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JP4476309B2 - 電流センサ装置の調整方法 - Google Patents
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この発明は、磁束に応じて抵抗値が変化するホール素子を用いた電流センサ装置の調整方法に関するものである。
図10は、例えば、特許文献1に同様の技術が開示されているように、従来から一般的に使用されている電流センサ装置の回路構成を示す図である。この図において、符号10はホール素子を示し、このホール素子10は、入力端子a、d間に定電圧電源VCCが接続され、オペアンプ11とトランジスタ12を介して定電流駆動されている。ホール素子10の出力端子b、cは、ホール素子10の出力信号を増幅する増幅回路である差動増幅回路13に接続されている。抵抗14はホール素子10のゲイン温度特性を補正するための抵抗であり、可変抵抗15はホール素子10の駆動定電流を調整するための第1のトリミング抵抗である。また、可変抵抗16はオフセット電圧を調整するための第2のトリミング抵抗である。なお、ホール素子10は、定電流駆動に限らず、定電圧駆動とする回路構成としてもよい。
次に、上記のように構成された電流センサ装置のゲイン調整方法、並びにオフセット電圧調整方法について説明する。
図11において、今仮に、L1を目標値とする電流センサ装置の特性とする。ホール素子10への入力電流が0(A)の時の出力電圧、即ち、オフセット電圧がVoff(V)、入力電流を+I(A)供給したときのゲイン幅が+Vg(V)で出力電圧はVoff+Vg(V)、入力電流を−I(A)供給したときのゲイン幅が−Vg(V)であり、出力電圧はVoff−Vg(V)となるような特性である。
電流センサ装置を調整する前の特性が、例えばL2の特性であり、このL2の特性の電流センサ装置に対し、図10に示す第1のトリミング抵抗15をトリミングしてゲインを調整し、また第2のトリミング抵抗16をトリミングしてオフセット電圧を調整することにより、目標値の特性L1となるように調整を実施する。
ゲイン調整の方法を説明する。まず、電流未供給時のオフセット電圧Voff1(V)を測定する。次に、電流+I(A)を供給し、差動増幅回路13の出力をフィードバックしながら、出力電圧がVoff1+Vg(V)となるL3の特性まで、第1のトリミング抵抗15をトリミングする。これでゲイン幅の調整が終了である。
次に、オフセット電圧の調整方法を図12にて説明する。オフセット電圧の調整は、電流未供給の状態で、差動増幅回路13の出力をフィードバックしながら、出力電圧がVoffとなるL4の特性となるところまで、第2のトリミング抵抗16をトリミングする。これで、電流センサ装置の調整が完了する。しかし、この時、電流センサ装置の出力特性は目標値とする特性L1には一致していない。
上記のように、従来の電流センサ装置の調整方法においては、ゲイン幅の調整をした後、オフセット電圧がVoff1からVoff2に変化するため、ゲイン幅が+Vgにならないという問題がある。これは、図13に示すように、ホール素子10は、駆動電流を変えることによりオフセット電圧が変わる特性を有しているためである。
このため、電流センサ装置の調整を終了した後、出力特性を検査する工程において、L1の目標値との差を比較して、許容精度を越えるものについては、電流センサ装置の回路基板を廃却するか、もしくはホール素子10と第1及び第2のトリミング抵抗15,16を交換して再度、トリミングを実施するなど、調整に煩わしさが生じてコストアップの要因となっていた。
ところで、電流センサ回路基板の廃却や部品を置き換えての再トリミングを回避するため、ゲイン幅を調整する前に、ホール素子のオフセット電圧が零になる調整を行い、その後ゲイン幅を調整する方法が提案されている(例えば、特許文献参照)。
特開2004−20560号公報(段落0016〜段落0018、図1、図5) 特開平8−327482号公報(段落0014〜段落0018、図3)
上記特許文献に開示された方法によれば、目標値とする電流センサの特性を得ることはできるが、ゲイン調整前に零オフセット調整するための調整工程、その後のゲイン調整工程、最後にオフセット調整工程と、合計3つの調整工程が必要である。従って、高価な調整器を使用する時間が長くなるため、大量生産した場合、調整器の設備能力が不足しやすく、新たな調整器購入が必要となり、やはりコストアップの要因となっていた。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、基板の廃却や再トリミングがなく、かつ調整工程も少なくて済む、低コストを目的とした電流センサ装置の調整方法を提供するものである。
