビニル化合物の重合体からなる1層以上のゴム層を有し、主としてメタクリル酸アルキルエステルの重合体からなる1層以上の樹脂層を最外層に有する多層構造グラフト重合体を含有するラテックス;および
(3)主としてメタクリル酸アルキルエステルの重合体からなるラテックス;
から選ばれる1種のラテックスまたは2種以上の混合ラテックスである、重合体凝集物の製造方法
で、スラリー中の重合体凝集物の浮上を抑え、しかも重合体の品質を損なうことなく重合体凝集物が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明は、乳化重合により得られる0.01〜1μmの粒子径を有する微細な重合体が分散したラテックスに適用できる。
本発明の方法が適用される重合体のラテックスは、常温において固体の性質を有する重合体が分散したラテックスであり、具体的には、以下に例示する単量体から選ばれる一種または2種以上を単独重合、共重合またはグラフト重合して得られる重合体が分散したラテックス、またはその混合ラテックスが挙げられる。前記単量体の例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル等のメタクリル酸エステル;スチレン、モノクロスチレン、ジクロロスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド等のN−置換マレイミド化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸;エチレン、プロピレン、イソプレン、1,3−ブタジエン等のアルケン;クロロプレン、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、モノエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、グリシジル(メタ)アクリレート等の多官能性単量体などが挙げられる。
【0006】
本発明の方法を、以下に示すような透明性に優れた重合体を含むラテックスに応用すると、光学的特性の極めて優れた重合体を得ることができることから、推奨される。
(1)主としてアクリル酸アルキルエステルの重合体からなる1層以上のゴム層を有し、主としてメタクリル酸アルキルエステルの重合体からなる1層以上の樹脂層を最外層に有する多層構造グラフト重合体を含有するラテックス。(2)主としてジエン系ビニル化合物の重合体からなる1層以上のゴム層を有し、主としてメタクリル酸アルキルエステルの重合体からなる1層以上の樹脂層を最外層に有する多層構造グラフト重合体を含有するラテックス。(3)主としてメタクリル酸アルキルエステルの重合体からなるラテックス。(1)〜(3)の任意の混合ラテックス。
【0007】
本発明において、ラテックスを得るために乳化重合に際し使用される重合開始剤、乳化剤、連鎖移動剤等の種類および量、重合温度、単量体の滴下方法などの乳化重合条件については特に制限はなく、従来から広く採用されている乳化重合条件を用いることができる。
【0008】
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウムなどの無機過酸化物、過硫酸アンモニウム−酸性亜硫酸ナトリウムなどの水溶性レドックス系開始剤、クメンハイドロパーオキサイド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートなどの油溶性レドックス開始剤を使用することができる。
【0009】
乳化剤としては、ステアリン酸ナトリウム等のカルボン酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類またはその塩類、ラウロイルザルコシン酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウム等の有機および無機酸のエステル塩類などのアニオン系界面活性剤を好ましく使用することができるが、必要に応じてカチオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤を併用することができる。
【0010】
また、必要に応じて用いられる連鎖移動剤としては、n−オクチルメルカプタン等のメルカプタン類を挙げることができる。さらに、所望であれば、紫外線吸収剤や染料等の公知の添加剤を単量体に添加して乳化重合を行うこともできる。
ラテックスの固形分量は、通常10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%である。
【0011】
