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JP4478584B2 - 位置制御装置、測定装置および加工装置 - Google Patents
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JP4478584B2 - 位置制御装置、測定装置および加工装置 - Google Patents

位置制御装置、測定装置および加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、位置制御装置、測定装置および加工装置に関する。詳しくは、駆動手段により駆動される被駆動体の位置を所定の位置指令に基づいて制御する位置制御装置、この位置制御装置を含んで構成される測定装置および加工装置に関する。
従来、モータなどにより駆動される被駆動体の位置を所定の位置指令に基づいて制御するサーボ機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。このサーボ機構は、NC(numerical control:数値制御)座標測定機やNC工作機械などに用いられている。
そして、モータとの連結部に低剛性部分を有するなどにより変位、速度、加速度に振動的な応答が生じる低剛性負荷(被駆動体)を駆動制御する場合に、電流制御ループ、モータ速度制御ループ、負荷の位置を制御する位置制御ループに加えて、負荷の速度を制御する速度制御ループを有する4重ループ制御系で構成されるサーボ機構が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
図25に、このような従来のサーボ機構10の構成を示す。
図25では、電流制御ループおよびモータ速度制御ループをまとめて、伝達関数Gmを有する駆動制御部50として表示している。なお、駆動制御部50から出力されるのは、モータ速度制御ループからの出力としてのモータ速度Vmである。また、被駆動体20の伝達特性をGfとして表示している。
なお、詳細は省略するが、電流制御ループは、モータ、モータドライブパワーアンプ、モータトルク電流検出器、電流特性補償器を備え、モータ速度制御ループは、モータの回転位置を検出するモータ回転位置検出器、モータ回転位置を微分してモータの回転速度を算出する微分器、モータ速度特性補償器を備えて構成される。
速度制御ループ30は、被駆動体20の位置Pdを微分して被駆動体20の速度Vdを算出する微分器330と、位置制御ループ40から出力される速度指令Vdrと微分器330で算出された被駆動体20の速度Vdとを比較して速度偏差Evd=Vdr−Vdを出力する速度比較器310と、伝達関数Glvを有する速度特性補償器320を備えて構成されている。なお、速度特性補償器320からの出力は、モータ速度制御ループに対するモータ速度指令Vmrである。
位置制御ループ40は、被駆動体20の現在位置Pdを所定の位置指令Pdrと比較して位置偏差Epd=Pdr−Pdを出力する位置比較器410と、比例ゲインKを有する位置特性補償器420とを備えて構成されている。なお、図25における430は、伝達関数1/s(sはラプラス演算子)を有する積分要素であり、被駆動体20の速度Vdを積分して被駆動体20の位置Pdを算出する。
そして、このように速度制御ループ30を備えることにより、被駆動体20の剛性が低い場合でも制御システムの制振性を高め、被駆動体20の位置あるいは速度を安定させて高精度に制御することができる。
このサーボ機構10では、前記の各伝達関数・ゲインを適当な値に設定することにより所望の伝達特性を実現できる。各伝達関数・ゲインの設定は種々の観点から行うことができ、例えば、駆動制御部50に含まれるモータのトルクリップルや、被駆動体20に作用する摩擦力などの外乱による被駆動体20の振動的な振舞いを抑制する観点から各伝達関数・ゲインを設定することもできるし、また、被駆動体20の位置Pdや速度Vdが位置指令Pdrや速度指令Vdrに対してオーバーシュート(行過ぎ)しないようにする観点から各伝達関数・ゲインを設定することもできる。
次に、このサーボ機構10の伝達特性について検討する。
