JP4478466B2 - 樹脂延伸フィルム - Google Patents
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Description
さらに、各種塗工設備でコートする従来法による場合は、予めエンボス加工などを行った基材フィルムの表面にヒートシール性樹脂をコートしようとすると(特許文献4)、基材フィルムの溶媒吸収性が低いために塗工剤の大半が乾燥時に基材フィルムにつけたエンボスの凹部に集まってしまい、コート表面にエンボス形状を再現しにくくなる問題があった。吸水性の無いフィルムを使用する場合は、ホットメルト型樹脂や溶剤系ヒートシール樹脂の塗料を高粘度の状態でグラビヤ塗工機により塗工して彫刻ロールセルの台形パターンを基材表面につける方法も採用されている。しかし、この場合においても高粘度でのコートが必須であるため、生産性低下による製造コストの上昇や、有機溶媒を用いることによる火災や環境汚染の問題があった。
すなわち本発明は、液体吸収係数が5ml/m2・(ms)1/2以上である基材フィルム表面に水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムに関する。
また、ヒートシール性樹脂を塗工した後の乾燥を完了した時、コート層の塗膜表面はディスパージョン粒子形態で形成されることが好まく、ヒートシール性樹脂の相転移温度が50〜140℃であることが好ましい。更に水系ヒートシール性樹脂コート剤の塗工はインライン及び/又はアウトラインのどちらで(あるいは両方で)実施してもよい。
また上記樹脂延伸フィルムを用いたインモールド成形用ラベル及び該ラベルが貼着されたインモールド成形容器も含む。インモールド成形容器は、差圧成形、中空成形、射出成形、発泡成形、延伸ブロー成形又は圧縮成形によって製造されたものであることが好ましく、また、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルおよびポリカーボネートからなる群より選択される材料からなるものが好ましい。
本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設ける基材フィルムは、熱可塑性樹脂を含むものである。基材フィルムに使用する熱可塑性樹脂(A)としては、結晶性プロピレン系樹脂、あるいは高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の結晶性エチレン系樹脂、ポリメチルー1−ペンテンエチレン−環状オレフィン共重合体等の結晶性ポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
結晶性プロピレン系樹脂としてはプロピレン単独重合させたアイソタクティック重合体またはシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合させた様々な立体規則性を有するプロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
基材フィルムにおける熱可塑性樹脂(A)の含有量は、通常20〜80重量%、好ましくは25〜75重量%である。
本発明の樹脂延伸フィルムを構成する基材フィルムに使用することができる無機微細粉末(B)として、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素などの無機微細粉末、無機微細粉末の核の周囲にアルミニウム酸化物ないしは水酸化物を有する複合無機微細粉末、中空ガラスビーズ等を例示することができる。中でも重質炭酸カルシウム、焼成クレー、珪藻土を使用すれば、安価な点及び延伸時に多くの空孔が形成されて好ましい。
基材フィルムにおける無機微細粉末(B)の含有量は、20〜80重量%が好ましく、25〜75重量%がより好ましい。無機微細粉末(B)の含有量が80重量%を超えると延伸が困難になる傾向がある。20重量%未満では所望の表面開口率が得られず液体吸収係数の改善が不十分になる傾向がある。
基材フィルムにおける有機フィラーの含有量は、0〜50重量%が好ましく、0〜40重量%がより好ましい。
また、溶融混練と分散により熱可塑性樹脂中に分散した有機フィラーの粒子径は、樹脂延伸フィルム断面の電子顕微鏡観察により粒子の少なくとも10個を測定してその粒子径の平均値として求めることができる。
