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JP4475987B2 - ホスホン酸エステル類の製造法 - Google Patents
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JP4475987B2 - ホスホン酸エステル類の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属抽出剤、可塑剤、難燃剤又はこれらの前駆体等として有用なホスホン酸エステル類の製造法に関する。
従来、有機リン化合物は有機合成上有用な試剤であり、種々の合成法が開発されている。例えば、アリールホスホン酸エステルの合成法として、ホスホン酸エステルと芳香族化合物とを、酸化剤として過剰のCAN(硝酸セリウム(IV)アンモニウム)を用いて反応させる方法が報告されている(非特許文献1参照)。この方法では、アリールホスホン酸エステルはホスホン酸エステルの芳香族化合物へのラジカル付加とそれに続く酸化・脱プロトン化により生成する。しかしながら、上記方法では、反応後、大量の塩の副生を避けることができない。
シンセシス(Synthesis)、1987年、第797頁
本発明の目的は、触媒的なラジカル反応により、亜リン酸エステル類のリン原子に、共役系化合物の共役構造を構成する原子が結合したホスホン酸エステル類を効率よく得る方法を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、周期表5〜9族元素化合物と酸素とを組み合わせると、酸素が酸化剤としてまた周期表5〜9族元素化合物が触媒として機能し、亜リン酸エステル類と共役系化合物とから対応するホスホン酸エステル類が効率よく生成することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 0004475987
(式中、Ra、Rbは、それぞれ水素原子又は炭化水素基を示す)
で表される亜リン酸エステル類と、下記式(3)
Figure 0004475987
(式中、R c 、R d 、R e 、R f 、R g 、R h は、それぞれ水素原子又は炭化水素基、複素環式基、置換オキシ基、置換オキシカルボニル基、カルボキシル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、アシル基から選択される1つを示す。但し、R c 、R d 、R e 、R f 、R g 、R h のうち少なくとも1つは水素原子である。R c 、R d 、R e 、R f 、R g 、R h は、それぞれ互いに結合して又は一体となって隣接する原子又は炭素鎖と共に芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい)
で表される化合物とを、マンガン化合物及び/又はコバルト化合物、及び酸素の存在下で反応させて、下記式(4)
Figure 0004475987
[式中、R 1 は下記式(2)
Figure 0004475987
(式中、R a 、R b は、それぞれ水素原子又は炭化水素基を示す)
で表されるホスホリル基又はR c を示し、R 2 は上記式(2)で表される基又はR d を示し、R 3 は上記式(2)で表される基又はR e を示し、R 4 は上記式(2)で表される基又はR f を示し、R 5 は上記式(2)で表される基又はR g を示し、R 6 は上記式(2)で表される基又はR h を示す。但し、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 のうち少なくとも1つは上記式(2)で表される基である。R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 は、それぞれ互いに結合して又は一体となって隣接する原子又は炭素鎖と共に芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい]
で表される化合物を生成させることを特徴とするホスホン酸エステル類の製造法を提供する。
尚、本明細書では、下記式(1)
Figure 0004475987
(式中、R a 、R b は、それぞれ水素原子又は有機基を示す)
で表される亜リン酸エステル類と、共役構造を構成する原子に水素原子が少なくとも1つ結合している共役系化合物とを、周期表5〜9族元素化合物触媒及び酸素の存在下で反応させて、共役系化合物の前記水素原子の少なくとも1つが下記式(2)
Figure 0004475987
(式中、R a 、R b は前記に同じ)
で表されるホスホリル基で置き換えられた対応するホスホン酸エステル類を生成させることを特徴とするホスホン酸エステル類の製造法についても説明する。
本発明の方法によれば、酸素と周期表5〜9族元素化合物とを用いた触媒的なラジカル反応により、亜リン酸エステル類のリン原子に、共役系化合物の共役構造を構成する原子が結合したホスホン酸エステル類を効率よく得ることができる。
[亜リン酸エステル類]
本発明において原料として用いられる式(1)で表される化合物(亜リン酸エステル類)には、分子内にホスホリル(V)基を有する広範な亜リン酸エステル類(ホスホン酸エステル類)が含まれる。なお、式(1)で表される亜リン酸エステル類には、亜リン酸も含まれる。