以下、説明を簡素化するために、便宜上、駆動制御部50(伝達関数Gm)の応答周波数と、被駆動体20(伝達関数Gf)の共振周波数とが、速度制御ループ30における速度特性補償器320(伝達関数Glv)の折れ点周波数よりも十分高いと仮定した場合を例にとって、伝達特性の検討を行う。この仮定の下では、Gm≒1、Gf≒1と近似でき、図25のサーボ機構10を図26のように描き換えることができる。さらに、図26の速度制御ループ30を等価変換していけば、図27を経て図28が得られる。そして、図28を、さらに等価変換することにより(図示省略)、位置指令Pdrから位置出力Pdまでの伝達関数Gcが次の式(1)で表されることがわかる。
Figure 0004478584
式(1)に示されるように、伝達関数Gcは、速度制御ループ30における速度特性補償器320の伝達関数Glvを含んでいる。
特開2004−118635号公報
さて、Glvを含む伝達関数Gcを有する以上のようなサーボ機構10において、被駆動体20の振動的な振舞いの抑制を目的としてGlvを設定した場合には、オーバーシュートが発生してしまうおそれがあった。なぜなら、振動的な振舞いの抑制を目的として設定されたGlvが、被駆動体20の位置Pdや速度Vdの指令位置Pdrや指令速度Vdrに対するオーバーシュートの発生防止に適したものであるとは限らないためである。また、逆に、オーバーシュートの発生防止を目的としてGlvを設定した場合には、設定されたGlvが被駆動体20の振動的な振舞いの抑制に適したものであるとは限らないため、被駆動体20が振動的な振舞いをしてしまうおそれがあった。
本発明の目的は、被駆動体の振動的な振舞いを抑制できるとともに、被駆動体の位置や速度のオーバーシュートの発生を的確に防止することができる位置制御装置、この位置制御装置を含んで構成される測定装置および加工装置を提供することである。
本発明の位置制御装置は、駆動手段により駆動される被駆動体の位置を所定の位置指令に基づいて制御する位置制御装置であって、前記被駆動体の現在位置を前記位置指令と比較する位置比較器と、この位置比較器での比較結果に基づいて前記被駆動体の位置特性補償を行う位置特性補償器とを有する位置制御ループと、前記位置特性補償器からの出力値を速度指令として、前記被駆動体の現在速度を当該速度指令と比較する速度比較器と、この速度比較器での比較結果に基づいて前記被駆動体の速度特性補償を行う速度特性補償器とを有する速度制御ループと、前記位置特性補償器からの出力値と前記速度特性補償器からの出力値とを加算する加算器と、前記加算器での加算結果に基づいて前記駆動手段を動作して前記被駆動体を駆動する駆動制御部と、を備え、前記駆動制御部の応答周波数と、前記被駆動体の共振周波数とが、前記速度特性補償器の折れ点周波数よりも十分高く、前記位置指令から前記現在位置までの伝達関数に前記速度特性補償器の伝達関数を含まない1次遅れ系の制御装置として表現されることを特徴とする。
ここで、被駆動体の位置を制御する「位置制御ループ」には、被駆動体の位置を直接的に制御するものに限らず、被駆動体を駆動する駆動手段における可動部(例えば、回転モータにおける回転子や、リニアモータにおける直動部材)の位置を制御することにより間接的に被駆動体の位置を制御するものも含まれる。同様に、被駆動体の速度を制御する「速度制御ループ」には、被駆動体の速度を直接的に制御するものに限らず、駆動手段における可動部の速度を制御することにより間接的に被駆動体の速度を制御するものも含まれる。
以上のような本発明の位置制御装置の構成例を図1に示す。
なお、本発明は、この図に示される構成例によって限定されるものではなく、この構成例を、本発明の目的を達成できる範囲内において変形したものであれば、特に、図1の構成例を等価変換したに過ぎないものであれば、本発明の技術的範囲に含まれる。
図1において、1が本発明の位置制御装置、2が被駆動体、3が速度制御ループ、4が位置制御ループ、5が駆動制御部、6が加算器、31が速度比較器、32が速度特性補償器、41が位置比較器、42が位置特性補償器を、それぞれ表している。また、33は被駆動体2の位置Pdを微分して速度を算出する微分器であり、43は積分要素である。ここで、伝達関数1/s(sはラプラス演算子)を有する積分要素43は、実際の装置構成においては、被駆動体2の位置Pdを検出する位置検出器などとして構成されている。なお、駆動手段は、駆動制御部5とまとめて図示されており、単独では図示されていない。
本発明の位置制御装置1は、加算器6を有する点で、図25に示される従来のサーボ機構10の構成と大きく相違している。
本発明の位置制御装置1の伝達特性について検討する。
