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JP4480458B2 - 大気開放型化学気相析出装置 - Google Patents
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JP4480458B2 - 大気開放型化学気相析出装置 - Google Patents

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本発明は、大気開放型化学気相析出装置に関するものである。
大気開放型の化学気相析出装置(CVD装置)は、成膜室において気化させた成膜材料とキャリアーガスとから成る材料ガスを、大気開放下で加熱される基材に吹き付けることで成膜を行うものである。
この大気開放型のCVD装置としては、例えば特開2001−254180号公報(特許文献1)に開示されているように、加熱された基材の両面から前記材料ガスを吹き付けることで、この基材の両面に同時に成膜を行える構成のものがある。
特開2001−254180号公報
ところで、上述のような構成のCVD装置においては、確かに基材を入れ替えて片面ずつに成膜を行う場合に比し、基材の両面に同時に成膜を行え、それだけ手間がかからないことになるが、キャリアーガス(材料ガス)は、成膜材料が酸化反応をしない温度、例えば350度程度に加熱されているのに対し、基材は、前記成膜材料が酸化反応する温度、例えば600度程度にまで加熱されている。
材料ガスと基材とに大きな温度差がある状態で材料ガスを薄い基材に両面から吹き付けた場合、適正な酸化反応温度に加熱された基材の温度低下が顕著となり、酸化反応に不適正な温度となってしまい、その結果膜質及び成膜速度の低下を招き、両面に同時に成膜を行うことで却って生産効率が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上述の問題点を解決するもので、搬送手段により搬送される基材の非成膜面を加熱しながら片面ずつ連続的に酸化物膜を成膜することにより、簡易な構成で材料ガスを吹き付けた際に基材の温度を低下させることなく反応温度近傍の適正な反応温度に保ちながら基材の両面に順次成膜を行うことができ、基材に成膜される酸化物膜の膜質及び成膜速度を向上させて生産効率の向上を図ることができる極めて実用性に秀れた画期的な大気開放型化学気相析出装置を提供することを目的としている。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
気化させた成膜材料とキャリアーガスとから成る材料ガスを、材料噴霧手段10により大気開放下で加熱される基材1に吹き付けてこの基材1の両面に酸化物膜を成膜する大気開放型化学気相析出装置であって、基材1の片面に前記材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜する第一成膜室2と、この基材1の反対面に前記材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜する第二成膜室3とを有し、この第一成膜室2若しくは第二成膜室3において基材1の片面に酸化物膜を成膜する際、この反対側の面を加熱する加熱手段4を、第一成膜室2及び第二成膜室3の双方に設け、この第一成膜室2は、前記基材1の片面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を前記加熱手段4により加熱し得るように構成し、前記第二成膜室3は、基材1の前記第一成膜室2において酸化物膜が成膜される前記片面の反対面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を前記加熱手段4により加熱し得るように構成し、この第一成膜室2及び第二成膜室3に基材1を順次搬送し得る搬送手段5を備えて、この搬送手段5による搬送により前記基材1の両面に順次酸化物膜を成膜できるように構成したことを特徴とする大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記第一成膜室2に、前記基材1の片面の略全面に前記材料ガスを吹き付け得る材料噴霧手段10と、この反対側の面の略全面を加熱し得る加熱手段4とを設け、前記第二成膜室3に、前記基材1の前記第一成膜室2において酸化物膜が成膜される片面の反対面の略全面に前記材料ガスを吹き付け得る材料噴霧手段10と、この反対側の面の略全面を加熱し得る加熱手段4とを設けたことを特徴とする請求項記