JP4477255B2 - 海底布設長尺体布設船 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、海底送水管、海底送油管、海水取水用管等の流体輸送管、電力、通信(光通信を含む)用の海底ケーブル等の海底布設長尺体を海底に布設(埋設を含む)するための海底布設長尺体布設船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の海底布設長尺体布設船は、海底布設長尺体を収納する長尺体収納部と、海底布設長尺体を海中に落とし込む速度を制御するブレーキ装置と、海底布設長尺体を海中に落とし込むシュータとを備えている。そして、この布設船を用いて、海底布設長尺体を海底に布設する場合には、予め長尺体収納部に海底布設長尺体を収納した布設船を海上で所定の布設ルートに沿って曳船により曳航する。これと同時に、長尺体収納部から海底布設長尺体を引き出し、ブレーキ装置で所定の落とし込み速度に制御しながら、シュータにより布設船の船尾又は船首から海中に落とし込み、海底に布設することにより行う。なお、海底に布設した海底布設長尺体は必要に応じて海底に埋設する。
【0003】
ところで、海底布設長尺体を布設船から海中に落とし込むために用いるシュータは、海底布設長尺体を海中に落とし込む際、海底布設長尺体を許容曲率半径以上に維持すると共に、海底布設長尺体に加わる側圧を許容側圧以下に抑制するために不可欠な装置である。そして、その海底布設長尺体と接触する滑走面の摩擦係数を小さくし、海底布設長尺体との摩擦抵抗を軽減して、シュータを通過して海中に落ちる海底布設長尺体に大きなブレーキ力が作用しないようにし、海底布設長尺体を海中に落とし込むようになっている。
【0004】
また、海底布設長尺体を海中に落とし込む速度を制御するブレーキ装置に必要とされる制御力、即ち、ブレーキ力Fは、海底に布設される海底布設長尺体の布設水深hと海底布設長尺体の単位長さ当りの水中重量Wに大きく依存し、海底布設長尺体がシュータを通過する際にシュータから受ける摩擦抵抗を前記により無視すると、下記(1)式に示すような関係になる。
【0005】
【数1】
F=Wh・・・・・(1)
【0006】
従って、海底布設長尺体の布設水深hが深くなるに伴い、ブレーキ装置に必要とされるブレーキ力Fが大きくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
最近、各地で比較的水質が良好で栄養分を多く含み、且つ、低温度の海洋深層水の開発利用が進み、この深層水を海上又は陸上にくみ上げ輸送するために用いる取水用管の海底への布設水深が急激に深くなる傾向にある。このような水深の深い海域の海底に取水用管を布設する場合には、その布設時に前記布設船の船尾又は船首で支持すべき取水用管水中重量が増大化してくるので、この水中重量の大部分をブレーキ装置で支える必要があり、そのブレーキ装置において、取水用管を布設船から海中に落とし込む速度を制御するために必要となるブレーキ力が非常に大きくなってくる。そうすると、そのブレーキ装置を駆動する動力及び各部機構の機械的強度を大きくする必要があり、ブレーキ装置が大型、大重量化し、大幅なコストアップを引き起こす問題があった。
【0008】
また、ブレーキ装置で取水用管を把持する把持力も必然的に増加して中空の取水用管に許容される側圧を越える大きな側圧が加わり、中空の取水用管が圧縮されて座屈破壊を引き起こす恐れもあった。
【0009】
このような問題は、前記取水用管以外の海底布設長尺体である海底送水、送油管等の流体輸送管を水深の深い海域の海底に布設する場合にも生じていた。
更に、前記流体輸送管以外の海底布設長尺体である、例えば、海底ケーブルを海底布設する場合には、前記取水用管の場合ほど、水深の深い海域の海底に布設するケースが少ないけれども、前記取水用管よりも単位長さ当りの水中重量が一般に大きいので、布設水深が少し深くなってくると、同様にブレーキ装置の駆動制御に必要となるブレーキ力が大きくなり、ブレーキ装置が大型、大重量化してコストアップを引き起こすほか、海底ケーブルに許容側圧を越える過大な側圧が加わり、海底ケーブルが変形や損傷して電気的特性や信号伝送特性を低下させる恐れがあった。
