JP4477152B2 - ストーマ用又は瘡傷用の皮膚保護材 - Google Patents
ストーマ用又は瘡傷用の皮膚保護材 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工肛門や人工膀胱を有する人たちのストーマ,瘻孔,開孔部(以下ストーマという)に被着して、排泄物が直接皮膚に接しないまたは接しても皮膚炎やカブレを抑えることのできるストーマ用の皮膚保護材,または褥瘡等の瘡面に貼付して瘡傷部を保護することのできる瘡傷用の皮膚保護材に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、人工造瘻手術を受けた人たちはストーマからの排泄物を納める様々なパウチ(袋)を装着している。このパウチをストーマ周辺の皮膚面に取り付ける手段として、カラヤ−グリセロールゲルやカルボキシメチルセルロース等の水膨潤性物質(親水性物質)からなるリングまたはワッシャーが用いられる。そしてこれらのリングまたはワッシャーの欠点は、皮膚への粘着力が弱く,密閉性を保持することが困難であることと、この密閉性の悪さによってストーマからの排泄物等が直接皮膚に接し、皮膚の炎症やカブレを引き起こす点にある。
【0003】
この欠点を防止するために、これまでいろいろな試みがなされている。例えば、特開昭54−4491号公報には、微粉状セルロース,不溶性架橋デキストラン,Na−CMC等の接着力増強剤である感圧接着成分とハイドロコロイドと鉱油の混合物からなる医療用接合剤が開示されている。
【0004】
しかし、この医療用接合剤は、密閉性は改良されるものの、弾性に乏しく,体動についていけないために使用中にシワが入ったり,その部分が腰折れして裂けてしまうという欠点がある他、保管時や使用中に流動を起こし、本来の目的を達し得ないという欠点もある。
【0005】
また、特開昭57−169414号公報(特公昭63−6020号)には、粘着性ゴム様接合剤とハイドロコロイド(親水コロイド)とホワイトカーボン又は炭酸カルシウムのフロー性改良剤との三者混合物からなる皮膚保護材が開示されている。
【0006】
しかし、この皮膚保護材は、ハイドロコロイド(親水コロイド)と水に不溶性の弾性結合剤とフロー防止剤とを三者ブレンド(混練)した粘着性ゴム様接合剤からなるものであるため、硬度や粘着力は改善できるものの流動性が大きいという欠点がある。この流動性を改善しようとしてフロー防止剤を大量に加えれば硬度が高くなって弾性に乏しく、体動についていけないものとなり、これを防止しようとすればフロー防止剤の添加量を一定に抑えねばならず、勢い流動性の改善が小幅になるなど、流動性の改善に限界がある。
【0007】
さらに、特開平1−99564号公報には、ポリマーフィルム,織布,不織布,ポリマーフォームなどの支持材を弾性結合剤と水膨潤性物質と薬学的活性成分との混合物からなる感圧粘着剤層の一方の面に貼り合わせた瘡傷面を保護する薬学的活性成分含有粘着包帯が開示されている。
【0008】
しかし、この粘着包帯は、その粘着剤層が特開昭57−169414号公報(特公昭63−6020号)の接合剤と同様、水膨潤物質(水溶性高分子)と疎水性の弾性粘着物質とをブレンド(混練)した組成物からなっているので、特開昭54−4491号公報のものやハイドロコロイド物質のカラヤ組成物のみからなるものと比べると、粘着力は良くなって体動に追従しやすくなるため、瘡面への密閉性がよくなるが親水性物質を含有するために粘着剤層の流動性や軟化やベトつきを完全に防ぐことはできず、包帯を剥がした後も瘡面やストーマ周辺皮膚に粘着剤が残るなどの欠点がある。
【0009】