以下、従来のサーボ機構10についての説明と同様に、説明を簡素化するために、便宜上、駆動制御部5(伝達関数Gm)の応答周波数と、被駆動体2(伝達関数Gf)の共振周波数とが、速度制御ループ3における速度特性補償器32(伝達関数Glv)の折れ点周波数よりも十分高いと仮定した場合を例にとって、伝達特性の検討を行う。したがって、Gm≒1、Gf≒1と近似でき、図1の位置制御装置1を図2のように描き換えることができる。
図2を図3へと等価変換し、さらに、図3の位置特性補償器42と積分要素43との間の部分を等価変換すれば、図4のようになる。また、図4において破線で囲んだ2つの部分を、それぞれ、等価変換すれば、図5のようになる。この図5において、等価変換されて生成される各部分の伝達関数は、それぞれ、(Glv+1)/Glv、および、Glv/(Glv+1)であり、互いに逆数の関係にあるから、乗算することによって、伝達関数が1になる。そして、図5を、さらに等価変換することにより(図示省略)、位置指令Pdrから位置出力Pdまでの伝達関数Gnが次の式(2)で表されることがわかる。
Figure 0004478584
この式(2)を、従来のサーボ機構10についての式(1)と比較すると、式(1)のGcがGlvを含むのに対し、式(2)のGnはGlvを含まないことがわかる。また、式(2)の右辺の分母がラプラス演算子sの1次式になっているので、本発明の位置制御装置1は、1次遅れ系の制御装置であることがわかる。
なお、図1〜図5の流れで行った等価変換は、本発明の位置制御装置1が1次遅れ系の制御装置であることを説明するために行ったにすぎず、このような等価変換を行うことは本発明の構成上の必須要件ではない。
以上のような1次遅れ系の制御装置では、被駆動体の位置や速度のオーバーシュートが発生しないことが一般に知られている。したがって、本発明の位置制御装置1によれば、オーバーシュートの発生を的確に防止できる。
また、式(2)がGlvを含まないので、Glvの設定如何によらず、常にオーバーシュートの発生を防止できる。したがって、被駆動体の振動的な振舞いの抑制を目的としてGlvを設定すれば、被駆動体の振動的な振舞いを抑制できると同時に、オーバーシュートの発生を的確に防止することができる。
また、本発明の位置制御装置では、前記駆動手段は運動可能に設けられる可動部を備え、前記被駆動体は前記可動部に連結されて駆動され、前記駆動制御部は、前記駆動手段の可動部の駆動速度を制御する駆動速度制御ループを備えて構成され、前記駆動速度制御ループは、前記加算器での加算結果を駆動速度指令として、前記可動部の現在の駆動速度を当該駆動速度指令と比較する駆動速度比較器と、この駆動速度比較器での比較結果に基づいて前記可動部の駆動速度特性補償を行う駆動速度特性補償器とを有する、ことが好ましい。
ここで、駆動手段の「可動部」とは、回転動力を発生させる回転モータにおける回転子(ロータ)や、直線動力を発生させるリニアモータにおける直動部材などである。
以上のような構成の位置制御装置では、駆動速度制御ループによって駆動手段の稼動部の駆動速度を精密に制御できるので、被駆動体の速度や位置をより精密に制御することができる。
また、本発明の位置制御装置では、前記被駆動体は、位置制御装置の制御特性を劣化させる低剛性負荷である、ことが好ましい。
このように、被駆動体を低剛性負荷とした場合であっても、速度制御ループによって低剛性負荷の速度を精密に制御することができるので、低剛性負荷の振動的な振舞いを抑制でき、制御特性の劣化を防止することができる。
また、本発明の位置制御装置では、前記速度特性補償器は、PI(比例積分)補償器を含んで構成される、ことが好ましい。
また、本発明の位置制御装置では、前記位置特性補償器は、P(比例)補償器を含んで構成される、ことが好ましい。
本発明の測定装置は、本発明の位置制御装置を含み、前記被駆動体が、被測定物の測定に関与する測定子である、ことを特徴とする。
本発明の加工装置は、本発明の位置制御装置を含み、前記被駆動体が、被加工物の加工に関与する工具である、ことを特徴とする。
このような測定装置および加工装置は、前述した本発明の位置制御装置を含んでいるので、本発明の位置制御装置について前述した作用・効果を奏することができる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図6は、本実施形態の位置制御装置1を示すブロック図である。