式(1)中、Ra、Rbにおける有機基としては、炭化水素基、複素環式基を好適に用いることができる。Ra、Rbの有機基における炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが複数個結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、アリル基などの炭素数1〜20(好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6)程度の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基)などが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル基などの炭素数3〜20(好ましくは炭素数3〜15)程度の脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基等)などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、ナフチル基などの炭素数6〜20程度の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
これらの炭化水素基は、種々の置換基、例えば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子)、オキソ基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換又は無置換カルバモイル基、ニトロ基、アシル基、シアノ基、アルキル基(例えば、メチル、エチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル基など)、複素環式基などを有していてもよい。前記保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
a、Rbの有機基における複素環式基を構成する複素環には、芳香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、フラン、テトラヒドロフラン、オキサゾール、イソオキサゾールなどの5員環、4−オキソ−4H−ピラン、テトラヒドロピラン、モルホリンなどの6員環、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、4−オキソ−4H−クロメン、クロマン、イソクロマンなどの縮合環など)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾールなどの5員環、4−オキソ−4H−チオピランなどの6員環、ベンゾチオフェンなどの縮合環など)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾールなどの5員環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジンなどの6員環、インドール、インドリン、キノリン、アクリジン、ナフチリジン、キナゾリン、プリンなどの縮合環など)などが挙げられる。これらの複素環式基は、置換基(例えば、前記炭化水素基が有していてもよい置換基と同様の基)を有していてもよい。
好ましいRa、Rbとしては、それぞれ、同一又は異なって、炭化水素基[例えば、C1-10脂肪族炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基などのC1-10アルキル基等)、脂環式炭化水素基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル基などのC3-15シクロアルキル基又はシクロアルケニル基等)、C6-14アリール基等]が挙げられる。
具体的には、前記式(1)で表される亜リン酸エステル類としては、亜リン酸エステル(ホスホン酸エステル)が好適である。亜リン酸エステルとしては、例えば、亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステルが含まれる。さらに具体的には、亜リン酸モノエステルの代表的な例としては、例えば、亜リン酸メチル、亜リン酸エチル、亜リン酸プロピル、亜リン酸イソプロピル、亜リン酸ブチル、亜リン酸イソブチル、亜リン酸s−ブチル、亜リン酸t−ブチル、亜リン酸ペンチル、亜リン酸ヘキシル、亜リン酸ヘプチル、亜リン酸オクチル、亜リン酸2−エチルヘキシル、亜リン酸ノニル、亜リン酸デシル、亜リン酸ウンデシル、亜リン酸ドデシル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸テトラデシル、亜リン酸ペンタデシル、亜リン酸ヘキサデシル、亜リン酸ヘプタデシル、亜リン酸オクタデシル、亜リン酸ノナデシルなどの亜リン酸モノアルキルエステル;亜リン酸シクロヘキシルなどの亜リン酸モノシクロアルキルエステル;亜リン酸フェニル、亜リン酸ナフチルなどの亜リン酸モノアリールエステルなどが挙げられる。