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記第一成膜室2は、縦型に保持された前記基材1の片面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱し得るように前記材料噴霧手段10と加熱手段4とを構成し、前記第二成膜室3は、縦型に保持された前記基材1の前記第一成膜室2において酸化物膜が成膜される片面の反対面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱し得るように前記材料噴霧手段10と加熱手段4とを構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記搬送手段5は、前記基材1を縦型に保持したまま前記第一成膜室2及び第二成膜室3に順次搬送し得るように構成したことを特徴とする請求項3記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記加熱手段4は、前記基材1の下側程高温で加熱するように構成して、前記基材1の略全面を略均一な温度に加熱し得るように構成したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記第一成膜室2若しくは第二成膜室3に搬送される基材1を予備加熱する予備加熱室6を備えたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記予備加熱室6に基材1を両面から加熱する予備加熱手段7を設けたことを特徴とする請求項記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記予備加熱室6,第一成膜室2及び第二成膜室3を一方向に隣接若しくは近接状態に配設し、前記搬送手段5による搬送により、前記基材1が前記各室において連続的に処理されるように構成したことを特徴とする請求項6,7のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記予備加熱室6,第一成膜室2及び第二成膜室3の底部に、夫々前記搬送手段5により搬送される基材1若しくはこの搬送手段5が通過し得る搬送スリット部25を設けたことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記予備加熱室6,第一成膜室2及び第二成膜室3を、これら各室を仕切る仕切り弁部9を介して連設状態に設けたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記第二成膜室3に連設状態に、基材1を冷却するための冷却手段を設けた冷却室8を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
また、前記基材1を第一成膜室2及び第二成膜室3において成膜する際、停止状態若しくは搬送状態で酸化物膜を成膜し得るように前記搬送手段5を構成したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、簡易な構成で材料ガスを吹き付けた際に基材の温度を低下させることなく反応温度近傍の適正な反応温度に保ちながら基材の両面に順次成膜を行うことができ、基材に成膜される酸化物膜の膜質及び成膜速度を向上させて生産効率の向上を図ることができる極めて実用性に秀れた画期的な大気開放型化学気相析出装置となる。
また、請求項2記載の発明においては、本発明を一層容易に実現できる一層実用性に秀れたものとなる。
また、請求項3,4記載の発明においては、大面積の基材であっても良好に酸化物膜を成膜できるより一層実用性に秀れたものとなる。
また、請求項5〜7記載の発明においては、基材の加熱を一層良好に行え、それだけ短時間で良好な酸化物膜を成膜できるより一層実用性に秀れたものとなる。
また、請求項8,9記載の発明においては、一層効率良く成膜を行えると共に装置のコンパクト化も図れるより一層実用性に秀れたものとなる。
また、請求項10記載の発明においては、冷却時間を短縮できると共に基材を取り出す際に生じる変形を阻止できるより一層実用性に秀れたものとなる。
また、請求項11記載の発明においては、各室の断熱性及び気密性を高めてより効率的に成膜を行えるより一層実用性に秀れたものとなる。
また、請求項12記載の発明においては、より適正な条件で成膜を行うことができるより一層実用性に秀れたものとなる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