位置制御装置1は、駆動手段としてのモータ(図示せず)により駆動される被駆動体2の位置Pdを所定の位置指令Pdrに基づいて制御する装置である。モータは回転可能に設けられるロータ(可動部)を備え、このロータを回転させることにより回転動力を発生し、適当な動力伝達手段を介してロータに連結された被駆動体2を駆動する。なお、被駆動体2としては、低剛性負荷を用いている。
位置制御装置1は、内側から外側へ向かって、モータを動作させる電流Iを制御する電流制御ループ(図示せず)、モータのロータの回転速度Vm(駆動速度)を制御する駆動速度制御ループとしてのモータ速度制御ループ(図示せず)、被駆動体2の速度Vdを制御する速度制御ループ3、被駆動体2の位置Pdを制御する位置制御ループ4の、計4つの制御ループ(フィードバックループ)を備えて構成される4重ループ位置制御装置である。
なお、モータ、電流制御ループ、モータ速度制御ループは、1つにまとめられて、伝達関数Gmを有する駆動制御部5として図示されている。
位置制御ループ4は、外部から入力される位置指令Pdrと、被駆動体2の現在位置Pdとの位置偏差Epd=Prd−Pdを算出して出力する位置比較器41と、位置偏差Epdに比例ゲインKを乗算することによって被駆動体2の位置特性補償を行う位置特性補償器42とを有する。ここで、位置特性補償器42は、比例ゲインKを有するP(比例)補償器である。
速度制御ループ3は、位置特性補償器42からの出力値K・Epdを速度指令Vdrとして、この速度指令Vdrと被駆動体2の現在速度Vdとの速度偏差Evd=Vdr−Vdを算出して出力する速度比較器31と、速度偏差Evdに伝達関数Glvを乗算することによって被駆動体2の速度特性補償を行う速度特性補償器32とを有する。
速度特性補償器32は、PI(比例積分)補償器であり、互いに並列に接続される比例補償器321と積分補償器322とを備えて構成される。比例補償器321は比例ゲインKpを有する。積分補償器322は、積分を表す1/sとゲインKiとが直列に接続されて構成されている。ここで、速度特性補償器32の伝達関数Glvは、比例補償器321の伝達関数Kpと、積分補償器322の伝達関数Ki/sとの和として、Glv=Kp+(Ki/s)、と表すことができる。
速度制御ループ3と駆動制御部5との間には、速度特性補償器32からの出力値(=Glv・Evd)に、位置特性補償器42からの出力値(=K・Epd=速度指令Vdr)を加算する加算器6が設けられている。加算器6は、その加算結果を、駆動制御部5における外側の制御ループとしてのモータ速度制御ループへ入力する。
モータ速度制御ループは、加算器6から入力された加算結果をモータ速度指令Vmr(駆動速度指令)として、このモータ速度指令Vmrと、モータにおけるロータの現在の回転速度Vmとのモータ速度偏差Evm=Vmr−Vmを算出して出力するモータ速度比較器(駆動速度比較器)と、モータ速度偏差Evmに所定の伝達関数を乗算することによってモータ速度の特性補償を行うモータ速度特性補償器(駆動速度特性補償器)とを有して構成されている。
駆動制御部5においてモータ速度制御ループの内側に設けられる電流制御ループは、モータ速度特性補償器からの出力値を電流指令Irとして、この電流指令Irとモータに入力されている現在の電流Iとの電流偏差Ei=Ir−Iを算出して出力する電流比較器と、電流偏差Eiに相当する電流をモータに追加する電流ソースとを有する。これにより、モータには電流指令Irと等しい所望の電流が流されることになる。
以上のようにして、モータ速度制御ループによりモータ速度Vmが、速度制御ループ3により被駆動体2の速度Vdが、位置制御ループ4により被駆動体2の位置Pdが、それぞれ、所望の値になるように精密な制御が行われることになる。
なお、電流制御ループは、モータ電流Iを検出するモータ電流検出器を備えており、検出されたIが電流比較器に入力されるようになっている。
また、モータ速度制御ループは、ロータの回転位置を検出する回転位置検出器と、検出された回転位置を微分してロータの回転速度Vmを算出する微分器とを備えており、算出されたVmがモータ速度比較器に入力されるようになっている。
また、速度制御ループ3は、被駆動体2の位置Pdを微分して速度Vdを算出する微分器33(伝達関数s)を備えており、算出されたVdが速度比較器31に入力されるようになっている。