この発明に係る電流センサ装置の調整方法は、磁束に応じて抵抗値が変化するホール素子と、上記ホール素子を駆動するための定電圧回路または定電流回路と、上記ホール素子からの出力信号を増幅する増幅回路とを備えた電流センサ装置を、上記増幅回路の出力をフィードバックしながら調整する電流センサ装置の調整方法において、上記電流センサ装置のゲインを調整するときのゲイン調整目標値を、上記ゲインの調整により生じるオフセット電圧の変化量を補正したゲイン調整目標値として調整し、その後、上記オフセット電圧を調整するものである。
この発明によれば、基板の廃却や再トリミングの必要がなく、かつ調整工程も少なくて済み、低コスト効果を発揮する電流センサ装置の調整方法を得ることができる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る電流センサ装置の調整方法について好適な実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る電流センサ装置の回路構成図であり、ホール素子1の出力端子b、cに、ランドX,Yが設けられている。このランドX,Yは、ランド間開閉手段2により開閉されるように構成されている。また、ホール素子1の駆動定電流を調整するための第1のトリミング抵抗3が設けられており、この第1のトリミング抵抗3には、後述するように、ゲインの調整により生じるオフセット電圧の変化量を補正したゲイン調整目標値が入力される。また、オフセット電圧を調整するための第2のトリミング抵抗16が設けられている。この第1のトリミング抵抗3は電流センサ装置のゲイン調整手段として機能し、第2のトリミング抵抗16は電流センサ装置のオフセット電圧調整手段として機能する。なお、その他については図10において説明した従来の回路構成図と同様であり、同一符号を付すことにより説明を省略する。
実施の形態1に係る電流センサ装置は上記のように構成されており、次に、その調整方法について図1〜図6を用いて説明する。
まず、電流未供給の状態で、ホール素子1の出力端子b、cに接続されたランドX,Y間をランド間開閉手段2により外部で短絡し、零オフセット電圧Voff3を測定すると共に、ランド間開閉手段2を開放してランドX,Y間の短絡を外し、非零オフセット電圧Voff1を測定する。次に、電流+I(A)を供給して、ゲイン調整前のゲイン幅Vg1を測定する。これらの測定を実施した様子を図2及び図3に示している。
ここで、非零オフセット電圧Voff1と零オフセット電圧Voff3の値に差があるのは、前述したとおりホール素子1にオフセット電圧があるためである。ホール素子1のオフセット電圧は、一般的に駆動電流と比例関係にある。零オフセット電圧Voff3と非零オフセット電圧Voff1の電圧差は、ゲイン調整前の駆動電流における、ホール素子1のオフセット電圧×差動増幅回路13のゲインとなっている。
ここで、電流センサ装置の第1のトリミング抵抗3を調整してゲインを変化させることによるオフセット電圧の変化量の計算について、図4を用いて説明する。
図1に示す回路構成において、ゲインを調整するとホール素子1の駆動電流が変わるため、ホール素子1のオフセット電圧が変化する。ホール素子1のオフセット電圧と駆動電流は比例関係にあり、また駆動電流と調整ゲイン幅も比例関係にあるため、結果、調整ゲイン幅とホール素子1のオフセット電圧も比例関係となる。そのため、ゲイン調整後におけるホール素子1のオフセット電圧の変化による電流センサ装置のオフセット電圧変化量は、次の(1)式で計算することができる。
ゲイン調整前後の電流センサ装置のオフセット電圧変化量=
目標ゲインVg÷調整前ゲインVg1×(零オフセット電圧Voff3−非零オフセ
ット電圧Voff1) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
よって、ゲイン調整後のオフセット電圧Voff2は、次の(2)式で計算される。
ゲイン調整後のオフセット電圧Voff2=
目標ゲインVg ÷ 調整前ゲインVg1×(零オフセット電圧Voff3−非零オフ
セット電圧Voff1)+非零オフセット電圧Voff1 ・・・・・(2)
上記計算でゲイン調整後のオフセット電圧Voff2が分かるので、ゲイン調整は+I(A)の電流を供給し、差動増幅回路13の出力をフィードバックしながら、出力電圧が
「ゲイン調整後のオフセット電圧Voff2+目標ゲインVg」となるところまで、第1のトリミング抵抗3をトリミングすればよい。この様子を図5に示す。この方法をとれば、ゲイン幅が正確に目標ゲインVgとなる特性L3となる。これでゲイン調整完了する。