一方、亜リン酸ジエステルの代表的な例としては、例えば、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジイソブチル、亜リン酸ジs−ブチル、亜リン酸ジt−ブチル、亜リン酸ジペンチル、亜リン酸ジヘキシル、亜リン酸ジヘプチル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸ジ2−エチルヘキシル、亜リン酸ジノニル、亜リン酸ジデシル、亜リン酸ジウンデシル、亜リン酸ジドデシル、亜リン酸ジトリデシル、亜リン酸ジテトラデシル、亜リン酸ジペンタデシル、亜リン酸ジヘキサデシル、亜リン酸ジヘプタデシル、亜リン酸ジオクタデシル、亜リン酸ジノナデシルなどの亜リン酸ジアルキルエステル;亜リン酸ジシクロヘキシルなどの亜リン酸ジシクロアルキルエステル;亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジナフチルなどの亜リン酸ジアリールエステル;亜リン酸メチルフェニル、亜リン酸エチルフェニル、亜リン酸プロピルフェニル、亜リン酸ブチルフェニル、亜リン酸ペンチルフェニル、亜リン酸ヘキシルフェニル、亜リン酸ヘプチルフェニル、亜リン酸オクチルフェニル、亜リン酸2−エチルヘキシルフェニル、亜リン酸ノニルフェニル、亜リン酸デシルフェニル、亜リン酸ドデシルフェニル、亜リン酸テトラデシルフェニル、亜リン酸オクタデシルフェニルなどの亜リン酸アルキルアリールエステルの他、亜リン酸アルキルシクロアルキルエステル、亜リン酸シクロアルキルアリールエステルなどが挙げられる。
[共役系化合物]
共役系化合物としては、共役構造を構成する原子に水素原子が少なくとも1つ結合している化合物であれば特に限定されない。共役系化合物には、共役二重結合を有する化合物(2以上の炭素−炭素二重結合が単結合で結合した共役系を有する化合物)及び共役三重結合を有する化合物(2以上の炭素−炭素三重結合が単結合で結合した共役系を有する化合物、及び炭素−炭素三重結合と炭素−炭素二重結合とが単結合で結合した共役系を有する化合物)のほか、α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体(α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸アミド、α,β−不飽和ニトリルなど)、α,β−不飽和ケトン、α,β−不飽和アルデヒド、α,β−不飽和イミンなどが含まれる。共役二重結合を有する化合物としては、共役ジエン類やポリエン類、芳香族化合物(芳香族炭素環化合物、芳香族複素環化合物)が挙げられ、共役三重結合を有する化合物としては、ビニルアセチレン類やジアセチレン類等が挙げられる。
共役系化合物の代表的な例として、前記式(3)で表される化合物が挙げられる。式(3)中、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rhは、それぞれ水素原子又は有機基を示す。但し、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rhのうち少なくとも1つは水素原子である。
前記有機基としては、反応を損なわないような基であればよく、例えば、炭化水素基、複素環式基、ヒドロキシル基、メルカプト基、置換オキシ基、ハロゲン原子、N−置換又は無置換アミノ基、アシル基及び該アシル基におけるカルボニル基保護体、置換オキシカルボニル基、カルボキシル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、置換又は無置換イミノアルキル基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、ハロアルキル基などが例示できる。ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などは慣用の保護基で保護されていてもよい。
前記Rc等における炭化水素基には、前記Ra、Rbにおける炭化水素基と同様の炭化水素基(脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが複数個結合した基)が含まれる。これらのRc等における炭化水素基は、種々の置換基(例えば、前記Ra、Rbにおける炭化水素基が有していてもよい置換基と同様の基)を有していてもよい。
c等における複素環式基を構成する複素環には、前記Ra、Rbにおける複素環式基を構成する複素環と同様の複素環(芳香族性複素環及び非芳香族性複素環)が含まれる。これらのRc等における複素環式基は、置換基(例えば、前記Ra、Rbにおける炭化水素基が有していてもよい置換基と同様の基)を有していてもよい。
c等における置換オキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基などのアルコキシ基;アリルオキシ基などのアルケニルオキシ基;シクロヘキシルオキシ基などのシクロアルキルオキシ基;フェノキシ、ナフチルオキシ基などのアリールオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基;アセトキシ、プロピオニルオキシ、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基などが挙げられる。また、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が挙げられる。N−置換アミノ基には、例えば、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、ピペリジノ基などが含まれる。