本発明は上述のようなストーマ用及び瘡傷用の皮膚保護材に要求される機能、即ち皮膚への密閉性が良いこと、カブレにくいこと、流動(フロー)しにくいこと、剥離時に皮膚への糊残りがないこと等を全て備えたストーマ用及び瘡傷用の皮膚保護材を得ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルアセテート系、熱可塑性ゴム系、又は液状ゴム系の弾性ポリマーを主成分とし、粘着付与剤、充填剤、顔料等の添加剤を添加した、20℃でのクリープが正数値で5mm/時間以下の凝集力を有する疎水性粘着剤からなる層の片面上に上記弾性ポリマーと水溶性高分子を7/3〜3/7の割合で混合した混合成分を主成分とする親水性粘着剤からなる層を積層して成ることを特徴とするストーマ用又は瘡傷用の皮膚保護材を用いて、該皮膚保護材の親水性粘着剤からなる層の露出面を瘡面やストーマ周辺皮膚へ貼着するという手段をとることにより、柔軟性,密着性,吸水性を有する親水性粘着剤からなる層が、瘡面やストーマ周辺皮膚への密着性を高めて長期間の使用でも確実に密着させることができるし、また瘡面やストーマ周辺皮膚の分泌液を吸収して菌の培地になることもないし、さらに体動に追随しやすく物理的刺激を皮膚面に与えないのでカブレにくいし、また親水性粘着剤からなる層に積層させた疎水性粘着剤からなる層がその凝集力により親水性粘着剤からなる層を保持して剥離時の親水性粘着剤からなる層の破壊による皮膚への糊残りを防ぎ、皮膚保護材を容易に剥がすことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により詳述する。
図1は疎水性粘着剤からなる層の片面上に親水性粘着剤からなる層を積層した本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図、図2は布帛または不織布を内在させた疎水性粘着剤からなる層の片面上に親水性粘着剤からなる層を積層した本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図、図3は疎水性粘着剤からなる層の片面上の周辺部を除く所望の箇所に当該疎水性粘着剤からなる層より小さな表面積を持つ親水性粘着剤からなる層を積層した本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図、図4は疎水性粘着剤からなる層の片面上の周辺部を除く所望の箇所に当該疎水性粘着剤からなる層より小さな表面積を持つ親水性粘着剤からなる層を積層し、さらに親水性粘着剤からなる層上に治療材を積層した本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図、図5は疎水性粘着剤からなる層と親水性粘着剤からなる層に複数の溝を設けた本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図、図6は疎水性粘着剤からなる層と親水性粘着剤からなる層とが積層された部分の略中央部に疎水性粘着剤からなる層と親水性粘着剤からなる層を貫通する孔を設けた本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図、図7は瘡面に貼着して瘡傷部を保護する本発明皮膚保護材の使用例図、図8はパウチ(袋)に取り付けた本発明皮膚保護材の用途例図である。
【0012】
なお、図中1は親水性粘着剤からなる層、1aは親水性粘着剤からなる層1に設けた複数の溝、2は親水性粘着剤からなる層の保護材、3は疎水性粘着剤からなる層、3aは疎水性粘着剤からなる層3に設けた複数の溝、3bは疎水性粘着剤からなる層3に内在する布帛または不織布、4は離形紙、5は疎水性粘着剤からなる層の保護材、6は親水性粘着剤からなる層1と疎水性粘着剤からなる層3を貫通する孔、7はパウチ(袋)、8は消臭剤孔、9は識別票、10は治療材である。
【0013】
即ち、本発明は、図1〜図6に示すように疎水性粘着剤からなる層3の片面上に親水性粘着剤からなる層1を積層して得られる2層構造を含む皮膚保護材である。
【0014】
本発明は、20℃におけるクリープが正数値で5mm/時間以下(JISZ−0237)の凝集力を有する疎水性粘着剤からなる層3に親水性粘着剤からなる層1を積層した皮膚保護材であって、このような皮膚保護材は従来の親水性粘着剤からなる層単独の使用と異なり、分泌液の水分を吸収した場合にも型くずれを起こしたり,必要以上にベトついたり,過剰な流動(フロー)をし始めたり,これを引き剥がすときにその凝集力を失って皮膚に残るなどの欠点を全て克服できる。
【0015】
即ち、一般に凝集力の弱い親水性粘着剤からなる層1のみからなる皮膚保護材が瘡傷部やストーマ周辺部に貼着された場合には、体温による昇温や分泌液の吸収あるいは貼着時のわずかなテンションなどで親水性粘着剤からなる層1が軟化して型くずれを起こしたり,流動(フロー)したり,ベトついたりしがちである。