基材フィルムには分散剤(C)を好ましく用いることができる。基材フィルムに使用する分散剤(C)としては、例えば酸変性ポリオレフィン、シラノール変性ポリオレフィンなどを例示することができる。この中でも酸変性ポリオレフィンを用いることが好ましい。該酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸をランダム共重合もしくはグラフト共重合した無水酸基含有ポリオレフィン、あるいはメタクリル酸、アクリル酸などの不飽和カルボン酸をランダム共重合もしくはグラフト共重合したカルボン酸基含有ポリオレフィン、グリシジルメタクリレートをランダム共重合もしくはグラフト共重合したエポキシ基含有ポリオレフィンなどが挙げられる。具体例としては、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、アクリル酸変性ポリプロピレン、エチレン・メタクリル酸ランダム共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレートランダム共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレートグラフト共重合体、グリシジルメタクリレート変性ポリプロピレンなどが挙げられ、なかでも好ましくは無水マレイン酸変性ポリプロピレンおよび無水マレイン酸変性ポリエチレンである。
酸変性率が0.01%未満では、表面処理した無機微細粉末(B)の熱可塑性樹脂(A)中への分散効果が不十分になる傾向があり、20%を超えると酸変性ポリオレフィンの軟化点が低くなりすぎて熱可塑性樹脂とのコンパウンドが困難になる傾向がある。
分散剤(C)の含有量が0.01重量部未満では、表面処理した無機微細粉末が十分に分散しないため、所望の表面開口率が得られず、液体吸収係数の改善が不十分になる傾向がある。逆に100重量部を超えると、延伸性が大きく低下し成形時における延伸切れが多くなる傾向がある。
本発明では、表面処理剤(D)で表面処理されている無機微細粉末(B)を用いる。無機微細粉末(B)に使用する表面処理剤(D)は、無機微細粉末(B)の表面を親水化処理するものであることが好ましい。表面処理剤(D)としては、ジアリルアミン塩またはアルキルジアリルアミン塩より選ばれるモノマー(d1)と非イオン親水性ビニルモノマー(d2)との共重合体である水溶性カチオンコポリマー、または水溶性アニオン系界面活性剤が好ましい。水溶性カチオンコポリマーの場合「塩」を形成する陰イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオンおよびメタンスルホン酸イオンからなる群より選ばれるものであることが好ましい。
その具体例として、炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するスルホン酸塩(d3)、炭素数4〜40の範囲の炭化水素基を有するリン酸エステル塩や炭素数4〜40の範囲の高級アルコールのリン酸モノまたはジエステルの塩(d4)、炭素数4〜30の範囲の炭化水素基を有するアルキルベタインやアルキルスルホベタイン(d5)などが挙げられ、本発明の効果を得られるように適宜選択される。(d3)〜(d4)における「塩」とは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、1〜4級アンモニウム塩、1〜4級ホスホニウム塩を示し、塩として好ましいのは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、4級アンモニウム塩、より好ましくはナトリウム塩またはカリウム塩である。
本発明における水系ヒートシール性樹脂コート層(E)は、例えば熱可塑性樹脂の圧空成形や射出成形時に予め金型内にラベルを装着して成形と同時にラベルを貼着するインモールド成形において、金型内での溶融樹脂との接触によりその熱で即座に融解して成形と同時に樹脂容器に均一接着するコート層として有用である。この場合、インモールド成形用ラベルに適した水性のヒートシール性樹脂を適宜選択して使用することができる。また、各種熱シール機を用いて他のフィルム素材と接着させるコート層にも有用であり、この場合も接着するフィルムの表面性質などから水性のヒートシール性樹脂を適宜選択することができる。
水系ヒートシール性樹脂コート層(E)に使用する樹脂は、インモールド成形や熱シールに適したヒートシール性を有する樹脂のディスパージョンが成形上好ましい。ヒートシール性を有する樹脂のディスパージョンとしては、例えばエマルジョン重合されたものや、懸濁重合したもの、あるいは押し出し機などで機械的に粉砕して水溶媒中に分散させたもの等が挙げられる。
これらの中では、アクリル系重合体、酢酸ビニル重合体、スチレン系重合体が好ましく、この中でもエチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体の水系のディスパージョンが好ましい。