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、海底布設長尺体を海中に落とし込む速度を制御するブレーキ装置の大型、大重量化を防ぎ、且つ、ブレーキ装置に加わる側圧が過大にならないようにした海底布設長尺体布設船を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、海底布設長尺体を収納する長尺体収納部と、海底布設長尺体を海中に落とし込む速度を制御するブレーキ装置と、海底布設長尺体を海中に落とし込むシュータとを備えた海底布設長尺体布設船において、前記シュータの海底布設長尺体と接触する滑走面に、海底布設長尺体との摩擦抵抗を増大させるための高摩擦抵抗層を設けてなるもので、前記高摩擦抵抗層は、海底に布設された海底布設長尺体を前記布設船に引き揚げる方向の摩擦抵抗が海底布設長尺体を布設船から海中に落とし込む方向の摩擦抵抗よりも小さくなるように、摩擦係数に方向性を持たせてなることを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によると、布設船からブレーキ装置を経由してシュータの滑走面を滑りながら海中に落とし込まれる海底布設長尺体は、シュータの滑走面に設けた高摩擦抵抗層による摩擦抵抗の作用で、海底布設長尺体を海中に落とし込む方向とは逆方向へ引き揚げようとするブレーキ力が大きく働く。そうすると、海底布設長尺体の布設水深が深くなり、その布設時に海底布設長尺体の水中重量が増大化しても、その水中重量をブレーキ装置だけでなく、シュータの方でも支えることになり、ブレーキ装置で海底布設長尺体を海中に落とし込む速度を制御するために必要となるブレーキ力が減少する。従って、ブレーキ装置を駆動制御する動力及び各部機構の機械的強度を小さくすることが可能になり、ブレーキ装置の小型、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
【0013】
また、ブレーキ装置で必要となるブレーキ力が減少すると、海底布設長尺体の把持力も必然的に小さくなり、海底布設長尺体に許容側圧を越える過大な側圧が作用しなくなるので、海底布設長尺体の布設時に、海底布設長尺体が座屈破壊、変形又は損傷等を起こさなくなり、海底布設長尺体を水深の深い海域の海底に安全に布設することができる。
【0015】
このように、前記高摩擦抵抗層の摩擦係数に方向性を持たせると、海底に布設された海底布設長尺体が投錨等により損傷し、布設船上に引き揚げて修理するような場合に、その海底布設長尺体を引き揚げる方向のシュータの摩擦抵抗が小さくなるので、海底布設長尺体を引き揚げるために要する引取り力を低減させることができる。従って、布設船上に設けた海底布設長尺体の巻取り回収設備を小型化することが可能になり、回収設備費用を低く抑えることができるほか、シュータの摩擦抵抗が加わることにより海底布設長尺体の引取り力が増大して、海底布設長尺体が回収途中で損傷を受ける恐れもなくなるので好ましい。
【0016】
更に、本発明においては、前記高摩擦抵抗層の摩擦係数に方向性を持たせるために、該抵抗層の海底布設長尺体との接触面に、海底布設長尺体の落とし込み又は引き揚げ方向に沿って複数の断面不等辺三角形状の突起体を設け、該突起体のシュータ上方に位置する傾斜辺の長さをシュータ下方に位置する傾斜辺の長さよりも短く形成するようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面により詳細に説明する。図1は本発明の海底布設長尺体布設船10を用いて海底布設長尺体である、例えば、海洋深層水の取水用管12を海底14に布設している状態を示す概要図である。本図に示す海底布設長尺体布設船10は、取水用管12を布設船上又は船内にじかに、又は布設船上又は船内に設置したターンテーブルやドラムにコイル状に巻回して収納する長尺体収納部16と、取水用管12を海中に落とし込む速度を制御するキャタピラ等のブレーキ装置18と、取水用管12を海中に落とし込むガイドとなるシュータ20とを備えている。
【0018】