【0016】
しかし、皮膚保護材が次のような2層構造を含む場合、即ち、一方の層を構成する粘着剤が20℃のクリープが正数値で5mm/時間以下(JISZ−0237)という他方の層を構成する親水性粘着剤の凝集力よりもはるかに大きい凝集力を有する疎水性の粘着剤であって、しかも2層間の粘着力がどのような場合にも親水性粘着剤からなる層1と被着体間のそれよりも大きくなるように積層された2層構造を含む場合には、疎水性粘着剤からなる層3が親水性粘着剤からなる層1を皮膚に追随する程度の柔軟性を保ちつつ弾力的に固定して親水性粘着剤からなる層1の軟化や型くずれや過剰な流動(フロー)を抑えることができる。さらに剥離時には、親水性粘着剤からなる層1は凝集力の大きい疎水性粘着剤からなる層の側に引っ張りあげられて被着体に糊残りを起こさせることなく簡単に剥離することができる。
【0017】
ここにおいて、疎水性粘着剤からなる層3を構成する疎水性粘着剤は、NR,IR,BR,IIR,EPR,CR,NBR,SBR,ポリイソブチレン等のゴム系,アクリル酸アルキルエステル共重合体,エチレンメチルアクリレート共重合体等のアクリル系,ジメチルシロキサン,メチルビニルシロキサン,フェニルメチルシロキサン,フェニルビニルメチルシロキサン,フッ化シリコーン等のシリコーン系,ポリエステルウレタン,ポリエーテルウレタン等のウレタン系,エチレン酢酸ビニル共重合体,酢酸ビニル共重合体等のビニルアセテート系,SBS,SIS,SEBS,SEPS,ポリエステルウレタン,ポリエーテルウレタン,ポリエーテルポリエステルブロック共重合体,ポリオレフィンブロック共重合体,トランス1.4ポリイソプレン,ポリエチレンブチルグラフト共重合体等の熱可塑性ゴム系,又はポリブタジエン,ポリクロロプレン,ポリイソプレン,ポリ1.3ペンタジエン,ポリシクロペンタジエン,ポリブテン等の液状ゴム系から選択された弾性ポリマーを主成分とし、要すれば粘着付与剤,充填剤,顔料等を添加して得られる。
【0018】
さらに、疎水性粘着剤からなる層3を構成する疎水性粘着剤は、溶剤系,水系,液状ポリマー系,ドライブレンド系(シーラント系),ホットメルト系のいずれの材料形態でもよく、それぞれの形態に合わせて離形処理されたプラスチックフィルムまたは離形紙からなる疎水性粘着剤からなる層の保護材5上にコーティング,押出し,プレス,圧延(カレンダリング)されるか、コーティング,押出し,プレス,圧延後に前記保護材5と貼り合わされるか、転写される。
【0019】
一方、このようにして得られた疎水性粘着剤からなる層3の形状は、その原型がシート状,テープ状,フィルム状であって、他層である親水性粘着剤からなる層1と貼り合わされた後、打抜き加工やプレス加工や裁断加工などの方法により、方形,多角形,台形,長方形,円形,楕円形等所望の形状に形成することができるものである。
【0020】
さらにまた、このようにして得られた疎水性粘着剤からなる層3の厚みは2mm〜0.02mmが望ましい。この理由は、2mm以上に厚みを有する場合は、疎水性粘着剤からなる層3の自重や外圧によりこれ自体が型くずれや流動(フロー)を起こすおそれがあって好ましくないからであり、0.02mm以下では所望の粘着力が得にくく、親水性粘着剤からなる層1の軟化や型くずれや過剰な流動(フロー)を皮膚に追随する程度の柔軟性を保ちつつ弾力的に固定する力や図8の使用例に示すパウチ(袋)7への貼着力、さらには図7の識別票9を貼着する貼着力が弱くなり問題を起こしかねないからである。
【0021】
次に、親水性粘着剤からなる層1を構成する親水性粘着剤について述べれば、親水性粘着剤の組成物としては、上述した疎水性粘着剤に用いられる弾性ポリマーと、カラヤゴム,グアガム,アラビアゴム,キャロブゴム,ロッカストビーンゴム,カラギーナン,澱粉,ペクチン,ゼラチン,アルブミン,ナトリウムカルボキシメチルセルロース,カルシウムカルボキシメチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,微結晶セルロース,キサンタンゴムなどの天然水溶性高分子,ポリアクリル酸,ポリビニルアルコール,ポリエチレンオキサイド,アルギン酸ナトリウム,アルギン酸カルシウムなどの合成水溶性高分子のうち一つまたは一つ以上を混合して得られる。