基材1に材料ガスを吹き付けて基材1の両面に酸化物膜を成膜する際、基材1を搬送手段5により第一成膜室2及び第二成膜室3に順次搬送し、第一成膜室2において片面に材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜し、第二成膜室においてこの酸化物膜が成膜された片面の反対面に材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜することで、この基材1の両面に順次酸化物膜を成膜する。
即ち、第一成膜室2と第二成膜室3とで基材1の片面ずつ材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜することで、両面に同時に成膜を行う場合に比し、吹き付けた材料ガス(300度程度)による基材1(600度程度)の温度低下を抑制することができる。
しかも、片面に材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱手段4により加熱することで、基材1の温度を材料ガスの反応温度に近い適正な温度に保持しながら成膜を行うことが可能となる。
即ち、例えば、第一成膜室2においては片面に材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱手段4により加熱することで酸化物膜を成膜し、第二成膜室3においては前記酸化物膜が成膜された片面の反対面に材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱手段4により加熱することで酸化物膜を成膜して、この基材1の両面に酸化物膜を成膜することで、基材1の温度低下は一層抑制されることになり、材料ガスに含まれる成膜材料が基材1上で良好に成膜される温度を保持しつつ成膜を行えることになる。
従って、成膜材料をより適正な温度で酸化反応させることができるから、酸化物膜の膜質及び成膜速度を向上させることができ、生産効率の向上を図ることができる。
更に、第一成膜室2及び第二成膜室3は、基材1の片面側に材料噴霧手段10を設け、この反対側の面に加熱手段4を設ける構成であり、これらが一側に片寄らず簡易な構成で実現でき、しかも、この第一成膜室2と第二成膜室3とは略同一構成のもの(前記材料噴霧手段10と加熱手段4の位置が異なるだけ)を採用できるから、それだけ容易且つコスト安に製造できることになる。
また、前記搬送手段5により第一成膜室2及び第二成膜室3に順次搬送することで一連に基材1の両面に成膜を行うことができるから、片面ずつ成膜を行う構成でありながら、厄介な入れ替え作業を必要とせず、更に、基材1の搬入出も容易であり、この点からも生産効率の向上を図ることができる。
更に、基材1の片面のみに成膜を行って取り出した場合、成膜した酸化物膜の内部応力により基材1が歪み及び変形を引き起こし、この酸化物膜のひび割れや剥離を発生させて品質を低下させることがあるが、本発明によれば、例えば第一成膜室2及び第二成膜室3を一方向に隣接若しくは近接状態に配設し、この第一成膜室2及び第二成膜室3で連続的に成膜を行えるようにすることで、上述のような問題を生じさせることなく片面ずつに成膜を行うことができる。
従って、基材1の両面への酸化物膜の成膜を極めて効率良く行うことができるのは勿論、この酸化物膜の膜質を向上させることができ、品質及び生産性の向上を図ることができる。
また、例えば、前記第一成膜室2に、前記基材1の片面の略全面に前記材料ガスを吹き付け得る材料噴霧手段10と、この反対側の面の略全面を加熱し得る加熱手段4とを設け、前記第二成膜室3に、前記基材1の前記第一成膜室2において酸化物膜が成膜される片面の反対面の略全面に前記材料ガスを吹き付け得る材料噴霧手段10と、この反対側の面の略全面を加熱し得る加熱手段4とを設けた場合には、基材1の略全面に効率良く均質な酸化物膜を成膜できることになる。
また、例えば、前記第一成膜室2は、縦型に保持された前記基材1の片面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱し得るように前記材料噴霧手段10と加熱手段4とを構成し、前記第二成膜室3は、縦型に保持された前記基材1の前記第一成膜室2において酸化物膜が成膜される片面の反対面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱し得るように前記材料噴霧手段10と加熱手段4とを構成した場合には、大面積の基材1であっても効率良く成膜を行えることになる。
また、例えば、前記加熱手段4は、前記基材1の下側程高温で加熱するように構成して、前記基材1の略全面を略均一な温度に加熱し得るように構成した場合には、大気開放型化学気相析出装置において生じる上昇気流に伴う基材1の温度変化を抑制できることになる。