本発明においては、まず重合体のラテックスを任意の方法により凍結させる。その際の凍結条件およびその操作方法については特に制限はない。次いで、凍結状態のラテックスを融解させると、重合体凝集物を含有するスラリーが得られる。その際のスラリー中の重合体の固形分量は3〜50重量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜30重量%である。固形分量が3重量%未満では、生産性が低下して好ましくなく、一方、固形分量が50重量%を超えると、スラリー粘度が上昇してスラリーの取り扱い性が悪くなるため、好ましくない。
【0012】
凍結されたラテックスの融解は、通常、予め加温してある分散媒中に該ラテックスを投入することにより行われる。この目的に用いることのできる分散媒としては、脱イオン水が代表的なものとして挙げられる。
【0013】
本発明において金属塩および消泡剤は、重合体凝集物を含有するスラリーに直接添加しても、あるいは凍結されたラテックスを融解する際に用いられる分散媒に添加してもよく、重要はことは、最終的に得られる重合体凝集物を含有するスラリー中に金属塩および消泡剤が存在している状態になればよく、これにより重合体凝集物の浮上が抑えられるだけでなく、重合体の品質を損なうことなく重合体凝集物を得ることができる。
【0014】
本発明において用いられる金属塩は水溶性の塩であり、その例として、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸の金属塩;ぎ酸、酢酸、しゅう酸等の有機酸の金属塩が挙げられ、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム等を挙げることができる。金属塩として好ましいのは硫酸カルシウム、塩化カルシウムおよび硫酸マグネシウムであり、特に好ましいのは塩化カルシウムおよび硫酸マグネシウムである。これらの金属塩は単独で使用しても、または2種以上を併用してもよい。
【0015】
本発明において、金属塩の添加量は重合体の重量に対して0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。添加量が0.01重量%に満たないと、重合体凝集物の浮上を防止する効果が十分でなく好ましくない。また、添加量が1重量%を超えると、最終的に得られる重合体粉末に金属塩が多く残存することとなり、着色や耐温水白化性の低下を招くことが多くなるので、好ましくない。
本発明において使用される消泡剤は消泡機能を有するものであり、その例として、シリコーン系消泡剤やノニオン系界面活性剤などが挙げられる。消泡剤は単独で使用しても、または2種以上を併用してもよい。
【0016】
シリコーン系消泡剤とは、例えば「シリコーン消泡剤」、「シリコーン破泡剤」、「シリコーン不泡剤」または「シリコーン抑泡剤」などと称されるものであって、これらは一般的にポリジオルガノシロキサンとシリカを含有する。本発明において用いられるシリコーン系消泡剤には必ずしもポリジオルガノシロキサンおよびシリカが含有されている必要はなく、これら以外の成分を含有するシリコーン系消泡剤であっても使用可能である。
【0017】
シリコーン系消泡剤の形態としては、種々のものが公知であり、例えばシリコーンオイルよりなるもの、シリコーンオイルにカーボンブラック、アルミナ、コロイダルシカなどの無機微粉末を添加して粘稠なコンパウンドとしたもの(オイルコンパウンド)、オイルコンパウンドを有機溶剤に溶解させたもの、およびオイルコンパウンドを界面活性剤により水中油型のエマルジョンにしたものなどが知られている。本発明においてはこれら公知のいずれの形態のシリコーン系消泡剤であっても使用可能であるが、オイルコンパウンドを界面活性剤により水中油型のエマルジョンにしたタイプのものの使用が好適である。これらのシリコーン系消泡剤は単独で使用しても、または2種以上を混合して使用してもよい。
【0018】
本発明において用いられるノニオン性界面活性剤には、低HLBのノニオン性界面活性剤、およびプロピレンオキサイドを主成分とする重合体が包含される。
低HLBのノニオン性界面活性剤とは、HLBが10以下、好ましくは5以下のノニオン性界面活性剤であり、その具体例として、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタントリオレート、エチレンオキサイド付加モル数が5〜10であるポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。また、プロピレンオキサイドを主成分とする重合体の具体例としては、ポリオキシプロピレン重合体やプロピレンオキサイドにエチレンオキサイドを共重合させたポリオキシプロピレンポリオキシエチレン共重合体が挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤は単独で使用しても、または2種以上を混合して使用してもよい。
【0019】