【0022】
なお、弾性ポリマーと水溶性高分子の混合比は3対7〜7対3の比率である。これは水溶性高分子の混合比が7割以上のものは体温や分泌液の吸収等によって必要以上に軟化しやすく、ベトつきやすい一方、3割以下のものは凝集力が大きくなりすぎ肌への密着性が悪くなる他、分泌液を吸収したり、体動に追随しにくくなるなど好ましくないからである。
【0023】
一方、この親水性粘着剤は、ニーダー等の混練機により弾性ポリマーと水溶性高分子要すれば薬剤等が均一に混合されて得られる。得られた混合物は、次にTダイ押出機や圧延ロールやプレス機でシート状に圧延され、離形処理されたプラスチックフィルムや離形紙からなる親水性粘着剤からなる層の保護材2に圧延と同時にまたは圧延の後に貼り合わされる。
【0024】
また、このようにして得られた親水性粘着剤からなる層1の厚みは0.5mm〜3mmが好ましい。これは親水性粘着剤からなる層1が0.5mm以下の厚みでは、パウチ(袋)をストーマ周辺の皮膚面に取り付けストーマからの排泄物を直接皮膚に接しないように、また外部に漏らさないようにパウチ(袋)へ収めるという、ストーマに被着する用途での皮膚保護材本来の目的を果たしにくいからであり、3mm以上の厚みでは過剰な流動(フロー)が起こりやすい他、自重による落下や装着時の違和感が大きいなどの欠点を有するからである。
【0025】
次に、上記親水性粘着剤からなる層1と疎水性粘着剤からなる層3の積層はこれら2つの粘着層を同時に複合押出機を用いて貼り合わせることができる他、それぞれを別々に形成して貼り合わせた後に方形,多角形,台形,長方形,円形,楕円形等の所望の形状に形成することもできる。またそれぞれを所望の形状に加工した後に貼り合わせて形成することも自由であるなど、要はこれら2つの粘着層が所望の形状で積層された2層構造をとりうるものであればいずれでもよい。
【0026】
なお、親水性粘着剤からなる層1の過剰な流動により親水性粘着剤からなる層1が疎水性粘着剤からなる層3面よりはみ出し、ひいては被着体からの剥離性を悪くすることを防ぐ工夫として、図3,図4に示すように疎水性粘着剤からなる層3の表面積を親水性粘着剤からなる層1の表面積よりも大きくした形状、即ち疎水性粘着剤からなる層3の片面上の周辺部を除く所望の箇所に該疎水性粘着剤からなる層3の表面積より小さな表面積を持つ親水性粘着剤からなる層1を積層して2層構造に形成することもできる。こうすることにより、親水性粘着剤からなる層1を疎水性粘着剤からなる層3で保持しやすいことは勿論のこと、親水性粘着剤からなる層1が万一体温や分泌液の吸収によって過剰な流動を起こしても、疎水性粘着剤からなる層3のエリアより外にはみ出ることがない。
【0027】
一方、疎水性粘着剤からなる層3の上述のような効果をより一層大きくするために、図2,図4に示すように疎水性粘着剤からなる層3には不織布や布帛3bを内在させることができる。こうすることによって、疎水性粘着剤からなる層3の凝集力を補い、親水性粘着剤からなる層1の過剰な流動性や剥離時の良好な剥離性を一層高めることができる。
【0028】
さらに、瘡傷部を保護する目的で使用される場合の本発明皮膚保護材にあっては、図4に示すとおり、親水性粘着剤からなる層1上に消炎鎮痛剤,局所抗炎症剤,止痒剤,抗疥癬剤,局所麻酔剤,抗細菌剤等の薬剤をしみこませたガーゼ等の治療材10を貼付して用いることもできる。また、前記の薬剤は親水性粘着剤からなる層1中に直接練り込むこともできるが、この場合にはガーゼ等の治療材10を省略することができる。さらにまた、通気性を要望される用途には、親水性粘着剤からなる層1と疎水性粘着剤からなる層3との両方を、または親水性粘着剤からなる層1のみを300g/m2・24時間〜8000g/m2・24時間の透湿度が得られるように設計する。これは、300g/m2・24時間以下の透湿度では透湿度が不十分で、透湿機能を十分に果たし得ないからであり、8000g/m2・24時間以上の透湿度はかえって大気中の湿気の吸湿を招くなど好ましくないからである。なお、上記の透湿度は、親水性粘着剤からなる層1または疎水性粘着剤からなる層3に機械的に細孔を設けるか、当該配合物中に親水性高分子水溶液を添加した後加熱乾燥することにより得ることができる。
【0029】