また、アシル基及び該アシル基におけるカルボニル基保護体の代表的な例としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、(メタ)アクリロイル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、ベンゾイル、ナフトイル、ピリジルカルボニル基などの脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環式アシル基及びこれらのカルボニル基保護体が挙げられる。置換オキシカルボニル基には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ピリジルオキシカルボニル基などが含まれる。置換又は無置換カルバモイル基としては、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、1−ピロリジニルカルボニル、ピペリジノカルボニル等を例示できる。硫黄酸基には、例えば、スルホン酸基、スルフィン酸基などが含まれ、硫黄酸エステル基(スルホン酸エステル基、スルフィン酸エステル基)としては、例えば、スルホン酸メチル、スルホン酸エチル、スルフィン酸メチル、スルフィン酸エチル基などが挙げられる。ハロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基などが挙げられる。なお、アシル基の保護体としては、カルボニル基が慣用の保護基で保護された形態(例えば、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のアセタール体;S,S´−ジメチルジチオアセタールなどのジチオアセタール体など)が挙げられる。
c、Rd、Re、Rf、Rg、Rhは、それぞれ互いに結合して又は一体となって隣接する原子又は炭素鎖と共に芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。芳香族性の環としては、例えば、ベンゼン環などの芳香族炭素環;及びフラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環などの窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族複素環が挙げられる。非芳香族性の環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロオクタン環、シクロドデカン環、ノルボルネン環などの3〜20員程度の脂環式炭素環(シクロアルカン環、シクロアルケン環、橋かけ炭素環等);テトラヒドロフラン環、ピロリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホリン環などの窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を有する3〜20員程度の非芳香族性複素環が挙げられる。これらの環は置換基(例えば、前記Ra、Rbにおける有機基として例示した基、前記Ra、Rbにおける炭化水素基が有していてもよい置換基と同様の基など)を有していてもよく、また他の環(非芳香族性環又は芳香族性環)が縮合していてもよい。
cとRhが結合して又は一体となって隣接する炭素鎖とともに芳香族性の環を形成する場合には、式(3)で表される化合物は芳香族化合物(芳香族炭素環化合物又は芳香族複素環化合物)に該当する。
好ましいRc、Rd、Re、Rf、Rg、Rhには、水素原子、炭化水素基[例えば、C1-20脂肪族炭化水素基(特にC1-10脂肪族炭化水素基など)、C6-20アリール基(フェニル基、ナフチル基など)、シクロアルキル基(3〜8員程度のシクロアルキル基など)、ハロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基などのC1-6ハロアルキル基、特にC1-4ハロアルキル基)など]、複素環式基、置換オキシ基(例えば、C1-6アルコキシ基、C2-6アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、C7-15アラルキルオキシ基、C1-10アシルオキシ基など)、置換オキシカルボニル基(例えば、C1-6アルコキシ−カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基など)、カルボキシル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、アシル基などが含まれる。また、RcとRhが結合して又は一体となって隣接する炭素鎖とともに芳香族性の環を形成するのも好ましい。
式(3)で表される化合物の代表的な例として、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン等の共役ジエン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、アニソール、クロロベンゼン、アセトキシベンゼン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、安息香酸エチル、シアノベンゼン(ベンゾニトリル)、ニトロベンゼン、インダン、テトラリン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナレン、ナフトキノン、アントラキノン、フルオレノン、ビフェニル、スチレン、フェナントレン、C60(フラーレン)等の芳香族炭素環化合物;フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピコリン、キノリン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン等の芳香族複素環化合物が挙げられる。