本発明において、消泡剤の添加量はスラリー中の重合体の重量に対して0.01重量%〜1重量%であり、好ましくは0.05重量%〜0.5重量%である。添加量が0.01重量%に満たないと、重合体凝集物の浮上を防止する効果が十分でなく、好ましくない。また、添加量が1重量%を超えると、最終的に得られる重合体粉末に消泡剤が多く残存して重合体の特性の低下を招くことがあり、好ましくない。
本発明においてシリコーン系消泡剤とノニオン系界面活性剤はそれぞれ単独で使用しても、あるいは併用してもよい。
【0020】
本発明においてスラリーはその温度が20℃〜95℃に保たれていることが好ましく、更に好ましい温度は30℃〜90℃である。20℃未満では高分子粒子の凝集力が低下して、その後に実施される洗浄および脱水工程において凝集粒子の破砕が生じ易くなり好ましくない。スラリー温度が95℃を超えると、ブロッキングを生じやすくなり好ましくない。
【0021】
金属塩および消泡剤を含む重合体凝集物のスラリーは、次いで脱水処理される。脱水には、バケット型またはデカンター型の遠心分離器等を用いることができる。
脱水後のスラリーは乾燥され、重合体凝集物粉末を得る。乾燥には流動乾燥機、振動乾燥機、熱風乾燥機等を用いることができる。
【0022】
本発明により得られる重合体凝集物には、その使用目的に応じて、膠着防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、酸化防止剤、染料などの公知の添加剤を配合することができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例で用いた「部」および「%」はすべて「重量部」および「重量%」である。また、実施例および比較例における試験片の物性評価は以下の方法により行った。
粒子径の測定
大塚電子(株)製光散乱光度計DLS−600を用いて測定した。
(2)スラリーの性状
内容積500mlのメスシリンダーに凝集物を含有するスラリー300mlを入れ、ゴム栓で密栓した後、1秒間隔で180度回転させる作業を10回行った後静置した。5分経過後、浮上物体積Wf(ml)、上澄み液の体積Ww(ml)および沈降物の体積Wp(ml)を測定してスラリーの泡立ち性と沈降性を評価した。泡の体積が小さく、沈降物の体積が大きいほど、スラリー性状は良好である。
(3)粒度の測定
200gの重合体凝集物の粉体を標準ふるいにより分級し、重量平均粒径を平均粒度とした。
(4)耐温水白化性
射出成形で作成した厚さ3mmの平板を80℃の温水に6時間浸漬した後、室温の蒸留水に浸漬し、室温まで冷却したのち取り出し、ガーゼで表面の水分をふき取り温水浸漬後の光線透過率(可視光線:600nm)を測定した。
【0024】
実施例1〜および比較例1〜
[1]攪拌機、温度計、窒素ガス導入部、単量体導入管および還流冷却器を備えた反応器内に、脱イオン水150部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部および炭酸ナトリウム0.05部を仕込み、容器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素がない状態にした後、内温を80℃に設定した。そこに、過硫酸カリウム0.015部を投入し、5分間攪拌した後、メタクリル酸メチル14.67部、アクリル酸n−ブチル0.3部およびアリルメタクリレート0.03部からなる単量体混合物を20分かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行った。
[2]次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム0.03部を投入して5分間攪拌した後、 メタクリル酸メチル1.6部、アクリル酸n−ブチル27.9部およびアリルメタクリレート0.6部からなる単量体混合物を40分間かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行った。
[3]次に、同反応器内に、過硫酸カリウム0.055部を投入して5分間攪拌した後、 メタクリル酸メチル53.9部、アクリル酸n−ブチル1.1部およびn−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)0.5部を含む単量体混合物を100分間かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに60分間重合反応を行って、多層構造重合体1を含むラテックスを得た。粒子径は0.09μmであった。
【0025】
次に、得られた多層構造重合体1を含むラテックス10kgを−30℃のフリーザーで凍結させた。未凍結の部分はみられなかった。その後、攪拌機、温度計およびジャケットが付属した溶解槽に10kgの脱イオン水を仕込んだ。脱イオン水を80℃にまで昇温し、脱イオン水がその温度に達した段階でこれに表1に示した金属塩及び消泡剤を添加したのち、これに凍結させたラテックスを投入して溶解し、スラリーとした。さらに、このスラリーを80℃で10分間保持し熱処理を行った。さらにこのスラリーを少量抜き出し、ラテックスの性状を調べた。