さらにまた、本願皮膚保護材は図5に示すように、疎水性粘着剤からなる層3または親水性粘着剤からなる層1あるいはその両方の瘡面やストーマ周辺皮膚に貼着される面それぞれに複数の溝1a,3aを設けることができる。これはひとつには貼着する皮膚面への接地面積を少なくして剥離を容易にするためであり、さらには粘着剤層の過剰な流動を厚み方向に逃がして幅や長さ方向へのはみ出しを防ぐためである。
【0030】
さらに、図7に示すように、瘡面に貼着して瘡傷部を保護する用途においては、瘡傷部に貼着後疎水性粘着剤からなる層の保護材5を剥離して識別票9を貼着して、識別を明らかにして用いることもできるし、疎水性粘着剤からなる層の保護材5に所望の識別表示を印刷しておきこれを識別票9として用いることもできる。
【0031】
一方、図8に示すように、パウチ(袋)に取り付けた後、このパウチ(袋)をストーマ周辺の皮膚面に取り付ける用途に用いる皮膚保護材には、例えば図6に示すように疎水性粘着剤からなる層3と親水性粘着剤からなる層1とが積層された部分の略中央部に疎水性粘着剤からなる層3と親水性粘着剤からなる層1とを貫通する孔6を設ける。この孔6は当然のことながらパウチ(袋)の孔及びストーマに連結されるものでなくてはならない。
【0032】
なお、図3〜図6に示す皮膚保護材の皮膚面への貼着は、親水性粘着剤からなる層の保護材2および疎水性粘着剤からなる層3に設けた離形紙4を剥がして貼着する。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例について述べる。
実施例1
表1に示す親水性粘着剤成分と表2に示す疎水性粘着剤成分をそれぞれニーダーで配合した。次に、配合した親水性粘着剤配合物と疎水性粘着剤配合物をそれぞれ押出機で厚さ1mmにシーティングした後、25cm×25cmの大きさに裁断し、加圧プレス機で両者を貼り合わせた後、150mmφに打ち抜き加工してサンプル1を得た。このサンプル1を試用に供したところ表3に示す結果を得た。
【0034】
実施例2
シート形状の親水性粘着剤からなる層を実施例1と同様にして作成した後、150mmφの円形に打ち抜き加工した。次に、厚さ30μmのアクリル粘着剤を保護材(クラフト離形紙)の上にコーティングした保護材を有する疎水性粘着剤からなる層を作製し、この疎水性粘着剤からなる層上に150mmφに打ち抜きした親水性粘着剤からなる層を連続的に積層し、しかる後に170mmφに打ち抜き加工してサンプル2を得た。このサンプル2を試用に供したところ表3に示す結果を得た。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
表3の結果に認められるとおり、サンプル1,サンプル2はいずれも親水性粘着剤からなる層の流動性が小さく、糊残りやカブレのない良好なものであった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の皮膚保護材は、柔軟性,密着性,吸水性を有する親水性粘着剤からなる層が瘡面やストーマ周辺皮膚への密着性を高めて長期間の使用でも確実に密着させることができるし、また瘡面やストーマ周辺皮膚の分泌液を吸収して菌の培地になることもないし、さらに体動に追随しやすく物理的刺激を皮膚面に与えないのでカブレにくいし、また親水性粘着剤からなる層を積層させた疎水性粘着剤からなる層はその凝集力により親水性粘着剤からなる層を皮膚に追随する程度の柔軟性を保ちつつ弾力的に固定して親水性粘着剤からなる層の過剰な流動を防ぐと共に剥離時にもこの凝集力の保持により親水性粘着剤からなる層の破壊による皮膚への糊残りを起こさせることなく皮膚保護材を容易に剥がすことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 疎水性粘着剤からなる層に親水性粘着剤からなる層を積層した本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図である。
【図2】 疎水性粘着剤からなる層に布帛または不織布を内在させた本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図である。