[周期表5〜9族元素化合物触媒]
本発明では周期表5〜9族元素化合物を触媒として用いる。周期表5〜9族元素には、バナジウムV、ニオブNb、タンタルTa等の5族元素;クロムCr、モリブデンMo、タングステンW等の6族元素;マンガンMn、テクネチウムTc、レニウムRe等の7族元素;鉄Fe、ルテニウムRu、オスミウムOs等の8族元素;コバルトCo、ロジウムRh、イリジウムIr等の9族元素が含まれる。これらの中でも、マンガンMn等の7族元素が好ましい。また、好ましい元素には第4周期の金属元素(バナジウムV、クロムCr、マンガンMn、鉄Fe、コバルトCo)が含まれる。また、触媒としては1電子酸化において活性を示す金属元素化合物が好ましい。
周期表5〜9族元素化合物としては、前記金属元素の単体、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オキソ酸塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩など)、オキソ酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸などの無機化合物;有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩など)、錯体などの有機化合物が挙げられる。前記錯体を構成する配位子としては、OH(ヒドロキソ)、アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)、アシル(アセチル、プロピオニルなど)、アルコキシカルボニル(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、CO、CN、酸素原子、H2O(アコ)、ホスフィン(トリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィンなど)のリン化合物、NH3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、NO3(ニトラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合物などが挙げられる。
周期表5〜9族元素化合物の具体例としては、例えば、マンガン化合物を例にとると、水酸化マンガン、酸化マンガン、塩化マンガンや臭化マンガンなどのハロゲン化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、リン酸マンガン、炭酸マンガン、マンガン酸塩、過マンガン酸塩、マンガンモリブデン酸等のマンガンを含むヘテロポリ酸又はその塩などの無機化合物;ギ酸マンガン、酢酸マンガン、プロピオン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、ステアリン酸マンガン、チオシアン酸マンガンなどの有機酸塩やマンガンアセチルアセトナトなどの錯体等の有機化合物が例示される。マンガンの価数は2価又は3価の何れであってもよい。中でも、酢酸マンガンなどの有機酸塩やマンガンアセチルアセトナトなどの錯体等の有機マンガン化合物が好ましい。
コバルト化合物の代表的な例としては、例えば、水酸化コバルト、酸化コバルト、塩化コバルトや臭化コバルトなどのハロゲン化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、リン酸コバルト、コバルトモリブデン酸等のコバルトを含むヘテロポリ酸又はその塩などの無機化合物;ギ酸コバルト、酢酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトなどの有機酸塩やコバルトアセチルアセトナトなどの錯体等の有機化合物が例示される。コバルトの価数は2価又は3価の何れであってもよい。これらの中でも、酢酸コバルトなどの有機酸塩やコバルトアセチルアセトナトなどの錯体等の有機コバルト化合物が好ましい。
また、バナジウム化合物の例としては、水酸化バナジウム、酸化バナジウム、塩化バナジウム、塩化バナジル、硫酸バナジウム、硫酸バナジル、バナジン酸ナトリウムなどの無機化合物;バナジウムアセチルアセトナト、バナジルアセチルアセトナトなどの錯体等の2〜5価のバナジウム化合物などが挙げられる。
さらに、モリブデン化合物の例としては、水酸化モリブデン、酸化モリブデン、塩化モリブデン、臭化モリブデン、硫化モリブデン、モリブデン酸又はその塩、リンモリブデン酸又はその塩、ケイモリブデン酸又はその塩などの無機化合物;モリブデンカルボニル、ビス(アセチルアセトナト)ジオキソモリブデン、クロロトリカルボニル(η−シクロペンタジエニル)モリブデン、ジブロモビス(η−シクロペンタジエニル)モリブデンなどの錯体等の0〜6価のモリブデン化合物などが挙げられる。他の金属元素の化合物としては、前記マンガン、バナジウム又はモリブデン化合物に対応する化合物などが例示される。周期表5〜9族元素の原子価は特に制限されないが、0〜6価程度である場合が多い。