また、例えば、前記第一成膜室2若しくは第二成膜室3に搬送される基材1を予備加熱する予備加熱室6を備えた場合には、第一成膜室2若しくは第二成膜室3における加熱時間を短縮して短時間で成膜を行えることになる。
また、例えば、前記予備加熱室6,第一成膜室2及び第二成膜室3を一方向に隣接若しくは近接状態に配設し、前記搬送手段5による搬送により、前記基材1が前記各室において連続的に処理されるように構成した場合には、一層効率良く成膜を行えると共に装置のコンパクト化を図れることになる。
また、例えば、前記予備加熱室6,第一成膜室2及び第二成膜室3の底部に、夫々前記搬送手段5により搬送される基材1若しくはこの搬送手段5が通過し得る搬送スリット部25を設けた場合には、搬送手段5を各室の下方に設けることで搬送手段5を設置スペースを取ることなく設置できることになる。
また、例えば、前記第二成膜室3に連設状態に、基材1を冷却するための冷却手段を設けた冷却室8を設けた場合には、基材1を取り出す際の冷却時間を短縮できると共に、急激な温度変化に伴うこの基材1の変形及び酸化物膜に発生するひび割れや剥離を阻止できることになる。
また、例えば、前記基材1を第一成膜室2及び第二成膜室3において成膜する際、停止状態若しくは搬送状態で酸化物膜を成膜し得るように前記搬送手段5を構成した場合には、より適正な成膜条件で酸化物膜を成膜できることになる。
従って、本発明は、簡易な構成で材料ガスを吹き付けた際に基材の温度を低下させることなく反応温度近傍の適正な反応温度に保ちながら基材の両面に順次成膜を行うことができ、基材に成膜される酸化物膜の膜質及び成膜速度を向上させて生産効率の向上を図ることができる極めて実用性に秀れた画期的な大気開放型化学気相析出装置となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、気化させた成膜材料とキャリアーガスとから成る材料ガスを、材料噴霧手段10により大気開放下で加熱される基材1に吹き付けてこの基材1の両面に酸化物膜を成膜する大気開放型化学気相析出装置であって、基材1の片面に前記材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜する第一成膜室2と、この基材1の反対面に前記材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜する第二成膜室3とを有し、この第一成膜室2若しくは第二成膜室3において基材1の片面に酸化物膜を成膜する際、この反対側の面を加熱する加熱手段4を、第一成膜室2及び第二成膜室3に夫々設け、この第一成膜室2及び第二成膜室3に基材1を順次搬送し得る搬送手段5を備えて、この搬送手段5による搬送により前記基材1の両面に順次酸化物膜を成膜できるように構成したものである。
具体的には、前記第一成膜室2に、前記基材1の片面の略全面に前記材料ガスを吹き付け得る材料噴霧手段と、この反対側の面の略全面を加熱し得る加熱手段4とを設け、前記第二成膜室3に、前記基材1の前記第一成膜室2において酸化物膜が成膜される片面の反対面の略全面に前記材料ガスを吹き付け得る材料噴霧手段と、この反対側の面の略全面を加熱し得る加熱手段4とを設けている。
従って、第一成膜室2若しくは第二成膜室3において基材1の片面の略全面を加熱しながら効率良く且つ均質な酸化物膜を成膜できることになる。
また、前記第一成膜室2は、縦型に保持された前記基材1の片面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱し得るように前記材料噴霧手段と加熱手段4とを構成し、前記第二成膜室3は、縦型に保持された前記基材1の前記第一成膜室2において酸化物膜が成膜される片面の反対面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱し得るように前記材料噴霧手段と加熱手段4とを構成している。
更に、前記搬送手段5は、前記基材1を縦型に保持したまま前記第一成膜室2及び第二成膜室3に順次搬送し得るように構成している。
従って、基材1は大面積になると横型に保持した場合、自重で撓みやすくなり成膜を適正に行えない場合が多いが、縦型に保持しながら成膜を行うことで、基材1が撓わむことなく良好に成膜を行えることになり、簡易な構成にして大面積の基材1の成膜に極めて適したものとなる。
また、縦型に保持した基材1に成膜を行うように構成することで、第一成膜室2及び第二成膜室3の構成も縦型となり、それだけ少ない設置スペースに設置できるからコンパクト化も達成できる。