次に、オフセット電圧を調整する。オフセット電圧の調整は、電流未供給の状態で差動増幅回路13の出力をフィードバックしながら、出力電圧がVoffとなるところまで、第2のトリミング抵抗16をトリミングする。この様子を図6に示す。ゲインの調整、及びオフセット電圧の調整が完了した特性は、目標値とする特性L1に一致する。
なお、上記実施の形態1においては、ホール素子1の出力端子b、cに設けられたランドX,Y間をランド間開閉手段2により開閉する構成について図示説明したが、ランドX,Y間はランド間開閉手段2を用いなくても、他の手段、例えば人的操作により、開閉しても良く、設計的変更は可能である。
以上のように、実施の形態1に係る電流センサ装置の調整方法によれば、調整後の特性を目標値とする特性L1に調整でき、目標特性から外れることがなくなる。従って、電流センサ基板を廃却したり、部品を載せ変えて再調整する必要がなく、また、前記特許文献1による方法と比べても、零オフセット電圧に設定するための調整工程がなく、従来と同じ2回の調整で済み設備能力を大きく取れるため、低コスト化に寄与できる効果がある。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る電流センサ装置の調整方法について図7〜図9を用いて説明する。図7は実施の形態2に係る電流センサ装置の回路構成図であり、実施の形態1で説明した第1及び第2のトリミング抵抗を使用する代わりに、EEPROMと8ビットR−2Rラダー抵抗を用いたデジタルトリミングの構成としたものである。
符号70はEEPROMを示し、符号71はゲイントリミング部を示している。ゲイントリミング部71は第1の8ビットR−2Rラダー抵抗72とオペアンプ73より構成されている。また、符号74はオフセットトリミング部を示し、このオフセットトリミング部74は第2の8ビットR−2Rラダー抵抗75とオペアンプ76より構成されている。
実施の形態1において第1及び第2のトリミング抵抗が実装されていた個所には、抵抗値が固定されている薄膜抵抗Ri,Roを用いている。なお、抵抗14は実施の形態1と同様にホール素子1のゲイン温度特性を補正するための抵抗であり、その他の構成についても実施の形態1と同様であるので、同一符号を付すことにより説明を省略する。
実施の形態2に係る電流センサ装置は上記のように構成されており、実装されているホール素子1は、予めホール素子単体で駆動電流とオフセット電圧の関係が図8に示すように取得されている。ホール素子単体でオフセット電圧を測定する時の駆動電流は、図7に示す回路構成におけるゲイン調整前のホール素子駆動電流としている。ゲイン調整前のホール素子駆動電流は、ゲイントリミング部71の8ビットの初期データを例えばFFhとすれば、次の(3)式の計算で求めることが出来る。
ゲイン調整前駆動電流=
Vcc×255÷256×(R2+Rr)÷(R1+R2+Rr)÷Ri ・・(3)
ここで、抵抗値R1,R2,Riは、抵抗値が固定されている薄膜抵抗を使用することにより、抵抗値精度が良いため、駆動電流を精度良く計算することが可能である。なお、レーザトリミング抵抗は初期抵抗値バラツキが大きく、駆動電流が精度良く計算できないため、デジタルトリミング構成とするのが望ましい。
次に、電流センサ装置の調整方法について説明する。目標とする特性は、実施の形態1と同じ図2,図3の特性L1とする。
まず、電流未供給の状態にて、オフセット電圧Voff1を測定する。次に、+I(A)の電流を供給し、ゲイン調整前のゲイン幅Vg1を測定する。
ここで、ゲイン調整後のオフセット電圧の変化量を計算する。図7の回路構成において、ゲインを調整するとホール素子駆動電流が変わるので、ホール素子1のオフセット電圧が変化する。調整ゲイン幅とホール素子1のオフセット電圧は前述のとおり比例関係にあるため、ゲイン調整後のホール素子1のオフセット電圧Vhoff2は次の(4)式にて計算できる。
ゲイン調整後のホール素子1のオフセット電圧Vhoff2=
Vhoff1×Vg÷Vg1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
ここで、Vhoff1は、ゲイン調整前駆動電流におけるホール素子単体で測定したオフセット電圧である。
差動増幅回路14のゲインをGとすれば、ゲイン調整後のオフセット電圧Voff2は、次の(5)式により計算できる。
Voff2=Voff1−Vhoff1×G+Vhoff1×G ・・・(5)
上記計算でゲイン調整後のオフセット電圧Voff2が分かるので、ゲイン調整は+I(A)の電流を供給し、差動増幅回路13の出力をフィードバックしながら、出力電圧がVoff2+Vgとなるところまで、EEPROM70に書き込むゲイントリミング部71のデータを、初期FFhから下げていけばよい。この様子を図9に示す。このようにすれば、ゲイン幅が正確にVgとなる特性L3となる。これでゲインの調整が完了する。