また塗工量が多くなると、1回の塗工では塗工しきれず、複数回の重ね塗工が必要となり生産コストも高くなること等の問題が生じる。
更に、塗工乾燥後ヒートシール性樹脂が基材フィルム表面を30%以上、好ましくは40〜90%、更に好ましくは50〜80%を覆っている場合がインモールド成形に向いている。
30%未満の場合には、インモールド成形の際に成形容器との密着性が低下する傾向がある。
更には必要に応じて、分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、水性染料、着色顔料等を適宜添加することができる。
本発明において、少なくとも1種類の表面処理剤(D)を用いて無機微細粉末(B)の表面処理を行うことが好ましい。表面処理方法としては、公知の種々の方法が適応でき、特に制限されない。
混合装置や混合時の温度、時間も使用する表面処理剤成分の性状や物性に応じて適宜選択される。使用される種々の混合機のL/D(軸長/軸径)や撹拌翼の形状、剪断速度、比エネルギー、滞留時間、処理時間、処理温度等についても、使用成分の性状に合わせて適宜選択可能である。
表面処理剤(D)の使用量は、本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムの用途により異なるが、通常無機微細粉末100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.04〜5重量部、より好ましくは0.07〜2重量部の範囲である。
表面処理剤(D)の使用量が0.01重量部未満では十分な表面処理の効果が得られなくなる傾向があり、10重量部超えると表面処理剤の効果が頭打ちになる傾向がある。
本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設ける基材フィルムを構成する成分の好ましい量比範囲は、熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%、表面処理された無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー0〜50重量%からなる樹脂組成物に、分散剤(C)を前記熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)及び/又は有機フィラーの合計100重量部に対して0.01〜100重量部を含有する組成である。この際、前記無機微細粉末(B)及び/又は有機フィラーの含有量が80重量%を超えると膜厚の均一なフィルムを得ることが困難になる傾向があり、熱可塑性樹脂(A)が80重量%を超えると所望の液体吸収係数(10ml/m2・(ms)1/2以上)および表面開口率(7%以上)の基材フィルムが得られないため、前記のように水系ヒートシール性樹脂ディスパージョンを塗工した場合、ディスパージョン中の粒子が開口部への入り込みが少なくなりインモールド成形した場合に基材フィルム表面との密着性の優れた水系ヒートシール性樹脂コート層(E)が得られなくなる傾向がある。また、必要に応じて各構成成分中には、熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、核剤、滑剤、着色剤等を配合してもよい。これらは3重量%以下の割合で配合するのが好ましい。
本発明の水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムは、当業者に公知の種々の方法を組み合わせることによって製造することができる。いかなる方法により製造された樹脂延伸フィルムであっても、本発明に記載された条件を満たすものである限り本発明の範囲内に包含される。
本明細書において「液体吸収係数」とは、JAPAN TAPPI No.51−87に準拠するBLISTOW吸水試験により測定されるものであって、吸水開始20ミリ秒から40ミリ秒における吸水曲線から最小二乗法により直線を得て、その勾配より求められる値を意味する。液体吸収係数は、後述する試験例に記載される具体的手順により測定することができる。