また、位置制御ループ4は、被駆動体2の速度Vdを積分して位置Pdを算出する積分要素43(伝達関数1/s)を備えており、算出されたPdが位置比較器41に入力されるようになっている。なお、積分要素43は、実際の装置構成においては、被駆動体2の位置Pdを直接検出する位置検出器などとして構成されている。
<オーバーシュートに関する検討>
次に、以上の構成を備える位置制御装置1について、被駆動体2の位置Pdや速度Vdのオーバーシュートに関する検討を行う。
速度特性補償器32の伝達関数Kp+(Ki/s)を伝達関数Glvで置き換えることにより、図6は、既に説明した図1とほとんど同じ様に書き換えることができる。したがって、以降、図1→図2→図3→図4→図5の流れと同様に等価変換を行っていけば、位置指令Pdrから位置出力Pdまでの伝達関数Gnが式(2)と全く同じで表されることがわかる。ここで、式(2)の右辺の分母がラプラス演算子sの1次式になっており、位置制御装置1は1次遅れ系の制御装置になっているから、位置制御装置1によれば、被駆動体2の位置Pdや速度Vdのオーバーシュートの発生を的確に防止できる。
<被駆動体2の振動的な振舞いに関する検討>
次に、被駆動体2の振動的な振舞いについて、図25に示される構成の従来のサーボ機構10と対比しながら検討する。なお、対比を適正に行うため、位置制御装置1とサーボ機構10との間で共通のゲイン・伝達関数(K,Kp,Glvなど)は互いに等しいものとして説明する。
以下、被駆動体2の振動的な振舞いの原因である外乱トルクが制御系に加わっている場合について検討する。ここで、外乱トルクとは、駆動制御部5に含まれるモータのトルクリップルや、被駆動体2に作用する摩擦力を等価変換したものなどである。
図7に、外乱トルクが加わっている従来のサーボ機構10(本実施形態における加算器6が設けられていないもの)を示す。外乱トルクは、本来はモータの出力(トルク)に加わるものであるが、図7では、等価的に、外乱トルクをGt(外乱トルクからモータ速度出力Vmまでの伝達関数)を介してモータ速度出力Vmに加えている。なお、位置制御装置1とサーボ機構10との対比を適正に行うために、速度特性補償器320は、本実施形態の速度特性補償器32と同様に、比例補償器3210(ゲインKp)と積分補償器3220(ゲインKi)とを備えるPI補償器としている。
前記の説明と同様に、Gm≒1、Gf≒1と近似して説明を行う。この近似を行い、さらに、外乱トルクをサーボ機構10への入力と見立てて配置変更を行うと、図7を図8に書き換えることができる。
次に、比例補償器3210と積分補償器3220とをまとめて、伝達関数が、Kp+(Ki/s)=Glv、の速度特性補償器320とすれば図9が得られ、これを更に等価変換すれば図10が得られる。
続いて、外乱トルクの影響のみを考えるために位置指令Pdrを0として、さらに、減算ポイントの変更(図10の想像線参照)を行えば、図11が得られる。
そして、図11を等価変換すると図12が得られる。ここで、図12の前向き要素F1a,F1bは、図11の後ろ向き要素B1を等価変換したものであり、また、図12の前向き要素F2a,F2bは、図11の後ろ向き要素B2を等価変換したものである。
図12の前向き要素F1bと前向き要素F2aとを乗算(乗算結果はK)し、かつ、図12の前向き要素F2bを含むフィードバックループ(破線で囲まれた部分)を等価変換すれば、図13が得られる。そして、図13のフィードバックループを等価変換すれば図14が得られる。
このように得られた図14より、従来のサーボ機構10における外乱トルクから位置出力Pdまでの伝達関数Gcは、次の式(3)のようになる。
Figure 0004478584
次に、本実施形態の位置制御装置1に対して同様の等価変換を行う。
図15に、外乱トルクが加わっている本実施形態1の位置制御装置1を示す。
前と同様にGm≒1、Gf≒1の近似を行い、さらに、外乱トルクを位置制御装置1への入力と見立てて配置変更を行うと、図15を図16に書き換えることができる(なお、速度特性補償器32の伝達関数をGlvにまとめて表示した)。さらに、図16は図17へと等価変換される。
続いて、加算ポイントの変更を行う(図17のP1→図18のP2)と、図18が得られ、図18において破線で囲まれた部分を等価変換すると図19が得られる。
続いて、外乱トルクの影響のみを考えるために位置指令Pdrを0として、さらに、減算ポイントの変更(図19の想像線参照)を行えば、図20が得られる。
