JP4480877B2 - 開口容易缶蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶の内部に向けて押し下げることにより容易に開蓋する開口片をスコア線によって区画形成した開口容易缶蓋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特別な器具を使用することなく開口させることのできる開口容易缶蓋(イージーオープンエンド)として、スコア線によって缶蓋に区画形成された開口片をタブによって押し下げるタイプの蓋が知られている。しかしこの種の蓋では、缶蓋を構成しているパネルの部分とは別にタブを製造する必要があるため、製造工程が増え製造コストが嵩む不都合がある。そのため、タブを使わないイージーオープンエンドが種々提案されており、例えば特開2000―203573号公報及び実公昭57―42818号公報にその例が記載されている。
【0003】
特開2000―203573号公報に記載された発明では、蓋部材において環状溝から缶胴の中心軸側に向かうと共に上方に延出してスカート壁が形成され、その上端部に窪み部が形成されている。その窪み部の内側のパネル部には、スコア線によって、一部を残して略円形に区画された開口片が形成されている。そして缶蓋を開ける場合には、その開口片を押圧することによりスコア線を破断しつつ開口片を容器本体内部に押し下げて、開口片をパネル部に対して吊り下げ状態にする。
【0004】
この種の缶蓋では、開口操作に要する力を軽減して開蓋性を更に向上させるために、スコア線の全体もしくはその一部を、パネル部を厚さ方向に完全切断した線として構成することも可能である。このような構成とした場合には、内容物の漏洩を防ぐ必要があるから、パネル部を完全に切断しているスコア線上及びこれに隣接した部分に、下側(缶の内面となる側)からプラスチゾルを塗布することになる。なお、このプラスチゾルは、スコア線を形成することにより破損した被膜に替わって缶蓋の素材である金属を隠蔽し、その腐食や内容物のフレーバーの毀損などを防止する機能を果たす。
【0005】
また、実公昭57―42818号公報に記載された発明では、中央板内に形成された開口部分が小部分で中央板に連続している舌片によって閉塞されている押し下げ開口式缶蓋において、開口部分の周縁と舌片の周縁との境界が、舌片の小部分から、順次、薄肉脆弱部、破断分離部及び切断分離部に区分され、開口始端側の切断分離部及び破断分離部は完全に破断された状態となっている。
【0006】
この実公昭57―42818号公報に記載されている構造では、前記小部分の反対側に位置する開口始端となる境界線に、該境界線が完全に切断された切断分離部を設けているため、開口に要する押圧力が小さくて済む。また、境界線を完全に切断しても密封剤を塗布しているため、密封性が保たれて内容物の漏洩が防止され、同時に破損した被膜に替わる保護機能を生じさせることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
スコア線或いは境界線によるパネル部の切断は、スコア刃をパネル部に押し付けてスリット状の切れ目を入れることにより行われ、パネル部を形成している金属材料を切除するものではないから、スコア線或いは境界線によるパネル部の切断によって実質的な隙間が生じることは、基本的にはない。しかしながら、スコア線や境界線を形成する際に想定されない外力が作用したり、或いは金属素材の品質の不均一さなどが原因となって、スコア線や境界線を形成した後に変形が生じ、破断端同士が同一平面とならずに、押圧力を加えない状態であっても、破断された部分が開口してしまうことがある。また、折り畳部にスコア線を形成する場合には、折り畳部以外にスコア線を形成する場合に比較して、成形が不安定になり、変形が生じやすい。
【0008】
このような変形によって隙間が生じることを、口開きと称しており、口開きが生じた場合には、破断端同士が対向する状態を保持できずに少なくともいずれか一方が板厚方向に移動して(ずれて)隙間が生じ、前述した密封剤を塗布した際にその密封剤が缶蓋の表面側(缶の外面側)に漏洩することがある。すなわち、密封剤の塗布工程からコンベヤを経て乾燥機に入り、密封剤が乾燥され硬化するまでの間に、密封剤に流動性があるために、口開きの隙間から缶蓋外面に漏洩し、外部から見える状態になって見栄えや外観が損なわれる。またこれと併せて、内面の破断面同士を密着するための密封剤の量が減り、密着性が悪くなるなどの不都合が生じやすくなる。
【0009】