引き続き、このスラリーを取り出し、遠心分離機にて脱水、洗浄を行った後、70℃の循環式乾燥機で乾燥した。得られた重合体凝集物の重量平均粒径を求めた。次いで、乾燥後の重合体凝集物を押出機で押し出してペレットにし、射出成形機で厚さ3mmの平板を成形し、温水白化のテストを行った。これらの結果を表1に示す。
【0026】
実施例4〜6、ならびに比較例4および5
[1]攪拌機、温度計、窒素ガス導入部、単量体導入管および還流冷却器を備えた反応器内に、脱イオン水150部、ステアリン酸ナトリウム3部および炭酸ナトリウム0.05部を仕込み、容器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素がない状態にした後、内温を80℃に設定した。そこに、過硫酸カリウム0.04部を投入し、5分間攪拌した後、メタクリル酸メチル11.2部、アクリル酸n−ブチル24部、スチレン4.6部およびアリルメタクリレート0.2部からなる単量体混合物を60分かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行った。
[2]次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム0.02部を投入して5分間攪拌した後、 メタクリル酸メチル0.8部、アクリル酸n−ブチル16部、スチレン3.1部、アリルメタクリレート0.1部からなる単量体混合物を30分間かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに30分間重合反応を行った。
[3]次に、同反応器内に、過硫酸カリウム0.04部を投入して5分間攪拌した後、 メタクリル酸メチル37.7部、アクリル酸n−ブチル2部およびn−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)0.3部を含む単量体混合物を100分間かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに60分間重合反応を行って、多層構造重合体IIを含むラテックスを得た。粒子径は0.12μmであった。
【0027】
次に、得られた多層構造重合体IIを含むラテックス10kgを−30℃のフリーザーで凍結させた。未凍結の部分はみられなかった。その後、攪拌機、温度計およびジャケットが付属した溶解槽に10kgの脱イオン水を仕込んだ。脱イオン水を40℃まで昇温し、脱イオン水がこの温度に達した段階で表2に示した金属塩及び消泡剤を添加したのち、これに凍結させたラテックスを投入し溶解し、スラリーとした。さらに、このスラリーを40℃で10分間保持し熱処理を行った。さらにこのスラリーを少量抜き出し、ラテックス性状を調べた。
【0028】
引き続き、このスラリーを取り出し、遠心分離機にて脱水、洗浄を行った後、40℃の循環式乾燥機で乾燥した。得られた重合体凝集物の重量平均粒径を求めた。次いで、乾燥後の重合体凝集物を押出機で押し出してペレットにし、射出成形機で厚さ3mmの平板を成形し、温水白化のテストを行った。これらの結果を表2に示す。
【0029】
実施例7〜9、ならびに比較例6および7
(1)多層構造重合体(III−1)ラテックスの製造
[1]攪拌機、温度計、窒素ガス導入部、単量体導入管および還流冷却器を備えた反応器内に、脱イオン水150部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム3部および炭酸ナトリウム0.05部を仕込み、容器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素がない状態にした後、内温を85℃に設定した。そこに、メタクリル酸メチル33部、アクリル酸メチル2部、アリルメタクリレート0.15部からなる単量体混合物および過硫酸カリウム0.035部を仕込んで60分間反応させて重合反応を完了した。
[2]次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム0.046部を投入して5分間攪拌した後、 アクリル酸n−ブチル36.5部、スチレン8.5部、アリルメタクリレート1部からなる単量体混合物を60分間かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに60分間重合反応を行った。