そして、図20を等価変換すると図21が得られる(従来のサーボ機構10における図11→図12の等価変換と同様)。
さらに、図21において破線で囲まれた部分を等価変換すると、図22が得られる。そして、図22のフィードバックループ(図22において破線で囲まれた部分)を等価変換すれば図23が得られる。
このように得られた図23より、本実施形態の位置制御装置1における外乱トルクから位置出力Pdまでの伝達関数Gnは、次の式(4)のようになる。
Figure 0004478584
式(3)のGcと、式(4)のGnとを比較すると、両者の違いは分母におけるKのみである。ここでKは位置特性補償器42(420)の比例ゲインなので正である。したがって、Gnのゲイン<Gcのゲイン、が常に成立する。このことは、本実施形態の位置制御装置1(伝達関数Gn)のほうが、従来のサーボ機構10(伝達関数Gc)よりも、外乱トルクに対して被駆動体2(20)の位置Pdが変動しにくいことを示している。したがって、本実施形態の位置制御装置1のほうが、従来のサーボ機構10よりも、被駆動体2(20)の振動的な振舞いを抑制できることがわかる。
特に、以上の例のように速度特性補償器32(320)がPI補償器のときは、Glv=Kp+(Ki/s)={Kp(Tc・s+1)}/(Tc・s)、を式(3)および式(4)に代入すれば、次の式(5)および式(6)が得られる。但し、Tcは速度特性補償器32(320)の時定数であり、Tc=Kp/Ki、である。
Figure 0004478584
Figure 0004478584
式(5)のGcと、式(6)のGnとを比較すると、両者の違いは減衰比(ζcおよびζn)のみである。さらに、減衰比ζcと減衰比ζnとの違いは、ζnの分子に加わっているK・Tcの項のみである。ここで、位置特性補償器42(420)の比例ゲインKと、速度特性補償器32(320)の時定数Tcとは共に正であるので、ζc<ζn、が成り立つ。したがって、周波数ωによらず、Gnのゲイン<Gcのゲイン、である。このことは、本実施形態の位置制御装置1のほうが、従来のサーボ機構10よりも、被駆動体2(20)の振動的な振舞いを抑制できることを示している。
また、これに加えてGlvを適切に設定すれば、被駆動体2(20)の振動的な振舞いをよりいっそう抑制することができる。
<本実施形態の位置制御装置と従来のサーボ機構との比較シミュレーション>
図24に、本実施形態の位置制御装置1と従来のサーボ機構10との比較シミュレーション結果を示す。この図において、横軸は時間tを表し、縦軸は被駆動体2(20)の速度を表す。また、実線で本実施形態の位置制御装置1のシミュレーション結果を示し、破線で従来のサーボ機構10のシミュレーション結果を示す。tは、ランプ関数状の位置指令Pdr(ステップ関数状の速度指令Vdrに対応)を入力した時刻を表し、tは、ステップ関数状の外乱トルクが加わった時刻を表す。
図24に示されるように、従来のサーボ機構10では時刻t直後に指令速度Vdrに対する速度Vdのオーバーシュートが生じているが、本実施形態の位置制御装置1ではオーバーシュートが生じていないことがわかる。
また、外乱トルクが加わった後(時刻t以降)、本実施形態の位置制御装置1のほうが、従来のサーボ機構10に比べて、指令速度Vdrからの速度変動が小さく、指令速度Vdrへの復帰が早い。このことは、本実施形態の位置制御装置1のほうが、従来のサーボ機構10に比べて、被駆動体2(20)の振動的な振舞いを抑制していることを示している。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
加算器6を設けることにより、位置制御装置1が一次遅れ系の制御装置になるから、オーバーシュートを的確に防止できる。
また、加算器6を設けることにより、被駆動体2の振動的な振舞いを、従来のサーボ機構10よりも抑制することができる。
また、以上の2つの効果を奏する位置制御装置1を構成するためには、従来のサーボ機構10に加算器6を付加するだけでよいので、位置制御装置1の構成の複雑化を防止でき、製造コストの増加も小さく抑えることができる。
本実施形態の位置制御装置1は、電流制御ループ、モータ速度制御ループ、速度制御ループ3、位置制御ループ4の計4つの制御ループを備える4重ループ位置制御装置であるから、従来の一般的な3重ループ位置制御装置に比べて被駆動体2の位置制御を精密に行うことができ、振動的な振舞いを抑制することができる。