更に本発明の樹脂延伸フィルムは、水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた面にも印刷及び/又は印字して使用することが可能である。水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた面に印刷及び/又は印字を行うことにより、PETボトル、PPボトル、LD−PEボトルの様に透明性の高い容器に貼着する面に様々な情報を付加したり、或いは装飾性を向上して容器の付加価値を高めることが可能である。 かかる印刷及び/又は印字には公知の手法を使用することができ、たとえばオフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、電子写真印刷、インクジェット印刷、溶融熱転写印刷、昇華熱転写印刷などが挙げられる。本発明の樹脂延伸フィルムは、水系ヒートシール性樹脂コート層(E)へ印刷したものであっても、ブリスタリング性、ラベル密着性に優れるため、ラベルが貼着された透明な中空容器を通してヒートシール性樹脂コート層(E)面に施した印刷を明瞭に認識することができる。
例えば、無機微細粉末を0〜40重量%、好ましくは3〜33重量%含有する結晶性ポリオレフィン系樹脂フィルムを該樹脂の融点より低い温度で1方向に延伸して得られる1軸方向に配向したフィルムを基材層とし、その少なくとも片面に熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%および表面処理された無機微細粉末(B)80〜20重量%、有機フィラー0〜50重量%からなる樹脂組成物に分散剤(C)を前記熱可塑性樹脂(A)、無機微細粉末(B)、および有機フィラーの合計100重量部に対して0.01〜100重量部を含有する樹脂組成物の溶融樹脂を最外層として積層し、次いで前記延伸方向と直角方向にこの積層フィルムを延伸することにより、最外層が1軸方向に配向し、基材層が2軸方向に配向した積層構造物の基材フィルムが得られる。
さらに、その基材フィルムの最外層の表面に水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けて本発明の樹脂延伸フィルムが得られる。
好ましい製造方法は基材層と最外層を積層した後にまとめて延伸して得られたフィルム表面にヒートシール性樹脂コート層(E)を設ける工程を含むものである。別個に延伸して積層する場合と比べると簡便であり製造コストも安くなる。
延伸の具体的な方法としては、ロール群の周速差を利用したロール間延伸、テンターオーブンを利用したクリップ延伸などを挙げることができる。ロール間延伸によれば、延伸倍率を任意に調整して、任意の剛性、不透明度、平滑度、光沢度のフィルムを得ることが容易であるので好ましい。延伸倍率は特に限定される物ではなく、本発明の樹脂延伸フィルムの使用目的と、用いる樹脂の特性を考慮して決定する。通常は2〜11倍であり、好ましくは3〜10倍の範囲内で延伸する。なかでも延伸倍率は4〜7倍がより好ましい。
テンターオーブンを利用したクリップ延伸の場合は4〜11倍で延伸することが好ましい。面積倍率としては、通常は2〜80倍であり、好ましくは3〜60倍、より好ましくは4〜50倍である。面積倍率が2倍未満では樹脂延伸フィルムの表面に所定の開口率が得られず十分な吸水性も得られずその表面に容器との密着性の良好な水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けることが困難になる傾向がある。また80倍を超えると延伸切れや粗大な穴あきが多くなる傾向がある。
さらには、水系ヒートシール性樹脂との接着性が向上する利点もある。
塗工後の乾燥方法としては、公知の乾燥手段で行われるが、乾燥過程では使用するヒートシール性樹脂の相転移温度を超えないような条件で乾燥されなければならない。
環流冷却器、温度計、滴下ロート、撹拌装置およびガス導入管を備えた反応器に、ジアリルアミン塩酸塩(60重量%濃度水溶液)500重量部と、アクリルアミド(40重量%濃度水溶液)13重量部および水40重量部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を80℃に昇温した。攪拌下で、滴下ロートを用いて重合開始剤と過硫酸アンモニウム(25重量%濃度水溶液)30重量部を4時間に渡り滴下した。滴下終了後1時間反応を続け、粘稠な淡黄色液状物を得た。これを50g取り、500ml中のアセトン中に注ぐと白色の沈殿を生じた。沈殿を濾別しさらに2回100mlのアセトンでよく洗浄した後、真空乾燥して白色固体状の重合体(水溶性カチオンコポリマー)を得た。得られた重合体のGPCより求めた重量平均分子量は55,000であった。
重質炭酸カルシウム(平均粒子径8μm、日本セメント社製乾式粉砕品)40重量%と水60重量%を充分攪拌混合してスラリー状とし、調製例1にて製造した表面処理剤(D)を重質炭酸カルシウム100重量部当たり0.06重量部加え、テーブル式アトライター型媒体攪拌ミル(直径1.5mmのガラスビーズ、充填率170%、周速10m/sec)を用いて湿式粉砕した。