周期表5〜9族元素化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。周期表5〜9族元素化合物のうち元素の異なる2種以上の化合物を組み合わせて用いると、反応速度や反応の選択性が向上する場合がある。このような組み合わせとして、例えば、マンガン化合物とコバルト化合物との組み合わせが挙げられる。
周期表5〜9族元素化合物触媒の使用量は、式(1)で表される亜リン酸エステル類及び共役系化合物のうち少量用いる方の化合物1モルに対して、例えば0.0001〜0.2モル、好ましくは0.0002〜0.1モル、さらに好ましくは0.0005〜0.05モル程度である。
なお、マンガン化合物とコバルト化合物とを組み合わせて用いる場合、マンガン化合物の使用量は、式(1)で表される亜リン酸エステル類及び共役系化合物のうち少量用いる方の化合物1モルに対して、例えば0.0001〜0.2モル、好ましくは0.0002〜0.1モル、さらに好ましくは0.0005〜0.08モル程度であり、コバルト化合物の使用量は、式(1)で表される亜リン酸エステル類及び共役系化合物のうち少量用いる方の化合物1モルに対して、例えば0.00005〜0.2モル、好ましくは0.0001〜0.1モル、さらに好ましくは0.0002〜0.05モル程度である。また、マンガン化合物とコバルト化合物とを組み合わせて用いる場合、その比率は、通常、前者/後者(モル比)=1/99〜99/1、好ましくは5/95〜98/2、さらに好ましくは20/80〜95/5、特に40/60〜95/5程度である。
本発明では、反応速度や反応の選択性を向上させるため、周期表5〜9族元素化合物と他の金属元素化合物(例えば、セリウム、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛などの遷移金属化合物等)とを組み合わせて用いることもできる。
また、系内に、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などの重合開始剤、ラジカル発生剤やラジカル反応促進剤[ハロゲン(塩素、臭素など)、過酸、過酸化物など]などを存在させてもよい。このような成分を系内に存在させると、反応が促進される場合がある。また、光を照射したり、超音波を与えることにより反応速度が向上する場合がある。
また、本発明では、反応速度や反応の選択性を向上させるため、系内に塩基を添加してもよい。塩基は、無機塩基、有機塩基、ルイス塩基等の何れであってもよい。無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸セリウム等の周期表3族元素化合物(例えば、炭酸塩等)などが挙げられる。
有機塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属有機酸塩;トリエチルアミン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピリジンなどのアミン類(第3級アミンなど)や含窒素複素環化合物などが挙げられる。
塩基の添加量は、原料の種類や触媒の種類等によっても異なるが、通常、原料として用いる式(1)で表される亜リン酸エステル類及び共役系化合物のうち少量用いる方の化合物1モルに対して、0.01〜5モル程度、好ましくは0.5〜1.0モル程度である。
[酸素]
酸素としては、通常分子状酸素が用いられる。分子状酸素としては、特に制限されず、純粋な酸素を用いてもよく、また、操作性や安全性を高めるため、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希釈した酸素(空気など)を使用してもよい。なお、基質の種類や他の条件によっても異なるが、純粋な酸素を用いるよりも酸素と不活性ガス(窒素など)との混合ガスを用いた場合の方が目的化合物の収率が高くなることがある。前記混合ガスにおける酸素と不活性ガスとの比率は、例えば、前者/後者(モル比)=10/90〜95/5、好ましくは15/85〜90/10、さらに好ましくは25/75〜80/20程度である。
酸素の使用量は、基質の種類に応じて適宜選択できるが、通常、式(1)で表される亜リン酸エステル類及び共役系化合物のうち少量用いる方の化合物1モルに対して、0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モル程度である。基質に対して過剰モルの酸素を使用する場合が多い。
[反応]
反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸などの有機酸;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;これらの混合溶媒などが挙げられる。なお、基質(反応原料)を溶媒として用いることもできる。
前記式(1)で表される亜リン酸エステル類(ホスホン酸エステルなど)と共役系化合物との比率は、両化合物の種類や組み合わせなどにより適宜選択できるが、反応性の点から、前者/後者(モル比)=0.5〜30程度、好ましくは0.8〜10程度、さらに好ましくは1〜5程度である。