次に、オフセット電圧を調整する。オフセット電圧の調整は、電流未供給の状態で、差動増幅回路13の出力をフィードバックしながら、出力電圧がVoffとなるところまで、EEPROM70に書き込むオフセットトリミング部74のデータを変えればよい。この様子を図6に示す。ゲイン調整及びオフセット調整が完了した特性は、目標値とする特性L1となる。
以上のように、実施の形態2に係る電流センサ装置の調整方法によれば、調整後の特性を目標値とする特性L1に出来るため、従来例のように、目標特性から外れた場合に電流センサ基板を廃却したり、部品を載せ変えて再調整する必要がなく、また、前記特許文献1による方法と比べて調整工程も2回で済むので低コスト化に寄与できる効果がある。
この発明は、低コストを目的とした電流センサ装置の調整方法に利用できる。
この発明の実施の形態1に係る電流センサ装置の回路構成図である。 この発明の実施の形態1に係る電流センサ装置の零オフセット電圧と非零オフセット電圧を示す図である。 この発明の実施の形態1及び実施の形態2に係る電流センサ装置のゲイン調整前のゲイン幅を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る電流センサ装置のゲイン調整によるオフセット電圧変化量の計算を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る電流センサ装置のゲイン調整時の目標電圧とゲイン調整後の特性の説明図である。 この発明の実施の形態1及び実施の形態2に係る電流センサ装置のオフセット調整の説明図である。 この発明の実施の形態2に係る電流センサ装置の回路構成図である。 この発明の実施の形態2に係る電流センサ装置のゲイン調整によるオフセット電圧変化量の計算の説明図である。 この発明の実施の形態2に係る電流センサ装置のゲイン調整時の目標電圧とゲイン調整後の特性の説明図である。 従来から使用されている電流センサ装置の回路構成を示す図である。 従来のゲイン調整時の目標電圧とゲイン調整後の特性の説明図である。 従来のオフセット調整と調整完了後の特性の説明図である。 ホール素子のオフセット電圧と駆動電流の関係を示す図である。
符号の説明
1,10 ホール素子
2 ランド間開閉手段
3,15 第1のトリミング抵抗
11 オペアンプ
12 トランジスタ
13 差動増幅回路
14 抵抗
16 第2のトリミング抵抗
VCC 定電圧電源
X,Y ランド
L1 目標とする特性
L2 ゲイン調整前の特性
L3 ゲイン調整後の特性
L4 ゲイン/オフセット調整後の特性
Voff 目標とする特性のオフセット電圧
Voff1 ゲイン調整前のオフセット電圧(非零オフセット電圧)
Voff2 ゲイン調整後のオフセット電圧
Voff3 ホール素子出力ショート時のオフセット電圧(零オフセット電圧)
Vg 目標とする特性の+I(A)供給したときのゲイン幅
Vg1 ゲイン調整前の+I(A)供給したときのゲイン幅
Vhoff1 ゲイン調整前駆動電流でのホール素子のオフセット電圧
Vhoff2 ゲイン調整後駆動電流でのホール素子のオフセット電圧

Claims (6)

  1. 磁束に応じて抵抗値が変化するホール素子と、上記ホール素子を駆動するための定電圧回路または定電流回路と、上記ホール素子からの出力信号を増幅する増幅回路とを備えた電流センサ装置を、上記増幅回路の出力をフィードバックしながら調整する電流センサ装置の調整方法において、
    上記電流センサ装置のゲインを調整するときのゲイン調整目標値を、上記ゲインの調整により生じるオフセット電圧の変化量を補正したゲイン調整目標値として調整し、その後、上記オフセット電圧を調整することを特徴とする電流センサ装置の調整方法。
  2. 上記ゲインの調整により生じるオフセット電圧の変化量は、上記ホール素子の出力端子間を短絡させて測定した零オフセット電圧と、上記ホール素子の出力端子間を短絡させないで測定した非零オフセット電圧と、上記ゲインの調整前に測定した未調整時ゲイン幅、及び目標ゲイン幅を用いて計算されることを特徴とする請求項1記載の電流センサ装置の調整方法。
  3. 上記計算は、目標ゲイン幅÷未調整ゲイン幅×(零オフセット電圧−非零オフセット電圧)であることを特徴とする請求項2記載の電流センサ装置の調整方法。
  4. 上記ゲインの調整により生じるオフセット電圧の変化量は、予め、上記ホール素子を単体で測定して得た値を用いることを特徴とする請求項1記載の電流センサ装置の調整方法。
  5. (削除)
  6. (削除)
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