次いで、主成分が炭素数14のアルカンスルホン酸ナトリウムと炭素数16のアルカンスルホン酸ナトリウムの混合物(2重量%濃度水溶液)50部を加えて攪拌した。次いで350メッシュのスクリーンを通して分級し、350メッシュを通過したスラリーを媒体流動乾燥機((株)奈良機械製作所製MSD―200)で乾燥した。得られた炭酸カルシウムの平均粒子径をマイクロトラック(日機装(株)製)測定したところ1.5μmであった。
以下の手順に従って本発明の条件を満たす基材フィルム(製造例1〜9)および比較例に使用した基材フィルム(製造例10〜16)を製造した。
表1に使用した材料の詳細を記載した。表中の「MFR」はメルトフローレートを意味する。表2に各基材フィルムの製造にあたって使用した材料の種類と量(重量%)、延伸条件、各層の厚み、および不透明度を記載した。表2に記載される材料の番号は、表1に記載される材料の番号に対応している。なお、表2の分散剤添加量は、材料1〜3の合計添加量を100重量部としたときの重量部で表示されている。
この無延伸シートを表2に記載の延伸温度(1)に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、縦一軸延伸フィルムを得た。次いで表2に記載の配合物[B]を250℃に設定された押出機で溶融混練して、前記縦一軸延伸フィルムの両面に積層した。積層物を表2に記載の延伸温度(2)に加熱してテンター延伸機を用いて横方向に8倍延伸し、延伸温度(2)より20℃高い温度で熱処理を行い、1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを得た。
製造例13では特開2001−226507号公報の実施例3の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを用いた。
製造例14では特開2001−164017号公報の実施例3の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを用いた。
製造例15では特開2001−151918号公報の実施例4の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを用いた。
製造例16では特開平10−212367号公報の実施例2の1軸延伸/2軸延伸/1軸延伸された3層樹脂延伸フィルムを用いた。
表3に記載されるヒートシール性樹脂からなるディスパージョン、表3に記載されるブロッキング防止剤、および水を、表4に記載される所定の固形分濃度になるように混合して水系コート剤を調製した。この水系コート剤をスロットダイコーターにてライン速度20m/minで製造例1〜16の基材フィルムの表側に塗工し、表4に記載される乾燥温度に設定した長さ10mのオーブンで乾燥してインモールド成形用ラベル用のフィルムを得た。得られたフィルムの乾燥後の塗工量は表4の通りであった。
製造例において製造した各基材フィルムの表面について、無機微細粉末の分散性、表面開口率、表面開口径、液体吸収係数の評価を行った。各試験の詳細は以下に示す通りである。
製造例1〜16で製造した基材フィルムを、縦500mm×横500mmの大きさに切り取り、その表面(配合物[B]の面)に20°の角度から反射光を当て0.1mm以上の無機微細粉末凝集物(表面突起物)を数えて単位面積当たりの個数をカウントし、以下の3段階で評価した。
○: 3個/m2未満
△: 3個/m2以上10個/m2未満
×: 10個/m2以上
製造例1〜16で製造した基材フィルムより任意の一部を切り取り、観察試料台に貼り付け、その観察面(配合物[B]の表面)に金蒸着して走査型顕微鏡(日立製作所(株)製、S−2400)を用いて倍率2000倍にて表面を写真撮影した。空孔をトレーシングフィルムにトレースして塗りつぶした図を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)で画像処理し、樹脂延伸フィルムの表面開口率を測定した。
更に表面写真より開空孔20個を任意に選び、空孔の中心を通る最短辺の長さを求めその平均値を表面開口径とした。
製造例1〜16で製造した基材フィルムの液体吸収係数を、BRISTOW法(JAPAN TAPPI No.51−87)に準拠し、液体動的吸収性試験機(熊谷理機工業(株)製:BRISTOW試験機II型)を使用して測定した。液体吸収係数は、測定溶液滴下後20ミリ秒から40ミリ秒における吸水曲線から最小二乗法により直線を得て、その勾配より求めた。測定溶液は、蒸留水98重量%に着色用染料としてスタンプインキ(赤)(シャチハタ(株)製)2重量%を混合したものを用いた。液体吸収係数の大きさは、以下の4段階で評価した。