シュータ20は、図2(イ)(ロ)に示すように、開口を上部に向けた断面コ字状で、且つ、長さ方向に1/4円形状の樋型(ベンド型)をしており、本体は軟鋼、ステンレス鋼材等の金属材料で出来ている。そして、図1に示すように、前記布設船10の船尾に、又は船首(図示せず)に設置される。このシュータ20の内側底面は、取水用管12と滑り接触しながら案内して海中に落とし込むための滑走面20aになっており、取水用管12に無理な曲げが加わらないように、許容曲率半径以上を維持し、且つ、一定曲率半径で外側に凸状に湾曲して形成されている。
【0019】
本発明の海底布設長尺体布設船10は、前記シュータ20の滑走面20aに、取水用管12との摩擦抵抗を増大させるための高摩擦抵抗層22を設けたことを特徴としている。この高摩擦抵抗層22は、例えば、図2(ハ)に示すように、前記滑走面20aの形状に合致するように、弧状にわん曲した断面矩形状のゴム板状体(ゴムシート)24からなり、底面を接着材等で滑走面20a上に貼り付けることにより設ける。ゴム板状体24は、EPラバー、ウレタンゴム、ポリブタジエンゴム等の耐磨耗性、耐久性の優れたゴム材で出来ている。ゴム材を使用することにより、取水用管12との接触面の摩擦係数が大きくなり、取水用管12との摩擦抵抗を増大させることができる。
【0020】
なお、ゴム板状体24の取水用管12との接触面に、図3に示すような多数の微小凹凸部24aを設けて接触面に粗面化処理を施すと、更に該接触面の摩擦係数が大きくなり、摩擦抵抗をより増大させることができる。前記摩擦係数は高摩擦抵抗層22の材質やゴム板状体24の接触面の凹凸状態(粗面状態)等を変更することに調節することができ、1.0程度の係数値のものまで容易に得ることもできる。
【0021】
このように、シュータ20の滑走面20aに高摩擦抵抗層22を設けることにより、取水用管12が前記滑走面20aを滑りながら海中に落ちるときの摩擦抵抗が増大し、シュータ20のところで取水用管12の落とし込みに対抗するブレーキ力が作用するため、ブレーキ装置18で必要とされるブレーキ力、即ち、該装置18で取水用管12に働かせなければならないブレーキ力を軽減緩和することが出来る。そこで、シュータ20の滑走面20aに設けた高摩擦抵抗層22の表面(取水用管12との接触面)における摩擦係数と前記ブレーキ装置18で必要とされるブレーキ力との関係は下記(2)式のように求めることができる。
【0022】
【数2】
T=Wh/eμθ ・・・・・(2)
【0023】
上記(2)式において、
T:シュータ20の取水用管12を導入させる入口側の後方張力(=ブレーキ装置18で必要とされるブレーキ力)
W:取水用管12の単位長さ当りの水中重量
h:布設水深
μ:高摩擦抵抗層22の摩擦係数(取水用管12を海中に落とし込むとき)
θ:高摩擦抵抗層22の曲率(図2に示すものではπ/2)
【0024】
水中重量が50kg/m級の可撓性を有する取水用管12を水深100mの海域の海底14に布設する場合、前記高摩擦抵抗層22の前記摩擦係数μをパラメータにしてブレーキ装置18で必要とされるブレーキ力を試算してみると、下記表1のようになる。
【0025】
【表1】
【0026】
上記表1から明らかなように、海中に落とし込まれて海底14に着底するまでの取水用管12の水中重量は、ブレーキ装置18ばかりでなく、シュータ20でも支えることになるので、その水中重量を支える力が分散され、ブレーキ装置18で必要とされるブレーキ力を減少させることが可能になる。また、高摩擦抵抗層22の摩擦係数の増加によって、そのブレーキ力を指数関数的に低減させることができる。例えば、摩擦抵抗が殆どない場合に比較し、高摩擦抵抗層22の摩擦係数が0.5の場合には、ブレーキ装置18で受け持つブレーキ力を約1/2に、また、摩擦係数が1.0の場合には、そのブレーキ力を約1/5にまで低減させることができる。その結果、取水用管12の布設水深が深くなり、その水中重量が増大しても、ブレーキ装置で負担するブレーキ力を軽減することができるので、ブレーキ装置を駆動制御する動力及び各部機構の機械的強度を小さくすることが可能になり、ブレーキ装置の小型、軽量化及びコストダウンを図ることができ、布設工事費用を削減することができる。
【0027】