本発明は上記の点に事情を背景としてなされたものであり、缶蓋内側に塗布した密封剤が缶蓋外側に漏洩せず、且つ、小さい押圧力で容易に開口できる缶蓋を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、外周部に巻き締め用のフランジ部が形成されたパネル部における平坦部に、両端部を所定の間隔をあけて離隔させたスコア線により第一開口片が区画形成されるとともに、前記スコア線の互いに離隔した端部同士の間の部分が前記第一開口片を缶内部に押し下げたときに前記第一開口片を缶内部に吊り下げた状態に前記平坦部につなぐ第一ヒンジ部とされ、さらに前記スコア線を隠蔽するように前記平坦部の裏面に密封剤が塗布された開口容易缶蓋において、前記第一開口片を区画している前記スコア線のうち、少なくとも前記第一ヒンジ部とは反対側に位置する半分の領域に、前記スコア線が前記平坦部の板厚方向に貫通した破断部が形成され、かつ、その破断部が形成されている、前記第一ヒンジ部とは反対側に位置する半分の領域中に、前記スコア線が前記平坦部の板厚方向に貫通していないことにより前記第一開口片の外周縁と該外周縁に対向する前記平坦部の内周縁とが板厚方向に相対的に変形しないように係合する係止部が形成されていることを特徴とする開口容易缶蓋である。
【0011】
従って、請求項1に記載の発明によれば、第一ヒンジ部とは反対側に位置する半分の領域では、スコア線が平坦部の板厚方向に貫通することによる破断部が形成されており、しかもその部分が、第一開口片を平坦部に繋いでいる第一ヒンジ部から最も離れているので、前述したいわゆる口開きが生じやすくなっているが、その破断部と併せて、破断部が形成されている、前記第一ヒンジ部とは反対側に位置する半分の領域中に、スコア線がパネル部における平坦部の板厚方向に貫通していない係止部が形成されていることによって、第一開口片と平坦部との板厚方向への相対変形が阻止されている。そのため、第一開口片の変形やそれに起因する口開きが生じない。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、前記係止部が、前記第一ヒンジ部と前記第一開口片の中心とを結ぶ直線に対して左右対称の位置にそれぞれ形成されていることを特徴とする開口容易缶蓋である。
【0013】
従って、請求項2の発明によれば、第一開口片の平坦部に対する相対的な変形は、その中心部に対して第一ヒンジとは反対側の部分で最も生じやすくなるが、その部分を挟んだ左右対称との位置に形成された係止部によって、その変形が生じないように、第一開口片が支えられた状態となる。その結果、第一開口片の相対的な変形やそれに起因する口開きが有効に防止される。また、第一ヒンジ部とは反対側の部分は板厚方向に貫通した破断部となるので、第一開口片を押し開くために要する力が小さくてよく、開蓋性が損なわれることはない。
【0014】
更に、請求項3に記載の発明は、請求項2の発明に加えて、前記係止部が、前記第一開口片の中心を中心として前記直線から離れる方向に25゜以上90゜以下の範囲に形成されていることを特徴とする開口容易缶蓋である。
【0015】
従って、請求項3に記載の発明によれば、第一ヒンジ部と第一開口片との中心とを結ぶ直線から離れる方向、具体的には、正逆方向に少なくとも25゜未満の範囲が破断部となる。その結果、口開きを確実に防止できると同時に、第一開口片を押し開くための初期破断に要する力が小さくてよく、開蓋性が良好になる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの発明に加えて、前記第一開口片の内周側に、両端部の離隔した曲線状をなし且つ押圧力によって破断する破断線により区画された略円形の第二開口片が設けられ、前記破断線が、その両端部の離隔した部分を除いて前記平坦部をその板厚方向に完全に切断していると共に、前記第二開口片の端縁部分が前記第一開口片の缶内面側となる面に重合され、更にその重合部分の缶内面側が密封剤によって被覆されて封鎖されていることを特徴とする開口容易缶蓋である。
【0017】
従って、請求項4に記載の発明によれば、缶の内圧が高く、缶内圧が第一開口片の押し下げ力に抵抗する力として作用するいわゆる陽圧缶に使用した場合であっても、第二開口片により缶内部のガスを抜いて内圧を下げることができるので、第一開口片を指で押圧して容易に開けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の具体例を図面を参照して説明する。図1はこの発明の一具体例を示すものであって、ここには開口部突出缶蓋1と缶体2とが示されている。この発明の開口容易缶蓋に相当する開口部突出缶蓋1は、アルミニウム合金などの金属製の平板材(図示せず)から形成されている。なお、この平板材の一方の表面には、合成樹脂からなる図示しない内面被膜(塗膜)が予め形成されている。この内面被膜は、保護塗料や樹脂フィルムから形成されている。