[3]次に、同反応器内に、過硫酸カリウム0.02部を投入して5分間攪拌した後、 メタクリル酸メチル19部、アクリル酸メチル1部およびn−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)0.05部を含む単量体混合物を40分間かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに60分間重合反応を行って、多層構造重合体(III−1)を含むラテックスを得た。粒子径は0.23μmであった。
【0030】
(2)硬質熱可塑性重合体(III−2)ラテックスの製造
[1]攪拌機、温度計、窒素ガス導入部、単量体導入管および還流冷却器を備えた反応器内に、脱イオン水200部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム4部および炭酸ナトリウム0.05部を仕込み、容器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素がない状態にした後、内温を80℃に設定した。そこに、メタクリル酸メチル18部、アクリル酸エチル2部、 n−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)0.05部からなる単量体混合物および過硫酸カリウム0.02部を仕込んで40分間反応させて重合反応を完了した。
[2]次いで、同反応器内に、過硫酸カリウム0.08部を投入して5分間攪拌した後、 メタクリル酸メチル72部、アクリル酸エチル8部からなる単量体混合物を90分間かけて連続的に滴下供給し、添加終了後、重合率が98%以上になるようにさらに60分間重合反応を行って、硬質熱可塑性重合体(III−2)を含むラテックスを得た。粒径は0.07μmであった。
このようにして得られた多層構造体ラテックス(III−1)と硬質熱可塑性重合体(III−2)ラテックスを重合体換算で多層構造体ラテックス(III−1)80部と硬質熱可塑性重合体(III−2)ラテックス20部をラテックス状態で均一に混合し、混合ラテックスを得た。
【0031】
次に、得られた混合ラテックス10kgを−30℃のフリーザーで凍結させた。未凍結の部分はみられなかった。その後、攪拌機、温度計およびジャケットが付属した溶解槽に10kgの脱イオン水を仕込んだ。脱イオン水を90℃まで昇温し、脱イオン水がその温度に達したら表3に示した金属塩及び消泡剤を添加し、凍結させたラテックスを投入して溶解し、スラリーとした。さらに、このスラリーを90℃で10分間保持し熱処理を行った。さらにこのスラリーを少量抜き出し、ラテックスの性状を調べた。
【0032】
続いて、このスラリーを取り出し、遠心分離機にて脱水、洗浄を行った後、80℃の循環式乾燥機で乾燥した。得られた重合体凝集物の重量平均粒径を求めた。次に、乾燥後の重合体凝集物を押出機で押し出してペレットにし、射出成形機で厚さ3mmの平板を成形し、温水白化のテストを行った。これらの結果を表3に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0004472044
【0034】
【表2】
Figure 0004472044
【0035】
【表3】
Figure 0004472044
【0036】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、乳化重合により得られる重合体ラテックスから凍結溶融法により重合体凝集物を回収するに際し、乳化剤が原因で発生する泡によって重合体凝集物が浮上するのを防止して、生産性および工程通過性を低下させることなく、品質の良好な重合体凝集物を製造することができる。

Claims (2)

  1. 乳化重合により得られる重合体ラテックスを凍結させ、凍結後の重合体ラテックスを融解させて重合体凝集物を含有するスラリーを得るとともに、その融解の際に重合体の重量に対して0.01〜1重量%のアルカリ土類金属塩および0.01〜1重量%のシリコーン系消泡剤またはノニオン系界面活性剤からなる消泡剤を添加し、スラリーの温度を20℃〜95℃に保ち、次いで脱水することを特徴とする重合体凝集物の製造方法であって、重合体ラテックスが、
    (1)主としてアクリル酸アルキルエステルの重合体からなる1層以上のゴム層を有し、主としてメタクリル酸アルキルエステルの重合体からなる1層以上の樹脂層を最外層に有する多層構造グラフト重合体を含有するラテックス;
    (2)主としてジエン系ビニル化合物の重合体からなる1層以上のゴム層を有し、主としてメタクリル酸アルキルエステルの重合体からなる1層以上の樹脂層を最外層に有する多層構造グラフト重合体を含有するラテックス;および
    (3)主としてメタクリル酸アルキルエステルの重合体からなるラテックス;
    から選ばれる1種のラテックスまたは2種以上の混合ラテックスである、重合体凝集物の製造方法
  2. 消泡剤がシリコーン系消泡剤である請求項1に記載の重合体凝集物の製造方法。
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