但し、特に大面積の基材1を縦型に保持した場合、成膜室において高温のガスを吹き付けることから、上昇気流が生じやすく、それだけ基材1の表面温度が下側程低温に、上側程高温になりやすいため、本実施例においては、基材1の片面全面を同一温度で加熱するのではなく、前記加熱手段4は、前記基材1の下側程高温で加熱するように構成して、前記基材1の略全面を略均一な温度に加熱し得るように構成している。
尚、本実施例においては、上述のように基材1を縦型に保持したまま各処理を行うように構成しているが、横型に保持したまま各処理を行うように構成しても良い。
また、本実施例の第一成膜室2には、この第一成膜室2に搬送される基材1を予備加熱する予備加熱室6を連設状態に設けている。具体的には、この予備加熱室6には、基材1を両面から加熱する予備加熱手段7(例えばセラミックにヒータ線を埋め込んで成るヒータ)を設けている。
従って、成膜室における加熱時間を短縮してより効率的に成膜を行え、しかも、成膜時に基材1に反り等の変形が生じにくい構成である。
尚、本実施例の予備加熱室6には、基材1の両面から加熱する予備加熱手段7を設けた構成としているが、片面を加熱する予備加熱手段7を設けた構成としても良い。更に、本実施例においては予備加熱室6を一つ設けた場合について説明しているが、複数の予備加熱室6を連設し、搬送方向に沿って予備加熱室6毎に加熱温度を徐々に高くして基材1を段階的に加熱するように構成したり、加熱温度を同一温度として加熱時間を短縮し得るように構成しても良い。
また、本実施例においては、予備加熱室6,第一成膜室2及び第二成膜室3を一方向に連設状態に配設し、前記搬送手段5による搬送により、前記基材1が前記各室において連続的に処理されるように構成している。具体的には、搬送手段5を、基材1を所定方向に搬送するように構成し、この搬送手段5の搬送ライン上に前記各室を並設した構成である。
従って、予備加熱された基材1はその温度低下が可及的に阻止されながら第一成膜室2及び第二成膜室3で連続的に処理され、それだけ効率的に成膜を行えることになり、装置のコンパクト化も図ることができる。
また、本実施例においては、前記予備加熱室6,第一成膜室2及び第二成膜室3の底部に、夫々前記搬送手段5により搬送される基材1若しくはこの搬送手段5が通過し得る搬送スリット部25を設けている。従って、前記各室と搬送手段とを並設する構成でなく、各室の下方に前記搬送手段5を設ける構成であり、この点からもコンパクト化を図ることができることになる。
尚、本実施例においては、搬送手段5を各室の下方に設けた構成であるが、この搬送手段5を各室と並設状態に設けた構成としても良い。
また、前記予備加熱室6,第一成膜室2及び第二成膜室3を、これら各室を仕切る仕切り弁部9を介して連設状態に設けている。従って、この仕切り弁部9により加熱若しくは冷却される各室の断熱が一層良好となり、温度分布によって左右されやすい成膜をより一層良好に行えることになる。
また、前記第二成膜室3に連設状態に、基材1を冷却するための冷却手段を設けた冷却室8を設けている。
具体的には、この冷却手段としては、基材1にひび割れが生じない程度に徐々に加熱温度を下げながら冷却するためのヒータを採用している。尚、冷却時間を短縮したい場合には、水冷された冷却板を前記冷却室8に設けた構成としても良いし、不活性ガスや大気を送風することでこの基材1を冷却する構成としても良い。更に、冷却室8は複数連設した構成としても良い。従って、冷却時間を短縮できるだけでなく、急冷に伴う基材1の変形を阻止できることになる。
また、前記基材1を第一成膜室2及び第二成膜室3において成膜する際、停止状態若しくは搬送状態で酸化物膜を成膜し得るように前記搬送手段5を構成している。従って、成膜条件をより柔軟に変化させて良好な酸化物膜の成膜が可能となる。
各部を具体的に説明する。
搬送手段5としては、各室の下方にして各室が連設される前記一方向に沿って延びるラック12と、このラック12と係合するピニオン13を備えて前記ラック12に沿って移動するベースキャリアー17とから成り、このベースキャリアー17に前記基材1を保持する基材保持部20を設けた自走式の搬送装置を採用している。
具体的には、基盤16上に固定用板21を介してラック12及びガイドレール22を並設し、板状のベースキャリアー17の下面に前記ラック12及びガイドレール22上を摺動移動する摺動体15を取り付け、前記ベースキャリアー17の上面に前記ラック12と噛合するピニオン13を駆動するサーボモータ14を設け、このサーボモータ14の駆動によりベースキャリアー17がピニオン13の回転方向に応じた方向に前記ラック12及びガイドレール22に沿って移動するように構成し、このベースキャリアー17上に前記基材保持部20を有する支持体18を設け、この基材保持部20により保持した基材1を搬送し得るように構成している。