【0019】
その塗料としては、熱硬化性及び熱可塑性樹脂からなる任意の保護塗料、例えばフェノール―エポキシ塗料、アミノ―エポキシ塗料等の変性エポキシ塗料、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体、エポキシ―フェノール変性ビニル塗料等のビニルまたは変性ビニル塗料等の単独または2種以上の組み合わせが使用される。またその樹脂フィルムとしては、エチレン―テレフタレートを基本構成とするポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、更にはポリエチレンテレフタレート―イソフタレート(PET/I)等のコポリマーでも適用できる。また樹脂フィルムが内面被膜に用いられる場合、その樹脂フィルムは、未延伸のものでも二軸延伸のものでもよい。
【0020】
開口部突出缶蓋1の外周側には、円筒状の缶胴3の開口端部4に巻き締め固着して巻締部5を形成する周知の形状のフランジ部5Aが形成されている。またその巻締部5から開口部突出缶蓋1の半径方向での内側には、図1でのほぼ下方向に窪んだ環状溝6が形成されている。缶胴3の軸線方向での環状溝6の断面形状は、U字形状を成している。
【0021】
環状溝6から缶胴3の中心軸側に向かうと共に、図1での上方向に延出してスカート壁7が形成されている。このスカート壁7は、その断面が円弧形状に湾曲している。またこのスカート壁7の図1における上端部に続けて隆起部8が形成されている。
【0022】
更にその隆起部8の図1での上端部には、側壁面が半径方向での外側に向けて僅かに突出した口頸部9が形成されている。すなわち口頸部9自体は、その長さ方向において外径の異なる円筒状をなしている。なお口頸部9は、上記の形状には限定されず、例えば外径が一定の円筒状、つまり側壁面が缶胴3の中心軸線とほぼ平行な形状としてもよい。なお、口頸部9とスカート壁7と隆起部8とによって、突出部10が形成されている。
【0023】
他方、口頸部9の上縁部に繋がる壁面は、内周側に向けて折り曲げられている。つまり口頸部9の上縁部を塞ぐような面が備えられていて、その面は缶胴3の中心軸線とほぼ直交した平坦面となっている。そしてこの部分が、環状平坦部11として形成されている。
【0024】
更に環状平坦部11の内縁部から繋がる壁面が、缶胴3の中心軸線とほぼ平行に図1の下方に向けて折り曲げられており、ここが内周壁12として形成されている。すなわちこの内周壁12は、口頸部9の内周側に備えられた全体として環状を成す壁面である。更に内周壁12の下縁部には、図1の下方に向けて円弧状に湾曲した窪み部13が形成されている。この窪み部13は、周方向の全体にわたって形成されるものであり、全体として環状を成している。この窪み部13の底部は、後述の折り畳部14の最下層18よりも下側に位置している。
【0025】
更に窪み部13の内周側の壁面は、中心軸線に向けて上側に傾斜しており、ここが第一環状壁15となっている。この第一環状壁15の上縁部から繋がる壁面は、缶胴3の中心軸線と直交した幅の狭い平坦面を成しており、更にその平坦面の一部が、全体として円形を成すように三層に折り畳まれていて、ここが折り畳部14として形成されている。
【0026】
より詳細には、この折り畳部14は、前記平坦面の一部を下側に且つ半径方向で外側に向けて折り返し、更にその折り返し端を缶胴3の中心軸側に再度折り返した構造となっている。つまり図3に示すように、折り畳部14における各層(最上層16と中間層17と最下層18)が、それぞれ平坦面を成していて、開口部突出缶蓋1の中心軸線と直交した線に対して平行となっている。
【0027】
折り畳部14における最下層18には、スコア線19の両端部を所定の間隔をあけて離隔させてあり、スコア線19の内周側には第一開口片20が区画されて形成されている。具体的には、スコア線19は、折り畳部14に沿うように、すなわち折り畳部14の内周側先端部または内周側折曲部よりも外側に形成されており、離隔した両端部の間に略円形を成している。従って、第一開口片20は、折り畳部14における最下層18と一体に繋がる壁面からなり、スコア線19によって区画された略円形の部材である。そして第一開口片20は、図2に示すように、スコア線19の離隔した両端部同士の間の部分を、第一ヒンジ部60とし、第一ヒンジ部60を残して突出部10の内側に押し下げられて吊り下げられる構造となっている。