△は実用上問題があり、×は実用的でない。
◎: 15ml/(m2・ms1/2)以上
○: 5ml/(m2・ms1/2)以上15ml/(m2・ms1/2)未満
△: 1ml/(m2・ms1/2)以上5ml/(m2・ms1/2)未満
×: 1ml/(m2・ms1/2)未満
実施例1〜9、比較例1〜7のヒートシール性樹脂コート層を設けた基材フィルムのコート層表面10ヶ所を走査型顕微鏡(日立製作所(株)製、S−2400)を用いて倍率2000倍にて観察した。用いたディスパージョンが粒子の形態を残しているか否かを観察し、以下の3段階で評価判定した。
◎: 全て粒子形態である。
○: 一部粒子間に融着が見られるが実用上問題ない。
×: 全く粒子形態が見られずフィルム状になっている。
実施例1〜9、比較例1〜7のヒートシール性樹脂コート層を設けた基材フィルムを縦70mm、横60mmに打ち抜きラベルを作成した。図2に示すように、ヒートシール性樹脂が塗工された面(1−b)とは反対側の印刷面(1−a)が中空容器製造用成形機の25℃に設定された金型(2)の内壁(2−a)に接するように真空減圧吸引孔(5)から減圧吸引して装着固定した。その後180℃に加熱溶融した高密度ポリエチレン(HDPE、日本ポリケム(株)製:商品名「HB−330」)をショットサイクル12秒で中空成形し、ラベルが貼着された中空容器を得た。
各100ショットの中空成形におけるラベルの装着状況を以下に示す基準で評価判定した。
○: 全て指定された場所に問題なく装着した。
△: ラベルの落下は無いがラベル指定位置にズレがみられ、実用上問題がある。
×: 装着時ラベルの落下やラベル指定位置にズレがみられた。
各得られた容器20個の貼着されたラベルのブリスター発生状況を以下に示す基準で判定し、
5点: ブリスター発生が全くなかったもの
4点: ブリスター発生がラベル面積の10%未満
3点: ブリスター発生がラベル面積の10%以上20%未満
2点: ブリスター発生がラベル面積の20%以上50%未満
1点: ブリスター発生がラベル面積の50%以上
容器20個の総点数で評価した(100点満点)。
○: 100点
△: 80〜99点
×: 79点以下
ラベルが貼着された容器のラベル部分を15mm幅に4点切り取り、ラベル端部の一部を剥がし引張り試験機(オリエンテック(株)製:RTM型)で200mm/分の速度で剥離強度(g)を測定し、その平均値を求めて以下に示す基準で判定した。
○: 200g以上
△: 100〜200g未満
×: 100g未満
実施例1、比較例1、7のヒートシール性樹脂コート層を設けた面に下記の条件でインクジェットプリンター印刷およびグラビア印刷し、内面装飾用の絵柄を作成した後に縦70mm、横60mmに打ち抜きラベルを作成した。
<インクジェットプリンター印刷>
プリンター:CANON BJF−850C(6色、染料インク)
印字絵柄:日本規格協会SCID ワインと食器「A4」
印字設定:普通紙モード、ドライバによる色補正なし
使用環境:Windows(登録商標)ME Pentium(登録商標) 4 1.8GHz、
RAM512MB パラレルI/F
使用ソフト:Adobe Photoshop 5.0J
<グラビア印刷>
印刷機:DNK製 10色機
印刷絵柄:日本規格協会SCID ワインと食器「A4」
インク:大日精化工業(株)製 CSUP(黄、藍、紅の3色)
版ロール:175線
また、ラベルが貼着された透明な中空容器を通して、ヒートシール性樹脂コート層(E)面に施した印刷状態を目視観察し、以下に示す基準で評価判定した。
○:ヒートシール性樹脂コート層(E)面に施した印刷が明瞭に観察された。
×:ヒートシール性樹脂コート層(E)面に施した印刷が不明瞭であった。
各試験結果を表4および表5に示した。
1−b: ラベル接着面
2: 金型
2−a: 内壁
3: ダイ
4: バリソン
5: 吸引孔
6: 空気吹き込みノズル
11−a: ラベル印刷面
11−b: ラベル接着面
12: 金型
12−a: 内壁
13: プリフォーム
14: 吸引孔
15: 延伸ロッド
Claims (23)
- 液体吸収係数が5ml/m2・(ms)1/2以上である基材フィルムに、水系ヒートシール性樹脂コート層(E)を設けた樹脂延伸フィルムであって、
該基材フィルムが、熱可塑性樹脂(A)20〜80重量%と少なくとも1種類の表面処理剤(D)により表面処理された無機微細粉末(B)80〜20重量%とを配合した樹脂組成物100重量部に対し、分散剤(C)0.01〜100重量部を含有し、かつ、