従って、搬送装置をコンパクトにすることができるから、それだけ本装置の小型化を図ることが可能となる。
また、この搬送装置の駆動部が、成膜室の外部に設けられることで、駆動部を常温で動作させることが可能となり、駆動部の耐久性及び信頼性の向上を図ることができる。従って、本実施例においては前記ベースキャリアー17をラック&ピニオン機構によって移動させる構成としているが、駆動方式は、他の機構、例えばボールネジ機構やベルト機構を採用しても良い。
予備加熱室6,第一成膜室2,第二成膜室3及び冷却室8には、底部に上述の搬送スリット部25が設けられている。
具体的には、前記搬送スリット部25は、各室の下部に設けた開口部26と、この開口部26を閉塞する(シリコンラバー製の)シール部19とで構成されている。このシール部19は、前記基材保持部20をシールした状態で搬送するように構成し、搬送装置により基材1を搬送する際、この搬送装置の基材保持部20により、シール部19を左右に押し広げながら基材1を搬送し得るように構成している。
従って、搬送時にも前記各室の密閉性が可及的に保持される構成であり、それだけ放熱を阻止できることになり、一層効率的に均一な膜質を有する酸化物膜を成膜できることになる。
また、第一成膜室2及び第二成膜室3の上部には、材料ガスを排気する排気部が設けられている。具体的には、排気部は、排出口11と、この排出口11に設けられるダンパ23とから成り、このダンパ23により材料ガスによる上昇気流が可及的に起きにくい開口面積に設定できるようにしている。
また、第一成膜室2及び第二成膜室3には、この前記材料噴霧手段10であるノズル体と、前記加熱手段4である例えば公知のセラミックにヒータ線を埋め込んで成るヒータとが対向状態に設けられ、このノズル体とヒータとの間を縦型に保持された基材1が搬送されるように構成している。
このノズル体は、縦型に保持された基材1の片面の略全面に同時に成膜できるように複数並設状態に設けられている。具体的には、本実施例においては上下方向に3つ並設した構成である。
従って、前記片面の略全面に同時に成膜できるから、それだけ成膜速度が速く、短時間で成膜を行うことができ効率良く基材1の両面に酸化物膜を成膜できることになる。
このノズル体には、夫々公知のキャリアーガス及び成膜材料ガス供給系24により、気化された成膜材料がキャリアーガス(窒素)により搬送されて前記各成膜室に導入されるように構成している。
ところで、本実施例は350度程度に加熱した材料ガスを600度程度に加熱した縦型の基材1に吹き付けることで成膜を行うため、この高温の材料ガスにより上昇気流が生じて基材1の上部程温度が上昇しやすく、縦長であることから、上下方向に温度分布が生じる。
そこで、本実施例においては、前記加熱手段4を、前記搬送手段5に保持される基材1の高さ方向に少なくとも2以上に分割して設け、この分割された加熱手段4を夫々独立に加熱制御し得るように構成している。
具体的には、この加熱手段4は基材1の上下方向に3分割して設け、この分割された加熱手段4を夫々独立に加熱制御し得るように構成している。更に具体的には、ヒータを上下方向に3つ並設した構成としている。
従って、縦型の基材1に成膜する際には、上述のように上昇気流によって基材1の上下方向に温度分布が生じる場合があるが、本実施例においては、基材1の各部を夫々独立に制御したヒータにより加熱することができるから、基材1の温度を均一に保持でき、それだけ良好に成膜を行えることになる。
尚、本実施例においては加熱手段4を前記基材1の上下方向に3分割した構成であるが、2分割等、他の構成としても良い。
また、上述の各室の周壁部は断熱材により形成され、この点からも成膜室等からの熱放散は可及的に阻止されることになる。
また、各室を仕切る仕切り弁部9としては、自動で開閉可能な公知の弁を採用している。この仕切り弁部9は、各室を密閉する必要はなく、断熱を行える構成であれば良い。
また、本実施例の予備加熱室6には基材搬入用の搬入室27を連設し、冷却室8には基材搬出用の搬出室28を連設している。従って、本実施例は、搬入室27から搬入された基材1を、予備加熱室6で予備加熱し、第一成膜室2及び第二成膜室3で一連に基材1の両面に酸化物膜を成膜し、この両面に酸化物膜が成膜された基材1を冷却室8で冷却して、搬出室28から搬出する構成であり、予備加熱室6及び冷却室8からの熱放散を阻止してより効率的に成膜を行えることになる。