【0028】
より具体的には、第一開口片20は、最下層18と同じ高さに位置し且つ開口部突出缶蓋1の中心軸線と直交した線に対して平行な外側平坦部21と、その外側平坦部21の内周縁に連続し且つ上方に傾斜した第二環状壁22と、その第二環状壁22の内周縁に連続し且つ外側平坦部21と平行な内側平坦部23とを備えている。なお、内側平坦部23は、突出部10の突出方向において折り畳部14の最上層16よりも高い位置に設けられている。
【0029】
更に、図4に示すように、本実施の形態ではスコア線19内の二箇所に係止部70が形成されている。係止部70を形成する箇所の数は二箇所に限定されず、作業効率或いは第一開口片20の板厚方向への変形の阻止効果や開蓋性等を考慮して決定される。係止部70が形成されている箇所は、一例として第一ヒンジ部60の両端部の中心と前記スコア線19によって形成された略円形の中心とを結ぶ直線、すなわち第一ヒンジ部60の中心と第一開口片20の中心とを結ぶ直線をLとし、係止部70の中心と第一開口片20の中心とを結ぶ直線をMとしたとき、第一ヒンジ部60とは反対側に位置する半分の領域であり、直線Lと直線Mとの成す角θが30゜となる直線Lに対し左右対称の位置である。第一開口片20の残りの部分はスコア線19が板厚方向に貫通した破断部71となっている。
【0030】
図5(a)は、スコア線19の周方向断面図であり、図5(b)は、直線M上のスコア線19の断面図である。本実施の形態では係止部70は、スコア線19が板厚方向に貫通していない非破断部として形成され、その形状は、図5(a)、(b)に示すように、周方向の平坦部70aの幅は0.1mmであり、残厚は0.1mmである。ただし、係止部70はこの形状に限定されるものではない。また図5(c)は、スコア線19によって形成された係止部70と破断部71を缶蓋内面側から示す平面図である。図5(c)に示すように、係止部70の平坦部70aと破断部71との間には、破断部71に近ずくにつれて残厚が薄くなる傾斜部70bが設けられている。なお、この係止部70を設ける位置は、第一開口片20の中心を中心とし、前記直線Lと直線Mの成す角度(図4でのθ)が25°から90°の範囲が好ましく、この範囲であれば、第一開口片20の板厚方向への変形阻止機能と第一開口片20の押し開き性(開蓋性)とを両立させることができる。
【0031】
図6(a)は、スコア刃の周方向断面図であり、図6(b)は、直線M上に対向するスコア刃の断面図である。上記の係止部70を形成するためには図6(a)に示すようなスコア刃100を用いることになる。破断部71を形成するためには第一部分100aで破断が行われる。係止部70の平坦部70aを形成するためには第二部分100bが用いられる。係止部70と破断部71との間の傾斜部70bを形成するためには第三部分100cが用いられる。スコア刃100の断面形状は、図6(b)に示すように、断面略台形であり、また、全体の平面形状は図4に示すように略円形を成している。
【0032】
なお、第一開口片20を押し下げた状態で現れる開口部が、第一開口部24となっており、その第一開口部24の内径は、折り畳部14の内径に相当し、一例として16mm以上に設定されている。これは、缶詰の内容物である飲料を注出し易い値のいわゆる下限となっている。
【0033】
更に、第一開口片20と折り畳部14と第一環状壁15のうちスコア線19に隣接した部分には、密封剤であるプラスチゾル25が塗布されている。このプラスチゾル25は、缶体2の内圧の変化によってスコア線19が破断することを防ぐと共に、スコア線19を形成することによる塗膜の損傷を補修し、飲料の侵入による開口部突出缶蓋1の腐食を防ぐためのものである。プラスチゾル25を塗布することによって、内容液の漏洩を防止できる。
【0034】
第一開口片20における内側平坦部23の内周側には、突出した第二開口片26が設けられている。具体的には、この第二開口片26は、内側平坦部23の内周縁によって区画された略円形の突起であり、内側平坦部23の内面側に密着した環状鍔部27と、その環状鍔部27の内周縁に連続し且つ上方に傾斜した傾斜壁部28と、その傾斜壁部28の内周縁に連続して、開口部突出缶蓋1の中心軸線と直交した線に対して平行な押圧部29とを備えている。そして、この第二開口片26と第一開口片20及び窪み部13とによってパネル部40が形成されている。