該分散剤(C)が、酸変性ポリオレフィン、シラノール変性ポリオレフィン、またはこれら両方であることを特徴とする樹脂延伸フィルム。 - 基材フィルムの表面開口率が7%以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂延伸フィルム。
- 有機フィラーの含有量が0重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂延伸フィルム。
- 分散剤(C)が酸変性ポリオレフィンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- 熱可塑性樹脂(A)が結晶性ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 分散剤(C)がシラノール変性ポリオレフィンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- 酸変性ポリオレフィンの酸変性率が0.01〜20%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂延伸フィルム。
- 無機微細粉末(B)の表面が表面処理剤(D)によって親水化処理されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- 表面処理剤(D)が水溶性カチオンコポリマー及び/又は水溶性アニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- 水溶性カチオンコポリマーが、ジアリルアミン塩及び/又はアルキルジアリルアミン塩と非イオン親水性ビニルモノマーとを構成単位とすることを特徴とする請求項9に記載の樹脂延伸フィルム。
- 基材フィルムが少なくとも1軸方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が2〜80倍であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の基材フィルムが水系ヒートシール性樹脂コート層(E)と接する層となるように、他の樹脂フィルムを積層した構造を有する樹脂延伸フィルム。
- 水系ヒートシール性樹脂コート層(E)が水系のディスパージョンを含む塗工液を塗工して乾燥することにより設けられたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- ディスパージョンの平均粒子径が基材フィルム表面の平均開口径より大きいことを特徴とする請求項13に記載の樹脂延伸フィルム。
- ディスパージョンが粒子形態で表面にコートされていることを特徴とする請求項13又は14に記載の樹脂延伸フィルム。
- 水系ヒートシール性樹脂コート層(E)に含まれるヒートシール性樹脂の相転移温度が50〜140℃であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- 水系ヒートシール性樹脂コート層(E)がインラインコート及び/又はアウトラインコートにより設けられたことを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- 樹脂延伸フィルムの水系ヒートシール性樹脂コート層(E)の反対面に印刷及び/又は印字により装飾されたことを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- 水系ヒートシール性樹脂コート層(E)面が印刷及び/又は印字により装飾されたことを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の樹脂延伸フィルム。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の樹脂延伸フィルムを用いたことを特徴とするインモールド成形用ラベル。
- 請求項20に記載のラベルが貼着されたインモールド成形容器。
- インモールド成形容器が差圧成形、中空成形、射出成形、発泡成形、延伸ブロー成形又は圧縮成形によって製造される請求項21に記載のインモールド成形容器。
- インモールド成形容器が、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルおよびポリカーボネートからなる群より選択される材料からなることを特徴とする請求項21又は22に記載のインモールド成形容器。
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