本実施例は上述のように構成したから、基材1に材料ガスを吹き付けて基材1の両面に酸化物膜を成膜する際、基材1を搬送手段5により第一成膜室2及び第二成膜室3に順次搬送し、第一成膜室2において片面に材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜し、第二成膜室においてこの酸化物膜が成膜された片面の反対面に材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜することで、この基材1の両面に順次酸化物膜を成膜する。
即ち、第一成膜室2と第二成膜室3とで基材1の片面ずつに材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜することで、両面に同時に成膜を行う場合に比し、吹き付けた材料ガス(300度程度)による基材1(600度程度)の温度低下を抑制することができる。
しかも、片面に材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱手段4により加熱することで、基材1の温度を材料ガスの反応温度に近い適正な温度に保持しながら成膜を行うことが可能となる。
即ち、第一成膜室2においては片面に材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱手段4により加熱することで酸化物膜を成膜し、第二成膜室3においては前記酸化物膜が成膜された片面の反対面に材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱手段4により加熱することで酸化物膜を成膜して、この基材1の両面に酸化物膜を成膜することで、基材1の温度低下は一層抑制されることになり、材料ガスに含まれる成膜材料が基材1上で良好に成膜される温度を保持しつつ成膜を行えることになる。
従って、成膜材料をより適正な温度で酸化反応させることができるから、酸化物膜の膜質及び成膜速度を向上させることができ、生産効率の向上を図ることができる。
更に、第一成膜室2及び第二成膜室3の構成は、基材1の片面側に材料噴霧手段10を設け、この反対側の面に加熱手段4を設ける構成であり、これらが一側に片寄らず簡易な構成で実現でき、しかも、この第一成膜室2と第二成膜室3とは略同一構成のもの(前記材料噴霧手段10と加熱手段4の位置が異なるだけ)を採用できるから、それだけ容易且つコスト安に製造できることになる。
また、前記搬送手段5により第一成膜室2及び第二成膜室3に順次搬送することで一連に基材1の両面に成膜を行うことができるから、片面ずつ成膜を行う構成でありながら、厄介な入れ替え作業を必要とせず、更に、基材1の搬入出も容易であり、この点からも生産効率の向上を図ることができる。
更に、基材1の片面のみに成膜を行って取り出した場合、成膜した酸化物膜の内部応力により基材1が歪み及び変形を引き起こし、この酸化物膜のひび割れや剥離を発生させて品質を低下させることがあるが、本実施例によれば、第一成膜室2及び第二成膜室3を一方向に連設状態に配設し、この第一成膜室2及び第二成膜室3で連続的に成膜を行えるから、上述のような問題を生じさせることなく片面ずつに成膜を行うことができる。
従って、基材1の両面への酸化物膜の成膜を極めて効率良く行うことができるのは勿論、この酸化物膜の膜質を向上させることができ、品質及び生産性の向上を図ることができる。
また、簡易な構成の第一成膜室2及び第二成膜室3により基材の両面に成膜を行えるから、それだけコスト安に製造できることになる。
従って、本実施例は、簡易な構成で材料ガスを吹き付けた際に基材の温度を低下させることなく反応温度近傍の適正な反応温度に保ちながら基材の両面に順次成膜を行うことができ、基材に成膜される酸化物膜の膜質及び成膜速度を向上させて生産効率の向上を図ることができる極めて実用性に秀れた画期的な大気開放型化学気相析出装置となる。
本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例の構成概略説明図である。 本実施例の成膜室の概略説明断面図である。 本実施例の搬送手段の概略説明斜視図である。
1 基材
2 第一成膜室
3 第二成膜室
4 加熱手段
5 搬送手段
6 予備加熱室
7 予備加熱手段
8 冷却室
9 仕切り弁部
10 材料噴霧手段
25 搬送スリット部

Claims (12)