特に、被駆動体2とモータとの連結部の剛性が低い場合などは、モータの可動部(ロータ等)の運動と被駆動体2の運動とが完全には一致しないので、本実施形態のように、モータ速度制御ループと(被駆動体2の)速度制御ループ3とを設けることにより、被駆動体2の位置Pdを精密に制御することができる。
被駆動体2を位置制御装置1の制御特性を劣化させるような低剛性負荷とした場合であっても、速度制御ループ3によって低剛性負荷の速度を精密に制御することができるので、低剛性負荷の振動的な振舞いを抑制でき、制御特性の劣化を防止することができる。
<変形例>
本発明は、以上で説明した実施形態によって限定されるものではなく、この実施形態を、本発明の目的を達成できる範囲内において変形したものであれば、本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、前記実施形態では、電流制御ループ、モータ速度制御ループ、速度制御ループ3、位置制御ループ4の計4つの制御ループを備える4重ループ位置制御装置1について説明したが、本発明は、電流制御ループ、速度制御ループ、位置制御ループの計3つの制御ループを備える3重ループ位置制御装置にも適用できる。このとき、位置制御ループは、被駆動体の位置を直接的に制御するものであってもよいし、駆動手段における可動部の位置を制御することにより間接的に被駆動体の位置を制御するものであってもよい。また、速度制御ループも、被駆動体の速度を直接的に制御するものであってもよいし、駆動手段における可動部の速度を制御することにより間接的に被駆動体の速度を制御するものであってもよい。なお、電流制御ループは駆動手段に入力される電流を制御するものである。このような3重ループ位置制御装置において、加算器は、位置制御ループにおける位置特性補償器からの出力値と、速度制御ループにおける速度特性補償器からの出力値とを加算し、その加算結果を電流指令として、電流制御ループにおける電流比較器に入力するように構成される。
また、前記実施形態では、位置検出器(積分要素43に相当)などによって被駆動体2の位置Pdを検出し、微分器33で位置Pdを微分することにより被駆動体2の速度Vdを算出していたが、本発明では、演算により速度Vdを取得する代わりに、速度検出器によって速度Vdを直接検出してもよい。また、位置検出器などによって被駆動体2の位置Pdを直接検出する代わりに、被駆動体2の速度Vdを速度検出器により検出し、この速度Vdを積分することによって被駆動体2の位置Pdを算出することも原理的には可能である。
また、前記実施形態では、速度特性補償器32として、比例補償器321と積分補償器322とを並列接続したPI補償器を用いていたが、本発明ではPI補償器に限らず、速度特性補償器32の構成は適宜自由に設定することができる。速度特性補償器32がPI補償器ではない場合も、式(3)および式(4)に基づいて、Gn(本発明)のゲイン<Gc(従来)のゲイン、が常に成立するので、本発明によれば被駆動体の振動的な振舞いを常に抑制することができる。
また、前記実施形態では、被駆動体2の位置を制御する位置制御装置1について説明したが、このような位置制御装置を含んで構成される測定装置や加工装置も本発明の技術的範囲に含まれる。測定装置においては測定子が、加工装置においては工具が、それぞれ、本発明の被駆動体として、その位置が制御されるようになっている。
本発明の位置制御装置の構成例を示すブロック図である。 図1を、Gm≒1,Gf≒1の近似の下で描き換えたブロック図である。 図2を等価変換して得られるブロック図である。 図3を等価変換して得られるブロック図である。 図4を等価変換して得られるブロック図である。 本発明の実施形態としての位置制御装置の構成を示すブロック図である。 外乱トルクが加わっている従来のサーボ機構の構成を示すブロック図である。 図7において、Gm≒1,Gf≒1と近似し、さらに、外乱トルクをサーボ機構への入力と見立てて配置変更して得られるブロック図である。 図8を等価変換して得られるブロック図である。 図9を等価変換して得られるブロック図である。 位置指令Pdrを0とした上で図10を等価変換して得られるブロック図である。 図11を等価変換して得られるブロック図である。 図12を等価変換して得られるブロック図である。 図13を等価変換して得られるブロック図である。 外乱トルクが加わっている本実施形態の位置制御装置の構成を示すブロック図である。 