図4に示すものは、高摩擦抵抗層22の取水用管12との接触面、即ち、高摩擦抵抗層22を構成するゴム板状体24の取水用管12との接触面に、取水用管12の落とし込み方向又は引き揚げ方向(図2(イ)参照)に沿って連続的に複数の断面不等辺三角形状の突起体26を設け、該突起体のシュータ上方に位置する傾斜辺26aの長さがシュータ下方に位置する傾斜辺26bの長さよりも短くなるように粗面化処理を施し、取水用管12の落とし込み方向には逆目、引き揚げ方向には順目となるようにしたものである。即ち、このような突起体26を設けて前記接触面を粗面化処理することにより、海底14に布設された取水用管12を修理等のために前記布設船10に引き揚げる方向の摩擦抵抗が、取水用管12を布設のために前記布設船10から海中に落とし込む方向の摩擦抵抗よりも小さくなるように、高摩擦抵抗層22の前記接触面の摩擦係数に方向性を持たせたものである。
【0028】
このように、前記高摩擦抵抗層22の摩擦係数に方向性を持たせると、海底14に布設された取水用管12が投錨等により損傷し、布設船10上に引き揚げて修理するような場合には、その取水用管12を引き揚げる方向のシュータ20の摩擦抵抗が、取水用管12を落とし込む方向の摩擦抵抗よりも小さくなるので、取水用管12を引き揚げるために要する引取り力を低減させることができる。従って、布設船10上に設けた取水用管12の巻取り回収設備(図示せず)、前記長尺体収納部16がその回収設備を兼ねる場合には、その収納部16を軽量小型化することが可能になり、回収設備費用を低く抑えることができるほか、取水用管12の引き揚げに要する引取り力が減少するので、取水用管12がその回収途中で過度に伸張又は側圧を受けて損傷する恐れもなくなり実用的である。
【0029】
本発明の海底布設長尺体布設船10を用いて取水用管12を海底14に布設する場合には、図1に示すように、予め長尺体収納部16に取水用管12を収納した布設船10を海上で所定の布設ルートに沿って曳船11により曳航する。これと同時に、長尺体収納部16から取水用管12を引き出し、ブレーキ装置18で所定のブレーキ力を付加して落とし込み速度に制御しながら、また、シュータ20により引き揚げ方向への摩擦抵抗を付与しながら、布設船10の船尾又は船首から海中に落とし込み、海底14に布設することにより行う。なお、海底14に布設した取水用管12は、必要に応じて、布設と同時又は布設後に、海底下に埋設する。なお、本発明の布設船10で海底14に布設する海底布設長尺体は、前記取水用管12だけに限定されるものではなく、その他の流体輸送管や海底ケーブル等にも当然適用できるものである。
【0030】
図5(イ)(ロ)に示すものは、図2に示すシュータ20とは異なる構造のシュータ28を示すものである。このシュータ28は、2個の鉄製の半円管状体30、30を分割自在に組み合わせた二つ割り構造のベンド管で構成される。半円管状体30、30は、両側縁に取付け鍔30a、30aを有し、長さ方向に1/4円形状となるように、且つ、許容曲率半径以上の一定曲率半径を維持するように外側に凸状にわん曲させた断面略半円形状に形成される。そして、これら半円管状体30、30を、半円形状凹部が対向するように重ね合わせ、両取付け鍔30a、30aをボルト締めして締結することにより組み合わされ、中心部に取水用管12等の海底布設長尺体を通す貫通穴32が設けられる。この貫通穴32は、海底布設長尺体の外径よりも10〜20%程度大きい内径を有し、内周面、即ち、滑走面には前記高摩擦抵抗層22を構成するゴム板状体(ゴムシート)24が内張りされる。ゴム板状体24の内周面、即ち、海底布設長尺体との接触面には、必要に応じて、海底布設長尺体との摩擦抵抗を増大させるための前記粗面化処理を施してもよい。
【0031】
このようなシュータ28を用いると、海底布設長尺体のほぼ全周面をシュータ28の高摩擦抵抗層22に接触させて海中に落とし込むことが可能になる。従って、海底布設長尺体を落とし込むときの摩擦抵抗をより増大させ、ブレーキ装置18で必要とされるブレーキ力を低減させ、その負担をより軽減することができるので好ましい。
【0032】