【0035】
環状鍔部27の外径は、第一開口片20の内側平坦部23の内径よりも僅かに大きく設定されていて、環状鍔部27が内側平坦部23に重ね合わされた状態となっている。そしてその重合部分が、オーバーラップ部50として形成されており、そのオーバーラップ部50の近傍には、プラスチゾル30が塗布されている。具体的には、環状鍔部27と内側平坦部23と第二環状壁22とを一体に被覆した状態にプラスチゾル30が設けられていて、オーバーラップ部50が封鎖されている。
【0036】
つぎに上記のように構成された開口容易缶蓋の係止部70の形成及び作用について説明する。最下層18にスコア線19を設けるためのスコア刃100を押しつけると、スコア線19によって区画された略円形の第一開口片20が形成される。その際、第一ヒンジ部60の両端部の中心とスコア線19によって形成された略円形の中心とを結ぶ直線Lに対して左右対称の30゜の位置に係止部70が形成される。そして、第一開口片20は第一ヒンジ部60と係止部70とによって保持される。つまり、第一開口片20の外周縁と最下層18の内周縁とが対向した状態になるように、言い換えれば、板厚方向の相対的な変形が生じないように、係止部70が作用し第一開口片20が保持される。
【0037】
その結果、第一開口片20の外周縁と最下層18の内周縁とが対向する位置から板厚方向にずれて口開き(隙間)を生じることがない。つぎにスコア線19に隣接した部分にプラスチゾル25を塗布する。プラスチゾル25は第一開口片20の外周縁と最下層18の内周縁とに口開き(隙間)がないためスコア線19の近傍に留まり缶蓋外面である外側平坦部21等に漏洩することがなく、缶蓋の外観が損なわれることがない。またプラスチゾル25が漏洩して減少することがないため、第一開口片20の外周縁と最下層18の内周縁との密着性を充分に確保できる。尚、最下層18の内周縁が請求項1の平坦部の内周縁に相当する。
【0038】
一方、上記の缶蓋をあける場合、まず例えば親指で第二開口片26における押圧部29を押圧する。押圧部29を押圧することで破断線31に沿う破断が生じて第二開口片26が開口部突出缶蓋1の内側に押し下げられる。その場合、第二開口片26は、第二ヒンジ部61によって吊り下げられた状態になる。その結果、第二開口部32が形成され缶体2の内部に封入されている炭酸ガス等の気体が外部に排出される。ついで親指の一部が内側平坦部23に当接し、第一開口片20が缶の内部に押し下げられる。その場合、第一ヒンジ部60に対して反対側の部分におけるスコア線が板厚方向に貫通し、破断部71を形成しているので、第一開口片20を容易に押し開くことができる。すなわち初期破断に要する力が小さくてよい。その後、第一開口片20の変形が、係止部70の部分に到るが、その時点では、第一開口片20の変形が進行していて、係止部70に対しては、これを引きちぎる荷重が作用するので、係止部70が容易に破断される。
【0039】
最終的には、スコア線19の端部同士の間の第一ヒンジ部60により、第一開口片20が開口部突出缶蓋1の内側に吊り下げられた状態に開蓋される。更に、図2に示すように、第二ヒンジ部61の位置が第一ヒンジ部60の位置と円周方向で一致しているため、缶体2の向き或いは押圧するための指の向きを変えなくてよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、第一ヒンジ部とは反対側に位置する半分の領域では、スコア線がパネル部における平坦部の板厚方向に貫通することによる破断部が形成されており、しかもその部分が、第一開口片を平坦部に繋いでいる第一ヒンジ部から最も離れているので、前述したいわゆる口開きが生じやすい状態となっているが、その破断部と併せて、破断部が形成されている、前記第一ヒンジ部とは反対側に位置する半分の領域中に、スコア線がパネル部における平坦部の板厚方向に貫通していない係止部が形成されていて、第一開口片と平坦部との板厚方向に相対変形が阻止されているため、第一開口片の変形やそれに起因する口開きを確実に防止することができ、それに伴い密封剤が外部に漏洩したり、外観が損なわれたりすることを防止することができる。
【0042】