反応温度は、前記亜リン酸エステル類(ホスホン酸エステルなど)及び共役系化合物の種類などに応じて適当に選択でき、例えば、0〜150℃、好ましくは10〜100℃程度である。反応は、常圧または加圧下で行うことができ、加圧下で反応させる場合には、通常、1〜100atm(0.101〜10.1MPa)程度、好ましくは、1.5〜80atm(0.152〜8.08MPa)程度である。反応時間は、反応温度及び圧力に応じて、例えば、30分〜48時間程度の範囲から適当に選択できる。反応は、酸素の存在下又は酸素の流通下、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。
上記方法により、原料として用いた共役系化合物の共役構造を構成する原子に結合している水素原子の少なくとも1つが前記式(2)で表されるホスホリル基で置き換えられた対応するホスホン酸エステル類が良好な収率で生成する。なお、亜リン酸エステル類の使用量等の反応条件を適宜選択することにより、共役系化合物へのホスホリル基の導入数を調整することができる。この反応においては、マンガン触媒等の周期表5〜9族元素化合物触媒と酸素の作用により生成したホスホニルラジカルが、共役系化合物の共役構造を構成する原子を攻撃して、対応する共役構造を含む基を有するホスホン酸エステル類が生成するものと推測される。
特に、共役系化合物として前記式(3)で表される化合物を用いた場合には、前記式(4)で表される化合物が良好な収率で生成する。式(4)中、R1は前記式(2)で表されるホスホリル基又はRcを示し、R2は上記式(2)で表される基又はRdを示し、R3は上記式(2)で表される基又はReを示し、R4は上記式(2)で表される基又はRfを示し、R5は上記式(2)で表される基又はRgを示し、R6は上記式(2)で表される基又はRhを示す。但し、R1、R2、R3、R4、R5、R6のうち少なくとも1つは上記式(2)で表される基である。R1、R2、R3、R4、R5、R6は、それぞれ互いに結合して又は一体となって隣接する原子又は炭素鎖と共に芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。この環は、前記Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rhが、それぞれ互いに結合して又は一体となって隣接する原子又は炭素鎖と共に形成する環と同様である。
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明の製造方法により得られる共役構造を含む基を有するホスホン酸エステル類[アリールホスホン酸(モノ又はジ)エステルなど]は、金属抽出剤、可塑剤、難燃剤又はこれらの前駆体等として好適に利用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、反応生成物はガスクロマトグラフィーにより分析した。収率は反応に用いた共役系化合物を基準とした値である。
実施例1
反応器に、亜リン酸ジエチル(ホスホン酸ジエチル)6mmol、ベンゼン2mmol、酢酸マンガン(II)(ベンゼンに対して5mol%)、酢酸コバルト(II)(ベンゼンに対して0.3mol%)、アセトニトリル1ml入れ、酸素/窒素(0.05MPa/0.05MPa)混合ガス雰囲気のもと、45℃で15時間反応を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、フェニルホスホン酸ジエチルが57%、[2−(ジエトキシホスホリル)フェニル]ホスホン酸ジエチル及び[4−(ジエトキシホスホリル)フェニル]ホスホン酸ジエチルがおよそ4:6の比率で34%の収率で生成していた。
実施例2
アセトニトリルの代わりにプロピオン酸を1ml用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、フェニルホスホン酸ジエチルが64%、[2−(ジエトキシホスホリル)フェニル]ホスホン酸ジエチル及び[4−(ジエトキシホスホリル)フェニル]ホスホン酸ジエチルがおよそ4:6の比率で23%の収率で生成していた。
実施例3
アセトニトリルを用いなかった点以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、フェニルホスホン酸ジエチルが50%、[2−(ジエトキシホスホリル)フェニル]ホスホン酸ジエチル及び[4−(ジエトキシホスホリル)フェニル]ホスホン酸ジエチルがおよそ4:6の比率で18%の収率で生成していた。
実施例4
酢酸コバルト(II)を用いなかった点以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、フェニルホスホン酸ジエチルが49%、[2−(ジエトキシホスホリル)フェニル]ホスホン酸ジエチル及び[4−(ジエトキシホスホリル)フェニル]ホスホン酸ジエチルがおよそ4:6の比率で7%の収率で生成していた。
実施例5
ベンゼンの代わりにメシチレンを用い、75℃で反応を行った点以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、2,4,6−トリメチルフェニルホスホン酸ジエチルが69%、[3−(ジエトキシホスホリル)−2,4,6−トリメチルフェニル]ホスホン酸ジエチルが3%の収率で生成していた。
実施例6
ベンゼンの代わりにアニソールを用いた点以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、2−メトキシフェニルホスホン酸ジエチル及び4−メトキシフェニルホスホン酸ジエチルがおよそ4:6の比で65%の収率で生成していた。