  1. 気化させた成膜材料とキャリアーガスとから成る材料ガスを、材料噴霧手段により大気開放下で加熱される基材に吹き付けてこの基材の両面に酸化物膜を成膜する大気開放型化学気相析出装置であって、基材の片面に前記材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜する第一成膜室と、この基材の反対面に前記材料ガスを吹き付けて酸化物膜を成膜する第二成膜室とを有し、この第一成膜室若しくは第二成膜室において基材の片面に酸化物膜を成膜する際、この反対側の面を加熱する加熱手段を、第一成膜室及び第二成膜室の双方に設け、この第一成膜室は、前記基材の片面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を前記加熱手段により加熱し得るように構成し、前記第二成膜室は、基材の前記第一成膜室において酸化物膜が成膜される前記片面の反対面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を前記加熱手段により加熱し得るように構成し、この第一成膜室及び第二成膜室に基材を順次搬送し得る搬送手段を備えて、この搬送手段による搬送により前記基材の両面に順次酸化物膜を成膜できるように構成したことを特徴とする大気開放型化学気相析出装置。
  2. 前記第一成膜室に、前記基材の片面の略全面に前記材料ガスを吹き付け得る材料噴霧手段と、この反対側の面の略全面を加熱し得る加熱手段とを設け、前記第二成膜室に、前記基材の前記第一成膜室において酸化物膜が成膜される片面の反対面の略全面に前記材料ガスを吹き付け得る材料噴霧手段と、この反対側の面の略全面を加熱し得る加熱手段とを設けたことを特徴とする請求項記載の大気開放型化学気相析出装置。
  3. 前記第一成膜室は、縦型に保持された前記基材の片面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱し得るように前記材料噴霧手段と加熱手段とを構成し、前記第二成膜室は、縦型に保持された前記基材の前記第一成膜室において酸化物膜が成膜される片面の反対面に前記材料ガスを吹き付けながら、この反対側の面を加熱し得るように前記材料噴霧手段と加熱手段とを構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置。
  4. 前記搬送手段は、前記基材を縦型に保持したまま前記第一成膜室及び第二成膜室に順次搬送し得るように構成したことを特徴とする請求項3記載の大気開放型化学気相析出装置。
  5. 前記加熱手段は、前記基材の下側程高温で加熱するように構成して、前記基材の略全面を略均一な温度に加熱し得るように構成したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置。
  6. 前記第一成膜室若しくは第二成膜室に搬送される基材を予備加熱する予備加熱室を備えたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置。
  7. 前記予備加熱室に基材を両面から加熱する予備加熱手段を設けたことを特徴とする請求項記載の大気開放型化学気相析出装置。
  8. 前記予備加熱室,第一成膜室及び第二成膜室を一方向に隣接若しくは近接状態に配設し、前記搬送手段による搬送により、前記基材が前記各室において連続的に処理されるように構成したことを特徴とする請求項6,7のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置。
  9. 前記予備加熱室,第一成膜室及び第二成膜室の底部に、夫々前記搬送手段により搬送される基材若しくはこの搬送手段が通過し得る搬送スリット部を設けたことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置。
  10. 前記予備加熱室,第一成膜室及び第二成膜室を、これら各室を仕切る仕切り弁部を介して連設状態に設けたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置。
  11. 前記第二成膜室に連設状態に、基材を冷却するための冷却手段を設けた冷却室を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置。
  12. 前記基材を第一成膜室及び第二成膜室において成膜する際、停止状態若しくは搬送状態で酸化物膜を成膜し得るように前記搬送手段を構成したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の大気開放型化学気相析出装置。
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