図15において、Gm≒1,Gf≒1と近似し、さらに、外乱トルクをサーボ機構への入力と見立てて配置変更して得られるブロック図である。 図16を等価変換して得られるブロック図である。 図17を等価変換して得られるブロック図である。 図18を等価変換して得られるブロック図である。 位置指令Pdrを0とした上で図19を等価変換して得られるブロック図である。 図20を等価変換して得られるブロック図である。 図21を等価変換して得られるブロック図である。 図22を等価変換して得られるブロック図である。 本実施形態の位置制御装置と、従来のサーボ機構との比較シミュレーション結果を示すグラフ。 従来のサーボ機構の構成を示すブロック図である。 図15を、Gm≒1,Gf≒1の近似の下で描き換えたブロック図である。 図26を等価変換して得られるブロック図である。 図27を等価変換して得られるブロック図である。
符号の説明
1…位置制御装置
2…被駆動体
3…速度制御ループ
4…位置制御ループ
5…駆動制御部
6…加算器
31…速度比較器
32…速度特性補償器
33…微分器
41…位置比較器
42…位置特性補償器
43…積分要素

Claims (7)

  1. 駆動手段により駆動される被駆動体の位置を所定の位置指令に基づいて制御する位置制御装置であって、
    前記被駆動体の現在位置を前記位置指令と比較する位置比較器と、この位置比較器での比較結果に基づいて前記被駆動体の位置特性補償を行う位置特性補償器とを有する位置制御ループと、
    前記位置特性補償器からの出力値を速度指令として、前記被駆動体の現在速度を当該速度指令と比較する速度比較器と、この速度比較器での比較結果に基づいて前記被駆動体の速度特性補償を行う速度特性補償器とを有する速度制御ループと、
    前記位置特性補償器からの出力値と前記速度特性補償器からの出力値とを加算する加算器と、
    前記加算器での加算結果に基づいて前記駆動手段を動作して前記被駆動体を駆動する駆動制御部と、
    を備え
    前記駆動制御部の応答周波数と、前記被駆動体の共振周波数とが、前記速度特性補償器の折れ点周波数よりも十分高く、前記位置指令から前記現在位置までの伝達関数に前記速度特性補償器の伝達関数を含まない1次遅れ系の制御装置として表現されることを特徴とする位置制御装置。
  2. 請求項1に記載の位置制御装置において、
    前記駆動手段は運動可能に設けられる可動部を備え、前記被駆動体は前記可動部に連結されて駆動され、
    前記駆動制御部は、前記駆動手段の可動部の駆動速度を制御する駆動速度制御ループを備えて構成され、
    前記駆動速度制御ループは、前記加算器での加算結果を駆動速度指令として、前記可動部の現在の駆動速度を当該駆動速度指令と比較する駆動速度比較器と、この駆動速度比較器での比較結果に基づいて前記可動部の駆動速度特性補償を行う駆動速度特性補償器とを有する、
    ことを特徴とする位置制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の位置制御装置において、
    前記被駆動体は、位置制御装置の制御特性を劣化させる低剛性負荷である、
    ことを特徴とする位置制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の位置制御装置において、
    前記速度特性補償器は、PI(比例積分)補償器を含んで構成される、
    ことを特徴とする位置制御装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の位置制御装置において、
    前記位置特性補償器は、P(比例)補償器を含んで構成される、
    ことを特徴とする位置制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の位置制御装置を含み、
    前記被駆動体が、被測定物の測定に関与する測定子である、
    ことを特徴とする測定装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の位置制御装置を含み、
    前記被駆動体が、被加工物の加工に関与する工具である、
    ことを特徴とする加工装置。
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