また、請求項2の発明によれば、第一開口片の平坦部に対する相対的な変形は、その中心部に対して第一ヒンジとは反対側の部分で最も生じやすい状態となるが、その部分を挟んだ左右対称との位置に形成された係止部によって、その変形が生じないように、第一開口片が支えられるから、第一開口片の相対的な変形やそれに起因する口開きを有効に防止でき、また、第一ヒンジ部とは反対側の部分はスコア線によって切断された破断部となるので、第一開口片を押し開くために要する力が小さくてよく、開蓋性を良好なものとすることができる。
【0043】
更に、請求項3に記載の発明によれば、第一ヒンジ部と第一開口片との中心とを結ぶ直線から離れる方向、具体的には、正逆方向に少なくとも25゜未満の範囲が破断部となるから、口開きを確実に防止できると同時に、第一開口片を押し開くための初期破断に要する力が小さくてよく、開蓋性を良好なものとすることができる。
【0044】
また、請求項4に記載の発明によれば、缶の内圧が高く、缶内圧が第一開口片の押し下げ力に抵抗する力として作用するいわゆる陽圧缶に使用した場合であっても、第二開口片により缶内部のガスを抜いて内圧を下げることができるので、第一開口片を指で押圧して容易に開けることができ、開蓋性の良好な缶蓋を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一具体例を示す概略図である。
【図2】 開口部突出部缶蓋を押圧部側から示す概略図である。
【図3】 スコア線及び破断線の近傍を示す断面図である。
【図4】 スコア線によって形成された第一開口片の概略図である。
【図5】 係止部の形状を示す説明図であって、(a)は係止部の周方向断面図、(b)は係止部を含む折り畳部の断面図、(c)はスコア線によって形成された係止部と破断部とを缶蓋内面側から示す正面図である。
【図6】 スコア刃を示す説明図であって、(a)はスコア刃の側面図、(b)はスコア刃の断面図である。
【符号の説明】
1…開口部突出缶蓋、 19…スコア線、 20…第一開口片、 21…外側平坦部、 23…内側平坦部、 25,30…プラスチゾル、 26…第二開口片、 29…押圧部、 31…破断線、 32…第二開口部、 40…パネル部、 50…オーバーラップ部、 60…第一ヒンジ部、 70…係止部。
Claims (4)
- 外周部に巻き締め用のフランジ部が形成されたパネル部における平坦部に、両端部を所定の間隔をあけて離隔させたスコア線により第一開口片が区画形成されるとともに、前記スコア線の互いに離隔した端部同士の間の部分が前記第一開口片を缶内部に押し下げたときに前記第一開口片を缶内部に吊り下げた状態に前記平坦部につなぐ第一ヒンジ部とされ、さらに前記スコア線を隠蔽するように前記平坦部の裏面に密封剤が塗布された開口容易缶蓋において、
前記第一開口片を区画している前記スコア線のうち、少なくとも前記第一ヒンジ部とは反対側に位置する半分の領域に、前記スコア線が前記平坦部の板厚方向に貫通した破断部が形成され、かつ、その破断部が形成されている、前記第一ヒンジ部とは反対側に位置する半分の領域中に、前記スコア線が前記平坦部の板厚方向に貫通していないことにより前記第一開口片の外周縁と該外周縁に対向する前記平坦部の内周縁とが板厚方向に相対的に変形しないように係合する係止部が形成されていることを特徴とする開口容易缶蓋。 - 前記係止部は、前記第一ヒンジ部と前記第一開口片の中心とを結ぶ直線に対して左右対称の位置にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の開口容易缶蓋。
- 前記係止部は、前記第一開口片の中心を中心として前記直線から離れる方向に25゜以上90゜以下の範囲に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の開口容易缶蓋。
- 前記第一開口片の内周側に、両端部の離隔した曲線状をなし且つ押圧力によって破断する破断線により区画された略円形の第二開口片が設けられ、前記破断線により、その両端部の離隔した部分を除いて前記平坦部がその板厚方向に完全に切断していると共に、前記第二開口片の端縁部分が前記第一開口片の缶内面側となる面に重合され、更にその重合部分の缶内面側が密封剤によって被覆されて封鎖されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の開口容易缶蓋。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000360489A JP4480877B2 (ja) | 2000-11-28 | 2000-11-28 | 開口容易缶蓋 |
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