【図3】 疎水性粘着剤からなる層に該層よりも小さな表面積を持つ親水性粘着剤からなる層を積層した本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図である。
【図4】 図3の皮膚保護材の親水性粘着剤からなる層上に治療材を積層した本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図である。
【図5】 疎水性粘着剤からなる層と親水性粘着剤からなる層に複数の溝を設けた本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図である。
【図6】 疎水性粘着剤からなる層と親水性粘着剤からなる層を貫通する孔を設けた本発明皮膚保護材の一例を示す斜視図である。
【図7】 瘡面に貼着して瘡傷部を保護する本発明皮膚保護材の使用例図である。
【図8】 パウチ(袋)に取り付けた本発明皮膚保護材の用途例図である。
【符号の説明】
1 親水性粘着剤からなる層
1a 親水性粘着剤からなる層に設けた溝
2 親水性粘着剤からなる層の保護材
3 疎水性粘着剤からなる層
3a 疎水性粘着剤からなる層に設けた溝
3b 疎水性粘着剤からなる層に内在する布帛または不織布
4 離形紙
5 疎水性粘着剤からなる層の保護材
6 親水性粘着剤からなる層と疎水性粘着剤からなる層とを貫通する孔
7 パウチ(袋)
8 消臭剤孔
9 識別票
10 治療材
Claims (7)
- ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルアセテート系、熱可塑性ゴム系、又は液状ゴム系の弾性ポリマーを主成分とし、粘着付与剤、充填剤、顔料等の添加剤を添加した、20℃でのクリープが正数値で5mm/時間以下の凝集力を有する疎水性粘着剤からなる層の片面上に上記弾性ポリマーと水溶性高分子を7/3〜3/7の割合で混合した混合成分を主成分とする親水性粘着剤からなる層を積層して成ること、及び親水性粘着剤からなる層の表面が皮膚に貼着されることを特徴とするストーマ用又は瘡傷用の皮膚保護材。
- 疎水性粘着剤からなる層が、布帛または不織布を内在させた層であることを特徴とする請求項1記載の皮膚保護材。
- 親水性粘着剤からなる層上に消炎鎮痛剤,局所抗炎症剤,止痒剤,抗疥癬剤,局所麻酔剤,抗細菌剤等の薬剤をしみこませたガーゼ等の治療材を貼付するか、または前記薬剤を親水性粘着剤からなる層中に練り込んだことを特徴とする請求項1または2記載の皮膚保護材。
- 300g/m2・24時間〜8000g/m2・24時間の透湿度を、疎水性粘着剤からなる層と親水性粘着剤からなる層の両方または親水性粘着剤からなる層のみに付与したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚保護材。
- 疎水性粘着剤からなる層の片面上に該疎水性粘着剤からなる層の表面積より小さな表面積を持つ親水性粘着剤からなる層を、疎水性粘着剤からなる層の周辺部を固定するのに十分な程度に余すように積層して成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚保護材。
- 疎水性粘着剤からなる層または親水性粘着剤からなる層あるいはその両方の瘡面やストーマ周辺皮膚に貼着される面に複数の溝を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚保護材。
- 疎水性粘着剤からなる層と親水性粘着剤からなる層とが積層された部分の略中央部に、疎水性粘着剤からなる層と親水性粘着剤からなる層とを貫通する孔であって、パウチとストーマを連結してストーマからの排泄物をパウチに収めるための径の孔を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の皮膚保護材。
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|---|---|---|---|
| JP14325297A JP4477152B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | ストーマ用又は瘡傷用の皮膚保護材 |
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