なお、前記高摩擦抵抗層22は、いずれもシュータ20、28の取水用管12等の海底布設長尺体と接触する滑走面に、ゴム板状体24を設けて構成される。そのほかに、前記滑走面自体に直に、例えば、前記したような、微小凹凸部24aや断面不等辺三角形状の突起体26を設ける等の粗面化処理を施して高摩擦抵抗層(図示せず)を設けるようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の海底布設長尺体布設船によれば、海底布設長尺体を海中に落とし込むシュータの海底布設長尺体と接触する滑走面に、海底布設長尺体との摩擦抵抗を増大させるための高摩擦抵抗層を設けたので、海底布設長尺体の布設水深が深くなり、その布設時に海底布設長尺体の水中重量が増大化しても、その水中重量をシュータの方でも支えることが可能になり、ブレーキ装置で必要とされるブレーキ力を減少させることができる。従って、ブレーキ装置を駆動制御する動力及び各部機構の機械的強度を小さくすることが可能になり、ブレーキ装置の小型、軽量化及びコストダウンを図ることができる。
【0034】
また、海底布設長尺体の把持力も小さくなり、海底布設長尺体に許容側圧を越える過大な側圧が作用しなくなるので、海底布設長尺体の布設時に、海底布設長尺体が座屈破壊、変形又は損傷等を起こさなくなり、海底布設長尺体を水深の深い海域の海底に安全に布設することができる。
【0035】
また、本発明の海底布設長尺体布設船において、前記シュータの海底布設長尺体と接触する滑走面に設けた高摩擦抵抗層として、海底に布設された海底布設長尺体を前記布設船に引き揚げる方向の摩擦抵抗が海底布設長尺体を布設船から海中に落とし込む方向の摩擦抵抗よりも小さくなるように、摩擦係数に方向性を持たせるようにしてもよい。このようにすると、海底に布設された海底布設長尺体を修理等のために布設船上に引き揚げるような場合に、その海底布設長尺体を引き揚げる方向のシュータの摩擦抵抗が小さくなるので、海底布設長尺体を引き揚げるために要する引取り力を低減させることができる。従って、布設船上に設けた海底布設長尺体の巻取り回収設備を小型化することが可能になり、回収設備費用を低く抑えることができるほか、海底布設長尺体の引き揚げに要する引取り力が減少するので、海底布設長尺体がその回収途中で過度に伸張又は側圧を受けて損傷する恐れもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の海底布設長尺体布設船の使用状態を示す概要図である。
【図2】本発明の海底布設長尺体布設船で使用するシュータの概要を示すもので、(イ)は正面図、(ロ)は右端面図、(ハ)は高摩擦抵抗層の一部を拡大した正面図である。
【図3】図2(ハ)の高摩擦抵抗層の変形例の一部を拡大した正面図である。
【図4】図2(ハ)の高摩擦抵抗層の更なる変形例の一部を拡大した正面図である。
【図5】本発明の海底布設長尺体布設船で使用するシュータの変形例の概要を示すもので、(イ)は正面図、(ロ)は右端面図である。
【符号の説明】
10 海底布設長尺体布設船
11 曳船
12 取水用管
14 海底
16 長尺体収納部
18 ブレーキ装置
20 シュータ
20a 滑走面
22 高摩擦抵抗層
24 ゴム板状体
24a 微小凹凸部
26 断面不等辺三角形状の突起体
26a 傾斜辺
26b 傾斜辺
28 シュータ
30 半円管状体
30a 取付け鍔
32 貫通穴
Claims (2)
- 海底布設長尺体を収納する長尺体収納部と、海底布設長尺体を海中に落とし込む速度を制御するブレーキ装置と、海底布設長尺体を海中に落とし込むシュータとを備えた海底布設長尺体布設船において、前記シュータの海底布設長尺体と接触する滑走面に、海底布設長尺体との摩擦抵抗を増大させるための高摩擦抵抗層を設けてなるもので、前記高摩擦抵抗層は、海底に布設された海底布設長尺体を前記布設船に引き揚げる方向の摩擦抵抗が海底布設長尺体を布設船から海中に落とし込む方向の摩擦抵抗よりも小さくなるように、摩擦係数に方向性を持たせてなることを特徴とする海底布設長尺体布設。
- 前記高摩擦抵抗層の海底布設長尺体との接触面に、海底布設長尺体の落とし込み又は引き揚げ方向に沿って複数の断面不等辺三角形状の突起体を設け、該突起体のシュータ上方に位置する傾斜辺の長さをシュータ下方に位置する傾斜辺の長さよりも短く形成してなることを特徴とする請求項1記載の海底布設長尺体布設船。
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