実施例7
ベンゼンの代わりにナフタレンを用いた点以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、ナフタレン−1−イルホスホン酸ジエチル及びナフタレン−2−イルホスホン酸ジエチルの混合物が76%の収率で生成していた。
実施例8
ベンゼンの代わりにピリジンを用いた点以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、ピリジン−2−イルフェニルホスホン酸ジエチル、ピリジン−3−イルフェニルホスホン酸ジエチル及びピリジン−4−イルフェニルホスホン酸ジエチルの混合物が32%の収率で生成していた。
実施例9
反応器に、亜リン酸ジエチル(ホスホン酸ジエチル)6mmol、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン2mmol、酢酸マンガン(II)(1,3,5−トリイソプロピルベンゼンに対して5mol%)、酢酸コバルト(II)(1,3,5−トリイソプロピルベンゼンに対して1mol%)、プロピオン酸1ml入れ、酸素/窒素(0.05MPa/0.05MPa)混合ガス雰囲気のもと、45℃で5時間反応を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、2,4,6−トリイソプロピルフェニルホスホン酸ジエチルが45%の収率で生成していた。
実施例10
反応器に、亜リン酸ジエチル(ホスホン酸ジエチル)6mmol、1,4−ジイソプロピルベンゼン2mmol、酢酸マンガン(II)(1,4−ジイソプロピルベンゼンに対して5mol%)、酢酸コバルト(II)(1,4−ジイソプロピルベンゼンに対して1mol%)、プロピオン酸1ml入れ、酸素/窒素(0.05MPa/0.05MPa)混合ガス雰囲気のもと、45℃で5時間反応を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、2,5−ジイソプロピルフェニルホスホン酸ジエチルが80%の収率で生成していた。
実施例11
反応器に、亜リン酸ジエチル(ホスホン酸ジエチル)6mmol、ベンゾニトリル2mmol、酢酸マンガン(II)(ベンゾニトリルに対して5mol%)、酢酸コバルト(II)(ベンゾニトリルに対して1mol%)、プロピオン酸1ml入れ、酸素/窒素(0.05MPa/0.05MPa)混合ガス雰囲気のもと、45℃で10時間反応を行った。反応後、反応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、シアノフェニルホスホン酸ジエチルが位置異性体混合物として63%の収率、さらにホスホリル基がもう一分子フェニル基に置換した生成物が12%の収率で生成していた。

Claims (1)

  1. 下記式(1)
    Figure 0004475987
    (式中、Ra、Rbは、それぞれ水素原子又は炭化水素基を示す)
    で表される亜リン酸エステル類と、下記式(3)
    Figure 0004475987
    (式中、R c 、R d 、R e 、R f 、R g 、R h は、それぞれ水素原子又は炭化水素基、複素環式基、置換オキシ基、置換オキシカルボニル基、カルボキシル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、アシル基から選択される1つを示す。但し、R c 、R d 、R e 、R f 、R g 、R h のうち少なくとも1つは水素原子である。R c 、R d 、R e 、R f 、R g 、R h は、それぞれ互いに結合して又は一体となって隣接する原子又は炭素鎖と共に芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい)
    で表される化合物とを、マンガン化合物及び/又はコバルト化合物、及び酸素の存在下で反応させて、下記式(4)
    Figure 0004475987
    [式中、R 1 は下記式(2)
    Figure 0004475987
    (式中、R a 、R b は、それぞれ水素原子又は炭化水素基を示す)
    で表されるホスホリル基又はR c を示し、R 2 は上記式(2)で表される基又はR d を示し、R 3 は上記式(2)で表される基又はR e を示し、R 4 は上記式(2)で表される基又はR f を示し、R 5 は上記式(2)で表される基又はR g を示し、R 6 は上記式(2)で表される基又はR h を示す。但し、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 のうち少なくとも1つは上記式(2)で表される基である。R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 は、それぞれ互いに結合して又は一体となって隣接する原子又は炭素鎖と共に芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい]
    で表される化合物を生成させることを特徴とするホスホン酸エステル類の製造法。
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